JP2002173495A - 高純度有機シラン類及びその精製法 - Google Patents

高純度有機シラン類及びその精製法

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JP2002173495A
JP2002173495A JP2001074216A JP2001074216A JP2002173495A JP 2002173495 A JP2002173495 A JP 2002173495A JP 2001074216 A JP2001074216 A JP 2001074216A JP 2001074216 A JP2001074216 A JP 2001074216A JP 2002173495 A JP2002173495 A JP 2002173495A
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JP2001074216A
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Isao Harada
功 原田
Hiroyuki Inoue
博行 井上
Satoshi Kawamoto
悟志 川本
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 有機シラン類に含まれる不純物を安定的経済
的に除去し、半導体デバイス製造用プロセスガスとして
好適な高純度有機シランガス及びその高純度有機シラン
ガスを得る方法を提供する。 【解決手段】 不純物を含むSiHn4-n(nは1〜3
の整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール
基を表す)で表される有機シランをバブリングおよび洗
浄塔3により水と接触させた後、シリカゲル、ゼオライ
トなどの吸着剤処理2および/または蒸留6をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度有機シラン類
並びにその精製法に関する。より詳しくは、不純物を含
有する有機シラン類を高純度化し、半導体デバイス製造
に於ける層間絶縁膜形成材料、キャップ膜の材料等に使
用出来る高純度の有機シラン類並びにその精製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、有機シラン類を半導体デバイスに
於けるICやLSIの回路形成用の材料のプロセスガス
として用いる研究開発が進められている。中でも一般式
SiH n4-n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、ア
ルケニル基またはアリール基を表す)で表される有機シ
ラン類は、従来の樹脂系フォトレジスト剤に比べ、低誘
電率の層間絶縁膜(Si-O膜)のドライフォトレジスト
材料として期待されている。また、回路に組み込まれる
銅配線の銅を層間絶縁膜に拡散させないためのキャップ
膜(SiC膜)の材料としても注目を集めている。
【0003】比誘電率κは、現在使用されている樹脂系
フォトレジスト剤の層間絶縁膜では、おおよそκ=4、
またSiN系のキャップ膜ではおおよそκ=7である。
これに対し、有機シラン類を用いた場合、これよりも更
に低い比誘電率の膜を形成することが出来る。しかしな
がら、この用途に於いて純度の低い有機シランを用いた
場合、絶縁性能等に悪影響を及ぼすことが明らかとな
り、より高純度な有機シラン類が要求されている。
【0004】有機シラン化合物は、種々の方法で合成さ
れているが、一般的にアルキルクロロシランを出発原料
とし、Cl基を複合金属水素化物を用いて水素化し、ア
ルキルシラン類を合成する方法が良く知られている。こ
れらの方法によって得られた生成物中には不純物とし
て、未反応のアルキルクロロシランや、副生する塩化物
が含まれ、これを除去する方法として、水で洗浄する方
法(特開平11−302290)が知られている。
【0005】しかし、更に生成物中の不純物について調
査を行ったところ、反応に使用される溶媒、或いは副生
物として炭化水素類、シロキサン結合及び/又はシラノ
ール結合を持つ化合物や、洗浄によって同伴される水
分、CO2等が含まれていることが判明し、これらを除
去する精製方法が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
シラン類に含まれる不純物を安定的かつ経済的に除去
し、次世代の半導体デバイス製造用のプロセスガスとし
て好適な高純度有機シランガス及びその高純度有機シラ
ンガスを得る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、半導体材
料用として使用可能な、高純度有機シラン類を得るため
の精製方法について鋭意検討を重ねた結果、水に可溶な
成分を主とする不純物を含む有機シラン類を水と接触さ
せて、水に可溶な成分を除去する従来技術に併せ、更に
有機シラン類を吸着剤と接触させる、及び/又は蒸留す
ることにより水及びその他の不純物も除去できることを
知見し、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、金属成分及び/又は水に
可溶な成分を不純物として含有する一般式SiHn4-n
(nは1〜3の整数、Rはアルキル基、アルケニル基ま
たはアリール基を表す)で表される有機シラン類を水と
接触させた後、吸着剤と接触させる、及び/又は蒸留を
行う高純度有機シラン類の精製法であり、該有機シラン
類の不純物含量として、塩素濃度が100質量ppb以
下、金属成分の各金属濃度が100質量ppb以下、H
2、O2、N2、CH4、CO、CO2の濃度が、各々3V
olppm以下、水分濃度が1Volppm以下、シロ
キサン結合及び/又はシラノール結合を持つ化合物の濃
度が各々10Volppm以下である高純度有機シラン
類を提供するものである。この高純度有機シラン類は、
層間絶縁膜用及び/又はキャップ膜用として半導体テバ
イス製造用プロセスガスに好適に使用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の有機シラン類とは、一般式SiHn4-n
表される有機シラン類であり、式中のnは1〜3の整
数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基を
表し、nが1〜2の場合、それぞれが同一であっても異
なってもよい化合物をいう。
【0010】具体的に例示すると、アルキル基として
は、−CH3、−C25、−(CH2)2CH3、−CH(C
3)2、−C(CH3)3などが挙げられ、アルケニル基と
しては、−CH=CH2、−CH2−CH=CH2、−(C
2)2−CH=CH2などが挙げられ、また、アリール基
としては、−C65、−C64(CH3)などが挙げられ
る。
【0011】これらの有機シラン類は種々の方法で合成
され、本発明においては、その製造方法は限定するもの
ではないが、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロ
ロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロ
ロシラン、トリメチルクロロシラン、トリフェニルクロ
ロシラン等のアルキルクロロシラン類を出発原料としこ
れを水素化する方法が一般的に知られており、アルキル
トリクロロシラン類の場合の反応の例を下式に示す。
【0012】 4RSiCl3+3LiAlH4→4RSiH3+3LiCl+3AlCl3 (1) RSiCl3+3(C25)2AlH→RSiH3+3(C25)2AlCl (2) 4RSiCl3+3SiH4→4RSiH3+3SiCl4 (3)
【0013】(1)式にて用いられる金属水素化剤に
は、LiAlH4以外に、LiBH4、NaAlH4等の複
合金属水素化物、あるいはLiH、NaH等の1種の金
属からなる水素化物を用いる方法もある。これらの金属
水素化剤に使用される金属水素化物には、Li、Al、
B、Na等が含まれており、これらの金属成分や塩素化
合物が不純物として製品中に含有される可能性がある。
【0014】該金属成分が多く含まれる有機シランを用
いた場合、絶縁膜としての性能が劣ることになるから好
ましくない。従って、半導体材料用の有機シランの不純
物のうち、各金属成分は100質量ppb以下、好まし
くは10質量ppb以下、更に好ましくは1質量ppb
以下とする。
【0015】また、前記の(1)〜(3)式で示す様
に、LiCl、AlCl3、SiCl4等の塩素化合物の副
生や、未反応ガス、原料中に不純物として存在する塩化
水素等が、これらが製品ガスに不純物として含有され
る。このように塩素化合物が多く含まれる有機シランを
用いた場合、絶縁膜としての性能が劣ることが指摘さ
れ、しかも半導体配線を腐食し断線の原因となることか
ら好ましくない。従って、半導体材料用の有機シランの
不純物のうち、塩素濃度は、100質量ppb以下、好
ましくは10質量ppb以下とする。
【0016】以下に、金属成分濃度及び塩素濃度の低減
方法について述べる。これらの塩素化合物は、気体及び
固体であり、汎用の吸着剤を使用しても、効率よく除去
できない。また、塩化水素は腐食性を有することから、
装置上出来るだけ前工程で除去することが好ましい。そ
こで、まず従来技術である塩素化合物を含む水に可溶な
成分を含有する有機シラン類を水と接触させて、水に可
溶な成分を有機シランから分離除去する。また、水との
接触は、同時に金属成分も洗浄され、純度の高い有機シ
ランが得られることがわかり、ここで水に可溶な成分と
共に金属成分も除去できる。
【0017】有機シラン類を水と接触させる方法は、特
定するものではないが、いくつかの方法を例示すると、
室温で気体である有機シランと水とを接触させる場合、
バブラーまたは洗浄塔を用いて実施することが出来る。
また、室温で液体である有機シランでは、攪拌槽を用い
て水と接触させることが出来る。塩素化合物は、腐食性
を有することから、接液、接ガス部は樹脂製若しくは樹
脂ライニング、樹脂コ−ティングしたものを用いること
が好ましい。
【0018】水との接触時間は0.1〜1000秒間、
好ましくは1〜300秒間、更に好ましくは5〜60秒
間が好ましい。1000秒を越える長い時間で水に接触
させると、水に可溶な成分を除去する上で効果があるも
のの、有機シラン類の分解により収率を低下させてしま
う結果となる。逆に0.1秒未満の短い時間で水に接触
させた場合、水に可溶な成分を十分に除去することが出
来ないので好ましくない。操作温度は、好ましくは0℃
〜30℃である。
【0019】水にはCO2が溶存しており、この水に有
機シランを通気接触させると、このCO2が同伴し、後
工程での吸着剤の負荷が大きくなるので、予めN2、H
e等の不活性ガスをバブリングする等、脱CO2処理を
行った水を用いることが好ましい。
【0020】次に、水と接触させた後に存在する、不純
物とその精製方法について述べる。有機シランを水と接
触した後、有機シラン中にはCO2と水分が同伴されて
いる。水分は、凝縮器を用い大半を除去することができ
るが、それだけでは完全に除去することはできない。ま
た、前記したように有機シランと接触させる水は、脱C
2処理を行うことにより、水に溶存するCO2を減少す
ることができるものの、なお僅かにCO2が有機シラン
に同伴される。
【0021】さらに、本発明者らは、有機シラン中に
は、シロキサン結合を持つ化合物や、シラノール結合を
持つ化合物が存在していることをも知見した。シロキサ
ン結合を含む化合物とは、Si−O−Siの構造を持つ化
合物で、例えばジメチルジシロキサン、テトラメチルジ
シロキサン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられ
る。一方、シラノール結合を含む化合物とは、Si−O
Hの構造を持つ化合物で、例えばモノメチルシラノー
ル、ジメチルシラノール、トリメチルシラノールが挙げ
られる。
【0022】そしてこれらの殆どは、主成分の有機シラ
ンが変化した形のシロキサン結合及び/又はシラノール
結合を持つ化合物であることが確認されている。これら
の化合物は、アルキルクロロシランの水素化に於ける原
料中に混入しているものや、有機シランやアルキルクロ
ロシランが水と反応して生成したものである。
【0023】これら不純物の含有量が多くなると、層間
絶縁膜の成膜速度が極端に鈍化し、又均一な膜が得られ
ないなどの問題が生じるかことら、これらの不純物は除
去する必要がある。そこで、CO2濃度は3Volpp
m以下、好ましくは1Volppm以下とし、水分濃度
は、1Volppm以下とする。またシロキサン結合及
び/又はシラノール結合を持つ化合物の濃度を、各々1
0Volppm以下、好ましくは各々1Volppm以
下とする。
【0024】以下に、これらの除去方法について述べ
る。本発明者らは、これらの不純物の除去方法の一つと
して、吸着剤を使用することで除去できることを見いだ
した。吸着剤には、合成ゼオライト4A,5A,13X
あるいは天然ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ、
活性炭が有効に使用される。特に、合成ゼオライト5A
は、シロキサン結合及び/又はシラノール結合を持つ化
合物に対する吸着性能が高く、また有機シラン類の吸着
ロスが少ないことから、最も好ましい吸着剤である。ま
た、これらの吸着剤は併用して使用しても構わない。
【0025】通気条件は、各々有機シラン性状によって
も異なるが、一般的には、まず吸着剤を吸着塔に充填し
た後、不活性ガスの通気下で150〜400℃でエージ
ングして水分やCO2を除去した後、室温まで冷却し、
これに処理すべき有機シランを接触させる。吸着剤が破
過した場合は、不活性ガスで充分パージした後、再度エ
ージングすることで繰り返し使用することができる。
【0026】また、別な方法として、蒸留による分留操
作により除去することもできる。蒸留では、低沸点成分
である、例えばH2、O2、N2、CO、CO2等の無機ガ
スやCH4、C26、C38等の飽和炭化水素等も分留
し除去することができる。しかし、多くの有機シラン類
は、上記の無機ガスや飽和炭化水素に比べ沸点が高く
(例えば、トリメチルシランの沸点は8℃)、一方、水
やシロキサン結合及び/又はシラノール結合を持つ化合
物に比べ沸点が低い(例えば、ヘキサメチルジシロキサ
ンの沸点は101℃)ことから、各々を除去するには多
塔式蒸留装置を必要とし、装置コストが高価となる。
【0027】そこで、吸着塔と蒸留塔を併用する方法も
ある。吸着塔は蒸留塔に比べ、はるかに安価でありこと
から、装置コストの削減が可能である。その場合、吸着
塔の後に蒸留塔を設置する方が効率的で望ましく、まず
吸着塔で水分、CO2、シロキサン結合及び/又はシラ
ノール結合を持つ化合物を除去し、その後、無機ガス
や、CH4等の飽和炭化水素等の低沸点成分を除去す
る。
【0028】また、有機シラン中の低沸点成分を除去す
る方法として、気密容器に有機シランを充填後、冷媒を
用い容器をこの有機シランの融点温度以下に冷却し、容
器内部を真空排気する方法(特開2000―09578
4)を用いることもできる。
【0029】上記の如く精製された有機シラン類は、製
品容器に充填されるが、この容器やバルブ等が汚れてい
ては、全く意味がない。従って、これらの有機シラン類
と接する容器並びに該容器に付随するバルブの内壁の仕
上げ精度が2S以上(内壁の凹凸が2ミクロン以下)の
金属製の容器を用いる(特願平11−290943)こ
とが望ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0031】実施例1 図1に示す超純水150gの入った200ccのポリエ
チレン製の洗浄槽1と、その出口にMS−5Aを300
cc充填したカラム2を接続した装置に、ガス供給管8
より未精製のモノメチルシランを0.5g/min.の
速度で150g通気バブリングした。操作は常温で行っ
た。尚、MS−5Aは予めN2気流中で400℃にてエ
ージングしたものを使用した。そして、通気処理後のガ
スを、シリンダーボンベに捕集し、分析を行った。この
捕集したガスの分析は、超純水150gの入った200
ccのポリエチレン製のバブラー容器に該ガスをバブリ
ングし、超純水と同量の150gを通気したところで金
属成分の分析を行った。金属の分析は、通気後のバブラ
ー液を高周波プラズマ質量分析装置(ICP−MS)に
より分析した。また、同液をチオシアン酸第二水銀法を
用い、塩素分の分析を行った。CO2は、ガスクロマト
グラフィー(機種:日立PID−GC、カラム:シリカ
ゲル)で分析を行った。また、ジメチルジシロキサン及
びモノメチルシラノールの分析には、GC−MS(島津
GC-MS: 9P-5050A)を用いた。更に、有機
シラン中の水分の測定は日本パナメトリック社のMMS
35を用いた。また、精製前のガスについても同様の分
析を行った。この分析の結果は表1に示す通り、通気処
理前に比べ通気処理後のガスは、塩素分が顕著に低下し
ており、CO2も0.9Volppmであった。また、
水分は、バブリング後は一旦増加するものの、吸着剤に
通気することにより、1Volppm以下まで減少し、
同時にジメチルジシロキサン及びモノメチルシラノール
も大幅に減少した。また表2に示すように、金属成分濃
度についても著しい低下が見られた。
【0032】実施例2 図2に示すスクラバー3(高さ1500mm、塔径50
mmφ)、凝縮器4、蒸留塔5、6が連結された装置を
用い、スクラバーには洗浄水供給管9より、洗浄水を2
L/min.で送液した。この洗浄水には、純水を活性
炭に通液し、更に細孔0.05ミクロンのフィルターに
通液した水を用いた。一方、ガス供給管8より未精製の
トリメチルシランを1L/min.で通気した。このガ
スを更に、2つの蒸留塔を用い精製した。まず、30m
mφ×1200mmの蒸留塔5を用い、水分を含む高沸
点成分とトリメチルシランを分留し、塔頂よりトリメチ
ルシランを取り出した。更に、30mmφ×1500m
mの蒸留塔6を用い、H2、O2、N2、CO、CO2、C
4等の低沸点成分とトリメチルシランを分離し、ボト
ムよりトリメチルシランを取り出し、電解研磨されたボ
ンベ7に充填した。各成分の分析は実施例1の分析に加
え、上記に掲げた低沸点成分についても実施した。低沸
成分はガスクロマトグラフィー(機種:日立PID−C
G、カラム:MS−5A)で分析を行った。またヘキサ
メチルジシロキサン及びトリメチルシラノールについて
は、実施例1と同様、GC−MSを用いて分析を行っ
た。各成分濃度は、表1及び表2に示す通りで、精製後
のトリメチルシランの純度は99.999Vol%であ
った。この電解研磨されたボンベに充填したガスを、半
導体用トリメチルシランとして、LSI回路を形成する
チャンバーに導入し、層間絶縁膜用途として使用した。
この膜の比誘電率を測定したところ、κ<2と高い絶縁
性が確認された。
【0033】実施例3 図3に示すスクラバー3(50mmφ×1500m
m、)、凝縮器4、MS−5Aを2L充填したカラム
2、蒸留塔6(30mmφ×1500mm)が連結され
た装置を用い、スクラバーには洗浄水供給管9より、洗
浄水を2L/min.で送液した。この洗浄水には、実
施例2と同様に純水を活性炭に通液し、更に細孔0.0
5ミクロンのフィルターに通液した水を用いた。ガス供
給管8より、実施例2と同じ未精製のトリメチルシラン
を、1L/min.で通気し、凝縮器4から、MS−5
Aカラム2を経て、水分とCO2を除去した後、蒸留塔
6へ送った。この蒸留塔では、H2、O2、N2、CO、
CO2、CH4等の低沸点成分とトリメチルシランを分離
し、ボトムよりトリメチルシランを取り出し、これを電
解研磨されたボンベ7に充填した。この捕集ガスを、実
施例2と同様に分析を行った結果、表1及び表2示すよ
うに、金属成分、ハロゲン成分、水分、ヘキサメチルジ
シロキサン及びトリメチルシラノール、低沸点成分等が
減少し高純度なトリメチルシランが得られた。各成分濃
度は、表1及び表2に示す通りで、精製後のトリメチル
シランの純度は99.999Vol%であった。また、
上記の電解研磨されたボンベ7に充填したガスを、半導
体用トリメチルシランとして、LSI回路を形成するチ
ャンバーに導入し、キャップ膜用途として使用した。こ
の膜の比誘電率を測定したところ、κ<5と高い絶縁性
が確認された。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明により、有機シラン類中に含まれ
る不純物を規定した量以下に除去することができ、層間
絶縁膜用、キャップ膜用として半導体製造に適する有機
シラン類が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 洗浄槽と吸着塔を用いた精製装置の一例を示
す装置図。
【図2】 スクラバーと蒸留塔を用いた精製装置の一例
を示す装置図。
【図3】 スクラバーと吸着塔及び蒸留塔を用いた精製
装置の一例を示す装置図。
【符号の説明】
1 洗浄槽 2 カラム 3 スクラバー 4 凝集器 5 蒸留塔 6 蒸留塔 7 電解研磨されたボンベ 8 未精製ガス供給管 9 洗浄水供給管 10 排水管 11 高沸点留分排出管 12 低沸点留分排出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 悟志 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ02 VR11 VR13 VR21 VR23 VU24 VV20 VW02 VW05 VW08 5F058 AA10 AC03 AD05 AF01 AH02 BA01 BC02 BD04 BF02 BF23 BJ02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属成分及び/又は水に可溶な成分を不
    純物として含有する一般式SiHn4-n(nは1〜3の
    整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基
    を表す)で表される有機シラン類を、水と接触させた
    後、吸着剤と接触させることを特徴とする高純度有機シ
    ラン類の精製法。
  2. 【請求項2】 金属成分及び/又は水に可溶な成分を不
    純物として含有する一般式SiHn4-n(nは1〜3の
    整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基
    を表す)で表される有機シラン類を、水と接触させた
    後、蒸留を行うことを特徴とする高純度有機シラン類の
    精製法。
  3. 【請求項3】 金属成分及び/又は水に可溶な成分を不
    純物として含有する一般式SiHn4-n(nは1〜3の
    整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基
    を表す)で表される有機シラン類を、水と接触させた
    後、吸着剤と接触させ、更に蒸留を行うことを特徴とす
    る高純度有機シラン類の精製法。
  4. 【請求項4】 吸着剤がシリカゲル、活性アルミナ、ゼ
    オライト又は活性炭である請求項1又は3記載の高純度
    有機シラン類の精製法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の精
    製法により得られる一般式SiHn4-n(nは1〜3の
    整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基
    を表す)で表される有機シラン類であって、塩素濃度が
    100質量ppb以下である高純度有機シラン類。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の精
    製法により得られる一般式SiHn4-n(nは1〜3の
    整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基
    を表す)で表される有機シラン類であって、金属成分の
    各金属濃度が100質量ppb以下である高純度有機シ
    ラン類。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の精
    製法により得られる一般式SiHn4-n(nは1〜3の
    整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基
    を表す)で表される有機シラン類であって、CO2濃度
    が3Volppm以下、水分濃度が1Volppm以下
    である高純度有機シラン類。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の精
    製法により得られる一般式SiHn4-n(nは1〜3の
    整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基
    を表す)で表される有機シラン類であって、シロキサン
    結合及び/又はシラノール結合を持つ化合物の濃度が各
    々10Volppm以下である高純度有機シラン類。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の精
    製法により得られる一般式SiHn4-n(nは1〜3の
    整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基
    を表す)で表される有機シラン類であって、塩素濃度が
    100質量ppb以下、金属成分の各金属濃度が100
    質量ppb以下、CO2が3Volppm以下、水分濃
    度が1Volppm以下、シロキサン結合及び/又はシ
    ラノール結合を持つ化合物の濃度が、各々10Volp
    pm以下である高純度有機シラン類。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の
    精製法により得られる一般式SiHn4-n(nは1〜3
    の整数、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール
    基を表す)で表される有機シラン類であって、塩素濃度
    が100質量ppb以下、金属成分の各金属濃度が10
    0質量ppb以下、H2、O2、N2、CH4、CO、CO
    2の濃度が、各々3Volppm以下、水分濃度が1V
    olppm以下及びシロキサン結合及び/又はシラノー
    ル結合を持つ化合物の濃度が、各々10Volppm以
    下である高純度有機シラン類。
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