JP2004331551A - 水素化有機シランの製造方法 - Google Patents

水素化有機シランの製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決課題】新規な水素化有機シランの製造方法を提供する。
【解決手段】一般式[1]
SiX4−n ・・・[1]
(式中、Rは炭素数1〜12の、直鎖状、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を表し、nが2または3の場合に於いてRは、それぞれが同一であっても異なってもよい)で表されるハロゲン化有機シランを、一般式[2]
MAl(OR´)4− ・・・[2]
(式中、Mはアルカリ金属原子を表し、R´は炭素数1〜12の直鎖状、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2または3の場合に於いてR´は、それぞれが同一であっても異なってもよい)で表される有機複合金属水素化物を含む水素化剤により水素化することを特徴とする水素化有機シランの製造方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素化有機シランの製造方法に関する。更に詳しくは、特定の有機複合金属水素化物を含む水素化剤を用いた水素化有機シランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素化有機シランは、シリコーン、シランカップリング剤、シリル化剤等の機能製品の原料、半導体デバイス製造に於けるドライフォトレジスト剤、或いは低誘電率の層間絶縁膜や配線材料に用いられるCu等の拡散移動を防止するための絶縁膜、即ちキャップ膜用の材料等、半導体内の様々な絶縁膜形成材料として注目を集めており、各種の水素化有機シランの製造方法が提案されている。
【0003】
従来の水素化有機シランを製造する方法としては、例えばアルキルシランの製造方法を挙げると、(1)モノシランとハロゲン化アルキルとの反応による製造方法(例えば、非特許文献1参照)。また、(2)少なくとも一つ以上のケイ素−水素結合を有するアルキルアルコキシシラン類の不均化反応による製造方法(例えば、非特許文献2参照)。更に、(3)ハロゲン化アルキルシラン類と金属水素化物との反応(例えば、非特許文献3または特許文献1参照)。等が知られている。
【0004】
しかしながら、前述(1)の反応は、高価であるうえ自然発火するモノシランを使用する必要があるという問題点を有しており、前述(2)の反応は、原料であるアルキルアルコキシシラン類は高価で且つ入手が困難であるという問題点を有している。また前述(3)の反応では、LiH、NaH、AlH等の1個の金属からなる水素化物、或いはLiAlH、NaAlH、NaBH、LiBH等の複合金属水素化物を水素化剤に用いており、これらの金属水素化物は比較的安価で入手も容易であるが、非常に還元力が強い為に多くの副反応を併発し、精製工程の負荷が大きくなるうえ目的とする水素化有機シランの収率が低いという問題点を有している。
【0005】
【非特許文献1】J.Organomet.Chem.,12(3),417(1968)
【非特許文献2】Gaodeng Xueciao Huaxue Xuebao,16(11),1749(1995)
【非特許文献3】J.Am.Chem.Soc.,75,3753(1953)
【特許文献1】ドイツ公開特許第851962号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の問題点を解決した新規な水素化有機シランの製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意検討を行った結果、特定の水素化複合金属を水素化剤として用いてハロゲン化有機シランを水素化することにより、副反応を抑制し、高い収率で、しかも効率よく水素化有機シランを製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、
(1) 一般式[1]
SiX4−n ・・・[1]
(式中、Rは炭素数1〜12の、直鎖状、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を表し、nが2または3の場合に於いてRは、それぞれが同一であっても異なってもよい)で表されるハロゲン化有機シランを、一般式[2]
MAl(OR´)4−q ・・・[2]
(式中、Mはアルカリ金属原子を表し、R´は炭素数1〜12の直鎖状、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2または3の場合に於いてR´は、それぞれが同一であっても異なってもよい)で表される有機複合金属水素化物を含む水素化剤により水素化することを特徴とする水素化有機シランの製造方法。
(2) Rがメチル基であり、Xが塩素原子であり、nが1である(1)記載の水素化有機シランの製造方法。
(3) Mがリチウム金属原子であり、R´がフェニル基またはn−ブチル基であり、qが1である(1)記載の水素化有機シランの製造方法。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載の製造方法により得られた水素化有機シ ラン。
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明は、一般式[1]で表されるハロゲン化有機シランを一般式[2]で表される有機複合金属水素化物を含む水素化剤で水素化し、水素化有機シランを製造する方法である。一般式[1]で表されるハロゲン化有機シランに於いて、Rは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはアラルキル基を表し、アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等が挙げられ、アルケニル基としてはビニル、アリル等が挙げられ、アルキニル基としてはエチニル、2−プロピニル等が挙げられ、アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、アラルキル基としてはベンジル、フェネチル、フェニルイソプロピル、2−ナフチルメチル、2−ナフチルエチル等が挙げられ、nが2または3の場合に於いてRは、それぞれが同一であっても異なってもよい。更にXはハロゲン原子を表しフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を例示できる。特にRがメチル基であり、Xが塩素であり、nが3であるものが好ましく用いられる。
【0010】
一般式[1]で表される有機複合金属水素化物としては、モノフルオロメチルシラン、モノクロロメチルシラン、モノブロモメチルシラン、モノヨードメチルシラン、モノフルオロエチルシラン、モノクロロエチルシラン、モノブロモエチルシラン、モノヨードエチルシラン、モノフルオロイソプロピルシラン、モノクロロイソプロピルシラン、モノブロモイソプロピルシラン、モノヨードイソプロピルシラン、モノフルオロシクロヘキシルシラン、モノクロロシクロヘキシルシラン、モノブロモシクロヘキシルシラン、モノヨードシクロヘキシルシラン等のモノハロゲン化アルキルシラン類、ジフルオロジメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、ジブロモジメチルシラン、ジヨードジメチルシラン等のジハロゲン化アルキルシラン類、トリフルオロメチルシラン、トリクロロメチルシラン、トリブロモメチルシラン、トリヨードメチルシラン等のトリハロゲン化アルキルシラン類、モノフルオロビニルシラン、モノクロロビニルシラン、モノブロモビニルシラン、モノヨードビニルシラン等のモノハロゲン化アルケニルシラン類、モノフルオロエチニルシラン、モノクロロエチニルシラン、モノブロモエチニルシラン、モノヨードエチニルシラン等のモノハロゲン化アルキニルシラン類、モノフルオロフェニルシラン、モノクロロフェニルシラン、モノブロモフェニルシラン、モノヨードフェニルシラン等のモノハロゲン化アリールシラン類、モノフルオロベンジルシラン、モノクロロベンジルシラン、モノブロモベンジルシラン、モノヨードベンジルシラン等のモノハロゲン化アラルキルシラン類、モノフルオロジメチルフェニルシラン、モノクロロジメチルフェニルシラン、モノブロモジメチルフェニルシラン、モノヨードジメチルフェニルシラン等のモノハロゲン化アルキルアリールシラン類が例示できる。
【0011】
本発明に於いては、水素化剤として一般式[2]で表される有機複合金属水素化物を主に含む化合物を用いる。
一般式[2]で表される有機複合金属水素化物に於いて、Mはアルカリ金属原子を表しリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムまたはフランシウムを例示できる。更にR´は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等が挙げられ、アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、アラルキル基としてはベンジル、フェネチル、フェニルイソプロピル、2−ナフチルメチル、2−ナフチルエチル等が挙げられ、qが2または3の場合に於いてR´は、それぞれが同一であっても異なってもよい。
【0012】
一般式[2]で表される有機複合金属水素化物の具体例としては、LiAl(OMe)H、LiAl(OEt)H、LiAl(OPr)H、LiAl(OPr)H、LiAl(OBu)H、LiAl(OBu)H、LiAl(OBu)H、LiAl(OBu)H、LiAl(OPe)H、LiAl(OHx)H、LiAl(OPh)H、LiAl(ONp)H、LiAl(OBz)H、LiAl(OPht)H、LiAl(OPhPr)H、LiAl(OMe)、LiAl(OEt)、LiAl(OPr、LiAl(OPr、LiAl(OBu、LiAl(OBu、LiAl(OBu、LiAl(OBu、LiAl(OPe、LiAl(OHx、LiAl(OPh)、LiAl(ONp)、LiAl(OBz)、LiAl(OPht)、LiAl(OPhPr、LiAl(OMe)H、LiAl(OEt)H、LiAl(OPrH、LiAl(OPrH、LiAl(OBuH、LiAl(OBuH、LiAl(OBuH、LiAl(OBuH、LiAl(OPeH、LiAl(OHxH、LiAl(OPh)H、LiAl(ONp)H、LiAl(OBz)H、LiAl(OPht)H、LiAl(OPhPrH、(式中のMeはメチル基、Etはエチル基、Prはn−プロピル基、Prはiso−プロピル基、Prはsec−プロピル基、Buはn−ブチル基、Buはiso−ブチル基、Buはsec−ブチル基、Buはtert−ブチル基、Peはn−ペンチル基、Hx基はシクロヘキシル基、Phはフェニル基、Npはナフチル基、Bzはベンジル基、Phtはフェネチル基、PhPrはフェニルイソプロピル基を表す。)等のリチウム系有機複合金属水素化物、NaAl(OBu)HまたはNaAl(OPh)H(式中のBuはn−ブチル基、Phはフェニル基を表す。)等のナトリウム系有機複合金属水素化物、KAl(OBu)HまたはKAl(OPh)H(式中のBuはn−ブチル基、Phはフェニル基を表す。)等のカリウム系有機複合金属水素化物、RbAl(OBu)HまたはRbAl(OPh)H(式中のBuはn−ブチル基、Phはフェニル基を表す。)等のルビジウム系有機複合金属水素化物、CeAl(OBu)HまたはCeAl(OPh)H(式中のBuはn−ブチル基、Phはフェニル基を表す。)等のセシウム系有機複合金属水素化物、FrAl(OBu)HまたはFrAl(OPh)H(式中のBuはn−ブチル基、Phはフェニル基を表す。)等のフランシウム系有機複合金属水素化物を挙げることができ、特に水素化反応の活性および選択性に優れることから、LiAl(OPh)HまたはLiAl(OBu)Hの使用が好ましい。
【0013】
これらの有機複合金属水素化物は必ずしも単独で用いる必要はなく、2種以上を任意の割合で用いて反応することもできる。
また、LiH、NaH、AlH等の1個の金属からなる水素化物、或いはLiAlH、NaAlH、NaBH、LiBH等の複合金属水素化物との組み合わせによる反応系を採用することも可能である。これらを併用する場合に於いて、一般式(2)で表される有機複合金属水素化物の使用量に特に制限はなく、併用する1個の金属からなる水素化物、或いは複合金属水素化物の種類やハロゲン化有機シランおよび溶媒の種類や量などにより異なり一様ではなく、適宜選ばれる。
【0014】
本発明の有機複合金属水素化物の使用量は特に制限はないが、通常、原料として用いるハロゲン化有機シランに対して、1当量〜10当量の範囲である。
本発明に於ける有機複合金属水素化物の調製方法は特に限定されず、一般に入手可能な市販品をそのまま用いるか、或いは公知の方法により調製することができる。公知の方法により調製する場合の具体例としては、例えば複合金属水素化物とアルコールまたはフェノール等とを接触処理して調製する方法(例えば、J.Am.Chem.Soc.,80,5372(1958)またはTetrahedron,26,2411(1970)に記載の方法)。例えば複合金属水素化物とエーテル化合物とを高温下に接触処理して調製する方法(例えば、J.Org.Chem.,33,619(1968)に記載の方法)等を例示することができる。
【0015】
有機複合金属水素化物は予め調製したものを用いることも可能であるが、予め調製することなく、直接反応系内で調製してもよい。これら複合金属水素化物が固体形状の場合は、粉末状であっても破砕状であってもよいし、またペレット状や球状に成形されていてもよい。
本発明に於いて使用する水素化剤としての有機複合金属水素化物は、溶媒に分散または溶解して反応が行われる。
【0016】
本発明に用いる溶媒は特に限定されないが、非プロトン性の有機溶媒中で実施することが好ましい。より好ましくはエーテル系の溶媒を用いると反応収率が向上する。用いる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカリン、2−メチルペンタン等の脂肪族炭化水素化合物、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ビシクロヘキシル、デカリン等の脂肪族環状炭化水素化合物、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルフェニルエーテル等のエーテル化合物等が挙げらる。これらの溶媒は単独で用いても、また2種類以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
【0017】
本発明の反応は通常、反応温度10〜200℃で反応させる。より好ましい反応温度は、用いる水素化剤、ハロゲン化有機シランおよび溶媒の種類や量などにより異なり一様ではなく、適宜選ばれる。
生成した粗水素化有機シランの精製法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば蒸留、吸着、洗浄等の操作を加えて精製することにより、半導体材料分野にも使用できる高純度の水素化有機シランとすることができる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。尚、実施例において得られた分析値は以下の方法により測定した。
【0019】
ケイ素含有化合物:島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−14B型(FID)を用い、分析カラムにはJ&W社製キャピラリーカラムDB−5を用いて分析した。
収率:捕集ガス量とその分析値から反応に用いた原料のハロゲン化有機シラン量を基準に算出した。
【0020】
合成例1
(水素化フェノキシリチウムアルミニウムの合成)
窒素下で滴下漏斗、環流器および磁気撹件装置を備えた1Lのフラスコに、テトラヒドロフラン(500ml)および水素化リチウムアルミニウム29.22g(0.77mol)を仕込み、更に滴下漏斗にはフェノール72.46g(0.77mol)を仕込み、フラスコ内容物の撹拌を開始して内温を40℃に昇温した。フェノールを1時間かけて滴下して更に1時間反応を継続した後、内温を室温まで戻した。窒素下で固液分離を行い灰白色粉末状の水素化フェノキシリチウムアルミニウム96.44g(0.74mol)を得た。(収率96.3%)
合成例2
(水素化−n−ブトキシリチウムアルミニウムの合成)
フェノール72.46g(0.77mol)に変えてn−ブタノール57.07g(0.77mol)を用いた以外はすべて実施例1と同様に反応、回収を行い、灰白色粉末状の水素化−n−ブトキシリチウムアルミニウム78.8g(0.72mol)を得た。(収率93.3%)
実施例1
ジャケットを備えた反応器(容量2L、材質SUS−316製)に溶媒としてメチルフェニルエーテル500mlを入れ、更に水素化剤として合成例1で合成した水素化フェノキシリチウムアルミニウム粉末50.00g(0.38mol)を添加し、このスラリーを攪拌混合した。更にジャケット部に温水を通液し、スラリー温度を60℃とした。次いで原料としてトリメチルクロロシラン119.47g(1.10mol)を1時間かけて全量滴下し、発生ガスは全てボンベに捕集した。捕集したガスの一部をサンプリングし、目的の水素化有機シランであるトリメチルシランおよび不純物の分析を行った結果、収率81%と高い収率でトリメチルシランが得られた。
【0021】
実施例2
水素化フェノキシリチウムアルミニウム粉末50.00g(0.38mol)を合成例2で合成した水素化−n−ブトキシリチウムアルミニウム42.27g(0.38mol)に変えた以外は、実施例1と同様に反応を実施して、目的の水素化有機シランであるトリメチルシランおよび不純物の分析を行った。結果は表1に示す如く高収率であった。
【0022】
実施例3
ジャケットを備えた反応器(容量1L、材質SUS−316製)に溶媒としてジ−n−ブチルエーテル500mlを入れ、更に水素化リチウムアルミニウム14.57g(0.38mol)を添加し、このスラリーを攪拌混合した。更にジャケット部に温水を通液し、スラリー温度を40℃とした。次いでフェノール36.14g(0.38mol)を約30分間かけて加えた後、更に30分間反応することにより、水素化フェノキシリチウムアルミニウムを調製した。スラリー温度を60℃に昇温し原料としてトリメチルクロロシラン119.47g(1.10mol)を1時間かけて全量滴下し、発生ガスは全てボンベに捕集した。捕集したガスの一部をサンプリングし、目的の水素化有機シランであるトリメチルシランおよび不純物の分析を行った。結果は表1に示す如く高収率であった。
【0023】
実施例4
フェノール36.14g(0.38mol)をエタノール17.51g(0.38mol)に変えた以外は、実施例3と同様に反応を実施して、目的の水素化有機シランであるトリメチルシランおよび不純物の分析を行った。結果は表1に示す如く高収率であった。
【0024】
実施例5
水素化リチウムアルミニウム14.57g(0.38mol)を水素化ナトリウムアルミニウム54.01g(0.38mol)に変えた以外は、実施例3と同様に反応を実施して、目的の水素化有機シランであるトリメチルシランおよび不純物の分析を行った。結果は表1に示す如く高収率であった。
【0025】
実施例6
ジャケットを備えた反応器(容量2L、材質SUS−316製)に溶媒としてメチルフェニルエーテル500mlを入れ、更に水素化リチウムアルミニウム14.57g(0.384mol)を添加し、このスラリーを攪拌混合した。更にジャケット部に温水を通液し、スラリー温度を90℃に昇温し更に1時間保持することにより、水素化フェノキシリチウムアルミニウムを調製した。次いでスラリー温度を60℃に降温し原料としてトリメチルクロロシラン119.47g(1.10mol)を1時間かけて全量滴下し、発生ガスは全てボンベに捕集した。捕集したガスの一部をサンプリングし、目的の水素化有機シランであるトリメチルシランおよび不純物の分析を行った。結果は表1に示す如く高収率であった。
【0026】
実施例7
トリメチルクロロシラン119.47g(1.10mol)をモノメチルトリクロロシラン53.81g(0.36mol)に変えた以外は、実施例5と同様に反応を実施して、目的の水素化有機シランであるモノメチルシランおよび不純物の分析を行った。結果は表1に示す如く高収率であった。
比較例1〜5
表1に記載する同じ化学量の他の水素化剤または同じ容量の他の溶媒に変更した以外は、実施例1または実施例6と同様に反応を行い、水素化有機シランおよび不純物の分析を行った。結果は表1の実施例と併せて示す。
【0027】
比較例1〜5の結果から明らかなように、本発明の特定の有機複合金属水素化物を水素化剤として用いない場合は、副反応による不純物の生成が多い。特にシロキサン結合およびシラノール結合を有する不純物量が増大する。更に目的の水素化有機シランの収率も低下して好ましくない。
【0028】
【0029】
【表1】
Figure 2004331551
【0030】
表中の説明
(水素化剤)
LiAl(OPh)H:水素化フェノキシリチウムアルミニウム
LiAl(OEt)H:水素化エトキシリチウムアルミニウム
LiAl(OBu)H:水素化−n−ブトキシリチウムアルミニウム
NaAl(OPh)H:水素化フェノキシナトリウムアルミニウム
LiH:水素化リチウム
NaH:水素化ナトリウム
LiAlH:水素化リチウムアルミニウム
NaAlH:水素化ナトリウムアルミニウム
(ハロゲン化有機シラン)
TMCS:トリメチルクロロシラン
MMCS:モノメチルトリクロロシラン
(溶媒)
MPE:メチルフェニルエーテル
DBE:ジ−n−ブチルエーテル
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば特定の有機複合金属水素化物を含む水素化剤を用いてハロゲン化有機シランを水素化することにより、副反応を抑え、高い収率で、しかも効率よく水素化有機シランを製造でき、工業的に極めて有用である。水素化有機シランは機能製品の原料、半導体内の様々な絶縁膜形成材料等として有用である

Claims (4)

  1. 一般式[1]
    SiX4−n ・・・[1]
    (式中、Rは炭素数1〜12の、直鎖状、分岐若しくは環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはアラルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜3の整数を表し、nが2または3の場合に於いてRは、それぞれが同一であっても異なってもよい)で表されるハロゲン化有機シランを、一般式[2]
    MAl(OR´)4− ・・・[2]
    (式中、Mはアルカリ金属原子を表し、R´は炭素数1〜12の直鎖状、分岐若しくは環状のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表し、qは1〜3の整数を表し、qが2または3の場合に於いてR´は、それぞれが同一であっても異なってもよい)で表される有機複合金属水素化物を含む水素化剤により水素化することを特徴とする水素化有機シランの製造方法。
  2. Rがメチル基であり、Xが塩素原子であり、nが1である請求項1記載の水素化有機シランの製造方法。
  3. Mがリチウム金属原子であり、R´がフェニル基またはn−ブチル基であり、qが1である請求項1記載の水素化有機シランの製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の製造方法により得られた水素化有機シラン。
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