JP3582307B2 - Idft演算装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はIDFT演算装置に係り、特に多値変調されたディジタル情報を直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex )信号に変換して送受信する直交周波数分割多重信号伝送装置の送信側装置に用いるIDFT演算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
符号化されたディジタル映像信号などを限られた周波数帯域で伝送する方式の一つとして、256直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation )などの多値変調されたディジタル情報を多数の搬送波を用いてOFDM信号として伝送するOFDM信号伝送装置が従来より知られている。
【0003】
このOFDM信号伝送装置は、送信側では少なくとも送信すべき情報信号に対して、IDFT演算装置により逆離散的フーリエ変換(IDFT)演算を行って周波数領域から時間領域に変換した演算結果を生成し、この演算結果に基づいてOFDM信号を生成し、受信側では受信復調したOFDM信号に対して、DFT演算装置により離散的フーリエ変換(DFT)演算を行って時間領域から周波数領域に変換した演算結果を生成してもとの情報信号に復号する。
【0004】
上記のIDFT演算やDFT演算の具体的なディジタル信号処理アルゴリズムは、例えばテキサスインスツルメント株式会社TMS320C5Xユーザーズマニュアルのソフトウェア・アプリケーション(p7−45〜54)などに述べられた公知のアルゴリズムで、1/2倍しながらバタフライ演算と呼ばれる積和演算を繰り返すことにより実行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなOFDM信号伝送装置の送信側においてOFDM信号を生成するためには、上記の逆離散的フーリエ変換(IDFT)演算を時間間隔Tの間に、N個の複素数(実数部データ及び虚数部データ)に対して実行する。ここで、一般的なIDFT演算について説明するに、例えば、演算精度を確保するために初段の入力がオーバーフローしない範囲で上位ビットに情報を割り当てて、図4に示すように入力複素数AR+jAI、BR+jBIを1/2倍しながらバタフライ演算を行う。すなわち、上記のバタフライ演算では、すべてのステージにおいてオーバーフローしないことを意図して、1/2倍するようにしている。なお、図4では、回転子の角度表記は省略した。
【0006】
上記のバタフライ演算の際、安価な固定少数点演算用の、あるいは演算データ長の短い信号処理プロセッサ(以後、DSPという)を使用すると、あるいは一般的なIDFT演算器を使用しても、バタフライ演算の最終ステージ及びその直前の幾つかのステージでは、演算する値がかなり小さいために上位ビットが活用されずに、下位ビットしか使用しない演算結果となり、得られる演算結果の精度に問題が発生することが考えられる。これを回避するために、従来は高性能なDSPを採用している。これはDFT演算あるいは高速フーリエ変換(FFT)演算する受信側においても同様である。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、安価なDSPや演算器を用いても演算精度の高いIDFT演算結果やDFT演算結果を得られる直交周波数分割多重信号伝送装置並びにIDFT演算装置及びDFT演算装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のIDFT演算装置は、実数部と虚数部とに分割された伝送すべき情報信号が入力されるIDFT演算装置により逆離散的フーリエ変換した同相信号と直交信号とを生成し、これら同相信号と直交信号を直交変調手段により変調して、互いに異なる複数の搬送波のそれぞれが伝送すべき情報信号で変調された直交周波数分割多重信号を生成し、この直交周波数分割多重信号を送信手段により送信出力する送信側装置と、直交周波数分割多重信号を受信手段により受信して直交復調手段により復調し、得られた同相信号と直交信号をDFT演算装置により離散的フーリエ変換した後、復号回路で伝送すべき情報信号に復号する受信側装置とからなる直交周波数分割多重信号伝送装置の送信側装置に用いるIDFT演算装置であって、入力情報信号を上位ビットにビット割り当てし、予め定めた所定ステージまでのバタフライ演算では1/2倍しながら演算し、所定ステージの次のステージから最終ステージまでのバタフライ演算は1/2倍することなくそのまま演算して、周波数領域の入力情報信号を時間領域の同相信号と直交信号に変換して出力することを特徴とする。
【0009】
本発明では、送信側装置では上位ビットに伝送すべき情報信号を割り当てて1/2倍しながら演算することによりオーバーフローを防止するバタフライ演算を、所定ステージまでとし、それ以降最終ステージまでは1/2倍せずにそのままバタフライ演算をするようにしたため、安価なDSPや簡単なハードウェアで高い演算精度のIDFT演算結果を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる直交周波数分割多重信号伝送装置の送信装置の一実施の形態のブロック図を示す。この実施の形態はIDFT演算装置4に特徴があり、その他のブロックは従来と同様の構成である。
【0011】
図1において、入力端子1には伝送すべきディジタルデータが入力される。このディジタルデータとしては、例えばカラー動画像符号化表示方式であるMPEG方式などの符号化方式で圧縮された映像信号や音声信号などのディジタルデータがある。この入力ディジタルデータは、入力回路2に供給されて必要に応じて誤り訂正符号の付与がクロック分周器3よりのクロックに基づいて行われ、また、それぞれの周波数に対して実数部4ビット、虚数部4ビットを割り振る。クロック分周器3は中間周波数発振器10よりの10.7MHzの中間周波数を分周して、この中間周波数に同期したクロックを発生する。
【0012】
誤り訂正符号が付加されたディジタルデータは入力回路2からIDFT演算装置4に供給される。このIDFT演算装置4は、入力回路2よりのディジタルデータを逆離散フーリエ変換(IDFT)演算して同相信号(I信号)及び直交信号(Q信号)を生成すると共に、シンボル番号計数回路5よりのシンボル番号及び参照信号挿入回路6より参照信号もそれぞれ所定の周波数割り当て部に供給されてIDFT演算する。
【0013】
なお、上記のシンボル番号計数回路5は例えばシンボル毎に0,1,2,3,...,254,255,0,1,2,...というように順次巡回的に増加していくシンボル番号を発生し、このシンボル番号を参照信号挿入回路6に供給すると共に、IDFT演算装置4に供給して、特定搬送波(例えば第1キャリア)にシンボル番号を挿入する。
【0014】
また、参照信号挿入回路6は、ある第1の搬送波周波数で伝送されるデータに既知のデータとして参照信号を挿入すると共に、直交性の誤差によりイメージ成分あるいはクロストークとして漏洩する可能性のある、中心搬送波周波数に対して対称な第2の搬送波周波数で伝送されるデータにも既知の基準データを参照信号として挿入する。この参照信号を挿入して伝送する周波数は、予めシンボル番号に対応付けて決められており、かつ、一定期間毎(例えば2シンボル毎)に切り換えられる。各周波数でそれぞれ伝送特性が異なる場合が多いからである。
【0015】
IDFT演算装置4は一例として演算データ長が例えば16ビットの安価な固定小数点演算用DSPにより構成されており、データ系列Nが256本の搬送波で送信されるとき、後段のアナログ系の設計を容易にするために、2倍オーバーサンプリングを使用し、ポイント数M(=2N)が512ポイントのIDFT演算をしてOFDM信号を発生させる。また、OFDM信号の各搬送波は256QAMで変調され、各搬送波によりそれぞれ8ビットの情報を伝送する。このときのIDFT演算装置4への入力割り当ては、入力周波数整列型で順番に番号をふると、次のようになる。
【0016】
【表1】
Figure 0003582307
すなわち、IDFT演算装置4の入力部の数は実数部信号用と虚数部信号用とに、それぞれ0番目から511番目までの512ずつあり、そのうち1番目(n=1)から127番目(n=127)までの計127個ずつと、385番目(n=385)から511番目(n=511)の計127個ずつの入力部に情報信号が入力され、また、0番目(n=0)の入力部には直流電圧(一定)が入力され、128番目(n=M/4)と384番目(n=3M/4)の入力部には、パイロット信号用データが入力される。
【0017】
ここで、1番目から128番目までの計128個の入力部の入力情報は、0番目の入力部の入力情報を伝送する中心搬送波周波数F0に対し、上側(高域側)の情報伝送用搬送波(これを本明細書では正のキャリア又は搬送波というものとする)で伝送され、384番目から511番目までの計128個の入力部の入力情報は、中心搬送波周波数F0に対し下側(低域側)の情報伝送用搬送波(これを本明細書では負のキャリア又は搬送波というものとし、中心搬送波周波数F0に対して対称な周波数位置の搬送波は絶対値が同一の順番とする)で伝送される。
【0018】
特に、IDFT演算装置4の128番目と384番目の入力部の入力パイロット信号は、IDFT演算の結果、ナイキスト周波数の1/2倍の周波数と等価である両端の周波数の正の128番目の搬送波と384番目(すなわち、負の128番目)の搬送波で伝送され、残りの129番目から383番目の入力部には0が入力され(グランド電位とされ)、その部分の搬送波が発生しないようにされる(データ伝送には用いない)。
【0019】
IDFT演算装置4は、このようにして2倍オーバーサンプリングIDFT演算を行い、その結果0番目の中心搬送波を含む257本の搬送波のOFDM信号を生成するが、そのうち、0番目と正の128番目と負の128番目の搬送波を含む9本の搬送波はパイロット信号や基準データその他の補助信号に用い、残りの248本の搬送波は情報を伝送するために用いる。このため、入力回路2からは、1シンボル期間中に、248バイトのディジタルデータが、すなわち、1シンボル期間中に4ビットずつ一対の並列データ248組が、IDFT演算装置4の実数部及び虚数部の一対の入力部に入力される。
【0020】
この実施の形態では、IDFT演算装置4は、512ポイントのIDFT演算(2倍オーバーサンプリングIDFT演算)を、演算精度を確保するために初段の入力がオーバーフローしない範囲で上位ビットに情報を割り当てて、図4に示すような入力を1/2倍したバタフライ演算と、図5に示すような1/2倍しないバタフライ演算を実行してOFDM信号を発生させ、その結果、257波で伝送される同相信号(I信号)及び直交信号(Q信号)を得た後、I信号とQ信号にそれぞれマルチパス歪みを軽減させるためのガードインターバルを挿入してから、出力バッファ7へ出力する。なお、バタフライ演算は、9(=log512=log)ステージで終了する。
【0021】
出力バッファ7は、IDFT演算装置4の出力演算結果が1回のIDFT演算において256個の入力情報が512点の時間軸信号(I信号及びQ信号)として、バースト的に発生されるのに対し、出力バッファ7以降の回路としては、出力バッファ7の内容の読み取り速度一定で連続的に動作するため、両者の時間的違いを調整するために設けられている。
【0022】
図1のクロック分周器3からのクロックに基づいて、出力バッファ7より連続的に読み出されたIDFT演算結果であるI信号とQ信号は、D/A変換器・低域フィルタ(LPF)8に供給され、ここでクロック分周器3からのクロックをサンプリングクロックとしてアナログ信号に変換された後、LPFにより必要な周波数帯域の成分のI信号とQ信号とが通過されて直交変調器9へそれぞれ供給される。
【0023】
直交変調器9は中間周波数発振器10よりの10.7MHzの中間周波数を第1の搬送波とし、かつ、この中間周波数の位相を90°シフタ11により90°シフトした10.7MHz中間周波数を第2の搬送波として、それぞれD/A変換器・LPF8より入力されたディジタルデータのI信号とQ信号で直交振幅変調(QAM)して257波(正負128組の搬送波と中心搬送波一つ)の情報搬送波からなり、中心搬送波周波数が10.7MHzのOFDM信号を生成する。直交変調器9より出力されたOFDM信号は周波数変換器12により所定の送信周波数帯のRF信号に周波数変換された後、送信部13で電力増幅等の送信処理を受けて図示しないアンテナより放射される。
【0024】
次に、本発明の実施の形態の要部であるIDFT演算装置4について、更に詳細に説明する。このIDFT演算装置4の入力データと演算開始データであるビット割り当ての関係を表2に示す。
【0025】
【表2】
Figure 0003582307
図2はこのIDFT演算装置4の動作説明用フローチャートを示す。同図において、IDFT演算装置4は、バタフライ演算のステージが第1ステージから第6ステージのいずれかであるか否か判定し(ステップ101)、第1ステージから第6ステージのいずれかであるときには、上記の演算開始データを1/2倍した後、図5に示したような、バタフライ演算を行う。すなわち、図4に示したような演算開始データを1/2倍しながらバタフライ演算を行う(ステップ102)。
【0026】
続いて、IDFT演算装置4は現在のバタフライ演算ステージが演算最終ステージである第9ステージであるかどうか判定し(ステップ104)、第9ステージ以前であるときには再びステップ101に戻り、演算ステージが第1ステージから第6ステージのいずれであるかどうかを判定する。そして、第1ステージから第6ステージのいずれかであるときには、再び上記ステップ102及び103により演算開始データを1/2倍しながらバタフライ演算を行う。
【0027】
一方、ステップ101で第7ステージから第9ステージと判定されたときには、IDFT演算装置4はステップ103に進み、1/2倍せずに図5に示すバタフライ演算を行う。そして、前述したように、最終ステージである第9ステージの演算結果終了とステップ104で判定されたときに、このバタフライ演算を終了する。
【0028】
これは次の理由による。より高い演算精度を確保するために伝送したい情報を上位ビットに割り当ててバタフライ演算をすると、オーバーフローすることがあるので、演算開始データを1/2倍してバタフライ演算するのであるが、上記の伝送したい情報は一般的には規則性の少ないランダムな情報であると考えてよいため、オーバーフローの確率はそれほど高くない。
【0029】
また、第kステージでは2個の伝送情報に関して演算しており、この2個の伝送情報がすべて大きな数値である確率はkが大きなほど小さくなり、また、回転子(係数)も1以下であるため、各ステージで1/2倍することで数値は飛躍的に小さくなることから、kが大きいほどオーバーフローの確率は少なくなる。換言すると、ステージが進むにつれて(kが大きくなるにつれて)上位ビットは活用されなくなり、下位ビットしか使用しない演算結果となり、精度がむしろ低下するようになる。
【0030】
そこで、この実施の形態では、実験結果に基づき、第1ステージから第6ステージをオーバーフローの起こる確率が比較的高いステージ(本明細書ではこのステージを入力側ステージともいう)として、演算結果を1/2倍し、オーバーフローの起こる確率が比較的低い第7ステージから第9ステージ(本明細書ではこのステージを出力側ステージともいう)までは、精度にも問題がないことを確認して、1/2倍することなくバタフライ演算をするようにしている。
【0031】
このように、IDFT演算装置4は、安価なDSPを用いた場合に、精度向上とオーバーフローの発生防止の両者を考慮して、演算開始データを図4に示したような、1/2倍しながらのバタフライ演算を第6ステージまで行い、第7ステージから第9ステージは1/2倍せず、バタフライ演算し、演算結果である出力データ列(I信号、Q信号)を、出力バッファ7に保持させる。出力バッファ7は、第5ビット目を四捨五入して、上位10ビット(第15〜第6ビット目)を10ビットD/A変換器・LPF8へ出力する。
【0032】
図3は本発明になる直交周波数分割多重信号伝送装置の受信装置の一実施の形態のブロック図を示す。この実施の形態はDFT、QAM復号回路31内のDFT演算装置に特徴があり、その他のブロックは従来と同様の構成である。図3において、空間伝送路を介して入力されたOFDM信号は、受信部21により受信アンテナを介して受信された後高周波増幅され、更に周波数変換器22により中間周波数に周波数変換され、中間周波増幅器23により増幅された後、キャリア抽出及び直交復調器24に供給される。
【0033】
キャリア抽出及び直交復調器24のキャリア抽出回路部分は、入力OFDM信号の中心搬送波(キャリア)を位相誤差少なくできるだけ正確に抽出する回路である。ここでは、情報を伝送する各搬送波は、シンボル周波数である387Hz毎に隣接配置されてOFDM信号を構成しているため、中心搬送波に隣接する情報伝送用搬送波も中心周波数に対して387Hz離れており、中心搬送波を抽出するためには、387Hzしか離れていない隣接する情報伝送用搬送波の影響を受けないように、選択度の高い回路が必要となる。
【0034】
キャリア抽出及び直交復調器24により抽出された中心搬送波F0は、中間周波数発振器25に供給され、ここで中心搬送波F0に位相同期した10.7MHzの中間周波数を発生させる。中間周波数発振器25の出力中間周波数は第1の復調用搬送波として直交復調器24に直接に供給される一方、90°シフタ26により位相が90°シフトされてから第2の復調用搬送波としてキャリア抽出及び直交復調器24に供給される。
【0035】
これにより、キャリア抽出及び直交復調器24の直交復調器部からは送信装置の直交変調器9に入力されたアナログ信号と同等のアナログ信号(周波数分割多重信号)が復調されて取り出され、同期信号発生回路27に供給される一方、低域フィルタ(LPF)28によりOFDM信号情報として伝送された必要な周波数帯域の信号が通過されてA/D変換器29に供給される。このA/D変換器29へのアナログ信号入力は、中間周波増幅器23内の図示しないAGC(自動利得制御)回路によりレベルが調整される。A/D変換器29は12ビット長のA/D変換器であり、この上位ビットを有効に使用するためである。
【0036】
同期信号発生回路27は、復調アナログ信号が入力され、ガードインターバル期間を含む各シンボル期間で連続信号として伝送されるパイロット信号に位相同期するPLL回路によりサンプル同期信号を発生するサンプル同期信号発生回路部と、サンプル同期信号発生回路部の一部より取り出した信号によりパイロット信号の位相状態を調べ、シンボル期間を検出してシンボル同期信号を発生するシンボル同期信号発生回路部と、これらサンプル同期信号及びシンボル同期信号よりガードインターバル期間除去のための区間信号などのシステムクロックを発生するシステムクロック発生回路部とよりなる。
【0037】
A/D変換器29より取り出されたディジタル信号は、ガードインターバル期間処理回路30に供給され、ここで同期信号発生回路27よりのシステムクロックに基づいて、マルチパス歪の影響が少ない方のシンボル期間信号を得てDFT,QAM復号回路31に供給される。
【0038】
DFT,QAM復号回路31のDFT(離散的フーリエ変換)演算装置は、同期信号発生回路27よりのシステムクロックにより複素フーリエ演算を行い、ガードインターバル期間処理回路30の出力信号の各周波数毎の実数部、虚数部の各信号レベルを算出する。具体的には、DFT演算装置は、I信号及びQ信号の変調信号出力成分を得ると共に、シンボル番号を復号した後そのシンボル番号に対応した中心搬送波に対して対称な2つの搬送波の受信参照信号の値を求める。
【0039】
ここで、DFT演算は、バタフライ演算に使用する回転子(係数)が、IDFT演算と異なるだけであり、基本的にはIDFT演算と同様である。具体的には、cosθとsinθの係数テーブルで、sinθの極性を変えることで、IDFT演算になったりDFT演算になったりする。
【0040】
そこで、DFT,QAM復号回路31内のDFT演算装置は、前記IDFT演算装置4と同様に入力側ステージ(前記の場合、第1〜第6ステージ)では1/2倍しながらバタフライ演算をし、出力側ステージ(前記の場合、第7〜第9ステージ)では1/2倍しないでバタフライ演算を行う。これにより、参照信号の精度の良い復号値を得ることができ、受信信号の補正に利用できる。
【0041】
これにより得られた各周波数毎の実数部、虚数部の各信号レベルは、QAM復号回路部により参照用搬送波の復調出力参照信号に基づき生成された伝送路特性に応じた補正データにより補正されることにより、ディジタル情報伝送用搬送波で伝送される量子化されたディジタル信号のレベルが求められ、ディジタル情報が正確に復号される。また、情報伝送キャリアにおいては、4ビットの復号データを得ると共に、それ以下の数値から、信号点配置との差を利用した精度の良い誤差信号を得て、受信信号の補正に利用できる。復号ディジタル情報信号は、出力回路32により並直列変換などの出力処理が行われて出力端子33へ出力される。
【0042】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば入力側ステージや出力側ステージは実施の形態に限定されるものではなく、送信側装置における直交変調器9をディジタル直交変調器で構成してもよく、その場合はディジタル直交変調器の出力側に設けられるD/A変換器に、上位10ビットを供給する。また、送信装置で実施の形態のIDFT演算のみを行ってもよいし、受信装置で実施の形態のDFT演算のみを行ってもよいし、あるいは実施の形態で説明したように両者ともに行ってもよい。
【0043】
更に、他の例として、バタフライ演算の最終ステージ後に所定値、例えば√2をすべてのデータに乗算してもよい。すなわち、最終結果の数値はベクトルの大きさ(振幅)で得られる。例えば、実数部、虚数部共に1の信号点のデータは、√2の大きさ(振幅)に変換されるが、これを表現するには、2まで表現できる数値表現を持って表す。よって、すべてにデータを√2倍してもオーバーフローせず上位ビットの活用が図れることとなる。
【0044】
また、上記の実施の形態のIDFT演算装置及びDFT演算装置は、OFDM信号伝送装置以外の従来より知られている用途にも、広く用い得ることは勿論である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送信側装置では上位ビットに伝送すべき情報信号を割り当てて1/2倍しながら演算することによりオーバーフローを防止するバタフライ演算を、所定ステージまでとし、それ以降最終ステージまでは1/2倍せずにそのままバタフライ演算をするようにしたため、安価なDSPや簡単なハードウェアで高い演算精度のIDFT演算結果を得ることができ、よって、演算誤差が少ない直交周波数分割多重信号を生成でき、ひいては受信側装置における伝送情報の復号性能を向上できる。
【0047】
更に、本発明のIDFT演算装置によれば、安価なDSPや簡単なハードウェアで高精度の演算結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる直交周波数分割多重信号伝送装置の送信側装置の一実施の形態のブロック図である。
【図2】図1の要部の一実施の形態の動作説明用フローチャートである。
【図3】本発明になる直交周波数分割多重信号伝送装置の受信側装置の一実施の形態のブロック図である。
【図4】1/2倍のバタフライ演算の一例を説明する図である。
【図5】1/2倍しないバタフライ演算の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 伝送すべきデータ入力端子
2 入力回路
3 クロック分周器
4 IDFT(逆離散的フーリエ変換)装置
5 シンボル番号計数回路
6 参照信号挿入回路
7 出力バッファ
8 D/A変換器・LPF
9 直交変調器
10、25 中間周波数発振器
21 受信部
23 中間周波増幅器
24 キャリア抽出及び直交復調器
27 同期信号発生回路
31 DFT(離散的フーリエ変換)・QAM(直交振幅変調)復号回路
32 出力回路

Claims (2)

  1. 実数部と虚数部とに分割された伝送すべき情報信号が入力されるIDFT演算装置により逆離散的フーリエ変換した同相信号と直交信号とを生成し、これら同相信号と直交信号を直交変調手段により変調して、互いに異なる複数の搬送波のそれぞれが前記伝送すべき情報信号で変調された直交周波数分割多重信号を生成し、この直交周波数分割多重信号を送信手段により送信出力する送信側装置と、前記直交周波数分割多重信号を受信手段により受信して直交復調手段により復調し、得られた同相信号と直交信号をDFT演算装置により離散的フーリエ変換した後、復号回路で前記伝送すべき情報信号に復号する受信側装置とからなる直交周波数分割多重信号伝送装置の前記送信側装置に用いるIDFT演算装置であって、
    入力情報信号を上位ビットにビット割り当てし、予め定めた所定ステージまでのバタフライ演算では1/2倍しながら演算し、前記所定ステージの次のステージから最終ステージまでのバタフライ演算は1/2倍することなくそのまま演算して、周波数領域の入力情報信号を時間領域の同相信号と直交信号に変換して出力することを特徴とするIDFT演算装置。
  2. 前記最終ステージの演算結果に所定値を乗算した信号を出力することを特徴とする請求項記載のIDFT演算装置。
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