JP3580860B2 - 自動操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の車両の運転支援システム(ADA)に使用されて電子的に自動操舵する自動操舵装置の制御方法に関し、詳しくは、ドライバのハンドル操作によるマニュアル操舵と自動操舵の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の安全性を飛躍的に向上する対策として、エアバック等の衝突被害軽減技術に対して、衝突しないための技術、即ち運転操作系を積極的にアシストして安全側に自動的に制御する総合的な運転支援システム(ADA、Active Drive Assist system)が開発されている。このADAシステムは、車両の前後に装着したカメラを有して道路状況、他の車両、障害物等の外部環境を三次元的に認識する制御ユニットにより、ドライバと同等の自律走行能力を持たせ、この自律走行能力によりブレーキ、スロットル及びステアリングの操作系の各種装置を自動的に適正に操作するように構成される。そしてADAシステムが目指す機能として、衝突防止機能と限定自動走行機能が考えられている。衝突防止機能は、運転操作の誤り等で追突の危険がある場合に自動ブレーキ作動したり、横風の際にハンドル修正したり、障害物を回避したりするものである。限定自動走行機能は、ドライバの代わりに自動操舵し、車線逸脱防止しながら安全車間距離を保持するものである。
【0003】
上記ADAシステムについて更に具体的に説明すると、例えば本件出願人による特開平4−65347号の出願で示すように、車両に装着した複数のカメラにより前方風景や交通環境をとらえ、その画像を小領域に分割して各々について三角測量法で距離を算出して、画面全体が三次元の距離分布の画像を得る。そして距離画像から車線、前方車、障害物等を分離して検出する。車線からは左右の白線、道路形状等を認識する。前方車や障害物に対しては、物体が何であるか、障害物との相対的な距離や速度等を認識して、種々の画像データを得る。
【0004】
また上述の画像データを利用して自動操舵するシステムとして、特開平4−356273号公報で示すように、ステアリング装置の操舵系に操舵制御モータやトルク制御モータを備えたプラネタリギヤ式のギヤ比可変機構を設ける。そして操舵制御モータとトルク制御モータの一方または両方を制御し、且つギヤ比可変機構を作動して、マニュアル操舵と自動操舵を可能にする。また自動操舵モードでは、2つのモータの制御方法により種々の形態でドライバに運転支援することが可能になっている。
【0005】
従って、今後はドライバに対する運転支援のあり方を具体的に決定して、そのための制御方法を確立することが要求される。そこで運転支援のあり方としては、あくまでドライバの意志を尊重してハンドル操作を優先し、勝手に自動操作してドライバの意志と反発したり、うるさがられることを避ける。そしてドライバのハンドル操作が誤っていることを判断すると、そのハンドル操作を禁止して適正に自動操舵することで、車線の逸脱等の危険を回避する。また自動操舵の場合は、ドライバの手を傷付けるおそれがない限りハンドルも回転して、自動操舵で車線の逸脱等の危険を回避したこと、その操舵状態をドライバに知らせる。こうしてドライバの操舵意志を尊重しつつ、機械的な自動操舵との調和を図ることが望まれる。
【0006】
従来、上記自動操舵装置の制御に関しては、例えば特開平4−300781号公報の先行技術がある。この先行技術において、外界認識手段により外界を認識し、この認識結果の画像データに基づいて走行系路を認識し、走行系路に対する車両位置のずれ量を算出し、このずれ量とステアリング操作状態に基づいて自動操舵アクチュエータを制御して車両の操舵を制御することが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記先行技術のものにあっては、画像データに基づく走行系路と自車両の姿勢とのずれ量により、常に車両を自動的に操舵して、ドライバのハンドル操作の不備を機械的に補正する制御方法であるから、あくまでドライバのハンドル操作を優先した運転支援を行うことができない問題がある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑み、ドライバの操舵意志と機械的な自動操舵を調和するように操舵制御することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、車両のステアリング装置にプラネタリギヤ式のギヤ比可変機構を介設し、ギヤ比可変機構に、画像データ、車速及び舵角により算出される目標舵角に応じてタイヤを自動的に転舵する自動転舵、及びドライバのハンドル操作によってタイヤが転舵されるマニュアル操舵を可能にするための操舵制御モータと、ハンドルを固定または回転させることで自動操舵を可能にするトルク制御モータとを設けて、操舵制御モータによるプラネタリギヤのギヤ要素の回転とトルク制御モータによるハンドルの固定を行ってタイヤを転舵するか、または操舵制御モータによるギヤ要素の固定とトルク制御モータによるハンドルの回転を行ってタイヤを転舵するかのいずれか一方の転舵により自動転舵を行い、操舵制御モータによりヤ要素を固定しトルク制御モータを不作動にすることでドライバによって操作されたハンドルの回転によりマニュアル操舵を行う自動操舵装置において、標舵角と、実際のハンドル操作のハンドル操舵角の符号によりドライバのハンドル操作が正しいかを判断するハンドル操作判定部と、ハンドル操作判定部により適正なハンドル操作として判断された場合、マニュアル操舵にし、ハンドル操作判定部により誤ったハンドル操作として判断された場合には、自動操舵を行う操舵制御部を備えたことを特徴とする。また、本発明は、自動操舵の制御では、目標舵角速度を算出し、この目標舵角速度により緩操舵を判断すると、操舵制御モータによりギヤ要素を固定し、且つトルク制御モータによりハンドル側を回転しつつ自動操舵し、急操舵を判断すると、トルク制御モータによりハンドル側を固定し、且つ操舵制御モータを回転させて自動操舵をすることを特徴とする。さらに、本発明は、操舵制御部は、ハンドル操作判定部により適正なハンドル操作として判断された場合、操舵制御モータによりギヤ要素を固定してマニュアル操舵にし、ハンドル操作判定部により誤ったハンドル操作として判断された場合には、トルク制御モータによりハンドルを固定し、且つ操舵制御モータによりギヤ要素を回転させて自動操舵をすることを特徴とする。また、本発明は、車両のステアリング装置に設けられたモータの制御によりタイヤを自動的に操舵する自動操舵モードとドライバのハンドル操作によりタイヤが操舵されるマニュアル操舵モードとを有する自動操舵装置において、画像データ、車速及び舵角により算出される目標舵角と、ドライバによるハンドル操作のハンドル操舵角との正負の符号が同じであるか否かを判断するハンドル操作判定部と、ハンドル操作判定部により正負の符号が同じであると判断された場合、マニュアル操舵モードにし、ハンドル操作判定部により正負の符号が異なると判断された場合には、自動操舵モードにする操舵制御部を備え、該操舵制御部は、自動操舵モードにおいて、目標舵角速度を算出し、この目標舵角速度により緩操舵を判断すると、ハンドルを回転しつつ自動操舵を行い、目標舵角速度により急操舵を判断すると、ハンドルを固定して自動操舵を行うことを特徴とする。
【0010】
【作用】
上記自動操舵装置による本発明では、ハンドル操作判定部により、目標舵角とハンドル操舵角の符号に基づいて常にドライバのハンドル操作状態が判断され、操作方向が目標舵角と同じでドライバのハンドル操作が正しいことを判断すると、操舵制御部がドライバ優先でマニュアル操舵して衝突や車線逸脱等が回避される。またハンドル操作判定部により、ドライバのハンドル操作が誤っていることを判断すると、操舵制御部がトルク制御モータによりハンドル固定してドライバのハンドル操作が禁止される。そして操舵制御モータによりタイヤ側を自動操舵して車線逸脱等が回避され、こうしてドライバの操舵意志を尊重しつつ、機械的な自動操舵との調和が図られる。また、本発明では、暖操舵が判断されると、トルク制御モータが緩やかにハンドルを回転しつつ前輪を自動操舵するので、ドライバのハンドル操作の不備に対して適確に警告することができる。またドライバに対しては適正にハンドル操作して、ドライバ優先で制御することが促される。急操舵の場合はトルク制御モータがハンドルを固定して自動操舵になるので、ドライバの指を怪我したり、恐怖感を与えることが防止される。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図2において、ADAシステムの概略について説明する。先ず、車両1のエンジン2のスロットル弁3には電気信号で開閉するアクチュエータ11が設けられ、ブレーキペダル4の操作で前輪5と後輪6のホイールシリンダ7にブレーキ圧を発生して制動するブレーキ装置8には電気信号でブレーキ圧を加減圧する自動ブレーキ油圧ユニット12が設けられる。また車両1の例えば左右前方には車両前方の所定の範囲を撮像するCCDカメラ13が配置され、ハンドル9を有するステアリング装置10に電気信号で操舵する自動操舵パワーユニット14が設けられる。
【0012】
制御系として、CCDカメラ13の撮像信号が入力する画像認識制御ユニット15を有し、撮像信号に基づき三角測量法で距離を算出して、画面全体が三次元の距離分布の画像を得る。そして距離画像から車線、前方車、障害物等を分離して検出し、車線からは左右の白線、道路形状等を認識する。前方車や障害物に対しては、物体が何であるか、障害物との相対的な距離や速度等を認識して、種々の画像データを得る。この画像データは車間距離制御ユニット16と自動操舵制御ユニット17に入力する。
【0013】
車間距離制御ユニット16は、画像データと他の種々のセンサ信号により先行車や道路の障害物に対して安全な距離を保つように加減速度を演算し、この加減速度に基づく適正なスロットル開度のスロットル信号をアクチュエータ11に出力してスロットル制御する。また加減速度に基づく適正なブレーキ圧のブレーキ信号を自動ブレーキ油圧ユニット12に出力してブレーキ制御する。そしてドライバのブレーキ操作等が不充分な場合でも、安全車間を保ち、衝突を未然に防止して安全に走行することを可能にする。自動操舵制御ユニット17は、画像データと他の種々のセンサ信号により道路の白線と車両とのずれ等を演算し、このずれに基づく操舵信号を自動操舵パワーユニット14に出力して操舵制御する。そしてドライバのハンドル手放しの場合にも、安全に車線追従走行することを可能に構成される。
【0014】
図3において自動操舵パワーユニット14の構成について説明する。先ず、ステアリング装置10のステアリング軸20が入力軸21と出力軸22に2分割され、入力軸21の端部にハンドル9が設けられ、出力軸22は油圧パワーステアリング機構23を介して前輪5に連結され、両軸21,22の間にギヤ比可変機構25がバイパスして連結される。ギヤ比可変機構25は、入、出力軸21,22とこれらに平行配置されるモータ軸24に、2組のギヤ26,27と1組のプラネタリギヤ30を組合せて構成される。
【0015】
即ち、第1のギヤ26は小径のドライブギヤ26aが入力軸21に一体結合され、大径のドリブンギヤ26bがモータ軸24に回転可能に設けられる。第2のギヤ27は大径のドライブギヤ27aがモータ軸24に回転可能に設けられ、小径のドリブンギヤ27bが出力軸22に一体結合される。プラネタリギヤ30はサンギヤ31がモータ軸24に一体結合され、リングギヤ32が第2のギヤ27のドライブギヤ27aの内側に形成され、サンギヤ31とリングギヤ32に噛合うピニオン33が第1のギヤ26のドリブンギヤ26bと一体的なキャリア34で支持される。そしてモータ軸24の一端に可逆回転可能なウォームギヤ35を介して操舵制御モータ36が連結され、入力軸21に同様なウォームギヤ37を介してトルク制御モータ38が連結される。また入力軸21と出力軸22の間には、タイヤが縁石等に衝突して大きい操舵トルクが入力し、両軸21,22が所定の角度以上回転した場合に直結するストッパ39が設けられる。
【0016】
そこでモータ軸24のサンギヤ31が固定した状態で、ドライバがハンドル9を操舵すると、入力軸21と第1のギヤ26によりプラネタリギヤ30のキャリア34が回転してピニオン33が遊星回転し、リングギヤ32と第2のギヤ27により出力軸22をハンドル9と同一方向に回転して転舵する。この場合に、ギヤの歯数を選択することにより、入、出力軸22の回転が略同一にされる。またトルク制御モータ38により入力軸21を固定して操舵反力を相殺するようにトルクアシストする状態で、操舵制御モータ36によりサンギヤ31を回転すると、ピニオン33の自転でリングギヤ32と第2のギヤ27を介し出力軸22を同一方向に回転して電気的に転舵するように構成される。
【0017】
制御系として、入力軸21にはハンドル操舵角Qhとその角速度ωhを検出する操舵角センサ40、操舵トルクThを検出する操舵トルクセンサ41が設けられ、出力軸22にはタイヤ転舵角Qpとその角速度ωpを検出する転舵角センサ42が設けられる。またギヤ比可変機構25のモータ軸24には位相角Qsを検出する位相角センサ43が設けられる。そして画像認識制御ユニット15の画像データ、車速センサ44の車速V及び上記各センサ40〜43の信号が自動操舵制御ユニット17に入力して電気的に処理することで、操舵制御モータ36とトルク制御モータ38を制御するように構成される。
【0018】
図1において、自動操舵制御ユニット17について説明する。先ず、画像認識制御ユニット15からの画像データが入力する距離算出部50を有し、画像上の所定距離位置Dを設定する。目標軌道設定部51は画像データに基づきその所定距離位置Dの白線による目標軌道L1を設定する。また車速Vとタイヤ転舵角Qpが入力する予測軌道算出部52を有し、現在の車両の位置、方向、走行状態のままで所定距離位置Dに走行した場合の車両1の予測軌道L2を算出する。これら目標軌道L1と予測軌道L2はずれ幅算出部53に入力して、目標軌道L1と予測軌道L2のずれ幅eを算出する。このずれ幅eは目標舵角算出部54に入力して、ずれ幅eが定常範囲を越えてステアリング制御の必要性を判断すると、ずれ幅eと比例定数kとにより車線逸脱等を回避する目標舵角Qtを定める。
【0019】
また目標舵角Qtとハンドル操舵角Qhはハンドル操作判定部55に入力し、両舵角Qt,Qhの正負の符号が同じ場合はハンドル操作が正しいものと判断し、ドライバ優先のマニュアル操舵モードを決定する。また両舵角Qt,Qhの符号が異なる場合は、ハンドル手放しまたはハンドル操作が誤っているものと判断して、自動操舵モードを決定する。
【0020】
目標舵角Qt、ハンドル操舵角Qh、操舵トルクTh及びモードの信号は操舵制御部56に入力され操舵制御部56は、マニュアル操舵モードではサンギヤ固定に必要な電流Ipを操舵制御モータ36に供給すると共に、トルク制御モータ38を不作動する。また自動操舵モードでは、操舵制御部56は、目標舵角Qtとハンドル操舵角Qhの偏差に応じた電流Ipを操舵制御モータ36に供給し、且つハンドル側に作用する操舵反力を相殺してハンドル固定に必要な電流Isをトルク制御モータ38に供給するように構成される。
【0021】
次に、この実施例の作用を、図4のフローチャートを用いて説明する。先ず、車両走行時にステップS1で制御システムの電源をチェックして、OFFする場合はステップS2へ進みステアリング制御を終了する。制御システムの電源をONしたシステム作動時には、ステップS1からステップS3へ進んでドライバのハンドル操作によるハンドル操舵角Qh等を検出し、ステップS4で画像データや車速Vに基づいて車両走行状態、道路状況を判断する。その後ステップS5へ進み、画像データによる所定距離位置Dの白線等の目標軌道L1と、車速Vとタイヤ転舵角Qpによる車両1の所定距離位置Dでの予測軌道L2のずれ幅eが定常範囲内か否かを判断する。
【0022】
そしてずれ幅eが定常範囲内では、衝突等の危険が無いと判断してそのまま抜ける。一方、ずれ幅eが定常範囲より大きい場合は、衝突や車線逸脱等の危険があると判断してステップS6へ進み、ずれ幅e等に基づいて車線逸脱等を回避するための目標舵角Qtを定める。
【0023】
その後ステップS7で目標舵角Qtとハンドル操舵角Qhの符号によりドライバのハンドル操作状態をチェックし、操作方向が目標舵角と同じ場合は、ハンドル操作が正しいものと判断する。そしてステップS8へ進み操舵制御モータ36をサンギヤ固定に作動して、マニュアル操舵モードとなる。
【0024】
このため自動操舵パワーユニット14のギヤ比可変機構25では、操舵制御モータ36によりモータ軸24とサンギヤ31が固定され、トルク制御モータ38は不作動してハンドル9の入力軸21がフリーの状態になる。そこでドライバのハンドル操作により、入力軸21とギヤ比可変機構25の第1と第2のギヤ26,27、固定したサンギヤ31に対するプラネタリギヤ30の作動で出力軸22が同一方向に回転し、油圧パワーステアリング機構23の作動で前輪5が左右に自由に転舵される。こうしてドライバにより正しくハンドル操作される場合は、ドライバ優先でマニュアル操舵して車線逸脱等が回避される。
【0025】
一方、ハンドル操舵角Qhが零でドライバのハンドル手放を判断したり、または操作方向が目標舵角と逆の誤ったハンドル操作を判断すると、ステップS7からステップS9へ進んでトルク制御モータ38によりハンドル9を固定する。このためドライバの誤ったハンドル操作が禁止され、且つ自動操舵が可能となる。またステップS10で操舵制御モータ36を目標舵角Qtに応じて作動し、自動操舵モードとなる。
【0026】
そこでギヤ比可変機構25では、操舵制御モータ36の作動によりウォームギヤ35、モータ軸24及びサンギヤ31が回転する。このときトルク制御モータ38によりハンドル側の入力軸21と共に第1のギヤ26、キャリア34等が固定されるため、操舵制御モータ36によるサンギヤ31の回転で、タイヤ側の負荷に抗してリングギヤ32、第2のギヤ27及び出力軸22が回転し、前輪5が自動的に転舵される。こうしてドライバのハンドル手放しや誤った操作の場合には、ドライバのハンドル操作を禁止しつつ自動操舵して、衝突や車線逸脱等が回避される。
【0027】
以上のステアリング制御により、車両が車線を逸脱しそうになった際に、全て自動操舵してドライバの意志を無視した無人車とは異なり、先ずドライバの操舵意志を尊重してドライバにハンドル操作することを前提とする。そしてマニュアル操舵と自動操舵を適正に選択して、人と機械の調和が図られる。
【0028】
自動操舵制御の他の実施例について説明する。この実施例は、自動操舵パワーユニット14において操舵制御モータ36によりサンギヤ固定した状態で、トルク制御モータ38を入力軸回転作動することにより、ドライバのハンドル操作と同じようにハンドル9を回転しつつ自動操舵できる点に着目したものである。そして自動操舵する場合にはハンドル9を積極的に回転し、現在の操舵状況をドライバに知らせて警告した方が良い。このとき急操舵では、ドライバの指を怪我したり、恐怖感を与えるおそれがあるためハンドル固定することが望まれる。
【0029】
そこで図1に示すように、目標舵角Qtが入力する目標舵角速度算出部57を有し、目標舵角速度αを算出し、この目標舵角速度αを閾値として障害物等の回避に比較的余裕のある緩操舵、または余裕の無い急操舵を判断する。そして操舵制御部56は、自動操舵モードにおいて緩操舵ではハンドル回転モードとし、急操舵ではハンドル固定モードに定めるように構成される。
【0030】
この実施例の作用を、図5のフローチャートにより説明する。ステップS7で自動操舵モードを判断すると、ステップS20へ進んで目標舵角速度αを算出する。その後ステップS21で目標舵角速度αを設定値k(例えば90deg/sec)と比較し、設定値k以下の緩操舵を判断すると、ステップS22へ進み操舵制御モータ36をサンギヤ固定に作動し、ステップS23でトルク制御モータ38を目標舵角Qtに応じて作動する。そこでギヤ比可変機構25では、サンギヤ31を固定した状態でトルク制御モータ38により入力軸21が回転することで、緩やかにハンドル9を回転しつつ前輪5が自動操舵して車線逸脱等が回避される。この場合は、ハンドル9が緩やかに回転するためドライバの指を怪我するおそれが無い。またハンドル9の回転で現在の操舵状況がドライバに知らされ、ハンドル操作の不備に対し適正にハンドル操作するように警告されることになる。
【0031】
一方、目標舵角速度αが設定値k以上で余裕の無い急操舵を判断すると、ステップS21からステップS24へ進みトルク制御モータ38をハンドル固定に作動し、ステップS25で操舵制御モータ36を目標舵角Qtに応じて作動する。従って、この場合は操舵制御モータ36の回転で前輪5が急激に自動操舵して、車線逸脱等が回避される。またハンドル9は急回転しないように固定されるので、ドライバの指を怪我したり、恐怖感を与えることが防止される。
【0032】
以上、本発明の実施例について説明したが、ギヤ比可変機構の構成の異なる場合にも適応できる。
【0033】
【効果】
以上に説明したように本発明によると、自動操舵装置において、ハンドル操作判定部により、画像データ、車速及び舵角に基づいて算出される目標舵角と実際のハンドル操作のハンドル操舵角の符号とからドライバのハンドル操作状態を判断し、適正なハンドル操作では操舵制御部が操舵制御モータによりギヤ比可変機構のギヤ要素を固定してマニュアル操舵し、誤ったハンドル操作では操舵制御部がトルク制御モータによりハンドルを固定し、且つ操舵制御モータによりタイヤ側を自動操舵するので、マニュアル操舵と自動操舵の選択制御により、ドライバの操舵意志を尊重して人と機械の調和を有効に図ることができる。このため実際の自動車にADAシステムを適応し易くなる。
【0034】
ハンドル操作判定部は、目標舵角とハンドル操舵角の符号によりドライバのハンドル操作状態を判断するので、判断が容易で確実である。自動操舵ではハンドル固定によりドライバの誤ったハンドル操作を確実に禁止できる。
【0035】
本発明の他の実施例では、自動操舵の際にハンドル回転することで、ドライバのハンドル操作の不備に対して適確に警告することができる。またドライバに対しては適正にハンドル操作して、ドライバ優先で制御することが促される。急操舵の場合はハンドル固定して自動操舵するので、ドライバの指を怪我したり、恐怖感を与えることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動操舵装置に適した自動操舵制御ユニットの実施例を示すブロック図である。
【図2】ADAシステムの全体の概略を示す構成図である。
【図3】自動操舵パワーユニットを示す構成図である。
【図4】ステアリング制御を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施例の制御の要部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両
9 ハンドル
10 ステアリング装置
14 自動操舵パワーユニット
15 画像認識制御ユニット
17 自動操舵制御ユニット
25 ギヤ比可変機構
26、27 ギヤ(ギヤ要素)
30 プラネタリギヤ(ギヤ要素)
31 サンギヤ
36 操舵制御モータ
38 トルク制御モータ
40 操舵角センサ
54 目標舵角算出部
55 操作状態判定部(ハンドル操作判定部)
56 操舵制御部(操舵制御部)

Claims (4)

  1. 車両のステアリング装置にプラネタリギヤ式のギヤ比可変機構を介設し、前記ギヤ比可変機構に、画像データ、車速及び舵角により算出される目標舵角に応じてタイヤを自動的に転舵する自動転舵、及びドライバのハンドル操作によって前記タイヤが転舵されるマニュアル操舵を可能にするための操舵制御モータと、ハンドルを固定または回転させることで前記自動操舵を可能にするトルク制御モータとを設けて、前記操舵制御モータによる前記プラネタリギヤのギヤ要素の回転と前記トルク制御モータによる前記ハンドルの固定を行って前記タイヤを転舵するか、または前記操舵制御モータによる前記ギヤ要素の固定と前記トルク制御モータによる前記ハンドルの回転を行って前記タイヤを転舵するかのいずれか一方の転舵により自動転舵を行い、前記操舵制御モータにより前記ヤ要素を固定し前記トルク制御モータを不作動にすることで前記ドライバによって操作された前記ハンドルの回転により前記マニュアル操舵を行う自動操舵装置において、
    前記目標舵角と、実際のハンドル操作のハンドル操舵角の符号によりドライバのハンドル操作が正しいかを判断するハンドル操作判定部と、
    前記ハンドル操作判定部により適正なハンドル操作として判断された場合、前記マニュアル操舵にし、前記ハンドル操作判定部により誤ったハンドル操作として判断された場合には、前記自動操舵を行う操舵制御部を備えたことを特徴とする自動操舵装置。
  2. 前記自動操舵の制御では、目標舵角速度を算出し、この目標舵角速度により緩操舵を判断すると、前記操舵制御モータにより前記ギヤ要素を固定し、且つ前記トルク制御モータにより前記ハンドル側を回転しつつ自動操舵し、急操舵を判断すると、前記トルク制御モータにより前記ハンドル側を固定し、且つ前記操舵制御モータを回転させて前記自動操舵をすることを特徴とする請求項1記載の自動操舵装置。
  3. 前記操舵制御部は、前記ハンドル操作判定部により適正なハンドル操作として判断された場合、前記操舵制御モータにより前記ギヤ要素を固定してマニュアル操舵にし、前記ハンドル操作判定部により誤ったハンドル操作として判断された場合には、前記トルク制御モータにより前記ハンドルを固定し、且つ前記操舵制御モータにより前記ギヤ要素を回転させて前記自動操舵をすることを特徴とする請求項1記載の自動操舵装置。
  4. 車両のステアリング装置に設けられたモータの制御によりタイヤを自動的に操舵する自動操舵モードとドライバのハンドル操作により前記タイヤが操舵されるマニュアル操舵モードとを有する自動操舵装置において、
    画像データ、車速及び舵角により算出される目標舵角と、前記ドライバによるハンドル操作のハンドル操舵角との正負の符号が同じであるか否かを判断するハンドル操作判定部と、
    前記ハンドル操作判定部により前記正負の符号が同じであると判断された場合、前記マニュアル操舵モードにし、前記ハンドル操作判定部により前記正負の符号が異なると判断された場合には、前記自動操舵モードにする操舵制御部を備え
    該操舵制御部は、前記自動操舵モードにおいて、目標舵角速度を算出し、この目標舵角速度により緩操舵を判断すると、前記ハンドルを回転しつつ自動操舵を行い、前記目標舵角速度により急操舵を判断すると、前記ハンドルを固定して自動操舵を行うことを特徴とする自動操舵装置。
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