JP2019014432A - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバによる操舵入力と独立してアクチュエータを介して操舵角を制御する際に、操舵角を目標操舵角に制御するための指示値の異常を確実に検出する。【解決手段】移動平均算出部55で算出した舵角速度の移動平均値が異常判定値設定部56で設定した異常判定値ラインを超えている場合、異常判定部57でEPSモータへのEPS電流指示値が異常であると判定し、制御遮断部58でEPS電流指示値を遮断する。また、そのときのヨーレート変化率が所定の設定値を超えている場合、カウンタ電流生成部59でEPS電流指示値とは逆方向のカウンタ電流値を生成し、EPSモータ12に逆方向の電流を流して車両の回転方向の動きを抑制する。【選択図】図2

Description

本発明は、ドライバによる操舵入力と独立してアクチュエータを介して操舵角を制御可能な車両の操舵制御装置に関する。
自動車等の車両においては、ドライバによる操舵入力と独立してアクチュエータを介して操舵角を制御可能な電動パワーステアリング(EPS;Electric Power Steering)装置等の操舵装置を備え、カメラやレーダ装置等によって認識した車両周囲の外部環境に基づいて、自車両が進行する目標経路の目標操舵角と、操舵装置のアクチュエータを介して操舵する操舵角とが一致するよう制御する自動操舵制御が知られている。このような自動操舵制御では、操舵装置に与える指示値が適正か否かを監視し、異常発生時には操舵制御を終了させる必要がある。
例えば、特許文献1には、車両の向きを変化させる力を発生するアクチュエータを作動させて車両が車線内を走行するように制御する車線維持支援制御中に、アクチュエータが作動している状況下で、運転者の操舵操作が検出されず、且つ、操舵角速度が所定速度以上である場合に、車線維持支援制御を抑制する技術が開示されている。
特開2015−20633号公報
特許文献1では、所定の時点での舵角速度が所定速度以上か否かにより、制御継続に不適合な状況か否かを一義的に判定するようにしている。しかしながら、一義的に舵角速度を所定速度と比較するのみでは、操舵角を目標操舵角に制御するための指示値が異常となった場合の舵角速度の変化を把握することは困難であり、指示値の異常による不具合発生を防止できない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ドライバによる操舵入力と独立してアクチュエータを介して操舵角を制御する際に、操舵角を目標操舵角に制御するための指示値の異常を確実に検出することのできる車両の操舵制御装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様による車両の操舵制御装置は、ドライバによる操舵入力と独立してアクチュエータを介して操舵角を制御可能な車両の操舵制御装置において、前記アクチュエータを駆動して操舵角を目標操舵角に制御するための指示値を生成する指示値生成部と、前記アクチュエータによる操舵角から求めた所定時間毎の舵角速度の移動平均値を算出する移動平均値算出部と、前記舵角速度の移動平均値と異常判定値とを比較し、前記指示値が異常か否かを判定する異常判定部と、前記指示値が異常と判定されたとき、前記指示生成部からの前記指示値を遮断する制御遮断部とを備える。
本発明によれば、ドライバによる操舵入力と独立してアクチュエータを介して操舵角を制御する際に、操舵角を目標操舵角に制御するための指示値の異常を確実に検出することができる。
車両操舵系の構成図 操舵制御系の構成を示すブロック図 舵角変化量の境界ラインを示す説明図 車両のヨーレートF/B制御を示す説明図 異常判定処理のフローチャート
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1において、符号1は、ドライバによる操舵入力と独立してアクチュエータを介して操舵角を制御可能な操舵装置としての電動パワーステアリング(EPS;Electric Power Steering)装置を示す。このEPS装置1においては、図示しない自動車等の車両の車体フレームに、ステアリング軸2がステアリングコラム3を介して回動自在に支持されている。
ステアリング軸2の一端は運転席側へ延出され、他端がエンジンルーム側へ延出されている。ステアリング軸2の運転席側端部には、ステアリングホイール4が固設され、このステアリングホイール4が結合されるステアリング軸2の外周側に、舵角センサ21が配設されている。
舵角センサ21は、例えば、その内部に検知ギヤに内蔵された磁石の回転を検知する磁気抵抗素子を二組備えて構成されている。この舵角センサ21は、ステアリングホイール4の基準となる回転位置(例えば、車両直進状態におけるステアリングホイール4上部の回転位置)を予め設定しておき、検知ギヤが回転することで生じる磁気変化に基づいて、予め設定した固定の基準位置からの回転角(舵角)及び回転方向(操舵方向)を検出することができる。
また、ステアリング軸2の中途には、トーションバー2aが介装され、エンジンルーム側に延出される端部に、ピニオン軸5が連設されている。トーションバー2aの外周側には、トルクセンサ22が配設されている。トルクセンサ22は、トーションバー2aの捩れによってステアリング軸2の軸周りに生じるステアリングホイール4側とピニオン軸5側との変位を検出することにより、ドライバの操舵による操舵トルクを検出可能となっている。
一方、エンジンルーム内には、車幅方向へ延出するステアリングギヤボックス6が配設されており、このステアリングギヤボックス6にラック軸7が往復移動自在に挿通支持されている。このラック軸7に形成されたラック(図示せず)に、ピニオン軸5に形成されたピニオンが噛合されて、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構が形成されている。
また、ラック軸7の左右両端はステアリングギヤボックス6の端部から各々突出されており、その端部に、タイロッド8を介してフロントナックル9が連設されている。このフロントナックル9は、操舵輪としての左右輪10L,10Rを回動自在に支持すると共に、車体フレームに転舵自在に支持されている。ステアリングホイール4を操作し、ステアリング軸2、ピニオン軸5を回転させると、このピニオン軸5の回転によりラック軸7が左右方向へ移動し、その移動によりフロントナックル9がキングピン軸(図示せず)を中心に回動して、左右輪10L,10Rが左右方向へ転舵される。
また、ピニオン軸5に、減速ギヤ機構等からなるアシスト伝達機構11を介して、ドライバの操舵操作に対するアシスト及び自動操舵を可能とするアクチュエータとしての電動パワーステアリングモータ(EPSモータ)12が連設されている。EPSモータ12は、例えばケースに固定されたステータとステータの内部で回転するロータとを有するDCブラシレスモータからなる電動モータであり、この電動モータのロータの回転がアシスト伝達機構11を介してラック軸7の軸方向の動きに変換される。
EPSモータ12には、ロータの回転角を検出する回転角センサ23が内蔵されている。この回転角センサ23は、例えば、ロータリエンコーダ等によって所定の零点位置からのロータの相対的な回転角を検出するセンサであり、回転角センサ23からの信号が操舵制御装置50に入力される。
尚、回転角センサ23は、例えば、イグニッションON時に、舵角センサ21による舵角とアシスト伝達機構11の減速比とに基づいての零点位置が初期設定され、通常、回転角センサ23で検出する回転角と舵角センサ21で検出するステアリングホイール4の回転角とは、同じ舵角(操舵角)として扱うことができる。
操舵制御装置50は、マイクロコンピュータを中心として構成される制御ユニットであり、モータ駆動部20を介してEPSモータ12を駆動制御する。操舵制御装置50には、舵角センサ21、トルクセンサ22、回転角センサ23、その他、車速を検出する車速センサ24、車両の鉛直軸回りの回転速度すなわちヨーレートを検出するヨーレートセンサ25等のセンサ類や図示しないスイッチ類からの信号が入力される。
また、操舵制御装置50は、車内ネットワークを形成する通信バス200に接続されている。通信バス200には、車両挙動を制御するビークルダイナミクス制御装置100、車両の外部環境を認識して走行環境情報を取得する外部環境認識装置150、その他、図示しないエンジン制御装置、変速機制御装置、ブレーキ制御装置等の他の制御装置が接続され、各制御装置が通信バス200を介して互いに制御情報を交換することができる。
ビークルダイナミクス制御装置100には、舵角センサ21、車速センサ24、ヨーレートセンサ25、各車輪の回転速度(車輪速)を検出する車輪速センサ26、車両の横加速度を検出する横加速度センサ27等からの信号が入力される。ビークルダイナミクス制御装置100は、これらの信号に基づいて、エンジン制御装置、変速機制御装置、ブレーキ制御装置等を介して車両の挙動を制御し、旋回時等における車両の姿勢を安定化させる。尚、図1においては、代表して1つの車輪速センサ26を示し、他の車輪速センサは図示を省略している。
外部環境認識装置150は、車載のカメラ、ミリ波レーダ、レーザレーダ等の各種デバイスによる自車両周囲の物体の検出情報、路車間通信や車車間通信等のインフラ通信によって取得した交通情報、GPS衛星等からの信号に基づく自車両位置の測位情報、道路の曲率、車線幅、路肩幅等の道路形状データや、道路方位角、車線区画線の種別、レーン数等の走行制御用データを含む高精細の地図情報等により、自車両周囲の外部環境を認識する。
本実施の形態においては、外部環境認識装置150として、車載のカメラ及び画像認識装置による前方環境の認識を主として説明し、車載のカメラは、同一対象物を異なる視点から撮像する2台のカメラで構成されるステレオカメラとする。尚、ステレオカメラを構成する2台のカメラは、CCDやCMOS等の撮像素子を有するシャッタ同期のカメラであり、例えば、車室内上部のフロントウィンドウ内側のルームミラー近傍に所定の基線長で配置されている。
外部環境認識装置150におけるステレオカメラからの画像データの処理は、例えば以下のように行われる。まず、カメラで撮像した自車両の進行方向の1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から距離情報を有する距離画像を生成する。
白線等の車線区画線の認識では、車線区画線は道路面と比較して高輝度であるという知得に基づき、道路の幅方向の輝度変化を評価して、画像平面における左右の車線区画線の位置を画像平面上で特定する。この車線区画線の実空間上の位置(x,y,z)は、画像平面上の位置(i,j)とこの位置に関して算出された視差とに基づいて、すなわち、距離情報に基づいて、周知の座標変換式より算出される。
自車両の位置を基準に設定された実空間の座標系は、本実施の形態では、例えば、図3に示すように、カメラの中央真下の道路面を原点として、車幅方向をx軸、車高方向をy軸、車長方向(距離方向)をz軸とする。このとき、x−z平面(y=0)は、道路が平坦な場合、道路面と一致する。道路モデルは、道路上の自車両の走行レーンを距離方向に複数区間に分割し、各区間における左右の車線区画線を所定に近似して連結することによって表現される。
外部環境認識装置150による外部環境の認識結果は、操舵制御装置50や他の制御装置に送信される。操舵制御装置50は、自車両の自動運転やドライバの運転を支援する運転支援制御において、外部環境の認識結果から自車両が走行する目標経路を設定し、この目標経路に追従して走行するよう、EPSモータ12を駆動するモータ駆動部20を介して操舵支援制御を実行し、ドライバのハンドル操作による操舵介入が検知された場合には、EPSモータ12によりドライバの操舵操作をアシストする補助トルクを出力する。
操舵制御装置50の操舵制御における目標経路は、外部環境認識装置150による外部環境の認識結果に基づいて設定される。すなわち、操舵制御装置50は、自車両の追従走行の対象となる目標点の軌跡を算出し、この目標点の軌跡を目標経路として設定する。尚、この目標経路は、操舵制御装置50ではなく、外部環境認識装置150等の他の制御装置で設定するようにしても良い。
例えば、自車両を車線に追従させて車線中央に維持する制御(車線維持制御)では、車線区画線としての左右の白線の道路幅方向の中央位置が追従走行の対象となる目標経路の目標点として設定される。また、自車両前方の先行車両に追従走行する制御(先行車追従制御)では、先行車両の背面領域の車幅方向の中央位置が追従走行の対象となる目標経路の目標点として設定される。
操舵制御装置50は、自車両の車幅方向の中心位置を目標経路上の目標点に一致させる目標操舵角を設定し、操舵制御の舵角が目標操舵角となるよう、EPSモータ12の駆動電流を制御する。この目標操舵角への操舵支援制御においては、外部環境認識装置150の誤認識や不安定化等によってEPSモータ12の駆動電流の指示値が異常となった場合、操舵支援制御を停止し、また、操舵支援制御停止時のヨーレートの影響による車両挙動の不安定化を防止する。
このため、操舵制御装置50は、図2に示すように、指示電流生成部51、アシスト電流生成部52、モータ電流生成部53による主機能部に加えて、異常発生時のフェールセーフ制御に係る機能部として、舵角速度算出部54、移動平均算出部55、異常判定値設定部56、異常判定部57、制御遮断部58、カウンタ電流生成部59を備えている。操舵制御装置50は、EPSモータ12の駆動電流の指示値が異常となった場合、EPSモータ12への指示値による電流を停止し、また、そのときのヨーレート変化率が所定の設定値を超えている場合、EPSモータ12に逆方向の電流を流して車両の動きを抑制する。
指示電流生成部51は、EPSモータ12を駆動して操舵角を制御するための指示値を生成する指示値生成部として機能し、詳細には、目標操舵角に対する実操舵角の偏差に基づくフィードバック(F/B)制御を主として、目標操舵角を実現する操舵トルク(目標操舵トルク)をEPSモータ12に発生させる駆動電流の指示値であるEPS電流指示値を生成する。このEPS電流指示値は、例えば、ドライバのハンドル操作によるオーバーライドがない場合、予め実験やシミュレーション等によって最適に設定された比例ゲイン、微分ゲイン、及び積分ゲインによるPID制御によって生成される。
アシスト電流生成部52は、トルクセンサ22によって検出した操舵トルクに基づいて、ドライバの操舵操作をアシストする補助トルクをEPSモータ12に発生させるアシスト電流値を生成する。このアシスト電流値は、例えば、トルクセンサ22によって検知されたステアリングホイール4に加えられたドライバによる操舵トルクの量に応じた操舵トルクをトルク変換処理して生成される。
EPSモータ電流生成部53は、指示電流生成部51から制御遮断部58を介して入力されるEPS電流指示値と、アシスト電流生成部52から入力されるアシスト電流値とを、ドライバの操舵操作の有無に応じて所定の比率で合算してEPSモータ12を駆動するモータ駆動電流値を生成し、モータ駆動部20に出力する。モータ駆動部20は、回転角センサ23で検出されるロータの回転位置に応じてEPSモータ12の電流を制御し、モータ駆動電流値で所定の操舵トルクを発生させる。
本実施の形態においては、ドライバの操舵介入がない場合、アシスト電流値はゼロとされて、EPS電流指示値によってEPSモータ12が駆動される。一方、ドライバの操舵介入があった場合には、EPS電流指示値が制限されて略ゼロに低下し、アシスト電流値によってEPSモータ12が駆動される。
また、以下に説明するように、EPS電流指示値に基づく自動操舵の制御中に異常が発生した場合、指示電流生成部51からのEPS電流指示値は、制御遮断部58によって遮断される。そして、EPSモータ電流生成部53には、後述する条件に応じて、カウンタ電流生成部59からEPS電流指示値とは逆向きの電流であるカウンタ電流値が入力される。
制御遮断部58によるEPS電流指示値の遮断は、舵角速度算出部54、移動平均算出部55、異常判定値設定部56からのデータにより、異常判定部57でEPS電流指示値が異常であると判定されたときに実行される。このEPS電流指示値の異常判定は、EPS電流指示値の急激な変化によって舵角が急激に変化して、自車両が走行車線から逸脱する等の不具合が発生する可能性が有るか否かを判定するものであり、舵角速度の変化状態を捉えた異常判定、具体的には舵角速度の移動平均値を用いた異常判定を行う。
このため、舵角速度算出部54は、回転角センサ23で検出したEPSモータ12の回転角を舵角として、この舵角の時間当たりの変化量である舵角速度を算出する。この舵角速度は、例えば、前回の舵角検出値と今回の舵角検出値との差分を検出周期で除算した値として算出することができ、算出された舵角速度が移動平均算出部55に送られる。尚、舵角速度は、単なる前回と今回の検出値の差分とすることも可能であり、また、最新の3時点以上の検出値に基づいて算出するようにしても良い。
移動平均算出部55は、所定時間T0における舵角速度の時系列データに対して移動平均値を算出する。この移動平均値を算出する所定時間T0は、例えば、異常発生によって自動操舵を停止してからドライバが手動操作によって操舵を引き継ぐまでの時間を想定して設定され、例えば、異常判定後の1秒間を想定して所定の制御周期毎に移動平均値を算出することで、舵角速度の変化状態を把握することができる。
尚、所定時間T0における舵角速度の移動平均は、直近のn個のデータに対して重み付けのない単純移動平均としても良く、或いは、例えば自己回帰移動平均のように、個々のデータに異なる重みを付けて平均する加重移動平均としても良い。
異常判定値設定部56は、所定時間T0分における移動平均値に対して、自車両から車線(白線)までの距離と車速を考慮して、図3に示すように、時間を横軸、舵角速度を縦軸とするデータ平面上で車線逸脱に至る舵角速度の限界のライン(異常判定値ライン)Lを設定する。舵角速度の移動平均値が異常判定値ラインLを超える領域RA,RBは、舵角速度×時間による車線方向への移動量が車線を越えて逸脱する虞のある危険領域、舵角速度の移動平均値が異常判定値ラインL以下の領域RCは、車線逸脱の虞がない安全領域となる。
この場合、単に所定時間T0における舵角速度を用いて、この平均値が異常判定値を超えるか否かによって異常の有無を判定すると、車線逸脱のある危険領域として、図3の領域RAのみしか検出することができず、危険領域RBを検出することはできない。これに対して、所定時間T0分の移動平均で舵角速度の過去の状態と現在の状態との相関を反映することにより、舵角速度が高い状態で推移する等の異常を確実に検出することができ、車線逸脱の虞がある危険領域をもれなく判別することが可能となる。
尚、異常判定値ラインLは、詳細には車速によって特性が異なるが、図3は或る一定の車速で代表して示している。また、図3における領域RDは、ドライバによって操舵がなされ、且つ舵角速度が低速の設定値STv0以下で車線逸脱の可能性が低いと判断される領域であるため、異常判定の対象外となる。
異常判定部57は、移動平均算出部55で算出した舵角速度の移動平均値と異常判定値設定部56で設定した異常判定値(図3の異常判定値ラインL)とを比較し、移動平均値が異常判定値を超えた場合、EPS電流指示値が異常であると判定する。EPS電流指示値が異常であると判定した場合、異常判定部57は、制御遮断部58を介してEPSモータ電流生成部53へのEPS電流指示値を遮断すると共に、カウンタ電流生成部59に異常発生を通知する。
カウンタ電流生成部59は、EPSモータ12をEPS電流指示値と逆方向に制御する逆指示値を生成する逆指示値生成部として機能し、異常判定部57から異常発生を通知されたとき、ヨーレートセンサ25によって検出したヨーレートの変化率が所定の設定値を超えているか否かを調べる。そして、EPS電流指示値が異常となり、且つヨーレート変化率が設定値を超えているとき、カウンタ電流生成部59は、EPS電流指示値とは逆向きのカウンタ電流値を生成してEPSモータ電流生成部53に出力する。
すなわち、EPS電流指示値に対する異常判定で、図3に示す時間T'における比較的速い舵角速度STv1のポイントで異常判定値ラインLを超えた場合には、制御遮断部58を介してEPSモータ電流生成部53へのEPS電流指示値を遮断しても、電流遮断時に残留するヨーレートによっては、車両挙動が不安定になる虞がある。特に、路面摩擦係数μが低い道路では、EPSモータ12への電流を停止しただけでは、車両の回転方向の動きを止めることが困難となる場合がある。
このため、カウンタ電流生成部59は、EPS電流指示値が異常と判定されてEPSモータ12への電流が停止された時点での車両のヨーレートの変化率が設定値を超えている場合、EPSモータ12にEPS電流指示値とは逆向きのカウンタ電流を一定時間流して、車両の回転方向の動きを抑制する。
例えば、図4に示すように、EPS電流指示値を遮断したときに自車両CRがF方向を向いた状態であるとき、異常と判定された時点での自車両CRのヨーレート値に所定の定数αを加えた値となるF’方向に一致するよう、ヨーレートのフィードバック(F/B)制御によってカウンタ電流値を制御する。これにより、仮想的にG方向の自車両CR’を逆方向に操舵したのと同様の効果を得ることができ、図3中に破線で示すように、EPS電流指示値を遮断しただけでカウンタ電流によるEPSモータ12の制御を行わない場合に自車両CRがF方向を超えるスピン傾向の挙動となることを防止することができる。
このカウンタ電流のヨーレートによるF/B制御は、ビークルダイナミクス制御装置100によるアンダーステア/オーバーステアの抑制制御が実行されている場合には、目標値との実ヨーレートとの偏差に対するフィードバックの比率を大きくする方向に強化する。また、このF/B制御は、目標値に達した時点で停止して、ドライバの操舵に対する通常のアシスト制御に移行する。更に、トルクセンサ22によってステアリングホイール4に加えられた操舵トルクを検知したときには、ドライバによる操舵介入とみなして即座にF/B制御を解除する。
次に、操舵制御装置50におけるEPS電流指示値の異常判定処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
この異常判定処理は、操舵制御装置50によるEPS装置1を介した自動操舵の運転中に発生する異常を判定するものである。操舵制御装置50は、先ず、最初のステップS1において、所定の設定時間毎にEPSモータ12の回転角センサ23の信号から舵角速度を算出し、この舵角速度の移動平均値を算出する。
次に、ステップS2へ進み、操舵制御装置50は、舵角速度の移動平均値が異常判定値を超えているか否かを調べる。舵角速度の移動平均値が異常判定値以下の場合、EPS電流指示値は正常であるとして本処理を抜け、舵角速度の移動平均値が異常判定値を超えた場合、EPS電流指示値は異常であると判定してステップS3へ進む。
ステップS3では、操舵制御装置50は、EPS電流指示値が異常であるとの判定結果を受けて、EPS電流指示値を遮断する。そして、ステップS4へ進み、ヨーレートセンサ25からの信号に基づくヨーレート変化率が所定の設定値を超えているか否かを調べる。
ステップS4において、ヨーレート変化率が設定値以下の場合、ステップS7へジャンプして通常のアシスト制御に移行する。このアシスト制御では、ドライバの操舵操作をアシストする補助トルクをEPSモータ12に発生させるアシスト電流値を生成し、このアシスト電流値でEPSモータ12を駆動する。
一方、ステップS4において、ヨーレート変化率が設定値を超えている場合には、ステップS5へ進み、操舵制御装置50は、EPS電流指示値とは逆向きのカウンタ電流値を生成し、このカウンタ電流値でEPSモータ12を駆動する。このときのカウンタ電流値は、舵角速度の移動平均値が異常判定値を超えたときの実ヨーレートに所定の定数αを加算した値を目標値として、実ヨーレートが目標値に一致するよう、カウンタ電流値が所定のF/Bゲインで制御される。
そして、ステップS6でカウンタ電流のヨーレートF/B制御を終了するか否かを判断する。ヨーレートF/B制御は、カウンタ電流値のF/B制御で実ヨーレートが目標値に達した場合、又は、トルクセンサ22によってステアリングホイール4に加えられたドライバの操舵トルクを検知した場合、制御終了と判断し、ステップS7で通常のアシスト制御に移行する。
このように本実施の形態においては、EPSモータ12へのEPS電流指示値の異常を、所定時間分の舵角速度の移動平均値が異常判定の異常判定値ラインを超えたか否かによって判定するため、EPS電流指示値が急激に変化して舵角速度が高い状態となるような危険領域を確実に検出することができ、不具合発生を未然に防止することができる。
しかも、EPS電流指示値が異常と判定されてEPSモータ12への電流が停止された時点での車両のヨーレートの変化率が設定値を超えている場合、EPSモータ12にEPS電流指示値とは逆向きのカウンタ電流を流して車両の回転方向の動きを抑制するので、舵角速度の増加による車両挙動の不安定化を防止することができる。
1 電動パワーステアリング装置
12 電動パワーステアリングモータ
20 モータ駆動部
21 舵角センサ
22 トルクセンサ
23 回転角センサ
24 車速センサ
25 ヨーレートセンサ
50 操舵制御装置
51 指示電流生成部
52 アシスト電流生成部
53 モータ電流生成部
54 舵角速度算出部
55 移動平均算出部
56 異常判定値設定部
57 異常判定部
58 制御遮断部
59 カウンタ電流生成部
150 外部環境認識装置

Claims (5)

  1. ドライバによる操舵入力と独立してアクチュエータを介して操舵角を制御可能な車両の操舵制御装置において、
    前記アクチュエータを駆動して操舵角を目標操舵角に制御するための指示値を生成する指示値生成部と、
    前記アクチュエータによる操舵角から求めた所定時間毎の舵角速度の移動平均値を算出する移動平均値算出部と、
    前記舵角速度の移動平均値と異常判定値とを比較し、前記指示値が異常か否かを判定する異常判定部と、
    前記指示値が異常と判定されたとき、前記指示生成部からの前記指示値を遮断する制御遮断部と
    を備えることを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記指示値が異常と判定され、且つ車両のヨーレートの変化率が設定値を超えている場合、前記アクチュエータを前記指示値と逆方向に制御する逆指示値を生成する逆指示値生成部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 前記逆指示値生成部は、前記指示値が異常と判定されたときの前記ヨーレートに基づく目標値に一致するよう前記逆指示値をフィードバック制御することを特徴とする請求項2に記載の車両の操舵制御装置。
  4. 前記逆指示値生成部は、前記実ヨーレートが前記目標値に達したとき又は前記ドライバによる操舵入力を検知したとき、前記逆指示値を停止することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の操舵制御装置。
  5. 前記アクチュエータは、電動パワーステアリング装置の電動モータであり、前記指示値は、前記電動モータの電流指示値であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の操舵制御装置。
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