JP3580434B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、局部洗浄機能を備えた衛生洗浄装置に係り、特に局部洗浄の開始初期での無用な機能ロックによる洗浄水供給の停止を避けるようにした構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
腰掛け式の水洗便器に付設して使用される局部洗浄用の衛生洗浄装置は、外部から供給した水を加熱して温水として洗浄ノズルから噴出させるというものがその基本的な構成である。そして、水の加熱手段としては、貯湯式の温水タンクや瞬間湯沸かし式の熱交換器等が用いられ、洗浄ノズルからの洗浄水が最適温度となるように、温水温度に関しての制御がきめ細かく行われる仕様としたものが一般的である。
【0003】
このような衛生洗浄装置において、近来では、一般家庭向けのものの他にたとえばホテル等ではユニットバスにも組み込まれるようになった。このユニットバス仕様のものとしては、たとえば本出願人が提案して特開平2−197633号公報に記載されたものがある。
【0004】
このホテル等でのユニットバス仕様のものでは、集中管理システムによる給湯が行われるため、貯湯式の温水タンクや熱交換器を備えるのに代えて、外部からの給水と給湯の配管に接続した湯水混合栓が利用されている。そして、先の公報に記載のように、この湯水混合栓としては給湯温度の変動等に対応して混合水の温度を常に設定した温度に安定させるサーモスタットミキシングバルブが活用されている。
【0005】
このサーモスタットミキシングバルブは、内蔵した弁体の軸線方向の移動を利用して湯と水の混合比を変える機構を備えると共に、混合水の温度が高くなるほど湯の量比を小さくする向きに弁体を動かす感温体を設けた構成を持つ。そして、予め感温体と弁体との関係を調整して、洗浄ノズル側への混合水の温度が適正値(たとえば37.5℃程度)となるようにすることで、常にこの温度での洗浄を可能としたものである。
【0006】
また、一般の洗浄ノズルでも行われているように、洗浄初期では洗浄ノズルまでの流路に残っていた洗浄水が冷えるので、洗浄開始から或る時間が経過して適正温度となるまで捨湯するシステムも組み込まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、衛生洗浄装置周りの環境温度が低いときに長い時間放置したままで使用しない場合、サーモスタットミキシングバルブの中の混合水は、新たな給湯がないので次第に温度低下していく。このため、感温体は弁体がその湯側の流路を開く向きに作動するようになり、最終的には湯側流路を全開にしてしまうことにもなる。
【0008】
この状態で洗浄を始めると、捨湯が先行して行われるものの、湯側が全開となっていることからたとえば混合水の温度検知系によって45〜55℃程度の温度が検知されることがある。
【0009】
一方、衛生洗浄装置では、洗浄水が異常高温になったとき等には、その吐出を停止させリセット動作(電源切入)が行われない限り洗浄操作を受付けを阻止するロックシステムが安全機能として採用される。
【0010】
このため、環境温度が低くて使用するインターバルが長いような場合では、先の理由によって頻繁にロックされることになる。したがって、実際に使用するときに、作動しないままとなって使い勝手に大きな影響を与えてしまう。
【0011】
本発明において解決すべき課題は、局部洗浄の初期の過程で洗浄水が好適上限温度を超えてもこれを定常温度までの過渡期での温度変動と見做す操作によって無用な機能ロックの頻発をなくすことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、局部洗浄用のノズルと、該ノズルに加熱した洗浄水を供給する洗浄水供給系と、前記洗浄水供給系からの洗浄水の供給を指示する操作手段と、前記操作手段が操作されて経過する経過時間を計時する第1のタイマー手段と、前記洗浄水供給系による洗浄水の温度を検出する洗浄水温度検出手段と、前記経過時間が所定の第1監視時間内において、前記洗浄水温度が所定の第1閾値温度を超えたときから計時を開始する第2のタイマ手段と、前記第2のタイマ手段が所定の第2監視時間に達した時点で前記洗浄水温度が所定の第1閾値温度以下であった時に前記第2のタイマ手段の計時をリセットするリセット手段と、前記第2のタイマ手段による計時時間が所定の第2監視時間に達した時点で前記洗浄水温度が所定の第1閾値温度以上であった時に前記洗浄水供給系から系外への吐水を停止させる吐水停止手段とからなることを特徴とする。
【0013】
また、このような構成において、前記経過時間が前記監視時間内において、前記継続時間内に前記第1閾値温度よりも高温側に設定された第2閾値温度が前記洗浄水温度検出手段によって検出されると、前記吐水停止手段によって前記ノズルからの洗浄水の吐水を停止させる系を備えることができる。
【0014】
更に、前記経過時間が前記監視時間を超えたときは、前記継続時間の前記所定値を異なる値に変更してなるものとすることもできる。
【0015】
また、洗浄水供給系は、ノズルから局部へ向けての洗浄吐水開始前において、便器本体もしくはノズルに向けて洗浄水を排出する系を備えたものとすることもできる。
【0016】
【作用】
洗浄水温度の変動によって設定温度よりも高いか低いかの状態が所定時間以上続くとき、温度が設定温度よりも高い場合には過熱気味となるので、これを避けるために吐水停止温度を閾値として洗浄水の供給が停止される。
【0017】
一方、洗浄の開始初期や設定温度の変更時等であって洗浄水温度が設定温度まで定常化していく過渡期でも、洗浄水温度の変動によって設定温度よりも高いか低いかの非定常な状態が続く。この場合、吐水停止温度による第1の閾値設定に対し、これよりも高い第2の閾値を設定すれば、過渡期での比較的安定性のない温度変動に対していちいちロックモードに陥る度合いが少なくなる。
【0018】
したがって、局部洗浄の過渡期では、洗浄水の温度変動があっても、これが次第に設定温度に定常化していくという可能性を見越した洗浄水の制御が可能となる。
【0019】
【実施例】
図1は本発明の衛生洗浄装置を水洗式便器に付設した例を示す図である。
【0020】
図において、便器本体50に固定した衛生洗浄装置のケーシング1には、便座1a及び便蓋1bを開閉自在に取り付け、ノズル装置の駆動や洗浄水の供給等の操作のための操作盤2を側部に備えている。
【0021】
図2はケーシング1の内部機構を示す概略図である。
【0022】
ケーシング1の内部には、外部からの給水管及び給湯管(図示せず)に接続されるサーモスタットミキシングバルブ3を備え、その下流には流路を2系統に分けてそれぞれ吐水用バルブユニット4及び捨湯用バルブユニット5を接続する。これらの吐水用及び捨湯用バルブユニット4,5は、いずれも流路を開閉する吐水用電磁弁4c及び捨湯用電磁弁5cや逆止弁等を組み込んだものである。
【0023】
ケーシング1の中央部にはノズルハウジング6を配置し、その基端部に連接したノズルモータ6aによって伸縮ノズル6bをノズルハウジング6から出没動作可能とする。そして、ノズルハウジング6には吐水用バルブユニット4から洗浄水供給管4aを介して後述するニードル弁により流量調整された洗浄水の供給管6cを接続する。この供給管6cはノズルハウジング6の先端部に連通し、洗浄前に伸縮ノズル6bの表面を洗い流す前洗浄を行なうと共に、伸縮ノズル6bがその洗浄位置に到達したときにはこれに連通して洗浄水を供給可能とする。
【0024】
また、捨湯用バルブユニット5には排出管5aを接続し、その流路端を伸縮ノズル6bに沿って位置する2本の捨湯管5bを便器本体50のボール部に向けて配置する。
【0025】
洗浄水の温度や伸縮ノズル6bの作動及び捨湯のタイミングや時間幅等はケーシング1内に配置したコントローラ7によって全て制御される。そして、このコントローラ7は便座1aに人が着座している間のみ機能部が作動し、人が便座1aから離れるとオフ操作しないでも機能部を停止させる着座スイッチ7aを備えたものである。この着座スイッチ7aは、たとえば便座1aに圧力検知型の着座センサやケーシング1の前面側から赤外線を投光する赤外線センサ等からの信号を受けてコントローラ7に信号を入力する。
【0026】
伸縮ノズル6bの作動及び停止は、操作盤2に設けた2種類の洗浄スイッチ2a,2b及び停止スイッチ2cによって行なう。これらのスイッチ2a〜2cによる操作をしたとき、コントローラ7によって伸縮ノズル6bの伸出や収納及び吐水用,捨湯用バルブユニット4,5の作動が制御される。
【0027】
また、操作盤2には伸縮ノズル6からの洗浄水の噴出力を変えるための回転式の水勢調節摘み2dを設ける。この水勢調節摘み2dはニードル弁11に連接され、その回転角度によって流路面積を変更することにより、伸縮ノズル6bからの洗浄水の水勢を調節することが可能である。
【0028】
更に、操作盤2には、作動状況を表示するためのLEDを利用した表示灯2fを設ける。この表示灯2fは、たとえば赤のLEDと緑のLEDを備え、機能部の表示又は作動状態を色分けしてそれぞれ表示可能としたものである。
【0029】
図3はサーモスタットミキシングバルブ3からの洗浄水の流れの系を示す概略図である。
【0030】
サーモスタットミキシングバルブ3から吐水用及び捨湯用バルブユニット4,5の間の流路には、通過する温水の温度を検知するための温度センサ8を組み込む。この温度センサ8は、たとえば温度によって抵抗値が変わるサーミスタを利用したもので、検知された温度に関しての信号をコントローラ7に入力する。そして、サーモスタットミキシングバルブ3から出た温水の温度を検知することによって、捨湯用バルブユニット5による捨湯過程がコントローラ7によって制御され、この捨湯が完了した時点で伸縮ノズル6bによる洗浄過程へと移行するように制御する。
【0031】
なお、ニードル弁11は、伸縮ノズル6bへの流路とは別に、吐水用バルブユニット4から供給管4aを介して流入する水量に対し伸縮ノズル6bに供給する水量がニードル弁11によって絞られたときにその一部を便器本体50のボール部に排出するための捨水管4bを接続する。
【0032】
ここで、伸縮ノズル6bによって洗浄するときには、まずサーモスタットミキシングバルブ3から供給される温水の温度を温度センサ8によって検知しながら捨湯用バルブユニット5によって捨湯を継続する。そして、温水温度が適正定常温度に達して安定した時点で、吐水用バルブユニット4から伸縮ノズル6bに洗浄水を供給する。以下、捨湯過程から洗浄過程までに行われる制御を順に説明する。
【0033】
図4は人が便座1aに座った後の捨湯過程の開始から終了までの間の捨湯用電磁弁5cの動作と温度センサ8による検知温度の推移等とを合わせて示す図である。
【0034】
人が便座1aに座ると着座スイッチ7aがオンしてコントローラ7に信号が入力され、これによって捨湯用バルブユニット5の捨湯用電磁弁5cが開くと同時に表示灯2fの緑のLEDが点滅し、捨湯中であることを使用者に知らせる。
【0035】
一方、捨湯の開始時刻では、たとえば環境温度が30℃程度以下であるとき、サーモスタットミキシングバルブ3に残っている温水も30℃以下に冷えている。したがって、サーモスタットミキシングバルブ3では、弁体が湯側を開く方向に感温体が移動させているので、図中の湯温は捨湯の開始時期から次第に上昇していき、その後洗浄に適切な定常温度へと変化していく。
【0036】
この例では、温度センサ8によって湯温が32.5℃が検出された後には、温度の読み込みを1秒周期で行ってモニタしていき、温度変動が2.1degの範囲内に連続する4秒の間で検出されたときに定常温度に達したと判断し、コントローラ7によって捨湯用バルブユニット5が閉じると同時に表示灯2fの点滅もなくなって、捨湯過程が終了する。
【0037】
この捨湯過程では、温度センサ8によって45℃以上の湯温が検知されても、湯温が洗浄に適切な温度となってこれが定常化されるまで捨湯が継続され、捨湯過程の中途で洗浄機能がロックされることはない。また、この捨湯の期間では、洗浄スイッチ2a,2bを押してもこれは受け付けられない制御とすることによって、吐水用バルブユニット4が開弁したり伸縮ノズル6bが伸出動作したりすることもない。
【0038】
図5は洗浄スイッチ2a(又は2b)をオンした後に、伸縮ノズル6bをクリーニングのために前洗浄するときの湯温と吐水用電磁弁4cの制御のパターンを示す図である。
【0039】
この各パターンでは、洗浄スイッチ2aをオンした後には吐水用バルブユニット4が流路を開き、供給管6cから伸縮ノズル6bの先端表面に洗浄水を浴びせて前洗浄する点は共通であるが、湯温の状況によって洗浄過程に進行するかロックモードとなるかに別れる。
【0040】
同図の(a)の例は洗浄過程にそのまま進める場合であり、これは洗浄スイッチ2aをオンして1秒後の湯温が45℃以下のときには、この時点で吐水用バルブユニット4が一旦閉弁し、その後ノズルモータ6aを作動させて伸縮ノズル6bをその洗浄位置まで移動させる。そして、伸縮ノズル6bが洗浄位置に設定されると、再び吐水用バルブユニット4が開弁し、伸縮ノズル6bによる局部洗浄が行われる。
【0041】
また、洗浄スイッチ2aをオンして1秒経過したときの湯温が45℃以上のときには、同図の(b)及び(c)の二つのパターンに別れた制御が行われる。
【0042】
同図の(b)は洗浄スイッチ2aのオンから1秒経過したときの湯温が45℃以上であって、湯温が45℃になってから5秒未満で45℃未満になったときのパターンである。このパターンでは、吐水用電磁弁4cは湯温が45℃未満になるまで開弁状態を保って前洗浄し、その後一旦閉弁する。そして、同図(a)のパターンと同様に、ノズルモータ6aが作動して伸縮ノズル6bを洗浄位置に移動させ、その後局部洗浄が行われる。
【0043】
更に、同図の(c)はロックモードに設定されるパターンであり、これは洗浄スイッチ2aのオンから1秒後の湯温が45℃以上であって、その後も45℃以上の湯温が45℃を超えた時点から5秒間継続して検出されると、ロックモードに移行して前洗浄を即刻終了させるというものである。そして、このロックモードでは、吐水用バルブユニット4が閉弁する。
【0044】
このように、局部に至らないノズル洗浄時においては、実際の吐水に好適な上限温度である吐水温度を越えても、その温度が一時変更温度(本実施例では人体に吐水されないため無限大を一時変更温度としている)を越えない限りは5秒間という比較的長い時間継続しないとロックモードに至らないようにすることで、吐水開始初期に故障等の異常でないのに過渡的な温度変動で無用なロックモードに陥ることが防止される。
【0045】
以上の図5の(a)及び(b)の湯温のパターンであれば、伸縮ノズル6bの洗浄位置への伸出の後に局部洗浄へと移行していく。そして、局部洗浄の過程は、湯温の条件によって図6〜図8に示す5つのパターンに別れる。
【0046】
局部洗浄過程では、伸縮ノズル6bがその洗浄位置に設定された後、湯温が最適洗浄温度の上限として設定できる45℃以上にならない限り、停止スイッチ2cを押すまで洗浄が継続される。図6の(a)のパターンはこれに相当するものであり、先の前洗浄の過程に続いて伸縮ノズル6bがその洗浄位置に到達した後に吐水用バルブユニット4開弁し、洗浄を終了したいときに停止スイッチ2cを押せば吐水用バルブユニット4は閉弁して洗浄水の供給が停止し、その後ノズルモータ6aの逆回転によって伸縮ノズル6bはその収納位置に戻る。
【0047】
また、局部洗浄のときの吐水用バルブユニット4が開弁後して5秒経過する間に湯温が45℃以上になったときには、図6の(b)及び図7の(a)のパターンをとる。
【0048】
図6の(b)は洗浄開始の期間で湯温が45℃になってもそのまま直ぐにロックモードに移行せず、45℃の閾値を55℃までに一時的に引き上げる。そして、湯温が45℃になった時刻から2秒経過する間に、新たに高温側に設定した55℃の閾値を湯温が超えてしまうと、吐水用バルブユニット4を閉弁してロックモードへ移行させる。これにより、洗浄水の供給は停止され、ノズルモータ6aの逆回転によって伸縮ノズル6bはその収納位置へ戻る。
【0049】
図7の(a)は局部洗浄過程での吐水用バルブユニット4の開弁時刻から5秒未満の時間域で、湯温が45℃以上となり2秒以内でその後温度降下して45℃以下まで戻り再び45℃以上になる湯温の変動に対するパターンである。
【0050】
このパターンでは、図6の(b)の例と同様に最初に湯温が45℃を超える時点でロックモードへの移行の閾値が2秒間55℃に変更される。このため、洗浄パターンは継続されるが、先の時間域の中で温度降下し再度45℃を超えることがあれば、最初に45℃を超えた時点から2秒経過した時に45℃を超えていれば、この時点でロックモードに移行し、吐水用バルブユニット4を閉弁する。
【0051】
図7の(b)は同図(a)の変容例であり、開弁時刻から5秒間の間に湯温が45℃を越える時点でロックモードへの閾値が同様に55℃に変更され、その後2秒以内に45℃よりも低下した後であって開弁時刻から5秒以内のときに再び45℃を越えたときも閾値は55℃に変更される。このような温度変動に対する閾値の55℃への変更は、開弁時刻後の5秒間では回数に制限なく繰り返し行われる点が図7の(a)のパターンと異なる。そして、湯温45℃以上が2秒経過した時点では、閾値を45℃に戻すことによって、ロックモードへ移行する。
【0052】
更に、図8は局部洗浄過程において、吐水用バルブユニット4の開弁時刻から5秒を経過した時点で始めて湯温が45℃を超えるときのロックモードへの移行のパターンである。
【0053】
このパターンにおいては、吐水用バルブユニット4が開弁してから5秒以降では、吐水初期の過渡期間を経過した定常状態とみなされるため、湯温が45℃を超えた時点で直ぐにロックモードに移行させ、吐水用バルブユニット4を閉弁して局部洗浄を終了させる。
【0054】
以上の各例で述べたように、局部洗浄過程においては、伸縮ノズル6bから洗浄水が噴射される初期の5秒未満の間では、通常の洗浄においてはロックモードに移行される45℃を湯温が超えても、閾値を一時的に高く設定してロックモードへの移行を見合わす。これは、洗浄の初期過程では洗浄水の温度変動があって定常状態への過渡期であることから、45℃を超えても結果的には最適温度に収束して定常状態に移行するという可能性を考慮した処置である。
【0055】
したがって、サーモスタットミキシングバルブ3では環境温度が低いときに初期の湯温が高くなることが避けられなくても、洗浄初期での閾値の一時的な上昇設定によって、頻繁にロックモードへ移行されることがない。このため、操作のし直し等の手間がないほか、故障と勘違いしたりする等の問題もなくなる。そして、洗浄開始から5秒間は通常の上限臨界温度を2秒間55℃に変更するが、5秒経過した後は、閾値は通常の上限臨界温度の45℃に固定されてしまうので、長く洗浄しているときに温度変動を生じて洗浄水が異常高温になった場合では、ロックモードに直ぐに移行されるので、高温の洗浄水を浴びてしまうことはない。
【0056】
図9は以上の洗浄水温度のパターンの制御を実行するためのフローである。
【0057】
このフローでは、図6〜図8で示したように、洗浄開始から5秒経過した後の時間域で湯温が45℃を超えるときにロックモードに移行され、また洗浄開始から5秒未満の期間ではロックモードへの移行の閾値が45℃から55℃に変更される制御が実行される。すなわち、このフローのパターンでは、洗浄開始後に洗浄水温度がその設定値まで定常化していく過渡期における無用なロックを避ける洗浄水の供給が可能である。
【0058】
図10は給水,給湯圧の変動等による異常時の温度変動に対処するため、洗浄水吐水の全時間帯において、検知温度が洗浄の最適上限温度である45℃を瞬間的に超えたときでも、この時点から最大で1.3秒の期間では、閾値としての一時変更温度を無限大とし、ロックモードへの移行を避けるフローである。なお、このフローは制御の簡略化のために一時変更温度以上か否かを判断するフローが省略されているが、それは閾値温度変更時間が極めて微小時間でありこの時間であれば急激な温度変更は考えられないため、一時変更温度としては見かけ上無限大とした例である。
【0059】
すなわち、図11の(a)に示すように、洗浄の期間中に給水や給湯圧の変動等によって37.5℃程度に維持されていた湯温が急激に上昇して45℃以上となっても、上昇開始から1.3秒後には45℃以下に復帰していれば、ロックモードへの移行はなく、洗浄が継続される。そして、同図の(b)に示すように、温度上昇の開始時期から1.3秒後において45℃を超えていれば、ロックモードへと移行する。換言すれば、図9の過渡期におけるロックモードに対する制御に対して、過渡期を過ぎた定常温度域における洗浄水温度の変動に対処するための制御がこのフローによって実行される。
【0060】
このように、洗浄途中の段階で、瞬間的な温度変動を生じても、1.3秒という時間幅を基準としてこの変動が継続的なものか一時的なものかを判別し、前者であれば異常高温の吐出の可能性があることから吐水を停止し、後者であれば洗浄に支障のない程度の温度変動として捉えて洗浄を継続する。すなわち、1.3秒という短い期間であれば、どんなに急激な温度変化が生じても人体に火傷等の悪影響を及ぼすことはない。したがって、給水,給湯圧の変動が避けられない設備であっても、無用なロックによる吐水停止をなくすことができ、使い勝手の向上が図られる。
【0061】
更に、図12は、図9及び図10のフローを合成したものであり、過渡期及びこれを経過した後に定常温度域での温度変動に総合的に対処可能としたものである。
【0062】
このフローでは、洗浄の開始後の5秒間では、図10のフローに比べて最適洗浄温度45℃を超えたときに55℃の一時変更温度を設け、その代わりに変更する時間幅を2秒に拡大させている。そして、洗浄過程では、一般に、洗浄開始直後の温度変動が大きい傾向にあるが、このフローを適用することによってその洗浄開始初期での無用なロックモードの防止の制御が行われる。
【0063】
なお、実施例では、高温検知時の局部への洗浄水の停止として、吐水用電磁弁4cを閉じて伸縮ノズル6bからの吐水停止する構成であるが、これに代えて、伸縮ノズル6bへの流路以外の部分を開放したり流量調整用の弁を絞って伸縮ノズル6bから吐出される洗浄水の水勢を弱めることによって、局部に洗浄水が届かないようにすることも可能である。
【0064】
また、衛生洗浄装置の洗浄水の加熱供給としては、従来例及び本発明の実施例で示したサーモスタットミキシングバルブ以外に、給水を加熱してそのまま洗浄ノズルに送り込む瞬間湯沸かし式の熱交換器や、加熱して湯を溜めておく貯湯式の温水タンク等がある。このような熱交換器や温水タンクにおいても、洗浄初期において湯温が一時的に高くなって定常状態に移行していく加熱パターンとなる場合がある。したがって、サーモスタットミキシングバルブに限らず、各種の加熱方式の衛生洗浄装置においても、本発明は同様の作用効果を達成し得る。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、たとえば洗浄の開始初期で発生しやすい洗浄水温度の大きな変動に対して、吐水停止温度が所定時間継続して検出されたときに洗浄水の吐出を停止するようにするので、過渡期での比較的安定性のない温度変動に対してロックモードに陥る度合いが少なくなる。このため、たとえばサーモスタットミキシングバルブを洗浄水の給水系に備えるものであっても、環境温度が低いときに頻発していた機能ロックを避けることができ、無用な機能の停止による使用者側の混乱を防ぐことができる。
【0066】
また、第1の閾値温度である吐水停止温度よりも高い第2の閾値温度を設定すれば、温度だけでなく時間的制御要素が付加されることになり、単なる温水温度の飛び上がり現象と異常の防止とを見極めることができ、より一層最適な温度制御が可能となり、快適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衛生洗浄装置を備えた便器設備を示す図である。
【図2】衛生洗浄装置のケーシングの内部構造を示す概略平面図である。
【図3】サーモスタットミキシングバルブからの捨湯及び洗浄ノズルへの給水系統を示す概略図である。
【図4】便座への人の着座後に行われる捨湯に関しての湯温とその他の機能の関係を示す図である。
【図5】捨湯に引き続いて行われる伸縮ノズルのクリーニング時での湯温とその他の機能の関係を示す図である。
【図6】局部洗浄過程における湯温とその他の機能の関係を示す図である。
【図7】図6の例とは異なる湯温とその他の機能の関係を示す図である。
【図8】開弁から5秒後を経過した時点で始めて湯温が45℃を越えるときのロックモードへの移行を示す図である。
【図9】本発明における制御のフローの基本的な例を示す図である。
【図10】最適上限温度45℃を超えても1.3秒間経過するまでの状況を見てロック又は洗浄継続を実行する例のフローである。
【図11】図10のフローにおける温度変化とロック又は洗浄継続を説明するための図である。
【図12】図11のフローに閾値温度を無視してロックモードに移行するステップを合成したフローである。
【符号の説明】
1 ケーシング 6 ノズルハウジング
1a 便座 6a ノズルモータ
2 操作盤 6b 伸縮ノズル
2a 洗浄スイッチ 6c 供給管
2b 洗浄スイッチ 7 コントローラ
2c 停止スイッチ 7a 着座スイッチ
2f 表示灯 8 温度センサ
3 サーモスタットミキシングバルブ 11 ニードル弁
4 吐水用バルブユニット
5 捨湯用バルブユニット

Claims (4)

  1. 局部洗浄用のノズルと、該ノズルに加熱した洗浄水を供給する洗浄水供給系と、前記洗浄水供給系からの洗浄水の供給を指示する操作手段と、前記操作手段が操作されて経過する経過時間を計時する第1のタイマー手段と、前記洗浄水供給系による洗浄水の温度を検出する洗浄水温度検出手段と、前記経過時間が所定の第1監視時間内において、前記洗浄水温度が所定の第1閾値温度を超えたときから計時を開始する第2のタイマ手段と、前記第2のタイマ手段が所定の第2監視時間に達した時点で前記洗浄水温度が所定の第1閾値温度以下であった時に前記第2のタイマ手段の計時をリセットするリセット手段と、前記第2のタイマ手段による計時時間が所定の第2監視時間に達した時点で前記洗浄水温度が所定の第1閾値温度以上であった時に前記洗浄水供給系から系外への吐水を停止させる吐水停止手段とからなる衛生洗浄装置。
  2. 前記経過時間が前記監視時間内において、前記継続時間内に前記第1閾値温度よりも高温側に設定された第2閾値温度が前記洗浄水温度検出手段によって検出されると、前記吐水停止手段によって前記ノズルからの洗浄水の吐水を停止させる系としてなる請求項1記載の衛生洗浄装置。
  3. 前記経過時間が前記監視時間を超えたときは、前記継続時間の前記所定値を異なる値に変更してなる請求項1記載の衛生洗浄装置。
  4. 前記洗浄水供給系は、前記ノズルから局部へ向けての洗浄吐水開始前において、便器本体もしくは前記ノズルに向けて洗浄水を排出する系を備えてなる請求項1から3のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
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