JP3580289B2 - 心電信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、浴槽内に設置された電極によって検知された入浴者の心電信号に基づいて、入浴者の心拍数を算出する心拍数算出処理等の所定の信号処理を行う心電信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、浴槽に浸かっている入浴者の心拍数等の心電情報を入浴者等に報知する心電情報報知システムが従来から提案されている。この種の心電情報報知システムは、浴槽に浸かっている入浴者の心電信号を検知するために浴槽内に設置される心拍検出電極と、この心拍検出電極によって検出された入浴者の心電信号に基づいて、入浴者の心拍数を算出する心拍数算出処理等の所定の信号処理を行う心電信号処理装置と、この心電信号処理装置によって算出された心拍数等を表示する表示装置とを備えており、入浴者が浴槽に浸かると、心拍数等の入浴者自身の心電情報が表示装置に連続的に表示されるようになっている。従って、入浴者は、表示装置に表示される心電情報に基づいて、心臓の状態変化を的確に把握することができ、心臓の負担が大きくなる前に浴槽から出ることができる。
【0003】
ところで、心拍検出電極によって検出された心電信号から心拍数を算出するには、図10に示すように、心電波形において周期的に現れるQ波WQ、R波WR、S波WS等の特徴的な波形を検出し、通常、最も大きく現れるR波WRの検出時点同士の時間間隔を心拍周期として、心拍数を算出することになるが、浴槽に設置された電極に対する入浴者の向きによって、図11(a)、(b)に示すように、R波WRが基線レベルに対して正側に現れたり、負側に現れたりするので、従来の心電情報報知システムでは、こういった心電波形の特徴的な波形であるR波WRを検出するために、心電信号処理装置が以下のような処理を行っている。なお、R波WRが基線レベルに対して正側に出現する場合は、Q波WQ及びS波WSが基線レベルに対して負側に現れ、R波WRが基線レベルに対して負側に現れる場合は、Q波WQ及びS波WSが基線レベルに対して正側に現れるようになっている。
【0004】
まず、心電信号処理装置は、現時点の所定時間(例えば、2秒)前から現時点までの心電信号に基づいて、その間における心電信号の平均値と、最大値及び最小値の平均値(以下、中間値という)とを求め、図11(a)に示すように、中間値が平均値以上の場合は、R波が基線レベルに対して正側に現れていると判断し、同図(b)に示すように、中間値が平均値を下回っている場合は、R波が基線レベルに対して負側に現れていると判断する。
【0005】
そして、図12(a)、(b)に示すように、R波が基線レベルに対して正側に現れている場合は、平均値と最大値との間に閾値を設定し、また、R波が基線レベルに対して負側に現れている場合は、平均値と最小値との間に閾値を設定し、現時点から所定時間(例えば、2秒)が経過するまでの間は、心電信号が、設定された閾値を上回った時点同士の時間間隔ΔTまたは閾値を下回った時点同士の時間間隔ΔTを心拍周期として、心拍数の算出処理等を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の心電情報報知システムでは、電極に対する入浴者の向きに拘わらず、R波WRを確実に検出することができるように、基線レベルに対するR波WRの出現方向を判定した後、そのR波WRの出現方向に応じて閾値をそれぞれ設定しているので、心電信号処理装置が行う処理が複雑になるという問題がある。
【0007】
また、入浴者によっては、S波WSがR波WRと同程度に大きく現れる場合があり、そのような場合は、上述したように、心電信号の平均値と中間値とを比較することによってR波の出現方向を判定する手法では、基線レベルに対するR波WRの出現方向を適正に判定することができなくなる。心拍周期を求める際は、必ずしも、R波WRを検出する必要はなく、大きく現れているS波WSを検出しても適正な心拍周期を求めることはできるが、R波WRとS波WSの大きさが同程度である場合は、ある時間帯ではR波WRに基づいて心拍周期が決定され、他の時間帯ではS波WSに基づいて心拍周期が決定されるおそれがあるので、入浴者の心拍数を正確に求めることができなくなるという問題もある。
【0008】
そこで、この発明の課題は、電極に対する入浴者の向きを判定することなく、心拍数の算出処理等の所定の信号処理を簡単かつ精度よく行うことができる心電信号処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、浴槽に設置された電極によって検出された入浴者の心電信号に基づいて、所定の信号処理を行う心電信号処理装置において、現時点の所定時間前から現時点までの前記心電信号に基づいて、その間における前記心電信号の平均値、最大値及び最小値を求め、
前記平均値と前記最大値の中間値を正側閾値に、前記平均値と前記最小値の中間値を負側閾値に設定し、現時点から前記所定時間が経過するまでの間は、前記心電信号が前記正側閾値を上回った後、前記負側閾値を最初に下回った時点同士の時間間隔または前記心電信号が前記負側閾値を下回った後、前記正側閾値を最初に上回った時点同士の時間間隔を、心拍周期として検出するようにしたことを特徴とする心電信号処理装置を提供するものである。
【0010】
以上のように、この心電信号処理装置では、予め、正側閾値と負側閾値とを設定し、心電信号が正側閾値を上回った後、負側閾値を最初に下回った時点同士の時間間隔または心電信号が負側閾値を下回った後、正側閾値を最初に上回った時点同士の時間間隔を、心拍周期として検出するようにしているので、電極に対する入浴者の向きに拘わらず、常に、R波またはS波のいずれか一方に基づいて心拍周期を確実に求めることができる。
【0011】
従って、従来の心電信号処理装置のように、基線レベルに対するR波の出現方向を求め、求めたR波の出現方向に応じた閾値を設定するといった複雑な処理を実行する必要がなく、基線レベルに対するR波の出現方向に拘わらず、常に、定められた所定の処理を一律に実行すればよいので、心電信号処理装置における処理が単純化され、心拍数の算出処理等の所定の処理を効率よく行うことができる。
【0012】
また、この心電信号処理装置では、上述したように、基線レベルに対するR波の出現方向に拘わらず、基線レベルに対して正側または負側に出現している一方の波形のみを検出するようになっているので、心電信号の平均値と中間値とを比較することによってR波の出現方向を判定している従来の心電信号処理装置のように、R波とは逆方向に出現するS波の大きさに影響を受けることがなく、従来の心電信号処理装置に比べて心拍周期を精度よく求めることができる。
【0013】
特に、請求項2にかかる発明の心電信号処理装置のように、前記電極によって検出された入浴者の心電信号に対して、心電波形の特徴的な波形であるQ波、R波及びS波からなるQRS波群に類似する形状を有する相似波形を用いて相互相関演算を行うパターンマッチドフィルタ処理を施すことによって生成された心電信号に基づいて、前記心拍周期を検出するようにしておくと、通常、R波より小さい波形であるS波が強調されるので、S波に基づいて心拍周期を検出する場合における検出精度が向上すると共に、S波の後にR波と同方向に出現するT波が異常に高いような場合でも、T波は強調されることがないので、T波をR波として誤検出することがなく、R波に基づいて心拍周期を検出する場合における検出精度が向上するという効果が得られる。なお、ここにいう相似波形には、三角波や矩形波等の種々の形状の波形を基本波形とするものが含まれる。
【0014】
また、上述したような相似波形を用いてパターンマッチドフィルタ処理を行うと、結果的に、心電信号に発生した基線動揺が除去され、生成された心電信号の平均値が基線レベルに一致することになるので、平均値を算出する必要がなくなるという効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の心電信号処理装置を使用した心電情報報知システムを示している。同図に示すように、この心電情報報知システム1は、浴室R内に設置された浴槽Bに対する自動注湯機能や追焚機能の他、シャワーやカラン等への給湯機能を備えた風呂追焚機能付給湯器(以下、風呂給湯器という)10と、この風呂給湯器10を操作するための操作手段として、浴室R及び台所に設置される浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bと、浴槽Bに浸かっている入浴者の心電信号を検出するために浴槽B内に設置される心拍検出電極31、32、33と、これらの心拍検出電極31、32、33がそれぞれ接続され、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号に基づいて、1分間当りの心拍数を算出する心拍数演算ユニット40とを備えており、心拍数演算ユニット40が本発明にかかる心電信号処理装置に相当する。
【0016】
前記風呂給湯器10、前記浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bには、通信手段であるシリアルインターフェースを介して相互に通信可能なコントローラ11、21a、21bがそれぞれ搭載されており、これらのコントローラ11、21a、21bが相互に連携をとりながら、風呂給湯器10の運転動作を統括的に制御している。
【0017】
また、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bは、風呂設定温度、給湯設定温度等の給湯器関連情報や入浴者の心拍数等の心電情報等を表示する表示部22a、22bをそれぞれ備えており、これらの表示部22a、22bには、給湯器関連情報または心電情報のいずれを表示させるのかを切り替える(選択する)ための報知モード切替(選択)用のメニュースイッチ(図示せず)が表示されるようになっている。
【0018】
一対の心拍検出電極31、32は、図2に示すように、浴槽Bに浸かった入浴者の心臓を挟むように、浴槽Bにおける一端側の左右両側壁W1、W2に、残りの心拍検出電極(中性点)33は、浴槽Bに浸かった入浴者の足元側(他端側)における浴槽Bの側壁W3にそれぞれ設置されており、各心拍検出電極31、32、33は、浴槽Bに貯留された湯水を介して心電信号が検出されるように、所定の高さ位置に設置されている。
【0019】
前記心拍数演算ユニット40は、通信手段であるシリアルインターフェースを介して、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bに通信可能に接続されており、この心拍数演算ユニット40によって算出された、1分間当りの心拍数が、所定の時間間隔(例えば、2秒間隔)で浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信されるようになっている。
【0020】
この心拍数演算ユニット40は、図4に示すように、心拍検出電極31、32、33がそれぞれ接続され、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号から周波数の高いインパルスノイズを除去する第1フィルタ回路41と、この第1フィルタ回路41によってノイズが除去された心電信号を増幅する差動増幅回路42と、この差動増幅回路42によって増幅された心電信号から電源周波数以上のノイズを除去する第2フィルタ回路43と、この第2フィルタ回路43によってノイズが除去された心電信号を再度増幅する増幅回路44と、この増幅回路44によって増幅された心電信号が入力されるマイクロコンピュータ45とを備えており、このマイクロコンピュータ45が、入力された心電信号に基づいて1分間当りの心拍数を算出し、この心拍数をシリアルインターフェース(I/F)46を介して浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信するようになっている。
【0021】
以下、入力された心電信号に基づいて入浴者の心拍数を算出するためにマイクロコンピュータ45が行う心拍周期の検出処理について説明する。まず、マイクロコンピュータ45に入力されたアナログ信号である心電信号は、A/D変換部においてデジタル信号に変換される。なお、マイクロコンピュータ45には、インパルスノイズや電源周波数以上のノイズは除去されているが、入浴者の動きや湯面の揺らぎ等によって発生した基線動揺は残った状態の心電信号が入力されるようになっている。
【0022】
このようにデジタル信号に変換された心電信号から得られる入浴者の心電波形は、図3(a)に示すように、入浴者Hが中性点電極33側に足を向けて浴槽Bに浸かった場合は、図5(a)に示すように、R波WRが基線レベルの正側に、Q波WQ及びS波WSが基線レベルの負側に出現することになり、図3(b)に示すように、入浴者Hが中性点電極33側に背を向けて浴槽Bに浸かった場合は、図5(b)に示すように、R波WRが基線レベルの負側に、Q波WQ及びS波WSが基線レベルの正側に出現することになる。なお、入浴者Hが中性点電極33側に背を向けて浴槽Bに浸かった場合は、入浴者Hの心臓から心拍検出電極31、32までの距離が大きくなるので、心電信号のレベルが全体的に小さくなっている。
【0023】
続いて、デジタル信号に変換された心電信号に対して、Q波WQ、R波WR及びS波WSからなるQRS波群に類似する形状を有する相似波形を用いて相互相関演算を行うことで、パターンマッチドフィルタ処理を施す。通常、心電波形におけるR波WRの幅は概ね40ms、Q波WQ及びS波WSの幅は概ね20msであるので、ここでは、図6に示すように、高さが+1で幅が40msの矩形波W1と、この矩形波W1の両側に位置する、高さが−1で幅が20msの2つの矩形波W2、W3とからなる相似波形WLを使用する。
【0024】
このような相似波形WLを用いて、パターンマッチドフィルタ処理が施された心電信号から得られる心電波形は、図7(a)、(b)に示すように、基線が0に一致した状態で、Q波WQ、R波WR及びS波WSだけがそれぞれ強調された状態になっており、このようにQRS波群が強調された心電信号に基づいて、2秒毎に入浴者の心拍周期が検出される。
【0025】
まず、心拍周期の検出開始直前の2秒間の心電信号について、その最大値及び最小値を求めた後、図8及び図9に示すように、過去2秒間の最大値と基線レベル(0)の中間値(例えば、最大値の1/2)に正側閾値を、過去2秒間の最小値と基線レベル(0)の中間値(例えば、最小値の1/2)に負側閾値をそれぞれ設定する。
【0026】
そして、心拍周期の検出開始以降の2秒間において、心電信号が正側閾値を上回った後、負側閾値を最初に下回った時点同士の時間間隔、即ち、R波が基線レベルの正側に現れている場合は、図8に示すように、S波が負側閾値を下回った時点同士の時間間隔ΔT1、R波が基線レベルの負側に現れている場合は、図9に示すように、R波が負側閾値を下回った時点同士の時間間隔ΔT1を検出するか、または、心電信号が負側閾値を下回った後、正側閾値を最初に上回った時点同士の時間間隔、即ち、R波が基線レベルの正側に現れている場合は、図8に示すように、R波が正側閾値を上回った時点同士の時間間隔ΔT2、R波が基線レベルの負側に現れている場合は、図9に示すように、S波が正側閾値を上回った時点同士の時間間隔ΔT2を検出し、この時間間隔ΔT1またはΔT2を心拍周期として、1分間当りの心拍数を算出する。
【0027】
以上のように構成された心電情報報知システム1では、浴室用操作リモコン20aまたは台所用操作リモコン20bの運転スイッチをONすると、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bの表示部22a、22bに、風呂設定温度や給湯設定温度等の給湯器関連情報が自動的に表示されるが、浴槽Bに浸かった入浴者または入浴者以外の家族の人が、浴室用操作リモコン20aまたは台所用操作リモコン20bを操作することによって、報知モード切替(選択)用のメニュースイッチを表示させ、このメニュースイッチによって心電情報の報知モードに切り替えると、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bの表示部22a、22bに、2秒毎に更新される入浴者の心拍数が表示される。
【0028】
以上のように、この心電情報報知システム1に使用されている心拍数演算ユニット(心電信号処理装置)40では、心拍周期の検出開始直前の2秒間の心電信号に基づいて正側閾値と負側閾値とを設定し、心拍周期の検出開始直後の2秒間の心電信号が正側閾値を上回った後、負側閾値を最初に下回った時点同士の時間間隔ΔT1または心電信号が負側閾値を下回った後、正側閾値を最初に上回った時点同士の時間間隔ΔT2を、心拍周期として検出するようにしているので、心拍検出電極31、32に対する入浴者Hの向きに拘わらず、常に、R波またはS波のいずれか一方に基づいて心拍周期を確実に検出することができる。
【0029】
従って、従来の心電信号処理装置のように、基線レベルに対するR波の出現方向を求め、求めたR波の出現方向に応じた閾値を設定するといった複雑な処理を実行する必要がなく、基線レベルに対するR波の出現方向に拘わらず、常に、上述したような所定の処理を一律に実行すればよいので、心拍数演算ユニット40における処理が単純化され、心拍数の算出処理等の所定の処理を効率よく行うことができる。
【0030】
また、この心拍数演算ユニット40では、上述したように、基線レベルに対するR波の出現方向に拘わらず、基線レベルに対して正側または負側に出現しているR波WRまたはS波WSのいずれか一方の波形のみを検出するようになっているので、心電信号の平均値と中間値とを比較することによってR波の出現方向を判定しているが故に、R波とは逆方向に出現するS波の大きさが判定結果に影響を与える従来の心電信号処理装置のように、S波がR波と同程度に大きく現れた場合、ある時間帯ではR波に基づいて心拍周期が検出され、他の時間帯ではS波に基づいて心拍周期が検出されるといった不具合が発生することがなく、従来の心電信号処理装置に比べて心拍周期を精度よく求めることができる。
【0031】
また、この心拍数演算ユニット40では、上述したように、心拍検出電極31、32、33によって検出された入浴者Hの心電信号に対して、心電波形の特徴的な波形であるQRS波群に類似する形状を有する相似波形WLを用いて相互相関演算を行うパターンマッチドフィルタ処理を施すようにしているので、通常、R波WRに比べて小さい波形であるS波WSが強調され、S波WSに基づいて心拍周期を検出する場合の検出精度が向上すると共に、S波WSの後にR波WRと同方向に出現するT波が異常に高いような入浴者の場合であっても、T波は強調されることがないので、T波をR波WRとして誤検出することがなく、R波WRに基づいて心拍周期を検出する場合の検出精度も向上する。
【0032】
また、上述したような相似波形WLを用いてパターンマッチドフィルタ処理を行うと、結果的に、心電信号に発生した基線動揺が除去され、新たに生成された心電信号は、その平均値が基線レベルに一致することになるので、正側閾値及び負側閾値を設定する際、心電信号の平均値を算出する必要がなくなるという効果が得られる。
【0033】
なお、上述した実施形態では、心拍周期の検出開始直前の2秒間の心電信号の最大値及び最小値を求め、この最大値の1/2及び最小値の1/2をそれぞれ正側閾値及び負側閾値に設定するようにしているが、これに限定されるものではなく、過去2秒間の最大値と基線レベルの中間値に正側閾値を、過去2秒間の最小値と基線レベルの中間値に負側閾値をそれぞれ設定すればよい。
【0034】
また、上述した実施形態では、パターンマッチドフィルタ処理を行う際に使用する相似波形WLとして矩形波を採用しているが、これに限定されるものではなく、三角波等の種々の波形を使用することも可能である。
【0035】
また、上述した実施形態では、パターンマッチドフィルタ処理を施すことによってQRS波群を強調した心電信号に基づいて、心拍周期を検出するようにしているが、これに限定されるものではなく、マイクロコンピュータ45に入力され、デジタル信号に変換された直後の心電信号に基づいて、心拍周期を検出することも可能である。ただし、その場合は、基線レベルが心電信号の平均値に一致するとは限らないので、過去2秒間の最大値と平均値の中間値に正側閾値を、過去2秒間の最小値と平均値の中間値に負側閾値をそれぞれ設定すればよい。
【0036】
また、上述した実施形態では、過去2秒間の心電信号に基づいて正側閾値及び負側閾値を設定するようにしているが、これに限定されるものではなく、正側閾値及び負側閾値を設定するための心電信号の採用時間は、基線揺動やその後に行われる心拍数の算出処理等を総合的に勘案して適宜設定すればよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、本発明にかかる心電信号処理装置を使用した心電情報報知システム1について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の心電信号処理装置は、浴槽内に設置された電極によって検知された入浴者の心電信号に基づいて、種々の信号処理を行う場合に適用することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる心電信号処理装置の一実施形態である心拍数演算ユニットが使用されている心電情報報知システムを示す概略構成図である。
【図2】同上の心電情報報知システムを構成している心拍検出電極の設置状態を示す浴槽の平面図である。
【図3】(a)、(b)は浴槽に浸かっている入浴者と心拍検出電極との位置関係を示す図である。
【図4】同上の心拍数演算ユニットを示すブロック図である。
【図5】(a)は図3(a)に示す状態で浴槽に浸かっている入浴者の心電信号から得られる心電波形を示す波形図、(b)は図3(b)に示す状態で浴槽に浸かっている入浴者の心電信号から得られる心電波形を示す波形図である。
【図6】パターンマッチドフィルタ処理を行う際に使用する相似波形を示す波形図である。
【図7】(a)は図5(a)に示す心電信号に対してパターンマッチドフィルタ処理を施した心電信号を示す波形図、(b)は図5(b)に示す心電信号に対してパターンマッチドフィルタ処理を施した心電信号を示す波形図である。
【図8】同上の心拍数演算ユニットが図7(a)に示す心電信号に基づいて心拍周期を検出する場合の処理を説明するための説明図である。
【図9】同上の心拍数演算ユニットが図7(b)に示す心電信号に基づいて心拍周期を検出する場合の処理を説明するための説明図である。
【図10】一般的な心電波形を示す波形図である。
【図11】(a)、(b)は従来の心電信号処理装置が行っているR波の出現方向の判定処理を説明するための説明図である。
【図12】(a)、(b)は従来の心電信号処理装置が行っている心拍周期の検出処理を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 心電情報報知システム
10 風呂追焚機能付給湯器
20a 浴室用操作リモコン
20b 台所用操作リモコン
31、32、33 心拍検出電極(電極)
40 心拍数演算ユニット(心電信号処理装置)
45 マイクロコンピュータ
B 浴槽
R 浴室
WQ Q波
WR R波
WS S波
WL 相似波形

Claims (2)

  1. 浴槽に設置された電極によって検出された入浴者の心電信号に基づいて、所定の信号処理を行う心電信号処理装置において、
    現時点の所定時間前から現時点までの前記心電信号に基づいて、その間における前記心電信号の平均値、最大値及び最小値を求め、
    前記平均値と前記最大値の中間値を正側閾値に、前記平均値と前記最小値の中間値を負側閾値に設定し、
    現時点から前記所定時間が経過するまでの間は、前記心電信号が前記正側閾値を上回った後、前記負側閾値を最初に下回った時点同士の時間間隔または前記心電信号が前記負側閾値を下回った後、前記正側閾値を最初に上回った時点同士の時間間隔を、心拍周期として検出するようにしたことを特徴とする心電信号処理装置。
  2. 前記電極によって検出された入浴者の心電信号に対して、心電波形の特徴的な波形であるQ波、R波及びS波からなるQRS波群に類似する形状を有する相似波形を用いて相互相関演算を行うパターンマッチドフィルタ処理を施すことによって生成された心電信号に基づいて、前記心拍周期を検出するようにした請求項1に記載の心電信号処理装置。
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