JP3906703B2 - 心電情報報知システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、浴槽に浸かっている入浴者の心電情報を入浴者等に報知するための心電情報報知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平5−95921号公報に開示されているように、浴槽に浸かっている入浴者の心拍数等の心電情報を入浴者等に報知する心電情報報知システムが従来から提案されている。
【0003】
この心電情報報知システムは、図4に示すように、浴槽Bに浸かっている入浴者の心電信号を検知するために浴槽B内に設置される電極51と、この電極51によって検出された入浴者の心電信号に基づいて、心拍数等の心電情報を作成するCPU等からなる心電情報作成部やこの心電情報作成部によって作成された心電情報を表示する表示部等を備えた、浴室内に設置される本体部52とから構成されており、心拍数等の入浴者自身の心電情報が本体部52の表示部に連続的に表示されるようになっている。従って、入浴者は、本体部52に表示される心電情報に基づいて、自己の心臓の状態変化を把握することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような心電情報報知システム50では、浴槽Bに湯水が貯留されていない場合や、浴槽Bに湯水が貯留されていても、電極51が湯水に水没していないような場合は、電極51間のインピーダンスが無限大になるので、電磁波等の電気的ノイズが電極51や電極51に接続されている信号線に重畳され易くなる。従って、上述したような場合は、入浴者が浴槽Bに浸かっていないにも拘わらず、心電信号として誤検出されたノイズに基づいて心拍数が演算され、表示部に不適正な心拍数等の心電情報が表示されることになるので、使用者に不信感を与えるといった問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、心電信号として誤検出されたノイズ等に基づいて作製された不適正な心電情報の報知を防止することができる心電情報報知システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、浴槽に浸かっている入浴者の心電信号を検出する、浴槽内に設置された電極と、この電極によって検出された心電信号を差動増幅する差動増幅手段及び前記差動増幅手段によって差動増幅された心電信号に基づいて所定の心電情報を作成する心電情報作成機能を有する制御手段を備えた心電信号処理装置と、この心電信号処理装置によって作成された入浴者の前記心電情報を報知する報知装置とを備えた心電情報報知システムにおいて、所定の周波数の擬似ノイズ信号を、前記差動増幅手段の入力ラインに強制的に出力し、前記制御手段が、所定の信号レベルを上回る前記擬似ノイズ信号を検出することができた場合は、前記報知装置による心電情報の報知を強制的に停止するようにしたのである。
【0007】
以上のように構成された心電情報報知システムでは、差動増幅手段の入力ラインに強制的に出力された所定の周波数の擬似ノイズ信号が、電極間の電位差として検出され、制御手段に入力されることになるが、浴槽に湯水が貯留されていない状態や浴槽に湯水が貯留されていても、電極が湯水に水没していない状態では、電極間のインピーダンスが無限大になるので、擬似ノイズ信号によって生じる電極間の電位差が極端に大きくなって、信号レベルの高い擬似ノイズ信号が制御手段に入力されることになる。逆に、電極が湯水に水没した状態では、電極間のインピーダンスが小さくなるので、擬似ノイズ信号によって生じる電極間の電位差が極端に小さくなって、信号レベルの小さな擬似ノイズ信号として制御手段に入力されることになる。
【0008】
従って、この心電情報報知システムのように、制御手段が、所定の信号レベルを上回る擬似ノイズ信号を検出することができた場合は、電極が浴槽内の湯水に水没していない状態であると判断することができるので、このような場合は、報知装置による心電情報の報知を強制的に停止することによって、電極が浴槽内の湯水に水没していないために、ノイズ等の影響を受け、心電信号として誤検出されたノイズ等に基づいて作製された不適正な心電情報が報知されることを確実に防止することができる。なお、心電信号処理装置が、特定の周波数のノイズ等を除去するノイズ除去フィルタを備えている場合、差動増幅手段の入力ラインに出力される擬似ノイズ信号は、そういったノイズ除去フィルタによって除去されないような周波数に設定しておく必要があることはいうまでもない。
【0009】
また、この心電情報報知システムでは、上述したように、制御手段に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルに基づいて、電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断するようにしているので、浴槽に別途設けたレベルセンサ等によって浴槽内の湯水の水位を検出することで、電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断する場合に比べて、部品点数が少なくなり、同等の機能を低コストで実現することができる。
【0010】
また、電極と心電信号処理装置とを接続する信号線に結線不良や断線等がある場合は、心電信号の検出回路のインピーダンスが大きくなるので、制御手段に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルが大きくなり、浴槽内の湯水に電極が水没していない場合と同様に、心電情報の報知が強制的に停止されることになる。従って、システムの設置後に行われる試運転時に結線不良や断線等がある場合や経年使用に伴って、結線部に接触不良が発生したり、信号線に断線等が発生した場合についても、そういった不具合を直ちに発見することができるという効果もある。
【0011】
また、請求項2にかかる発明の心電情報報知システムのように、前記制御手段が前記擬似ノイズ信号を生成して、前記差動増幅手段の入力ラインに強制的に出力するようにしておくと、擬似ノイズ信号を生成して出力するためのノイズ信号出力手段を別途設ける必要がないので、さらに、コストの削減を図ることができる。
【0012】
また、請求項3にかかる発明の心電情報報知システムのように、前記擬似ノイズ信号が、絶縁フィルタを介して前記差動増幅手段の入力ラインに出力されるようになっているものにあっては、電極によって検出された心電信号が減衰することなく、確実に制御手段に入力されるので、差動増幅手段の入力ラインに擬似ノイズ信号を出力しない場合と同様の信頼性を確保することができる。
【0013】
また、請求項4にかかる発明の心電情報報知システムのように、前記心電信号処理装置は、前記差動増幅手段と前記制御手段との間に、前記差動増幅手段によって差動増幅された心電信号に対して所定の周波数帯のノイズを除去するノイズ除去手段を備えており、前記差動増幅手段からの出力信号を、前記ノイズ除去手段を介して前記制御手段に出力するメインラインと、前記制御手段に直接出力するバイパスラインとを備えているものにあっては、メインラインを介して制御手段に入力される、ノイズが除去された心電信号に基づいて心電情報を作成し、バイパスラインを介して制御手段に入力される擬似ノイズ信号に基づいて電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断するといった具合に、制御手段が行う処理に応じて最適な信号を使い分けることができる。
【0014】
特に、バイパスラインを介して入力される擬似ノイズ信号に基づいて、電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断すると、例えば、擬似ノイズ信号の周波数が、ノイズ除去手段によって除去される所定の周波数帯に設定されていても、擬似ノイズ信号が除去されずに、制御手段に確実に入力されるので、擬似ノイズ信号が周波数の制限を受けにくく、擬似ノイズ信号に対する周波数選択の自由度が広がるという効果が得られる。
【0015】
また、請求項5にかかる発明の心電情報報知システムのように、前記制御手段が、所定の信号レベルを上回る前記擬似ノイズ信号を検出することができなかった場合は、前記差動増幅手段の入力ラインへの前記擬似ノイズ信号の出力を一旦停止し、その後は、定期的に前記擬似ノイズ信号を前記差動増幅手段の入力ラインに出力しながら、前記制御手段が前記擬似ノイズ信号を監視するようにしておくと、所定の信号レベルを上回る擬似ノイズ信号を制御手段が検出することができない状態、即ち、電極が浴槽内の湯水に水没している状態では、電極によって検出された心電信号に擬似ノイズ信号が定期的に重畳されるだけであるので、擬似ノイズ信号を常時出力する場合に比べて、心電情報を精度良く作成することができ、しかも、浴槽内の湯水が排水され、電極が浴槽内の湯水に水没しなくなると、擬似ノイズ信号の出力時間間隔に相当する時間が経過するまでの間に、その状態が検出され、心電情報の報知を確実に停止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、この心電情報報知システム1は、浴室R内に設置された浴槽Bに対する自動注湯機能や追焚機能の他、シャワーやカラン等への給湯機能を備えた風呂追焚機能付給湯器(以下、風呂給湯器という)10と、この風呂給湯器10を操作するための操作手段として、浴室R及び台所に設置される浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bと、浴槽Bに浸かっている入浴者の心電信号を検出するために浴槽B内に設置される心拍検出電極31、32、33と、これらの心拍検出電極31、32、33がそれぞれ接続され、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号に基づいて、入浴者の心電情報を作成する心電信号処理装置40とを備えており、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bが、心電情報を報知するための報知装置として機能するようになっている。なお、心電信号処理装置40と浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bとが、風呂給湯器10の端子台を介して、直流電圧に信号を重畳して伝送する2芯線によって接続されている。
【0017】
前記風呂給湯器10、前記浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bには、通信手段であるシリアルインターフェースを介して相互に通信可能なコントローラ11、21a、21bがそれぞれ搭載されており、これらのコントローラ11、21a、21bが相互に連携をとりながら、風呂給湯器10の運転動作を統括的に制御している。
【0018】
また、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bは、風呂設定温度、給湯設定温度等の風呂給湯器関連情報の他、入浴者の心拍数等の心電情報を表示する表示部22a、22bをそれぞれ備えており、浴室用操作リモコン20aまたは台所用操作リモコン20bのいずれか一方の運転スイッチをONすると、これらの表示部22a、22bには、基本的に風呂給湯器関連情報が表示されるが、心拍検出電極31、32、33によって入浴者の心電信号が検出されると、心電情報の表示を自動的に開始し、入浴者の心電信号が検出できなくなると、心電情報の表示を自動的に停止して風呂給湯器関連情報の表示に切り替わるようになっている。なお、こういった表示動作が行われるのは、自動表示モードに設定されている場合であって、入浴者の操作によって心電信号の表示を開始または停止させる手動表示モードに設定することも可能である。
【0019】
一対の心拍検出電極31、32は、浴槽Bに浸かった入浴者の心臓を挟むように、浴槽Bにおける一端側の左右両側壁に、残りの心拍検出電極(中性点)33は、浴槽Bに浸かった入浴者の足元側(他端側)における浴槽Bの側壁にそれぞれ設置されており、各心拍検出電極31、32、33は、浴槽Bに貯留された湯水を介して入浴者の心電信号が検出されるように、所定の高さ位置に設置されている。
【0020】
前記心電信号処理装置40は、通信手段であるシリアルインターフェースを介して、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bに通信可能に接続されており、この心電信号処理装置40によって算出された、1分間当りの心拍数が、所定の時間間隔(例えば、2秒間隔)で浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信されるようになっている。
【0021】
この心電信号処理装置40は、図2に示すように、心拍検出電極31、32、33がそれぞれ接続され、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号から周波数の高いインパルスノイズを除去する第1フィルタ回路41と、この第1フィルタ回路41によってノイズが除去された心電信号を増幅する差動増幅回路42と、この差動増幅回路42によって増幅された心電信号から電源周波数以上のノイズを除去する第2フィルタ回路43と、この第2フィルタ回路43によってノイズが除去された心電信号を再度増幅する増幅回路44と、この増幅回路44によって増幅された心電信号に基づいて1分間当りの心拍数を算出するマイクロコンピュータ45とを備えており、このマイクロコンピュータ45が、入力された心電信号に基づいて1分間当りの心拍数を算出し、この心拍数をシリアルインターフェース(I/F)46を介して浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信するようになっている。
【0022】
前記マイクロコンピュータ45は、上述したように、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号に基づいて1分間当りの心拍数を算出するだけではなく、浴槽Bに設置された心拍検出電極31、32、33が浴槽B内に貯留されている湯水に水没しているか否かを自動的に検出し、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない場合は、心電情報の報知を強制的に停止するようになっている。
【0023】
前記マイクロコンピュータ45は、信号レベルが心電信号の1/10以下で、心電信号に類似する周波数の擬似ノイズ信号を作成し、この擬似ノイズ信号を、絶縁フィルタ47を介して、第1フィルタ回路41の入力側、即ち、心拍検出電極32と第1フィルタ回路41との接続ラインに強制的に出力するようになっており、絶縁フィルタ47の存在によって、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号が減衰しないようになっている。
【0024】
第1フィルタ回路41の入力側に出力された擬似ノイズ信号は、上述したように、心電信号に類似する周波数を有しているので、心電信号と同様に、第1フィルタ回路41、差動増幅回路42、第2フィルタ回路43、増幅回路44を介してマイクロコンピュータ45に入力されるが、浴槽Bに貯留された湯水に心拍検出電極31、32、33が水没しているときと、浴槽Bに湯水が貯留されていないか、または、浴槽Bに湯水が貯留されていても、湯水に心拍検出電極31、32、33が水没していないときとでは、マイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルが大きく異なっている。
【0025】
即ち、浴槽Bに貯留された湯水に心拍検出電極31、32、33が水没しているときは、導電性に優れた湯水を介して心拍検出電極31、32同士が接続されているので、心拍検出電極31、32間のインピーダンスが小さくなり、擬似ノイズ信号によって生じる心拍検出電極31、32間の電位差も小さく、心電信号の1/10程度の信号レベルの低い擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に入力されることになるが、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していないときは、心拍検出電極31、32間のインピーダンスが無限大になり、擬似ノイズ信号によって生じる心拍検出電極31、32間の電位差が極端に大きくなって、信号レベルが極端に高い擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に入力されることになる。
【0026】
従って、この心電信号処理装置40では、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没している状態でマイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルと、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態でマイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルとの中間値を閾値に設定し、この閾値を上回る信号レベルの擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に入力されるときは、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態であると判断し、この閾値を下回る信号レベルの擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に入力されるときは、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没している状態であると判断するようになっている。
【0027】
そして、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態であるとマイクロコンピュータ45が判断した場合は、心拍検出電極31、32、33によって心電信号が検出されると、この心電信号に基づいて心拍数を算出した後、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信し、それぞれの表示部22a、22bに心拍数を自動表示させるようになっている。なお、この状態で検出された心電信号には、擬似ノイズ信号が重畳されているが、上述したように、その信号レベルが心電信号の信号レベルの1/10程度であるので、擬似ノイズ信号が算出された心拍数に影響を及ぼすことはない。
【0028】
一方、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態であるとマイクロコンピュータ45が判断した場合は、入浴者が浴槽Bに浸かっていないと想定され、しかも、この状態では適正な心電信号を検出することができないので、擬似ノイズ信号に基づいて意味のない心拍数が算出されたとしても、その不適正な心拍数を、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信しないようになっており、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態では、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bの表示部22a、22bに心電情報(心拍数)が表示されないようになっている。
【0029】
以上のように、この心電情報報知システム1では、心電信号処理装置40を構成しているマイクロコンピュータ45が第1フィルタ回路41の入力側に擬似ノイズ信号を強制的に出力し、予め定められた閾値を上回る信号レベルの擬似ノイズ信号をマイクロコンピュータ45が検出することができた場合は、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没していない状態であると判断し、心電情報の報知を強制的に停止するようにしたので、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没していないために、心拍検出電極31、32、33や心拍検出電極31、32、33に接続される信号線等に電磁波等のノイズが重畳し、心電信号として誤検出されたノイズ等に基づいて作製された不適正な心電情報が報知されることを確実に防止することができる。
【0030】
また、この心電情報報知システム1では、上述したように、マイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルに基づいて、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没しているか否かを判断するようにしているので、浴槽に別途設けたレベルセンサ等によって浴槽内の湯水の水位を検出することで、電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断する場合に比べて、部品点数が少なくなり、同等の機能を低コストで実現することが可能となる。
【0031】
また、心拍検出電極31、32、33と心電信号処理装置40とを接続する信号線に結線不良や断線等がある場合は、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没していない場合と同様に、心電信号の検出回路のインピーダンスが大きくなるので、マイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルが大きくなり、心電情報の報知が強制的に停止されることになる。従って、システムの試運転を行う際に結線不良や断線等がある場合や経年使用に伴って、結線部に接触不良が発生したり、信号線に断線等が発生した場合についても、そういった不具合を直ちに発見することができるという効果もある。
【0032】
また、この心電情報報知システム1では、心電信号処理装置40を構成しているマイクロコンピュータ45が擬似ノイズ信号を生成して、第1フィルタ回路41の入力側に強制的に出力するようになっているので、擬似ノイズ信号を生成して出力するためのノイズ信号出力手段を別途設ける必要がなく、さらに、システム全体のコストの削減を図ることができる。
【0033】
なお、上述した実施形態では、第1フィルタ回路41の入力側に出力された擬似ノイズ信号は、心電信号と同様に、第1フィルタ回路41、差動増幅回路42、第2フィルタ回路43及び増幅回路44を介してマイクロコンピュータ45に入力されるようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、図3に示す心電信号処理装置40aのように、差動増幅回路42からの出力信号を、第2フィルタ回路43及び増幅回路44を介してマイクロコンピュータ45に出力するメインラインと、マイクロコンピュータ45に直接出力するバイパスラインとを備えた構成を採用すると、メインラインを介してマイクロコンピュータ45に入力される、電源周波数以上のノイズが除去された心電信号に基づいて心電情報を作成し、バイパスラインを介してマイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号に基づいて、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没しているか否かを判断するといった具合に、マイクロコンピュータ45が行う処理に応じて最適な信号を使い分けることができる。
【0034】
特に、バイパスラインを介して入力される擬似ノイズ信号に基づいて、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没しているか否かを判断すると、例えば、擬似ノイズ信号の周波数が、第2フィルタ回路43によって除去される電源周波数以上に設定されていても、擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に確実に入力されるので、上述した実施形態のように、擬似ノイズ信号の周波数を心電信号に類似した周波数に設定する必要がなくなり、擬似ノイズ信号に対する周波数選択の自由度が広がるという効果が得られる。
【0035】
また、上述した実施形態では、第1フィルタ回路41の入力側に、擬似ノイズ信号を常時出力するようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロコンピュータ45が、閾値を上回る信号レベルの擬似ノイズ信号を検出することができなかった場合は、擬似ノイズ信号の出力を一旦停止し、その後は、定期的に擬似ノイズ信号を出力しながら、マイクロコンピュータ45が擬似ノイズ信号を監視するようにしておくと、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没している状態では、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号に擬似ノイズ信号が定期的に重畳されるだけであるので、擬似ノイズ信号を常時出力するようにしている心電情報報知システム1に比べて、心電情報を精度良く作成することができ、しかも、浴槽B内の湯水が排水され、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没しなくなると、擬似ノイズ信号の出力時間間隔に相当する時間が経過するまでの間に、その状態が検出され、心電情報の報知を確実に停止することができる。
【0036】
また、上述した実施形態では、擬似ノイズ信号を第1フィルタ回路41の入力側に出力するようにしているが、これに限定されるものではなく、差動増幅回路42の入力側に出力することも可能である。
【0037】
また、上述した実施形態では、心拍数等の心電情報を、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bの表示部22a、22bに表示するようにしているが、これに限定されるものではなく、音声等を用いて入浴者等に報知することも可能である。
【0038】
また、上述した実施形態では、風呂給湯器関連情報と心電情報を、風呂給湯器10の操作手段である浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bの表示部22a、22bに表示させるようになっているが、これに限定されるものではなく、専用の表示装置等の報知装置を設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる心電情報報知システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同上の心電情報報知システムにおける心電信号処理装置を示すブロック図である。
【図3】他の実施形態である心電情報報知システムにおける心電信号処理装置を示すブロック図である。
【図4】従来の心電情報報知システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 心電情報報知システム
10 風呂追焚機能付給湯器
11 コントローラ
20a 浴室用操作リモコン(報知装置)
20b 台所用操作リモコン(報知装置)
21a、21b コントローラ
22a、22b 表示部
31、32、33 心拍検出電極(電極)
40、40a 心電信号処理装置
42 差動増幅回路(差動増幅手段)
43 第2フィルタ回路(ノイズ除去手段)
45 マイクロコンピュータ(制御手段)
47 絶縁フィルタ
B 浴槽
R 浴室
【発明の属する技術分野】
この発明は、浴槽に浸かっている入浴者の心電情報を入浴者等に報知するための心電情報報知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平5−95921号公報に開示されているように、浴槽に浸かっている入浴者の心拍数等の心電情報を入浴者等に報知する心電情報報知システムが従来から提案されている。
【0003】
この心電情報報知システムは、図4に示すように、浴槽Bに浸かっている入浴者の心電信号を検知するために浴槽B内に設置される電極51と、この電極51によって検出された入浴者の心電信号に基づいて、心拍数等の心電情報を作成するCPU等からなる心電情報作成部やこの心電情報作成部によって作成された心電情報を表示する表示部等を備えた、浴室内に設置される本体部52とから構成されており、心拍数等の入浴者自身の心電情報が本体部52の表示部に連続的に表示されるようになっている。従って、入浴者は、本体部52に表示される心電情報に基づいて、自己の心臓の状態変化を把握することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような心電情報報知システム50では、浴槽Bに湯水が貯留されていない場合や、浴槽Bに湯水が貯留されていても、電極51が湯水に水没していないような場合は、電極51間のインピーダンスが無限大になるので、電磁波等の電気的ノイズが電極51や電極51に接続されている信号線に重畳され易くなる。従って、上述したような場合は、入浴者が浴槽Bに浸かっていないにも拘わらず、心電信号として誤検出されたノイズに基づいて心拍数が演算され、表示部に不適正な心拍数等の心電情報が表示されることになるので、使用者に不信感を与えるといった問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、心電信号として誤検出されたノイズ等に基づいて作製された不適正な心電情報の報知を防止することができる心電情報報知システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、浴槽に浸かっている入浴者の心電信号を検出する、浴槽内に設置された電極と、この電極によって検出された心電信号を差動増幅する差動増幅手段及び前記差動増幅手段によって差動増幅された心電信号に基づいて所定の心電情報を作成する心電情報作成機能を有する制御手段を備えた心電信号処理装置と、この心電信号処理装置によって作成された入浴者の前記心電情報を報知する報知装置とを備えた心電情報報知システムにおいて、所定の周波数の擬似ノイズ信号を、前記差動増幅手段の入力ラインに強制的に出力し、前記制御手段が、所定の信号レベルを上回る前記擬似ノイズ信号を検出することができた場合は、前記報知装置による心電情報の報知を強制的に停止するようにしたのである。
【0007】
以上のように構成された心電情報報知システムでは、差動増幅手段の入力ラインに強制的に出力された所定の周波数の擬似ノイズ信号が、電極間の電位差として検出され、制御手段に入力されることになるが、浴槽に湯水が貯留されていない状態や浴槽に湯水が貯留されていても、電極が湯水に水没していない状態では、電極間のインピーダンスが無限大になるので、擬似ノイズ信号によって生じる電極間の電位差が極端に大きくなって、信号レベルの高い擬似ノイズ信号が制御手段に入力されることになる。逆に、電極が湯水に水没した状態では、電極間のインピーダンスが小さくなるので、擬似ノイズ信号によって生じる電極間の電位差が極端に小さくなって、信号レベルの小さな擬似ノイズ信号として制御手段に入力されることになる。
【0008】
従って、この心電情報報知システムのように、制御手段が、所定の信号レベルを上回る擬似ノイズ信号を検出することができた場合は、電極が浴槽内の湯水に水没していない状態であると判断することができるので、このような場合は、報知装置による心電情報の報知を強制的に停止することによって、電極が浴槽内の湯水に水没していないために、ノイズ等の影響を受け、心電信号として誤検出されたノイズ等に基づいて作製された不適正な心電情報が報知されることを確実に防止することができる。なお、心電信号処理装置が、特定の周波数のノイズ等を除去するノイズ除去フィルタを備えている場合、差動増幅手段の入力ラインに出力される擬似ノイズ信号は、そういったノイズ除去フィルタによって除去されないような周波数に設定しておく必要があることはいうまでもない。
【0009】
また、この心電情報報知システムでは、上述したように、制御手段に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルに基づいて、電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断するようにしているので、浴槽に別途設けたレベルセンサ等によって浴槽内の湯水の水位を検出することで、電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断する場合に比べて、部品点数が少なくなり、同等の機能を低コストで実現することができる。
【0010】
また、電極と心電信号処理装置とを接続する信号線に結線不良や断線等がある場合は、心電信号の検出回路のインピーダンスが大きくなるので、制御手段に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルが大きくなり、浴槽内の湯水に電極が水没していない場合と同様に、心電情報の報知が強制的に停止されることになる。従って、システムの設置後に行われる試運転時に結線不良や断線等がある場合や経年使用に伴って、結線部に接触不良が発生したり、信号線に断線等が発生した場合についても、そういった不具合を直ちに発見することができるという効果もある。
【0011】
また、請求項2にかかる発明の心電情報報知システムのように、前記制御手段が前記擬似ノイズ信号を生成して、前記差動増幅手段の入力ラインに強制的に出力するようにしておくと、擬似ノイズ信号を生成して出力するためのノイズ信号出力手段を別途設ける必要がないので、さらに、コストの削減を図ることができる。
【0012】
また、請求項3にかかる発明の心電情報報知システムのように、前記擬似ノイズ信号が、絶縁フィルタを介して前記差動増幅手段の入力ラインに出力されるようになっているものにあっては、電極によって検出された心電信号が減衰することなく、確実に制御手段に入力されるので、差動増幅手段の入力ラインに擬似ノイズ信号を出力しない場合と同様の信頼性を確保することができる。
【0013】
また、請求項4にかかる発明の心電情報報知システムのように、前記心電信号処理装置は、前記差動増幅手段と前記制御手段との間に、前記差動増幅手段によって差動増幅された心電信号に対して所定の周波数帯のノイズを除去するノイズ除去手段を備えており、前記差動増幅手段からの出力信号を、前記ノイズ除去手段を介して前記制御手段に出力するメインラインと、前記制御手段に直接出力するバイパスラインとを備えているものにあっては、メインラインを介して制御手段に入力される、ノイズが除去された心電信号に基づいて心電情報を作成し、バイパスラインを介して制御手段に入力される擬似ノイズ信号に基づいて電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断するといった具合に、制御手段が行う処理に応じて最適な信号を使い分けることができる。
【0014】
特に、バイパスラインを介して入力される擬似ノイズ信号に基づいて、電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断すると、例えば、擬似ノイズ信号の周波数が、ノイズ除去手段によって除去される所定の周波数帯に設定されていても、擬似ノイズ信号が除去されずに、制御手段に確実に入力されるので、擬似ノイズ信号が周波数の制限を受けにくく、擬似ノイズ信号に対する周波数選択の自由度が広がるという効果が得られる。
【0015】
また、請求項5にかかる発明の心電情報報知システムのように、前記制御手段が、所定の信号レベルを上回る前記擬似ノイズ信号を検出することができなかった場合は、前記差動増幅手段の入力ラインへの前記擬似ノイズ信号の出力を一旦停止し、その後は、定期的に前記擬似ノイズ信号を前記差動増幅手段の入力ラインに出力しながら、前記制御手段が前記擬似ノイズ信号を監視するようにしておくと、所定の信号レベルを上回る擬似ノイズ信号を制御手段が検出することができない状態、即ち、電極が浴槽内の湯水に水没している状態では、電極によって検出された心電信号に擬似ノイズ信号が定期的に重畳されるだけであるので、擬似ノイズ信号を常時出力する場合に比べて、心電情報を精度良く作成することができ、しかも、浴槽内の湯水が排水され、電極が浴槽内の湯水に水没しなくなると、擬似ノイズ信号の出力時間間隔に相当する時間が経過するまでの間に、その状態が検出され、心電情報の報知を確実に停止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、この心電情報報知システム1は、浴室R内に設置された浴槽Bに対する自動注湯機能や追焚機能の他、シャワーやカラン等への給湯機能を備えた風呂追焚機能付給湯器(以下、風呂給湯器という)10と、この風呂給湯器10を操作するための操作手段として、浴室R及び台所に設置される浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bと、浴槽Bに浸かっている入浴者の心電信号を検出するために浴槽B内に設置される心拍検出電極31、32、33と、これらの心拍検出電極31、32、33がそれぞれ接続され、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号に基づいて、入浴者の心電情報を作成する心電信号処理装置40とを備えており、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bが、心電情報を報知するための報知装置として機能するようになっている。なお、心電信号処理装置40と浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bとが、風呂給湯器10の端子台を介して、直流電圧に信号を重畳して伝送する2芯線によって接続されている。
【0017】
前記風呂給湯器10、前記浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bには、通信手段であるシリアルインターフェースを介して相互に通信可能なコントローラ11、21a、21bがそれぞれ搭載されており、これらのコントローラ11、21a、21bが相互に連携をとりながら、風呂給湯器10の運転動作を統括的に制御している。
【0018】
また、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bは、風呂設定温度、給湯設定温度等の風呂給湯器関連情報の他、入浴者の心拍数等の心電情報を表示する表示部22a、22bをそれぞれ備えており、浴室用操作リモコン20aまたは台所用操作リモコン20bのいずれか一方の運転スイッチをONすると、これらの表示部22a、22bには、基本的に風呂給湯器関連情報が表示されるが、心拍検出電極31、32、33によって入浴者の心電信号が検出されると、心電情報の表示を自動的に開始し、入浴者の心電信号が検出できなくなると、心電情報の表示を自動的に停止して風呂給湯器関連情報の表示に切り替わるようになっている。なお、こういった表示動作が行われるのは、自動表示モードに設定されている場合であって、入浴者の操作によって心電信号の表示を開始または停止させる手動表示モードに設定することも可能である。
【0019】
一対の心拍検出電極31、32は、浴槽Bに浸かった入浴者の心臓を挟むように、浴槽Bにおける一端側の左右両側壁に、残りの心拍検出電極(中性点)33は、浴槽Bに浸かった入浴者の足元側(他端側)における浴槽Bの側壁にそれぞれ設置されており、各心拍検出電極31、32、33は、浴槽Bに貯留された湯水を介して入浴者の心電信号が検出されるように、所定の高さ位置に設置されている。
【0020】
前記心電信号処理装置40は、通信手段であるシリアルインターフェースを介して、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bに通信可能に接続されており、この心電信号処理装置40によって算出された、1分間当りの心拍数が、所定の時間間隔(例えば、2秒間隔)で浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信されるようになっている。
【0021】
この心電信号処理装置40は、図2に示すように、心拍検出電極31、32、33がそれぞれ接続され、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号から周波数の高いインパルスノイズを除去する第1フィルタ回路41と、この第1フィルタ回路41によってノイズが除去された心電信号を増幅する差動増幅回路42と、この差動増幅回路42によって増幅された心電信号から電源周波数以上のノイズを除去する第2フィルタ回路43と、この第2フィルタ回路43によってノイズが除去された心電信号を再度増幅する増幅回路44と、この増幅回路44によって増幅された心電信号に基づいて1分間当りの心拍数を算出するマイクロコンピュータ45とを備えており、このマイクロコンピュータ45が、入力された心電信号に基づいて1分間当りの心拍数を算出し、この心拍数をシリアルインターフェース(I/F)46を介して浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信するようになっている。
【0022】
前記マイクロコンピュータ45は、上述したように、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号に基づいて1分間当りの心拍数を算出するだけではなく、浴槽Bに設置された心拍検出電極31、32、33が浴槽B内に貯留されている湯水に水没しているか否かを自動的に検出し、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない場合は、心電情報の報知を強制的に停止するようになっている。
【0023】
前記マイクロコンピュータ45は、信号レベルが心電信号の1/10以下で、心電信号に類似する周波数の擬似ノイズ信号を作成し、この擬似ノイズ信号を、絶縁フィルタ47を介して、第1フィルタ回路41の入力側、即ち、心拍検出電極32と第1フィルタ回路41との接続ラインに強制的に出力するようになっており、絶縁フィルタ47の存在によって、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号が減衰しないようになっている。
【0024】
第1フィルタ回路41の入力側に出力された擬似ノイズ信号は、上述したように、心電信号に類似する周波数を有しているので、心電信号と同様に、第1フィルタ回路41、差動増幅回路42、第2フィルタ回路43、増幅回路44を介してマイクロコンピュータ45に入力されるが、浴槽Bに貯留された湯水に心拍検出電極31、32、33が水没しているときと、浴槽Bに湯水が貯留されていないか、または、浴槽Bに湯水が貯留されていても、湯水に心拍検出電極31、32、33が水没していないときとでは、マイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルが大きく異なっている。
【0025】
即ち、浴槽Bに貯留された湯水に心拍検出電極31、32、33が水没しているときは、導電性に優れた湯水を介して心拍検出電極31、32同士が接続されているので、心拍検出電極31、32間のインピーダンスが小さくなり、擬似ノイズ信号によって生じる心拍検出電極31、32間の電位差も小さく、心電信号の1/10程度の信号レベルの低い擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に入力されることになるが、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していないときは、心拍検出電極31、32間のインピーダンスが無限大になり、擬似ノイズ信号によって生じる心拍検出電極31、32間の電位差が極端に大きくなって、信号レベルが極端に高い擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に入力されることになる。
【0026】
従って、この心電信号処理装置40では、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没している状態でマイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルと、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態でマイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルとの中間値を閾値に設定し、この閾値を上回る信号レベルの擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に入力されるときは、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態であると判断し、この閾値を下回る信号レベルの擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に入力されるときは、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没している状態であると判断するようになっている。
【0027】
そして、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態であるとマイクロコンピュータ45が判断した場合は、心拍検出電極31、32、33によって心電信号が検出されると、この心電信号に基づいて心拍数を算出した後、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信し、それぞれの表示部22a、22bに心拍数を自動表示させるようになっている。なお、この状態で検出された心電信号には、擬似ノイズ信号が重畳されているが、上述したように、その信号レベルが心電信号の信号レベルの1/10程度であるので、擬似ノイズ信号が算出された心拍数に影響を及ぼすことはない。
【0028】
一方、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態であるとマイクロコンピュータ45が判断した場合は、入浴者が浴槽Bに浸かっていないと想定され、しかも、この状態では適正な心電信号を検出することができないので、擬似ノイズ信号に基づいて意味のない心拍数が算出されたとしても、その不適正な心拍数を、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bのコントローラ21a、21bに送信しないようになっており、心拍検出電極31、32、33が湯水に水没していない状態では、浴室用操作リモコン20aや台所用操作リモコン20bの表示部22a、22bに心電情報(心拍数)が表示されないようになっている。
【0029】
以上のように、この心電情報報知システム1では、心電信号処理装置40を構成しているマイクロコンピュータ45が第1フィルタ回路41の入力側に擬似ノイズ信号を強制的に出力し、予め定められた閾値を上回る信号レベルの擬似ノイズ信号をマイクロコンピュータ45が検出することができた場合は、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没していない状態であると判断し、心電情報の報知を強制的に停止するようにしたので、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没していないために、心拍検出電極31、32、33や心拍検出電極31、32、33に接続される信号線等に電磁波等のノイズが重畳し、心電信号として誤検出されたノイズ等に基づいて作製された不適正な心電情報が報知されることを確実に防止することができる。
【0030】
また、この心電情報報知システム1では、上述したように、マイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルに基づいて、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没しているか否かを判断するようにしているので、浴槽に別途設けたレベルセンサ等によって浴槽内の湯水の水位を検出することで、電極が浴槽内の湯水に水没しているか否かを判断する場合に比べて、部品点数が少なくなり、同等の機能を低コストで実現することが可能となる。
【0031】
また、心拍検出電極31、32、33と心電信号処理装置40とを接続する信号線に結線不良や断線等がある場合は、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没していない場合と同様に、心電信号の検出回路のインピーダンスが大きくなるので、マイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号の信号レベルが大きくなり、心電情報の報知が強制的に停止されることになる。従って、システムの試運転を行う際に結線不良や断線等がある場合や経年使用に伴って、結線部に接触不良が発生したり、信号線に断線等が発生した場合についても、そういった不具合を直ちに発見することができるという効果もある。
【0032】
また、この心電情報報知システム1では、心電信号処理装置40を構成しているマイクロコンピュータ45が擬似ノイズ信号を生成して、第1フィルタ回路41の入力側に強制的に出力するようになっているので、擬似ノイズ信号を生成して出力するためのノイズ信号出力手段を別途設ける必要がなく、さらに、システム全体のコストの削減を図ることができる。
【0033】
なお、上述した実施形態では、第1フィルタ回路41の入力側に出力された擬似ノイズ信号は、心電信号と同様に、第1フィルタ回路41、差動増幅回路42、第2フィルタ回路43及び増幅回路44を介してマイクロコンピュータ45に入力されるようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、図3に示す心電信号処理装置40aのように、差動増幅回路42からの出力信号を、第2フィルタ回路43及び増幅回路44を介してマイクロコンピュータ45に出力するメインラインと、マイクロコンピュータ45に直接出力するバイパスラインとを備えた構成を採用すると、メインラインを介してマイクロコンピュータ45に入力される、電源周波数以上のノイズが除去された心電信号に基づいて心電情報を作成し、バイパスラインを介してマイクロコンピュータ45に入力される擬似ノイズ信号に基づいて、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没しているか否かを判断するといった具合に、マイクロコンピュータ45が行う処理に応じて最適な信号を使い分けることができる。
【0034】
特に、バイパスラインを介して入力される擬似ノイズ信号に基づいて、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没しているか否かを判断すると、例えば、擬似ノイズ信号の周波数が、第2フィルタ回路43によって除去される電源周波数以上に設定されていても、擬似ノイズ信号がマイクロコンピュータ45に確実に入力されるので、上述した実施形態のように、擬似ノイズ信号の周波数を心電信号に類似した周波数に設定する必要がなくなり、擬似ノイズ信号に対する周波数選択の自由度が広がるという効果が得られる。
【0035】
また、上述した実施形態では、第1フィルタ回路41の入力側に、擬似ノイズ信号を常時出力するようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロコンピュータ45が、閾値を上回る信号レベルの擬似ノイズ信号を検出することができなかった場合は、擬似ノイズ信号の出力を一旦停止し、その後は、定期的に擬似ノイズ信号を出力しながら、マイクロコンピュータ45が擬似ノイズ信号を監視するようにしておくと、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没している状態では、心拍検出電極31、32、33によって検出された心電信号に擬似ノイズ信号が定期的に重畳されるだけであるので、擬似ノイズ信号を常時出力するようにしている心電情報報知システム1に比べて、心電情報を精度良く作成することができ、しかも、浴槽B内の湯水が排水され、心拍検出電極31、32、33が浴槽B内の湯水に水没しなくなると、擬似ノイズ信号の出力時間間隔に相当する時間が経過するまでの間に、その状態が検出され、心電情報の報知を確実に停止することができる。
【0036】
また、上述した実施形態では、擬似ノイズ信号を第1フィルタ回路41の入力側に出力するようにしているが、これに限定されるものではなく、差動増幅回路42の入力側に出力することも可能である。
【0037】
また、上述した実施形態では、心拍数等の心電情報を、浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bの表示部22a、22bに表示するようにしているが、これに限定されるものではなく、音声等を用いて入浴者等に報知することも可能である。
【0038】
また、上述した実施形態では、風呂給湯器関連情報と心電情報を、風呂給湯器10の操作手段である浴室用操作リモコン20a及び台所用操作リモコン20bの表示部22a、22bに表示させるようになっているが、これに限定されるものではなく、専用の表示装置等の報知装置を設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる心電情報報知システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同上の心電情報報知システムにおける心電信号処理装置を示すブロック図である。
【図3】他の実施形態である心電情報報知システムにおける心電信号処理装置を示すブロック図である。
【図4】従来の心電情報報知システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 心電情報報知システム
10 風呂追焚機能付給湯器
11 コントローラ
20a 浴室用操作リモコン(報知装置)
20b 台所用操作リモコン(報知装置)
21a、21b コントローラ
22a、22b 表示部
31、32、33 心拍検出電極(電極)
40、40a 心電信号処理装置
42 差動増幅回路(差動増幅手段)
43 第2フィルタ回路(ノイズ除去手段)
45 マイクロコンピュータ(制御手段)
47 絶縁フィルタ
B 浴槽
R 浴室
Claims (5)
- 浴槽に浸かっている入浴者の心電信号を検出する、浴槽内に設置された電極と、
この電極によって検出された心電信号を差動増幅する差動増幅手段及び前記差動増幅手段によって差動増幅された心電信号に基づいて所定の心電情報を作成する心電情報作成機能を有する制御手段を備えた心電信号処理装置と、
この心電信号処理装置によって作成された入浴者の前記心電情報を報知する報知装置と
を備えた心電情報報知システムにおいて、
所定の周波数の擬似ノイズ信号を、前記差動増幅手段の入力ラインに強制的に出力し、
前記制御手段が、所定の信号レベルを上回る前記擬似ノイズ信号を検出することができた場合は、前記報知装置による心電情報の報知を強制的に停止するようにしたことを特徴とする心電情報報知システム。 - 前記制御手段が前記擬似ノイズ信号を生成して、前記差動増幅手段の入力ラインに強制的に出力するようになっている請求項1に記載の心電情報報知システム。
- 前記擬似ノイズ信号が、絶縁フィルタを介して前記差動増幅手段の入力ラインに出力されるようになっている請求項1または2に記載の心電情報報知システム。
- 前記心電信号処理装置は、前記差動増幅手段と前記制御手段との間に、前記差動増幅手段によって差動増幅された心電信号に対して所定の周波数帯のノイズを除去するノイズ除去手段を備えており、
前記差動増幅手段からの出力信号を、前記ノイズ除去手段を介して前記制御手段に出力するメインラインと、前記制御手段に直接出力するバイパスラインとを備えている請求項1、2または3に記載の心電情報報知システム。 - 前記制御手段が、所定の信号レベルを上回る前記擬似ノイズ信号を検出することができなかった場合は、前記差動増幅手段の入力ラインへの前記擬似ノイズ信号の出力を一旦停止し、その後は、定期的に前記擬似ノイズ信号を前記差動増幅手段の入力ラインに出力しながら、前記制御手段が前記擬似ノイズ信号を監視するようにした請求項1、2、3または4に記載の心電情報報知システム。
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