JP3579549B2 - 糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとしての使用 - Google Patents
糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとしての使用 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は糖尿病または糖尿病合併症用マーカーの使用に関する。更に詳しくは、特定の置換基を有するタンパク質、ペプチドまたはアミノ酸から成る糖尿病または糖尿病合併症用マーカーの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液中のタンパク質はグルコースと非酵素的に反応して糖化され、糖化タンパク質となることが知られている。該糖化反応はメイラード反応と呼ばれ、前期段階および後期段階の反応に分けられる。前期段階の反応は、タンパク質の側鎖アミノ基やN末端アミノ基と糖のカルボニル基が反応し、シッフ塩基を経由してアマドリ転位化合物を生成するまでとされている。該前期段階反応生成物としては、例えば、ヘモグロビンA1Cや糖化アルブミン等が知られており、糖尿病の臨床マーカーとして用いられているのは周知の事実である。
【0003】
また、上記前期段階反応の後、生成したアマドリ転位化合物は2つの方向に変化することが知られている。1つは、蛍光性、褐色変化、或いは分子内または/および分子間架橋形成のうちの少なくとも1つを伴う反応(以下、「後期段階反応A」とも言う。)であり、もう1つは、酸素と遷移金属が関与する酸化的開裂反応(以下、「後期段階反応B」とも言う。)である。
【0004】
ところで、メイラード反応の最終生成物をAGE(Advanced Glycation End products)と呼ぶこともあるが、該AGEという用語は一般に上記の後期段階反応Aに見られる3つの特徴的な現象(蛍光性、褐色変化、或いは分子内または/および分子間架橋形成)の少なくとも1つを伴う反応生成物を総称するものとして使用されることが多く、上記3種類の現象のすべてを伴わない反応によって生成したものまでを含めてAGEと呼ぶか否かについては意見の分かれるところである。即ち、AGEの定義に関しては、上記定義以外にも、インビトロでグルコースとタンパク質を37℃で60日以上インキュベーションしたとき(メイラード反応のモデル反応)の生成物すべてをAGEとするという説や該生成物のうち糖尿病合併症を発症させるような生物学的活性を有するもののみをAGEとするという説等があり、学会においてもその定義が統一されていないのが現状である。本明細書においては、上記のような混乱を避けるため、AGEという語を使用する場合には、メイラード反応のうち蛍光性、褐色変化或いは分子内または/および分子間架橋形成のうちの少なくとも1つを伴う反応生成物(即ち、後期段階反応Aの生成物)のみを指してAGEと称する。
【0005】
上記後期段階反応Aの生成物、即ちAGEは、複数の化合物の集合体であると考えられている。現在のところ、AGEの構造体としては、ピラリン、ペントシジン、クロスリンA&B、或いはX1等が提唱されており、これらの定性、定量は蛍光強度の測定、或いは抗原抗体反応により行われている。また、AGEを生成する後期段階反応Aに関しては、該反応が生体内で起こり、血管障害合併症の発症に関与しているとの報告がなされ(Monnier,V.M.,et al,New England Journal of Medicine,vol314,p403,1986)、AGEは糖尿病患者における合併症の発症と進展に関与するものとして注目されるようになっている。そして、AGEには糖尿病合併症の発症と進展に関与する生物学的活性があるという報告もなされている(森崎ら、最新医学、第49巻、248頁、1994年)。
【0006】
一方、メイラード反応の後期段階のもう一つの反応(後期段階反応B)生成物については、N−ε−カルボキシメチルリジン(ε位のアミノ基がカルボキシメチル化されたリジン。以下、「CML」と略すこともある。)が同定され(Ahmed,M.U.,et al,Journal of BiologicalChemistry,vol261,p4889,1986)、老人や糖尿病患者のレンズタンパク質、皮膚コラーゲン等に存在していることが報告されている(Dunn,J.A.,et al,Biochemistry,vol30,p1205,1991)。また、牛血清アルブミン(以下、「BSA」と略す。)の側鎖アミノ基の水素がカルボキシメチル基で置換された(以下、「CM化」と略すこともある。)ものはAGEと抗AGE抗体の反応を強く阻害するとの報告もある(第55回アメリカ糖尿病学会議抄録集p115A,1995)。
【0007】
しかしながら、後期段階反応Bの生成物の生物学的活性についての報告例はなく、また、糖尿病患者、或いは腎症や網膜症等の合併症を発症している糖尿病患者(以下、「糖尿病合併症患者」ともいう。)と健常者における生体内、特に体液中の後期段階反応B生成物濃度の違い等も明らかにはなっておらず、その使用において有効性、特に糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとしての使用の有効性は認識されていなかった。即ち、AGEを糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとして使用する有効性は、最近、明らかになりつつあるが、CML、CM化タンパク質またはCM化ペプチド(以下、単に「CML等」ともいう。)の糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとして使用する場合、その有効性は認識されていなかった。更に、これらの物質が糖尿病合併症の原因物質か、或いは糖尿病合併症により蓄積した物質かも明確ではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、後期段階反応Bの生成物が糖尿病合併症の一原因物質ではないかと考え、該生成物がAGEと同様の生物学的活性を有し、また、糖尿病患者或いは糖尿病合併症患者と健常者の生体内、特に体液中において該生成物濃度に有意な差が認められるのであれば糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとして使用できるのではないかと考えた。従って、本発明の課題
(目的)は、CML等がAGEと同様の生物学的活性を有することを確認し、更に、糖尿病患者或いは糖尿病合併症患者と健常者の間で、生体内、特に体液中のCML等濃度に有意な差が認められることを確認し、CML等が糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとなりうることを実証すること、換言すればCML等の新規な用途を見出すことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、CML等はAGEと同様の生物学的活性を有し、更に、糖尿病患者或いは糖尿病合併症患者と健常者の間で、血液中のCML等濃度に有意な差が認められることを確認し、糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとして有効に使用できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、構成するアミノ酸単位の少なくとも一部の側鎖アミノ基がカルボキシメチル化されたカルボキシメチル化ヘモグロビンの糖尿病もしくは糖尿病合併症用マーカーとしての使用である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に述べるが、本発明で使用する物質、製法は下記に限定されるものではない。
【0012】
本発明で用いるタンパク質としては特に限定されず、例えばアルブミン、ヘモグロビン、β2ミクログロブリン、ヒストン、プロラミン等の単純タンパク質、コラーゲン、γグロブリン、赤血球膜タンパク質等の糖タンパク質、低密度リポタンパク質や高密度リポタンパク質等のリポタンパク質、トランスフェリンやセルロプラスミン等の金属タンパク質等の複合タンパク質が挙げられる。
【0013】
また、本発明で用いるペプチドとしては、オリゴペプチドでもポリペプチドでも良く、例えば、上記タンパク質の分解産物、上記タンパク質の特定の領域を人工的に合成したもの、前駆体タンパク質から限定加水分解によって生合成されたもの等が挙げられる。
【0014】
上記タンパク質もしくはペプチドを構成するアミノ酸の側鎖アミノ基またはリジンの側鎖アミノ基をカルボキシメチル化(CM化)する方法、即ち、上記各アミノ基の水素を−CH2−COOH基に置換する方法は、公知の方法が何ら制限無く使用される。例えば「新生化学実験講座1、タンパク質4」(日本生化学会編、第13〜16頁、東京化学同人、1991年3月20日発行)に記されている還元アルキル化法のように、グリオキシル酸(CHO−COOH)の如きアルデヒド化合物とタンパク質またはペプチドをホウ酸緩衝液やリン酸緩衝液等の水溶液に溶解し、水素化ホウ素ナトリウムや水素化シアノホウ素ナトリウム等の水素化物還元剤の存在下でpH8〜10で反応させればよい。これより高いpHだとタンパク質等が変性する恐れがあり、これより低いpHだと水素化物還元剤が不安定になる。該反応を特異的、且つ定量的に進行させるために、反応温度は0〜10℃で行うのがよい。得られたCM化されたタンパク質またはCM化されたペプチドは一般に水に可溶で、アセトン、アルコール、硫酸アンモニウム、重金属塩等の添加で沈澱する。また、上記のCM化されたタンパク質またはCM化されたペプチドの検出には、アミノ基を検出する方法以外の既知の方法であれば良く、例えば紫外吸収法、色素結合法、フェノール試薬法等が挙げられる。なお、上記方法においては一般に、タンパク質、脂質、糖質等、アミノ基の存在する物質はCM化されやすいが、タンパク質もしくはペプチドにおいては、リジンの側鎖或いはN末端が選択的にCM化されやすい。特に、タンパク質もしくはペプチド1分子にN末端のアミノ基は1つしか存在しないが、リジンの側鎖アミノ基は複数個存在する場合が多く、カルボキシメチル基をタンパク質もしくはペプチドにより多く導入するためには該タンパク質もしくはペプチドを構成するアミノ酸がリジンであることが好適である。
【0015】
また、CMLについては、リジンを原料として上記のようなCM化を行って得ることもできるが、上記方法で得られたCM化タンパク質もしくはCM化ペプチドを強酸を用いて加水分解することによって得ることもできる。
【0016】
このような方法によって得られたCML等は、透析、遠心濃縮、或いは液体クロマトグラフィー等によって精製した後に、生物学的活性の測定に供される。
【0017】
CML等が糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとなり得るか否かは、上記方法で得られたCML等を生体或いは生体成分に作用させたときに、腎症、網膜症、動脈硬化症等の糖尿病合併症が発症するか否かで判断することができる。例えば、モデル細胞にCML等を作用させ、腎症や動脈硬化症の一因とされている毛細管の閉塞促進に関与している凝固能、網膜症の発症と進展に関与している透過性等を測定すればよい(森崎ら、最新医学、第49巻、248頁、1994年)。
【0018】
凝固能を測定するためには、例えば線溶能を有する内皮細胞のトロンボモジュリンの活性を測定すればよい。該活性の測定には、CM化したタンパク質を内皮細胞に作用させた後、トロンビンとプロテインCを添加し、生成した活性化プロテインCを測定する等の公知の方法が問題なく使用される。
【0019】
透過性を測定するためには、例えばCM化したタンパク質の内皮細胞への取り込み量を測定すればよく、標識したCM化したタンパク質を内皮細胞に添加して培養し、内皮細胞に取り込まれた該CM化したタンパク質量を測定する等の公知の方法が用いられる。
【0020】
後述する実施例にも示されるように、本発明で使用するCML等は上記のような測定において生物学的な活性を示す。更に、糖尿病患者や糖尿病合併症患者の体内に存在するCML等の濃度は健常者のそれに比べて有意に高かったことから(図2参照)、本発明で使用するCML等は、臨床検査の領域において、糖尿病または糖尿病合併症のマーカーとなりうる。即ち、腎糸球体やコラーゲン等の組織、或いは尿、血液等の体液中のCML等の濃度を測定することにより、糖尿病にかかっているか否かを判断したり、糖尿病の進行度合いや糖尿病合併症発症の可能性を予測したりすることが可能となる。
【0021】
生体内のCML等の濃度(例えば、血液中や尿中のCM化タンパク質濃度)を測定する方法は特に限定されず、CML等を検出する公知の方法が任意に採用できる。検出方法を例示すれば、抗原抗体反応にて生体内のCM化タンパク質或いはCM化ペプチドを検出する方法、液体クロマトグラフィーにてCML等を検出する方法、CM化タンパク質或いはCM化ペプチドを加水分解して液体クロマトグラフィー/質量分析にてCMLを検出する方法、CM化タンパク質或いはCM化ペプチドを加水分解してガスクロマトグラフィー/質量分析にてCMLを検出する方法等が挙げられる。
【0022】
かかるCML等は糖尿病または糖尿病合併症の罹患の有無あるいはその程度等を判定、予測する診断用マーカーとして使用できる。また、糖尿病または糖尿病合併症の予防薬あるいは治療薬等の薬効の評価用マーカーとして使用できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明で使用されるCML等は糖尿病合併症の発症と進展に関与していることが明確になったので、該CML等は、臨床検査の領域において糖尿病または糖尿病合併症の新規な臨床マーカーとして使用できることが明らかとなった。このことは、糖尿病または糖尿病合併症の診断において、上記新規マーカーを利用した新たな診断システムの構築の可能性を意味するものであり、その工業的意義は大きい。
【0024】
【実施例】
以下に本発明をより具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0025】
実施例1
タンパク質の側鎖アミノ基をCM化するために、pH9に調整した1mg/mlのヒト血清アルブミン(Fraction V、シグマ社製)1mlに、pH9に調整した0.25Mのグリオキシル酸(シグマ社製)1mlを混合し、0℃で12時間放置した。その後、1mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを加え、更に12時間放置した。
【0026】
また、対象として、グリオキシル酸を添加しないこと以外は同様の方法でヒト血清アルブミンを処理した。
【0027】
上記の各処理後のヒト血清アルブミンのCM化率を、未反応アミノ基をトリニトロベンゼンスルホン酸(以下TNBSと略す)を用いて次のような方法により測定して求めた。
【0028】
即ち、前記各試料0.5mlを0.1Mの四ほう酸ナトリウムを含む0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液0.5mlに各々加えた。次いで、再結晶化し、希塩酸で洗浄した1.1MのTNBSを20μl加え、攪拌した。30分後に1.5mMの亜硫酸ナトリウムを含む98.5mMのリン酸二水素ナトリウムを2ml加えて反応を停止させ、420nmの吸光度を測定したところ、CM化ヒト血清アルブミンの吸光度は0.03であり、グリオキシル酸処理をしていないヒト血清アルブミン(対象)の吸光度は1.25であった。上記のいずれのヒト血清アルブミンも含まない系で同様の測定を行ったところ、吸光度は0.03であったので、CM化ヒト血清アルブミンのCM化率は100%であることが解った。
【0029】
かかる方法で得られたCM化ヒト血清アルブミンは、20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で4℃にて2日間透析され、未反応のグリオキシル酸や水素化シアノホウ素ナトリウムを除去した後に、血液凝固能の亢進、即ち毛細管の閉塞促進を調べるためにトロンボモジュリン活性の測定に供された。測定は、次のようにして行った。
【0030】
セミコンフルエントなヒト動脈内皮細胞(大日本製薬社製)に10μMになるように上記のCM化ヒト血清アルブミンを添加し、37℃で20時間培養した。この培養したヒト動脈内皮細胞をアール平衡塩溶液で洗浄した後、1U/mlとなるようにトロンビン、および1mg/mlとなるようにプロテインCを加え、更に37℃で15分間培養した。このヒト動脈内皮細胞を含む培養液にアンチトロンビンIIIを加え、活性化プロテインCの形成を停止した後に、リジン−プロリン−アルギニン−パラニトロアニリドから成る基質を1mMになるように添加した。5分後、および10分後の405nmの吸光度を測定し、その吸光度差を求めた。動脈内皮細胞由来のタンパク質1mg当たりの吸光度差は、後述する比較例1で求めた吸光度差を100%とすると、CM化ヒト血清アルブミンのそれは60%であった。
【0031】
このことは、CM化ヒト血清アルブミンがトロンボモジュリン活性を40%低下させることを表し、ひいては線溶能の低下、即ち血液凝固能の亢進により毛細管の閉塞を促進させることを意味する。また、後述する参考例1に示すように、参考例1で得られたAGEはトロンボモジュリン活性を80%低下させることから、本CMヒト血清アルブミンは、該AGEと同様の毛細管の閉塞促進性を有することが明らかである。
【0032】
比較例1
実施例1で作製したグリオキシル酸処理をしていないヒト血清アルブミン(対象)を実施例1と同様の方法で透析した後、実施例1と同様にしてトロンボモジュリン活性の測定を行った。このときの5分後の405nmの吸光度と10分後の405nmの吸光度の差は0.915であり、この値を100%とした。
【0033】
参考例1
0.5Mのリン酸緩衝液(pH7.4)1mlに60mgのヒト血清アルブミンと1.7Mのグルコースを加え、0.45μmのフィルターで濾過滅菌した後、37℃で3ヶ月間放置し、AGEを得た(蛍光性、褐色変化、および分子内或いは分子間架橋形成を確認している。)。実施例1においてCM化ヒト血清アルブミンの代わりに上記方法で得たAGEを用いたこと以外は、すべて同様の方法でトロンボモジュリン活性の測定を行った。
【0034】
その結果は、比較例1で求めた吸光度差を100%としたときの上記AGEのトロンボモジュリン活性に基づく吸光度差の相対比は20%であった。これは、AGEがトロンボモジュリン活性を80%低下させることを表している。
【0035】
実施例2
タンパク質であるヒトトランスフェリンの側鎖アミノ基をCM化するために、pH9に調整した1mg/mlのヒトトランスフェリン(和光純薬工業(株)社製)1mlに、pH9に調整した0.25Mのグリオキシル酸(シグマ社製)1mlを混合し、0℃で12時間放置した。その後、1mgの水素化シアノホウ素ナトリウムを加え、更に12時間放置した。また、対象として、グリオキシル酸を添加しないこと以外は同様の方法でヒトトランスフェリンを処理した。
【0036】
上記CM化ヒトトランスフェリンおよびグリオキシル酸処理をしていないヒトトランスフェリンをそれぞれ0.2mlのバイオライト(レンジpH3−10、バイオラッド社製)、3mlのグリセロールおよび6.8mlの蒸留水から成る水溶液で5倍に希釈し、各希釈液の内の10μlをそれぞれ等電点電気泳動に使用した。等電点電気泳動はpH3−10用の市販ゲル(テフコ社製)にて、陰極液に0.05Mの水酸化ナトリウム、陽極液に0.01Mのリン酸を使用して、100Vで30分、200Vで30分、500Vで60分泳動した。電気泳動の結果、CM化ヒトトランスフェリンの等電点は4.6〜4.9であり、グリオキシル酸処理をしていないヒトトランスフェリンの等電点は5.2〜5.5であった。この結果は、上記CM化処理によってヒトトランスフェリンの側鎖アミノ基にカルボキシメチル基が導入されていることを示唆している。
【0037】
かかる方法で得られたCM化ヒトトランスフェリンは、20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で4℃にて2日間透析され、未反応のグリオキシル酸や水素化シアノホウ素ナトリウムを除去した後に、単球への透過性(網膜症の発症及び進展に関与している)を測定するために、取り込み量の測定に供された。該取り込み量の測定は、次のような方法によって行った。
【0038】
マウスの単球由来の細胞株RAW264.7細胞を2×105個ずつ12穴プレートに播き、10%の牛胎児血清を含むRPMI培地で37℃にて18時間培養した。次いで培地を除去した後、リン酸緩衝液で1回洗浄し、3%のBSAを含む1mlのDMEM培地に交換した。37℃にて1時間培養した後に、125Iで標識したCM化ヒトトランスフェリンを10μMになるように添加し、更に37℃で12時間培養した。125Iで標識したCM化ヒトトランスフェリンは、2.5μgのCM化ヒトトランスフェリン10μlに0.5mCiのNa125I水溶液を5μl加え、15分間反応させて作製した。12時間の培養の後、1%BSAを含むリン酸緩衝液で3回洗浄し、更にリン酸緩衝液で3回洗浄した。次いで、0.1Mの水酸化ナトリウム1mlを加え、37℃にて1時間培養した後に細胞を剥がして、シンチレーションカウンターで放射能を測定した。マウス単球由来のタンパク質1mg当たり0.4μgのCM化ヒトトランスフェリンがマウス単球に取り込まれた。後述する比較例2に示されるように、CM化されていないヒトトランスフェリンは単球にほとんど取り込まれず、一方、CM化ヒトトランスフェリンは単球に取り込まれたことから、CM化ヒトトランスフェリンが網膜症の発症や進展に関与している単球への透過性を亢進することが明らかになった。
【0039】
また、後述する参考例2の結果から、本実施例のCM化ヒトトランスフェリンは参考例1で得られたAGEと同様、単球への透過性を亢進することが明らかである。
【0040】
比較例2
実施例2で対象として得たグリオキシル酸処理をしていないヒトトランスフェリンを実施例2と同様の方法で透析した後、実施例2と同様の方法で単球への取り込み量を測定した結果、マウス単球由来のタンパク質1mg当たりに取り込まれたヒトトランスフェリンは0.05μg以下であった。
【0041】
参考例2
実施例2でCM化ヒトトランスフェリンの代わりに参考例1で得られたAGEを用いたこと以外は、すべて同様の方法で単球への取り込み量の測定を行った。その結果、マウス単球由来のタンパク質1mg当たりに取り込まれたAGEは1.0μgであった。
【0042】
実施例3
(1) CM化タンパク質に対する抗体の作成
体重が2kg以上のウサギに、実施例1で作成したCM化ヒト血清アルブミンを抗原として以下の要領で免疫した。
【0043】
2mg/mlになるように調製した該抗原溶液0.5mlに、フロイントの完全アジュバント0.5mlを加えたものをウサギの耳静脈に注射した。その後、2週間おきに2mg/mlの該抗原0.25mlにフロイントの不完全アジュバント0.25mlを加えたものを追加免疫した。この間、CM化ヒト血清アルブミンに対する抗体が産生されたか否かを確認するために、2週間に1回ウサギの外縁耳静脈から部分採血した。6週間後、CM化ヒト血清アルブミンに対する抗体が産生されたことを酵素免疫測定(ELISA)法で確認し、全採血した。
【0044】
(2) アフィニティ精製カラムの作成
25mlのアフィゲル15(バイオラッド社製)を75mlの10mM酢酸緩衝液(pH4.5)で洗浄した後、10mg/mlのヒト血清アルブミン溶液を62.5ml加え、室温で1時間緩やかに攪拌した。次いで、未反応のヒト血清アルブミンを濾過にて除去し、1Mのエタノールアミンを30ml加え、室温で緩やかに攪拌し、未反応のN−ヒドロキシサクシイミドエステルをブロッキングした。該ヒト血清アルブミンを固定化した支持体をカラムに詰め、280nmの吸光度が0になるまでイオン交換水で洗浄した。更に、0.15Mの塩化ナトリウムを含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)でカラムを平衡化した。
【0045】
(3) CM化ヒト血清アルブミンに対する抗体のアフィニティ精製
作成したCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体を1mg/mlになるように0.15Mの塩化ナトリウムを含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)で希釈したものを、100mg程度になるように該アフィニティ精製カラムにアプライした。次いで、280nmの吸光度が0になるまで前記リン酸緩衝液を流速0.5ml/minで流した。カラムに結合しなかった抗体をCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体として回収した。280nmの吸光度が0になったところでリン酸緩衝液から0.1Mのグリシン緩衝液(pH3.0)に換え、カラムに結合している抗体を溶離させ、0.15Mの塩化ナトリウムを含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)でカラムを平衡化し、回収した抗体を再度カラムにアプライし、カラムに結合しなかった抗体を回収した。この操作を、更に1回繰り返し、ビオチン標識用の抗体に供された。
【0046】
(4) CM化ヒト血清アルブミンに対する抗体のビオチン標識
精製した抗体のビオチン標識はプロテインビオチレーションシステム(ギブコ社製)を用いて行った。
【0047】
精製したCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体を1.5mg/mlになるように0.15Mの塩化ナトリウムを含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)で希釈または濃縮した溶液に、0.05Mになるように炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)を加えた。次いで、該抗体溶液6.7mlに、説明書に従って作成した50mg/mlのCAB−NHSエステル溶液26μlを加え、室温で1時間緩やかに攪拌し、0.11Mになるように塩化アンモニウムを加えて反応を停止させた。その後、本キットに付属のカラムで抗体溶液を脱塩した。更に、キット付属のAvidin/HABAで導入されたビオチンのモル数を計算したところ、CM化ヒト血清アルブミンに対する抗体1モルに対してビオチンは14モル結合していた。
【0048】
(5) CM化ヒト血清アルブミンに対する抗体の抗原特異性
CM化ヒト血清アルブミンに対する抗体の抗原特異性は競合法ELISAにて確認した。
【0049】
1μg/mlとなるように0.15Mの塩化ナトリウムを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.4)(以下PBSと略す)で希釈したCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体に、作成したCM化ヒト血清アルブミンをそれぞれ0.1,1,10,100μg/mlとなるように添加した。この溶液を37℃で1時間放置し、CM化ヒト血清アルブミンで阻害された抗体溶液として使用した。
【0050】
CM化ヒト血清アルブミンの調製と同様の方法で、ヘモグロビン(シグマ社製)より作成したCM化ヘモグロビンを調製した。該CM化ヘモグロビンを1μg/mlのCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体溶液に、それぞれ0.1,1,10,100μg/mlとなるように添加した。この溶液を37℃で1時間放置し、CM化ヘモグロビンで阻害された抗体溶液として使用した。
【0051】
競合法ELISAを行うにあたり、作成したCM化ヒト血清アルブミンを1μg/mlとなるようにPBSで希釈した。次いで、上記希釈したCM化ヒト血清アルブミン溶液を96穴イムノプレート(NUNC社製)に1ウェル当たり100μlアプライし、37℃で1時間放置し、該CM化ヒト血清アルブミンをイムノプレートに固定した。1時間後、イムノプレートに結合していないCM化ヒト血清アルブミンを除去し、0.5%のゼラチンを含むPBSを1ウェル当たり100μlアプライし、37℃で1時間放置し、CM化ヒト血清アルブミンが結合していない部分をブロッキングした。1時間後、該ゼラチン溶液を除去し、PBSで3回洗浄した後、上記濃度のCM化ヒト血清アルブミンで阻害された抗体溶液、又は上記濃度のCM化ヘモグロビンで阻害された抗体溶液を1ウェル当たり100μlアプライし、37℃で1時間放置した。その後、PBSで3回洗浄し、1μg/mlのアルカリホスファターゼで標識された抗ウサギIgG抗体溶液(コスモバイオ社製)を1ウェル当たり100μlアプライし、37℃で1時間放置した。更に、PBSで3回洗浄し、アルカリホスファターゼ基質キット(バイオラッド社製)を用いて能書に従い調製した基質溶液を1ウェル当たり100μlアプライした。室温で5分間放置した後、0.4Mの水酸化ナトリウム溶液を1ウェル当たり100μl加え、アルカリホスファターゼの反応を停止させ、405nmの吸光度を測定した。その結果を表1および図1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
この結果から、作成したCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体は、CM化ヒト血清アルブミンのみならず、CM化ヘモグロビンでもCM化ヒト血清アルブミンとCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体の抗原抗体反応が阻害されたことから、CM化ヘモグロビンとも反応性を示すことが示唆された。
【0054】
(6) 糖尿病患者由来血液中のCM化ヘモグロビンの測定
合併症を発症していない糖尿病患者15人よりEDTA−2Kを含む真空採血管にて採血した血液50μlを、250μlの生理食塩水で1回洗浄した後、1mlの精製水を加え溶血させたものを被検体とした。該患者の平均年齢は55.7歳であった。
【0055】
被検体中のCM化ヘモグロビンの測定はドットブロッティング法にて行った。ヘモグロビン濃度をシアンメトヘモグロビン法にて測定した後、該ヘモグロビンが500ngとなるようにドットブロッティング装置(バイオラッド社製)を用いてPVDF膜(バイオラッド社製)に吸着させた。該膜を10%のスキムミルクを含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)に室温で1時間浸せきし、該膜を取り出し、前記ビオチン標識した1μg/mlのCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体溶液を5ml加えた。室温で1時間のインキュベーションの後に、0.05%のTween20を含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)50mlで該膜を3回洗浄した。次いで、該膜にアビジン−ペルオキシダーゼ標識ビオチン複合体溶液(ベクタステインABCキット:フナコシ社製)を5ml加え、室温で1時間のインキュベーションした。0.05%のTween20を含む20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)50mlで該膜を3回洗浄した後、ECLウエスタンブロッティング検出試薬(アマシャム社製)を2ml加えた。該膜における発光強度の検出は、バイオラッドGS−363モレキュラーイメージャーを用いて行った。
【0056】
対象として市販のヘモグロビン(シグマ社製)を被検体として上記と同様の方法にてCM化ヘモグロビンの測定を行った。その結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
また、上記市販ヘモグロビンの発光強度を1として、上記糖尿病患者由来のヘモグロビンの発光強度を、被検体1つが白抜きの丸1つに対応するように図2にプロットした。
【0059】
実施例4
実施例3で糖尿病患者由来血液の代わりに、糖尿病の他に腎症または網膜症を併発している糖尿病合併症患者12人から得た血液を被検体としたこと以外は、実施例3の方法に従って被検体中のCM化ヘモグロビンの測定を行った。その結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
上記患者の平均年齢は56.5歳であった。実施例3と同様、上記市販ヘモグロビンの発光強度を1として、上記糖尿病合併症患者由来のヘモグロビンの発光強度を、被検体1つが白抜きの丸1つに対応するように図2にプロットした。
【0062】
比較例3
実施例3で糖尿病患者由来血液の代わりに、糖尿病ではない健常者47人から得た血液を被検体としたこと以外は、実施例3の方法に従って被検体中のCM化ヘモグロビンの測定を行った。その結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
健常者の平均年齢は52.3歳であった。実施例3と同様、上記市販ヘモグロビンの発光強度を1として、上記健常者由来のヘモグロビンの発光強度を、被検体1つが白抜きの丸1つに対応するように図2にプロットした。
【0065】
健常者群と実施例3で測定した糖尿病患者群の発光強度を統計学的に比較(t検定)したところ、危険率5%未満で、糖尿病患者群の発光強度の方が健常者群の発光強度に比べて有意に高かった。このことは、糖尿病患者由来の血液中には、健常者由来の血液中よりも、有意にCM化ヘモグロビンが多いことを意味する。
【0066】
また、健常者群と実施例4で測定した糖尿病合併症患者群の発光強度をt検定にて比較したところ、危険率5%未満で、糖尿病合併症患者群の発光強度の方が健常者群の発光強度に比べて有意に高かった。このことは、糖尿病合併症患者由来の血液中には、健常者由来の血液中よりも、有意にCM化ヘモグロビンが多いことを意味する。
【0067】
上記の結果からも、CML等が糖尿病または糖尿病合併症用マーカーとしての使用が有効であることが明確になった。
【0068】
更に、実施例3で測定した糖尿病患者群の発光強度と実施例4で測定した糖尿病合併症患者群の発光強度をt検定にて比較したところ、危険率5%未満で、糖尿病合併症患者群の発光強度の方が健常者群の発光強度に比べて有意に高かった。このことからも、CML等が糖尿病の進行度合いや糖尿病合併症発症の可能性を判断する臨床マーカーとしても使用できることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本図は、作成したCM化ヒト血清アルブミンに対する抗体の抗原特異性を競合法ELISAにて調べた結果で、縦軸が405nmの吸光度、横軸が各阻害剤の添加量である。
【図2】本図は、健常者と糖尿病患者、および糖尿病合併症患者の血液中のCM化ヘモグロビン濃度との関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 構成するアミノ酸単位の少なくとも一部の側鎖アミノ基がカルボキシメチル化されたカルボキシメチル化ヘモグロビンの糖尿病もしくは糖尿病合併症用マーカーとしての使用。
- マーカーが、診断用もしくは薬効評価用マーカーである請求項1記載の使用。
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