JP2002243732A - 新規な抗体及び該抗体を含む免疫試薬 - Google Patents

新規な抗体及び該抗体を含む免疫試薬

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JP2002243732A
JP2002243732A JP2001040485A JP2001040485A JP2002243732A JP 2002243732 A JP2002243732 A JP 2002243732A JP 2001040485 A JP2001040485 A JP 2001040485A JP 2001040485 A JP2001040485 A JP 2001040485A JP 2002243732 A JP2002243732 A JP 2002243732A
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克昌 飯嶋
Shinkichi Irie
伸吉 入江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 N-カルボキシメチルアルギニン(CMA)また
はCMA残基を有するペプチド若しくはタンパク質を簡便
に検出するための抗体、該抗体を含む免疫試薬を提供す
る。 【解決手段】 N-カルボキシメチルアルギニンまたは
N-カルボキシメチルアルギニン残基を有するペプチドも
しくはタンパク質に対する抗体。N-カルボキシメチルア
ルギニンまたはN-カルボキシメチルアルギニン残基を有
するペプチドもしくはタンパク質に対する抗体を含む免
疫試薬。CMAを含むタンパク質を免疫原として抗体を得
る。得られた抗体分子を抗CMA抗体とするか、あるいは
得られた抗体を酵素処理して得られる活性フラグメント
を抗CMA抗体として、免疫試薬を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N-カルボキシメチ
ルアルギニンに対する抗体、またはN-カルボキシメチル
アルギニン残基を有するペプチドもしくはタンパク質に
対する抗体及び該抗体を含む免疫試薬、特に結合組織グ
リケーションマーカーであるN-カルボキシメチルアルギ
ニンを検出する免疫試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】生体組織中のタンパク質は、グルコース
などの還元糖やアスコルビン酸、またはジカルボニル化
合物などによって非酵素的に修飾を受ける。該反応はグ
リケーション(非酵素的糖化)またはメイラード反応と
呼ばれ、高血糖状態、酸化ストレスの発生や老化に伴っ
て生じ、その反応生成物が生体内に蓄積する。グリケー
ション反応生成物は、糖尿病合併症、腎不全、神経変性
疾患などの高血糖状態や酸化ストレスの発生が誘発する
病態や老化の進行に寄与している可能性が指摘されてい
る。したがって、グリケーション反応生成物を測定する
技術は、これらの病態や老化の研究を進める上で重要で
ある。
【0003】また、臨床分野に於いてグリケーション反
応生成物は、前述した疾患の発生、進行または治癒過程
の評価指標(マーカー)としても有用である。カルボキ
シメチルリジン(以下「CML」と略することがある)ま
たはカルボキシメチル化されたタンパク質もしくはペプ
チドを糖尿病もしくは糖尿病合併症用マーカーとして使
用することが、特開平9-178740号公報に、そして、CML
またはカルボキシメチル化されたタンパク質もしくはペ
プチドに対する抗体がCML等を測定できる免疫試薬とし
て使用できることが特開平9-257792号公報に開示されて
いる。
【0004】しかし、上記特許公報では、カルボキシメ
チル化を受けるアミノ酸をリジンと特定しており、これ
らの公報に記載の発明はCMLを検出する方法に関する発
明である。さらに、CMLは組織特異性はなく生体中で普
遍的に存在するためにグリケーションの起きている組織
を特定するのは困難である。したがって、組織特異的な
グリケーション生成物こそがグリケーションマーカーと
して有用である。かかる観点から、本発明者等は、先
に、代謝回転の遅い結合組織タンパク質、特にコラーゲ
ンに特異的なグリケーション生成物、すなわち、コラー
ゲンまたはその変性物もしくは加水分解物の少なくとも
一つのアルギニン残基のグアニジル基がカルボキシメチ
ル化されたグリケーション生成物を見出した。当該知見
に基づき、本出願人は、結合組織タンパク質に特異的な
グリケーションのマーカーとして有用な新規化合物であ
る下記式:
【0005】
【化1】
【0006】を有するN−ω−カルボキシメチルアルギ
ニン(以下「CMA」と略することがある)について特許
出願をした(平成11年特許願278824号)。しか
し、現在のところ、CMAを特異的に認識する抗体に関す
る報告はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、CMAを特異的に認識する抗体を提供することに
ある。
【0008】また、本発明の目的は、CMAまたはCMA残基
を有するペプチドもしくはタンパク質に対する抗体を提
供することにある。さらに、本発明の目的は、上記抗体
を含む免疫試薬、特に結合組織グリケーションマーカー
であるCMAを検出する免疫試薬を提供することにある。
【0009】さらにまた本発明の目的は、CMAまたはCMA
残基を有するペプチドもしくはタンパク質を簡便に検出
できる免疫分析用キットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、CMAを含むタンパク
質、例えばグルコースでグリケーションさせたコラーゲ
ンやCMAを化学架橋剤で結合させたアルブミン等を免疫
原として抗体を作製すれば、CMAを特異的に認識する抗
体が得られることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明は、CMAまたはCMA残基を
有するペプチドもしくはタンパク質に対する抗体にあ
る。さらに、本発明は、N-カルボキシメチルアルギニン
またはN-カルボキシメチルアルギニン残基を有するペプ
チドもしくはタンパク質に対する抗体を含む免疫試薬に
ある。
【0012】また、本発明は、N-カルボキシメチルアル
ギニンまたはN-カルボキシメチルアルギニン残基を有す
るペプチドもしくはタンパク質に対する抗体を含む免疫
分析用試薬キットにある。
【0013】本発明の抗体を調製するための抗原、すな
わち免疫原は、その構造中にCMA残基を有する適当な分
子量以上の大きさの物質(例えば、蛋白質、多糖体、脂
質抗原等)であれば良い。例えば、CMAをヘモシアニ
ン、アルブミン等の担体物質に結合させたものや、中性
リン酸緩衝液中においてグルコースと共に37℃に保つこ
とによってグリケーションを起こさせたコラーゲンなど
を免疫原として挙げることができる。CMAの担体物質へ
の結合には、通常、当業界で知られている方法が何ら制
限なく用いられ、例えば、ビスイミドエステル架橋試薬
やカルボジイミド架橋試薬を用いる結合方法などを好ま
しく挙げることができる。ここで CMAは、例えば、ア
セチルアルギニンをヨード酢酸等とNaOH存在下で反応さ
せた後、同量のHClを添加して加熱し、保護基であるア
セチル基を外すことによるか、アルギニン塩酸塩とグリ
オキサール溶液とをNaOH水溶液に溶解して反応させるこ
とによる等によって製造することができる。
【0014】上記で得られた免疫原を当業界で公知の抗
体製造方法に従って動物に免疫することで、本発明の抗
体を得ることができる。すなわち、免疫原を必要に応じ
てアジュバントと混合し、マウス、ラット、ウサギ、モ
ルモット、ヒツジ等、通常、抗体製造に用いられる動物
の腹腔内等に投与する。免疫した動物から血液を採取
し、血清を調製する。得られた抗血清を、CMAを固定化
したビーズ等を用いたアフィニティークロマトグラフィ
ーに付し、CMAを特異的に認識する抗体画分を精製す
る。あるいは、イオン交換クロマトグラフィー等によっ
てイムノグロブリン画分を精製しても良い。また免疫し
た動物の、脾細胞やリンパ節細胞等の抗体産生細胞を採
取し、常法によってミエローマ細胞等と融合して作製し
たハイブリドーマから、CMAを特異的に認識するモノク
ローナル抗体を得ることができる。上述の方法で得られ
た抗体をそのまま用いても、あるいはアフィニティクロ
マトグラフィー等で精製して用いてもよい。
【0015】上述のようにして得られる抗体は、該抗体
分子自体を抗CMA抗体として用いることができ、或いは
これらの抗体を酵素処理して得られるFab、Fab'、F(a
b')2といった抗体の活性フラグメント(抗体の抗原認識
部位を含む部分)を抗CMA抗体として使用しても良い。
【0016】上記で得られた抗CMA抗体は、N-カルボキ
シメチルアルギニンまたはN-カルボキシメチルアルギニ
ン残基を有するペプチドもしくはタンパク質を検出・定
量するための免疫試薬として使用できる。すなわち、本
発明の免疫試薬を用いて、グリケーションさせたタンパ
ク質あるいは生体組織や血液、尿またはこれらの分解物
に対して、それ自体公知の通常用いられるイムノアッセ
イ、例えば抗体組織染色法、ウェスタンブロット法、サ
ンドイッチ法、競合法等により反応せしめて、抗原-抗
体反応の程度を検出し、試料中のCMAの存在または濃度
を測定することができる。
【0017】上記イムノアッセイに用いる抗体、あるい
は抗原であるCMAおよびCMA残基を有するペプチド、タン
パク質のいずれか一方を適当な標識物質により標識して
も、固相に結合しても良い。ここで、標識物質として
は、たとえばペルオキシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ等の酵素、[125I]等の放射性物質、フルオレセン等
の蛍光性物質、アクリジニウム誘導体等の化学発光物
質、ジゴキシン、ビオチン等が挙げられ、固相として
は、例えばガラスビーズ等のガラス、プラスチックビー
ズ等のプラスチック、ラテックス粒子等が挙げられる。
抗原-抗体反応の程度は、それ自体公知の通常用いられ
るラジオイムノアッセイ(RIA)、ラテックス粒子イムノ
アッセイ(LPIA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA)、蛍
光イムノアッセイ(FIA)、化学発光イムノアッセイ(CLI
A)等で検出することができる。
【0018】また本発明によれば、上記免疫反応及び検
出工程等を含むCMAの存在または濃度を測定するための
イムノアッセイに用いる免疫分析用試薬キットが提供さ
れる。この免疫分析用試薬キットは、本発明の抗体をキ
ットの構成試薬の1つとして含有することを特徴とし、
キットの他の試薬構成は採用した測定法によって異なる
ことができる。例えば、本発明の抗体と、選択した測定
法に適した試料希釈液、洗浄液、標識抗体または標識抗
原、色素、標準CMA等とを組み合わせることができる。
該免疫分析用試薬キットは、それ自体公知の通常用いら
れる方法により調製できる。
【0019】
【実施例】以下に本発明をより具体的に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。
【0020】(実施例1) 抗CMA抗体の調製とコラー
ゲンのグリケーションに伴うCMA量の経時的変化の抗CMA
抗体による測定 (1)抗原の調製 牛皮より抽出したコラーゲン10 mgを360 mgのグルコー
ス(和光純薬社製)と共に、pH 7.4の0.15 Mの塩化ナトリ
ウムを含む9.57 mMのリン酸緩衝液(以下PBSと略す)中
で37 ℃に一ヶ月保持し、グリケーション反応を行っ
た。得られたコラーゲングリケーション生成物を、ブタ
腎臓由来アミノペプチダーゼ[Bensusan,H.B.等、Bioch
im. Biophys. Acta, 251, 100 - 108, (1971)]を用い
て加水分解させ、グリケーションを起こしているアミノ
酸を分析したところN−ω−カルボキシメチルアルギニ
ン(CMA)であることが確認された。アミノ酸分析(日
立、L-8500型アミノ酸分析機)によりCMA蓄積量を測定
すると7.5モル/モルコラーゲンだった。前記のよう
にして得たグリケーションコラーゲンを以下のようにし
てウサギに免疫した。 (2)抗原の免疫 常法により、10 mg/mlになるようにして調製した抗原溶
液0.3 mlに、フロイントの完全アジュバント0.6 mlを加
えて、ウサギの背中皮膚に注射した。その後、3週間お
きに10 mg/ml抗原溶液0.3 mlにフロイントの不完全アジ
ュバント0.6 mlを加えたものを追加免疫した。この間、
目的の抗体が産生されたか否かを確認するために、免疫
後2週間目毎にウサギの外縁耳静脈から部分採血した。
9週間後、グリケーションコラーゲンおよびCMAに対する
抗体が産生されたことを酵素免疫測定(ELISA)法で確認
し、全採血した。 (3)IgG(イムノグロブリンG)画分の精製 アフィニティークロマトグラフィー抗体精製用キット
(ファルマシア社製MAbTrap(登録商標) GII キット)を
使用し、当該キットの所定の方法により上記で採血した
血液の血清中のIgG画分を精製した。 (4)CMAの調製 アルギニン塩酸塩(和光純薬社製、試薬特級)525 mg
(2.5ミリモル)と40 %グリオキサール溶液(和光純薬
社製、化学用)0.5 ml(4.5ミリモル)を25 mlの1N 水
酸化ナトリウムに溶解し、60℃に30分保持した。この反
応で生成したCMAを陽イオン交換樹脂カラム(日立製作
所社製、#2622SC充填カラム)に供し、ナトリウムイ
オン勾配により、目的のCMA画分を精製した。 (5)CMA-BSAの調製 上記方法により精製したCMA 1 mgとウシ血清アルブミン
(フナコシ薬品社製)(以下BSAと略す)1 mgとを1 ml
の水に溶解し、スベリミジン酸ジメチル(東京化成社
製)10 mg/mlを0.05 ml添加して、室温で3時間撹拌する
ことによりCMAをBSAに結合させた。得られたCMA-BSAをP
BSに対して透析し、未反応のスベリミジン酸ジメチルを
除去した。 (6)アフィニティ精製カラムの作成 1.6 mlのリガンド固定化用アフィニィティークロマトグ
ラフィー用担体(ファルマシア社製、EAH-セファロース
ゲル)に、上記CMA-BSAの水溶液(6 mg/ml)を2 ml加
え、更に20 mgの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド(同仁化学社製水溶性カルボジイミ
ド:WSC)を添加して、室温で2時間緩やかに攪拌した。
該CMA-BSA固定化ゲルを5 ml容のカラムに詰め、0.5 Mの
塩化ナトリウムを含む0.1 M酢酸ナトリウム緩衝液(pH
4.0)を30 ml流し、次いで0.5 Mの塩化ナトリウムを含む
0.1 Mのトリス-塩酸緩衝液(pH 8.0)を30 ml流して洗っ
た。更に、PBSを80 ml流してカラムを平衡化した。 (7)抗CMA抗体の調製 上記(3)で精製した免疫ウサギ血清のIgG画分0.5 ml
を上記(6)で作成したアフィニティ精製カラムに供
し、PBSを280 nmの吸光度が0になるまで流して洗浄し
た。続いて0.2 Mグリシン-塩酸緩衝液(pH 2.3)を流して
結合している抗体を溶離させた。回収した抗体溶液は、
ただちに1Mトリス-塩酸緩衝液(pH 9.0)で中和した後、P
BSに対して一晩透析した。このようにして抗CMA抗体溶
液を調製した。 (8)CMA量の経時的変化の測定 上記(7)で調製した抗CMA抗体溶液を用いて、下記表
1に示すグリケーションモデルコラーゲンにおけるCMA
量の経時的変化をELISAにより測定した。
【0021】
【表1】
【0022】上記グリケーションモデルコラーゲンを、
インキュベート日数毎に、それぞれコラーゲン濃度が10
μg/mlになるように1N 水酸化ナトリウムで溶解した
後、96穴イムノプレート(ヌンク社製)に1ウェル当たり
0.1 ml注ぎ、室温で1時間放置することによってイムノ
プレートに固定した。1時間後、溶液を除去し、1% BSA
を含むブロッキング液を1ウェル当たり100 μl注ぎ、
室温で1時間放置し、ブロッキングした。ブロッキング
液は、0.2 Mの塩化ナトリウムを含む0.05 M トリス-塩
酸緩衝液(pH 7.4)(以下TBSと略す)で調製した。1時
間後、該ブロッキング液を除去し、IgG濃度が1 μg/ml
となるように0.1%のTween20(和光純薬社製)を含むTBSで
希釈した抗CMA抗体溶液を1ウェル当たり0.1 ml注ぎ、
室温で1時間半放置した。その後、0.1%のTween20を含
むTBSで3回洗浄し、I μg/mlのペルオキシダーゼで標
識された抗ウサギIgG抗体溶液(カッペル社製)を1ウ
ェル当たり100 μl注ぎ、室温で1時間放置した。更
に、0.1%のTween20を含むTBSで3回洗浄し、ペルオキシ
ダーゼ用発色基質キット(ベーリンガーマンハイム社製A
BTSキット)を用いて、当該キット所定の方法に従い基
質溶液を調製した。得られた基質溶液を1ウェル当たり
100 μl注いだ。室温で15分間放置した後、2 %のシュウ
酸溶液を1ウェル当たり50 μl加え、ペルオキシダーゼ
の反応を停止させ、415nmの吸光度を測定した。結果を
下記表2に示す。別にアミノ酸分析機(日立社製、L-85
00型)を用いて測定したCMA濃度を比較のため付記し
た。
【0023】
【表2】
【0024】上記表2に示す結果より、グリケーション
コラーゲンにおけるCMAの経時的蓄積量変化を本発明の
抗体により測定できることが確認された。 (実施例2) CMAに対する特異性の確認 (1)N-カルボキシメチルリジン(CML)の調製 N-α-アセチルリジン(アルドリッチ社製)0.2 g(1ミ
リモル)とグリオキシル酸一水和物(和光純薬社製)0.
1 g(1ミリモル)とを10 mlの0.2M リン酸ナトリウム緩
衝液(pH 8.0)に溶解し、シアノトリヒドロホウ酸ナトリ
ウム(和光純薬社製)0.1 gを加えて、一晩5℃に保持し
た。この反応で生成したCMLを陽イオン交換樹脂カラム
(日立製作所社製、#2622SC充填カラム)に供し、ナ
トリウムイオン勾配により、目的のCML画分を精製し
た。 (2)CMAに対する抗体の抗原特異性の確認 抗CMA抗体溶液の抗原特異性を競合法ELISAにて確認し
た。
【0025】IgG濃度が1μg/mlとなるように0.1%のTwee
n20(和光純薬社製)を含むTBSで希釈した抗CMA抗体溶
液に、CMAをそれぞれ0.1μg/ml、1μg/ml、10μg/ml、1
00 μg/mlとなるように添加した。得られた溶液を室温
で1時間放置し、CMAで阻害された抗体溶液として使用
した。
【0026】同様に、IgG濃度が1μg/mlとなるように
0.1%のTween20(和光純薬社製)を含むTBSで希釈した抗
CMA抗体溶液に、CMLをそれぞれ0.1μg/ml、1μg/ml、10
μg/ml、100 μg/mlとなるように添加した。得られた溶
液を室温で1時間放置し、CMLで阻害された抗体溶液と
して使用した。
【0027】競合法ELISAを行うにあたり、CMA-BSAまた
はグリケーションコラーゲンを10μg/mlとなるように0.
05 M炭酸ナトリウム緩衝液(pH 9.6)で希釈し、希釈溶液
を得た。次いで、得られた希釈溶液を96穴イムノプレー
ト(NUNC社製)に1ウェル当たり0.1 ml注ぎ、室温で1時
間放置し、CMA-BSAまたはグリケーションコラーゲンを
イムノプレートに固定した。1時間後、溶液を除去し、
実施例1で用いたブロッキング液を1ウェル当たり100
μl注ぎ、室温で1時間放置し、ブロッキングした。1
時間後、該ブロッキング液を除去し、0.1%のTween20を
含むTBSで3回洗浄した後、上記濃度のCMAで阻害された
抗体溶液、又は上記濃度のCMLで阻害された抗体溶液を
1ウェル当たり100 μl注ぎ、室温で1時間半放置し
た。その後、実施例1と同様に処理し、415 nmの吸光度
を測定した。結果を図1に示す。図1から、本発明の抗
体の抗原抗体反応が、CMLでは阻害されず、CMAのみによ
り阻害されたことがわかる。このことから、本発明の抗
体は、CMLと交差反応せず、CMAに対して特異的な抗体で
あることが確認できた。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、CMAまたはCMA残基を有
するペプチドもしくはタンパク質と特異的に反応し、CM
Lとは反応しない抗体が提供される。
【0029】本発明の抗体は、代謝回転の遅い結合組織
タンパク質のグリケーション生成物中に存在するCMAの
検出に応用できる。CMAの簡便な測定は、様々な疾病の
原因である可能性が示唆されているグリケーションの研
究を進める上で有用である。
【0030】また結合組織特異的なグリケーションマー
カーであるCMAを測定できる免疫試薬は、グリケーショ
ンの関与する糖尿病合併症等の疾病における、結合組織
異常診断を行う等の臨床検査上有用な手段を提供するも
のであり、その工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、調製した抗CMA抗体の抗原特異性を競
合法ELISAにて調べた結果を示す図である。図中、縦軸
は415 nmにおける吸光度、横軸は各阻害剤の添加量を示
す)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B064 AG27 CA10 CA20 CC01 CC24 CE12 DA13 4H045 AA11 AA30 CA40 DA75 EA50 FA71 GA26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N-カルボキシメチルアルギニンまたはN-
    カルボキシメチルアルギニン残基を有するペプチドもし
    くはタンパク質に対する抗体。
  2. 【請求項2】 N-カルボキシメチルアルギニンまたはN-
    カルボキシメチルアルギニン残基を有するペプチドもし
    くはタンパク質に対する抗体を含む免疫試薬。
  3. 【請求項3】 N-カルボキシメチルアルギニンまたはN-
    カルボキシメチルアルギニン残基を有するペプチドもし
    くはタンパク質に対する抗体を含む免疫分析用試薬キッ
    ト。
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