JPWO2004009640A1 - 抗菌性ペプチドに対する抗体及びその利用 - Google Patents

抗菌性ペプチドに対する抗体及びその利用 Download PDF

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Abstract

「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に結合する抗体、ならびに該抗体等を用いることを特徴とする、検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定方法および細菌性肺炎の検出方法。

Description

本発明は、ヒト由来のCAP18(Cationic antimicrobial protein of 18kDa;抗菌性タンパク質)に存在する特定のアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体、並びにこれを用いたCAP18等の測定方法及び測定キットに関するものである。
特表平8−504085号公報(WO94/02589)には、ヒト由来のCAP18のシグナルペプチド部分を含む全アミノ酸配列が記載されている。
「ミノファーゲン・メディカル・レビュー(MINOPHAGEN MEDICAL REVIEW)」第43巻,第1号,pp1−15(1998)には、ヒト由来のCAP18の全アミノ酸配列が記載されている。またヒト由来のCAP18のC末端領域の34、32、30、27、24又は22アミノ酸残基からなる部分ペプチドも記載されている。
「現代医療」第28巻(増刊III)pp2367−2375(1996)には、ヒト由来のCAP18の全アミノ酸配列が記載されている。またヒト由来のCAP18のC末端領域の34、30、27、24又は22アミノ酸残基からなる部分ペプチドも記載されている。
SHOCK;From Molecular and Cellular Level to Whole Body(Proceedings of the Third International Shock Congress−Shock’95,Hamamatsu,Japan,21−23 October(1995)),Okada,K.,Ogata,H.eds.Elsevier Science B.V.pp109−115(1996)には、ヒト由来のCAP18の全アミノ酸配列が記載されている。またヒト由来のCAP18のC末端領域の34、30、27又は24アミノ酸残基からなる部分ペプチドも記載されている。またこれらペプチドのリポ多糖体(LPS)への結合活性についてのデータが記載されている。
Bacterial Endotoxins;Lipopolysaccharides From Genes to Therapy,Levin,J.,Alving,C.R,Munford,R.S.,Redl,H.eds.Wiley−Liss,Inc,New York,pp317−326(1995)には、ヒト由来のCAP18のC末端領域の37又は32アミノ酸残基からなる部分ペプチドが記載されている。
しかし、CAP18の部分ペプチド(配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド)に結合する抗体については記載も示唆もない。またこの抗体を用いて、CAP18をはじめとする「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を測定する方法や、そのためのキット等についての記載も示唆もない。
CAP18に特徴的なペプチドに結合する抗体が得られれば、CAP18の検出や測定のツールとしても利用することができる。しかもその抗体は均質性や再現性が高く、さらに大量かつ永続的に生産させうるものであることから、製造コストを大幅に低減させることもできる。
またこの抗体を利用したCAP18等の測定方法や測定キットが提供されれば、CAP18等が関連する疾患の研究用試薬や診断薬等に応用することもでき、さらにこのような疾患のモニタリング等にも応用できる可能性がある。
本発明は、「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に結合する抗体(以下、本発明抗体という)を提供する。
本発明抗体は「配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に特異的に結合するものが好ましく、この抗体はモノクローナル抗体であることが好ましい。またこの抗体は、免疫グロブリンサブクラスがIgG1であるものが好ましい。
また本発明抗体は「配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に特異的に結合するものが好ましく、この抗体はポリクローナル抗体であるものが好ましい。
また本発明は、「本発明抗体」を用いることを特徴とする、検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定方法(以下、本発明方法という)を提供する。
本発明方法は、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程(以下、本発明方法1という)によって行われることが好ましい。
(a)固相と検体を接触させ、検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を固相に固着させる工程。
(b)工程(a)で固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を、本発明抗体を用いて検出する工程。
本発明方法1で用いる「本発明抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。また、固相に固着された「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の検出は、さらに「本発明抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることも好ましい。
また本発明方法は、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程(以下、本発明方法2という)によって行われることが好ましい。
(a)「本発明抗体(第1抗体)が固着された固相」、「検体」及び「本発明抗体(第2抗体)」を接触させ、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−第2抗体」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
(b)工程(a)において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。
この方法は、下記(a)〜(c)の工程を少なくとも含む工程によって行われることがより好ましい。
(a)「本発明抗体(第1抗体)が固着された固相」に検体を接触させて、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」からなる複合体を形成させる工程。
(b)前記固相に、「本発明抗体(第2抗体)」を接触させ、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−第2抗体」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
(c)工程(b)において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。
本発明方法2で用いる「第2抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。また、本発明方法2における複合体の検出は、「第2抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることも好ましい。
また本発明方法は、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程(以下、本発明方法3という)によって行われることも好ましい。
(a)「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」、「検体」及び「本発明抗体」を接触させ、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体及び「検体中の『配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド』−本発明抗体」からなる複合体を形成させる工程。
(b)工程(a)において形成された「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体及び「検体中の『配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド』−本発明抗体」からなる複合体の少なくともいずれか一方を検出する工程。
この方法は、下記(a)〜(c)の工程を少なくとも含む工程によって行われることがより好ましい。
(a)検体と「本発明抗体」を接触させて、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−本発明抗体」からなる複合体Aを形成させる工程。
(b)「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」に、工程(a)によって得られた「『複合体A』と『複合体Aを形成しなかった本発明抗体』とを含有する混合物」を接触させ、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体を形成させる工程。
(c)工程(b)において形成された複合体を検出する工程。
本発明方法3で用いる「本発明抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。また、本発明方法3における複合体の検出は、「本発明抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることも好ましい。
本発明方法に付される「検体」は、体液であることが好ましい。
また本発明は、下記の構成成分(A)及び(B)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キット(以下、本発明キット1という)を提供する。
(A)固相
(B)本発明抗体
本発明キット1で用いる「本発明抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。
また本発明は、下記の構成成分(A)及び(B)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キット(以下、本発明キット2という)を提供する。
(A)本発明抗体(第1抗体)が固着された固相
(B)本発明抗体(第2抗体)
本発明キット2で用いる「第2抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。
また本発明は、下記の構成成分(A)、(B)及び(C)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キット(以下、本発明キット3という)を提供する。
(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相
(B)本発明抗体
(C)本発明抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの
また本発明は「本発明抗体」又は「CAP18に特異的に結合する抗体」によって検出されることができる検体中の抗原を測定し、その結果から検体を採取した患者の細菌性肺炎を検出することを特徴とする細菌性肺炎の検出方法(以下、本発明検出方法という)を提供する。
本発明検出方法は、検体中の抗原が、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」、「配列番号2で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」、「配列番号3で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」及びCAP18からなる群から選択される抗原であることが好ましい。
また、本発明検出方法は、測定が「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体」、「配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗体」、「配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗体」及び「CAP18に特異的に結合する抗体」からなる群から選択される抗体を用いて、免疫学的に行われることが好ましい。
また、本発明検出方法は、細菌性肺炎の検出が、細菌性肺炎の罹患の有無、程度、種類の評価、またはモニタリングであることが好ましい。
また、本発明検出方法は、測定が上記本発明方法で行われることが好ましい。
本発明は、「本発明の抗体」を含む細菌性肺炎の診断キット(以下、本発明診断キットという)を提供する。
また、本発明診断キットは、本発明キット1〜3のいずれか1つからなるキットであることが好ましい。
本発明は、「本発明の抗体」を有効成分として含む細菌性肺炎の診断薬(以下、本発明診断薬という)を提供する。
第1図は、モノクロナール抗体Toyo6E3による細胞の免疫染色像を示す写真である(生物の形態)。
第2図は、直接ELISA法によるペプチドの検出・定量結果を示す図である。
第3図は、間接ELISA法(サンドイッチ法)によるCAP18の検出・定量結果を示す図である。
第4図は、ウェスタンブロット法による細胞抽出液中のCAP18の検出結果を示す写真である。
第5図は、免疫沈降による血清中のCAP18の検出結果を示す写真である。
第6図は、fMLP刺激したヒト好中球からのCAP18の放出を、ELISAで検出・定量した結果を示す図(A、B)及び写真(C)である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体を提供するに至った。さらに、この抗体を用いてCAP18をはじめとする「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定方法及びその測定キットを提供するに至り、本発明を完成した。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
<1>本発明抗体
ヒト由来のCAP18のシグナルペプチド部分を含む全アミノ酸配列は配列番号4に示される。シグナルペプチド部分は、配列番号4の−30番目から−1番目のアミノ酸に対応する。
本発明抗体は、「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に結合する抗体である。配列番号1で示されるアミノ酸配列は、配列番号4の109番目から135番目のアミノ酸に対応する。
本発明抗体は、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド(配列番号1のペプチド自体)又はその部分ペプチド(以下、これらを抗原ペプチドともいう)を抗原として、通常の抗体の製造方法によって取得することができる。
部分ペプチドとしては、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチドや、配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるペプチドを挙げることができる。配列番号2で示されるアミノ酸配列は、配列番号4の118番目から135番目のアミノ酸に対応し、配列番号3で示されるアミノ酸配列は、配列番号4の109番目から117番目のアミノ酸に対応する。
このような抗原ペプチドは、その配列に基づいてペプチドの公知の化学合成法(例えば液相合成法や固相合成法等;泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典、「ペプチド合成の基礎と実験」1985、丸善(株)参照)により製造することができる。
またこの抗原ペプチドのアミノ酸配列に対応するポリヌクレオチド(DNAあるいはRNA)を製造し、当該ポリヌクレオチドを用いた遺伝子工学的手法により製造することもできる。
なお、「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に結合する抗体が取得できる限りにおいて、抗原ペプチドとして、CAP18をはじめとする「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を用いてもよい。この場合、「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」以外のペプチドに結合する抗体も取得されうることから、「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」を用いてこれに結合する抗体を選別すればよい。
製造した抗原ペプチドは、タンパク質化学の分野において一般に知られているタンパク質の単離、精製方法によって精製することができる。具体的には、例えば抽出、再結晶、硫酸アンモニウム(硫安)や硫酸ナトリウム等による塩析、遠心分離、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過法、ゲル浸透クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動法、向流分配等や、これらの組合せ等の処理操作が挙げられる。
製造された抗原ペプチドのアミノ酸配列を、公知のアミノ酸配列決定法(例えばエドマン分解法等)により決定し、抗原ペプチドが正しく製造されたか否かを確認することができる。
なお、抗原として配列番号1、配列番号2又は配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるペプチドのような比較的低分子量のペプチドを用いる場合には、これにヘモシアニン、オボアルブミン、γグロブリン等の担体を結合させたものを抗原として用いることが好ましい。
本発明抗体は、モノクローナル抗体であってもよく、ポリクローナル抗体であってもよい。本発明抗体の製造は、モノクローナル抗体とするかポリクローナル抗体とするかによって、以下の通り行うことができる。
モノクローナルな本発明抗体は、前記の抗原ペプチドを用いて、KohlerとMilsteinの方法(Nature,256,495−497(1975))によって製造することができる。
例えば抗原ペプチドをマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、ニワトリ等の被免疫動物の腹腔内、皮下、足蹠(footpad)等に投与する。これらの被免疫動物のなかでもマウスを用いることが好ましい。すなわち本発明抗体は、マウス由来の抗体であることが好ましい。
被免疫動物から脾臓細胞、リンパ細胞、末梢血液等を採取し、これらと腫瘍細胞株であるミエローマ細胞とを細胞融合させてハイブリドーマを調製する。なお細胞融合に用いるミエローマ細胞は、種々の哺乳動物の細胞株を利用することができるが、被免疫動物と同種の動物の細胞株を用いることが好ましい。またミエローマ細胞は、細胞融合の後に未融合細胞と融合細胞とを区別できるようにするために、未融合のミエローマ細胞が生存できずハイブリドーマだけが増殖できるように、マーカーを有するものを用いることが好ましい。またミエローマ細胞は、固有の免疫グロブリンを分泌しない株を使用することが、ハイブリドーマの培養上清から目的の抗体を取得することが容易となる点で好ましい。
得られたハイブリドーマを連続増殖させ、抗原に対して特異的に結合する抗体を継続的に産生するハイブリドーマ株を選別する。
こうして選別されたハイブリドーマ株を好適な培地で培養することによって、培地中にモノクローナル抗体が得られる。なお、マウスの腹腔などの生体内にて前記ハイブリドーマ株を培養し、腹水等から単離することによって、モノクローナル抗体を大量に製造することもできる。このようにして得られたモノクローナル抗体は、通常の抗体の精製方法によって精製してもよい。
またポリクローナルな本発明抗体は、前記の抗原ペプチドを用いて以下の通り製造することができる。
前記のモノクローナル抗体の製造方法と同様に、抗原ペプチドを被免疫動物に投与する。ここでは被免疫動物としてウサギを用いることが好ましい。
被免疫動物を免疫する際に、補助剤(アジュバント)を併用することは、抗体産生細胞を賦活するので望ましい。また初回免疫後、2〜3週目に常法によって追加免疫を行うと力価の高い抗血清が得られる。最終免疫から約1週間後に血液を採取し、血清を分離する。この血清を熱処理して補体を失活させた後、通常の抗体の精製方法によってイムノグロブリン画分を精製してもよい。
抗体の精製法としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム等による塩析、低温アルコール沈殿およびポリエチレングリコールまたは等電点による選択的沈殿分別法、電気泳動法、DEAE(ジエチルアミノエチル)−誘導体、CM(カルボキシメチル)−誘導体等のイオン交換体を用いたイオン交換クロマトグラフィー、プロテインAまたはプロテインGを用いたアフィニティークロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、抗原を固定化した免疫吸着クロマトグラフィー、ゲル濾過法および超遠心法等を挙げることができる。
なお本発明抗体を、抗原結合部位(Fab)を分解しないプロテアーゼ(例えばプラスミン、ペプシン、パパイン等)で処理して、Fabを含むフラグメント等としても良い。抗体のFabを含むフラグメントとしては、Fab以外に、Fabc、(Fab’)等が例示される。このようなものも、本明細書における「本発明抗体」の概念に包含される。
また本発明抗体をコードする遺伝子の塩基配列もしくは本発明抗体のアミノ酸配列が決定されれば、遺伝子工学的に本発明抗体のFabを含むフラグメントやキメラ抗体(例えば本発明抗体のFab部分を含むキメラ抗体等)を作製することもできる。このような本発明抗体のFabを含むフラグメントやキメラ抗体も、抗原ペプチドに結合する限り本明細書における「本発明抗体」の概念に包含される。
製造された抗体が抗原ペプチドに結合するか否か、あるいは特異的に結合するか否かは、抗原ペプチドや抗原となりうる他の物質(例えば、他の種類のペプチド)等を用い、通常の方法によって当業者が容易に決定することができる。
このようにして得られる本発明抗体は、免疫グロブリンサブクラスがIgG1であるものが好ましい。免疫グロブリンサブクラスがIgG1である抗体は、抗IgG1抗体を用いたスクリーニング等によって取得することができる。
このような本発明抗体として特に好ましいものは、「配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に特異的に結合する抗体である。この抗体はモノクローナル抗体であることが好ましい。またこの抗体の免疫グロブリンサブクラスは、上記の通りIgG1であることが好ましい。
また本発明抗体の別の好ましい態様は、「配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に特異的に結合する抗体である。この抗体はポリクローナル抗体であることが好ましい。
また本発明抗体は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであってもよい。標識に用いることができる標識物質は、通常のタンパク質の標識に使用可能なものであれば特に限定されないが、例えば酵素(ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼなど)、放射性同位元素(125I、131I、Hなど)、蛍光色素(Alexa Fluor(登録商標)488、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、7−アミノ−4−メチルクマリン−3−酢酸(AMCA)、ジクロロトリアジニルアミノフルオレセイン(DTAF)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、リスアミンローダミンB(Lissamine Rhodamine B)、テキサスレッド(Texas Red)、フィコエリスリン(Phycoerythrin;PE)、ウンベリフェロン、ユーロピウム、フィコシアニン、トリカラー、シアニンなど)、化学発光物質(ルミノールなど)、ハプテン(ジニトロフルオロベンゼン、アデノシン一リン酸(AMP)、2,4−ジニトロアニリンなど)、特異的結合対(ビオチンとアビジン類(ストレプトアビジンなど)、レクチンと糖鎖、アゴニストとアゴニストの受容体、ヘパリンとアンチトロンビンIII(ATIII)、多糖類とその結合タンパク質(ヒアルロン酸とヒアルロン酸結合性タンパク質(HABP)など)のいずれか一方の物質等が例示される。
本発明抗体を標識物質で標識する方法は、標識物質に適した公知の方法、例えば酵素で標識する場合にはグルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸架橋法、マレイミド架橋法、カルボジイミド法、活性化エステル法など、放射性同位元素で標識する場合にはクロラミンT法、ラクトペルオキシダーゼ法など(続生化学実験講座2「タンパク質の化学(下)」、東京化学同人(1987年)参照)から適宜選択することができる。例えば標識物質としてビオチンを使用する場合は、ビオチンのN−ヒドロキシサクシミドエステル誘導体又はヒドラジド誘導体を用いる方法(Avidin−Biotin Chemistry: A Handbook,p57−63,PIERCE CHEMICAL COMPANY,1994年発行参照)を用いることができる。
また本発明抗体を保存、流通、使用等する場合には、本発明抗体の機能や作用を実質的に害さない限り他の成分を含有させてもよい。例えば通常の試薬の調製に用いられる賦形剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤等を含有させることもできる。具体的には、リン酸緩衝食塩水(PBS)、アジ化ナトリウム(NaN)、ウシ血清アルブミン(BSA)等が例示される。
<2>本発明方法
本発明方法は、「本発明抗体」を用いることを特徴とする、検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定方法である。
本発明方法で用いる「本発明抗体」の説明は、前記の「本発明抗体」の説明と同様である。この本発明抗体は、検出を容易とするために標識物質で標識されているか又は標識されることが好ましい。標識に用いることができる標識物質や標識方法は、前記と同様である。
また「検体」も特に限定されず、CAP18をはじめとする「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を含有するか、あるいは含有する可能性があるものを用いることができる。例えば、CAP18の標準溶液、細胞や組織の抽出液、細胞の培養上清、体液等を用いることができるが、体液であることが好ましい。「体液」としては、例えば血液(本明細書では、血清及び血漿を含む概念として用いる)、尿、唾液、汗、涙液、関節液等を挙げることができる。
また、測定対象となる「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」は、配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有する限りにおいて特に限定されず、またポリペプチドを含む概念である。例えば、CAP18、その部分ペプチド(配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するもの)、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド自体等を例示することができる。
検体中に存在する「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の「測定」の方法は、本発明抗体を用いて当該ペプチドを検出しうる方法である限りにおいて特に限定されない。なお、本発明方法における「測定」とは、定量的な検出のみならず、定性的な検出(存否を検出すること)をも含む概念である。従って、本発明方法における「測定」には、検体中から当該ペプチドをスクリーニングすることも含まれる。
「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定を、本発明抗体を用いて行う方法としては、例えば以下のものを挙げることができる。
i)検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を固相に固着させ、これを直接検出する方法(いわゆる直接ELISA法)。
ii)本発明抗体(第1抗体)が固着された固相に検体を接触させ、次いでこれに本発明抗体(第2抗体)を接触させることによって、サンドイッチ状複合体を形成させ、この複合体を検出する方法(いわゆるサンドイッチ法)。
iii)固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」、検体及び本発明抗体(検体及び本発明抗体は、予め接触させておいてもよい)の共存下で、固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」と検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」とを競合させ、固相に結合した本発明抗体を検出することによって検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を測定する方法(いわゆる阻害法)。
iv)本発明抗体を固着させた微粒子に検体を接触させ、次いでこれに本発明抗体を接触させることによって微粒子を凝集させて、この凝集物(または沈殿物)を検出する方法(いわゆる凝集法)。
<2>−1 本発明方法1
本発明方法は、なかでも直接ELISA法によって行われることが好ましい。すなわち本発明方法は、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程(本発明方法1)によって行われることが好ましい。
(a)固相と検体を接触させ、検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を固相に固着させる工程。
(b)工程(a)で固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を、本発明抗体を用いて検出する工程。
以下、この方法を各工程ごとに詳述する。
工程(a):
工程(a)は、固相と検体を接触させ、検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を固相に固着させる工程である。検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を固着する「固相」は、当該ペプチドを固着させることができ、かつ、水、検体または測定反応液に不溶性である限りにおいて特に限定されない。固相の形状としては、プレート(例えばマイクロプレートのウエル等)、チューブ、ビーズ、メンブレン、ゲル、微粒子状固相担体(ゼラチン粒子、カオリン粒子、ラテックス等の合成ポリマー粒子等)等を例示することができる。なかでも、正確な定量性と使用上の簡便性の点から、マイクロプレートが望ましい。
固相の材質としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロース、ナイロン、ポリアクリルアミド、テフロン(登録商標)、ポリアロマー、ポリエチレン、ガラス、アガロース等が例示される。これらの中でも、ポリスチレンを材質としたプレートが好ましい。
このような固相に検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を固着させる方法としては、物理的吸着法、共有結合法、包括法などの固定化酵素の調製法として一般的な方法(固定化酵素、1975年、講談社発行、第9〜75頁参照)を応用することができる。
これらの中でも、物理的吸着法が、操作が簡便かつ頻用されていることから好ましい。
物理的吸着の具体的方法を例示すると以下の通りである。
検体をpH7〜10程度の緩衝液(例えば炭酸緩衝液、リン酸緩衝液、PBS等)で希釈して固相(例えばマイクロプレート)に加え、20〜37℃程度で1〜2時間保存するか、4℃程度で一晩保存して固着させる。
ここで用いる「検体」や、測定対象である「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」については、前記の説明と同様である。
また、固相と検体との接触方法は、当該固相と、検体中に存在する「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」とが接触する限りにおいて特に限定されない。例えば、固相に検体を添加して接触させても良く、また検体に固相を添加して接触させても良く、別体の容器に両者を同時に添加しても良い。接触の方法はこれらに限定されるものではなく、固相の形状や材質等に応じて当業者が適宜決定することができる。
固相と検体を接触させた後、固相と液相を分離する。必要に応じて固相の表面を洗浄液で洗浄し、非特異的吸着物や反応しなかった検体中の成分を除去することが好ましい。
洗浄液としては、例えば、トゥイーン(Tween)系界面活性剤等の非イオン性界面活性剤を添加した緩衝液(例えばリン酸緩衝液、PBS、トリス塩酸緩衝液等)を用いることが好ましい。
固相と検体を接触させることによって、検体中に存在する「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」が固相に固着される。
工程(b):
工程(b)は、工程(a)で固相に固着された「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を、本発明抗体を用いて検出する工程である。本発明抗体の説明は、前記の説明と同様である。
固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の検出方法は、本発明抗体を用いて検出する限りにおいて特に限定されない。例えば本発明抗体が標識物質で標識されている場合には、固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」にその本発明抗体を結合させた後、当該標識物質を検出することによって、当該ペプチドを検出することができる。
標識物質を検出する方法は、標識物質の種類に応じた公知の検出手段を適宜選択することができる。例えば、標識物質として特異的結合対の一方の物質(例えばビオチン)を使用した場合には、これに特異的に結合する他方の物質(例えばストレプトアビジン)を結合させた酵素(例えばペルオキシダーゼ等)を添加して、特異的結合対を形成せしめる。次いで、これに該酵素の基質(例えば過酸化水素(酵素がペルオキシダーゼの場合))及び発色物質(例えば3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン(TMB)や、ジアミノベンチジン等)を添加して、酵素反応による生成物の発色の度合いを吸光度で測定することによって、標識物質を検出することができる。
また、例えば標識物質として放射性同位元素、蛍光色素又は化学発光物質を使用した場合には、放射能のカウント、蛍光強度、蛍光偏光、発光強度等を測定する方法などが例示される。
このような標識物質の検出を介して、固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を検出することができ、これによって検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を測定することができる。この方法は直接ELISA法であることから、標識物質が多く検出されたとすれば、それだけ固相に固着された「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の量が多いこと、すなわち検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の量が多いことを意味することになる。
「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の定性的な測定(存否の検出)を所望する場合には、標識物質の検出の有無をそのまま測定結果とすることができる。
また、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の定量的な測定(濃度の測定など)を所望する場合には、吸光度、放射能のカウント、蛍光強度、発光強度などをそのまま「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の量の指標とすることができる。また、既知濃度の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の標準溶液を用いて、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」と標識物質の検出結果(例えば吸光度)との関係について予め検量線又は関係式を作成しておき、これを用いて検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の濃度を求めることもできる。また検体として尿を用いた場合には、求められた濃度を、尿中に含まれるクレアチニンなどの他の成分の濃度を基準に補正をしてもよい。
また、固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の検出は、「本発明抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることも好ましい。
「本発明抗体に特異的に結合する抗体」は、本発明抗体に特異的に結合するものである限りにおいて特に限定されない。例えば、本発明抗体の由来動物や免疫グロブリンクラス等に応じて、当該動物の当該免疫グロブリンクラスに特異的に結合する抗体等が例示される。例えば、本発明抗体が免疫グロブリン(マウス由来のIgG1)である場合には、「本発明抗体に特異的に結合する抗体」として抗マウスIgG1抗体を用いることができる。また、「本発明抗体に特異的に結合する抗体」の標識に用いることができる標識物質、標識方法、標識物質を検出する方法等については、前記の説明と同様である。
<2>−2 本発明方法2
また本発明方法は、サンドイッチ法によって行われることも好ましい。すなわち本発明方法は、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程(本発明方法2)によって行われることも好ましい。
(a) 「本発明抗体(第1抗体)が固着された固相」、「検体」及び「本発明抗体(第2抗体)」を接触させ、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−第2抗体」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
(b) 工程(a)において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。
この工程(a)は、「本発明抗体(第1抗体)が固着された固相」、「検体」及び「本発明抗体(第2抗体)」の3者を同時に接触させてもよく、前2者を接触させた後にこれを後1者に接触させてもよく、また、後2者を接触させた後にこれを前1者に接触させてもよい。なかでも前2者を接触させた後にこれを後1者に接触させることが好ましい。すなわち、下記(a)〜(c)の工程を少なくとも含む工程によって行われることがより好ましい。
(a)「本発明抗体(第1抗体)が固着された固相」に検体を接触させて、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」からなる複合体を形成させる工程。
(b)前記固相に、「本発明抗体(第2抗体)」を接触させ、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−第2抗体」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
(c)工程(b)において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。
以下、この方法を各工程ごとに詳述する。
工程(a):
工程(a)は、「本発明抗体(第1抗体)が固着された固相」に検体を接触させて、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」からなる複合体を形成させる工程である。
「本発明抗体(第1抗体)」の説明は、前記の説明と同様である。
また、本発明抗体(第1抗体)を固着する「固相」についての説明も、本発明方法1と同様である。また、固相に本発明抗体(第1抗体)を固着させる方法も、本発明方法1と同様であって、物理的吸着法、共有結合法、包括法などの一般的な方法を採用することができる。なかでも物理的吸着法が、操作が簡便かつ頻用されていることから好ましい。
物理的吸着の具体的方法を例示すると以下の通りである。
本発明抗体(第1抗体)をpH7〜9程度の緩衝液(例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、PBS、炭酸緩衝液等)に溶解して固相(例えばマイクロプレート)に加え、20〜37℃程度で1〜2時間保存するか、4℃程度で一晩保存して固着させる。
また、本発明抗体(第1抗体)を固着させた固相の表面には、これらが固着していない表面部分が残存している場合があり、そこに検体中に存在する「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」が非特異的に固着すると正確な測定結果が得られなくなるおそれがある。よって、検体を固相と接触させる前にブロッキング物質を添加して、本発明抗体(第1抗体)が固着していない部分を被覆しておくことが好ましい。このようなブロッキング物質としては、血清、血清アルブミン、カゼイン、スキムミルク、ゼラチン、プルロニック等が挙げられ、また、ブロッキング物質として市販されているものを使用することもできる。
ブロッキングの方法として具体的には、ブロッキング物質を添加して、37℃程度で30分〜2時間保存するか、常温(15〜25℃)で1〜2時間保存する方法を例示することができる。
ここで用いる「検体」は、前記の説明と同様である。
また、固相と検体との接触方法は、当該固相に固着された本発明抗体(第1抗体)と、検体中に存在する「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」とが接触する限りにおいて特に限定されない。「固相と検体との接触方法」に関する他の説明は、本発明方法1と同様である。
これら両者を接触させた後、本発明抗体(第1抗体)と検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」とを十分に結合させるために、例えば4〜37℃、好ましくは20〜37℃で1〜4時間程度反応させることが好ましい。
この反応後に固相と液相を分離する。必要に応じて固相の表面を洗浄液で洗浄し、非特異的吸着物や反応しなかった検体中の成分を除去することが好ましい。ここで用いることができる洗浄液の説明は、本発明方法1における説明と同様である。
本発明抗体(第1抗体)が固着された固相に検体を接触させることによって、「固相に固着された本発明抗体(第1抗体)−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」からなる複合体が形成される。
工程(b):
工程(b)は、工程(a)を経た前記固相に、「本発明抗体(第2抗体)」を接触させ、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−第2抗体」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程である。
「本発明抗体(第2抗体)」の説明は、前記の説明と同様である。
この第2抗体は、検出を容易とするために標識物質で標識されているか又は標識されることが好ましい。標識に用いることができる標識物質や標識方法は、前記と同様である。
工程(a)を経た前記固相と本発明抗体(第2抗体)との接触は、前記の「固相と検体との接触方法」と同様に行うことができる。反応後に固相と液相を分離する点、及び必要に応じて固相の表面を洗浄液で洗浄して非特異的吸着物や反応しなかった検体中の成分を除去することが好ましい点についても同様である。また、用いることができる洗浄液についても同様である。
工程(a)を経た前記固相(「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」からなる複合体が形成されている)に、第2抗体を接触させることによって、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−第2抗体」からなるサンドイッチ状複合体が形成される。
工程(c):
工程(c)は、工程(b)において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程である。
サンドイッチ状複合体の検出方法は特に限定されない。例えば第2抗体が標識物質で標識されている場合には、当該標識物質を検出することによって、当該複合体を検出することができる。
標識物質を検出する方法は、標識物質の種類に応じた公知の検出手段を適宜選択することができる。その他の説明も、本発明方法1と同様である。
このような標識物質の検出を介してサンドイッチ状複合体を検出することができ、これによって検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を測定することができる。この方法はサンドイッチ法であることから、標識物質が多く検出されたとすれば、それだけサンドイッチ状複合体の量が多いこと、すなわち検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の量が多いこと意味することになる。
「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の定性的な測定(存否の検出)や定量的な測定(濃度の測定など)に関する説明も、本発明方法1と同様である。
また、本発明方法2における複合体の検出は、「第2抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることも好ましい。
「第2抗体(本発明抗体)に特異的に結合する抗体」に関する説明も、本発明方法1における「本発明抗体に特異的に結合する抗体」の説明と同様である。
<2>−3 本発明方法3
本発明方法は、阻害法によって行われることも好ましい。すなわち本発明方法は、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程(本発明方法3)によって行われることも好ましい。
(a)「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」、「検体」及び「本発明抗体」を接触させ、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体及び「検体中の『配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド』−本発明抗体」からなる複合体を形成させる工程。
(b)工程(a)において形成された「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体及び「検体中の『配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド』−本発明抗体」からなる複合体の少なくともいずれか一方を検出する工程。
この工程(a)では、「本発明抗体」、「検体」及び「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」の3者を同時に接触させてもよく、前2者を接触させた後にこれを後1者に接触させてもよく、また、後2者を接触させた後にこれを前1者に接触させてもよい。なかでも、前2者を接触させた後にこれを後1者に接触させることが好ましい。
またこの工程(b)では、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体及び「検体中の『配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド』−本発明抗体」からなる複合体の、前者のみを検出してもよく、後者のみを検出してもよく、またこれらの両方を検出してもよい。この本発明方法は、なかでも前者のみを検出することが好ましい。すなわち、下記(a)〜(c)の工程を少なくとも含む工程によって行われることがより好ましい。
(a)検体と「本発明抗体」を接触させて、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−本発明抗体」からなる複合体Aを形成させる工程。
(b)「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」に、工程(a)によって得られた「『複合体A』と『複合体Aを形成しなかった本発明抗体』とを含有する混合物」を接触させ、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体を形成させる工程。
(c)工程(b)において形成された複合体を検出する工程。
以下、この方法を各工程ごとに詳述する。
工程(a):
工程(a)は、検体と本発明抗体とを接触させて、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−本発明抗体」からなる複合体Aを形成させる工程である。
「検体」については前記の説明と同様である。また「本発明抗体」の説明も、前記の説明と同様である。検体と本発明抗体との接触方法も、本発明抗体と、検体中に存在する「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」とが接触する限りにおいて特に限定されない。
検体と本発明抗体とを接触させることによって、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−本発明抗体」からなる複合体Aが形成される。その結果、工程(a)によって「『複合体A』と『複合体Aを形成しなかった本発明抗体』とを含有する混合物」が得られる。
工程(b):
工程(b)は、「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」に、工程(a)によって得られた「『複合体A』と『複合体Aを形成しなかった本発明抗体』とを含有する混合物」を接触させ、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体を形成させる工程である。
「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」を固着する固相についての説明は、本発明方法1と同様である。
また、固相に固着する「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」についても前記の説明と同様である。なお、このペプチドの代わりに「配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」又は「配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」も使用しうる。
固相に「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」を固着させる方法も、本発明方法1と同様であって、物理的吸着法、共有結合法などの一般的な方法を採用することができる。なかでも、物理的吸着法が、操作が簡便かつ頻用されていることから好ましい。
「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」と、工程(a)によって得られた混合物との接触も、前記と同様に行うことができる。反応後に固相と液相を分離する点、及び必要に応じて固相の表面を洗浄液で洗浄して非特異的吸着物や反応しなかった検体中の成分を除去することが好ましい点についても前記と同様である。また、用いることができる洗浄液についても前記と同様である。
「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」と、工程(a)によって得られた混合物とを接触させることによって、「複合体Aを形成しなかった本発明抗体」が「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に結合し、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−本発明抗体」からなる複合体が形成される。
工程(c):
工程(c)は、工程(b)において形成された複合体を検出する工程である。複合体の検出方法も特に限定されないが、「本発明抗体」として標識物質で標識されているか又は標識されるものを用いた場合には、本発明方法1と同様の方法で標識物質を検出することによって、当該複合体の検出をすることができる。また、複合体の検出は、「本発明抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることも好ましい。
「本発明抗体に特異的に結合する抗体」や、その標識に用いることができる標識物質、標識方法、標識物質を検出する方法等についても、本発明方法1における説明と同様である。ただし、この方法は阻害法であることから、標識物質が多く検出されたとすれば、それだけ「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−本発明抗体」からなる複合体Aを形成しなかった本発明抗体」の量が多いこと(その分、当該複合体Aの量が少ないこと)、すなわち検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の量が少ないこと意味することになる。
<3>−1 本発明キット1
本発明キット1は、下記の構成成分(A)及び(B)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キットである。
(A)固相
(B)本発明抗体
本発明キット1で用いる本発明抗体は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。
本発明キット1における「固相」、「本発明抗体」、「標識物質」、標識物質による抗体の標識方法、及び測定対象である「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」等の説明は、いずれも前記の「<2>本発明方法」における説明と同様である。この本発明キットは、直接ELISA法による「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定に用いることができる。
<3>−2 本発明キット2
本発明キット2は、下記の構成成分(A)及び(B)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キットである。
(A)本発明抗体(第1抗体)が固着された固相
(B)本発明抗体(第2抗体)
本発明キット2で用いる「第2抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。
本発明キット2における「本発明抗体(第1抗体、第2抗体)」、「本発明抗体(第1抗体)が固着された固相」、「標識物質」、標識物質による抗体の標識方法、及び測定対象である「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」等の説明は、いずれも前記の「<2>本発明方法」における説明と同様である。この本発明キットは、サンドイッチ法による「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定に用いることができる。
<3>−3 本発明キット3
本発明キット3は、下記の構成成分(A)、(B)及び(C)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キットである。
(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相
(B)本発明抗体
(C)本発明抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの
この本発明キットにおける「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」、「本発明抗体」、「本発明抗体に特異的に結合する抗体」、「標識物質」、標識物質による抗体の標識方法、及び測定対象である「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」等の説明は、いずれも前記の「<2>本発明方法」における説明と同様である。この本発明キットは、阻害法による「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定に用いることができる。
本発明キット1を用いた測定は本発明方法1に従って、本発明キット2を用いた測定は本発明方法2に従って、本発明キット3を用いた測定は本発明方法3に従って、それぞれ行うことができる。
<4> 本発明検出方法
本発明検出方法は、「本発明抗体」又は「CAP18に特異的に結合する抗体」によって検出されることができる検体中の抗原を測定し、その結果から検体を採取した患者の細菌性肺炎を検出することを特徴とする細菌性肺炎の検出方法である。
本発明検出方法で用いる「本発明抗体」及び「CAP18に特異的に結合する抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。
本発明検出方法における「本発明抗体」、「標識物質」、標識物質による抗体の標識方法、「検体」及び測定対象である「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」等の抗原の説明は、いずれも前記の「<2>本発明方法」における説明と同様である。
CAP18は、哺乳動物のCAP18が好ましく、特にヒトのCAP18が好ましい。
「CAP18に特異的に結合する抗体」は、CAP18に特異的に結合可能であれば特に限定されず、また、結合部位も特に限定されない。
本発明検出方法は、「本発明抗体」または「CAP18に特異的に結合する抗体」を用いて免疫学的に行われることが好ましく、具体的には、前記の「<2>本発明方法」があげられる。「CAP18に特異的に結合する抗体」は、「本発明抗体」に置き換えることにより用いられる。
本発明検出方法において、細菌性肺炎の検出が、好ましくは細菌性肺炎の罹患の有無、程度、種類の評価、またはモニタリングで行われる。具体的には、これらの検出は、「本発明抗体」又は「CAP18に特異的に結合する抗体」によって検出されることができる抗原を含有する検体の測定結果と、該抗原を含有しない検体の測定結果を比較することによって、行うことが可能である。
CAP18の検出は上記方法に限定されず、ペプチドの通常の検出方法、例えば高速液体クロマトグラフィー等で検出することも可能である。
<5> 本発明診断キット
本発明診断キットは、「本発明の抗体」を含む細菌性肺炎の診断キットである。
本発明診断キットで用いる「本発明抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。
本発明診断キットにおける「本発明抗体」、「標識物質」および標識物質による抗体の標識方法は、いずれも前記の「<2>本発明方法」における説明と同様である。
また、本発明診断キットは、本発明キット1〜3のいずれか1つからなるキットであることが好ましく、本発明キット1を用いた測定は本発明方法1に従って、本発明キット2を用いた測定は本発明方法2に従って、本発明キット3を用いた測定は本発明方法3に従って、それぞれ行うことができる。
<6> 本発明診断薬
本発明診断薬は、「本発明の抗体」を含む細菌性肺炎の診断薬である。
本発明診断薬で用いる「本発明抗体」は、標識物質で標識されているか又は標識されるものであることが好ましい。
本発明診断薬における「本発明抗体」、「標識物質」および標識物質による抗体の標識方法は、いずれも前記の「<2>本発明方法」における説明と同様である。
本発明診断薬は、製薬上許容される担体を含有してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 本発明抗体の製造
(1)モノクローナル抗体の製造
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド(FR KSKEK IGKEF KRIVQ RIKDF LRNLV;以下、「27アミノ酸ペプチド」という)を合成し、これにヘモシアニン(Keyhold Lympet Hemocyanin)を結合させたものをマウス(Balb/c)(日本クレア株式会社、8週齢)の腹腔内に初回25μg、2回目以降10μg、計4回投与して免疫した(この際、アジュバントとして初回はフロインド完全アジュバンド(和光純薬工業社製)、以後はフロインド不完全アジュバンド(和光純薬工業社製)を用いた)。免疫したマウスから脾臓細胞を採取し、これとマウス由来のミエローマ細胞(細胞株名:P3−X63−Ag8.653(653;ATCCNo.CRL 1588))とをポリエチレングリコール4000(PEG4000)を用いて細胞融合させ、ハイブリドーマを調製した。
得られたハイブリドーマを連続増殖させ、27アミノ酸ペプチドに対して特異的に結合する抗体を継続的に産生するハイブリドーマ株を選別した。
選別されたハイブリドーマ株を、無血清培地(商品名:CDハイブリドーマ、インビトロジェン製)を用いて中空糸型細胞培養装置で培養し、その培養上清を採取してPBSで透析後、モノクローナル抗体(Toyo6E3)を取得した。この抗体のサブクラスはIgG1であった。
(2)ポリクローナル抗体の製造
27アミノ酸ペプチドをコードする遺伝子をpET17bベクターにクローニングし(pET17b−CAP18)、これからさらに、シグナルペプチドを除いた配列をコードする領域(91−510の420bp,140アミノ酸)をpET19b−CAP18に挿入して再クローニングし、大腸菌DH5αで、形質転換を行った。挿入された遺伝子配列を確認後、再度、タンパク質発現用の大腸菌BL21(DE3)に形質転換を行い、IPTG(Isopropyl−β−D−thioglactopyranoside)で誘導してタンパクを発現させた。このタンパクをNi−NTA(ノバジェン社製)を用いてアフィニティー精製することで、リコンビナントCAP18を得た。
このヒト由来のリコンビナントのCAP18(rCAP18)をウサギの皮下に0.1μg投与して免疫した(この際、アジュバントとして初回はフロインド完全アジュバンド(和光純薬工業社製)、以後はフロインド不完全アジュバンド(和光純薬工業社製)を用いた)。初回免疫後、2〜3週目に常法によって追加免疫(0.1−0.2ミリグラム/ウサギで4〜6回免役)し、最終免疫から約1週間後に血液を採取して血清を分離した。この血清を熱処理して補体を失活させた後、33%飽和硫酸アンモニウム沈殿させることによってポリクローナル抗体を取得した。
実施例2 モノクロナール抗体Toyo6E3による細胞の免疫染色
一次抗体として実施例1(1)で製造したモノクロナール抗体(Toyo6E3)を、二次抗体としてAlexa Fluor(登録商標)488(Molecular Probes社製)で標識したヤギ抗マウスIgG抗体(ジャクソン社製)それぞれ用いて、常法によってヒト末梢血好中球を染色した。その蛍光顕微鏡像(倍率:1000倍)を第1図のAに示す。
また、一次抗体としてToyo6E3を、二次抗体として20nm金粒子(British Biocell社製)で標識したヤギ抗マウスIgG抗体(ジャクソン社製)をそれぞれ用いて、ヒト末梢血好中球を染色した免疫電子顕微鏡像を第1図のB(倍率:5000倍)及びC(倍率:10000倍)に示す。
第1図より、モノクロナール抗体Toyo6E3は細胞染色に用いることができることが示された。
また第1図のAより、Toyo6E3によって好中球の細胞質と思われる領域が染色されることが示された。また第1図のB及びCより、Toyo6E3によって好中球の顆粒が染色されることが示された。
実施例3 直接ELISA法によるペプチドの検出・定量
27アミノ酸ペプチド及び「配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」(KEF KRIVQ RIKDF LRNLV;以下、「18アミノ酸ペプチド」という)をそれぞれ炭酸緩衝液(pH9.6)に種々の濃度で溶解させ、これら溶液をそれぞれポリスチレン製のマイクロタイタープレートのウエルに添加した。その後、22℃程度で1時間保存することによってペプチドをプレートに物理的に吸着させた。その後、溶液を除去して、0.05% Tween 20を添加したリン酸緩衝液(pH7.5)を用いてプレートの表面を洗浄した。このプレートに固着されている各ペプチドを、以下の(イ)又は(ロ)の方法で測定した。
(イ)一次抗体として実施例1(1)で製造したモノクロナール抗体(Toyo6E3)を反応させ、次いで二次抗体としてホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)標識したヤギ抗マウスIgG抗体(ジャクソン社製)を反応させた後、TMB発色基質(日本バイオラッド社製)を用いて発色させ、450nmの吸光度を測定することによって固相に固着されているペプチドを測定する方法。
(ロ)一次抗体として実施例1(2)で製造したポリクローナル抗体を反応させ、次いで二次抗体としてHRPで標識したヤギ抗ウサギIgG抗体を反応させた後、TMB発色基質を用いて発色させ、450nmの吸光度(OD450)を測定することによって固相に固着されているペプチドを測定する方法。
(イ)の結果を第2図のAに、(ロ)の結果を第2図のBにそれぞれ示す。なお、図中の「B」で示される曲線は27アミノ酸ペプチドが固着されたプレートを、図中の「J」で示される曲線は18アミノ酸ペプチドが固着されたプレートを用いた結果をそれぞれ示す。
第2図のAより、「モノクロナール抗体Toyo6E3」を用いた直接ELISA法によって、27アミノ酸ペプチドと18アミノ酸ペプチドの双方の検出及び定量が可能であることが示された。またToyo6E3は、18アミノ酸ペプチドに対しても27アミノ酸ペプチドと同程度の反応性を有することから、18アミノ酸ペプチドに特異的に反応することが示唆された。
また第2図のBより、「実施例1(2)で製造したポリクローナル抗体」を用いた直接ELISA法によっても、27アミノ酸ペプチドと18アミノ酸ペプチドの双方の検出及び定量が可能であることが示された。ただし18アミノ酸ペプチドに対する反応性は低いことから、このポリクローナル抗体は27アミノ酸ペプチドの検出・定量に用いられることが好ましいことが示された。
またこの結果から、このポリクローナル抗体は、27アミノ酸ペプチドに含有され、かつ、18アミノ酸ペプチドに含有されていない領域(配列番号3;FRKSKEKIG)を主として認識することが示唆された。
実施例4 間接ELISA法(サンドイッチ法)によるCAP18の検出・定量
実施例1(2)で製造したポリクローナル抗体(第1抗体)をリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解させ、この溶液をポリスチレン製のマイクロタイタープレートのウエルに添加した。その後22℃程度で1時間保存することによって抗体をプレートに物理的に吸着させた。0.05% Tween 20を添加したリン酸緩衝液(pH7.4)でプレートを洗浄後、1%BSA(ウシ血清アルブミン)を添加したリン酸緩衝液でブロッキングした。このプレートに種々の濃度のペプチドやリコンビナントCAP18(rCAP18;ヒト由来)を添加して、22℃で3時間インキュベートした。インキュベート後、プレートをリン酸緩衝液で洗浄した。
次いで、このプレートに実施例1(1)で製造したモノクロナール抗体(Toyo6E3)(第2抗体)を添加して、22℃で2時間インキュベートした。インキュベート後、プレートをリン酸緩衝液で洗浄した。
次いでHRPで標識したヤギ抗マウスIgG抗体を添加して同様に反応させた後、TMB発色基質を用いて発色させ、450nmの吸光度(OD450)を測定することによってペプチドまたはrCAP18を定量した。結果を第3図に示す。
第3図より、「モノクロナール抗体Toyo6E3」や「実施例1(2)で製造したポリクローナル抗体」を用いた間接ELISA法(サンドイッチ法)によっても、CAPT8の検出及び定量が可能であることが示された。
実施例5 ウェスタンブロット法による細胞抽出液中のCAP18の検出
ヒト末梢血単核球(モノサイト(monocyte))、ヒト末梢血好中球(PMN)、ヒト単核球由来の細胞株(THP−1)及びマウスのマクロファージ様細胞株(J774.1)の細胞抽出液中のタンパク質をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動で分離し、これをニトロセルロース膜に電気的に転写した。この膜を3%スキムミルクでブロッキングした後、実施例1(1)で製造したモノクロナール抗体(Toyo6E3)と反応させた。次いで二次抗体としてHRPで標識したヤギ抗マウスIgG抗体を添加して同様に反応させて、ECLで発色したバンドを検出した。結果を第4図に示す。
第4図より、「モノクロナール抗体Toyo6E3」を用いたウエスタンブロット法によっても、CAP18の検出が可能であることが示された。
また、ヒト末梢血好中球分画には18kDaサイズのCAP18が多量に存在すること、及び、わずかではあるが低分子の抗体結合タンパク質(CAP18分子中のリポポリサッカライド結合領域(LPS結合領域)が酵素によって切断されたものと考えられる)も存在することが示された。ヒト末梢血単核球分画においても18kDaのCAP18がわずかに検出できたが、ヒト単核球由来THP−1細胞株及びマウスマクロファージ様J774.1細胞株の分画においてはToyo6E3と結合するものは検出できなかった。
実施例6 免疫沈降による血清中のCAP18の検出
実施例1(1)で製造したモノクロナール抗体(Toyo6E3)を用いて、健常人(n=5)の血清中に含まれるCAP18を免疫沈降させた。免疫沈降物を、同モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロット法により検出した。結果を第5図に示す。なお、ウエスタンブロット法の要領は実施例5と同様である。
第5図より、「モノクロナール抗体 Toyo6E3」は免疫沈降にも用いることができること、及び、この抗体を用いた免疫沈降法によってCAP18の検出が可能であることが示された。
実施例7 fMLP刺激したヒト好中球からのCAP18の放出
ヒト末梢血好中球(PMN)または単核球(モノサイト(monocyte))を、0nM、1nM又は10nMのホルミルメチオニルロイシルフェニルアラニン(fMLP)存在下で37℃、90分間培養した(2×10/ウェル/200ml)。その後、培養上清分画(150ml)と細胞が多く含まれている分画(50ml)をそれぞれ回収し、後者の分画については細胞を溶解させて抽出液を調製した。
この上清分画と細胞抽出液のそれぞれに含まれるCAP18量を、実施例1(1)で製造したモノクロナール抗体(Toyo6E3)を用いた間接ELISA法によって測定した。結果を第6図のBに示す。また、Bのデータをもとにして「放出されたCAP18量」と「細胞内のCAP18量」を推定した結果を第6図のAに示す。また、Bで回収した分画をモノクロナール抗体(Toyo6E3)を用いたウェスタンブロットで検出した結果を第6図のCに示す。なおウエスタンブロット法の要領は実施例5と同様であり、また、細胞が多く含まれている分画は3倍に希釈して用いた。
第6図から、「モノクロナール抗体Toyo6E3」を用いたELISA法によって、fMLP刺激により培養上清中にCAP18が放出されること、及び、その放出はfMLPの刺激(濃度)に依存することが検出できた(第6図のA及びB)。また、放出されるCAP18のサイズは18kDaであって、低分子のフラグメントは検出されなかった(第6図のC)。
実施例4に記載の間接ELISA法(サンドイッチ法)で、以下の起炎菌の異なる重症肺炎患者の喀痰中に存在するCAP18を測定した。結果は以下の通りであった。
測定対象者 CAP18測定値
患者A(疾患名:クレブシエラ肺炎) 1.486μg/ml
患者B(疾患名:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌肺炎) 1.682μg/ml
以下に示す比較例(コントロール)に比し、いずれの患者も喀痰中に存在するCAP18濃度が顕著に増加していた。
比較例として、上記と同様に実施例4に記載の間接ELISA法(サンドイッチ法)で、とくに炎症所見を認めない長期臥床患者の喀痰中、もしくは健常人の喀痰中に存在するCAP18濃度を測定した。結果は以下の通りであった。
測定対象者 CAP18測定値
患者C(緑膿菌colonization,発熱なし、白血球増加なし)
検出されず
患者D(緑膿菌・ブドウ球菌colonization,発熱なし、
白血球増加なし) 0.674μg/ml
健常人E(喫煙者・健常)
サンプル1: 検出されず
サンプル2: 検出されず
比較例ではいずれの患者においてもCAP18は全く検出されないか、あるいは軽度上昇を認めた程度であった。また、健常人においてはCAP18は全く検出されなかった。
以上の結果より、喀痰中のCAP18は、ヒト好中球由来で、肺胞および肺間質に生じる炎症所見を鋭敏に反映する指標となり、喀痰等の検体中のCAP18を測定することにより、細菌性肺炎の早期診断およびモニタリングが可能である。
実施例9 本発明キットの作製
(1)下記の構成からなる本発明キット1を作製した。
1.96ウェルのイムノプレート 1枚
2.実施例1(1)で製造したモノクローナル抗体 1本(一次抗体)
(Toyo6E3)
3.HRP標識したヤギ抗マウスIgG抗体 1本(二次抗体)
4.TMB溶液 1本
5.過酸化水素水 1本
6.反応停止液(1M HCl) 1本
(2)下記の構成からなる本発明キット2を作製した。
1.「実施例1(2)で製造したポリクローナル抗体」 1枚
が固着された96ウェルのイムノプレート
2.実施例1(1)で製造したモノクローナル抗体 1本
(Toyo6E3)
3.HRP標識したヤギ抗マウスIgG抗体 1本(二次抗体)
4.TMB溶液 1本
5.過酸化水素水 1本
6.反応停止液(1M HCl) 1本
(3)下記の構成からなる本発明キット3を作製した。
1.27アミノ酸ペプチドが固着された96ウェルの 1枚
イムノプレート
2.実施例1(1)で製造したモノクローナル抗体 1本(一次抗体)
(Toyo6E3)
3.HRP標識したヤギ抗マウスIgG抗体 1本(二次抗体)
4.TMB溶液 1本
5.過酸化水素水 1本
6.反応停止液(1M HCl) 1本
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱すること無く様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである
本出願は、2002年7月22日および2003年3月14日出願の日本特許出願2002−2213040および2003−70932に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
本発明抗体はCAP18に特徴的なペプチドに結合する抗体であり、CAP18の検出や測定のツールとしても利用することができることから極めて有用である。本発明抗体は均質性や再現性が高く、さらに大量かつ永続的に生産させうるものであることから、製造コストを大幅に低減させることもでき極めて有用である。また本発明抗体は、本発明方法や本発明キットの製造に用いることができ、極めて有用である。
本発明方法は、CAP18等が関連する疾患の研究用試薬や診断薬等に応用することもでき、さらにこのような疾患のモニタリング等にも応用できる可能性があることから極めて有用である。例えば、生体サンプル中のCAP18の量を測定し、その測定結果と呼吸器疾患、例えば慢性肺疾患、慢性気道性疾患、急性肺疾患、炎症性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、細菌性肺炎、間質性肺炎、上気道性の気管支炎などの疾患とを関連づけるステップを少なくとも含む、これらの疾患の評価方法等において用いることができる。
また本発明キットは、本発明方法をさらに迅速かつ簡便に実施することができることから極めて有用である。
配列番号1−人工配列の説明:合成ペプチド
配列番号2−人工配列の説明:合成ペプチド
配列番号3−人工配列の説明:合成ペプチド
【配列表】
Figure 2004009640
Figure 2004009640

Claims (32)

  1. 「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に結合する抗体。
  2. 「配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に特異的に結合する、請求の範囲1に記載の抗体。
  3. モノクローナル抗体である請求の範囲1又は2に記載の抗体。
  4. 免疫グロブリンサブクラスがIgG1である請求の範囲1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
  5. 「配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるペプチド」に特異的に結合する、請求の範囲1に記載の抗体。
  6. ポリクローナル抗体である請求の範囲1又は5に記載の抗体。
  7. 請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体を用いることを特徴とする、検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定方法。
  8. 「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定が、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程によって行われることを特徴とする、請求の範囲7に記載の方法。
    (a)固相と検体を接触させ、検体中の「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を固相に固着させる工程。
    (b)工程(a)で固相に固着させた「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」を、「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」を用いて検出する工程。
  9. 「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」が標識物質で標識されているか又は標識されるものであることを特徴とする、請求の範囲8に記載の方法。
  10. 固相に固着された「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の検出が、さらに「『請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体』に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることを特徴とする、請求の範囲8に記載の方法。
  11. 「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定が、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程によって行われることを特徴とする、請求の範囲7に記載の方法。
    (a)「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体(第1抗体)が固着された固相」、「検体」及び「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体(第2抗体)」を接触させ、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−第2抗体」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
    (b)工程(a)において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。
  12. 「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定が、下記(a)〜(c)の工程を少なくとも含む工程によって行われることを特徴とする、請求の範囲11に記載の方法。
    (a)「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体(第1抗体)が固着された固相」に検体を接触させて、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」からなる複合体を形成させる工程。
    (b)前記固相に、「請求の範囲1〜6のいずれが1項に記載の抗体(第2抗体)」を接触させ、「固相に固着された第1抗体−配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−第2抗体」からなるサンドイッチ状複合体を形成させる工程。
    (c)工程(b)において形成されたサンドイッチ状複合体を検出する工程。
  13. 第2抗体が標識物質で標識されているか又は標識されるものであることを特徴とする、請求の範囲11又は12に記載の方法。
  14. 複合体の検出が、「第2抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることを特徴とする、請求の範囲11又は12に記載の方法。
  15. 「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定が、下記(a)及び(b)の工程を少なくとも含む工程によって行われることを特徴とする、請求の範囲7に記載の方法。
    (a)「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」、「検体」及び「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」を接触させ、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」からなる複合体及び「検体中の『配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド』−請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」からなる複合体を形成させる工程。
    (b)工程(a)において形成された「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」からなる複合体及び「検体中の『配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド』−請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」からなる複合体の少なくともいずれか一方を検出する工程。
  16. 「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定が、下記(a)〜(c)の工程を少なくとも含む工程によって行われることを特徴とする、請求の範囲15に記載の方法。
    (a)検体と「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」を接触させて、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド−請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」からなる複合体Aを形成させる工程。
    (b)「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相」に、工程(a)によって得られた「『複合体A』と『複合体Aを形成しなかった請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体』とを含有する混合物」を接触させ、「固相に固着された『配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチド』−請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」からなる複合体を形成させる工程。
    (c)工程(b)において形成された複合体を検出する工程。
  17. 「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」が標識物質で標識されているか又は標識されるものであることを特徴とする、請求の範囲15又は16に記載の方法。
  18. 複合体の検出が、「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの」を用いて行われることを特徴とする、請求の範囲15又は16に記載の方法。
  19. 検体が、体液である、請求の範囲7〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 下記の構成成分(A)及び(B)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キット。
    (A)固相
    (B)請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体
  21. 「請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体」が標識物質で標識されているか又は標識されるものであることを特徴とする、請求の範囲20に記載のキット。
  22. 下記の構成成分(A)及び(B)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キット。
    (A)請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体(第1抗体)が固着された固相
    (B)請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体(第2抗体)
  23. 第2抗体が標識物質で標識されているか又は標識されるものであることを特徴とする、請求の範囲22に記載のキット。
  24. 下記の構成成分(A)、(B)及び(C)を少なくとも含む、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」の測定キット。
    (A)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドが固着された固相
    (B)請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体
    (C)請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体に特異的に結合する抗体であって、標識物質で標識されているもの又は標識されるもの
  25. 請求の範囲1〜6のいずれかに記載の抗体又は「CAP18に特異的に結合する抗体」によって検出されることができる検体中の抗原を測定し、その結果から検体を採取した患者の細菌性肺炎を検出することを特徴とする細菌性肺炎の検出方法。
  26. 検体中の抗原が、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」、「配列番号2で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」、「配列番号3で示されるアミノ酸配列を少なくとも含有するペプチド」及びCAP18からなる群から選択される抗原である請求の範囲25に記載の方法。
  27. 測定が「配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるペプチドに結合する抗体」、「配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗体」、「配列番号3で示されるアミノ酸配列からなるペプチドに特異的に結合する抗体」及び「CAP18に特異的に結合する抗体」からなる群から選択される抗体を用いて、免疫学的に行われる請求の範囲25に記載の方法。
  28. 細菌性肺炎の検出が、細菌性肺炎の罹患の有無、程度、種類の評価、またはモニタリングである請求の範囲25記載の方法。
  29. 測定が請求の範囲7〜19のいずれか1項に記載の方法で行われる、請求の範囲25〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体を含む細菌性肺炎の診断キット。
  31. 請求の範囲20〜24のいずれか1項に記載のキットからなる請求の範囲30記載のキット。
  32. 請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の抗体を有効成分として含む細菌性肺炎の診断薬。
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