JP3579167B2 - 路面用床版およびその敷設工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面、特に橋梁の床組み上に敷設するのに適している路面用床版およびその敷設工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の床版構造としては、鉄筋コンクリート床版、プレストレストコンクリート床版、鋼とコンクリートとの合成床版等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の床版構造の内、鉄筋コンクリート構造は、もっとも歴史が長く、一般に高度な技術を必要としないから施工例も多い。しかしながら、近年における床版支間の長大化に対応するには、鉄筋コンクリート構造のものは、版厚が厚くなって自重が増加し、合理的な橋梁の設計ができないという欠点がある。また、過去には損傷した床版コンクリートが抜け落ちるという事故がしばしば起きている。プレストレストコンクリート構造の床版は強度が高く、長支間の床版で徐々に施工例が増えてきているが、形状に対する自由度が小さく、橋梁の平面形状が変化する場合、その形状に応じた型枠を多数用意しなければならないという欠点がある。また本発明と機能面で類似の鋼とコンクリートとの合成床版としては、ロビンソン型合成床版、およびトラス型ジベルをもつ合成床版等があるが、いずれもその複雑な構造のため製作難易度が高く、また、長支間に対しての強度が十分に検討がなされていないという問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するため本発明においては、路面の単位部分の平面形状に形成した鋼板を、型枠および引張り鉄筋として機能する底板とし、孔内を貫通する鉄筋とその孔の内周縁との間の空間に流入するコンクリートがずれ止めとして当該リブとそのリブの周囲のコンクリートとを合成させる強度を持つように内径を鉄筋よりも大径とした多数の孔を帯状の鋼板に分布して設けたリブを、前記底板上に適当な間隔をおいてその底板に対して直交するように並設し、これらのリブを前記底板に溶接してその底板と共に架設・供用時の荷重に抵抗するようにして、これらリブおよび底板を主鉄筋代わりにし、前記リブに設けた多数の孔にそれぞれ鉄筋を貫通させると共に、前記リブの上方にも鉄筋を適当な間隔おきに配設し、この底板上に所定の厚さにコンクリートを打設してそのコンクリートを前記リブの前記多数の孔の内周面とそれらの孔を貫通する鉄筋との間の空間に流入させることにより、後死荷重および活荷重に対し前記底板をコンクリートとの合成部材として、路面用床版を構成する。
【0005】
また本発明の路面用床版の敷設工法としては、前記した本発明の路面用床版のコンクリートを除く鋼製の床版構成材を工場で製造し、これを現場へ輸送して所定の位置にセットして後、この床版構成材の底板上にコンクリートを所定の厚さに打設すればよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の路面用床版を橋梁へ適用した例を示すもので、図2はその床版の部分図である。
【0007】
本実施例においては、路面の単位部分の平面形状に形成した鋼板を底板1とし、帯状の鋼板に多数の孔2aを分布して設けたリブ2を、前記底板1上に適当な間隔をおいて底板1に対して直交するように並設すると共に、これらのリブ2を底板1に溶接3によって接合する。またリブ2に設けた多数の孔2aにそれぞれ棒状の鉄筋4を貫通させると共に、リブ2の上方にも棒状の鉄筋5を適当な間隔おきに配設し、この底板1上に所定の厚さにコンクリート6を打設して路面用床版を構成する。
【0008】
なお図1は、本発明の路面用床版をU型断面形状の開断面箱桁7の上に設置した例を示すもので、8はこの開断面箱桁7の両側上縁部に設けたフランジ用の帯板であり、本発明床版の底板1は、この帯板8に重合している。1aは両側の底板1の立ち上がり側縁であり、9は帯板8上に分布して植設したスタッドである。
【0009】
また本発明の路面用床版の敷設工法は、前記した本発明の路面用床版のコンクリート6を除く鋼製の床版構成材を図3に示すように工場10で製造し、これをトラック11等によって現場12へ輸送して、クレーン車13等によって所定の位置にセットして後、この床板1上にコンクリートミキサー車14等によってコンクリート6を所定の厚さに打設する。図3の15は、上述のようにして供用を開始した路面を示すものである。
【0010】
上述のように本発明の床版は、鋼製の底板1と、リブ2と、鉄筋4,5の3種の鋼部材と、コンクリート6で構成されている。従来のRC床版との大きな違いは、本発明が底板1としての鋼板とリブ2を主鉄筋代りに使用している点であり、施工時には底板1を型枠代りに利用して、現場での型枠・支保工に関する作業をなくし、さらに完成時には引張り鉄筋代りの強度部材として利用している。本発明の大きな特徴は、鋼部材をパネルとして工場で製作・配筋することである。したがって現場へ搬入後の作業は、床版パネルの配置とコンクリート打設のみである。鋼部材は路面の形状に応じて自由に形状を設定できるから、あらゆる形状に対応できる。
【0011】
鋼板製の底板1は、型枠および引張り鉄筋として機能する。すなわち、床版敷設時には前死荷重(鋼の自重とコンクリートの死荷重)に対して、コンクリート硬化後は舗装等の後死荷重に抵抗する。供用時にはさらに活荷重に対して、コンクリートとの合成部材として抵抗する。
また鋼板製のリブ2は、架設・供用時の荷重に対して底板1と共に抵抗する。リブ2の側面には70φ程度の孔2aが明いており、鉄筋4が中に配置されている。この孔2aは、コンクリート6とのずれ止めとして、各種鋼部材とコンクリート6を合成させる機能を有している。
また鉄筋4,5はリブ2の孔2a内と、リブ2の上方に配置されていて、リブ2に対する直角方向の補剛と、コンクリート6のひび割れ防止として機能する。
【0012】
図1の橋梁は、床版を除いた断面がU型を示す開断面箱桁橋と呼ばれるものである。この橋梁は一般にはU型断面のまま架設し、その後コンクリート床版を打設することにより箱断面を完成させ、所定のねじり剛性ができる。そのため架設時にはねじり剛性が不足し、架設時補強を必要とする。この橋梁に本発明床版を設置すると架設時の補強を兼ねることができて経済的である。この例以外にも、本発明の床版はあらゆる形式の橋梁に対して適用でき、所要の性能を発揮することができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、上記のように、コンクリートを鋼製の底板1、リブ2、鉄筋4,5で補強するようにしたから、極めて高強度の床版を可能としている。したがって道路橋示方書に従って設計された鉄筋コンクリート、プレストレストコンクリートに比べて、本発明の床版は版厚を小さくすることができる。また対応できる床版支間は、鋼部材の使用量を調整することにより自由度が高く、これまでに例のない長支間に対応できる。現場での作業は型枠・支保工の設置作業の省略により、急速施工が可能である。また、構造は簡単であり製作過程における工数も非常に少ない。さらに鋼板が底を覆っていることにより、過去に起った供用後のコンクリートの脱落という事故のおそれがなくなって安全性が高くなる。また本発明を鋼橋に適用した場合は、架設時に橋梁本体との一体化した施工と管理が可能であり、高品質の橋梁建設が可能になる。コンクリート打設までを工場で行うプレキャスト床版と比べると、コンクリートを現場で打設する本発明床版は工場から現場までの輸送重量が小さく、輸送効率が高くなる等、本発明によれば多くのすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路面用床版をU型断面の橋桁上に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の路面用床版の部分斜視図である。
【図3】本発明の路面用床版の敷設工法の説明図である。
【符号の説明】
1 底板
1a 側縁
2 リブ
2a 孔
3 溶接
4,5 鉄筋
6 コンクリート
7 開断面箱桁
8 フランジ用の帯板
9 スタッド
10 工場
11 トラック
12 現場
13 クレーン車
14 コンクリートミキサー車
15 供用を開始した路面
Claims (2)
- 路面の単位部分の平面形状に形成した鋼板を、型枠および引張り鉄筋として機能する底板とし、
孔内を貫通する鉄筋とその孔の内周縁との間の空間に流入するコンクリートがずれ止めとして当該リブとそのリブの周囲のコンクリートとを合成させる強度を持つように内径を鉄筋よりも大径とした多数の孔を帯状の鋼板に分布して設けたリブを、前記底板上に適当な間隔をおいてその底板に対して直交するように並設し、
これらのリブを前記底板に溶接してその底板と共に架設・供用時の荷重に抵抗するようにして、これらリブおよび底板を主鉄筋代わりにし、
前記リブに設けた多数の孔にそれぞれ鉄筋を貫通させると共に、前記リブの上方にも鉄筋を適当な間隔おきに配設し、
この底板上に所定の厚さにコンクリートを打設してそのコンクリートを前記リブの前記多数の孔の内周面とそれらの孔を貫通する鉄筋との間の空間に流入させることにより、後死荷重および活荷重に対し前記底板をコンクリートとの合成部材としてなることを特徴とする、路面用床版。 - 請求項1の路面用床版のコンクリートを除く鋼製の床版構成材を工場で製造し、これを現場へ輸送して所定の位置にセットして後、この床版構成材の底板上にコンクリートを所定の厚さに打設することを特徴とする、路面用床版の敷設工法。
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