JP3578703B2 - ブラシレスモータおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として携帯電子機器にもちいて好適な小型のブラシレスモータおよびその製造方法に係り、詳しくはそのコイルの線処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型ブラシレスモータにおいてコイルの端末を外部給電端子に接続する工程では、細く柔らかい線材を取り扱うため多大の手間を要する。モータが小さくなるほどその傾向が著しい。それゆえ従来から、組立を容易にすべく種々の線処理方法が検討されてきた。
【0003】
たとえば特開平6−46543号公報に開示されたものがその代表的な例である。これにおいては、図11に示すように、コア101は円環部102から放射状に延びる複数の突極103を持っており、この突極103にコイル104を巻回している。そして突極103どうしの間のスロット部にはターミナル105が設けてあり、コイル端末106をこのターミナル105に巻回接続している。さらにターミナル105はそのコイル端末巻回部がコア101の軸方向に屈曲形成してあって、コア101の軸方向に沿ったコイル104の片側の位置に配置された外部給電端子107(この場合はフレキシブル印刷回路基板(以下、「FPC」と称する)108上のランド)に半田付けできるようになっている。図では隠れて見えないが、ターミナル105は、コア101の円環部102の背後(端面)に設けられた樹脂リングで複数個を一体的に成形保持されている。そして樹脂リングは円環部102に圧入固定されている。
【0004】
このようにコイル端末106を保持するためのターミナル105を設け、そのターミナル105を突極103どうしの間のスロット部にある空き空間に配置して線処理することにより、モータ寸法を大きくすることなく半田付け作業性の向上を図っている。またターミナル105を保持部材としての樹脂リングで一体的に成形保持して強固なターミナル組立体を形成し、端末巻き付け作業によってターミナルに変形やずれが生じないようにして外部給電端子に正確に半田付けしている。小型ブラシレスモータではこのようなターミナルがよく用いられる。
【0005】
しかしながらこの構造は、円環部102からスロット部に延長突出するターミナル105を設けるものであるから、このターミナル105は剛性を必要とし、太く強固でなければならない。したがってスロット部に太く強固なターミナル105を配置することができないほどに小型高密度化を求められるモータには適用できない。また、このターミナル105を樹脂リングで一体的に成形保持する構造であるから、樹脂リングも厚く強固でなければならない。したがってコア101の円環部102に樹脂リングを配置できないほどに小型薄型化を求められるモータには適用できない。
【0006】
そこで、他の従来例であるところの、本出願人が特開平4−193053号公報に開示した発明を適用することが考えられる。これを図12に示す。同図(a)は同図(b)におけるB−B断面図である。従来からコアとコイルとの絶縁のためにコアの端面に樹脂成形インシュレータを配置することがよく行なわれているが、ここでは、そのインシュレータ111の突極114の部分に薄い金属板からなるターミナル112を埋め込んでいる。そして、図示しないが、突極114とターミナル112とを束ねるようにコイルを巻回して保持している。さらにターミナル112はその先端のコイル端末巻回部113が軸方向に屈曲形成してあって、このコイル端末巻回部113を、コイルの片側に隣接配置された印刷配線基板(の上の外部給電端子、いずれも図示せず)に半田付けできるようになっている。
【0007】
これはターミナル112をスロット部に配置しない構造であるから、スロット部に空きスペースをとれないほどに小型高密度なモータに好適である。またターミナル112を突極114に保持させているから、このターミナル112の剛性は図11の従来例のものよりも小さくて済み、薄く小さいターミナルでも外部給電端子に正しく位置決めできる。またターミナル112をインシュレータ111およびコイルによってコアに保持させているから、円環部115にはターミナル保持部材を配置する必要がなく、そこに軸受保持構造などを設ける空間を確保できる。すなわち、この図12の従来例は図11の従来例が持つ課題を解決している。
【0008】
だがこの構造においては、突極114とターミナル112とを重ねているので、ターミナル112およびその絶縁層の合計厚さだけモータ厚さが増加する。この欠点を解消するにはその厚さをできるだけ薄くしなければならない。しかしながらこの樹脂絶縁層をインサート成型で形成すると、成型流動性からくる制約によってその覆う部分の樹脂の厚さは一般的には0.2mm程度以上にせざるを得ない。故に両面合わせると絶縁のために0.4mmの厚さを費やすこととなり、小型薄型化を厳しく求められるモータにおいてはこの点が問題となる。
【0009】
そこでさらに他の従来例として、特開平7−95740号公報のものが挙げられる。これは、図13に示すように、コア121の端面の円環部122および突極123に接してFPC124を配置し、突極123とFPC124とを束ねるようにコイル125を巻回した後、FPC124に設けられた外部給電端子126にコイルの端末127を直接に接続したものである。FPC124は銅箔を含めた厚さが0.1mm程度の薄いものを用いることができるから、これを含むモータ厚さを薄くでき、小型薄型のモータを構成するのに好適である。すなわち図12の従来例が持つ課題を解決している。
【0010】
しかしながらこの構造においては、FPC124をターミナルとして機能させることができない。FPC124は表面に樹脂フィルムからなる絶縁体を積層した多層構造であるため、曲げた部分のスプリングバックや経時変化が大きく、屈曲形状を精度よく維持できないからである。すなわち、コイル端末接続部を軸方向に屈曲突出させてコイルの片側に配置された外部給電端子に接続するような構成を採るには不向きである。それゆえに本従来例はコア121の端面にFPC124を重ね、FPC124に設けられた外部給電端子126にコイルの端末127を直接に接続している。すると次には、FPC124をどのようにロータから躱し(かわし)、どのようにモータ外部に導出し、どのように機器に接続するかが問題となる。すなわち、線処理工程における組立性を向上させるという当初の目的を達成したかにみえても、線処理とは異なる部分で新たな隘路を作ることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このようにこれらの従来技術は、いずれも、極めて小型薄型のモータにおける線処理技術として満足できるものではなかった。
【0012】
そこで本発明は、これらの従来技術では得られなかった、コイルの片側に隣接配置された基板の外部給電端子にコイル端末を接続でき、スロット部に十分な空きスペースのない小型高密度なモータに好適であって、コアの円環部には保持部材を配置する必要がなくしたがって軸受保持構造などのための空間を確保でき、さらに小型薄型化を図ることができる線処理構造を持つ小型のブラシレスモータとその製造方法とを提供する。そしてそれによって、極めて小型薄型でありながら組立生産性の高いモータを得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のブラシレスモータは、コアとコイルと板状金属部材からなるターミナルとを備え、前記コアは円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有し、複数のターミナルが互いに分離された状態で前記突極の表面に重ねて保持され、各突極とターミナルとを束ねるようにコイルが巻回され、各コイルの端末が前記ターミナルに接続され、コイルはコアの突極どうし間の円環部の近傍を通る渡り線を有し、ターミナルは、前記円環部における渡り線の位置を規制するモータ軸方向のガイド部を有するようにしたものである。
【0014】
本発明の第1のブラシレスモータの製造方法は、板状金属部材からなる複数のターミナルをあらかじめ放射状に配置してその内周側で連結部材により連結しておき、円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有するコアにおける各突極の表面に各ターミナルを重ねて、これら突極とターミナルとを束ねるようにコイルを巻回し、前記コイルの端末をターミナルに接続し、前記連結部材を切断除去して各ターミナル間の電気絶縁を図るものである。
本発明の第2のブラシレスモータの製造方法は、板状金属部材からなる複数のターミナルをあらかじめ放射状に配置してその外周側で連結部材により連結しておき、円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有するコアにおける各突極の表面に、各ターミナルを、このターミナルの外周端部が突極から離れてコイル端末接続部を構成するとともにこのターミナルの内周端部が金属面を露出するように重ねて、これら突極とターミナルとを固定し、前記連結部材を切断除去して各ターミナル間の電気絶縁を図り、各突極と各ターミナルとを束ねるようにコイルを巻回し、前記コイルの端末をターミナルのコイル端末接続部に接続し、前記ターミナルのコイル端末接続部と金属面を露出した内周端部とに溶接電極を作用させて、前記コイルの端末とターミナルのコイル端末接続部とを溶接するものである。
【0015】
したがって本発明によると、特別なターミナル保持部材を用いることなく、ターミナルを互いに電気的および機械的に分離しながらコアによってその位置を保ち、またコイルがターミナルを突極表面に保持する機能を果たす。このようにして、従来あったターミナル保持部の機能の全てを代替し、ターミナル保持部材を排除する。またこの構造によって薄く小さいターミナルを用いることを可能にする。したがってモータは、ターミナルを備えながら極めて小型薄型に構成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の本発明は、コアとコイルと板状金属部材からなるターミナルとを備え、前記コアは円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有し、複数のターミナルが互いに分離された状態で前記突極の表面に重ねて保持され、各突極とターミナルとを束ねるようにコイルが巻回され、各コイルの端末が前記ターミナルに接続され、コイルはコアの突極どうし間の円環部の近傍を通る渡り線を有し、ターミナルは、前記円環部における渡り線の位置を規制するモータ軸方向のガイド部を有するようにしたものである。
【0017】
このような構成において、複数のターミナルは互いに分離された部材であって突極の表面に重ねて保持され、突極とターミナルとを束ねるようにコイルが巻回される。これにより、特別なターミナル保持部材を用いることなく、ターミナルを互いに電気的および機械的に分離しながら、コアによってターミナルの位置が保たれる。コイルは、ターミナルを突極の表面に保持する機能を果たす。このようにして、従来あったターミナル保持部の機能の全てを代替し、ターミナル保持部材が排除される。またこの構造によって薄く小さいターミナルを用いることを可能にする。したがってモータは、ターミナルを備えながら極めて小型薄型に構成することができる。また突極に巻回したコイルは円環部を経由して他の突極に引き回すことが多いが、そのときに、ターミナルの一部を円環部側に延長しモータの軸方向に突出するように形成することで、コストアップやスペースの増加を抑えながら容易に渡り線の位置規制を行うことができる。
【0020】
請求項2に記載の本発明は、ターミナルの先端部が、モータの軸方向から見てコアの輪郭よりも径方向の外側に突出しているようにしたものである。
このような構成であると、ターミナルはコアの輪郭より外側に突出した部分を有するから、連結部材によってターミナルを連結しておき突極の表面に重ねて保持させた後にこの連結部材を切断除去する工法をとるとき、切断工具を操作しやすく作業性がよい。したがって小型薄型モータにおいて良好な組立性を実現することができる。
【0021】
請求項3に記載の本発明は、ターミナルは、コアに接する部分および、またはコイルに接する部分に絶縁皮膜が形成されて、前記コアとの間および、またはコイルとの間の電気絶縁が図られているようにしたものである。
【0022】
このような構成であると、従来のターミナル保持部材が持っていた絶縁機能を、選択的に形成されるとともに従来のものよりも格段に薄い絶縁皮膜によって代替できる。これによって、ターミナル保持部材を実質的に不要とし、同時に、突極にターミナルを重ねることによるモータ厚さの増加を最小限に抑える。したがってモータを極めて小型薄型に構成することができる。
【0023】
請求項4に記載の本発明は、モータの軸方向に沿ったコイルの片側の部分に隣接した位置でありかつターミナルのコイル端末を接続した部分に対応する位置に、給電端子が配置されているようにしたものである。
【0024】
すなわち、外部給電端子は、平面状の基板に配置されて、モータの軸方向に沿ったコイルの片側の部分に隣接する位置に設けられている。このような構成であると、たとえば超小型モータを機器の基板にリフロー接続するとき、モータの給電端子基板を最下面に配置できるから、機器との接続性がよく、またモータの組立時においては部品を積み重ねるだけで組立できるから組立性に優れるなどの合理性を有する。したがって組立性に優れかつ機器製造者にとって使いやすい小型薄型モータを実現することができる。
【0025】
請求項5に記載の本発明は、ターミナルが、突極の表面に重ねて保持される部分とコイル端末を接続する部分との間にモータの軸方向の屈曲部を有するようにしたものである。
【0026】
このような構成であると、コイル端末を接続する部分がコアからモータの軸方向に離れた位置にシフトすることになる。すなわち一般にアウタロータタイプでは突極外周とマグネットとが近接しており、突極に保持されたターミナルもマグネットに近接する。これに対し本発明では、ターミナルを屈曲させて両者の接触を回避する。また、コイル端末を接続する部分を、外部給電端子を配置しやすく接続しやすい位置に導いており、これによって組立てやすさや使いやすさを向上させている。したがってモータを組立性に優れかつ機器製造者にとって使いやすいものとすることができる。
【0027】
請求項6に記載の本発明は、ターミナルが非磁性金属からなるようにしたものである。 すなわち本発明のモータでは、突極の先端付近においてターミナルとロータマグネットとが接近することになる。すると、ターミナルが磁性体の場合は、不要な磁気ループが生まれて特性を乱すおそれがある。そこで、ターミナルが非磁性金属からなるようにすることで、それを回避する。また特に銅系合金をもちいれば、コイルと同系の金属であるから、半田付け接続、ヒュージング接続、溶接接続など多くの場合に良好な接合品質を得ることができる。
【0030】
請求項7に記載の本発明は、ターミナルにおけるコイル端末の接続部が、モータの軸方向から見てコアおよびコイルの輪郭よりも径方向の外側に配置されているようにしたものである。
【0031】
このような構成であると、コアおよびコイルの輪郭よりも径方向の外側にターミナルにおけるコイル端末の接続部を配置することで、外部給電端子に接続するための工具を接近させやすくなり、接続作業が容易になる。
【0032】
請求項8に記載の本発明は、ターミナルは、コアに接する部分とコイルに接する部分とに絶縁皮膜が形成されて、前記コアとの間およびコイルとの間の電気絶縁が図られるとともに、突極の表面に重ねて保持される部分とコイル端末を接続する部分との間にモータの軸方向の屈曲部を有し、かつ前記屈曲部と前記コイル端末を接続する部分とには絶縁皮膜が形成されていないようにしたものである。
【0033】
このような構成であると、屈曲部を実質的に金属材のみで構成することで、絶縁のための樹脂材等によるスプリングバックがなくなって、その曲げ形状が精度よく保たれる。またコイル端末を接続する部分を金属材のみで構成すると、コイル端末との接合の際に有機物が介在せず、良好な接合状態が得られる。これらによってモータは良好な品質を得ることができる。
【0034】
請求項9に記載の本発明は、絶縁皮膜は、紫外線硬化性樹脂もしくは熱硬化性樹脂をターミナルに塗布し硬化させて形成したものである。
このようなものであると、これらの樹脂は製造工程において選択的に塗布でき迅速に硬化乾燥するから、生産性良く絶縁処理を行うことができる。またこの方法は皮膜の厚さをコントロールし易く、薄さ、生産性、耐圧性、耐熱性など各種の要求特性に適合した厚さの絶縁皮膜を容易に得ることができる。
【0035】
請求項10に記載の本発明は、絶縁皮膜の厚さが3μm以上100μm以下であるようにしたものである。
このようなものであると、皮膜の厚さが3μmあるいはそれ以上のときに、耐圧性能を確保しながらモータを極めて薄型にでき、また100μmあるいはそれ以下のときに、従来よりも薄い形状でありながら耐圧性・耐熱性・生産性に優れたモータとすることができる。
【0036】
請求項11に記載の本発明は、板状金属部材からなる複数のターミナルをあらかじめ放射状に配置してその内周側で連結部材により連結しておき、円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有するコアにおける各突極の表面に各ターミナルを重ねて、これら突極とターミナルとを束ねるようにコイルを巻回し、前記コイルの端末をターミナルに接続し、前記連結部材を切断除去して各ターミナル間の電気絶縁を図るものである。
請求項12に記載の本発明は、板状金属部材からなる複数のターミナルをあらかじめ放射状に配置してその外周側で連結部材により連結しておき、円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有するコアにおける各突極の表面に、各ターミナルを、このターミナルの外周端部が突極から離れてコイル端末接続部を構成するとともにこのターミナルの内周端部が金属面を露出するように重ねて、これら突極とターミナルとを固定し、前記連結部材を切断除去して各ターミナル間の電気絶縁を図り、各突極と各ターミナルとを束ねるようにコイルを巻回し、前記コイルの端末をターミナルのコイル端末接続部に接続し、前記ターミナルのコイル端末接続部と金属面を露出した内周端部とに溶接電極を作用させて、前記コイルの端末とターミナルのコイル端末接続部とを溶接するものである。
【0037】
このようにすると、特別なターミナル保持部材を用いることなく、ターミナルを互いに電気的および機械的に分離しながらその位置を保つことができ、ターミナルを突極表面に保持する機能をコイルが果たす。すなわち、従来あったターミナル保持部材の機能をこのような構造によって満たし、ターミナル保持部材を実質的に不要とする。したがってモータを極めて小型薄型に構成することができる。また、複数のターミナルを突極に重なる位置関係として連結部材により連結配置しておき、突極に重ねて保持させた後連結部材を分離することによって、突極がターミナルを保持するまで複数のターミナルを互いの位置を保ちながら取り扱うことができ、組立作業性が向上する。したがって小型薄型モータにおいて良好な組立性を実現することができる。
【0038】
請求項13に記載の本発明は、各突極の表面にターミナルを重ねて接着保持させるものである。
このようにすると、あらかじめターミナルを突極に接着しておくことで、巻線により保持する作業までの間に他の手段によって保持しておく必要がなく取り扱いが楽になり、またターミナルを連結してあるとき巻線を行う前に連結部材を分離できるなど、工程の自由度が増す。
【0040】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態のモータの構造を示す断面図である。図2はその部品であるターミナルを連結部材で連結した構造を示す図である。図3は図2のものにコアに重ねた構造を示す図である。図4は図3のものにコイルを巻回した構造を示す図である。図5は図4におけるターミナルとコイル端末とをアーク溶接接合した構造を示す図である。図6は図5におけるターミナル連結部材を切断除去した構造を示す図である。図7は図6におけるアーク溶接接合部を給電端子に抵抗溶接する様子を示した図である。
【0041】
これらの図に示したモータは、たとえば外径がφ10mmほどの極めて小型薄型の形状に作られたブラシレスモータであって、携帯電話機などで振動報知用途に用いられるものである。図1において、このモータは、ステータ(非回転部分)1と、ロータ(回転部分)2と、カバー18とで構成されている。ロータ2はロータフレーム11を主体とし、リング状のマグネット12をその内側に取り付けてある。さらにこのロータフレーム11には偏心ウエイト13が取り付けられている。そしてロータフレーム11の中央に取り付けたシャフト14を中心に回転する。
【0042】
ステータ1はモータベース15を主体とし、コア21、コイル22、ターミナル31よりなる巻線組立体が取り付けられ、さらにシャフト14を支持するためのメタル16がその中央に取り付けられている。コイル端末23はモータベース15の給電端子17に接続されている。そして上述のようにメタル16にロータ2のシャフト14が回転可能な状態で嵌合し、それをキャップ状のカバー18で覆っている。モータの下面には給電端子17が露出していて、機器の基板(図示せず)にリフロー接続できるようになっている。
【0043】
完成したモータは上記のように機器(携帯電話)の基板にリフロー接続され、下面の金属製の給電端子17を経由してコイル22に通電され、これによってロータ2が回転する。そしてロータ2に取り付けられた偏心ウエイト13により振動が発生して機器を振動させる。
【0044】
本発明はステータ1の構造に関わるので、以下、ステータ1について詳述する。
図2にターミナルの形状を示す。ここでは、6つのターミナル31を放射状に配置し、それを中央に置いた連結部材32で一体に連結した状態を示している。連結部材32は、その中心部に貫通状態の位置決め孔32aを有する。
【0045】
それぞれのターミナル31において、幅広に作られている基部がコアの突極に重なる保持部31aで、先端側がコイル端末接続部31bである。そして前述のように保持部31aの部分で連結部材32によって各ターミナル31が相互に連結されて、互いの位置を保っている。ターミナル31は、保持部31aとコイル端末接続部31bとの中間部分にはZ字状に曲がる2箇所の屈曲部31c、31cがあり、これによってコイル端末接続部31bを保持部31aからモータの軸方向にシフトさせている。また、保持部31aから連結部材32に至る途中の部分にはモータの回転方向に部材31fが一体に延び、さらにこの部材31fの先端がモータの軸方向に曲げられて、渡り線のガイド部31dを形成している。
【0046】
ターミナル31は、厚さ80μm程の薄いリン青銅板などの銅系合金板を用いて作られている。そしてその表面の一部には紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などからなる絶縁皮膜31eが形成されている。図2(a)でハッチングで表現した領域がその絶縁皮膜31eである。図示のように、絶縁皮膜31eは、屈曲部31cよりも径方向の内側で、かつ、連結部材32よりも径方向の外側の部分に形成されている。すなわち屈曲部31cとコイル端末接続部31bとには絶縁処理を施していない。
【0047】
絶縁皮膜31eは、薄さを最優先する場合にはたとえばポリイミド系材料を蒸着し形成する方法がある。これによれば、数μmの厚さが実用可能であるが、絶縁皮膜に300V程度の耐圧性を与えるには3μmが薄さの限界と考えなければならない。図2に示したものでは、生産性を重視して、液状の熱硬化性樹脂をスクリーン印刷法により塗布して硬化させる方法によって、10〜30μmの厚さの皮膜を形成している。さらに抜きバリを含んでの耐圧性や耐熱信頼性を優先させるならば、マスクスクリーンを厚くするか液の粘度をコントロールするなどして、100μm程度の皮膜厚さとしてもよい。したがって絶縁皮膜31eの厚さは、3μm以上100μm以下であるのが好適である。
【0048】
図3はこのターミナル31をコア21の表面に重ねた状態を示している。コア21は、中央付近にある円環部21aと、この円環部21aから外方に向かって放射状に延びる6つの突極21bとを有する。ターミナル31はコアの突極21bに接して配置され、接着剤などを用いて仮固着される。このときターミナル31の厚さは絶縁皮膜を含んで0.1mm程度であってモータ厚さの増加は小さい。
【0049】
ターミナル31の形状をコア21との関連において再度説明する。ターミナル31のコイル端末接続部31bは、屈曲部31cによってコア21の表面からモータの軸方向に離れ、さらにコア表面と平行な状態で放射状に延びている。屈曲部31cは、コアの外周面21cの近傍に位置するとともに、この外周面21cから径方向の外向きに突出しないようになっている。連結部材32はコアの円環部21aの内側にある。部材31fはターミナル31の保持部31aから円環部21aの上を通って延び、渡り線ガイド部31dは、ちょうど突極21bどうしの間の中央でモータの軸方向に突出するようにしてある。
【0050】
図4は図3のものにコイル22を巻回した状態を表わすものである。ここでモータは3相ブラシレスモータであって、3組のコイル22(および突極21b)を持っている。図4(a)において、コイル22は、たとえばこの図4(a)における右端の突極21bに巻回され、渡り線24が複数の渡り線ガイド部31dにガイドされながら逆時計周りに引き回され、そして左端の突極21bに巻回される。コイル端末23は、それぞれの突極21bの先端部付近にあるコイル端末接続部31bに巻回される。これを3箇所において3回繰り返して、図のように組立が完了する。
【0051】
このときターミナルの絶縁皮膜31eは、ターミナル31におけるコイル22に接する部分および渡り線24に接する部分を覆うように施してあって、ターミナル31とコイル22との絶縁を保っている。ターミナル31はコイル22だけでなくコア21とも接しているが、コア21に絶縁皮膜を形成しておくことで、同様に絶縁を確保できる。したがってこの場合は、ターミナル31におけるコア21に接する部分には必ずしも絶縁処理をおこなう必要はない。
【0052】
次にコイル端末23をコイル端末接続部31bにアーク溶接によって接合する。それには、図4(b)に示すように、まず溶接機のアース電極71をターミナル31の中央の連結部材32に電気的に接続する。すなわち、このアース電極71を、連結部材32の中央にある位置決め孔32aに押し当てる。溶接電極72は、コイル端末接続部31bの先端に対向するように配置する。そしてアーク放電を起こさせて、コイル端末23とコイル端末接続部31bとを溶融接合する。この作業をコア21を60°ずつ回転させながら6度おこなって溶接が完了する。なお、溶接電極72はタングステンなどの非消耗電極を用い、溶融部の周囲は溶接電極72の外周の隙間77から噴出するアルゴンなどの不活性ガスで被包して酸化を防ぐ。図5は溶接が完了した状態を示す。コイル端末接続部31bの母材が溶融してコイル端末23を包むように接合している。31hは、そのアーク溶接接合部である。
【0053】
そして、中央部の連結部材32を図6に示すように切断工具73によって切断除去する。図6において切断部31gは円環部21aの内側にわずかに突出している。切断工具73はコアの円環部21aの近傍をガイドしながら作動させ、突出残部ができるだけ小さくなるようにする。あるいはモータの大きさによっては、切断部31gを突出させてモータベース15に係合させ、これを軸方向または回転方向に保持させるようにする応用もあり得る。
【0054】
このようにして完成した巻線組立体を、モータベース15に取り付ける。この様子を図7に示す。ターミナル31のアーク溶接接合部31hをモータベース15の給電端子17に重ね、この部分を抵抗溶接ヘッド76で挟み、電流を流すとジュール熱によって発熱する。溶解寸前まで加熱して加圧するとアーク溶接接合部すなわち溶融したコイル端末接続部31bと給電端子17とが溶着する。あとは冒頭に説明したように組立て、モータを完成させる。
【0055】
このようにターミナル31どうしを保持するための連結部材32を除去することで、ターミナル31は互いに分離された部材となって突極21bの表面に重ねて保持され、突極21bとターミナル31とを束ねるようにコイル22が巻回される。したがってモータはターミナル31を備えながら極めて小型薄型に構成することができる。
【0056】
また複数のターミナル31をあらかじめ放射状に配置してその内周側で連結部材32により連結し、突極21bの端面にターミナル31を重ねて保持させた後に連結部材32を切断除去してターミナル31間の電気絶縁を図っており、これによってターミナルを保持する部材を不要とし、かつ組立の作業性を向上させている。
【0057】
またターミナル31は、その内周端である切断部31gがコア21の円環部21aより内周に突出している。すなわちコア21の輪郭より内側に突出した状態で切断することができる。したがって、ターミナル31を突極21bの表面に重ねて保持させた後に連結部材32を切断除去する工法をとるときに、切断工具73を挿入しやすく作業性がよい。
【0058】
またターミナル31は、突極21bの表面に重ねて保持され、コア21またはコイル22と接する部分に従来より格段に薄い絶縁皮膜31eを形成して電気絶縁を図っている。これによってターミナルを保持するための部材を不要とし、同時に、突極21bにターミナル31を重ねることによるモータ厚さの増加を最小限に抑えている。
【0059】
また外部給電端子17は、平面状の基板(モータベース15)に配置されて、モータの軸方向に沿ったコイル22の片側に隣接する位置に設けられている。すると、モータの給電端子17を基板(モータベース15)の最下面に配置することになるため、機器との接続性がよく、またこの構造はモータの組立性に優れる。
【0060】
またターミナル31は、その保持部31aとコイルの端末接続部31bとの中間部分にモータの軸方向の屈曲部31cを有するため、マグネット12との接触を回避できるとともに、外部給電端子17を配置しやすく接続しやすい位置にコイル端末保持部31bを設けることができる。
【0061】
またターミナル31は銅系合金にて形成されており、これはコイル22と同系の金属であるから、両者の溶接接続において良好な接合品質を得ることができる。またターミナル31とマグネット12との間に不要な磁気ループが生まれることを防止できる。
【0062】
またターミナル31は、円環部21aにおける渡り線24の位置を規制するガイド部31dを突出形成しているため、コストアップやスペースの増加を抑えながら容易に渡り線24の位置規制を行うことができる。
【0063】
またターミナル31のコイル端末接続部31bはコア21の突極21bよりも外周側に配置されているため、すなわち、モータの軸方向から見てコア21およびコイル22の輪郭よりも径方向の外側に位置しているため、このコイル端末接続部31bを外部給電端子17に接続するための工具たとえば抵抗溶接ヘッド76を接近させてその接続をおこなわせる作業が容易になる。
【0064】
また突極21bの表面にターミナル31を重ねて接着して保持させた後に、突極21bとターミナル31とを束ねるようにコイル22を巻回しているため、巻線し終わるまでの間に他の手段によってターミナル31を保持しておく必要がなく、取り扱いが楽になり、またターミナル31を連結してあるときに巻線を行う前に連結部を分離できるなど、工程の自由度が増す。
【0065】
またターミナル31において、屈曲部31cおよびコイル端末接続部31bには絶縁皮膜31eを形成しないようにしたため、樹脂材等によるスプリングバックがなくなって、その曲げ形状が精度よく保たれる。また、コイル端末23との接合の際に有機物が介在せず、良好な接合状態が得られる。
【0066】
また熱硬化性樹脂を塗布し硬化させて絶縁皮膜31eを形成したため、耐熱性の高い絶縁皮膜31eを生産性良く形成することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を説明する。図8はブラシレスモータの部品であるターミナル51を連結部材52で連結したものを示す。図9はそれをコア41に重ねたものを示す。図10は図9のものにコイル22を巻回したものを示す。この第2の実施の形態は第1の実施の形態に対しターミナル51の連結構造を変更し、それに伴って製造工程を変更したものである。以下において、第1の実施の形態に比べて、変更のない、あるいは冗長と思われる部分は図示と説明を省略する。
【0067】
図8にターミナル51の形状を示す。これは、6つのターミナル51を放射状に配置し、それぞれのターミナル51を、これらのターミナル51の外側に置いたフレーム状の連結部材52で一体に連結したものである。各ターミナル51において、放射方向に沿った内側の部分に形成された基部がコアの突極に重なる保持部51aで、放射方向に沿った外側の部分に形成された先端部がコイル端末接続部51bである。そして前述のようにコイル端末接続部51bが連結部材52で連結されて互いの位置を保っている。保持部51aとコイル端末接続部51bとの中間部分には2箇所の屈曲部51cがあり、これによってコイル端末接続部51bをモータの軸方向にシフトさせている。51dは渡り線のためのガイド部であり、部材51fの先端に形成されている。ターミナル51の表面の一部には絶縁皮膜51eが形成されている。図8(a)でハッチングで表現した領域がその絶縁皮膜51eである。ターミナル51において、コア41の円環部41aに重なる内周端部51gでは絶縁皮膜を形成しておらず、金属面を露出させたままとしている。
【0068】
図9はこのターミナル51をコア41の表面に重ねた状態を示している。図示のようにターミナル51はコア41の突極41bに接して配置され、接着剤などを用いて固着される。次に、連結部材52をターミナル51から切断除去する。すなわち、コイル端末接続部51bの先端部分51hで、図のような切断工具74を用いて切断する。
【0069】
図10は、このように連結部材52が切断除去された後にコイル22を巻回した状態を表わすものである。第1の実施の形態の場合と同様に工程を3回繰り返して、巻線作業が完了する。次にコイル端末接続部51bとコイル端末23とをアーク溶接によって接合する。まず溶接機のアース電極75をターミナルの最内周部にある金属露出面すなわち内周部分51gに接続する。それには、図10(b)に示したようなアース電極75をもちいる。アース電極75はコア41の最内周の位置決め孔41cに嵌合するガイド棒75aにリング状の電極75bを外ばめしたものである。これをターミナル51の金属露出面すなわち内周部分51gに押し当てる。溶接電極72はコイル端末接続部51bの先端に対向するように配置する。そしてアーク放電を起こさせてコイル端末接続部51bとコイル端末23とを溶融接合する。コア41を60°ずつ回転させながらこの作業を6度おこなって、溶接が完了する。
【0070】
このようにして完成した巻線組立体を、第1の実施の形態の場合と同様にモータベースに載せ、ターミナル51のコイル端末接続部51bを給電端子に接続して、モータを完成させる。
【0071】
このように、この第2の実施の形態においては、ターミナル51をあらかじめ放射状に配置してその外周側でフレーム状の連結部材52により連結し、突極41bの表面にターミナル51を重ねて保持させた後、連結部材52を切断除去してターミナル51間の電気絶縁を図っている。これによってターミナルを保持する部材を不要とし、かつ組立の作業性を向上させている。
【0072】
またターミナル51は、そのコイル端末接続部51bが、コア41の突極41bより外周に突出している。すなわちコア41の輪郭より外側に突出している。したがって、ターミナル51を突極41bの端面に重ねて保持させた後に連結部材52を切断除去する工法をとるとき、切断工具を扱いやすく作業性がよい。
【0073】
以上本発明の実施の形態をいくつか説明したが、もとより本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲で様々に応用展開が可能である。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、コアとコイルと板状金属部材からなるターミナルとを備え、前記コアは円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有し、複数のターミナルが互いに分離された状態で前記突極の表面に重ねて保持され、各突極とターミナルとを束ねるようにコイルが巻回され、各コイルの端末が前記ターミナルに接続され、コイルはコアの突極どうし間の円環部の近傍を通る渡り線を有し、ターミナルは、前記円環部における渡り線の位置を規制するモータ軸方向のガイド部を有するようにしたため、特別なターミナル保持部材を用いることなく、ターミナルを互いに電気的および機械的に分離しながらコアによってその位置を保つことができ、またコイルがターミナルを突極表面に保持する機能を果たすことができ、また突極に巻回したコイルは円環部を経由して他の突極に引き回すことが多いが、そのときに、ターミナルの一部を円環部側に延長しモータの軸方向に突出するように形成することで、コストアップやスペースの増加を抑えながら容易に渡り線の位置規制を行うことができる。このようにして、従来あったターミナル保持部の機能の全てを代替でき、ターミナル保持部材を排除することができる。また、スロット部に十分な空きスペースのない小型高密度なモータに好適であって、コアの円環部には保持部材を配置する必要がなく軸受保持構造などのための空間を確保できる。また、この構造によって薄く小さいターミナルを用いることができる。したがってモータは、ターミナルを備えながら極めて小型薄型に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のブラシレスモータの構造を示す断面図
【図2】図1におけるターミナルを連結部材で連結したものを示す図
【図3】図2のものをコアに重ねた状態を示す図
【図4】図3のものにコイルを巻回した状態を示す図
【図5】図4におけるターミナルとコイル端末とをアーク溶接接合した状態を示す図
【図6】図5における連結部材を切断除去することを説明する図
【図7】図6におけるアーク溶接接合部を給電端子に抵抗溶接する様子を示す図
【図8】本発明の第2の実施の形態のブラシレスモータを製造するためのターミナルを連結部材で連結したものを示す図
【図9】図8のものをコアに重ねたうえで連結部材を切断除去することを説明する図
【図10】図9のものにコイルを巻回してターミナルとコイル端末とをアーク溶接接合することを説明する図
【図11】第1の従来例に係るモータのステータ組立体を示す図
【図12】第2の従来例に係るモータのインシュレータを示す図
【図13】第3の従来例に係るモータのステータ組立体の斜視図
【符号の説明】
21 コア
21a 円環部
21b 突極
22 コイル
23 コイル端末
24 渡り線
31 ターミナル
32 連結部材
Claims (13)
- コアとコイルと板状金属部材からなるターミナルとを備え、前記コアは円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有し、複数のターミナルが互いに分離された状態で前記突極の表面に重ねて保持され、各突極とターミナルとを束ねるようにコイルが巻回され、各コイルの端末が前記ターミナルに接続され、コイルはコアの突極どうし間の円環部の近傍を通る渡り線を有し、ターミナルは、前記円環部における渡り線の位置を規制するモータ軸方向のガイド部を有するブラシレスモータ。
- ターミナルの先端部が、モータの軸方向から見てコアの輪郭よりも径方向の外側に突出している、請求項1記載のブラシレスモータ。
- ターミナルは、コアに接する部分および、またはコイルに接する部分に絶縁皮膜が形成されて、このコアとの間および、またはコイルとの間の電気絶縁が図られている、請求項1または2記載のブラシレスモータ。
- モータの軸方向に沿ったコイルの片側の部分に隣接した位置でありかつターミナルのコイル端末を接続した部分に対応する位置に、給電端子が配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のブラシレスモータ。
- ターミナルは、突極の表面に重ねて保持される部分とコイル端末を接続する部分との間にモータの軸方向の屈曲部を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のブラシレスモータ。
- ターミナルは非磁性金属からなる、請求項1から5までのいずれか1項記載のブラシレスモータ。
- ターミナルにおけるコイル端末の接続部が、モータの軸方向から見てコアおよびコイルの輪郭よりも径方向の外側に配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のブラシレスモータ。
- ターミナルは、コアに接する部分とコイルに接する部分とに絶縁皮膜が形成されて、前記コアとの間およびコイルとの間の電気絶縁が図られるとともに、突極の表面に重ねて保持される部分とコイル端末を接続する部分との間にモータの軸方向の屈曲部を有し、かつ前記屈曲部と前記コイル端末を接続する部分とには絶縁皮膜が形成されていない、請求項1から7までのいずれか1項記載のブラシレスモータ。
- 絶縁皮膜は、紫外線硬化性樹脂もしくは熱硬化性樹脂をターミナルに塗布し硬化させて形成したものである、請求項3から8までのいずれか1項記載のブラシレスモータ。
- 絶縁皮膜の厚さが3μm以上100μm以下である、請求項9記載のブラシレスモータ。
- 板状金属部材からなる複数のターミナルをあらかじめ放射状に配置してその内周側で連結部材により連結しておき、円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有するコアにおける各突極の表面に各ターミナルを重ねて、これら突極とターミナルとを束ねるようにコイルを巻回し、前記コイルの端末をターミナルに接続し、前記連結部材を切断除去して各ターミナル間の電気絶縁を図る、ブラシレスモータの製造方法。
- 板状金属部材からなる複数のターミナルをあらかじめ放射状に配置してその外周側で連結部材により連結しておき、円環部とこの円環部から放射状に延びる複数の突極とを有す るコアにおける各突極の表面に、各ターミナルを、このターミナルの外周端部が突極から離れてコイル端末接続部を構成するとともにこのターミナルの内周端部が金属面を露出するように重ねて、これら突極とターミナルとを固定し、前記連結部材を切断除去して各ターミナル間の電気絶縁を図り、各突極と各ターミナルとを束ねるようにコイルを巻回し、前記コイルの端末をターミナルのコイル端末接続部に接続し、前記ターミナルのコイル端末接続部と金属面を露出した内周端部とに溶接電極を作用させて、前記コイルの端末とターミナルのコイル端末接続部とを溶接する、ブラシレスモータの製造方法。
- 各突極の表面に各ターミナルを接着保持させる、請求項11または12記載のブラシレスモータの製造方法。
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