JP3578615B2 - 半導体集積回路のレイアウト方法 - Google Patents

半導体集積回路のレイアウト方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3578615B2
JP3578615B2 JP02526798A JP2526798A JP3578615B2 JP 3578615 B2 JP3578615 B2 JP 3578615B2 JP 02526798 A JP02526798 A JP 02526798A JP 2526798 A JP2526798 A JP 2526798A JP 3578615 B2 JP3578615 B2 JP 3578615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring
terminal
prohibited area
unit
terminals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02526798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11224899A (ja
Inventor
英樹 三島
慎一 熊代
裕子 光安
田中  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP02526798A priority Critical patent/JP3578615B2/ja
Publication of JPH11224899A publication Critical patent/JPH11224899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3578615B2 publication Critical patent/JP3578615B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Design And Manufacture Of Integrated Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路のレイアウト方法に関し、詳しくは、コンピュータを利用して設計を行う半導体集積回路のレイアウト方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の分野では、多品種少量生産化が顕著であり、開発製造期間の短縮が求められている。そこで、半導体集積回路のレイアウト方法においては、コンピュータを利用したレイアウト設計の自動化が進んでいる。このようなレイアウト設計の自動化は、アナログICの分野でも進んでおり、最近では、トランジスタ、抵抗および容量といった素子を予めチップ上に配置しておき、配線工程だけを設計することで目的の機能を実現するという、アナログマスタースライスが開発されている。以下、このアナログマスタースライスにおける従来のレイアウト方法について説明する。
【0003】
図14は、従来技術に係る半導体集積回路のレイアウト方法であるアナログマスタースライスにおける配線工程のフローチャートを示したものである。この従来技術によれば、まず、ステップ1401において、配線の終了していないネットが一つ選択される。次に、ステップ1402において、選択されたネットを構成する各端子間の配線が行われる。次に、ステップ1403において、全てのネットの配線が終了しているか否かの判断を行う。ここで、全てのネットの配線が終了していれば(ステップ1403において「Yes」と判断されれば)、配線工程は終了するが、全てのネットの配線が終了していなければ(ステップ1403において「No」と判断されれば)、再びステップ1401に戻って、配線工程が繰り返し行なわれる。
【0004】
以上の図14に示された配線工程のフローチャートに従って自動配線を行う場合には、通常、チップ上に配線グリッドを付加する。この場合、配線グリッド上に配線を行えば、配線間隔などのマスク設計上のデザインルールが満たされるような構成となっている。また、半導体チップは2層以上のアルミ配線により配線を行うが、自動配線の場合には、配線層ごとに配線方向が固定されており、横方向の配線は1層アルミを使用し、縦方向の配線は2層アルミを使用するものとして、配線処理を容易にしている。1層アルミと2層アルミとの配線間は、通常、ビアによって接続される。そして、素子の端子はすべて1層アルミに存在するものとし、素子の上であっても端子、ビア、他の配線などの障害がない領域であれば、配線は自由に通ることができるものとする。
【0005】
このようなチップに対して、従来技術に係るアナログマスタースライス方式のレイアウト方法においては、チップ上の素子数が少ないために、階層的な設計方法が取られず、迷路法を基本とする配線手法を用いて配線を行う方法が主に行われている。ここで、迷路法とは、ある始点から波紋が広がるような順序で配線グリッドの格子点に、始点からの距離をラベルとして付けていくことにより、全方向の配線経路を求める方法であり、配線経路があれば必ず最短のものを見つけるという特徴を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術に係るレイアウト方法においては、マスタースライス方式のように配線領域が固定された半導体集積回路に配線を行う場合、従来の迷路法のような配線手法を利用した自動配線を行うと、以下のような問題が生ずる。
【0007】
まず、チップ上の配線領域を広げることができないために、各ネットの配線を順番に最短経路で行うと、素子の混雑した部分に配線が集中してしまい、後から行う配線が通れなくなる可能性が高い。そうすると、配線を行うことが不可能な領域(以下、「配線不能領域」という。)が発生して自動配線ができなくなり、未配線の数が増加してしまう。
【0008】
また、自動配線を行う際に、素子の端子周辺および端子上を他の素子に接続するネットの配線が通過すると、端子から配線を引き出すことができなくなり、配線がそれほど混雑していない場合でも、未配線になってしまうことがある。これの解決策としては、従来、端子周辺に端子候補点を設定し、その部分を他の配線が通れないようにする考えがあったが、端子候補点を設定するだけでは端子から配線が引き出せるかどうかは保証できない。
【0009】
さらに、迷路法のようなチップ全面を対象にした配線手法を用いると、経路の検索範囲が非常に広くなり、処理時間が長くなる傾向にある。
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、マスタースライス方式のように配線領域が固定化された半導体集積回路上に配線を行う場合において、素子の混雑した部分における配線の集中を緩和するとともに、端子から配線を引き出す領域を確保することによって、配線不能領域の発生を防止して未配線の数を減少させることが可能であり、同時に、配線を行う経路の検索範囲を限定することによって、経路検索の処理時間(計算時間)の短縮を可能とする、半導体集積回路のレイアウト方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明に係る第の半導体集積回路のレイアウト方法は、回路基板上に複数の素子を配設し、前記素子の有する各端子を配線して構成された半導体集積回路のレイアウト方法において、前記各端子の配線を行う前にそれぞれの端子の周辺に、各端子に接続される配線以外の配線の通過を禁止する領域を設定する配線禁止領域設定工程と、前記各端子についての配線が終了した後、その端子についての前記配線禁止領域の設定を解除する配線禁止領域解除工程とを備え、前記配線禁止領域設定工程において、前記配線禁止領域内にビア配置候補点を設け、前記各端子の配線を行う際にビアが必要な場合には、前記各端子に対する前記配線禁止領域内の前記ビア配置候補点にビアを設けることを特徴とする。
【0013】
この第の半導体集積回路のレイアウト方法によれば、前記各端子の配線を行う前に、それぞの端子に対して前記配線禁止領域を設定しているので、前記各端子からの配線が引き出し不能となることはなく、未配線を減少させることができる。また、前記各端子についての配線が終了した後、その端子についての配線禁止領域の設定が解除されるので、その後は、その領域(元配線禁止領域)も他の端子の配線に利用することが可能であり、前記配線禁止領域を追加することによって、未配線が増加するということはない。
【0014】
また、本発明に係る第の半導体集積回路のレイアウト方法は、回路基板上に複数の素子を配設し、前記素子の有する各端子を配線して構成された半導体集積回路のレイアウト方法において、前記回路基板上を複数のユニットに区分けして、同一ユニット内に含まれた前記端子を対象として配線経路の検索を行った後に同一ユニット内の端子間の配線を行うユニット内配線工程と、同一行にあるユニットで構成されたブロック行内に含まれた前記端子を対象として配線経路の検索を行った後に前記ブロック行内の端子間の配線を行うブロック行内配線工程と、前記回路基板上において配線が残っている端子を対象として配線経路の検索を行った後に前記端子間の配線を行う工程と、前記各端子の配線を行う前にそれぞれの端子の周辺に、各端子に接続される配線以外の配線の通過を禁止する領域を設定する配線禁止領域設定工程と、前記各端子についての配線が終了した後、その端子についての前記配線禁止領域の設定を解除する配線禁止領域解除工程とを備え、前記配線禁止領域設定工程において、前記配線禁止領域内にビア配置候補点を設け、前記各端子の配線を行う際にビアが必要な場合には、前記各端子に対する前記配線禁止領域内の前記ビア配置候補点にビアを設けることを特徴とする。
【0015】
この第の半導体集積回路のレイアウト方法によれば、各ユニット内の配線を行った後に、ユニット間(ブロック行内)の配線を行い、各ブロック行内の配線を行った後に、ブロック行間(回路基板全体)の配線を行っているので、ユニット間を接続する配線がユニット内の端子間の配線の障害とならず、また、ブロック行間を接続する配線がブロック行内の端子間の配線の障害とならない。また、前記各端子の配線を行う前に、それぞの端子に対して前記配線禁止領域を設定しているので、前記各端子からの配線が引き出し不能となることがなく、適宜、前記配線禁止領域の解除を行うことにより、前記配線禁止領域を追加することによって、未配線が増加するということはない。したがって、効率的な配線を行うことが可能となり、未配線を減少させることができる。さらに、はじめは配線経路の検索範囲を小さく設定し、その範囲を徐々に階層的に大きくしていくことによって最終的に回路基板上の全体の配線を行っているので、従来のように、はじめから回路基板上の全体を対象としたレイアウト方法と比較すると、より短い処理時間で配線を行うことが可能となる。
【0016】
さらに、第の半導体集積回路のレイアウト方法においては、前記ユニット内配線工程において、適当な配線経路が見つからなかった端子については、この工程以降の工程で配線を行うことが好ましく、前記ブロック行内配線工程において、適当な配線経路が見つからなかった端子については、この工程以降の工程で配線を行うことが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図12は、アナログマスタースライス方式における半導体集積回路(以下、「チップ」ともいう。)の構造図を示したものである。図12に示されたチップはユニット構造になっており、基板中の周辺(周縁)部分には、信号を入出力するための複数のI/Oパッド1201が設けられ、この複数のI/Oパッド1201で囲まれた(基板中の内側)部分には、複数のユニット1202が設けられている。各ユニット1202には、各種の素子が規則的に配置されており、ユニット1202を横方向に複数個並べて、ブロック行1203が構成されている。そして、チップは、ブロック行1203を縦に複数段並べることによって、構成されている。
【0019】
図13は、図12に示されたチップを構成しているユニットの構造図の一例を示したものである。このユニットは、複数の抵抗素子1301と、複数のトランジスタ1302とを用いて構成されている。また、ユニットの右縁部分には抵抗素子が複数個並べられた領域1303が存在する。この図13に示されたユニットにおいては、ユニット内に配置されていても実際に利用しない抵抗素子の上は配線領域として利用できる。そして、この領域1303に存在する抵抗素子は、基本的にあまり利用されない部分であるので、領域1303は主に配線のために利用される。以下、このような領域1303を、配線用チャネル領域1303という。さらに、このユニット中においては、配線用チャネル領域1303以外の領域であっても、抵抗素子1301およびトランジスタ1302が設けられていない領域については、配線領域として利用することができる。したがって、本実施形態において、「配線領域」という場合は、配線用チャネル領域1303のみならず、ユニット内における抵抗素子1301およびトランジスタ1302が設けられていない領域をも含む。
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を、以上の図12および図13に示されたチップ構造を対象として、図面を用いて説明する。
【0021】
〈第一の実施形態〉
図1は、本発明の第一の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法における配線工程のフローチャートを示したものである。本実施形態において、各種の素子が配設されるチップ上は、複数のユニットに区分けされている。そして、まず、ステップ101において、チップを構成している各ユニット内の配線が行なわれる。ここでは、各ユニットについて、ユニット内に含まれる素子同士を接続するネットの配線が行なわれる。次に、ステップ102において、複数のユニットで構成されている、チップ上の同一ブロック行内の配線が行なわれる。すなわち、ここでは、同一ブロック行内において、一つのブロック行を構成している各ユニット同士およびブロック行内の素子同士を接続するネットの配線が行なわれる。次に、ステップ103において、残りの配線(まだ接続されていないものの配線)、すなわち、チップを構成しているそれぞれのブロック行同士およびチップ内の素子同士の配線が行なわれる。
【0022】
以上のように、本実施形態においては、まず第一にユニット内の素子同士の配線が行われ、第二に同一ブロック行内の素子同士の配線が行われ、第三にチップ全体についての配線が行なわれる。すなわち、本実施形態においては、このように、配線を行う際の検索範囲を徐々に階層的に広げいくことによって、チップ上に規則的に配設された各素子の配線が行なわれる。したがって、本実施形態によれば、はじめは配線経路の検索範囲を小さく設定し、その範囲を階層的に徐々に大きくすることによって、最終的にチップ全面についての配線を行っているので、従来の迷路法のように、はじめからチップ全面を対象にした配線手法と比較すると、処理時間を短縮することが可能となる。
【0023】
図2は、図1における配線工程のフローチャートに従って、ある一つのチップ上に配線を行なう場合の配線工程の一例を示した図である。
図2(a)は、チップ(を構成する各ユニット)上に配設されている各素子の端子を示した図である。この図2(a)においては、チップが複数のユニット(第一のユニット211、第二のユニット212、第三のユニット213、第四のユニット214、第五のユニット215および第六のユニット216)に区分けされており、第一のユニット211中に第一の端子201および第二の端子202が設けられ、第四のユニット214中に第三の端子203および第四の端子204が設けられ、第五のユニット215中に第五の端子205および第六の端子206が設けられ、第六のユニット216中に第七の端子207が設けられている。ここで、第一の端子201から第七の端子207は、このチップ上においてネットを構成するように接続されるべき各素子の端子である。
【0024】
以下、図2(b)〜図2(d)を用いて、図1のステップ101以降についての配線工程を説明する。
(ユニット内の配線)
図2(b)は、図1のステップ101によって各ユニット内の配線を行った後の状態を示した図である。このステップ101においては、各ユニット内のみの配線が行なわれるため、それぞれのユニットが配線検索範囲となり、各素子の端子を有するユニットごとに、配線経路の検索および実際の配線が行なわれる。なお、この際、各ユニット内において、適当な配線経路が見つからなかった場合には、これらの端子間の配線は行われず、その間の配線については、その後のステップに持越しとなる。ここで、「適当な配線経路」とは、配線禁止領域を回避して各端子間を配線し得る経路の中で、より好ましい(配線長が短い等の)配線経路である。また、ユニット内に端子が一つしか存在しない場合には、このステップにおいて、そのユニット内での配線は行われない。
【0025】
例えば、この図2(b)においては、第一のユニット211および第五のユニット215は、適当な配線経路が見つかった状態を示したおり、第四のユニット214は、適当な配線経路が見つからなかった状態を示している。具体的に説明すると、第一のユニット211中の第一の端子201と第二の端子202との間においては、適当な配線経路が見つかり、これらの端子間は第一の配線221で接続され、第五のユニット215中の第五の端子205と第六の端子206との間においても、適当な配線経路が見つかり、これらの端子間は第二の配線222で接続されている。一方、第四のユニット214中の第三の端子203と第四の端子204との間には、適当な配線経路が見つからなかったので、このステップにおいて、第三の端子203と第四の端子204との配線は行われない。また、第六のユニット216については、この第六のユニット216内に第七の端子207以外の端子は存在しないので、このステップにおいて、第七の端子207の配線は行われない。
【0026】
ここで、以上に説明したステップ101におけるユニット内の配線工程を、フローチャートに基づいて、さらに詳細に説明する。図3は、図1のステップ101によって行われるユニット内の配線工程のフローチャートを示したものである。
【0027】
まず、ステップ301において、ネットリストが作成されていないユニットが、チップ全体の中から選択される。次に、ステップ302において、選択されたユニット内のネットリストが作成される。ここでは、チップ全体のネットリストから、選択されたユニット内に含まれる素子端子に接続する部分(ネット)だけが取り出され、それに基づいてユニット内のネットリストが作成される。次に、ステップ303において、全てのユニットについてのネットリストが完成しているか否かの判断が行われる。ここで、全てのユニットについてのネットリストが完成していれば(ステップ303において「Yes」と判断されれば)、次のステップに進み、そうでなければ(ステップ303において「No」と判断されれば)、再びステップ301に戻って各ユニットについてのネットリストの作成が行われる。次に、ステップ304において、各ユニットの配線を行う際の優先順位を決定する。ここでは、各ユニットのネットリストに基づいて、短いネットが遠回りすることを防止するために、基本的には、配線長の短いものから配線を行うように、優先順位が決定されている。ただし、それぞれのユニットには、重要性の軽重が存在するので、それらも考慮した上で、配線を行う際の最終的なユニットの優先順位が決定される。
【0028】
次に、ステップ305において、未配線のユニットの中で優先順位が最高位のユニットの選択が行われる。次に、ステップ306において、選択されたユニットについての配線が行われる。ここでは、配線手法として、迷路法やラインサーチなどの一般的な手法を用いることができるが、配線を行う際の検索範囲をユニット内に限定しているので、処理時間を短縮することが可能になるとともに、配線が遠回りして他のユニットの配線に影響するのを防いでいる。次にステップ307において、そのユニット内の配線配線が全て終了しているか否かの判断が行われる。ここで、全てのユニット内の配線が全て終了していれば(ステップ307において「Yes」と判断されれば)、次のステップに進み、そうでなければ(ステップ307において「No」と判断されれば)、再びステップ306に戻ってユニット内の配線が繰り返し行われる。次に、ステップ308において、チップ上の全てのユニットについての配線が終了しているか否かの判断が行われる。ここで、全てのユニットについての配線が終了していれば(ステップ308において「Yes」と判断されれば)、この工程(図1のステップ101におけるユニット内の配線工程)は終了するが、そうでなければ(ステップ308において「No」と判断されれば)、再びステップ305に戻って、配線の終了していないユニットを選択し、そのユニットについての配線工程が行われる。
【0029】
なお、このユニット内の配線工程を行う場合には、ユニット内に配置されてはいるが、適当な配線経路が存在しないために、この工程では配線を見送り、この工程以降で配線を行うことが好ましい素子端子も存在する。このような素子端子については、ステップ302において、この工程における配線を行う各ユニット内のネットリストから除外することが好ましい。
【0030】
(ブロック行内の配線)
図2(c)は、図1のステップ102によって各ブロック行内の配線を行った後の状態を示した図である。この図2(c)において、第一のユニット211、第三のユニット213および第五のユニット215から第一のブロック行217が形成され、第二のユニット212、第四のユニット214および第六のユニット216から第二のブロック行218が形成されている。ステップ102においては、各ブロック行内のみの配線が行なわれるため、それぞれのブロック行内が配線検索範囲となり、各ブロック行ごとに、配線経路の検索および実際の配線が行なわれる。したがって、ステップ101において適当な配線経路が見つからなかった端子、およびブロック行を構成している各ユニットについての配線経路の検索等が、このステップ102で行なわれる。なお、この際、各ブロック行内に存在する端子あるいはユニットに、適当な配線経路が見つからなかった場合には、これらについての配線は行われず、その間の配線は、その後のステップに持越しとなる。
【0031】
例えば、この図2(c)の第一のブロック行217内においては、第一のユニット211中の第二の端子202と、第五のユニット215中の第二の配線222とが、第一のユニット211と第三のユニット213と第五のユニット215との間に連続して存在する第三の配線223を介して接続される。また、第二のブロック行218内においては、ステップ101(図2(b)参照)で配線を持ち越されていた、第三の端子203、第四の端子204および第七の端子207についての配線経路の検索が行なわれる。そして、これらの端子についての第二のブロック行218内における適当な配線経路の検索の結果、それぞれの端子203,204,207は、第四の配線224を介して接続される。なお、本実施形態においては、配線の検索範囲を第二のブロック行218内に拡大したことによって、第三の端子203、第四の端子204および第七の端子207についての適当な配線経路を見つけることができた場合について説明したが、仮にこのステップにおいても適当な配線経路を見つけることができなければ、これらの端子についての配線は、次のステップに持ち越される。
【0032】
なお、ここでは、以上に説明したステップ102におけるブロック行内の配線工程についてのフローチャートによる詳細な説明は省略するが、基本的には、図3を用いて説明したステップ101におけるユニット内の配線工程と同様である。すなわち、図3において、各ユニットに対して行われている処理を、各ブロック行に対して行われるものと考えれば(ユニットをブロック行に置き換えれば)、ステップ102におけるブロック行内の配線工程についてのフローチャートとして、図3を見ることができる。本工程においては、配線を行う際の検索範囲をブロック行内に限定した上で、このようなフローチャートに基づいて、各ブロック行内の配線工程が行われる。
【0033】
(残りの配線)
図2(d)は、図1のステップ103によって残りの配線を行なった状態、すなわち、チップ内の残りの配線を全て行った後の状態を示した図である。先に述べたように、チップ上は、第一のユニット211、第三のユニット213および第五のユニット215で形成された第一のブロック行217と、第二のユニット212、第四のユニット214および第六のユニット216で形成された第二のブロック行218とに区分けされており、このステップ103においては、これらのブロック行を合わせたチップ全体を配線経路の検索の範囲に設定している。したがって、このステップ103においては、ステップ102までに適当な配線経路が見つからなかった端子についての配線経路の検索および実際の配線、また、各ブロック行同士についての適当な配線経路の検索および実際の配線、さらに、チップのI/Oパッドと接続するネットの配線等が行われることにより、チップ全体についての配線が完了する。
【0034】
例えば、この図2(d)のチップ上においては、適当な配線経路の検索の結果、第一のブロック行217中の第三の配線223と、第二のブロック行218中の第三の端子203とが、第五の配線225を介して接続される。この処理により、本実施形態に係るチップの上の全体の配線が完了する。
【0035】
本実施形態においては、以上の図1、図2および図3を用いて説明したように、チップ上に配線を行なう場合、チップ上を複数のユニットに区分けして、まず、ユニット内の素子同士の配線を行い、次に、複数のユニットで構成されたブロック行内の素子同士の配線を行い、最後に、チップ全体についての配線を行っている。したがって、ユニット間を接続する配線がユニット内の端子間の配線の障害となることはなく、また、ブロック行間を接続する配線がブロック行内の端子間の配線の障害となることもないので、未配線を減少させることが可能となる。また、本実施形態においては、はじめは配線経路の検索範囲を小さく設定し、その範囲を徐々に階層的に大きくしていくことによって最終的にチップ上に規則的に配設された全ての素子の配線を行っているので、従来の迷路法のように、はじめからチップ全面を対象にした配線手法と比較すると、処理時間を短縮することが可能となる。
【0036】
なお、例えば、オペアンプ等の回路上の機能ブロックは、チップ上のユニットに対応するように配置される場合が多く、さらに、機能ブロック内はブロック間に比べて素子の結合が強く、多くのネットで結ばれている場合が多い。したがって、本実施形態によれば、ユニット単位で配線を行うことにより、結合度の強い機能ブロック内の素子を優先的に配線することが可能となり、効率よく配線を行うことができる。しかも、ユニット内の配線を行う場合には、経路の探索範囲をユニット内に限定することができるため、配線の遠回りによる冗長配線を防止し、処理時間を短縮できるというメリットもある。
【0037】
〈第二の実施形態〉
図4は、本発明の第二の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法における配線工程のフローチャートを示したものである。本実施形態においては、まず、ステップ401において、それぞれの素子を構成する端子の配線を行う前に、チップ上に配置されて使用される全ての素子(端子)の周辺に、その素子(端子)に接続される配線以外の配線の通過等を禁止する領域(以下、「配線禁止領域」という。)が、あらかじめ設定される。次に、ステップ402において、配線を行う領域から未配線の端子が選択される。次に、ステップ403において、選択された端子についての配線が行われる。次に、ステップ404において、配線が終了した端子周辺における配線禁止領域の設定が解除される。ここで、配線が終了した端子については配線禁止領域が解除されるので、これ以降、他の端子の配線を行う場合であっても、この領域(元配線禁止領域)の使用が可能となる。したがって、配線が完了している端子の周辺および素子上は、自由に他の配線が通過できるので、配線禁止領域を追加することにより、素子上を配線が通れなくなったり、未配線が増加するということはない。次に、ステップ405において、全ての端子についての配線が終了しているか否かの判断を行う。ここで、全ての端子の配線が終了していれば(ステップ405において「Yes」と判断されれば)、配線工程は終了するが、全ての端子の配線が終了していなければ(ステップ405において「No」と判断されれば)、再びステップ402に戻って、配線工程が繰り返し行なわれる。
【0038】
以上のように、本実施形態においては、まず第一に素子周辺に対する配線禁止領域の設定が行われ、第二に選択された端子についての配線が行われ、第三にその端子についての配線禁止領域の設定が解除され、そして、全ての端子についての配線が終了するまで第二と第三の工程が繰り返して行われる。すなわち、本実施形態によれば、このように、あらかじめ配線禁止領域を設定することにより、端子から配線を引き出す前に、他の端子に接続されるネットの配線が端子付近を通過することがなくなり、それぞれの端子についての配線領域を確保することが可能となる。したがって、配線不能領域の発生を防止して未配線の数を減少させることができる。
【0039】
(素子周辺に対する配線禁止領域の設定)
次に、図4のステップ401における素子周辺に対する配線禁止領域の設定方法について、図面を用いて詳細に説明する。
【0040】
図5は、図4のステップ401によって、抵抗素子の周辺に配線禁止領域を設定した状態を示した図であり、これは、配線禁止領域の設定箇所の一例を示したものである。図5において、抵抗素子501は、抵抗素子の第一端子(以下、「第一端子」ともいう。)502と、抵抗素子の第二端子(以下、「第二端子」ともいう。)503との2つの端子を有し、この抵抗素子501が縦に配置されている場合には、接続されるべきこれらの端子502,503は、上下に位置することとなる。そこで、この図5においては、それぞれの端子502,503が接続不能な状態にならないように、上側に位置する第一端子502については、その端子周辺の上側に第一端子の配線禁止領域504を設け、下側に位置する第二端子503については、その端子周辺の下側に第二端子の配線禁止領域505を設けている。
【0041】
第一および第二端子502,503から配線を引き出すためには、これらの端子502,503に隣接するグリッドに、配線等の障害がなく、ビアの配置が可能であるということと、そこから縦方向に2層アルミ配線の障害がないか、または端子の横方向に1層アルミ配線の障害がないことが条件となる。ところが、抵抗素子は通常1グリッド間隔で隣接して配置されているため、横方向の配線障害は必ず存在することとなる。
【0042】
そこで、本実施形態においては、図5に示すように、縦方向について配線障害がなくなるように、配線禁止領域504,505が設定されている。この配線禁止領域504,505内においては、他の素子に接続するネット(他ネット)について、1層2層とも配線はおろか通過することもできないものとされ、その素子(ここでは抵抗素子501)に接続するネット(同一ネット)の配線であれば、1層2層とも配線することができるものとされている。
【0043】
また、本実施形態においては、第一端子の配線禁止領域504内に第一端子のビア配置候補点506が設けられ、第二端子の配線禁止領域505内に第二端子のビア配置候補点507が設けられている。このように、これらの配線禁止領域504,505内であっても、隣接する端子(ここでは、第一端子502と第二端子503のことである。)に接続されるネットのビアであれば、配置することが可能である。ここでは、これらのビア配置候補点506,507以外の位置には、ビアを配置することができないものとする。また、ビア配置候補点506,507にビアを配置してもデザインルールを違反することがないようにするために、ビア配置候補点506,507の上下をビア配置禁止点(第一端子のビア配置禁止点508,第二端子のビア配置禁止点509)とする。これらのビア配置禁止点508,509は、ビアを配置することができない箇所ではあるが、他ネットであっても、1層または2層の配線が通過することは許される点である。
【0044】
本実施形態によれば、以上のように、抵抗素子501を構成する各端子502,503の周囲に、適切な配線禁止領域504,505、ビア配置候補点506,507およびビア配置禁止点508,509が設けられているので、配線を引き出すための領域があらかじめ確保される。したがって、配線不能領域の発生を防止することが可能となり、未配線の数を減少させることができる。
【0045】
図6は、図4のステップ401によって、トランジスタ素子の周辺に配線禁止領域を設定した状態を示した図であり、これは図5と同様に、配線禁止領域の設定箇所の一例を示したものである。トランジスタ素子601には、通常、3つの端子が設けられており、ここでは、トランジスタ素子の第一端子(以下、単に「第一端子」ともいう。)602、トランジスタ素子の第二端子(以下、単に「第二端子」ともいう。)603およびトランジスタ素子の第三端子(以下、単に「第三端子」ともいう。)604が設けられている。
【0046】
このトランジスタ素子601が、図6に示されるように縦に配置されている場合には、上下の端子(第一端子602、第三端子604)については、図5で説明した抵抗素子の場合と同様に、それぞれの端子602,604の上下の領域を配線禁止領域とし、中央の第二端子603については、この端子603の左右どちらかの領域を配線禁止領域とする。左右どちらの領域を配線禁止領域に設定するかは、トランジスタ素子601の左右どちらの領域に配線障害が少ないかによって決定する。両方が同一条件の場合には、他の素子との関係等を考慮して、どちらか一方を選択する。
【0047】
トランジスタ素子も、抵抗素子と同様に、通常、1〜2グリッド間隔で隣接して配置されているため、中央の端子(ここでは第二端子603)から出た配線を確実に引き出すためには、第二端子603からの配線が、トランジスタ素子601の上側または下側に確実に配線できるように、配線するための領域を確保しておかなければならない。これは、端子の数が4つ以上ある場合についても同様であり、最も上にある端子、または最も下にある端子以外は、左右どちらかの領域に配線禁止領域を設定しなければならない。
【0048】
本実施形態においては、上述したように、トランジスタ素子601には、第一〜第三端子602,603,604が設けられており、上側の第一端子602と下側の第三端子604とについては、図5の抵抗素子の場合と同様に、上下に配線を引き出すことが可能なように、配線禁止領域を設定すればよい。また、中央の第二端子603については、トランジスタ素子601の左右どちらかの領域に配線禁止領域を設定すればよく、ここでは、トランジスタ端子601の右側に、第二端子603からの配線が可能なように、配線禁止領域が設定されている。このようにして、本実施形態においては、図6に示すように、配線禁止領域605が設定されている。
また、それぞれの端子602,603,604について、上側、右側および下側に配線を行なうために、配線禁止領域605内においては、第一端子602の上側に第一端子のビア配置候補点606が設けられ、第二端子603の右側に第二端子のビア配置候補点607が設けられ、第三端子604の下側に第三端子のビア配置候補点608が設けられている。そして、第一端子のビア配置候補点606の上側に第一端子のビア配置禁止点609が設けられ、第三端子のビア配置候補点608の下側に第三端子のビア配置禁止点610が設けられている。なお、中央の第二端子603においては、図6に示すように第二端子のビア配置候補点607が設定されていたとしても、第二端子のビア配置候補点607の上下に2層アルミの配線障害があると、配線が上下のどちらにも出られなくなってしまう。したがって、配線禁止領域605を設定する場合には、この点にも留意しなければならない。本実施形態は、この点にも留意して、第二端子のビア配置候補点607の上下に配線可能な領域を確保するように、配線禁止領域605が設定されている。
【0049】
本実施形態によれば、以上のように、トランジスタ素子601を構成する各端子602,603,604の周囲に適切な配線禁止領域605、ビア配置候補点606〜608およびビア配置禁止点609,610が設けられているので、配線を引き出すための領域があらかじめ確保され、他の素子の接続を行なうための配線は、トランジスタ素子601の端子付近を通過することがなくなる。したがって、配線不能領域の発生を防止することが可能となり、未配線の数を減少させることができる。
【0050】
図7〜図9は、本発明に係る実施形態に基づいて、各素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための図である。図7および図8は、トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための図であり、図9は、抵抗素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための図である。以下、各図面に基づいて説明する。
【0051】
図7は、トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための図である。図7(a)は、トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定せずに配線を行なった場合の一例を示したものである。この図7(a)の例では、配線禁止領域を設定していないために、第一のトランジスタ701と第三のトランジスタ703に接続するネットが、図のような経路に配線されてしまう可能性がある。このような配線が行なわれると、第二のトランジスタ702の中央の端子には、配線ができなくなってしまう。一方、図7(b)は、本発明に係る実施形態に基づいて、トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の一例を示したものである。本実施形態によれば、この図7(b)に示すように、端子の配線経路を確保するように配線禁止領域704が設定されるので、第二のトランジスタ702の端子付近に配線が通過することはなくなり、配線を確実に行うことができる。
【0052】
図8は、トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための他の例の図である。図8(a)は、トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定せずに配線を行なった場合の一例を示したものである。この図8(a)の例では、配線禁止領域を設定しておらず、また、ビアが適切な位置に設けられていない。具体的には、配線禁止領域が設定されていないので、中央に位置するトランジスタ素子の上部端子、下部端子に接続される第一のビア801、第二のビア802が、図8(a)に示すように、それぞれの端子の右側に設けられる可能性がある。第一のビア801および第二のビア802が、このような位置に設けられると、結果としてトランジスタ素子の中央部の端子の配線ができなくなってしまう。一方、図8(b)は、本発明に係る実施形態に基づいて、トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定し、さらに適切な位置にビア配置候補点を設けた場合の一例を示したものである。本実施形態によれば、この図8(b)に示すように、配線禁止領域805が設定され、同一ネットのビアもビア配置候補点にしか配置できないために、トランジスタ素子の上部端子についての第一のビア803は、図に示すように上部端子の上側に設けられ、下部端子についての第二のビア804は、図に示すように下部端子の下側に設けられることとなる。このような位置にそれぞれのビア803,804が設けられれば、中央部の端子の配線領域が確保され、上下端子の配線が通過することはなくなるので、中央部の端子の配線を確実に行なうことができる。
【0053】
図9は、抵抗素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための図である。図9(a)は、抵抗素子の端子付近に配線禁止領域を設定せずに配線を行なった場合の一例を示したものである。この図9(a)の例では、配線禁止領域が設定されておらず、また、ビアも適切な位置に設けられていない。具体的には、配線禁止領域が設定されていないので、第一の抵抗素子901の上部端子に接続されるビア904が、図に示すように第二の抵抗素子902の上部端子近傍に配置され、この第一の抵抗素子901とビア904とが、配線905で接続される可能性がある。また、第三の抵抗素子903の上部端子を接続するためのネットが、配線906のように引き出される可能性もある。このようなビアの配置および配線が行なわれると、結果として第二の抵抗素子902の上部端子については、配線ができなくなってしまう。一方、図9(b)は、本発明に係る実施形態に基づいて、第二の抵抗素子902の上部端子付近に配線禁止領域を設定した場合の一例を示したものである。本実施形態によれば、この図9(b)に示すように、第二の抵抗素子902の上部端子についての配線領域を確保するように配線禁止領域908が設定されているので、第二の抵抗素子902の上部端子付近を他のネットの配線が通過することはなくなり、また、第一の抵抗素子901に接続されるビア907も図に示すように配置される。したがって、第二の抵抗素子902の上部端子についての配線領域が確保され、配線を確実に行なうことができる。
【0054】
(配線禁止領域の解除)
以上の図4〜図9を用いて説明した配線禁止領域については、配線禁止領域が設定されているその素子端子に関する全ての配線が終了すると、終了と同時に、その設定が解除される(図4参照)。したがって、配線が完了している素子端子の周辺および素子上は、自由に他の配線が通過できることとなるので、配線禁止領域を追加することにより、素子上を配線が通れなくなったり、未配線が増加するということはない。
【0055】
〈第三の実施形態〉
図10は、本発明の第三の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法における配線工程のフローチャートを示したものである。本実施形態は、先に説明した第一の実施形態と第二の実施形態とを組み合わせた半導体集積回路のレイアウト方法である。以下、具体的に説明する。
【0056】
まず、ステップ1001において、チップ上に配置されて使用される全ての素子端子の周辺に対して、配線禁止領域が設定される。
次に、ステップ1002において、チップを構成している各ユニット内の配線が行われる。ここでは、各ユニットについて、各ユニット内を配線検索領域として、ユニット内に含まれる素子同士を接続するネットの配線が行われる。そして、ユニット内のそれぞれの端子の周辺に設定されている各配線禁止領域については、その端子に関する配線が全て終了したものに限り、配線終了と同時に、その設定が解除される。
【0057】
図11は、このステップ1002における配線工程のフローチャートを示したものである。この図11は、基本的には第二の実施形態における図3と同様であり、図3のステップ301〜308と、図11のステップ1101〜1108とは、同様の工程である。しかし、本実施形態においては、図11中にステップ1109を有する点で、第二の実施形態と異なり、ステップ1109では、上述したように、配線禁止領域の解除が行われる。こうすることにより、配線が完了している素子端子の周辺および素子上は、自由に他の配線のために利用され、通過が可能となる。したがって、配線禁止領域を追加することによる不具合(配線禁止領域のために配線がままならない等)は緩和され、配線禁止領域を追加することによって、素子上を配線が通れなくなったり、未配線が増加するということはない。この点は、次のブロック行内の配線工程を行う場合についても同様である。
【0058】
次に、ステップ1003において、複数のユニットで構成されている、チップ上の同一ブロック行内の配線が行われる。ここでは、各ブロック行内を配線検索領域として、各ブロック行内において、ブロック行内に設けられている素子端子同士、あるいはユニット同士を接続するためのネットの配線が行われる。そして、この工程においても、ステップ1002の場合と同様に、ブロック行内のそれぞれの端子の周辺に設定されている各配線禁止領域については、その端子に関する配線が全て終了したものに限り、配線終了と同時に、その設定が解除される。この工程におけるフローチャートは、図11において、「ユニット」を「ブロック行」と置き換えたものである。
【0059】
次に、ステップ1004において、チップ上においてまだ接続されていない、いわゆる残りの配線が行われる。すなわち、このこのステップ1004においては、ステップ1003までに適当な配線経路が見つからなかった端子についての配線経路の検索および実際の配線、また、各ブロック行同士についての適当な配線経路の検索および実際の配線、さらに、チップのI/Oパッドと接続するネットの配線等が行われることにより、チップ全体についての配線が完了する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態は、第一の実施形態で説明した「階層的な配線方法」と、第二の実施形態で説明した「配線禁止領域を用いた配線方法」とを組み合わせたものであるので、これらの各実施形態の効果をあわせ持った半導体集積回路のレイアウト方法を得ることができる。
【0061】
すなわち、本実施形態によれば、ユニット内配線のときは、素子端子のほとんどに対して配線禁止領域が設定されているため、ユニット内の混雑した部分を配線する場合にも、配線が特定の端子付近に集中することがなく、未配線を生じることがない。また、ユニット内配線が終わると、素子端子の大部分の配線が終了し、配線禁止領域が解除されることとなるため、ユニット間の配線(ブロック行内の配線)を行う際にも、素子端子の配線禁止領域が配線の障害になる場合は少ない。そして、さらに、その後、チップ全体についての配線を行なう場合においても、同様の手法を用いることにより、未配線の少ない適切な配線を行なうことができる。
【0062】
なお、以上の各実施形態において、ユニット間あるいはブロック行間をまたがるような長い配線については、素子の配置領域を避けて、なるべく配線用チャネル領域等の配線領域を通過するように配線することが好ましい。こうすれば、効率のよい配線を行うことができるからである。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マスタースライス方式のように配線領域が固定化された半導体集積回路上に配線を行う場合において、ユニット内の配線を先に行い、素子周辺にあらかじめ配線禁止領域を設定することによって、素子の混雑した部分における配線の集中を緩和し、端子から配線を引き出す領域を確保することができる。また、配線を行う経路の検索範囲を限定することによって、経路検索の処理時間(計算時間)を短縮することもできる。したがって、本発明によれば、配線不能領域の発生を防止して未配線の数を減少させることが可能であり、同時に、経路検索の処理時間(計算時間)の短縮を可能とする、半導体集積回路のレイアウト方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法における配線工程のフローチャート
【図2】図1のフローチャートに従って配線を行った場合の一例を示した図
【図3】図1のステップ101によって行われる配線工程のフローチャート
【図4】本発明の第二の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法における配線工程のフローチャート
【図5】図4のステップ401によって抵抗素子の周辺に配線禁止領域を設定した状態を示した図
【図6】図4のステップ401によってトランジスタ素子の周辺に配線禁止領域を設定した状態を示した図
【図7】トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための図
【図8】トランジスタ素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための図
【図9】抵抗素子の端子付近に配線禁止領域を設定した場合の効果を説明するための図
【図10】本発明の第三の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法における配線工程のフローチャート
【図11】図10のステップ1002によって行われる配線工程のフローチャート
【図12】アナログマスタースライス方式における半導体集積回路の構造図
【図13】図12に示された半導体集積回路を構成しているユニットの構造図
【図14】従来技術に係る半導体集積回路のレイアウト方法における配線工程のフローチャート
【符号の説明】
201 第一の端子
202 第二の端子
203 第三の端子
204 第四の端子
205 第五の端子
206 第六の端子
207 第七の端子
211 第一のユニット
212 第二のユニット
213 第三のユニット
214 第四のユニット
215 第五のユニット
216 第六のユニット
217 第一のブロック行
218 第二のブロック行
221 第一の配線
222 第二の配線
223 第三の配線
224 第四の配線
225 第五の配線
501 抵抗素子
502 抵抗素子の第一端子
503 抵抗素子の第二端子
504 第一端子の配線禁止領域
505 第二端子の配線禁止領域
506 第一端子のビア配置候補点
507 第二端子のビア配置候補点
508 第一端子のビア配置禁止点
509 第二端子のビア配置禁止点
601 トランジスタ素子
602 トランジスタ素子の第一端子
603 トランジスタ素子の第二端子
604 トランジスタ素子の第三端子
605 配線禁止領域
606 第一端子のビア配置候補点
607 第二端子のビア配置候補点
608 第三端子のビア配置候補点
609 第一端子のビア配置禁止点
610 第三端子のビア配置禁止点
701 第一のトランジスタ素子
702 第二のトランジスタ素子
703 第三のトランジスタ素子
704 配線禁止領域
801 第一のビア
802 第二のビア
803 配線禁止領域がある場合の第一のビア
804 配線禁止領域がある場合の第二のビア
805 配線禁止領域
901 第一の抵抗素子
902 第二の抵抗素子
903 第三の抵抗素子
904 第一の抵抗素子に接続するビア
905 第一の抵抗素子に接続する配線
906 第三の抵抗素子に接続する配線
907 配線禁止領域がある場合の第一のビア
908 配線禁止領域
1201 I/Oパッド
1202 ユニット
1203 ブロック行
1301 抵抗素子
1302 トランジスタ素子
1303 配線用チャネル領域

Claims (4)

  1. 回路基板上に複数の素子を配設し、前記素子の有する各端子を配線して構成された半導体集積回路のレイアウト方法において、
    前記各端子の配線を行う前にそれぞれの端子の周辺に、各端子に接続される配線以外の配線の通過を禁止する領域を設定する配線禁止領域設定工程と、前記各端子についての配線が終了した後、その端子についての前記配線禁止領域の設定を解除する配線禁止領域解除工程とを備え
    前記配線禁止領域設定工程において、前記配線禁止領域内にビア配置候補点を設け、前記各端子の配線を行う際にビアが必要な場合には、前記各端子に対する前記配線禁止領域内の前記ビア配置候補点にビアを設けることを特徴とする半導体集積回路のレイアウト方法。
  2. 回路基板上に複数の素子を配設し、前記素子の有する各端子を配線して構成された半導体集積回路のレイアウト方法において、
    前記回路基板上を複数のユニットに区分けして、同一ユニット内に含まれた前記端子を対象として配線経路の検索を行った後に同一ユニット内の端子間の配線を行うユニット内配線工程と、同一行にあるユニットで構成されたブロック行内に含まれた前記端子を対象として配線経路の検索を行った後に前記ブロック行内の端子間の配線を行うブロック行内配線工程と、前記回路基板上において配線が残っている端子を対象として配線経路の検索を行った後に前記端子間の配線を行う工程と、前記各端子の配線を行う前にそれぞれの端子の周辺に、各端子に接続される配線以外の配線の通過を禁止する領域を設定する配線禁止領域設定工程と、前記各端子についての配線が終了した後、その端子についての前記配線禁止領域の設定を解除する配線禁止領域解除工程とを備え
    前記配線禁止領域設定工程において、前記配線禁止領域内にビア配置候補点を設け、前記各端子の配線を行う際にビアが必要な場合には、前記各端子に対する前記配線禁止領域内の前記ビア配置候補点にビアを設けることを特徴とする半導体集積回路のレイアウト方法。
  3. 前記ユニット内配線工程において、適当な配線経路が見つからなかった端子については、この工程以降の工程で配線を行う請求項に記載の半導体集積回路のレイアウト方法。
  4. 前記ブロック行内配線工程において、適当な配線経路が見つからなかった端子については、この工程以降の工程で配線を行う請求項に記載の半導体集積回路のレイアウト方法。
JP02526798A 1998-02-06 1998-02-06 半導体集積回路のレイアウト方法 Expired - Fee Related JP3578615B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02526798A JP3578615B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 半導体集積回路のレイアウト方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02526798A JP3578615B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 半導体集積回路のレイアウト方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11224899A JPH11224899A (ja) 1999-08-17
JP3578615B2 true JP3578615B2 (ja) 2004-10-20

Family

ID=12161262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02526798A Expired - Fee Related JP3578615B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 半導体集積回路のレイアウト方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3578615B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11224899A (ja) 1999-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4786836B2 (ja) 配線接続部設計方法及び半導体装置
JP3461443B2 (ja) 半導体装置、半導体装置の設計方法、記録媒体および半導体装置の設計支援装置
JP2001127161A (ja) 集積回路
JP4296051B2 (ja) 半導体集積回路装置
JP4350886B2 (ja) ダミーパターンの配置方法、半導体装置を製造する方法及びcadシステム
JP2005093575A (ja) 半導体集積回路装置と配線レイアウト方法
JP4803997B2 (ja) 半導体集積装置、その設計方法、設計装置、およびプログラム
US7091614B2 (en) Integrated circuit design for routing an electrical connection
JP3578615B2 (ja) 半導体集積回路のレイアウト方法
JP5358913B2 (ja) 半導体集積回路およびその設計方法
JP2006339252A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP3172362B2 (ja) 半導体集積回路のレイアウト方法
JPH08213466A (ja) 半導体集積回路
JP3485311B2 (ja) ダミーパターンレイアウト方法
JP2000057175A (ja) 半導体集積回路装置の自動配線方式
JP2002299453A (ja) 半導体集積回路装置及びその配置方法
JP3647642B2 (ja) 半導体集積回路の電源回路及び電源配線方法並びに電源配線手順を実行するプログラムを記録した記録媒体
JP3266136B2 (ja) 半導体集積回路の自動配線方法、及び半導体集積回路装置
JP5035003B2 (ja) 配線レイアウト装置、配線レイアウト方法及び配線レイアウトプログラム
JP2986279B2 (ja) 配線方法およびプリント基板設計システム
JP3017169B2 (ja) 半導体集積回路装置及びそのレイアウト方法
JP2002261162A (ja) 半導体集積回路装置、およびそのレイアウト設計方法
JP2003158184A (ja) 半導体集積回路およびそのレイアウト設計方法
JP2001060627A (ja) 半導体集積回路の設計方法
JPH05109892A (ja) 集積回路の配線設計方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040708

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070723

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees