JP3577555B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、電子機器の回路基板上に実装される電子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子部品として、フェライト材内に導電用の金属線を埋設した形式のチップインダクタなどが各種提供されていることは周知の事項であって、その一例としては、例えば、特開昭63−226904号公報(従来例)によって開示されたものが挙げられる。
【0003】
即ち、前記従来例の図面にも示されている如くに、導電体の外周に押出加工処理によって磁性体層を一体的に密着するようにして長尺成形体を形成し、インダクタンス素子を形成させたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記の如き従来例においても、格別にインダクタンス素子としての有用性が損なわれるものではないが、押出加工処理によって、導電体の外表面が全周にわたって密着されているため、磁性材の焼成処理の際、その収縮率の差異に起因して、磁性材層と導電材との間に内部応力を誘発し、結果的に導電材と磁性材層との間の密着性が損われ、例えば、個有のインピーダンス特性などが低下し、品質の不良を招く要因となっていた。
【0005】この発明の目的は、前記の課題を効果的に解消する優れたインダクタなどの電子部品の製法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためのこの発明の構成は、次の通りである。
【0008】
(1)フェライトなどの磁性材内に導電材を配設してなる電子部品の製造方法であって、押出成形手段によって成形される前記磁性材中に前記導電材の外形とは異形状の透孔を透設しつつ当該透孔内に前記導電材を挿設して前記磁性材内に前記導電材が埋入された状態で押出成形し、焼成処理することを特徴とする電子部品の製造方法。
【0009】
(2)フェライトなどの磁性材内に導電材を配設してなる電子部品の製造方法であって、前記導電材には加熱処理することによって除去される消失手段を含ませ、当該導電材を前記磁性材内に埋入するようにして押出成形加工を施し、焼成処理の際に前記消失手段が除去されて前記導電材と、前記磁性材料との間に空隙が形成されうるようにした電子部品の製造方法。
【0010】
【作 用】
この発明の構成は前項の通りであって、押出成形手段において磁性材内に空隙を介在させて導電材を埋入して焼成処理し、あるいは、焼成処理の際に消失する手段を設けて磁性材中に導電材を埋入して焼成処理するものであって、導電材と磁性材との間には内部応力の蓄積が発生されるおそれのないものである。
【0011】
【実 施 例】
(実施例1)
以下に、この発明の第1の実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
【0012】
この実施例のものによれば、図4に示すようなMnZn,NiZnなどのフェライト材料や、絶縁体もしくは誘電体で構成された直方体状の磁性材料(M)内に、Ag,Au,AgPd,Pd,Ptもしくはニクロム材などで構成された導電線(L1 )を、その長手方向沿いに埋設し、その両端に外部電極(TI)を付設した電子部品(IP)を得ることができるものであって、その製造工程を図4に示す製造装置(D)によって説明する。
【0013】
即ち、この製造装置(D)にあっては、押出成形手段1,切断手段2,焼成手段3,および外部電極装着手段4によって構成されている。
【0014】
ところで、前記の押出成形手段1について見れば、成型ハウジング11内に導電材(L)の案内筒12を垂設すると共に、注入ポート13からはフェライト粉末供給手段5とバインダ供給手段6から供給されたフェライトと、結合樹脂とを混合・混練手段7において十分に混練させた磁性材料(M)が供給され、押出口金14からは中間成形材(MI)が押出されるように構成されている。
【0015】
又、前記ハウジング11内に垂設した案内筒12内には、線材供給手段8から、1本のPt材などからなる導電線(L1 )が供給される。
【0016】
一方、前記案内筒12の導出部12Aは、ハウジング11の押出口金14の近傍に開放されており、成形容器11の押出口金部14から前記磁性材料(M)内に前記導電材(L1 )が埋入された状態で同時押出成形されて、中間成形材(MI)が形成されるものである。
【0017】
次で、この中間成形材(MI)は、切断手段2において所定の寸法に横断状に切断され、更に焼成手段3において焼成処理され、最後に外部電極装着手段4においてこれに外部電極(TI)が連設されてインダクタなどの電子部品(IP)(図4参照)が完成されるような製造ラインが構成されている。
【0018】
ところで、この実施例の構造上の特徴点は、次の通りである。
【0019】
即ち、案内筒12の導出部12Aの横断方向に関する形状は、図3に看るように四角筒状を呈しており、その内部の導通孔12Bから同図に示すような丸棒状の導電材(L1 )が導出されるようになされている。
【0020】
次に、この製造装置(D)の使用に係る製造方法について見れば、以下の通りである。
【0021】
まず、混合・混練手段7において、NiZnフェライト粉末と結合樹脂ならびに適宜の溶剤とを十分混練させ、ペースト状の磁性材料(M)を製造し、これをライン(〓)の経路を通して、注入ポート13から成型ハウジング11内に注入する一方で、ライン(〓)を経由して、線材供給手段8から1本のPt材などからなる導電材(L1 )を案内筒12内に導入させる。
【0022】
この状態で、前記の導電材(L1 )は案内筒12の下端の導出部12Aから導出される一方、その外周位置には磁性材料(M)が供給されるが、当該磁性材料(M)は、案内筒12の導出部12Aによって四角形状の透孔(HO)を形成され、この透孔(HO)内に導電材(L1 )が部分的に非接触状に埋入された状態で空隙(G)を残して同時に押出成形されるものであって、その結果四角孔(HO)内に丸棒状の導電材(L1 )を挿着した構造の中間成形材(MI)が得られることとなる。
【0023】
次で、この中間成形材(MI)を切断手段2において、ナイフなどの適宜の切断具によって所要の長さに切断する。
【0024】
その後、この中間成形材(MI)を焼成手段3に供給し、例えば約100℃/hの割合で昇温させることにより、磁性材料(M)を約900℃程度まで加温し、その後、200℃/hの割合で降温させた結果では、フェライトは約15%程度収縮し、約85%程度の寸法の燒結体(BI)となるが、この際、導電材(L1 )を構成するPt,Pd,Au,もしくはAgの軟化温度は、それぞれ1774℃,1555℃,1063℃,および961℃であるから膨張および収縮するのみで溶融することはなく、導電材(L1 )は、結局直径約0.085mm程度となって磁性材料(M)中に埋入,定着された状態となるものであるが、この焼成加工の際には、前記の如く、導電材(L1 )と磁性材料(M)との間には熱膨張率の差異があるため、両者が相対移動を誘発されることとなって、この場合にも、この実施例1にあっては、部分的な空隙を介在させて導電材(L1 )と磁性材料(M)とが接触されているにすぎないため、両者間に内部応力が蓄積されるおそれがなく、インピーダンス特性などについても安定しており、良質の電子部品(IP)が得られる。
【0025】
次に、この中間成形材(MI)の両端に外部電極装着手段4においてドリップ方法などにより外部電極(TI)を付設して、所望のチップインダクタなどの電子部品(IP)を得ることができるものである。
【0026】
(実施例2)
次に、図5および図6には、前記実施例1の変形例が示されているので、これについて説明する。
【0027】
この変形例が前記実施例1と相違している点は、案内筒12の導出部12A’から供給される導電材(L2 )の断面形状が四角柱状であり、当該導電材(L2 )を案内する案内筒12の導出部12A’の形状が円筒状である点であって、それ以外の点は共通しており、その中間成形材(MI)を焼成する際にも、空隙(G)により収縮率の差異があっても、導電材(L2 )と磁性材料(M)との間に内部応力が蓄積されることがないものであって、高品質の電子部品(IP2 )が得られるものである(図6参照)。
【0028】
(実施例3)
この実施例3は、図7および図8に示す通りであって、案内筒12内に多数本の細線状の導電材(L3 )を導通させ、導出部12A’から磁性材料(M)内に埋入させて中間成形材(MI)を形成させたものである。
【0029】
この実施例3にあっては、当該中間成形材(MI)を焼成処理する際にあっては、各導電材(L3 )間ならびに磁性材料(M)との間に空隙が存在するため、内部応力の蓄積が回避されうるものであり、この点は、他の実施例1,2とも共通するものである。
【0030】
なお、図9には今一つの中間成形材(MI)を提示しているが、この場合、導電材(L4 )として比較的低融点金属材料を多孔質状に形成したものを採用しており、焼成処理の際に導電材(L4 )が軟化してその容積が限縮される結果、導電材(L4 )と磁性材料(M)との間に内部応力の蓄積を回避しうるものである。
【0031】
また、図示して説明することは省略するが、磁性材料(M)に対して熱力学的現象としての熱衝撃や物理的ショックを与えて積極的にクラックを発生させて、内部応力の発生を防止し、あるいは熱や電流を供与して、磁性材料(M)と導電材(L)とを分離させることなども有効であることが検認されている。
【0032】
【発明の効果】
この発明は、以上の通りであって、その特有の効果は、導電材と磁性材料との間の熱膨張率の差異が存するにもかかわらず、燒結処理の際に内部応力の蓄積が発生せず、品質特性の優れた電子部品を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る製造装置の第1の実施例を示すブロック図。
【図2】図1における押出口金部の一部縦断面図。
【図3】図2における〓−〓線切断底面図。
【図4】図1の製造装置によって製造した電子部品の斜視図。
【図5】図3の他の実施例の底面図。
【図6】図3の製造装置によって製造した電子部品の斜視図。
【図7】図3の他の実施例の底面図。
【図8】図3の製造装置による中間成形材の斜視図。
【図9】図3の他の実施例による中間成形材の側面図。
【符号の説明】
D 製造装置
1 押出成形手段
11 ハウジング
12 案内筒
12A,12A’導出部
14 押出口金
2 切断手段
3 焼成手段
M 磁性材料
L1,L2,L3,L4 導電線
MI 中間成形材
BI 燒結体
IP 電子部品
Claims (2)
- フェライトなどの磁性材内に導電材を配設してなる電子部品の製造方法であって、押出成形手段によって成形される前記磁性材中に前記導電材の外形とは異形状の透孔を透設しつつ当該透孔内に前記導電材を挿設して前記磁性材内に前記導電材が埋入された状態で押出成形し、焼成処理することを特徴とする電子部品の製造方法。
- フェライトなどの磁性材内に導電材を配設してなる電子部品の製造方法であって、前記導電材には加熱処理することによって除去される消失手段を含ませ、当該導電材を前記磁性材内に埋入するようにして押出成形加工を施し、焼成処理の際に前記消失手段が除去されて前記導電材と、前記磁性材料との間に空隙が形成されうるようにした電子部品の製造方法。
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JP34884993A JP3577555B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 電子部品の製造方法 |
US08/434,985 US5690771A (en) | 1993-03-31 | 1995-05-04 | Electronic parts such as an inductor and method for making same |
US08/877,586 US6012219A (en) | 1993-03-31 | 1997-06-17 | Method for making electronic parts |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34884993A JP3577555B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 電子部品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07192910A JPH07192910A (ja) | 1995-07-28 |
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1993
- 1993-12-27 JP JP34884993A patent/JP3577555B2/ja not_active Expired - Fee Related
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