JP3577161B2 - ジフェニルピペラジン誘導体 - Google Patents
ジフェニルピペラジン誘導体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3577161B2 JP3577161B2 JP11583096A JP11583096A JP3577161B2 JP 3577161 B2 JP3577161 B2 JP 3577161B2 JP 11583096 A JP11583096 A JP 11583096A JP 11583096 A JP11583096 A JP 11583096A JP 3577161 B2 JP3577161 B2 JP 3577161B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- fluorophenyl
- bis
- general formula
- propylpiperazine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、循環器薬として或いは中枢神経薬として有用な不斉炭素を有する、ジフェニルピペラジン誘導体の光学純度の決定に有用な、新規ジフェニルピペラジン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
後記一般式(II)に表されるジフェニルピペラジン誘導体及び生理的に許容されるそれらの塩は、循環器用薬として或いは中枢神経用薬として大変有用である。しかしながら、これらの化合物は不斉炭素を有しており、且つ、立体異性体間に於ける薬効の強さは異なっていることが知られている。従って、これらの化合物を開発して行くためには、立体の管理が必要になってくる。この様な状況下、一般式(II)に表される化合物の光学純度を測定する手段として、キラルカラムによる分離が見いだされたが、分析に長時間を有することと感度が生体内での動態を追うには低すぎると言う問題点があった。
【0003】
一方、一般式(I)に表される化合物は新規化合物であり、この様な異性体同士が分離しやすいことは知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる状況下行われたものであり、後記一般式(II)に表される化合物の光学純度測定に有用な標準物質を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは一般式(II)に表される化合物について光学異性体を分ける方法を求めて鋭意努力を重ねた結果、一般式(II)に表される物質に、一般式(III)に表される物質を反応させ、一般式(I)に表されるジアステレオマーに導くことにより光学異性体の分離が可能になることを見いだし発明を完成させた。以下、本発明について詳細に説明する。
【0006】
【化2】
一般式(I)
(但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を表し、R3 、R 4 はそれぞれ独立に置換基を有していても良い炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立に炭素数0〜4の整数を表す。)
【0007】
【化7】
一般式(II)
(但し、式中R1、R2、R3、m、nはそれぞれ一般式(I)と同じものとする。)
【0008】
【化8】
一般式(III)
(但し、このものは光学活性体であって、且つ、式中R4、R5はそれぞれ一般式(I)に記載のものと同じものを表す。)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の化合物は、一般式(I)に表される。一般式(I)に表される化合物は、一般式(II)に表される化合物と一般式(III)に表される化合物を室温乃至50℃で溶液状態で数時間混合することにより容易に定量的に得られる。この時の混合比は、一般式(III)に表される化合物が一般式(II)に表される化合物より、等量の2倍程度の多めが好ましい。溶媒としては、有機溶媒が好ましく、有機溶媒であって一般式(III)に表される化合物と反応しないものであれば特段の限定を受けずに用いることができ、例えば、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル等が好ましく例示できる。この物質は、不斉中心が三カ所あるため、互いに鏡像関係でない立体異性体が生成し、このものは鏡像関係にあるものよりも物性差が大きくなる為、鏡像関係にあるものよりも分離がしやすくなる。又、N−(C=O)−Nという発色団を有しているので、吸光度分析や蛍光強度分析を行う上で感度良く検知ができるので便利である。従って、この様な形の物質に導くことにより、一般式(II)に表される化合物の光学純度が容易且つ高感度に測定することができる。本発明の化合物を例示するならば、R,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物1)、S,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物2)、S,R,R 1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物3)、R,R,R 1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物4)、S,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(4−クロロフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物5)、R,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(4−クロロフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物6)、S,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(4−メトキシフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物7)、R,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(4−メトキシフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物8)、S,R,R 1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物9)、R,R,R 1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物10)、S,R,R 1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物11)、R,R,R 1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物12)、S,S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物13)、R,S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物14)、S,S,S 1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物15)、R,S,S 1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物16)、S,S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(4−クロロフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物17)、R,S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(4−クロロフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物18)、S,S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(4−メトキシフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物19)、R,S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(4−メトキシフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物20)、S,S,S 1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物21)、R,S,S 1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物22)、S,S,S 1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物23)、R,S,S 1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物24)、S,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(フェニルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−フェニル−N−(フェニルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物25)、R,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(フェニルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−フェニル−N−(フェニルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物26)、S,S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(フェニルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−フェニル−N−(フェニルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物27)、R,S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(フェニルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−フェニル−N−(フェニルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物28)が例示できる。これらの化合物は、1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン、1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン、1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(3−(4−クロロフェニル)アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)アミノプロピル)ピペラジン、1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン、1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン等の一般式(II)に表される化合物又は生理的に許容されるこれらの塩とR(−) 1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート、S (+)1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート、R (+) 1−フェニルエチルイソシアネート、S (−) 1−フェニルエチルイソシアネート等の一般式(III)に表される化合物とを反応させることにより得られる。これらの内、産業上最も有用なものは、現在新薬に向け開発中の1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン及び/又は生理的に許容されるこれらの塩から誘導される化合物1及び2である。
【0010】
【化9】
化合物1
【0011】
【化10】
化合物2
【0012】
本発明の化合物は、一般式(II)に表される化合物の光学純度の分析に於いて、標準サンプルとして用いることができる。即ち、予め光学活性なものに生成した一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物を反応させて得た一般式(I)の化合物を標準のサンプルとして、このものと未知の光学純度の一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物を反応させたものを、例えば、高速液体クロマトグラフィー等の分析で比較することにより、未知の一般式(II)の化合物の光学純度を得ることができる。これは、一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物との反応が立体の影響を殆ど受けずに進行するためである。ここで、一般式(II)に表されている化合物は、現在脳循環改善薬、抗パーキンソン病薬として開発されており、その合成方法は既に知られている。又、一般式(III)に表される化合物は試薬として市販されておりその入手は容易である。この様にして製造された一般式(I)に表される化合物は通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で精製できる。
【0013】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0014】
実施例1
S(−) 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン200mgとR(−)1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート(以下、−NEIC)400mgをそれぞれ乾燥したアセトニトリル5mlに溶解させて添加し、40分間50℃に加熱して反応させた。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム:メタノール=50:50:0:0→ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム:メタノール=0:0:100:0→ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム:メタノール=0:0:100:2)精製し250mgのR,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物1)を得た。赤外吸収は、2936.8、1711.3、1655.8、1597.0、1507.1、1221.7、1158.1、778.8カイザーであった。プロトンNMR(溶媒;DMSO−d6、δppM)は、1.08〜1.70(m,10H)、1.80〜1.98(m,3H)、2.15〜2.50(m,7H)、3.60〜3.94(m,4H)、4.55(d,1H)、4.81(d,1H)、4.90〜5.06(m,1H)、5.46〜5.79(m,2H)、6.80〜7.80(m,25H)、7.97〜8.12(m,2H)であった。更に質量分析(FAB)では、871(M−2)を観測した。このものはHPLC(カラム:5μmのODS4.6×250mm、移動相:60%アセトニトリル−20mM燐酸緩衝液(pH3.0)、流速:1.8ml/min、検知:紫外部254nm、カラム温度:40℃)で単一ピークを観察した。このクロマトグラムを図1、2にしめす。
【0015】
実施例2
R(+) 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン200mgとR(−)1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート(以下、−NEIC)400mgをそれぞれ乾燥したアセトニトリル5mlに溶解させて添加し、40分間50℃に加熱して反応させた。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム:メタノール=50:50:0:0→ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム:メタノール=0:0:100:0→ヘキサン:酢酸エチル:クロロホルム:メタノール=0:0:100:2)精製し250mgのS,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物2)を得た。赤外吸収は、2936.8、2811.4、1711.3、1655.8、1597.0、1507.1、1221.7、1158.1、778.8カイザーであった。プロトンNMR(溶媒;DMSO−d6、δppM)は、1.20〜1.60(m,7H)、1.70〜1.85(m,3H)、1.90〜2.50(m,10H)、3.80〜3.92(m,4H)、4.70(d,1H)、4.90〜5.10(m,2H)、5.45〜5.62(m,1H)、5.70〜5.85(m,1H)、6.90〜7.90(m,23H)、8.05〜8.20(m,4H)であった。更に質量分析(FAB)では871(M−2)を観測した。このものはHPLC(カラム:5μmのODS4.6×250mm、移動相:60%アセトニトリル−20mM燐酸緩衝液(pH3.0)、流速:1.8ml/min、検知:紫外部254nm、カラム温度:40℃)で単一ピークを観察した。このクロマトグラムを図3、4にしめす。
【0016】
実施例3
1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)の0.01Mの無水テトラヒドロフラン溶液と−NEICのアセトニトリル溶液を50℃で40分間攪拌したものについて実施例1と同様のHPLCによる分析を行った。結果は、ラセミ体そのものは1本のピークとして観察された。反応液の主ピークは、ラセミ体とも−NEICとも異なる2本のほぼ同面積のピークで、一方は実施例1のリテンションタイムと一致していた。このことより、本発明の化合物が一般式(II)に表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図5、6にしめす。
【0017】
実施例4
1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(3−(4−クロロフェニル)アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例3と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)に表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図7、8にしめす。
【0018】
実施例5
1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)アミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例3と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)に表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図9、10にしめす。
【0019】
実施例6
1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例3と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)に表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図11、12にしめす。
【0020】
実施例7
1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例3と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)に表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図13、14にしめす。
【0021】
実施例8
1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例3と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)に表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図15、16にしめす。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、循環器用薬或いは中枢用薬として有用な上記一般式(II)に表される化合物の光学純度測定に有用な標準物質が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の原料のクロマトグラフを示す図である。
【図2】実施例1の反応物のクロマトグラフを示す図である。
【図3】実施例2の原料のクロマトグラフを示す図である。
【図4】実施例2の反応物のクロマトグラフを示す図である。
【図5】実施例3の原料のクロマトグラフを示す図である。
【図6】実施例3の反応物のクロマトグラフを示す図である。
【図7】実施例4の原料のクロマトグラフを示す図である。
【図8】実施例4の反応物のクロマトグラフを示す図である。
【図9】実施例5の原料のクロマトグラフを示す図である。
【図10】実施例5の反応物のクロマトグラフを示す図である。
【図11】実施例6の原料のクロマトグラフを示す図である。
【図12】実施例6の反応物のクロマトグラフを示す図である。
【図13】実施例7の原料のクロマトグラフを示す図である。
【図14】実施例7の反応物のクロマトグラフを示す図である。
【図15】実施例8の原料のクロマトグラフを示す図である。
【図16】実施例8の反応物のクロマトグラフを示す図である。
Claims (2)
- R,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(N−ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物1)又はS,R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−(N−ナフチルメチルメチルアミノカルボニルオキシ)−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物2)である請求項1記載のジフェニルピペラジン誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11583096A JP3577161B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | ジフェニルピペラジン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11583096A JP3577161B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | ジフェニルピペラジン誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09278769A JPH09278769A (ja) | 1997-10-28 |
JP3577161B2 true JP3577161B2 (ja) | 2004-10-13 |
Family
ID=14672180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11583096A Expired - Fee Related JP3577161B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | ジフェニルピペラジン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3577161B2 (ja) |
-
1996
- 1996-04-12 JP JP11583096A patent/JP3577161B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09278769A (ja) | 1997-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI597263B (zh) | Novel dihydrindanesulfamide derivatives | |
CN114105950B (zh) | 吡唑类化合物及其应用 | |
US5254258A (en) | Chiral selector useful for separation of enantiomers of β-amino alcohol compounds | |
JP3577161B2 (ja) | ジフェニルピペラジン誘導体 | |
CN107098866B (zh) | 药物Lesinurad轴手性对映体的拆分方法 | |
JP3868488B2 (ja) | 鏡像異性体を富化したオルト置換α,α−二芳香族メタノールの製造 | |
JP3577160B2 (ja) | ジフェニルピペラジン誘導体ジアステレオマー | |
KR20200036755A (ko) | (-)-시벤졸린 숙신산염의 신규한 제조 공정 | |
WO2023016528A1 (zh) | 一类苯并吗啉类化合物及其制备方法和用途 | |
Uray et al. | Diphenylethanediamine derivatives as chiral selectors: VIII. Influence of the second amido function on the high-performance liquid chromatographic enantioseparation characteristics of (N-3, 5-dinitrobenzoyl)-diphenylethanediamine based chiral stationary phases | |
JPH0653763B2 (ja) | セルロ−ス系カルバメ−ト誘導体 | |
FR3100246A1 (fr) | Procede de preparation du sel sodique d'elagolix et intermediaires dudit procede | |
JP2004531704A (ja) | 4−アミノ−3,5−ジニトロ安息香酸の誘導体に基づくキラル固定相 | |
JP2538618B2 (ja) | 分離剤 | |
JP2741992B2 (ja) | 3−アミノクロマン化合物鏡像異性体の合成方法 | |
JPH0816084B2 (ja) | 光学活性フェニルエチルアミン誘導体の製造法 | |
JP3046369B2 (ja) | 光学異性体分離剤 | |
CN116082259B (zh) | 氨基甲酸酯基或氨甲酰基取代的5-ht2b拮抗剂 | |
KR100403977B1 (ko) | 라세믹화합물의 광학분할을 위한 lc용 키랄고정상 및이들로 충진된 키랄컬럼 | |
EP4247437A1 (fr) | Composés radiomarqués pour le diagnostic de maladies neurodégénératives cholinergiques | |
JPH06179660A (ja) | ジシアノピラジン誘導体 | |
JP2005132815A (ja) | 光学活性スルホン酸化合物 | |
KR100525288B1 (ko) | 광학활성인n,n'-다이(치환벤조일)-2,3-다이아미노-1,4-부탄다이올을기저로한 키랄고정상 및 이들로 충진된 킬랄칼럼 | |
JPH041162A (ja) | 光学活性トレオ―3―アミノ―2―ヒドロキシペンタン酸及びその製造法 | |
JPH0575733B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040210 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040402 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040706 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040709 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |