JP3577160B2 - ジフェニルピペラジン誘導体ジアステレオマー - Google Patents

ジフェニルピペラジン誘導体ジアステレオマー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、循環器薬として或いは中枢神経薬として有用な不斉炭素を有する、ジフェニルピペラジン誘導体の光学純度の決定に有用な、新規ジフェニルピペラジン誘導体ジアステレオマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
後記一般式(II)で表されるジフェニルピペラジン誘導体及び生理的に許容されるそれらの塩は、循環器用薬として或いは中枢神経用薬として大変有用である。しかしながら、これらの化合物は不斉炭素を有しており、且つ、立体異性体間に於ける薬効の強さは異なっていることが知られている。従って、これらの化合物を開発して行くためには、立体の管理が必要になってくる。この様な状況下、一般式(II)で表される化合物の光学純度を測定する手段として、キラルカラムによる分離が見いだされたが、分析に長時間を有することと感度が生体内での動態を追うには低すぎると言う問題点があった。
【0003】
一方、一般式(I)で表される化合物は新規化合物であり、この様なジアステレオマー同士が分離しやすいことは知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる状況下行われたものであり、後記一般式(II)で表される化合物の光学純度測定に有用な標準物質を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは一般式(II)で表される化合物について光学異性体を分ける方法を求めて鋭意努力を重ねた結果、一般式(II)で表される物質に、一般式(III)で表される物質を反応させ、一般式(I)で表されるジアステレオマーに導くことにより光学異性体の分離が可能になることを見いだし発明を完成させた。以下、本発明について詳細に説明する。
【0006】
【化2】
Figure 0003577160
一般式(I)
(但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を表し、R3 、R 4 はそれぞれ独立に置換基を有していても良い炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立に炭素数0〜4の整数を表す。)
【0007】
【化3】
Figure 0003577160
一般式(II)
(但し、式中R、R、R、m、nはそれぞれ一般式(I)と同じものとする。)
【0008】
【化4】
Figure 0003577160
一般式(III)
(但し、このものは光学活性体であって、且つ、式中R、Rはそれぞれ一般式(I)に記載のものと同じものを表す。)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の化合物は、一般式(I)で表される。一般式(I)で表される化合物は、一般式(II)で表される化合物と一般式(III)で表される化合物を氷冷下等の低温で溶液状態で数時間から数日混合することにより容易に定量的に得られる。この時の混合比は、一般式(III)で表される化合物が一般式(II)で表される化合物より、やや等量より多めが好ましい。溶媒としては、有機溶媒が好ましく、有機溶媒であって一般式(III)で表される化合物と反応しないものであれば特段の限定を受けずに用いることができ、例えば、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル等が好ましく例示できる。この物質は、不斉中心が二カ所あるため、互いに鏡像関係でないジアステレオマーが生成し、このものは鏡像関係にあるものよりも物性差が大きくなる為、鏡像関係にあるものよりも分離がしやすくなる。又、N−(C=O)−Nという発色団を有しているので、吸光度分析や蛍光強度分析を行う上で感度良く検知ができるので便利である。従って、この様な形の物質に導くことにより、一般式(II)で表される化合物の光学純度が容易且つ高感度に測定することができる。
【0010】
本発明の化合物を例示するならば、R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物1)、S,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物2)、S,R 1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物3)、R,R 1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物4)、S,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(4−クロロフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物5)、R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(4−クロロフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物6)、S,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(4−メトキシフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物7)、R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(4−メトキシフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物8)、S,R 1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物9)、R,R 1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物10)、S,R 1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物11)、R,R 1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物12)、S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物13)、R,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物14)、S,S 1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物15)、R,S 1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物16)、S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(4−クロロフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物17)、R,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(4−クロロフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物18)、S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(4−メトキシフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物19)、R,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(4−メトキシフェニル)−N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物20)、S,S 1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物21)、R,S 1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物22)、S,S 1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物23)、R,S 1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物24)、S,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−フェニル−N−(フェニルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物25)、R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−フェニル−N−(フェニルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物26)、S,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−フェニル−N−(フェニルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物27)、R,S 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−フェニル−N−(フェニルメチルメチルアミノカルボニル)アミノ))プロピルピペラジン(化合物28)が例示できる。
【0011】
これらの化合物は、1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン、1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン、1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(3−(4−クロロフェニル)アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)アミノプロピル)ピペラジン、1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン、1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン等の一般式(II)で表される化合物又は生理的に許容されるこれらの塩とR(−) 1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート、S (+) 1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート、R (+) 1−フェニルエチルイソシアネート、S (−) 1−フェニルエチルイソシアネート等の一般式(III)で表される化合物とを反応させることにより得られる。
【0012】
これらの内、産業上最も有用なものは、現在新薬に向け開発中の1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン及び/又は生理的に許容されるこれらの塩から誘導される化合物1及び2である。
【0013】
【化5】
Figure 0003577160
化合物1
【0014】
【化6】
Figure 0003577160
化合物2
【0015】
本発明の化合物は、一般式(II)で表される化合物の光学純度の分析に於いて、標準サンプルとして用いることができる。即ち、予め光学活性なものに生成した一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物を反応させて得た一般式(I)の化合物を標準のサンプルとして、このものと未知の光学純度の一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物を反応させたものを、例えば、高速液体クロマトグラフィー等の分析で比較することにより、未知の一般式(II)の化合物の光学純度を得ることができる。これは、一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物との反応が立体の影響を殆ど受けずに進行するためである。ここで、一般式(II)で表されている化合物は、現在脳循環改善薬、抗パーキンソン病薬として開発されており、その合成方法は既に知られている。又、一般式(III)で表される化合物は試薬として市販されておりその入手は容易である。この様にして製造された一般式(I)で表される化合物は通常のシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で精製できる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0017】
実施例1
S(−) 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン240mgとR(−)1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート(以下、−NEIC)210mgをそれぞれ脱水したアセトニトリル5mlに溶解させ、氷冷窒素雰囲気下混合し、40分間反応させた後、室温に戻し更に19時間反応させた。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:クロロホルム:クロロホルム:メタノール=50:50:0:0→0:0:100:0→0:0:100:2)精製し250mgのR,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物1)を得た。[α]23/Dは−51.27であり、赤外吸収は、2937.5、1643.8、1648.1、1653.9、1596.1、1508.2、1221.7、1157.5、778.8カイザーであった。プロトンNMR(溶媒;DMSO−d6、δppM)は、1.36(br,2H)、1.44(d,3H)、1.93〜2.03(m,2H)、2.10〜2.30(m,7H)、3.33(s,3H)、3.50〜3.54(m,1H)、3.55〜3.81(m,1H)、3.95(t,1H)、4.95(d,1H)、5.61(t,1H)、7.05〜7.63(m,17H)、7.80(d,1H)、7.90(d,1H)、8.14(d,1H)であった。更に、質量分析(FAB)では、675(M−1)を観測した。このものはHPLC(カラム:5μmのODS4.6×250mm、移動相:55%アセトニトリル−10mM燐酸緩衝液(pH4.0)、流速:1.5ml/min、検知:紫外部254nm、カラム温度:40℃)で単一ピークを観察した。このクロマトグラムを図1、2にしめす。
【0018】
実施例2
R(+) 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン240mgとR(−)1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート(以下、−NEIC)210mgをそれぞれ脱水したTHF5mlに溶解させ、氷冷窒素雰囲気下混合し、40分間反応させた後、室温に戻し更に19時間反応させた。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:クロロホルム:クロロホルム:メタノール=50:50:0:0→0:0:100:0→0:0:100:2)精製し250mgのS,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物2)を得た。赤外吸収は、2876.2、2774.6、1643.8、1653.7、1596.2、1505.8、1450.3、1221.4、1157.5、1026.0、1013.8、778.9カイザーであった。プロトンNMR(溶媒;DMSO−d6、δppM)は、1.27(br,2H)、1.57(d,3H)、1.91〜1.99(m,2H)、2.00〜2.40(m,12H)、3.35(s,1H)、3.43〜3.52(m,1H)、3.68〜3.82(m,2H)、3.95(t,1H)、5.00(d,1H)、5.65(m,1H)、6.50(d,1H)、7.05〜7.63(m,17H)、7.80(d,1H)、7.93(d,1H)、8.14(d,1H)であった。更に、質量分析(FAB)では、675(M−1)を観測した。このものはHPLC(カラム:5μmのODS4.6×250mm、移動相:55%アセトニトリル−10mM燐酸緩衝液(pH4.0)、流速:1.5ml/min、検知:紫外部254nm、カラム温度:40℃)で単一ピークを観察した。このクロマトグラムを図3、4にしめす。
【0019】
実施例3
1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)の0.01Mの無水テトラヒドロフラン溶液と−NEICの0.01Mの無水テトラヒドロフラン溶液を5℃で48時間攪拌したものについて実施例1と同様のHPLCによる分析を行った。結果は、ラセミ体そのものは1本のピークとして観察された。反応液の主ピークは、ラセミ体とも−NEICとも異なる2本のほぼ同面積のピークで、一方は実施例1のリテンションタイムと一致していた。このことより、本発明の化合物が一般式(II)で表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図5、6にしめす。
【0020】
実施例4
1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(3−(4−クロロフェニル)アミノ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例2と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)で表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図9、10にしめす。
【0021】
実施例5
1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)アミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例2と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)で表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図11、12にしめす。
【0022】
実施例6
1−(3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロピル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例2と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)で表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図13、14にしめす。
【0023】
実施例7
1−(5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例2と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)で表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図15、16にしめす。
【0024】
実施例8
1−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)ピペラジン(ラセミ体)を実施例2と同様にHPLC処理し、原料と異なる2本のピークを得た。このことより、本発明の化合物が一般式(II)で表される化合物の光学純度測定用の有用な標準物質になることが判る。このクロマトグラムを図17、18にしめす。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、循環器用薬或いは中枢用薬として有用な上記一般式(II)で表される化合物の光学純度測定に有用な標準物質が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の原料のクロマトグラフである。
【図2】実施例1の生成物のクロマトグラフである。
【図3】実施例2の原料のクロマトグラフである。
【図4】実施例2の生成物のクロマトグラフである。
【図5】実施例3の原料のクロマトグラフである。
【図6】実施例3の生成物のクロマトグラフである。
【図9】実施例4の原料のクロマトグラフである。
【図10】実施例4の生成物のクロマトグラフである。
【図11】実施例5の原料のクロマトグラフである。
【図12】実施例5の生成物のクロマトグラフである。
【図13】実施例6の原料のクロマトグラフである。
【図14】実施例6の生成物のクロマトグラフである。
【図15】実施例7の原料のクロマトグラフである。
【図16】実施例7の生成物のクロマトグラフである。
【図17】実施例8の原料のクロマトグラフである。
【図18】実施例8の生成物のクロマトグラフである。

Claims (2)

  1. 一般式(I)に表されるジフェニルピペラジン誘導体。
    Figure 0003577160
    一般式(I)
    (但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を表し、R3 、R 4 はそれぞれ独立に置換基を有していても良い炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立に炭素数0〜4の整数を表す。)
  2. R,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物1)又はS,R 1−(4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル)−4−(2−ヒドロキシ−3−(N−(ナフチルメチルメチルアミノカルボニル)−N−フェニルアミノ))プロピルピペラジン(化合物2)である請求項1記載のジフェニルピペラジン誘導体ジアステレオマー。
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