JP2005132815A - 光学活性スルホン酸化合物 - Google Patents

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JP2005132815A JP2004098510A JP2004098510A JP2005132815A JP 2005132815 A JP2005132815 A JP 2005132815A JP 2004098510 A JP2004098510 A JP 2004098510A JP 2004098510 A JP2004098510 A JP 2004098510A JP 2005132815 A JP2005132815 A JP 2005132815A
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晃樹 ▲高▼橋
Teruki Takahashi
Koji Fukushi
幸治 福士
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Abstract

【課題】不斉補助基導入剤として使用可能な新規な軸不斉化合物を提供すること。
【解決手段】式(1)
Figure 2005132815

(式中、R1は炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、下記
Figure 2005132815

で示される基等を表わし、R2は水酸基、臭素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基を、R3は水素原子等を、R4は水素原子等を、R5はR4と同一の基または水素原子を表わす。)
で示される光学活性スルホン酸化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学活性スルホン酸化合物に関する。
生体内での生理作用を制御する生理活性物質の大部分は光学活性な化合物であるため、その合成研究や構造解析においては、その絶対配置を決定することが極めて重要である。また、近年医薬品、農薬等の分野においても、光学活性な化合物は極めて重要な化合物であり、絶対配置の違いによって、効力、毒性等が異なる場合が多く、絶対配置を決定することは極めて重要な作業であった。
かかる光学活性な化合物の絶対配置を決定する方法として、例えば絶対配置が既知の置換基(不斉補助基)を、光学活性な化合物に導入し、NMR分析して、前記不斉補助基を内部標準として、光学活性な化合物の絶対配置を決定する方法がある。かかる方法は、NMRの磁気異方性効果を用いる方法であり、モッシャー(Mosher)法と呼ばれており、前記X線結晶解析による方法よりも、簡便な操作で、絶対配置を決定することができる(例えば非特許文献1参照。)。
モッシャー法は、不斉補助基を導入した化合物が、NMR測定溶液中で不斉補助基由来の芳香環の異方性効果をより強く受ける立体配座をとることが前提となっているが、不斉補助基導入剤がC−中心性光学活性化合物である光学活性α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸であるため、不斉炭素原子とカルボニル基やフェニル基との結合軸での回転の影響があり、一般に光学活性な第二級アルコール以外には適用できない場合が多く、他の光学活性な化合物にも適用が可能な不斉補助基導入剤として使用できる化合物が求められていた。
一方、光学活性α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸とは異なる不斉補助基導入剤として、例えば光学活性2’−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2−カルボン酸、光学活性2’−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2−カルボヒドロキシモイル クロリド等の軸不斉化合物が開発されている(例えば非特許文献2参照。)が、その製造方法が煩雑であり、より容易に製造が可能な不斉補助基導入剤として使用可能な化合物が望まれていた。
有機合成化学協会誌,56,134(1998) 有機合成化学協会誌,55,121(1997)
このような状況のもと、本発明者は、不斉補助基導入剤として使用可能な新規な軸不斉化合物を開発すべく鋭意検討したところ、入手が容易な光学活性ビナフトールから容易に誘導できる光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド等に代表される下記式(1)
Figure 2005132815
(式中、R1は炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基または
Figure 2005132815
で示される基を表わす。
(A)R1が炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基のとき、R2は水酸基、臭素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基を表わし、R3は水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、(a)R3が水素原子のときに、R4は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R5はR4と同一の基または水素原子を表わし、(b)R3がハロゲン原子のときに、R4およびR5は水素原子を表わし、(c)R3がフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基のときに、R4は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R5は水素原子を表わす。
(B)R1
Figure 2005132815
で示される基のとき、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基または置換されていてもよいアミノ基を表わし、R3およびR4のうちのいずれか一方が水素原子を、他方が水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、R5はR4と同一の基を表わす。)
で示される光学活性スルホン酸化合物で示される新規な光学活性スルホン酸化合物が、不斉補助基導入剤として使用でき、しかも、従来の軸不斉化合物である2’−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2−カルボン酸等よりも異方性効果がより強く、光学異性体の絶対配置の決定がより容易になることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
1.式(1)
Figure 2005132815
(式中、R1は炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基または
Figure 2005132815
で示される基を表わす。
(A)R1が炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基のとき、R2は水酸基、臭素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基を表わし、R3は水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、(a)R3が水素原子のときに、R4は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R5はR4と同一の基または水素原子を表わし、(b)R3がハロゲン原子のときに、R4およびR5は水素原子を表わし、(c)R3がフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基のときに、R4は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R5は水素原子を表わす。
(B)R1
Figure 2005132815
で示される基のとき、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基または置換されていてもよいアミノ基を表わし、R3およびR4のうちのいずれか一方が水素原子を、他方が水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、R5はR4と同一の基を表わす。)
で示される光学活性スルホン酸化合物;
2.式(1)の式中、R1が、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基である前項1に記載の光学活性スルホン酸化合物;
等を提供するものである。
本発明の新規な光学活性スルホン酸化合物は、入手が容易な光学活性ビナフトールから容易に製造が可能であり、しかも従来知られている軸不斉化合物よりも、より強い異方性効果を有しており、光学異性体の絶対配置をより容易に決定することができる。
式(1)
Figure 2005132815
で示される光学活性スルホン酸化合物(以下、光学活性スルホン酸化合物(1)と略記する。)の式中、R1は炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基または
Figure 2005132815
で示される基を表わす。
炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基およびノナフルオロブトキシ基が挙げられる。置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の無置換のアリール基およびこれら無置換のアリール基の一つもしくは二つ以上の水素原子が、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、例えばアセチル基等の炭素数2〜5のアシル基、前記炭素数1〜4のアルコキシ基等の置換基で置換されたもの、例えば2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−アセチルフェニル基、3−メトキシフェニル基等が挙げられる。置換されていてもよいアリールオキシ基としては、前記置換されていてもよいアリール基と酸素原子とから構成されるもの、例えばフェノキシ基、2−フルオロフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−アセチルフェノキシ基、3−メトキシフェノキシ基等が挙げられる。置換されていてもよいアラルキルオキシ基としては、前記置換されていてもよいアリール基と前記炭素数1〜4のアルコキシ基とから構成されるもの、例えばベンジル基、2−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−アセチルベンジル基、3−メトキシベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
まず、(A)R1が炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基である光学活性スルホン酸化合物について、説明する。上記式(1)中、R1が炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基のとき、R2は水酸基、臭素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基を表わし、R3は水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、(a)R3が水素原子のときに、R4は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R5はR4と同一の基または水素原子を表わし、(b)R3がハロゲン原子のときに、R4およびR5は水素原子を表わし、(c)R3がフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基のときに、R4は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R5は水素原子を表わす。
一置換アミノ基としては、例えばアミノ基の一つの水素原子が、前記炭素数1〜4のアルキル基で置換された、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基、例えばヒドラジノ基、例えばグアニジル基等が挙げられる。炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基およびノナフルオロブチル基が挙げられる。三置換シリル基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基等が挙げられる。
かかる光学活性スルホン酸化合物(1)としては、例えば光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6−フェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6−メチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6−tert−ブチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−3,3’,6−トリメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6−トリメチルシリル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸、
光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6−フェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6−メチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6−tert−ブチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−3,3’,6−トリメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6−トリメチルシリル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、
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光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6−フェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6−メチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6−tert−ブチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−3,3’,6−トリメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6−トリメチルシリル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、
光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6−フェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6−メチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6−tert−ブチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−3,3’,6−トリメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6−トリメチルシリル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、
光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6−フェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6−メチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6−tert−ブチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−3,3’,6−トリメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6−トリメチルシリル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、
光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6−フェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6−メチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6−tert−ブチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−3,3’,6−トリメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6−トリメチルシリル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、
光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6−フェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6−メチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6−tert−ブチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−3,3’,6−トリメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6−トリメチルシリル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−メトキシ−3,3’−ジメチル−6−(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、
光学活性2−トリフルオロメトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6−フェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6−メチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6−tert−ブチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−3,3’,6−トリメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6−トリフルオロメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6−トリメチルシリル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−3,3’−ジメチル−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド、光学活性2−トリフルオロメトキシ−3,3’−ジメチル−6−(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミド等が挙げられる。
続いて、(B)R1
Figure 2005132815
で示される基である光学活性スルホン酸化合物について説明する。R1
Figure 2005132815
で示される基のとき、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基または置換されていてもよいアミノ基を表わし、R3およびR4のうちのいずれか一方が水素原子を、他方が水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、R5はR4と同一の基を表わす。
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基および三置換シリル基としては、上記したものと同様のものが挙げられ、置換されていてもよいアミノ基としては、例えばアミノ基、例えば前記アミノ基の一つもしくは二つの水素原子が、前記炭素数1〜4のアルキル基で置換された、例えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基、例えばヒドラジノ基、例えばグアニジル基、例えばモルホリニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピラジニル基、イミダゾリル基等の環構成原子として酸素原子を含んでいてもよい炭素数4〜5の環状アミノ基等が挙げられる。
かかる光学活性スルホン酸化合物としては、例えば光学活性2−スルホ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸メチル、光学活性2−スルホ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、光学活性2−スルホ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸エチル、
光学活性2−スルホ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、
光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、光学活性N−イソプロピル−2−スルホ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド、
光学活性2−スルホ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド、
光学活性2−スルホ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−6,6’−ビス(トリメチルシリル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド、光学活性2−スルホ−3,3’−ジ(tert−ブチル)−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド等が挙げられる。
本発明の光学活性スルホン酸化合物(1)は軸不斉化合物であり、(R)体と(S)体の二種の光学異性体が存在する。かかる光学活性スルホン酸化合物は、軸不斉化合物であり、2’位の置換基の末端が、水酸基、臭素原子、アミノ基、一置換アミノ基等であるため、絶対配置が不明である光学活性なアルコールだけでなく、カルボン酸等他の光学活性な化合物への不斉補助基の導入剤として使用でき、不斉補助基を導入した化合物をNMR分析することにより、不斉補助基が持つ芳香環の異方性効果を利用して、前記絶対配置が不明である光学活性化合物の絶対配置を決定することができる。
絶対配置が不明である光学活性アルコールや光学活性カルボン酸等の光学活性化合物への不斉補助基導入試剤として用い、前記光学活性化合物の絶対配置を決定する場合は、例えば公知のモッシャー法に準じて行えばよい。また、本発明の光学活性スルホン酸化合物を用いて不斉補助基を導入し、不斉補助基を導入した化合物のNOEスペクトルやNOESYスペクトルを測定し、コンフォメーション解析する方法は、公知のNOEスペクトルやNOESYスペクトル測定法およびそのコンフォメーション解析法に準じて行えばよい。
以下、本発明の光学活性スルホン酸化合物(1)の製造方法について、説明する。まず、光学活性スルホン酸化合物(1)のうち、(A)R1が(A)R1が炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基である下記式(2)
Figure 2005132815
(式中、Aは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基を表わし、R6は水酸基、臭素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基を表わし、R7は水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、(a)R7が水素原子のときに、R8は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R9はR8と同一の基または水素原子を表わし、(b)R7がハロゲン原子のときに、R8およびR9は水素原子を表わし、(c)R7がフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基のときに、R8は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R9は水素原子を表わす。)
で示される光学活性スルホン酸化合物(以下、光学活性スルホン酸化合物(2)と略記する。)の製造方法について説明する。
かかる光学活性スルホン酸化合物(2)のうち、R6が臭素原子で、R7およびR9が水素原子で、R8が臭素原子である下記式(3)
Figure 2005132815
(式中、Aは上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性スルホン酸ブロミド(以下、光学活性スルホン酸ブロミド(3)と略記する。)は、下記式(4)
Figure 2005132815
(式中、Aは上記と同一の意味を表わし、R10は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
で示される光学活性カーバメート化合物(以下、光学活性カーバメート化合物(4)と略記する。)とN−ブロモスクシンイミドとを、第三級アルコールの存在下に反応させることにより製造することができる。
光学活性カーバメート化合物(4)としては、例えば光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−チオール N,N−ジメチルカーバメート、光学活性2−トリフルオロメトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−チオール N,N−ジメチルカーバメート、光学活性2−ペンタフルオロエトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−チオール N,N−ジメチルカーバメート、光学活性2−ヘプタフルオロプロポキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−チオール N,N−ジメチルカーバメート、光学活性2−フェノキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−チオール N,N−ジメチルカーバメート、光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−チオール N,N−ジエチルカーバメート等が挙げられる。
N−ブロモスクシンイミドは、通常市販されているものが用いられ、その使用量は、光学活性カーバメート化合物(4)に対して、通常1〜5モル倍以上であり、好ましくは2.5〜4モル倍である。
第三級アルコールとしては、例えばtert−ブタノール等の第三級アルキル基に水酸基が結合したアルコールが挙げられ、その使用量は、光学活性カーバメート化合物(4)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特に制限されず、例えば溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。
光学活性カーバメート化合物(4)とN−ブロモスクシンイミドとの反応は、通常光学活性カーバメート化合物(4)、N−ブロモスクシンイミドおよび第三級アルコールを、そのままもしくは溶媒中で混合することにより実施される。溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えばトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。かかる溶媒の使用量は特に制限されない。
反応温度は、通常−50〜100℃である。
反応終了後、例えば反応液を濃縮処理することにより、光学活性スルホン酸ブロミド(3)を取り出すことができる。また、反応液をそのままもしくは濃縮処理した後、水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、光学活性スルホン酸ブロミド(3)を取り出すこともできる。取り出した光学活性スルホン酸ブロミド(3)は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィ、蒸留等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
かかる光学活性スルホン酸ブロミド(3)を加水分解、エステル化またはアミド化することにより、光学活性スルホン酸化合物(2)のうち、R6が水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基である光学活性スルホン酸化合物を得ることができる。さらに、得られた光学活性スルホン酸化合物や光学活性スルホン酸ブロミド(2)を、例えば還元、フェニル化、アルキル化、パーフルオロアルキル化またはシリル化せしめることにより、6位の臭素原子が、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、三置換シリル基に代わった光学活性スルホン酸化合物を得ることができる。
光学活性スルホン酸ブロミド(3)の加水分解反応は、通常光学活性スルホン酸ブロミド(3)と水やアルカリ水と接触させることにより実施される。また、光学活性スルホン酸ブロミド(3)のエステル化は、通常光学活性スルホン酸ブロミド(3)と、例えばメタノール、エタノール等の炭素数1〜4のアルコールを接触させることにより実施される。光学活性スルホン酸ブロミド(3)のアミド化は、通常光学活性スルホン酸ブロミド(3)と、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ヒドラジン、グアニジン等のアミン化合物と反応させることにより製造することができる。
還元、フェニル化、アルキル化、パーフルオロアルキル化またはシリル化は、芳香族ハロゲン化物を加水分解、エステル化、アミド化、還元、フェニル化、アルキル化、パーフルオロアルキル化またはシリル化して、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸アミド、芳香族化合物、フェニル置換芳香族化合物、アルキル置換芳香族化合物、パーフルオロアルキル置換芳香族化合物またはシリル置換芳香族化合物を得る公知の方法に準じて行えばよい。
前記光学活性カーバメート化合物(4)は、例えばSynlett,1054(1996)に記載の方法に準じて、光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールと式(5)
Figure 2005132815
(式中、R10は上記と同一の意味を表わし、Xはハロゲン原子を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(5)と略記する。)とを、塩基の存在下に反応させて、式(6)
Figure 2005132815
(式中、R10は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性化合物(以下、光学活性化合物(6)と略記する。)を得、該光学活性化合物(6)の水酸基を、O−アルキル化、O−パーフルオロアルキル化、O−アリール化、O−アラルキル化またはアリール化して、式(7)
Figure 2005132815
(式中、AおよびR10は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性化合物(以下、光学活性化合物(7)と略記する。)を得、該光学活性化合物(7)を熱転位反応せしめることにより製造することができる(下記スキーム1参照。)。
Figure 2005132815
化合物(5)の式中、ハロゲン原子としては、上記したものと同様のものが挙げられる。かかる化合物(5)としては、例えばN,N−ジメチルチオカルバモイル クロリド、N,N−ジメチルチオカルバモイル ブロミド、N,N−ジエチルチオカルバモイル クロリド等が挙げられ、通常市販のものが用いられる。
化合物(5)の使用量は、光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールに対して、通常1〜2モル倍である。塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物等が挙げられ、その使用量は、光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールに対して、通常1〜2モル倍である。
化合物(5)と光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールとの反応は、通常溶媒中で、その両者を混合させることにより実施され、溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればよく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量は、特に制限されない。反応温度は、通常0〜100℃である。
反応終了後、例えば反応液と水を混合し、水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、光学活性化合物(6)を取り出すことができる。光学活性化合物(6)を取り出すことなく、そのまま光学活性化合物(7)に変換してもよい。
光学活性化合物(6)としては、例えば光学活性2−ヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−オール N,N−ジメチルチオカーバメート、光学活性2−ヒドロキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−オール N,N−ジエチルチオカーバメート等が挙げられる。
光学活性化合物(6)の水酸基をO−アルキル化、O−パーフルオロアルキル化、O−アリール化、O−アラルキル化またはアリール化する方法としては、通常の水酸基のO−アルキル化反応、O−パーフルオロアルキル化反応、O−アリール化反応、O−アラルキル化反応またはアリール化反応が挙げられる。O−アルキル化反応、O−パーフルオロアルキル化反応、O−アリール化反応、O−アラルキル化反応またはアリール化反応終了後、例えば反応液と酸水溶液を混合し、水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、光学活性化合物(7)を取り出すことができる。
光学活性化合物(7)としては、例えば光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−オール N,N−ジメチルチオカーバメート、光学活性2−トリフルオロメトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−オール N,N−ジメチルチオカーバメート、光学活性2−ペンタフルオロエトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−オール N,N−ジメチルチオカーバメート、光学活性2−ヘプタフルオロプロポキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−オール N,N−ジメチルチオカーバメート、光学活性2−フェノキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−オール N,N−ジメチルチオカーバメート、光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−オール N,N−ジエチルチオカーバメート等が挙げられる。
光学活性化合物(7)の熱転位反応は、光学活性化合物(7)を、そのままもしくは必要に応じて溶媒の存在下に、通常240〜300℃に加熱することにより実施される。反応終了後、そのままN−ブロモスクシンイミドとの反応に用いてもよいし、反応液を、例えば蒸留処理等して、得られる光学活性カーバメート化合物(4)を取り出してN−ブロモスクシンイミドとの反応に用いてもよい。
続いて、光学活性スルホン酸化合物(2)のうち、R6が臭素原子で、R7がハロゲン原子で、R8およびR9が水素原子である下記式(8)
Figure 2005132815
(式中、Aは上記と同一の意味を表わし、X’はハロゲン原子を表わす。)
で示される光学活性スルホン酸ブロミド(以下、光学活性スルホン酸ブロミド(8)と略記する。)の製造方法について説明する。
光学活性スルホン酸ブロミド(8)は、前記光学活性スルホン酸ブロミド(3)の製造方法において、原料である光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールに代えて、光学活性3,3’−ジハロ−1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールを用い、同様に実施することにより製造することができる。
また、光学活性スルホン酸ブロミド(8)を、加水分解、エステル化またはアミド化することにより、R6が水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基である光学活性スルホン酸化合物を得ることができる。さらに、得られた光学活性スルホン酸化合物や光学活性スルホン酸ブロミド(8)を、例えば還元、フェニル化、アルキル化、パーフルオロアルキル化またはシリル化せしめることにより、3位および3’位のハロゲン原子が、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、三置換シリル基に代わった光学活性スルホン酸化合物を得ることができる。
続いて、光学活性スルホン酸化合物(2)のうち、R6が臭素原子で、R7が水素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基であり、R8が臭素原子で、R9が水素原子である式(9)
Figure 2005132815
(式中、AおよびR7は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性スルホン酸ブロミド(以下、光学活性スルホン酸ブロミド(9)と略記する。)の製造方法について説明する。
光学活性スルホン酸ブロミド(9)は、前記光学活性スルホン酸ブロミド(3)の製造方法において、原料である光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールに代えて、光学活性3,3’−ジハロ−1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールの3位および3’位のハロゲン原子を、例えば還元、フェニル化、アルキル化、パーフルオロアルキル化またはシリル化せしめることにより得られる、下記式(10)
Figure 2005132815
(式中、R7は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を用い、同様に実施することにより製造することができる。
また、得られた光学活性スルホン酸ブロミド(9)を、加水分解、エステル化またはアミド化せしめることにより、R6が水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基である光学活性スルホン酸化合物を得ることができる。さらに、得られた光学活性スルホン酸化合物や光学活性スルホン酸ブロミド(9)、例えば還元、フェニル化、アルキル化、パーフルオロアルキル化またはシリル化せしめることにより、6位の臭素原子が、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、三置換シリル基に代わった光学活性スルホン酸化合物を得ることができる。
続いて、光学活性スルホン酸化合物(2)のうち、R6が臭素原子で、R7が水素原子で、R8が水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基であり、R9がR8と同一の基である式(11)
Figure 2005132815
(式中、Aは上記と同一の意味を表わし、R11は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わす。)
で示される光学活性スルホン酸ブロミド(以下、光学活性スルホン酸ブロミド(11)と略記する。)の製造方法について説明する。
光学活性スルホン酸ブロミド(11)は、前記光学活性スルホン酸ブロミド(3)の製造方法において、原料である光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールに代えて、光学活性6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールまたは光学活性6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールの6位および6’位の臭素原子を、例えば還元、フェニル化、アルキル化、パーフルオロアルキル化またはシリル化せしめることにより得られる、下記式(12)
Figure 2005132815
(式中、R11は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を用い、同様に実施することにより製造することができる。
また、得られた光学活性スルホン酸ブロミド(11)を、加水分解、エステル化またはアミド化することにより、R6が水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基である光学活性スルホン酸化合物を得ることができる。
続いて、本発明の光学活性スルホン酸化合物(1)のうち、(B)R1
Figure 2005132815
で示される基である下記式(13)
Figure 2005132815
(式中、R12は炭素数1〜4のアルコキシ基または置換されていてもよいアミノ基を表わす。R13およびR14のうちのいずれか一方が水素原子を、他方が水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わす。)
で示される光学活性ジスルホン酸化合物(以下、光学活性ジスルホン酸化合物(13)と略記する。)の製造方法について説明する。
光学活性ジスルホン酸化合物(13)は、式(14)
Figure 2005132815
(式中、R13およびR14は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性ジスルホン酸化合物(以下、光学活性ジスルホン酸化合物(14)と略記する。)と脱水剤とを反応させた後、炭素数1〜4のアルコールまたはアミノ化合物と反応させることにより製造することができる。
脱水剤としては、例えば塩化チオニル等が挙げられる。脱水剤の使用量は、光学活性ジスルホン酸化合物(14)に対して、通常1〜10モル倍である。
光学活性ジスルホン酸化合物(14)と脱水剤との反応の反応温度は、通常30〜100℃である。反応終了後、必要に応じて残存する脱水剤を濃縮処理等により除去した後、炭素数1〜4のアルコールまたはアミノ化合物との反応が実施される。
炭素数1〜4のアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられ、アミノ化合物としては、例えばアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ヒドラジン、グアニジン、ピロリジン、ピペリジン、イミダゾール等が挙げられる。かかる炭素数1〜4のアルコールまたはアミノ化合物の使用量は、光学活性ジスルホン酸化合物(14)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特に制限されない。
炭素数1〜4のアルコールまたはアミノ化合物との反応の反応温度は、通常0〜100℃である。反応は、無溶媒で行ってもよいし、反応に不活性な溶媒の存在下に行ってもよい。
反応終了後、反応液と水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を混合し、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、光学活性ジスルホン酸化合物(13)を取り出すことができる。
なお、前記光学活性ジスルホン酸化合物(14)は、式(15)
Figure 2005132815
(式中、R10、R13およびR14は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性ビスカーバメート化合物(以下、光学活性ビスカーバメート化合物(15)と略記する。)とN−ブロモスクシンイミドとを、第三級アルコールの存在下に反応させて得られる式(16)
Figure 2005132815
(式中、R13およびR14は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性ジスルホン酸ジブロミド(以下、光学活性ジスルホン酸ジブロミド(16)と略記する。)を、加水分解処理することにより製造することができる。
光学活性ビスカーバメート化合物(15)としては、例えば光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジチオール ビス(N,N−ジメチルカーバメート)、光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジチオール ビス(N,N−ジエチルカーバメート)、光学活性1,1’−ビナフチル−6,6’−ジメチル−2,2’−ジチオール ビス(N,N−ジメチルカーバメート)、光学活性1,1’−ビナフチル−3,3’−ジメチル−2,2’−ジチオール ビス(N,N−ジメチルカーバメート)等が挙げられる。
N−ブロモスクシンイミドは、通常市販されているものが用いられ、その使用量は、光学活性ビスカーバメート化合物(15)に対して、通常2〜10モル倍以上である。
第三級アルコールとしては、例えばtert−ブタノール等の第三級アルキル基に水酸基が結合したアルコールが挙げられ、その使用量は、光学活性ビスカーバメート化合物(15)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特に制限されず、例えば溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。
光学活性ビスカーバメート化合物(15)とN−ブロモスクシンイミドとの反応は、通常光学活性ビスカーバメート化合物(15)、N−ブロモスクシンイミドおよび第三級アルコールを、そのままもしくは溶媒中で混合することにより実施される。溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えばトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばクロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。かかる溶媒の使用量は特に制限されない。
反応温度は、通常−50〜100℃である。
反応終了後、例えば反応液を濃縮処理することにより、光学活性ジスルホン酸ジブロミド(16)を取り出すことができる。また、反応液をそのままもしくは濃縮処理した後、水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、光学活性ジスルホン酸ジブロミド(16)を取り出すこともできる。取り出した光学活性ジスルホン酸ジブロミド(16)は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィ、蒸留等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
光学活性ジスルホン酸ジブロミド(16)の加水分解処理は、通常光学活性ジスルホン酸ジブロミド(16)と水やアルカリ水と接触させることにより実施される。
光学活性ビスカーバメート化合物(15)は、式(17)
Figure 2005132815
(式中、R13およびR14は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性ビナフチル化合物(以下、光学活性ビナフチル化合物(17)と略記する。)と前記化合物(5)とを、塩基の存在下に反応させて、式(18)
Figure 2005132815
(式中、R10、R13およびR14は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性化合物(以下、光学活性化合物(18)と略記する。)を得、光学活性化合物(18)を熱転位反応せしめることにより製造することができる。
化合物(5)の使用量は、光学活性ビナフチル化合物(17)に対して、通常2〜5モル倍である。塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物等が挙げられ、その使用量は、光学活性ビナフチル化合物に対して、通常2〜5モル倍である。
化合物(5)と光学活性ビナフチル化合物(17)との反応は、通常溶媒中で、その両者を混合させることにより実施され、溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればよく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量は、特に制限されない。反応温度は、通常0〜100℃である。
反応終了後、例えば反応液と水を混合し、水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、光学活性化合物(18)を取り出すことができる。光学活性化合物(18)を取り出すことなく、そのまま光学活性化合物(18)に変換してもよい。
光学活性化合物(18)としては、例えば光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオール ビス(N,N−ジメチルチオカーバメート)、光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオール ビス(N,N−ジエチルチオカーバメート)、光学活性1,1’−ビナフタレン−6,6’−ジメチル−2,2’−ジオール ビス(N,N−ジメチルチオカーバメート)等が挙げられる。
光学活性化合物(18)の熱転移反応は、光学活性化合物(18)を、そのままもしくは必要に応じて溶媒の存在下に、通常240〜300℃に加熱することにより実施される。反応終了後、そのままN−ブロモスクシンイミドとの反応に用いてもよいし、反応液を、例えば蒸留処理等して、得られる光学活性ビスカーバメート化合物(15)を取り出してN−ブロモスクシンイミドとの反応に用いてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
(S)−2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−チオール N,N−ジメチルカーバメート2.5gを、tert−ブタノール50mLおよびアセトニトリル50mLの混合溶媒に溶解した後、N−ブロモスクシンイミド5.7gを、内温0℃で加えた。室温まで昇温し、1時間反応させた。反応終了後、濃縮処理し、得られた濃縮残渣に、クロロホルムを加え、飽和食塩水で2回洗浄処理し、得られたクロロホルム層を、乾燥処理した。その後、濃縮処理し、(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミドを得た。
FD−MS m/s 504[M+calcd.forC2114Br23S 503.9030]
実施例2
前記実施例1で得られた(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミドをアセトニトリル40mLに溶解し、室温で、濃アンモニア水10mLgを加え、1時間反応させた。その後、水30mLを加え、氷冷しながら、濃塩酸で酸性化処理し、クロロホルムで抽出処理した。得られた有機層を濃縮処理した後、濃縮残渣をカラムクロマトグラフィ処理(シリカゲル、ヘキサン/アセトン=2/1)し、(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミド0.74gを得た。収率27%。
FD−MS m/s 441[M+calcd.forC2116BrO3S 441.0034]
実施例3
(S)−2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−チオール N,N−ジメチルカーバメート1gを、tert−ブタノール20mLおよびアセトニトリル20mLの混合溶媒に溶解した後、N−ブロモスクシンイミド2.3gを、内温0℃で加えた。室温まで昇温し、1時間反応させた。反応終了後、濃縮処理し、得られた濃縮残渣に、クロロホルムを加え、飽和食塩水で2回洗浄処理し、得られたクロロホルム層を、乾燥処理した。その後、濃縮処理し、(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホン酸ブロミドを得た。これを、アセトニトリル15mLに溶解し、抱水ヒドラジン0.19gを、室温で加え、1時間反応させた。その後、反応液に水10mLを加え、氷冷しながら、塩酸で酸性化処理し、酢酸エチルで抽出処理した。得られた有機層を濃縮処理し、濃縮残渣をカラムクロマトグラフィ処理(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=1/1)し、(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルヒドラジド0.35gを得た。収率30%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,δ/ppm)
3.61(s,3H),6.64−8.21(m,11H)
実施例4
前記実施例3において、抱水ヒドラジンに代えて、グアニル尿素硫酸塩1gおよび水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム1g含有)を用いた以外は実施例3と同様に実施して、(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニルウレアを得た。(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニルウレアに、メタノール5mLおよび水5mLを加え、水酸化ナトリウム1gを加え、5時間還流させた。その後、水10mLを加え、クロロホルムで抽出処理し、得られたクロロホルム層を、乾燥処理した。その後、濃縮処理し、得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィ処理(シリカゲル、酢酸エチル)し、(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホニルグアニジド0.44gを得た。収率35%。
f 0.48(メルク社 Kieselgel60F254plates,酢酸エチル)
参考例1
前記実施例2と同様にして得られた(S)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミドおよび(R)−2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミドを、それぞれ絶対配置が不明な光学活性3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−1−カルボン酸クロリドと反応させ、不斉補助基を導入した化合物を得た(スキーム2参照。)。
Figure 2005132815
得られた二つの化合物をそれぞれNMR測定し、各プロトン(式(12)参照。)の化学シフト値の差を計算した。計算結果を表1に示した。表1中、(S)由来は、(S)−2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミドを用いて得られた化合物のプロトンの化学シフト値を、(R)由来は、(R)−2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミドを用いて得られた化合物のプロトンの化学シフト値を意味し、Δδは、(S)−2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミドを用いて得られた化合物のプロトンの化学シフト値と(R)−2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2’−スルホンアミドを用いて得られた化合物のプロトンの化学シフト値の差を意味する。
Figure 2005132815
Figure 2005132815
上記表1に示した結果と絶対配置既知の光学活性3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−1−カルボン酸の安定配座解析から求めた下記経験則(I)をもとに、絶対配置不明の光学活性3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−1−カルボン酸クロリドの1位の絶対配置をRと決定した。さらに、相対立体配置解析の結果から、3位の絶対配置をRと決定した。
Figure 2005132815
参考例2
光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2−スルホン酸ブロミドを、N−メチルイミダゾールの存在下に、イソプロピルアルコールと反応させて得られる化合物をNMR測定したところ、ナフタレン環の異方性効果により、イソプロピル基を構成する2つのメチル基に由来する非等価なピークが検出され、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2−スルホン酸ブロミドが、光学活性アルコールへの不斉補助基導入試剤として使用が可能であることがわかった。
イソプロピル基を構成する2つのメチル基の化学シフト値 δ=1.11ppmおよび0.85ppm、化学シフト値の差 Δδ=0.26ppm。
特開平3−220159号公報によれば、光学活性2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2−カルボン酸とイソプロピルアルコールとを反応させて得られる化合物の、イソプロピル基を構成する2つのメチル基に由来する非等価なピークの化学シフト値は、δ=0.49ppmおよび0.72ppmであり、化学シフト値の差は、Δδ=0.23ppmであることから、本発明の光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2−スルホン酸ブロミドの方が、公知の2−メトキシ−1,1’−ビナフタレン−2−カルボン酸を用いた場合よりも、前記非等価なピークの化学シフト値の差が大きく、異方性効果がより大きいことがわかった。
参考例3
光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2−スルホン酸ブロミドを、イソプロピルアミンと反応させて得られる化合物をNMR測定したところ、ナフタレン環の異方性効果により、イソプロピル基を構成する2つのメチル基に由来する非等価なピークが検出され、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2−スルホン酸ブロミドが、光学活性アミンへの不斉補助基導入試剤として使用が可能であることがわかった。
2つのメチル基の化学シフト値 δ=1.01ppmおよび0.98ppm
化学シフト値の差 Δδ=0.03ppm
参考例4
光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2−スルホニルヒドラジドをアセトンと反応させて得られる化合物をNMR測定したところ、ナフタレン環の異方性効果により、イソプロピル基を構成する2つのメチル基に由来する非等価なピークが検出され、光学活性2−メトキシ−6−ブロモ−1,1’−ビナフタレン−2−スルホニルヒドラジドが、光学活性ケトンへの不斉補助基導入試剤として使用が可能であることがわかった。
2つのメチル基の化学シフト値 δ=1.00ppmおよび1.76ppm
化学シフト値の差 Δδ=0.76ppm
実施例5
(S)−1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジスルホン酸10mgと塩化チオニル5mLを混合し、3時間還流、反応させた。反応終了後、残存する塩化チオニルを留去し、残渣にアセトニトリル1mLを加え、さらに1−フェニルエチルアミン5mgを加え、室温で1時間反応させた。その後、反応液に水を加えてクエンチし、クロロホルムを加えて抽出処理し、得られた有機層を濃縮処理した。濃縮残渣を分取薄層クロマトグラフィ(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製処理し、(S)−N−(1−フェニルエチル)−1,1’−ビナフタレン−2−スルホ−2’−スルホンアミド5mgを得た。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,δ/ppm)
1.21(m,3H),4.11および4.27(m,1H),6.83−8.21(m,17H)
実施例6
(S)−1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジスルホン酸10mgと塩化チオニル5mLを混合し、3時間還流、反応させた。反応終了後、残存する塩化チオニルを留去し、残渣にアセトニトリル1mLを加え、さらにイソプロピルアミン5mgを加え、室温で1時間反応させた。その後、反応液に水を加えてクエンチし、クロロホルムを加えて抽出処理し、得られた有機層を濃縮処理した。濃縮残渣を分取薄層クロマトグラフィ(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製処理し、(S)−N−イソプロピル−1,1’−ビナフタレン−2−スルホ−2’−スルホンアミド5mgを得た。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,δ/ppm)
0.77(d,J=6.4Hz,3H),0.85(d,J=6.4Hz,3H),3.24(m,1H),6.95−8.09(m,12H)
参考例5
(S)−1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジスルホン酸と塩化チオニルを混合後、還流条件下で、3時間反応させた。その後、残存する塩化チオニルを濃縮除去し、濃縮残渣に、アセトニトリルに溶解させたラセミの1−フェニルエチルアミンを加え、反応させた。得られたN−(1−フェニルエチル)−1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジスルホンアミドのジアステレオマー混合物をNMR測定した。ナフタレン環の異方性効果により、該ジアステレオマーのアミド部分のフェニル基のα位プロトンに由来する非等価なピークが検出され、光学活性1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジスルホン酸が、光学活性アミンへの不斉補助基導入試剤として使用が可能であることがわかった。
該ジアステレオマーのアミド部分のフェニル基のα位プロトンに由来する非等価なピークの化学シフト値は、δ=4.27ppmおよび4.11ppmであった。

Claims (2)

  1. 式(1)
    Figure 2005132815
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基または
    Figure 2005132815
    で示される基を表わす。
    (A)R1が炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基のとき、R2は水酸基、臭素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基または一置換アミノ基を表わし、R3は水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、(a)R3が水素原子のときに、R4は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R5はR4と同一の基または水素原子を表わし、(b)R3がハロゲン原子のときに、R4およびR5は水素原子を表わし、(c)R3がフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基のときに、R4は水素原子、臭素原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を、R5は水素原子を表わす。
    (B)R1
    Figure 2005132815
    で示される基のとき、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基または置換されていてもよいアミノ基を表わし、R3およびR4のうちのいずれか一方が水素原子を、他方が水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基または三置換シリル基を表わし、R5はR4と同一の基を表わす。)
    で示される光学活性スルホン酸化合物。
  2. 式(1)の式中、R1が、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のパーフルオロアルコキシ基である請求項1に記載の光学活性スルホン酸化合物。
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