JP3575947B2 - 印刷機の刷版クランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷機の刷版クランプ装置の構造に関し、特に版胴に取り付けられた刷版に張力を加えて版胴の外周面に刷版を密着させる機構、および刷版を版胴の外周面上でひねり調整する機構を備えた印刷機の刷版クランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、オフセット印刷に用いられる版胴60の概略を示す側面図である。版胴60には、外周面に刷版10が巻き付けられ、この刷版10にインキおよび湿し水が供給されて印刷が行なわれる。刷版クランプ装置は、刷版10を版胴60上に固定するための装置である。版胴60には切り欠き部61が形成されており、この切り欠き部61内に咥え側クランプベース62、咥え尻側クランプベース63が設けられている。
【0003】
咥え側クランプベース62上には咥え側クランプ64が位置しており、咥え側クランプベース62と咥え側クランプ64との間で刷版10の咥え側端部10aを挟み込み固定する。また、咥え尻側クランプベース63上には咥え尻側クランプ65が位置しており、咥え尻側クランプベース63と咥え尻側クランプ65との間で刷版10の咥え尻側端部10bを挟み込み固定する。
【0004】
そして、通常、咥え尻側クランプベース63、咥え尻側クランプ65を引っ張り方向(矢印90方向)に移動させる。この咥え尻側クランプ65の矢印90方向への移動によって刷版10に張力を加え、刷版10を版胴60の外周面に密着させる。
【0005】
また、刷版10を版胴60の外周面に巻き付けていく段階で、刷版10にねじれが生じてしまう場合がある。ねじれが生じた状態では、版胴の外周面に対して刷版10全面が密着せず、印刷作業に支障が生じる。このため、刷版10の咥え尻側端部10bを咥え尻側クランプベース63と咥え尻側クランプ65との間で挟み込んだ状態で、咥え尻側クランプベース63を版胴60の軸方向に移動させてひねり調整を行ない、刷版10に生じたねじれを是正する。以下に、従来技術におけるこれらの機構を説明する。
【0006】
[第1の従来技術]
印刷機の刷版クランプ装置の第1の従来技術として、特開平6−134962号公報に記載されているものを示す。図9Aはこの従来技術に係る版胴60の平面図、図9Bは版胴60の展開図である。
【0007】
図9Aに示すように、版胴60に形成された切り欠き61の内部に、並列して咥え側クランプベース62、咥え尻側クランプベース63が設けられている。咥え側クランプベース62は、中心ボルト66を中心として揺動自在に保持されている。咥え尻側クランプベース63は、版胴2の版胴軸方向(矢印92または矢印93方向)に移動可能である。
【0008】
版胴60に対して刷版10を装着して固定する場合、上述のように刷版10の咥え側端部10aを咥え側クランプベース62と咥え側クランプ64との間で挟み込み固定する。そして、刷版10を版胴60の外周面に巻き付け、咥え尻側端部10bを咥え尻側クランプベース63と咥え尻側クランプ65との間で挟み込み固定する。
【0009】
そして、咥え尻側クランプベース63と切り欠き部61内壁との間に設けられているバネの付勢力によって咥え尻側クランプベース63を矢印90方向に平行移動させ、刷版10に張力を加えて版胴60の外周面に密着させる。
【0010】
版胴60に刷版10を取り付けた後、刷版10のひねり調整を行う場合、調整ボルト67を回動調整して、咥え尻側クランプベース63を矢印92または矢印93方向に移動させる。この第1の従来技術では、上述のように咥え側クランプベース62は中心ボルト66を中心に揺動するようになっているため、咥え尻側クランプベース63を矢印92、93方向に移動させると、これにともなって図9Bに示すように、咥え側クランプベース62が矢印94、95方向に揺動する。
【0011】
このように、咥え尻側クランプベース63の矢印92、93方向への移動、および咥え側クランプベース62の矢印94、95方向への揺動によって、版胴60の外周面における刷版10の斜方向のずれが是正される。
【0012】
[第2の従来技術]
次に、印刷機の刷版クランプ装置の第2の従来技術として、特開平9−19997号公報に記載されているものを掲げる。図10はこの第2の従来技術における版胴60の平面図である。
【0013】
この版胴60も、上記第1の従来技術と同様に、版胴60に形成された切り欠き61の内部に、並列して咥え側クランプベース62、咥え尻側クランプベース63が設けられている。咥え側クランプベース62と咥え尻側クランプベース63との間には、スプリング71が設けられており、咥え側クランプベース62と咥え尻側クランプベース63とが互いに反発する方向に付勢されている。
【0014】
咥え尻側クランプベース63は、版胴60の版胴軸方向(矢印92または矢印93方向)に移動可能である。咥え尻側クランプベース63の両側には、2本の版締めボルト68が螺入、貫通している。
【0015】
咥え側クランプベース62は、中心ピン69を中心として矢印94、95方向に揺動自在に保持されている。また、咥え側クランプベース62には、この中心ピン69によってベアリング70が固定されており、咥え側クランプベース62は矢印90、91方向に移動可能になっている。
【0016】
咥え側クランプベース62の両側には咥え側調整ボルト72、73が螺入、貫通している。この咥え側調整ボルト72、73は、咥え側クランプベース62と切り欠き61の内壁との間隔を調整するためのものである。
【0017】
咥え側クランプベース62には、咥え側調整ボルト72、73とともに、両側にそれぞれストッパーボルト74、75も螺入、貫通している。ストッパーボルト74、75は、通常には咥え側クランプベース62に対して回動不能に固定されており、ストッパーボルト74、75の先端が切り欠き61の内壁に当接した状態で咥え側クランプベース62が基準初期位置に位置するようになっている。
【0018】
刷版の咥え側端部を咥え側クランプベース62と咥え側クランプ64との間で挟み込み固定し、刷版を版胴60の外周面に巻き付ける。そして、刷版の咥え尻側端部を咥え尻側クランプベース63と咥え尻側クランプ65との間で挟み込み固定する。
【0019】
こうして、刷版を版胴60に取り付けた後、咥え尻側クランプベース63に螺入されている2本の版締めボルト68を締め込む。この締め込みによって版締めボルト68は、咥え尻側クランプベース63から矢印91方向に突出し、版締めボルト68の先端は切り欠き部61の内壁を押圧する。これによって咥え尻側クランプベース63は矢印90方向に平行移動し、刷版は版胴60の外周面に密着する。
【0020】
版胴60の外周面上で刷版にねじれが生じている場合、版胴60の側面に螺入されている咥え尻側ボルト76を回動調整して、咥え尻側クランプベース63を矢印92、93方向に移動させる。版胴60の反対側の側面には、スプリング77が設けられており、このスプリング77は咥え尻側ボルト76の回動にしたがって伸縮し、咥え尻側クランプベース63を矢印92、93方向に移動させる。
【0021】
このように、ひねり調整において、咥え尻側クランプベース63を矢印92、93方向に移動させるが、この咥え尻側クランプベース63の移動のみでは刷版のねじれは完全には解消されない。刷版のねじれを完全に解消するため、咥え側クランプベース62に設けられている咥え側調整ボルト72、73を別々に締め込み、咥え側クランプベース62を中心ピン69を中心に矢印94、95方向に揺動させる。これによって、咥え側クランプベース62を斜めに位置させ、刷版のねじれを完全に解消する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
従来の印刷機の刷版クランプ装置には次のような問題があった、まず、第1の従来技術では、咥え側クランプベース62が中心ボルト66を中心に揺動自在で不安定な状態であり、版胴60に対して位置決めされていない。このため、刷版10の咥え側端部10aを咥え側クランプベース62と咥え側クランプ64とで固定する場合、正確な位置合わせをすることができない。
【0023】
したがって、版胴60の版胴軸に対して刷版10の咥え側端部10aが斜にずれて固定される可能性が高い。すなわち、第1の従来技術では、刷版10を版胴60に取り付ける時点で正確な位置合わせが困難であるという問題がある。
【0024】
これに対して、第2の従来技術では、咥え側クランプベース62の両側にストッパーボルト74、75が貫通しており、スプリング71の付勢力によってストッパーボルト74、75の先端は切り欠き61の内壁に当接し、咥え側クランプベース62が基準位置に保持されている。このため、咥え側クランプベース62は基準位置に位置した状態で安定しており、刷版の取り付け位置が第1の従来技術のように不正確になることはない。
【0025】
しかし、この第2の従来技術では、刷版のひねり調整を行なう場合、咥え尻側クランプベース63を矢印92、93方向に移動させるとともに、咥え側調整ボルト72、73を別々に締め込み、咥え側クランプベース62を矢印94、95方向に強制的に揺動させる必要がある。このため、第2の従来技術では、ひねり調整作業に手間がかかり作業効率が低下するという問題がある。
【0026】
そこで本発明は、版胴に対して正確な位置に刷版を固定することができ、しかも刷版のひねり調整作業の手間を軽減し、作業効率を高めることができる印刷機の刷版クランプ装置の提供を目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る印刷機の刷版クランプ装置は、
版胴に設けられており、刷版の端部を保持するクランプ部であって、揺動中心を中心として、版胴の外周面とほぼ同一の平面上で揺動可能なクランプ部、
クランプ部に当接する初期位置、またはクランプ部に当接しない解除位置に切り換え移動が可能なロック部材、
を備えており、
ロック部材が初期位置にあるとき、ロック部材がクランプ部に当接することによってクランプ部の揺動を阻止し、クランプ部を基準初期位置に保持し、
ロック部材が解除位置にあるとき、ロック部材がクランプ部に当接しないことによってクランプ部を揺動可能な状態とする、
ことを特徴としている。
【0028】
請求項2に係る印刷機の刷版クランプ装置は、
請求項1に係る印刷機の刷版クランプ装置において、
前記ロック部材は初期位置にあるとき、揺動中心を挟んだクランプ部の両側の箇所に当接してクランプ部の揺動を阻止する、
ことを特徴としている。
【0029】
請求項3に係る印刷機の刷版クランプ装置は、
請求項1に係る印刷機の刷版クランプ装置において、
ロック部材が初期位置にあるときの、クランプ部の基準初期位置を調整する位置調整部を備えている、
ことを特徴としている。
【0030】
請求項4に係る印刷機の刷版クランプ装置は、
版胴に設けられており、刷版の第1端部を保持する第1クランプ部であって、揺動中心を中心として、版胴の外周面とほぼ同一の平面上で揺動可能な第1クランプ部、
第1クランプ部に当接する初期位置、または第1クランプ部に当接しない解除位置に切り換え移動が可能なロック部材、
前記版胴に設けられており、前記第1クランプ部に第1端部を保持され、版胴の外周面に巻き付けられた刷版の第2端部を保持する第2クランプ部であって、版胴の外周面に対し刷版が密着しないゆるみ状態となるような初期位置、または版胴の外周面に対し刷版が密着する引っ張り状態となるような解除位置に切り換え移動が可能な第2クランプ部、
初期位置または解除位置に切り換え可能な操作部、
を備えた印刷機の刷版クランプ装置において、
前記操作部が初期位置にあるとき、
ロック部材は初期位置に位置して、ロック部材が第1クランプ部に当接することによって第1クランプ部の揺動を阻止し、第1クランプ部を基準初期位置に保持し、
かつ、第2クランプ部は初期位置に位置して、刷版をゆるみ状態とし、
前記操作部が解除位置にあるとき、
ロック部材は解除位置に位置して、ロック部材が第1クランプ部に当接しないことによって第1クランプ部を揺動可能な状態とし、
かつ、第2クランプ部は解除位置に位置して、刷版を引っ張り状態とする、
ことを特徴としている。
【0031】
請求項5に係る印刷機の刷版クランプ装置は、
請求項4に係る印刷機の刷版クランプ装置において、
ロック部材を初期位置から解除位置に向けて付勢するロック部材用付勢部、
第2クランプ部を初期位置から解除位置に向けて付勢する第2クランプ部用付勢部、
を備えており、
前記操作部が初期位置にあるとき、
ロック部材は、ロック部材用付勢部の付勢を受け、操作部に当接した状態で初期位置に位置し、
かつ、第2クランプ部は、第2クランプ部用付勢部の付勢を受け、操作部に当接した状態で初期位置に位置し、
前記操作部が解除位置にあるとき、
ロック部材は、操作部による加圧を受け、ロック部材用付勢部の付勢に抗して解除位置に位置し
かつ、第2クランプ部は、操作部による加圧を受け、第2クランプ部用付勢部の付勢に抗して解除位置に位置する、
ことを特徴としている。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に係る印刷機の刷版クランプ装置においては、ロック部材が初期位置にあるとき、ロック部材がクランプ部に当接することによってクランプ部の揺動を阻止し、クランプ部を基準初期位置に保持する。したがって、基準初期位置に正確に位置決めされたクランプ部によって刷版の端部を保持することができる。このため、版胴に対して正確な位置に刷版を固定することができる。
【0033】
また、ロック部材が解除位置にあるとき、ロック部材がクランプ部に当接しないことによってクランプ部を揺動可能な状態とする。このように、刷版の端部を保持するクランプ部を揺動可能な状態とすることができるため、版胴に刷版を取り付け、刷版を斜方向にひねり調整することができる。したがって、版胴に刷版を固定した後、ひねり調整によって版胴に対する刷版の斜方向のずれを是正することができる。
【0034】
さらに、ロック部材を初期位置から解除位置に切り換え移動させるだけで、容易にクランプ部を揺動可能な状態とすることができる。したがって、刷版のひねり調整作業の手間を軽減し、作業効率を高めることができる。また、ロック部材を解除位置から初期位置に切り換え移動させるだけで、容易にクランプを基準初期位置に位置させることができる。したがって、クランプ部の基準初期位置への復帰作業の手間を軽減し、作業効率を高めることができる。
【0035】
請求項2に係る印刷機の刷版クランプ装置においては、ロック部材は初期位置にあるとき、揺動中心を挟んだクランプ部の両側の箇所に当接してクランプ部の揺動を阻止する。したがって、揺動中心を中心として揺動するクランプ部の両側に対し、ロック部材の当接による接触圧を均等に加えることによって、より確実にクランプ部の揺動を阻止し、クランプ部を基準初期位置に保持することができる。
【0036】
請求項3に係る印刷機の刷版クランプ装置においては、ロック部材が初期位置にあるときの、クランプ部の基準初期位置を調整する位置調整部を備えている。したがって、容易にクランプ部の基準初期位置を調整することができ、正確な基準初期位置を得ることができる。
【0037】
請求項4に係る印刷機の刷版クランプ装置においては、操作部が初期位置にあるとき、ロック部材は初期位置に位置して、ロック部材が第1クランプ部に当接することによって第1クランプ部の揺動を阻止し、第1クランプ部を基準初期位置に保持する。また操作部が初期位置にあるとき、第2クランプ部は初期位置に位置して、刷版をゆるみ状態としている。
【0038】
したがって、基準初期位置に正確に位置決めされた第1クランプ部によって刷版の第1端部を保持することができる。このため、版胴の外周面上において正確な位置に刷版を固定することができる。
【0039】
また、操作部が解除位置にあるとき、ロック部材は解除位置に位置して、ロック部材がクランプ部に当接しないことによってクランプ部を揺動可能な状態とする。このように、操作部を解除位置に切り換えるだけで、刷版の第1端部を保持する第1クランプ部を揺動可能な状態とすることができるため、版胴に刷版を取り付け、刷版を斜方向にひねり調整することができる。したがって、版胴に刷版を固定した後、ひねり調整によって版胴に対する刷版の斜方向のずれを是正することができる。
【0040】
また操作部が解除位置にあるとき、第2クランプ部は解除位置に位置して、刷版を引っ張り状態とする。したがって、操作部を解除位置に切り換えるだけで、刷版を版胴の外周面に密着させることができる。
【0041】
さらに、操作部を初期位置から解除位置に切り換えるだけで、容易にロック部材および第2クランプ部を解除位置に位置させることができる。したがって、刷版のひねり調整作業および刷版の引っ張り作業を同時に行なうことができ、作業効率を高めることができる。また、操作部を切り換えるだけでよいため、作業の手間を軽減することによって、作業効率を高めることができる。
【0042】
また、操作部を解除位置から初期位置に切り換えるだけで、容易にロック部材および第2クランプ部を初期位置に位置させることができる。したがって、ロック部材および第2クランプ部の初期位置への復帰作業を同時に行なうことができ、作業効率を高めることができる。また、操作部を切り換えるだけでよいため、作業の手間を軽減することによって、作業効率を高めることができる。
【0043】
請求項5に係る印刷機の刷版クランプ装置においては、操作部が初期位置にあるとき、ロック部材用付勢部および第2クランプ部用付勢部の付勢によって、それぞれロック部材および第2クランプを初期位置に位置させる。また、操作部が解除位置にあるとき、操作部による加圧を受けロック部材および第2クランプ部は、それぞれロック部材用付勢部および第2クランプ部用付勢部の付勢に抗して解除位置に位置する。
【0044】
このように、ロック部材用付勢部および第2クランプ部用付勢部を用いて、ロック部材および第2クランプ部の初期位置、解除位置を制御するため、簡易な構成によって確実にロック部材および第2クランプ部の切り換え移動を制御することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明に係る印刷機の刷版クランプ装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態における印刷機における版胴の平面図であり、図2は、図1に示す押しピン40、当金43等の近傍の拡大図である。また、図3は図1に示すW方向の矢視断面図であり、図4Aは、図1に示すZ−Z方向の矢視断面図であり、図4Bは、図1に示すS−S方向の矢視断面図である。さらに図5A、Bは図1に示すY−Y方向の矢視断面図であり、図7は刷版10を示す図である。
【0046】
[全体構成]
版胴60には切り欠き部61が形成されており、この切り欠き部61内に咥え側クランプベース2および咥え尻側クランプベース3が設けられている。咥え側クランプベース2の上部には咥え側クランプ4が設けられており、咥え側クランプベース2と咥え側クランプ4との間で刷版10の咥え側端部10a(第1端部)を挟み込んで固定する(図5参照)。咥え側クランプベース2および咥え側クランプ4が本実施形態におけるクランプ部または第1クランプ部である。
【0047】
また、咥え尻側クランプベース3の上部には咥え尻側クランプ5が設けられており、版胴60の外周面に巻き付けられた刷版10の咥え尻側端部10b(第2端部)を、咥え尻側クランプベース3と咥え尻側クランプ5との間で挟み込んで固定する(図5参照)。咥え尻側クランプベース3および咥え尻側クランプ5が本実施形態における第2クランプ部である。
【0048】
なお、咥え側クランプベース2と咥え尻側クランプベース3との間には、両端にスプリング13が位置している(図1参照)。そして、このスプリング13によって咥え側クランプベース2は矢印90方向に付勢され、咥え尻側クランプベース3は矢印91方向に付勢されている。
【0049】
図1に示すように、咥え側クランプベース2には、両端にそれぞれ基準ピン6が設けられている。この基準ピン6に対して、刷版10の咥え側端部10aに形成されている基準孔11(図7)を当接して位置決めを行なう。位置決めを行なった後、咥え側クランプ4を閉じて咥え側クランプベース2との間で挟み込んで固定する。なお、咥え側クランプ4を開閉するための機構は公知であるので、詳細は省略する。
【0050】
また、咥え側クランプベース2の中央部下方には揺動中心としてのピン7によってベアリング8が取り付けられている。咥え側クランプベース2は、ピン7を中心に、版胴60の外周面とほぼ同一平面上で矢印94、95方向に揺動可能になっている。版胴60の切り欠き部61内の底部にはベアリング8の直径と同じ寸法の溝を有しているブロック9が設けられている。ブロック9によって形成される溝は矢印90、91方向に沿って形成されており、ピン7はこの溝に沿って自在に摺動可能になっている。
【0051】
なお、図1に示すように咥え側クランプベース2には両端に調整ボルト14が螺入、貫通して設けられている。この調整ボルト14は、通常時においては咥え側クランプベース2から突出しておらず、先端が版胴60の切り欠き部61の内壁61Kに当接しないように設けられている。
【0052】
咥え尻側クランプベース3上に位置する咥え尻側クランプ5も、咥え側クランプ4と同様に開閉する機構を備えている。そして、咥え尻側クランプベース3と咥え尻側クランプ5との間で刷版10の咥え尻側端部10bを挟み込んで固定する。この咥え尻側クランプ5の開閉機構は公知であるので、詳細は省略する。
【0053】
図1および図3に示すように、咥え尻側クランプベース3の端部には矢印92、93方向に延びる溝28が形成されている。そして、この溝28には保持ブロック29が挿入されており、保持ブロック29は溝28内を矢印92、93方向に摺動可能になっている。咥え尻側クランプベース3の側壁に形成された貫通孔には調整ボルト30が挿入されており、この調整ボルト30は保持ブロック29を螺入、貫通している。
【0054】
調整ボルト30には、スプリング31が取り付けられており、保持ブロック29と、咥え尻側クランプベース3の側壁との間に位置している。このスプリング31は調整ボルト30のねじ山のバックラッシュを解消するとともに、調整ボルト30のつば32を咥え尻側クランプベース3に押しつける。
【0055】
保持ブロック29の下方のピンにはベアリング33が圧入されており、版胴60の切り欠き部61の底部にはブロック34がボルトによって固定されている。このブロック34には上述のベアリング33が挿入される溝が形成されており、保持ブロック29はこの溝に沿って、版胴60の軸線に対してほぼ直交する方向(矢印90、91方向)にのみ移動可能になっている。
【0056】
咥え尻側クランプベース3の下方にはスプリングベース15が位置している。このスプリングベース15には図1に示すように、複数箇所に孔15aが形成されており、この各孔15aに挿入されているスプリング16によって、スプリングベース15は矢印90方向に付勢されている。スプリング16が本実施形態における第2クランプ部用付勢部である。
【0057】
スプリングベース15には図1および図4Aに示すように、矢印90、91方向に長い長穴17が形成されている。そして、版胴60の切り欠き部61の底部にはボルト21、ワッシャ22によって、スペーサー20が固定されており、このスペーサー20が上述の長穴17に挿入されている。すなわち、スプリングベース15は長穴17の方向に沿って矢印90、91方向にのみ移動可能であり、版胴60の軸方向すなわち矢印92、93(図1)方向には移動しないようになっている。
【0058】
このような構成を備えたスプリングベース15の上に咥え尻側クランプベース3が置かれている。咥え尻側クランプベース3の底部には図4、図5に示すように凸部3Tが形成されており、この凸部3Tとスプリングベース15の側壁とが当接している。そして、スプリング16の付勢を受けるスプリングベース15によって凸部3Tが押圧され、咥え尻側クランプベース3も矢印90方向、すなわち刷版10が版胴60の外周面に密着する引っ張り方向に付勢される。
【0059】
図1に示すように、咥え尻側クランプベース3は、版胴60にボルト25によって固定されたブロック26によって、上方向への浮き上がりを規制されている。なお、咥え尻側クランプベース3は矢印90、91、矢印92、93方向には移動可能に保持されている。また、咥え尻側クランプベース3の両端には、引っ張り調整ボルト27が螺入、貫通している。
【0060】
版胴60の両側の側面内側には、それぞれ切り欠き部61内に位置するように固定ブロック41が固定されている。そして、この固定ブロック41には、それぞれロック部材としての押しピン40が貫通している。押しピン40は固定ブロック41に対して移動自在である。押しピン40の頭部と固定ブロック41との間には、ロック部材用付勢部としてのスプリング42が設けられており、押しピン40を矢印91方向に付勢している。
【0061】
一方、咥え側クランプベース2の両側面には、それぞれボルト44によって位置調整部としての当金43が設けられている。ボルト44は、当金43に形成された長穴45を貫通して当金43に螺入されている。図1、図5に示すように、この当金43は押しピン40の先端近傍に位置しており、押しピン40が矢印90方向に移動したとき押しピン40の先端は当金43に当接するようになっている。
【0062】
版胴60に形成された側壁穴24(図1)には操作部としてのカム軸23が挿入されている。このカム軸23は、回転規制体(図示せず)によって回転角度を規制され、90度のみ回転可能になっている。図5に示すように、カム軸23には側面図において互いに平行に位置するような平面部23M、23Hが形成されている。
【0063】
図6は、図4におけるカム軸23の拡大図である。カム軸23は、回転軸P9を中心に回転し、この回転軸P9から外周曲面23Gまでの距離L9よりも、回転軸P9から平面部23Hまでの距離L7、および回転軸P9から平面部23Mまでの距離L8が短くなるように構成されている。なお、平面部23Hはカム軸23の両端側に形成されており、平面部23Mはこの両側の平面部23Hの間に形成されている。
【0064】
カム軸23には、スプリング16によって矢印90方向に付勢されている上記スプリングベース15、およびスプリング42によって矢印91方向に付勢されている上記押しピン40が当接している。図5Aに示す状態(初期状態)においては、スプリングベース15、押しピン40は、カム軸23の外周曲面23Gに当接している。
【0065】
これに対して、カム軸23を90度回転させた図5Bに示す状態(解除状態)においては、スプリングベース15は平面部23Mに当接し、押しピン40は平面部23Hに当接する。これによって、スプリングベース15、押しピン40はカム軸23の外周面23Gによる規制を解かれ、スプリングベース15は矢印90方向に移動し、押しピン40は矢印91方向に移動する。
【0066】
なお、図5Aに示す初期状態における押しピン40、咥え尻側クランプベース3、咥え尻側クランプ5、カム軸23の位置が、それぞれの初期位置である。また、図5Bに示す解除状態における押しピン40、咥え尻側クランプベース3、咥え尻側クランプ5、カム軸23の位置が、それぞれの解除位置である。
【0067】
[刷版の取り付け(初期状態)]
刷版10を版胴60に取り付ける場合、まず咥え側クランプベース2に設けられている基準ピン6に対し、図10に示す刷版10の咥え側端部10aに形成された基準孔11を当接させ位置決めを行なう。そして、この状態で咥え側クランプ4を閉じ、咥え側クランプベース2との間で咥え側端部10aを挟み込んで固定する。
【0068】
ここで、刷版10を版胴60に取り付ける場合、カム軸23は図5Aに示す初期位置に位置している。すなわち、押しピン40の頭部はカム軸23の外周曲面23Gに当接しており、スプリング42は圧縮されて矢印90方向に移動している。押しピン40が矢印90方向に移動することによって、押しピン40の先端は咥え側クランプベース2に固定されている当金43に当接する。
【0069】
上述のように、押しピン40、当金43は、咥え側クランプベース2の両側に設けられているため、咥え側クランプベース2の両端は押しピン40の当接によって保持され、矢印94、95方向に揺動しないようになっている。そして、この初期状態において、咥え側クランプベース2は版胴60の軸と平行な基準初期位置に調整されている。
【0070】
当金43には図5に示す長穴45が形成され、この長穴45を貫通してボルト44が螺入されている。このため、長穴45に沿って当金43を移動させることによって、当金43と押しピン40の先端との距離を調整することができる。この調整により、初期状態において咥え側クランプベース2が基準初期位置に位置するよう、予め設定されている。
【0071】
このように、基準初期位置に正確に位置決めされた咥え側クランプベース2と咥え側クランプ4とによって、刷版の咥え側端部10aを保持することができため、版胴60に対して正確な位置に刷版10を取り付けることができる。
【0072】
咥え側クランプベース2と咥え側クランプ4との間で咥え側端部10aを挟み込んで固定した後、刷版10を版胴60の外周面に巻き付け咥え尻側端部10bを咥え尻側クランプベース3と咥え尻側クランプ5との間に挿入する。
【0073】
そして、咥え尻側クランプ5を閉じ、咥え尻側クランプベース3との間で咥え尻側端部10bを挟み込んで固定する。この状態が図5A、図4Bである。なお、この時点では、カム軸23の外周曲面23Gがスプリングベース15に当接しており、刷版10は版胴60の外周面に密着しておらず、ゆるみが生じている(ゆるみ状態)。
【0074】
[刷版のひねり調整作業]
ところで、刷版10を版胴60の外周面に巻き付けていく段階で、刷版10が版胴60の外周面上で斜め方向にずれ、刷版10にねじれが生じてしまう場合がある。ねじれが生じた状態では、版胴の外周面に対して刷版10全面が密着しない。
【0075】
このような場合、刷版10の咥え尻側端部10bを咥え尻側クランプベース3と咥え尻側クランプ5との間に挟み込んで固定した後、咥え尻側クランプベース3を版胴60の軸方向に移動させ、ひねり調整を行なう必要がある。ひねり調整は、刷版10が版胴60の外周面に密着していないゆるみ状態で行なわれる。このひねり調整の手順を以下に説明する。
【0076】
ひねり調整は調整ボルト30を回転操作して行なう。すなわち、調整ボルト30を回転させた場合、調整ボルト30は保持ブロック29に螺入されているため、調整ボルト30は保持ブロック29に対して矢印92、93方向に移動する。ここで保持ブロック29はブロック34の溝に沿って矢印90、91方向にのみ移動し、矢印92、93方向には移動しないようになっている。
【0077】
このため、調整ボルト30の回転操作に応じて咥え尻側クランプベース3を矢印92、93方向に移動させることができる。たとえば、調整ボルト30を反時計方向に回転させた場合、調整ボルト30は保持ブロック29に対して矢印93方向に移動する。そして、スプリング31によって咥え尻側クランプベース3は押圧され、調整ボルト30の移動に対応して咥え尻側クランプベース3は矢印93方向に移動する。
【0078】
逆に調整ボルト30を時計方向に回転させた場合、調整ボルト30は保持ブロック29に対して矢印92方向に移動する。この場合、スプリング31は圧縮され咥え尻側クランプベース3は矢印92方向に移動する。こうして、咥え尻側クランプベース3を所望の移動量だけ矢印92、93方向に移動調整することができる。
【0079】
なお、上記のようにスプリング31によって調整ボルト30のねじ山のバックラッシュが解消されているため、調整ボルト30の回動量に応じて確実に咥え尻側クランプベース3を移動させることができ、正確な微調整を行なうことができる。
【0080】
以上のようにして、咥え尻側クランプベース3を版胴60の軸方向に移動させ、ひねり調整を行なう。しかしこの段階では、咥え側クランプベース2は、押しピン40の当接によって版胴60の軸に平行な基準初期位置に固定されたままであり、咥え側クランプベース2は矢印94、95方向には揺動しない。
【0081】
[刷版の引っ張り作業(解除状態)]
上記のようにして咥え尻側クランプベース3を矢印92、93方向に移動させひねり調整した後、刷版10の引っ張り作業を行ない、刷版10を版胴60の外周面に密着させる。
【0082】
刷版10を密着させる場合、カム軸23を90度回転さる。このカム軸23の回転によって、カム軸23の平面部23Mはスプリングベース15側に向って位置し、平面部23Hは押しピン40側に向って位置する(図5B)。
【0083】
これによって、スプリングベース15はカム軸23の外周曲面23Gによる規制を解かれ矢印90方向に移動する。スプリングベース15が矢印90方向に移動することによって、咥え尻側クランプベース3の凸部3Tが押圧され、咥え尻側クランプベース3も矢印90方向に移動する。
【0084】
こうして、咥え尻側端部10bは矢印90方向に引っ張られ、図5B、図4Aに示すように刷版10は版胴60の外周面に密着する(引っ張り状態)。なお、刷版10には十分な張力が加えられ、カム軸23の平面部23Mとスプリングベース15とは接しない状態で保持される。
【0085】
咥え尻側クランプベース3を矢印90方向に移動させ、刷版10を引っ張った場合、保持ブロック29の下方に固定されているベアリング33はブロック34に溝に沿って矢印90方向に円滑に移動する。
【0086】
なお、刷版10はスプリング16の張力にしたがった強さで引っ張られるが、この引っ張り力を引っ張り調整ボルト27を用いて強制的に強化することができる。すなわち、引っ張り調整ボルト27をねじ込むことによって、引っ張り調整ボルト27の先端で切り欠き部61の内壁を押圧し、咥え尻側クランプベース3を矢印90方向に移動させて刷版10を強制的に引っ張ることも可能である。
【0087】
カム軸23を90度回転させ、カム軸23の平面部23Hが押しピン40側に向って位置したことによって、押しピン40はカム軸23の外周曲面23Gによる規制を解かれ矢印91方向に移動する。押しピン40が矢印91方向に移動したことによって、押しピン40の先端は咥え側クランプベース2の両側に設けられている当金43から離れる。
【0088】
そして、咥え側クランプベース2は押しピン40の当接による保持が解除されてフリーとなり、ピン7を中心として矢印94、95方向に揺動自在になる。咥え側クランプベース2が、矢印94、95方向に揺動自在になることによって、スプリング16の付勢によって引っ張られている刷版10の張力に応じて、咥え側クランプベース2は矢印94、95方向に揺動する。
【0089】
上述のひねり調整において、咥え尻側クランプベース3は矢印92、93方向へ移動しており、咥え尻側クランプベース3の移動に応じた刷版10の張力を咥え側クランプベース2は受け、矢印94、95方向に揺動する。これによって、刷版10に生じていたねじれは完全に是正される。
【0090】
なお、ひねり調整によって刷版10が十分に版胴60の外周面に密着していない場合、咥え側クランプベース2に設けられている調整ボルト14を回転操作して、刷版10を確実に版胴60の外周面に密着させることができる。
【0091】
以上のように、カム軸23を90度回転させるだけで、咥え尻側クランプベース3を矢印90方向に移動させて刷版10を引っ張って版胴60の外周面に密着させると同時に、咥え側クランプベース2を揺動自在なフリー状態として刷版10のねじれを是正することができる。
【0092】
刷版10を版胴60の外周面に巻き付けていく段階で、刷版10にねじれが生じなかった場合は、ひねり調整は行なわずに、直ちにカム軸23を90度回転させる。この場合は、咥え尻側クランプベース3を矢印92、93方向に移動させていないため、咥え側クランプベース2は押しピン40の当接による保持が解除されても基準初期位置に保持されたままの状態を維持する。
【0093】
[解除状態から初期状態への復帰]
図5Bに示す解除状態から図5Aに示す初期状態に復帰させる場合、カム軸23を上記の場合とは反対に90度回転させる。これによって、スプリングベース15、押しピン40はカム軸23の外周曲面23Gに当接し、この外周曲面23Gとの当接によってそれぞれ矢印91方向、矢印90方向に移動する。
【0094】
スプリングベース15が矢印91方向に移動することによって、咥え尻側クランプベース3はスプリング13(図1)の付勢を受けて矢印91方向に復帰する。また、押しピン40が矢印90方向に移動することによって、押しピン40の先端は当金43に当接し、咥え側クランプベース2の両端は押しピン40の当接によって保持されて基準初期位置に復帰する。
【0095】
以上のように、カム軸23を90度回転させるだけで、スプリングベース15、押しピン40をそれぞれ矢印91方向、矢印90方向に移動させ、図5Aに示す初期状態に復帰させることができる。
【0096】
[その他の実施形態]
本発明に係る印刷機の刷版クランプ装置は、上記実施形態に示すものに限定されない。たとえば、ロック部材として押しピン40を例示したが、クランプ部に当接する初期位置、またはクランプ部に当接しない解除位置に切り換え移動が可能なものであれば、他の機構を採用してもよい。
【0097】
また、ロック部材としての押しピン40が、咥え側クランプベース2の両端部分に当接することによって咥え側クランプベース2の揺動を阻止する実施形態を例示した。しかし、クランプ部のいずれかの部分に当接することによってクランプ部の揺動を阻止し、クランプ部を基準初期位置に保持するものであれば、他の構成を用いることもできる。
【0098】
また、位置調整部として当金43を例示したが、ロック部材が初期位置にあるときの、クランプ部の基準初期位置を調整するものであれば他の機構を採用することもできる。
【0099】
さらに、ロック部材用付勢部としてスプリング42を例示したが、ロック部材を初期位置から解除位置に向けて付勢するものであれば、板バネ等の他の構成を用いてもよい。また、第2クランプ部用付勢部としてスプリング16を例示したが、第2クランプ部を初期位置から解除位置に向けて付勢するものであれば、板バネ等の他の構成を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る印刷機の刷版クランプ装置の一実施形態における印刷機における版胴の平面図である。
【図2】図1に示す押しピン40、当金43等の近傍の拡大図である。
【図3】図1に示すW方向の矢視断面図である。
【図4】図4Aは、図1に示すZ−Z方向の矢視断面図であり、図4Bは、図1に示すS−S方向の矢視断面図である。
【図5】図1に示すY−Y方向の矢視断面図であり、図5Aは初期状態を示す図、図5Bは解除状態を示す図である。
【図6】図4におけるカム軸23の拡大図である。
【図7】刷版10を示す図である。
【図8】印刷機における版胴の概略を示す側面図である。
【図9】印刷機の刷版クランプ装置の第1の従来技術を示す図であり、図9Aは版胴60の平面図、図9Bは版胴60の展開図である。
【図10】印刷機の刷版クランプ装置の第2の従来技術に係る版胴60の平面図である。
【符号の説明】
2・・・・・咥え側クランプベース
3・・・・・咥え尻側クランプベース
4・・・・・咥え側クランプ
5・・・・・咥え尻側クランプ
7・・・・・ピン
16・・・・・スプリング
23・・・・・カム軸
40・・・・・押しピン
42・・・・・スプリング
43・・・・・当金
Claims (5)
- 版胴に設けられており、刷版の端部を保持するクランプ部であって、揺動中心を中心として、版胴の外周面とほぼ同一の平面上で揺動可能なクランプ部、
クランプ部に当接する初期位置、またはクランプ部に当接しない解除位置に切り換え移動が可能なロック部材、
を備えており、
ロック部材が初期位置にあるとき、ロック部材がクランプ部に当接することによってクランプ部の揺動を阻止し、クランプ部を基準初期位置に保持し、
ロック部材が解除位置にあるとき、ロック部材がクランプ部に当接しないことによってクランプ部を揺動可能な状態とする、
ことを特徴とする印刷機の刷版クランプ装置。 - 請求項1に係る印刷機の刷版クランプ装置において、
前記ロック部材は初期位置にあるとき、揺動中心を挟んだクランプ部の両側の箇所に当接してクランプ部の揺動を阻止する、
ことを特徴とする印刷機の刷版クランプ装置。 - 請求項1に係る印刷機の刷版クランプ装置において、
ロック部材が初期位置にあるときの、クランプ部の基準初期位置を調整する位置調整部を備えている、
ことを特徴とする印刷機の刷版クランプ装置。 - 版胴に設けられており、刷版の第1端部を保持する第1クランプ部であって、揺動中心を中心として、版胴の外周面とほぼ同一の平面上で揺動可能な第1クランプ部、
第1クランプ部に当接する初期位置、または第1クランプ部に当接しない解除位置に切り換え移動が可能なロック部材、
前記版胴に設けられており、前記第1クランプ部に第1端部を保持され、版胴の外周面に巻き付けられた刷版の第2端部を保持する第2クランプ部であって、版胴の外周面に対し刷版が密着しないゆるみ状態となるような初期位置、または版胴の外周面に対し刷版が密着する引っ張り状態となるような解除位置に切り換え移動が可能な第2クランプ部、
初期位置または解除位置に切り換え可能な操作部、
を備えた印刷機の刷版クランプ装置において、
前記操作部が初期位置にあるとき、
ロック部材は初期位置に位置して、ロック部材が第1クランプ部に当接することによって第1クランプ部の揺動を阻止し、第1クランプ部を基準初期位置に保持し、
かつ、第2クランプ部は初期位置に位置して、刷版をゆるみ状態とし、
前記操作部が解除位置にあるとき、
ロック部材は解除位置に位置して、ロック部材が第1クランプ部に当接しないことによって第1クランプ部を揺動可能な状態とし、
かつ、第2クランプ部は解除位置に位置して、刷版を引っ張り状態とする、
ことを特徴とする印刷機の刷版クランプ装置。 - 請求項4に係る印刷機の刷版クランプ装置において、
ロック部材を初期位置から解除位置に向けて付勢するロック部材用付勢部、
第2クランプ部を初期位置から解除位置に向けて付勢する第2クランプ部用付勢部、
を備えており、
前記操作部が初期位置にあるとき、
ロック部材は、ロック部材用付勢部の付勢を受け、操作部に当接した状態で初期位置に位置し、
かつ、第2クランプ部は、第2クランプ部用付勢部の付勢を受け、操作部に当接した状態で初期位置に位置し、
前記操作部が解除位置にあるとき、
ロック部材は、操作部による加圧を受け、ロック部材用付勢部の付勢に抗して解除位置に位置し
かつ、第2クランプ部は、操作部による加圧を受け、第2クランプ部用付勢部の付勢に抗して解除位置に位置する、
ことを特徴とする印刷機の刷版クランプ装置。
Priority Applications (1)
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JP11468897A JP3575947B2 (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 印刷機の刷版クランプ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11468897A JP3575947B2 (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 印刷機の刷版クランプ装置 |
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JPH10305560A JPH10305560A (ja) | 1998-11-17 |
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DE10013804B4 (de) * | 1999-04-20 | 2011-07-14 | Heidelberger Druckmaschinen AG, 69115 | Verfahren und Vorrichtung zum Aufspannen eines Zylinderaufzuges auf einen Druckmaschinenzylinder |
-
1997
- 1997-05-02 JP JP11468897A patent/JP3575947B2/ja not_active Expired - Fee Related
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