JP3574913B2 - 液状染毛剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化染料を含む1液と酸化剤を含む2液とからなる液状染毛剤、特に、1液が乳白濁している液状染毛剤であって、使用性、使用感にも優れた液状染毛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の液状酸化染毛剤は、1液と2液とに分かれていて、1液(染料溶液)に、酸化剤を主成分として含む2液を、使用直前に混合して使用する形態のものである。
【0003】
従来から、この種の染毛剤は、1液及び2液とも比較的低粘度の液状(10〜1500cps程度)に設計されているが、染毛時には毛髪に塗布しやすく、塗布後、液だれを起こさないようにするため、1500cps以上まで増粘することが必要である。
【0004】
このため、界面活性剤に水を加えるとゲル化する機構を採用し、1液と2液を混合して得られる染液中で増粘するような方法をとっている。
【0005】
染液が適当な粘度を得るために、1液中に水を加えて処方していくと、1液中でゲル化が起こる。すなわち、1液そのものの粘度が上昇しすぎる。
【0006】
この1液中の粘度を下げる目的で、1液中に、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、プロピレングリコールなどの低級アルコール等の溶解剤を、1液中の濃度で5〜30重量%になるように加えることが必要となる。
【0007】
従って、一般に、1液中には、界面活性剤が20〜40重量%、低級アルコール等の溶解剤が5〜30重量%が配合されている。
【0008】
このように、1液中に、低級アルコール、界面活性剤が、多量に配合されているため、毛髪に対して脱脂力が強く、いわゆる過脱脂が生じ、しかも通常アルカリ条件下で染毛操作を行うので、毛髪への負担が大きく、毛髪が傷みやすく、その結果、毛髪がパサつくという問題点がある。このような髪の過脱脂から髪を保護するために、従来、1液中に、液状油剤が5〜40重量%配合されているが、充分ではなく、未だ、液状染毛剤の毛髪への負担は大きく、液状染毛剤の使用によって毛髪が傷みやすく、その結果、毛髪がパサつくという問題点は解決されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これまでの液状染毛剤と同じ要領で使用できる液状染毛剤であるにもかかわらず、毛髪に対しての脱脂力や負担を少なくした液状染毛剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた。その過程で、上記過脱脂の原因である低級アルコールや界面活性剤の濃度を低減することを検討した。しかしながら、本発明者の研究によると、処方中の低級アルコールを水で置換していくと1液そのものがゲル化し、液状の使いやすさが失われるという問題があり、また、界面活性剤の配合量を少なくしていくと1液、2液混合時に増粘せずに、使用不可能となってしまう問題があることが判った。
【0011】
一方、過脱脂を抑制するには油分を補えばよいと考えたが、更に40重量%以上になるように液状油剤を配合することは、処方上限界がある。また、従来からペースト状タイプの染毛剤の分野で固形油分が油分補給用に使用されてはいるが、液状染毛剤においては固形油分が沈降するので、固形油分は使用できないと考えられていた。
【0012】
本発明者は、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の固形油分を1液中に配合することを検討した。しかしながら、やはり、これら固形油分を液状染毛剤に配合すると、該固形油分が沈降してしまい、液状染毛剤として使用することができなかった。
【0013】
ところが、引き続く研究において、これまで配合できないとされていた固形油分の範疇に入るにもかかわらず、特定の固形油剤、即ち、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール及びパルミチン酸モノエタノールアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を染毛剤に配合すると、染毛剤が乳白濁状態となり、これら特定の固形油分が沈降することなく長期間液状状態を保つことが見いだされた。
【0014】
しかも、この乳白濁状態の液状染毛剤(1液)は、通常の2液と混合すると1500cps以上に増粘し、塗布が容易で液だれも問題もなく、更に従来の液状染毛剤に比べて、毛髪の過脱脂の危険性が少ないため髪の手触りもよく、毛髪本来の自然なツヤを損なわないことが見いだされた。
【0015】
本発明は、このような知見に基づき、完成されたものである。
【0016】
即ち、本発明は、酸化染料を含む1液及び酸化剤を含む2液からなる液状染毛剤において、上記1液が、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール及びパルミチン酸モノエタノールアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする液状染毛剤を提供するものである。
【0017】
本発明では、上記特定の固形油分成分を、従来公知の液状染毛剤の1液に配合することにより、該固形油分成分が沈降することなく乳白濁状態で液状を保つので、本発明液状染毛剤は、これまでの液状染毛剤と同様な使用方法、例えば、アプリケーター(容器から直接頭髪に塗布する方法)、ハケ塗り(ハケで頭髪に塗布する方法)等で使用できるものである。
【0018】
しかも、従来の液状染毛剤の欠点である過脱脂及びそれに伴う毛髪の損傷やパサつき等を解消でき、髪の手触りもよく、毛髪本来の自然なツヤを損なわない。
【0019】
上記モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール及びパルミチン酸モノエタノールアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種は、通常、1液中に1液中の濃度として0.1〜10重量%程度配合される。
【0020】
また、1液は、酸化染料に加えて、通常、界面活性剤、溶解剤及び水を含んでおり、更に液状油剤を含んでいても良い。
【0021】
また、これら成分は、1液中の濃度として、
(a)モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール及びパルミチン酸モノエタノールアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種が0.1〜10重量%、
(b)酸化染料が0.01〜15重量%、
(c)界面活性剤が5〜40重量%、
(d)溶解剤が3〜30重量%及び
(e)水が3〜80重量%
の割合で配合されており、更に、1液中の濃度として(f)液状油剤が5〜40重量%の割合で、配合されていても良い。
【0022】
本発明で使用する2液も、従来公知のものがいずれも特に制限されることなく使用できる。
【0023】
なお、本発明において、粘度は、B型粘度計(測定条件:ローター4号、30rpm)で、20℃において測定された値である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の染毛剤は、液状染毛剤であり、1液と2液を使用時に混合し(得られた混合液を、以下「染液」という。)、この染液を毛髪に塗布して使用するものである。
【0025】
(I)1液
本発明の1液は、基本的には、従来公知の液状染毛剤の1液に、上記特定の固形油剤成分を加えたものである。
【0026】
従って、本発明の1液は、上記特定の固形油剤成分に加えて、従来から使用されている酸化染料、界面活性剤、溶解剤及び水を含有し、更に液状油剤を含有しても良い。
【0027】
(a)上記特定の固形油剤
前記モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール及びパルミチン酸モノエタノールアミドからなる群から選ばれる固形油剤は、1種単独を配合しても良いし、又は2種以上を混合して配合してもよい。例えば、固形油剤として使用できるものとしては、モノステアリン酸エチレングリコールでもよいし、ジステアリン酸エチレングリコールでよく、ジステアリン酸トリエチレングリコールでもよく、パルミチン酸モノエタノールアミドでもよい。
【0028】
上記固形油剤の配合量としては、広い範囲から選択できるが、一般には、1液中の濃度として、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜7重量%、より好ましくは、1〜5重量%配合するのがよい。
【0029】
(b)酸化染料
酸化染料としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。より具体的には、次のものを例示することができる。
【0030】
5−アミノオルトクレゾール、硫酸5−アミノオルトクレゾール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン、3,3’−イミノジフェノール、塩酸2,4−ジアミノフェノール、塩酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸ニトロパラフェニレンジアミン、塩酸パラフェニレンジアミン、塩酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、塩酸メタフェニレンジアミン、オルトアミノフェノール、カテコール、酢酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、1,4−ジアミノアントラキノン、2,6−ジアミノピリジン、硫酸2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ジフェニルアミン、トルエン−2,5−ジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、α−ナフトール、ニトロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェニルスルファミン酸、パラアミノフェノール、パラニトロオルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラメチルアミノフェノール、ピクラミン酸、ピクラミン酸ナトリウム、ピクリン酸、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−2’,4’−ジアミノアゾベンゼン−5−スルホン酸ナトリウム、ヒドロキノン、ピロガロール、N−フェニルパラフェニレンジアミン、フロログルシン、ヘマテイン、没食子酸、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、硫酸2−アミノ−5−ニトロフェノール、硫酸オルトアミノフェノール、硫酸オルトクロルパラフェニレンジアミン、硫酸4,4’−ジアミノジフェニルアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、硫酸ニトロパラフェニレンジアミン、硫酸パラアミノフェノール、硫酸パラニトロオルトフェニレンジアミン、硫酸パラニトロメタフェニレンジアミン、硫酸パラフェニレンジアミン、硫酸パラメチルアミノフェノール、硫酸メタアミノフェノール、硫酸メタフェニレンジアミンなどがあげられる。
【0031】
上記染料は、単独で或いは2種以上を混合して用いる。
【0032】
酸化染料の配合量としては、所望の染毛濃度、酸化染料の種類、希望の染着の程度等によって、適宜選択され、任意の量で配合することができるが、一般には、1液中の濃度として、上記酸化染料の少なくとも1種を、0.01〜15重量%、好ましくは、0.01〜12重量%配合するのがよい。
【0033】
(c)界面活性剤
1液中に配合される界面活性剤としては、従来から液状染毛剤の分野で慣用されているものがいずれも使用でき、特に、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤が挙げられる。
【0034】
上記界面活性剤のうちでも、特に、以下のものが好ましく使用できる。
【0035】
非イオン界面活性剤
ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシブチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどがあげられる。
【0036】
アニオン界面活性剤
N−アシル−L−グルタミン酸ジエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、イセチオン酸ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、オクチルフェノキシジエトキシエチルスルホン酸ナトリウム、オレオイルザルコシン、オレオイルメチルタウリンナトリウム、カルボキシ化ポリオキシエチレントリデシルエーテル、L−グルタミン酸トリエタノールアミン硬化牛脂脂肪酸アミド、L−グルタミン酸ナトリウム硬化牛脂脂肪酸アミド、L−グルタミン酸ナトリウムヤシ油脂肪酸アミド、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ジウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、セチル硫酸ジエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、トリデシル硫酸トリエタノールアミン、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、ポリオキシエチレンウンデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンペンタデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ジエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸・牛脂脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウムアミド、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシン、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンカリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸エタノールアミンラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルβ−アラニンナトリウム液、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム液などがあげられる。
【0037】
両性界面活性剤
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシノイル−カルボキシルメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ステアリルベタイン、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリメタノールアミン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウムなどがあげられる。
【0038】
カチオン界面活性剤
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム(1)、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルアンモニウム、塩化オクチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(12〜15)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム液、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジヒドロキシエチルベタインナトリウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム液、塩化ベンザトニウム、塩化ベンザトニウム液、塩化ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(25)ジエチルメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム液、臭化アルキルイソキノリウム液、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリンなどがあげられる。
【0039】
これら界面活性剤を1種又は2種以上を配合することができる。
【0040】
界面活性剤の配合量としては、通常配合されている配合量であれば、特に限定されないが、1液中の濃度として、5〜40重量%、好ましくは、5〜30重量%になるよう配合されるのが好ましい。
【0041】
(d)溶解剤
溶解剤としては、1液中での界面活性剤と水との混合によるゲル化の粘度を下げるものであれば、特に限定されることなく、従来から液状染毛剤に使用されている公知のものを広く使用できる。具体的には、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の炭素数2〜4の1価又は2価の低級アルコール、ポリエチレングリコール、特に、平均分子量が1000以下のポリエチレングリコールなどがあげられ、1種又は2種以上配合することができる。
【0042】
溶解剤の配合量としては、通常配合されている配合量であれば、特に限定されないが、例えば、1液の粘度を10〜1500cpsとし、使用時に2液と混合したときの染液の粘度を1500cps以上、好ましくは、1500〜20,000cps程度とするような量であれば、特に限定されない。例えば、1液中の濃度として、3〜30重量%、好ましくは、3〜15重量%になるよう配合されるのが好ましい。
【0043】
(e)水
水の配合量としては、通常配合されている配合量であれば特に限定されないが、通常、1液中の濃度として、3〜80重量%、好ましくは、3〜70重量%になるように配合されるのがよい。
【0044】
(f)液状油剤
1液中に液状油剤が配合されていてもよい。液状油剤としては、特に限定されることなく、従来から液状染毛剤に使用されている公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、ヤシ油、ホホバ油、流動パラフィン、オレイルアルコール、オレイン酸、ヘキシルデカノール、ミリスチン酸イソプロピルなどがあげられ、1種又は2種以上配合することができる。
【0045】
液状油剤の配合量としては、通常配合されている配合量であれば、特に限定されないが、1液中の濃度として、5〜40重量%、好ましくは、10〜30重量%になるよう配合されるのが好ましい。
【0046】
必要ならば、上記成分に加えて、1液中の酸化染料が酸化され、発色することを抑える目的で酸化防止剤を、また、1液中に金属イオンが存在すると、酸化染料の発色を速めたり、一部の界面活性剤と石ケンをつくって不溶性の物質を生成することを防止するために金属封鎖剤を配合することができる。
【0047】
酸化防止剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、チオグリコール酸、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸アンモニウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸アンモニウム、没食子酸プロピル、トコフェノールなどがあげられ、1種又は2種以上配合することができる。
【0048】
酸化防止剤の配合量としては、1液中の濃度として、上記酸化防止剤の少なくとも1種を、0.01〜10重量%、好ましくは、0.01〜4重量%配合するのがよいが、特に限定されない。
【0049】
金属封鎖剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなど挙げられ、1種又は2種以上配合することができる。
【0050】
金属封鎖剤の配合量としては、1液中の濃度として、上記金属封鎖剤の少なくとも1種を、0.01〜10重量%、好ましくは、0.01〜4重量%配合するのがよい。
【0051】
更に、染毛の促進、仕上がりの明るさは、pHによって影響をうけるので、それを調整するために、本発明の液状染毛剤に、pH調整剤を配合しても良い。
【0052】
pHを調節するためのpH調整剤としては、特に限定されることなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、リン酸、ピロリン酸ナトリウム、酒石酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アンモニア、アルカノールアミンなどがあげられる。これらpH調整剤を、1種又は2種以上配合してもよい。
【0053】
pH調整剤の配合量としては、使用時の染液中のpHが、6〜12になるような量がよい。
【0054】
このほか、L−アラニン、L−アルギニン、グリシン、L−グルタミン、L−システイン、DL−スレオニン、L−セリンなどのアミノ酸、公知の毛髪保護剤、着香料なども、染毛剤の性能を損なわない程度に適宜加えてもよい。
【0055】
また、本発明の1液の粘度は、10〜1500cpsである。このような粘度にするために、上記界面活性剤、溶解剤及び水の量を、上記範囲で混合する。
【0056】
(II)2液
本発明で使用する2液も、従来公知の液状染毛剤の2液として使用されているものが広い範囲で使用できる。
【0057】
2液中には、通常、酸化染料を酸化するための酸化剤及び水が配合されており、必要に応じて、通常液状染毛剤の分野で使用されている他の成分、例えば、高級アルコール、界面活性剤などを配合しても良い。
【0058】
酸化剤
酸化剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、過酸化水素、過酸化物等が挙げられる。
【0059】
より具体的には、過酸化水素(通常、10〜35重量%水溶液として使用される。)、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸アンモニウム、過ホウ酸カリウム、過炭酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム(これらは、水溶液又は原料のままで配合される。)等が挙げられる。上記酸化剤を、1種又は2種以上混合して用いても良い。
【0060】
酸化剤の配合量としては、一般的な目安として使用時の染液中の濃度として、酸化剤を0.01〜10重量%程度、好ましくは、0.1〜5重量%程度配合するのがよい。
【0061】
ここで、使用時の染液とは、使用時に調製した状態の染液をいう。1液と2液を混合したときの混合液、即ち、使用時の状態となったものをいう。
【0062】
水
本発明の2液において、水の量は、2液中の濃度として、通常、50〜95重量%程度、好ましくは70〜95重量%程度である。
【0063】
また、2液には、必要に応じて、使用感を向上させる目的で、高級アルコールを配合しても良い。配合できる高級アルコールは、特に限定することなく公知のものを使用することができる。例えば、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコールなどがあげられ、1種又は2種以上配合することができる。
【0064】
高級アルコールの配合量としては、特に限定されないが、2液中の濃度として、1〜40重量%、好ましくは、1〜5重量%配合するのがよい。
【0065】
また、上記高級アルコールの分離を防止するために、公知の界面活性剤、たとえば、上記1液について記載したものが使用できる。これら界面活性剤は、1種又は2種以上使用できる。
【0066】
界面活性剤の配合量としては、通常配合されている配合量であれば、特に限定されないが、2液中の濃度として、0.5〜20重量%、好ましくは、1〜5重量%になるよう配合されるのが好ましい。
【0067】
2液中に、更に、通常使用される公知の適当なpH調整剤、例えば、リン酸、クエン酸、酒石酸等を配合することができ、通常2液は酸性に調整される。
【0068】
このほか、L−アラニン、L−アルギニン、グリシン、L−グルタミン、L−システイン、DL−スレオニン、L−セリンなどのアミノ酸、公知の毛髪保護剤、着香料なども、染毛剤の性能を損なわない程度に適宜加えてもよい。
【0069】
また、2液の粘度は、通常10〜1500cpsである。このような粘度にするために、上記成分を、上記範囲で混合する。
【0070】
本発明の液状染毛剤は、例えば、以下のようにして製造できる。1液については、所望の乳白濁した状態にするには、界面活性剤及び固形油剤(又は更に、液状油剤)を配合して、固形油剤の融点付近又は以上の温度、例えば、70〜85℃の温度に加温して、固形油剤を溶解させ、これらを攪拌混合する。混合後、その混合物を冷却し、水、溶解剤などの他の成分を加えて、全体が均質に分散されるまで攪拌混合して製造することができる。その他、染料や任意成分は、冷却後、或いは冷却途中に、必要に応じて攪拌下で加えて混合する。
【0071】
2液については、従来公知の製法、例えば、全成分を配合し混合するか、必要に応じて加温して攪拌混合後、冷却して製造することができる。
【0072】
1液及び2液共に、比較的低粘度となるように、特に10〜1500cps程度となるように調製するのが望ましい。かかる粘度調整は、上記成分を上記所定量で使用することにより容易に行うことができる。一般には、界面活性剤の使用量を増やすと、粘度が高くなり、低級アルコール等の溶解剤の使用量を増やすと、粘度が低くなる傾向があるので、これを目安に粘度調整を行えばよい。
【0073】
1液と2液の混合比は、使用時の染液の粘度が約1500cps以上になる限り限定されないが、混合比としては、1液100重量部に対して、2液を50〜500重量部、好ましくは、50〜300重量部の割合で混合するのがよく、更に重量で等量混合するのが好ましい。
【0074】
本発明の液状染毛剤の1液は、固形油剤を配合しているにも拘わらず、該固形油剤が沈降することなく、乳白濁の状態で存在する。
【0075】
使用時には、1液及び2液を混合することによって、所望の染液が得られる。その際には、混合によって、増粘し、混合後の染液の粘度が、約1500cps以上、特に、1500〜20,000cps程度となるような割合で混合するのがよい。
【0076】
本発明では、1液中の溶解剤の濃度が、2液との混合によって希釈されるため、1液と2液との混合によって増粘される。
【0077】
こうして得られた1液と2液との混合物、即ち染液のpHは、通常の従来公知の液状染毛剤の場合と同様の範囲であれば、特に限定されず、一般には、6〜12程度、好ましくは6〜11程度であるのが良い。
【0078】
本発明の液状染毛剤は、従来の液状染毛液と同様に方法、例えば、アプリケーター(容器から直接頭髪に塗布する方法)式や、ハケ塗り(ハケで頭髪に塗布する方法)式等に使用できる。
【0079】
本発明の液状染毛剤は、常法に従って染毛処理することができ、染毛時間は、通常、50分程度以下である。
【0080】
【発明の効果】
本発明の液状染毛剤は、従来の液状染毛剤に比べ、毛髪に対して過脱脂の程度がきわめて低く、そのため染毛後の髪の手触りもよく、毛髪本来の自然なツヤを損なわない。
【0081】
また、本発明の液状染毛剤は、通常透明の従来の液状染毛剤と違って、乳白濁状態にあるが、通常の従来公知の液状染毛剤と実質上同様の要領で使用でき、しかも、乳白濁状態にあるために、高級感があり、手触りの向上、しっとり感の向上等の理由で商品価値の高い液状染毛剤である。
【0082】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明は、これら実施例によって限定されるものではない。
【0083】
以下の実施例において、各液状染毛剤の効果は、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール及びパルミチン酸モノエタノールアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を配合する代わりに、等量の精製水を配合した染毛剤(以下「比較品」という)との比較によって決定した。
【0084】
手触り試験は、以下の実施例1及び4においては、人毛毛束(約4g)に、1液と2液とを重量比で等量混合した液10gを塗り付け、20分間染毛後、ぬるま湯で充分すすぎ洗いをし、送風にて乾燥させた後の毛髪の手触りを評価する。評価は、パネラー15人によって行われた。
【0085】
以下に本実施例で使用される略号の意味を示す。
【0086】
NPE:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
TGAA:チオグリコール酸アンモニウム
EDTA:エデト酸二ナトリウム
SLS:ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム
なお、以下の実施例において“部”とは、“重量部”を表わし、”%”とは、”重量%”を表わす。
【0087】
製造例1
下記組成の液状染毛剤の1液を、調製した。
【0088】
この1液の調製は以下のようにして行った。即ち、上記(1)〜(6)から選択した固形油剤1種類と界面活性剤を配合して、75℃まで加温して、固形油剤を溶解した。攪拌、混合後、この混合物を冷却し、その他の成分を配合し、混合して調製した。計6種類の1液を調製した。
【0089】
得られた1液の外観を観察した。その結果を以下の表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
モノステアリン酸エチレングリコールを1液中に配合したとき、1液中への配合濃度が、0.1〜10.0%の範囲で、沈降することなく乳白濁した状態になった。
【0092】
製造例2
種々の固形油剤を用いて以下の組成の液体染毛剤の1液を製造例1と同様にして調製した。
【0093】
固形油剤については、上記の(1)〜(4)から1種類を選択し、合計4種類の1液を調製した。このようにして得られた1液の外観を観察した。結果を表2に示す。
【0094】
【表2】
【0095】
上記の固形油剤を配合した1液は、1液中で固形油剤が沈降することなく、乳白濁した状態になった。
【0096】
実施例1
以下に示すような、種々の濃度のジステアリン酸エチレングリコールを配合した液状染毛剤を調製した。
【0097】
1液の組成については、(1)〜(3)の3種類の量のジステアリン酸エチレングリコールを、各1種類ずつ選択して製造例2と同様にして、合計3種類の1液を調製した。
【0098】
2液については、過酸化水素水(35%)を除く全ての成分を70℃〜85℃程度に加温して攪拌混合後、均質になった後冷却し、残りの成分を加え混合して調製した。これら3種類の1液を用いて、1液と2液を重量で等量混合して液状染毛剤を調製し、染毛後の手触りの試験を行った。
【0099】
尚、比較品は、ジステアリン酸エチレングリコールを加える代わりに、同量の精製水を加えて調製したものである。
【0100】
結果を表3に示す。試験方法は、上記記載の通りである。
【0101】
【表3】
【0102】
液状染毛剤に、ジステアリン酸エチレングリコールを配合することによって、染毛後の毛髪の手触り感が良くなることが判る。
【0103】
実施例2
以下の組成の液状染毛剤を調製した。
【0104】
1液については、製造例1と同様にして調製した。2液については、各成分を混合して調製した。
【0105】
尚、比較品は、モノステアリン酸エチレングリコールの代わりに、同量の精製水を加えて調製したものである。本剤の1液と2液との重量比で等量の混合液(染液)のpHは、9.70であり、比較品の混合液のpHは、9.69であった。
【0106】
実施例3
以下の組成の液状染毛剤を実施例1と同様にして調製した。
【0107】
尚、比較品は、ジステアリン酸エチレングリコール及びジステアリン酸トリエチレングリコールの代わりに、同量の精製水を加えて調製したものである。本剤の1液と2液との重量比で等量の混合液(染液)のpHは、9.70であり、比較品の混合液のpHは、9.69であった。
【0108】
実施例4
実施例2及び3で得られた1液の外観を観察し、更に実施例2および3で得られた液状染毛剤を用いて、染毛後の手触り試験を行った。試験方法は、上記に示したとおりである。
【0109】
【表4】
【0110】
【表5】
【0111】
モノステアリン酸エチレングリコール又はジステアリン酸エチレングリコール及びジステアリン酸トリエチレングリコールの混合物を配合した1液は、1液中で固形油剤が沈降することなく、乳白濁した状態になった。
【0112】
また、液状染毛剤に、モノステアリン酸エチレングリコール又はジステアリン酸エチレングリコール及びジステアリン酸トリエチレングリコールの混合物を配合することによって、染毛後の毛髪の手触り感が良くなることが判る。
Claims (7)
- 酸化染料を含む1液及び酸化剤を含む2液からなる液状染毛剤において、1液が、1液中の濃度として、(a)モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール及びパルミチン酸モノエタノールアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を0.1〜10重量%、(b)酸化染料を0.01〜15重量%、(c)界面活性剤を5〜40重量%、(d)溶解剤を3〜30重量%及び(e)水を3〜80重量%含むことを特徴とする液状染毛剤。
- 1液が、更に、1液中の濃度として、(f)液状油剤を5〜40重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の液状染毛剤。
- 1液がジステアリン酸エチレングリコールを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の液状染毛剤。
- (b)界面活性剤が、ポリオキシエチレンノニフェニルエーテル又はポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムである、請求項1乃至3のいずれかに記載の液状染毛剤。
- 1液が、1液中の濃度として、(b)界面活性剤を20〜40重量%含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の液状染毛剤。
- 2液が更に、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の高級アルコールを含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の液状染毛剤。
- 酸化染料を含む1液及び酸化剤を含む2液からなる液状染毛剤の製造方法であって、(a)モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール及びパルミチン酸モノエタノールアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を0.1〜10重量%、(b)酸化染料を0.01〜15重量%、(c)界面活性剤を5〜40重量%、(d)溶解剤を3〜30重量%及び(e)水を3〜80重量%を混合して該1液を製造することを特徴とする方法。
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