JP3572990B2 - 断熱壁部材、およびその製造方法 - Google Patents

断熱壁部材、およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は保冷、冷蔵、冷凍用車両やコンテナ等の輸送用断熱庫に用いられる真空断熱パネル(部材)を内包する壁部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)図15に示す冷凍車、保冷車10などのボディー15の断熱壁13は、下記の構造を採用していた。
a 発泡ウレタンフォームや発泡スチレンフォーム等のスラブ131(既に発泡させて、板状に加工したもの)をフラットな板状のアルミ展伸材或いはFRP製、スチール製の内外板13a、13bに接着剤13cで接合したサンドイッチパネル13A。
b 或いは、図16に示す、同様の内外板13a、13bの間に独立発泡のウレタン樹脂を注入発泡133させ、ウレタン自己粘着力により内外板を接合したパネル13B。
通常、断熱壁13で構成されたボデイ15は、上記aまたはbに記載の構造を有するパネル13A,13Bを、天井、床、側壁前壁、リアードア等の六面体の構成部品として箱形状に組み立てられている。
【0003】
(2)車両用断熱庫が要求されることとしては、庫(ボデイ)内の容積拡大がある。
庫内の容積を拡大させるということは、横幅・高さ方向に寸法を大きくすることである。しかし、庫の外枠寸法は、法規により規制されている。
したがって、庫の外枠寸法を規制寸法として庫内寸法の拡大を実行するためには、壁部材(断熱材)の薄肉化が必要となる。
ここで、断熱性能を現状同等として壁の薄肉化を行おうとすると、壁部材の断熱性の向上が不可欠となる。
壁部材の断熱性向上の手段としては、現在の発泡プラスチックフォームより熱伝導率の低い真空断熱パネルの採用が考えられる。
【0004】
ここで、断熱部材毎の熱伝導率を表1に示す。
【表1】
Figure 0003572990
この表に示す熱伝導率の値から、従来のポリスチレンフォームを真空断熱材に置き換えて断熱材の厚さを試算すると、同一の断熱性を要求したとき、壁厚さは約1/4に薄肉化が可能となる。
このように、真空断熱部材により壁部材の薄肉化に伴う庫内容積の拡大と軽量化が図れる。
また、壁部材の厚さを変更せずに真空断熱材を使用すると、約4倍の断熱性の向上が可能であり、燃費の向上も期待できる。
【0005】
(3)上記理由から真空断熱材を内包させた壁部材は、家電冷蔵庫の一部に既に採用されている。家電冷蔵庫で使用されている真空断熱パネルを用いた壁構造を図14を参照して説明する。
家電冷蔵庫20において、室内の温度を4〜5℃、あるいは、−18℃に保持しなければならない冷蔵室21、冷凍室22、野菜室23の外壁24には、真空断熱パネル25が内包されている。
真空断熱パネル25は連続発泡のウレタンフォーム25aをアルミラミネートフィルム製の袋25bに入れ、真空で密閉(シール)25cしている。この冷蔵庫の外壁24の構造は、フラットなスチールの外板24aと、真空成形等で作られたABS樹脂等の三次元的に変化した成形品である内板24bとの間に、真空断熱パネル25を配置している。真空断熱パネル25は外板24aにホットメルト系接着剤や両面テープで固定され、真空断熱パネル25と内板24b及び外板24aとの空間には独立発泡のウレタンフォーム24cを注入して発泡させて形成されている。
【0006】
この壁構造において外板24a、内板24b、アルミラミネートフィルム25bと独立発泡のウレタンフォーム24cの接合は、ウレタンフォームの自己接着性により強固なものとなっている。このため、家電用冷蔵庫においては、リベット等の留め具を用いた接合が必要ない。
この真空断熱パネルに関しては、例えば特公昭61−17263号公報、特公平1−46759号公報、特公平3−23825号公報等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、家電冷蔵庫とは異なった使用環境、製作方法を取る輸送用断熱庫に真空断熱パネルを使用した場合の問題を解決することを目的とする。
<家電用冷蔵庫と輸送用断熱庫との使用環境、および製作方法の違い>
1)輸送用断熱庫は、輸送時、悪路走行の振動や縁石乗り上げ等により断熱庫は振動、変形し、壁に曲げ、捻じりの負荷が加わる。このとき、従来の技術の項で説明した家電冷蔵庫の壁構造のように、真空断熱パネルが外板に接着された構造においては、上記のような負荷が壁に加わるとその応力が直接真空断熱パネルに伝わり、フィルム強度が耐え切れずに破れる可能性がある。フイルムが破断すると真空状態が保持できず、真空断熱パネルの断熱性が低下してしまう。
したがって、輸送用断熱庫の壁構造部材として真空断熱パネルを用いる場合には、壁に曲げ、捻じり等の負荷が加わった場合であっても、真空断熱パネルのフィルムへの応力が小さくなる壁厚さ方向の中央部分に設置する必要がある。
【0008】
2)一般的に、輸送用冷凍庫の荷物の積み下ろしには、フォークリフトを使用する。そのとき、フォークリフトの爪で断熱壁を突く可能性がある。また、庫外の障害物が壁に当たり外板側に傷等がつく恐れもある。
真空断熱パネルを内外板に近い部位に設置した断熱壁においては、損傷を受けると、フィルムに穴があき真空断熱パネルの断熱性が低下してしまう。
したがって、輸送用断熱庫の壁構造部材として真空断熱パネルを用いる場合には、庫内外からの損傷を避けるため、真空断熱パネルは壁厚さ方向の中央に設置する必要がある。
【0009】
3)さらに、輸送用断熱庫の内外面には、部品やレール、アングルが留め具(リベット)で取り付けられている。リベットとしては、プルステム式リベットが通常断熱庫には使用されている。その他にもソリッド、フルチューブラ、セミチューブラ、スプリット、コンプレッション、ブラインドリベット等もある。
【0010】
ここでプルステム式リベットの接合の方法を説明する。……図12、図13参照
輸送用断熱庫15の内壁130a,外壁130bにはリブ16、ドアフレイム17等が取り付けられている。
リブ16の取付方法を説明する。
まず、ドリルで内板130a(または外板130b)を通して下穴130cをあける。その後リベット18を挿入しリベッターでリベットを引張り固定する。サンドイッチパネル場合は何ら問題ないが、内外板130a、130bの間に真空断熱パネル25を配設した場合は、ドリルの下穴加工及びリベットを穴の奥まで挿入する際に、フィルム25bに傷、穴等を開ける可能性がある。
【0011】
通常ドリルには深く入りすぎないようにストッパーをつけて下穴加工を行っているが、ストッパー配設寸法は各メーカーにより異なっておりドリルの下穴の深さは一概に規定できない。例えば、この種壁部材においては、下穴深さが約15mmで止まるストッパーをドリルにつけている場合がある。逆に言うと、15mm程度の下穴が空いていないと、リベットが取り付けられないのである。そのため、真空断熱材は内外板各々からの距離を約15mm+αとして、壁部材の板厚中央内部に設置する必要がある。通常寸法αは下穴加工であれば約10mmくらいが安全とされている。
【0012】
上記の部材のほか、断熱壁部材に取り付ける部品としては下記のものがあるが、取付方法、および取付に係る問題点はリブと同様である。
・車移動時の振動、発進、停止等により庫内の荷物の動きを防止するためのラッシングベルトを固定するラッシングレール(内側のみ)
・車移動時の振動、発進、停止等により庫内の荷物が側壁に直接当たらないようにするための、パレテナガイド(内側のみ)
・また、冷却する断熱庫において、冷気の庫内拡散を促進するためのエアリブ(内側のみ)
・各壁同士の接合のために、コーナー部の外側に取り付けるレール、および内側に取り付けるアングル(内外両側)。
【0013】
(5)そこで、真空断熱パネルを内外板からの距離を設定して設置する従来技術として、下記のものがある。
1)実開平4−68989号公報:真空断熱パネル単体を平坦パネル形状の金型内に設置して、その周りにウレタンフォームを注入して真空断熱パネルの外側を覆ったユニットを作る。そのユニットを内外板の間に設置する構成が開示されている。
この場合、注入用の金型内に設置した真空断熱パネルは、ウレタンの発泡圧力で金型内を自由勝手に移動してしまい、壁厚さ方向での規定された位置に固定することが困難であった。
2)特公平2−9272号公報:内板または外板にウレタンフォームを吹き付け、ゲル化・発泡途中に真空断熱パネルをそのウレタンに貼り付ける方法が開示されている。
開示されている技術は、吹き付けたフォームの発泡状況にばらつきが大きく、内板または外板から規定された寸法位置に真空断熱パネルを固定することが困難であった。
【0014】
3)実公平1−20631号公報,実公平3−38628号公報:内外板に変形可能なスポンジや可塑性樹脂を張りつけ、その上に真空断熱パネルを設置し、その周りにウレタンフォームを注入して真空パネルの外側を被覆する構成が開示されている。しかし、変形可能なスポンジや可塑性樹脂は、ウレタンフォームの発泡圧力で変形してしまうので、この場合も内外板から規定された寸法位置に真空断熱パネルを固定することが困難であった。
4)特開平3−233285号公報,特開平8−14484号公報,特開平8−14486号公報:固定治具により真空断熱パネルを壁厚さ方向の任意位置に固定する構成が開示されている。この構成は固定治具自身の熱伝導率が高いため、ヒートブリッジが発生し充分な断熱性を確保することが困難であった。
【0015】
そこで、本出願人は真空断熱パネル(部材)を内外板から規定の寸法の位置に、例えば壁部材の厚さ方向の中央付近に設置した壁構造とすることにより、真空断熱パネルの断熱性を損なうことの無い車両断熱庫の壁構造を提案した。
この提案した構成は、図11に示すように、所定の板厚を有するスラブ材33を接着固定した内板31と外板35とで真空断熱部材60を挾持させ、スラブ材33と真空断熱部材60に囲まれた空間部分にウレタンフォーム原液を注入して、空間部内でウレタンフォームが発泡して発泡ウレタンフォーム37が充填されるものである。
【0016】
この構成を有する壁部材30は、ウレタンフォームが発泡時、約60℃位に自己発熱する。その後、室温に冷えると、発泡ウレタンフォーム37は体積が収縮してヒケ40が発生することがあった。
壁部材30の表面にヒケ40が発生すると、外観品質上見栄えが悪く、また、箱状の庫に組み立てた場合、各面のあわせ部に隙間が開くところができ、断熱性能の低下の原因ともなってしまった。
また、図10に示すようなサンドイッチパネル13Aを加圧接着で形成する場合、加圧プレス下板100と加圧プレス上板110との間に、複数のパネルを重ねて、一度に加圧を実行することにより、複数枚のサンドイッチパネル13Aが一度に製造されていた。
しかし、図9に示すような壁部材30を構成する場合、両脇を注入ウレタンフォームのはみ出し防止ブロック150が必要であると同時に、注入ウレタンの発泡時の発泡圧力をプレス上下板100,110で押さえなければならない。しかし、ウレタン発泡圧力が大きいため、何枚もの発泡体を注入発泡させると、上下板で押さえ切れなくなってしまう。
このように、この図11に示す壁部材30を構成するためには加圧プレス器には一枚の壁部材しかいれられず、生産効率が低い製造方法となってしまった。
【0017】
そこで、この発明は、真空断熱部材を板厚の中央部分に配置できると共に、部材表面にヒケの発生をなくすことにより断熱性能の低下を防止し、生産効率を向上させることを目的とするものである。
【0018】
【問題を解決するための手段】
本発明の真空断熱部材を内包する断熱壁部材は、外板となる第1の板と、第1の板上に配設される断熱材よりなる第1の板状断熱材と、第1の板状断熱材上にシール部を対向させて並設される複数の真空断熱部材と、並設されている真空断熱部材の上に配設される断熱材よりなる第2の板状断熱材と、第2の板状断熱材の上に配設される内板となる第2の板と、第1の板と第2の板との間の第1の板状断熱材、真空断熱部材、第2の板状断熱材で囲まれる部分に配設される充填断熱材と、を備えている
そして、充填断熱材は隣接する真空断熱部材のシール部を載置する第1の充填断熱材と該第1の充填断熱材に重合する第2の充填断熱材とを有し、隣接する真空断熱部材のシール部は第1の充填断熱材と第2の充填断熱材とで挾持されている構成を具備する
【0019】
本発明の真空断熱部材を内包する断熱壁部材は、断熱材よりなる第1の板状断熱材を取り付けた外板となる第1の板と、断熱材よりなる第2の板状断熱材を取り付けた内板となる第2の板と、
第1の板状断熱材と第2の板状断熱材の間に配設される複数の真空断熱部材ユニットを備え各真空断熱部材ユニットは真空断熱部材と、真空断熱部材のシール部を保持するシール保持部よりなり、該シール保持部は、真空断熱部材のシール部を載置する第1のシール保持部と該第1のシール保持部に重合する第2のシール保持部よりなり、第1のシール保持部と第2のシール保持部でシール部を挾持している構成を具備する。
あるいは、真空断熱部材ユニットのシール保持部は、シール部を挿入する穴を凹設した柱状体よりなり、真空断熱部材のシール部はシール保持部の穴に挿入固定されている構成を具備している。
【0020】
本発明の真空断熱部材を内包する断熱壁部材は、外板となる第1の板と、内板となる第2の板と、第1の板と第2の板の間に配設される複数の真空断熱部材ユニットを備え、各真空断熱部材ユニットは真空断熱部材と、該真空断熱部材を被覆する第1の収納体と第2の収納体とを備え、第1の収納体は中央部分に凹設した真空断熱部材を嵌合する嵌合部を有し、第2の収納体は中央部分に凹設した真空断熱部材を嵌合する嵌合部を有し、第1の収納体と第2の収納体とを重合し第1の収納体の嵌合部と第2の収納体の嵌合部で真空断熱部材を収納するとともに、真空断熱部材のシール部を重合した収納体で挟持する構成を具備する。
【0021】
本発明の断熱壁部材の製造方法は、外板となる第1の板上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材を接着固定する第1の板状断熱材形成工程と、第1の板状断熱材上に非発泡性プラスチックフォームよりなる充填断熱部材と、真空断熱部材を順次配設する真空断熱部材配設工程と、充填断熱部材と真空断熱部材上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材と内板となる第2の板を重合して加圧接着する壁部材形成工程、を備え、真空断熱部材配設工程において、充填断熱部材は真空断熱部材のシール部を挾持する第1の充填断熱部材と第2の充填断熱部材を有し、真空断熱部材間に第1の充填断熱部材を載置し、該第1の充填断熱部材上に隣接する真空断熱部材のシール部を載せ、該シール部の上に第2の充填断熱部材を載置することを特徴とする。
【0022】
本発明の断熱壁部材の製造方法は、外板となる第1の板上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材を接着固定する第1の板状断熱材形成工程と、内板となる第2の板上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材を接着固定する第2の板状断熱材形成工程と、真空断熱部材とシール部を保持するシール保持部とにより真空断熱部材ユニットを形成するユニット形成工程と、真空断熱部材ユニットを板状断熱部材を接着固定する第1の板と、第2の板で挾持して加圧接着する壁部材形成工程を有し、ユニット形成工程において真空断熱部材のシール保持部は第1の保持部と第2の保持部を有し、シール部を挾持して真空断熱部材ユニットを形成する構成を備えている
【0023】
さらに、ユニット形成工程において、真空断熱部材を収納する断熱収納材は、真空断熱部材を嵌合する嵌合凹部を有する第1の収納体と第2の収納体よりなり、第1の収納体と第2の収納体とを重合し第1の収納体の嵌合部と第2の収納体の嵌合部で真空断熱部材を収納するとともに、真空断熱部材のシール部は第1の収納体と第2の収納体に挾持される構成を備えている。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面により説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る断熱壁部材の断面図を示す。
断熱壁部材50は外板、内板となる第1の板51A、第2の板51B、および断熱材であるスラブ材53、真空断熱部材60より構成されている。
第1の板51A、第2の板51Bはアルミ製、スチール製、あるいはFRP製の板状体である。
第1の板51Aには断熱効果を有する板状の第1のスラブ材53Aが、第2の板51Bには断熱効果を有する板状の第2のスラブ材53Bが貼着されている。板状のスラブ材53A,Bはスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の非発泡性プラスチックフォームよりなり、その厚さ寸法Sは、留め具を用いる場合に凹設する下穴の寸法+余裕分(α)以上、例えば、この実施例では下穴の寸法を15mmとすると余裕(α)を10mmとして25mm以上としている。
【0025】
第1、第2の板51A,Bとスラブ材53との接着剤52としては、熱可塑性接着剤(酢酸ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系等)、熱硬化性接着剤(アミノ系、尿素系、メラミン系、フェノール系、レゾルシール系、キシレン系、フラン系、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、不飽和ポリエステル系等)、ホットメルト系接着剤(反応硬化型を含む)、ゴム系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、合成水溶性接着剤、エマルジョン接着剤、液状ポリマー接着剤等がある。
特に、屋外の日射による温度上昇(約80〜90℃)を考慮すると、耐熱性のある熱硬化性のウレタン系、エポキシ系の接着剤及び反応硬化型ホットメルト系接着剤が有効である。
また、上記接着剤の中でも溶剤を含んだ接着剤は、含有の溶剤がプラスチックフォームを溶解したり、接着後徐々に溶剤が飛散し接着剥離の原因となることがあるため、無溶剤タイプの接着剤が好ましい。
【0026】
第1の板51Aに接着固定した第1のスラブ材53、第2の板51Bに接着固定した第2のスラブ材53Bとの間に真空断熱部材60を配設する。
第1、および第2のスラブ材53A,Bと真空断熱部材60は、接着剤62により接着されている。この場合、接着剤としては、熱可塑性接着剤(酢酸ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系等)、熱硬化性接着剤(アミノ系、尿素系、メラミン系、フェノール系、レゾルシール系、キシレン系、フラン系、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、不飽和ポリエステル系等)、ホットメルト系接着剤(反応硬化型を含む)、ゴム系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、合成水溶性接着剤、エマルジョン接着剤、液状ポリマー接着剤等の使用が可能である。
【0027】
真空断熱部材60は合成樹脂の連続発泡フォームをアルミラミネートフィルム61で被覆し、シール部65でシールして真空状態としている。
アルミラミネートフィルム61はナイロン層、アルミ(AL)を蒸着したポリエステル樹脂層、AL箔層、ポリエチレン層の積層体であって、ほぼ全体層厚83μmとなっている。
アルミラミネートフィルム61内への充填物としては、例えば、有機物系の連続発泡のウレタンフォーム及びその他樹脂の連続発泡フォーム(ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フェノール、ユリア、ABS、塩化ビニル、ナイロン、エチレンー酢酸ビニル、ラバー等)及び無機物系の発泡パーライト、シリカバルーン、ガラスマイクロバルーン、シリカ、含水珪酸、珪酸カルシウム、珪藻土、メチル化珪酸、炭酸マグネシウム、珪酸アルミナ、カーボンフォーム並びに繊維状ウール(グラスウール、石綿、アスベスト、セラミック繊維、綿ウール、ポリエステルウール、シリカアルミナウール等)等である。
【0028】
真空断熱部材60のフィルム61内の真空度は、特に規定しないが、10マイナス2乗Torr程度が真空への到達時間、及びその断熱効果から有効である。また、図示していないが、真空断熱材60の内部にゲッター剤を配設している。このゲッター剤は真空度維持を阻害するガスを吸着するものであって、活性炭、ゼオライトの吸着タイプ及び化学反応による吸着タイプの使用が可能である。真空断熱部材60は隣接する真空断熱部材60とは接触しないような適宜間隔をもって配設されている。
【0029】
第1のスラブ材53A,第2のスラブ材53B、および真空断熱部材60で囲まれた部分には充填スラブ材55を配設している。
充填スラブ材55は、第1のスラブ材53A,第2のスラブ材53Bと同じ、スチレンフォーム、ウレタンフォーム等の非発泡性のプラスチックフォームよりなり、第1の充填スラブ材55Aと、第2の充填スラブ材55Bで構成されている。
第1の充填スラブ材55A、第2の充填スラブ材55Bはその高さ寸法tを真空断熱部材60の高さ寸法Tの約半分 t=T/2 に設定されており、第1、第2の充填スラブ材55A,55Bを重合すると、真空断熱部材60の高さとなる。
そして、第1の充填スラブ材55Aと第2の充填スラブ材55Bとで、真空断熱部材60のシール部65を挾持し、接着固定されている。
【0030】
この壁部材50の製造方法を図2で説明する。
(1) 各々の板51A,Bにスラブ材53を接着する。
板厚寸法Sをほぼ25mmとした非発泡性プラスチックフォーム(スチレンフォーム、ウレタンフォーム等)製の板状のスラブ材53を、第1、第2の板51A,Bとの接合面のみ接着剤を介して接着する。このようにしてスラブ材53Aを接着した第1の板51Aとスラブ材53Bを接着した第2の板51Bを形成する。…a参照
(2) 第1のスラブ材53Aを接着した第1の板51Aのスラブ材53A上に、真空断熱部材60と非発泡性プラスチックフォームよりなる第1の充填スラブ材53Aを順次接着する。第1の充填スラブ材53Aの高さ寸法tは真空断熱部材60の高さ寸法Tの1/2となっているので、真空断熱部材60のシール部65が第1の充填スラブ材53Aの上に載置される。ここで、第1の充填スラブ材53Aの幅寸法Wは、隣接する真空断熱部材60のシール部65が接触しない寸法(シール部65の長さ寸法をwとすると、W≧2w)としている。…b参照
【0031】
(3) 第1の充填スラブ材55Aの上に非発泡性プラスチックフォームよりなる第2の充填スラブ材55Bを載置し、第1の充填スラブ材55Aと第2の充填スラブ材55Bとで、真空断熱部材60のシール部61を挾持する。
真空断熱部材60の高さ寸法Tの1/2の高さ寸法tを有する第1の充填スラブ材55Aと第2の充填スラブ材55Bを重ねることにより、この段階で第2の充填スラブ材55Bと真空断熱部材60は同一水平面を形成する。…c参照
(4) 第2の充填スラブ材55B、真空断熱部材60の上に、第2の板51Bの非発泡性プラスチックフォームよりなるスラブ材53B面を重ね、加圧接着する。…d参照
真空断熱部材60の上面に接着剤を塗布して加圧接着する、或いは、第2の板51Bのスラブ材53の真空断熱部材60との接着側の全面に接着剤を塗布し、真空断熱パネル60の上に置き加圧接着する。
【0032】
このようにして、形成される断熱壁部材50は、真空断熱部材60を第1、第2(内外)の板51A,51Bからスラブ材53の板厚、この場合は板厚Sを規定寸法(例えば25mm)に設定することにより、壁厚さ方向の約中央付近であって、内外板(51A,51B)からの規定寸法(25mm)を有する位置に確実に設置できる。また、この断熱部材50は真空断熱部材60以外の全域に断熱スラブ材を配設しているので、熱を伝え易い空間部が存在せず断熱良好な断熱壁部材となる。
【0033】
また、この断熱壁部材50は、車両使用時の振動・変形による曲げ、捻じり等の負荷が壁部材に加わった場合、あるいはフォークリフトの爪等による外的な損傷を受けた場合であっても、真空断熱部材60は壁厚さ方向の中央部分に設置されているので、フィルムへの応力は小さく、外傷が真空断熱部材60に達する場合が少ない。また、真空断熱部材60を挾持するスラブ材53A,Bの板厚Sがリベット締め用の下穴寸法以上を有しているので、断熱庫製作時のリベット打ちも真空断熱部材60を損傷させることなく実行できる。
【0034】
ここで、真空断熱部材60の両面を接着する接着剤は軟らかい接着剤が好ましい。すなわち、庫完成後の使用時に、壁部材50に負荷が加わったとしても接着剤が変形(伸張)して対応できるので、真空断熱部材60のアルミラミネートフィルムへの応力が軽減される。
軟らかい接着剤としては、例えば、日本NSC株式会社製のRTー16(商標名)等が適している。
さらに、断熱壁部材50は非発泡性のプラスチックフォームよりなる成形したスラブ材53、55と真空断熱部材60を構成メンバーとする部材であるので、原液注入後の発泡ウレタンフォームの冷却時に発生したヒケがなく、外観の体裁が良好となると共に、間隙がない製品組立てが実行でき、断熱効果が向上する。また、加圧プレス作業において、1回の加圧操作で複数枚の断熱壁部材を製造できる。
【0035】
以上説明したように、この実施例に示す断熱壁部材、その製造方法は、真空断熱部材60を内外板51A,Bから外力の影響を受けない位置である規定した寸法(リベット取り付けが可能な下穴深さ寸法+αの寸法)に確実に設置できると共に、壁厚さ方向の中央付近に設置されている真空断熱部材60は振動、捩じれ、外部からの力により断熱性を損なわれることなく、確実な断熱作用を実行する。
また、全ての構成部材が成形品であるので、ヒケのない外面体裁の良い壁部材を同時に複数枚製造することができる。
【0036】
(実施の形態2)
この実施の形態は真空断熱部材とスラブ材をユニット化した構造、およびその製造方法を示す。……図3、図4参照
この実施例に示す断熱壁部材70は、真空断熱部材60のシール部65を予め非発泡性のプラスチックフォームよりなるスラブ材で挾持し、ユニット化させた構成となっている。
この構成の断熱壁部材70の製造方法を説明する。
(1) 厚さ寸法S(例えば約25mm)の非発泡性プラスチックフォームよりなる第1の板状スラブ(断熱)材53Aを接着した外板となる第1の板51Aと、厚さ寸法S(例えば約25mm)の非発泡性プラスチックフォームよりなる第2の板状スラブ(断熱)材53Bを接着した内板となる第1の板51Bを形成する。
【0037】
(2) 次に、真空断熱部材ユニット70Uを形成する。…図4参照
真空断熱部材60にカットスラブ材77を接着固定する。
カットスラブ材77は真空断熱部材60のシール部65を挾持する第1のカットスラブ材77aと第2のカットスラブ材77bよりなる。
第1、第2のカットスラブ材77a,77bは、スチレンフォーム、ウレタンフォーム等の非発泡性プラスチックフォームよりなり、その高さ寸法tを真空断熱部材60の高さ寸法Tの1/2(t=T/2)、その幅寸法Wをシール部65の長さ寸法wと等しいか、わずかに長い寸法(W≧w)とした柱状体となっている。
真空断熱部材60のシール部65を第1のカットスラブ材77aと第2のカットスラブ材77bで挾持、接着固定して、真空断熱部材ユニット70Uを形成する。……図4a,b参照
(3) 先の、第1の板51Aの第1の板状スラブ材51A上に、真空断熱部材ユニット70Uを並べ、接着固定する。……図4c参照
(4) 真空断熱部材ユニット70Uの上に接着剤を介して第2の板51Bを接着した第2のスラブ材を載置して、接着する。
この例で示す接着剤は実施の形態1で説明した接着剤と同様の接着剤とする。
【0038】
このようにして、その両側を第1のカットスラブ材77aと第2のカットスラブ材77bで補強されてユニット化された真空断熱部材60は、所定の厚さ寸法を有する第1のスラブ材53A付きの第1の板51Aと、第2のスラブ材53A付きの第2の板51Bとで挾持され、断熱壁部材70を構成する。
【0039】
また、真空断熱部材60とスラブ材とのユニット化の他の実施例を、図5,6に示す。
この断熱壁部材80は真空断熱部材60のシール部65を挿入させる穴870を凹設したカットスラブ材87を配設している。
カットスラブ材87はスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の非発泡性プラスチックフォームよりなり、高さ寸法Tを真空断熱部材60の高さ寸法Tと同一とし、その幅寸法Wを真空断熱部材60のシール部65の長さ寸法wに等しいか、わずかに長い寸法(W≧w)とした柱状体となっている。そして、カットスラブ材87の一側面に穴870を凹設している。この穴870は高さ寸法Tのほぼ1/2の位置に、シール部65の長さwに凹設されている。
このように構成されるカットスラブ材87を真空断熱部材60の両側に配設する。このとき、真空断熱部材60のシール部65をカットスラブ材87の穴870に挿入させて接着固定させる。
この実施例に示すユニット80Uは真空断熱部材60の一側にカットスラブ材87aを、他の一側にカットスラブ材87bを配設して構成される。
【0040】
この実施の形態に示す断熱壁部材70、断熱壁部材80およびその製造方法は、真空断熱部材60を内包する壁部材において、最も工数のかかる真空断熱部材60のシール部65のプラスチックスラブ材による固定作業が、事前にユニット化することにより容易となり、加圧プレス作業前の工数の削減、生産性の向上が達成される。また、真空断熱部材60は内外板51A,Bから外力の影響を受けない位置、規定した寸法S(リベット取り付けが可能な下穴深さ寸法+αの寸法)に確実に設置でき、さらに、壁厚さ方向の中央付近に設置されている真空断熱部材60は振動、捩じれ、外部からの力により断熱性を損なわれず、確実な断熱作用を実行する。
【0041】
(実施の形態3)
この実施の形態は、真空断熱部材を断熱材である成形ビーズ発泡スチレンフォーム体で挾持させた構成となっている。……図7,図8参照
この断熱壁部材90は真空断熱部材60を第1の収納体95Aと第2の収納体95Bで被覆している。
第1の収納体95A,第2の収納体95Bは中央部分に、真空断熱部材60を嵌合させる嵌合部97を凹設している。収納体95は高さ寸法Hを有し、嵌合部97は深さ寸法tとし、かつ、嵌合部97の底部までの寸法Sとする。そして、嵌合部97の深さ寸法tは、ほぼ真空断熱部材60の高さ寸法Tの1/2(t≒T/2)、寸法Sは所定の寸法、リベット取り付けが可能な下穴深さ寸法+αの寸法、としている。すなわち、収納体95の高さ寸法Hは所定の寸法S+真空断熱部材60の高さ寸法の半分T/2(H=S+T/2)となっている。また、幅寸法Yは真空断熱部材60のシール部65を含めた幅寸法を寸法yとすると、ほぼ寸法yに等しいかわずかに長い寸法Y≧yとなっている。
第1、および第2の収納体95A,95Bは金型によりビーズ発泡スチレンから成形加工される。
【0042】
この断熱壁部材90の製造方法を説明する。…図8参照
(1) 第1の収納体95Aの嵌合部97に真空断熱部材60を嵌合させて接着する。シール部65は収納体95Aの上部に載置させる。…a,b参照
(2) 第1の収納体95Aの上部に第2の収納体95Bを載置して、接着固定する。このとき、第2の収納体95Bの嵌合部97に真空断熱部材60の露出部分を嵌合して、ユニット90Uを形成する。
(3) ユニット90Uを第1の板51A上に並設して固定する。そして、第2の板51Bをユニット90U上に接着して壁部材90を完成する。
この実施の形態で用いる接着剤は実施の形態1の接着剤と同様である。
【0043】
この断熱壁部材90は、真空断熱部材60を第1、第2の収納体95の嵌合部97内に収納させることによりユニット90Uを形成でき、ユニットの形成が容易となる。また、真空断熱部材60の位置規制をなすスラブ材が不必要となり、断熱壁部材90の部品点数の削減、および生産効率の向上が図れる。さらに、収納体95は真空断熱部材60を第1の板51A、および第2の板51Bから規定した寸法S(リベット取り付けが可能な下穴深さ寸法+αの寸法)の位置に確実に設置でき、さらに、壁厚さ方向の中央付近に設置されている真空断熱部材60は振動、捩じれ、外部からの力により断熱性を損なわれず、確実な断熱作用を実行する。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の断熱壁部材は、
1) 車両断熱庫の壁部材としたとき、輸送時の悪路走行や縁石乗り上げ等による庫の大きな変形、曲げ・捻じりの負荷が壁部材に加わっても、その応力が真空断熱部材に伝わらずフィルムが破れる可能性がない。
2) 断熱壁部材に庫内外からの損傷(フォークリフトの爪、庫外の障害物が壁に当たった傷等)があっても、真空断熱部材が損傷を受ける可能性がない。
3) 庫の内外面への部品(ラッシングレール、パレテナガイド、エアリブ等)やレール、アングルのリベット(通常フルステム式)取り付け時に、ドリルの下穴加工(深さ約15mm)及びリベットを穴の奥まで挿入されても真空断熱部材のフィルムに傷、穴等を空ける可能性が無く、断熱性を損なうことがない。
4) 注入プラスチックフォームのヒケによる外観品質の低下がなく、製品組立て時の組立て性が向上し、断熱性の向上が図られる。
5) プラスチックフォームスラブと真空断熱部材との接着構造であるから、1回の加圧プレス工程で複数枚の断熱壁部材を成形でき、生産効率の向上が図られる。
【0045】
本発明の断熱壁部材の製造方法は、確実に真空断熱部材を内外板から規定の寸法の位置に配設することができると共に、プラスチックフォームスラブと真空断熱部材との接着による断熱壁部材の製造であるから、1回の加圧プレス工程で複数枚の断熱壁部材を成形でき、生産効率の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に示す断熱壁部材の断面図。
【図2】その壁部材の構成説明図。
【図3】本発明の実施の形態2に示す断熱壁部材の断面図。
【図4】その構成説明図。
【図5】さらに他の実施例の構成説明図。
【図6】真空断熱部材ユニットの説明図。
【図7】本発明の実施の形態3に示す断熱壁部材の断面図。
【図8】その構成説明図。
【図9】原液注入装置の説明図。
【図10】従来の壁部材製造装置の説明図。
【図11】従来の壁部材の説明図。
【図12】車両の斜視図。
【図13】従来のリベット取付説明図。
【図14】家電冷蔵庫の壁構造の説明図。
【図15】従来の車両の断熱壁構造の説明図。
【図16】従来の車両の断熱壁構造の説明図。
【符号の説明】
50,70,80,90 断熱壁部材
51A 第1の板
51B 第2の板
53 スラブ材
55 充填スラブ材
60 真空断熱部材
65 シール部
70U,80U,90U ユニット体
77 カットスラブ材
95 収納部

Claims (9)

  1. 外板と内板との間に真空断熱部材を内包する断熱壁部材において、
    外板となる第1の板と、第1の板上に配設される断熱材よりなる第1の板状断熱材と、
    第1の板状断熱材上にシール部を対向させて並設される複数の真空断熱部材と、
    並設されている真空断熱部材の上に配設される断熱材よりなる第2の板状断熱材と、
    第2の板状断熱材の上に配設される内板となる第2の板と、
    第1の板と第2の板との間の第1の板状断熱材、真空断熱部材、第2の板状断熱材で囲まれる部分に配設される充填断熱材と、を備え、
    前記充填断熱材は隣接する真空断熱部材のシール部を載置する第1の充填断熱材と該第1の充填断熱材に重合する第2の充填断熱材とを有し、隣接する真空断熱部材のシール部は第1の充填断熱材と第2の充填断熱材とで挾持されてなる断熱壁部材。
  2. 外板と内板との間に真空断熱部材を内包する断熱壁部材において、
    断熱材よりなる第1の板状断熱材を取り付けた外板となる第1の板と、
    断熱材よりなる第2の板状断熱材を取り付けた内板となる第2の板と、
    第1の板状断熱材と第2の板状断熱材の間に配設される複数の真空断熱部材ユニットを備え、
    各真空断熱部材ユニットは真空断熱部材と、真空断熱部材のシール部を保持するシール保持部よりなり、該シール保持部は、真空断熱部材のシール部を載置する第1のシール保持部と該第1のシール保持部に重合する第2のシール保持部よりなり、第1のシール保持部と第2のシール保持部でシール部を挾持していることを特徴とする断熱壁部材。
  3. 外板と内板との間に真空断熱部材を内包する断熱壁部材において、
    断熱材よりなる第1の板状断熱材を取り付けた外板となる第1の板と、
    断熱材よりなる第2の板状断熱材を取り付けた内板となる第2の板と、
    第1の板状断熱材と第2の板状断熱材の間に配設される複数の真空断熱部材ユニットを備え、
    各真空断熱部材ユニットは真空断熱部材と、真空断熱部材のシール部を保持するシール保持部よりなり、前記シール保持部は、シール部を挿入する穴を凹設した柱状体よりなり、真空断熱部材のシール部はシール保持部の穴に挿入固定されていることを特徴とする断熱壁部材。
  4. 外板と内板との間に真空断熱部材を内包する断熱壁部材において、
    外板となる第1の板と、内板となる第2の板と、第1の板と第2の板の間に配設される複数の真空断熱部材ユニットを備え、
    各真空断熱部材ユニットは真空断熱部材と、該真空断熱部材を被覆する第1の収納体と第2の収納体とを備え、第1の収納体は中央部分に凹設した真空断熱部材を嵌合する嵌合部を有し、第2の収納体は中央部分に凹設した真空断熱部材を嵌合する嵌合部を有し、第1の収納体と第2の収納体とを重合し第1の収納体の嵌合部と第2の収納体の嵌合部で真空断熱部材を収納するとともに、真空断熱部材のシール部を重合した収納体で挟持してなる断熱壁部材。
  5. 前記真空断熱部材ユニットの幅寸法をY,真空断熱部材のシール部を含めた幅寸法をyとしたとき、Y≧yであることを特徴とする請求項4記載の断熱壁部材。
  6. 外板と内板との間に真空断熱部材を内包する断熱壁部材の製造方法において、
    外板となる第1の板上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材を接着固定する第1の板状断熱材形成工程と、
    第1の板状断熱材上に非発泡性プラスチックフォームよりなる充填断熱部材と、真空断熱部材を順次配設する真空断熱部材配設工程と、
    充填断熱部材と真空断熱部材上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材と内板となる第2の板を重合して加圧接着する壁部材形成工程、を備え、
    真空断熱部材配設工程において、充填断熱部材は真空断熱部材のシール部を挾持する第 1の充填断熱部材と第2の充填断熱部材を有し、真空断熱部材間に第1の充填断熱部材を載置し、該第1の充填断熱部材上に隣接する真空断熱部材のシール部を載せ、該シール部の上に第2の充填断熱部材を載置することを特徴とする断熱壁部材の製造方法
  7. 外板と内板との間に真空断熱部材を内包する断熱壁部材の製造方法において、
    外板となる第1の板上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材を接着固定する第1の板状断熱材形成工程と、
    内板となる第2の板上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材を接着固定する第2の板状断熱材形成工程と、
    真空断熱部材とシール部を保持するシール保持部とにより真空断熱部材ユニットを形成するユニット形成工程と、
    真空断熱部材ユニットを、板状断熱部材を接着固定する第1の板と第2の板で挾持して加圧接着する壁部材形成工程を有し、
    ユニット形成工程において真空断熱部材のシール保持部は第1の保持部と第2の保持部を有し、シール部を第1の保持部と第2の保持部で挾持させて真空断熱部材ユニットを形成することを特徴とする断熱壁部材の製造方法
  8. 外板と内板との間に真空断熱部材を内包する断熱壁部材の製造方法において、
    外板となる第1の板上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材を接着固定する第1の板状断熱材形成工程と、
    内板となる第2の板上に非発泡性プラスチックフォームよりなる板状断熱材を接着固定する第2の板状断熱材形成工程と、
    真空断熱部材とシール部を保持するシール保持部とにより真空断熱部材ユニットを形成するユニット形成工程と、
    真空断熱部材ユニットを、板状断熱部材を接着固定する第1の板と第2の板で挾持して加圧接着する壁部材形成工程を有し、
    ユニット形成工程において真空断熱部材のシール保持部はシール部保持可能な凹部を有し、ユニット形成工程において保持部の凹部にシールを挿入することにより真空断熱部材ユニットを形成することを特徴とする断熱壁部材の製造方法
  9. 外板と内板との間に真空断熱部材を内包する断熱壁部材の製造方法において、
    真空断熱部材を断熱収納体内に収納してユニット化するユニット形成工程と、
    真空断熱部材ユニットを外板となる第1の板と内板となる第2の板とで挾持して加圧接着する壁部材形成工程と、を備え、
    前記ユニット形成工程において、真空断熱部材を収納する断熱収納材は、真空断熱部材を嵌合する嵌合凹部を有する第1の収納体と第2の収納体よりなり、第1の収納体と第2の収納体とを重合し第1の収納体の嵌合部と第2の収納体の嵌合部で真空断熱部材を収納するとともに、真空断熱部材のシール部は第1の収納体と第2の収納体に挾持されることを特徴とする断熱壁部材の製造方法。
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