JP3909295B2 - 断熱パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来における冷凍保冷車の一例を模式的に示したもので、ここに図示している冷凍保冷車1においては、キャブ2後部のシャシフレーム3上に冷凍保冷庫を成す箱形の荷台4が搭載されており、この荷台4の土台部分にあたる床構造5を取り囲む前壁6、後壁7、左右の側壁8、屋根9の夫々が、図5に示す如き断熱パネル10により構成されている。
【0003】
即ち、この断熱パネル10は、アルミニウム製の外板11と内板12との間に、スチレンやウレタン等の発泡断熱材13を挟んで接着剤14により貼り合わせたサンドイッチ構造を成すようにしてある。
【0004】
ところが、近年においては、前述した如き発泡断熱材13より断熱性能に優れ且つ軽量な真空断熱材を利用して断熱パネルを構成することが実用化されてきている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−267344号公報
【0006】
図6に一例を示している通り、真空断熱材15とは、連続気泡硬質ウレタンフォーム等をコア材16として使用し、これを図示しないゲッター剤(真空度劣化防止のガス吸着剤)と共に空気や水蒸気等の気体を殆ど通さないアルミコルゲートフィルム等の気密フィルム17により被包し、その内部を真空ポンプでほぼ真空になるまで排気した後に密封したものである。
【0007】
ただし、前記真空断熱材15のコア材16としては、連続気泡硬質ウレタンフォーム等の多孔質材料の他、シリカ等の粉末凝固材料やグラスウール等の繊維質材料を採用することも可能である。
【0008】
尚、コア材16を気密フィルム17で真空密封するに際し、気密フィルム17には余裕寸法が必要であるので、気密フィルム17の縁部を圧着により閉じ合わせた封止箇所には、前記余裕寸法分を含んだ圧着片部18が残ることになる。
【0009】
そして、斯かる真空断熱材15を利用して断熱パネルを構成するにあたっては、図7に示す如く、真空断熱材15の周囲に発泡断熱材13を充填して硬化させることにより該発泡断熱材13の内部に真空断熱材15を埋め込んだ断熱パネル19としたり、或いは、図8に示す如く、一対のパネル型の発泡断熱材13,13の間に真空断熱材15を挟んで接着剤14により一枚ずつ貼り合わせたサンドイッチ構造の断熱パネル20としたりしていた。尚、図8中における21は硬質ウレタンフォーム等から成る補強柱を示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる真空断熱材15を利用した断熱パネル19,20のリサイクル性を考慮した場合、前者のような発泡断熱材13内部への真空断熱材15の埋め込みや、後者のような発泡断熱材13表面への真空断熱材15の接着といった方式では、特殊な廃棄処理を必要とする真空断熱材15を発泡断熱材13から良好に解体して分別することが困難であり、その廃棄時におけるリサイクル性が悪いという問題があった。
【0011】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、発泡断熱材等から良好に真空断熱材を解体して分別し得るようにしたリサイクル性の良い断熱パネルを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コア材を気密フィルムにより被包して真空密封した真空断熱材と、該真空断熱材を一枚ずつ嵌め込んで平面状に配列し得るよう複数の窪み部を片側面に並設したパネル型の発泡断熱材とを備え、前記真空断熱材をその封止箇所に残る圧着片部を撓ませつつ前記各窪み部に嵌め込み、前記真空断熱材の周囲の間隙をスポンジの圧入により塞ぎ且つ前記圧着片部を発泡断熱材の窪み部の内周面に当接するようにスポンジの押し込み側へ湾曲させることで弾性復帰力を効かせて前記真空断熱材を固定し、発泡断熱材の窪み部がある片側面に外板を被覆し且つ該外板と発泡断熱材との当接箇所のみを接着したことを特徴とする断熱パネル、に係るものである。
【0013】
而して、このようにすれば、発泡断熱材の各窪み部に真空断熱材を嵌め込んで周囲にスポンジを圧入するだけで、圧着片部の弾性復帰力を効かせながら真空断熱材を発泡断熱材の各窪み部にしっかりと固定することが可能となり、しかも、真空断熱材の周囲の隙間をスポンジで埋めて熱対流を阻止するようにもしてあるので、真空断熱材の発泡断熱材への埋め込みや接着といった解体性の悪い方式を採用することなく、断熱性能に優れた軽量の断熱パネルを製作することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図4〜図8と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0018】
図1〜図3に示す如く、本形態例においては、冷凍保冷車1の荷台4(図4参照)を形成するための断熱パネル22の場合で例示してあり、コア材16を気密フィルム17により被包して真空密封した真空断熱材15(図6参照)を、パネル型の発泡断熱材23(図2参照)の片側面に一体成形した複数の窪み部24に一枚ずつ嵌め込んで平面状に配列し得るようにしてある。
【0019】
ここで、発泡断熱材23の各窪み部24は、真空断熱材15の外形より若干小さく形成してあり、前記各窪み部24に真空断熱材15を嵌め込むに際し、図3に示す如く、真空断熱材15をその封止箇所に残る圧着片部18を撓ませつつ嵌め込み、次いで、前記真空断熱材15の周囲の隙間をスポンジ25の圧入により塞ぎ且つ前記圧着片部18をスポンジ25の押し込み側へ湾曲させることで弾性復帰力を効かせて前記真空断熱材15を固定するようにしている。
【0020】
そして、発泡断熱材23の窪み部24のある片側面にアルミニウム製の外板11を被覆して、該外板11と発泡断熱材23との当接箇所のみを接着剤14により接着し、他方、発泡断熱材23の残りの片側面にアルミニウム製の内板12を被覆して、該内板12と発泡断熱材23とを接着剤14により接着している。
【0021】
而して、このような断熱パネル22を採用すれば、発泡断熱材23の各窪み部24に真空断熱材15を嵌め込んで周囲にスポンジ25を圧入するだけで、圧着片部18の弾性復帰力を効かせながら真空断熱材15を発泡断熱材23の各窪み部24にしっかりと固定することが可能となり、しかも、真空断熱材15の周囲の隙間をスポンジ25で埋めて熱対流を阻止するようにもしてあるので、真空断熱材15の発泡断熱材23への埋め込みや接着といった解体性の悪い方式を採用することなく、断熱性能に優れた軽量の断熱パネル22を製作することが可能となる。
【0022】
従って、上記形態例によれば、真空断熱材15の発泡断熱材23への埋め込みや接着といった解体性の悪い方式を採用しなくて済むので、廃棄時に発泡断熱材23から良好に真空断熱材15を解体して分別することができ、これによって、リサイクル性の良い断熱パネル22を実現することができる。
【0028】
尚、本発明の断熱パネルは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、冷凍保冷車以外に、寒冷地における保温車、冷凍庫、保温庫等にも適用し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
上記した本発明の断熱パネルによれば、真空断熱材の発泡断熱材への埋め込みや接着といった解体性の悪い方式を採用しなくて済むので、廃棄時に発泡断熱材から良好に真空断熱材を解体して分別することができ、これによって、リサイクル性の良い断熱パネルを実現することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する形態の一例を示す断面図である。
【図2】 図1の発泡断熱材の全体構造を示す斜視図である。
【図3】 図1の発泡断熱材の窪み部に真空断熱材を嵌め込んだ状態を示す断面図である。
【図4】 従来における冷凍保冷車の一例を模式的に示す概略図である。
【図5】 図4の荷台を形成している断熱パネルの詳細を示す断面図である。
【図6】 真空断熱材の詳細を示す断面図である。
【図7】 図6の真空断熱材を利用した断熱パネルの従来例を示す断面図である。
【図8】 図6の真空断熱材を利用した断熱パネルの別の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
15 真空断熱材
16 コア材
17 気密フィルム
18 圧着片部
22 断熱パネル
23 発泡断熱材
24 窪み部
25 スポンジ
30 両面テープ
Claims (1)
- コア材を気密フィルムにより被包して真空密封した真空断熱材と、該真空断熱材を一枚ずつ嵌め込んで平面状に配列し得るよう複数の窪み部を片側面に並設したパネル型の発泡断熱材とを備え、前記真空断熱材をその封止箇所に残る圧着片部を撓ませつつ前記各窪み部に嵌め込み、前記真空断熱材の周囲の間隙をスポンジの圧入により塞ぎ且つ前記圧着片部を発泡断熱材の窪み部の内周面に当接するようにスポンジの押し込み側へ湾曲させることで弾性復帰力を効かせて前記真空断熱材を固定し、発泡断熱材の窪み部がある片側面に外板を被覆し且つ該外板と発泡断熱材との当接箇所のみを接着したことを特徴とする断熱パネル。
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