JP3572772B2 - 半導体封止用金型装置及びこの金型装置を用いた半導体封止装置並びに半導体装置の封装樹脂成形方法 - Google Patents

半導体封止用金型装置及びこの金型装置を用いた半導体封止装置並びに半導体装置の封装樹脂成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップが実装配線された半導体装置用リードフレームに対して上記半導体チップを封装する封装樹脂をアウトサート成形する半導体封止用金型装置及びこの半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装置並びに半導体装置の封装樹脂成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置1は、一般に、図1に示すように、所定の回路等が集積形成された半導体チップ2が導電性金属薄板上に実装されるとともに、この金属薄板に形成したリード端子群3と電気的に接続された状態でエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂を材料とした封装樹脂5によって封装されて構成されている。リード端子群3は、一端部が半導体チップ2の外周部に延在されるとともに、他端部が封装樹脂5から突出露呈されて接続端子片4を構成している。半導体装置1には、封装樹脂5の表面に実装位置等を表示する位置決め指標6や図示しない仕様表示等が設けられている。なお、これら位置決め指標6や仕様表示等は、例えば封装樹脂5のインサート成形時に、半導体封止用金型装置によって形成される。
【0003】
上述した半導体装置1の製造には、図42に示した導電性金属薄板を素材として帯状に形成されたリードフレーム200が用いられる。このリードフレーム200は、生産効率の向上を図るために、いわゆる多数個取りの構成が採用されており、それぞれ半導体チップ2が実装位置される複数のチップ実装部201が長手方向に所定の間隔を以って設けられる。チップ実装部201には、例えばその中央部に半導体チップ2を収納位置させる開口部が開設されるとともに、一端部がこの開口部の周辺部に延在する多数のリード端子部202がそれぞれの領域に形成されている。
【0004】
また、リードフレーム200には、幅方向の両側縁に沿って搬送ガイド部203が形成されている。この搬送ガイド部203は、一定の間隔を以って開設された多数個のパーホレーション204A、204Bによって構成されている。したがって、リードフレーム200は、この搬送ガイド部203により位置決めされた状態で図示しない搬送手段によって搬送され、半導体チップ2の実装工程と、半導体チップ2とリード端子群3とのワイヤボンディング法等による配線工程と、半導体封止用金型装置を用いて半導体チップ2を熱硬化性合成樹脂によって封装する樹脂封装工程或いは外周リード部の切断等の工程等が施されて半導体装置1を連続して製造する。
【0005】
半導体装置1の製造は、一般に生産効率を図るために上述したリードフレーム200の多数個取りの構成とともに、一対の第1のリードフレーム200Aと第2のリードフレーム200Bとが互いに平行状態とされて搬送手段によって上述した工程を同時に搬送される。なお、図42は、樹脂封装工程の概略構成図を示し、第1のリードフレーム200Aと第2のリードフレーム200Bとに跨がって配設される半導体封止用金型装置については図示が省略されている。半導体封止用金型装置は、互いに接離動作される上下一対の金型部材から構成され、その対向面間に第1のリードフレーム200Aと第2のリードフレーム200Bとを通過させるとともに材料樹脂が充填硬化して実装された半導体チップ2を封装する封装樹脂5をアウトサート成形するキャビティがそれぞれ構成されている。
【0006】
また、半導体封止用金型装置は、第1のリードフレーム200Aと第2のリードフレーム200Bとの間に位置して、下金型部材側に材料樹脂供給部が配設されている。材料樹脂供給部は、加熱手段が付設されるとともに底面部に押出し部材が移動自在に配設されている。この材料樹脂供給部には、例えばタブレット状とされたエポキシ樹脂等の材料樹脂が装填される。
【0007】
半導体封止用金型装置は、加熱手段によって、材料樹脂供給部207やランナー部及びキャビティの各部位が材料樹脂211の溶融温度である175°C程度に温調されている。材料樹脂211は、材料樹脂供給部207内において加圧、加熱されることにより粘度の低い溶融状態とされる。
【0008】
半導体封止用金型装置には、材料樹脂供給部207から第1のリードフレーム200Aと第2のリードフレーム200Bに達するランナー部が設けられ、さらにこのランナー部とキャビテイとの間に位置してゲート部が設けられている。半導体封止用金型装置は、チップ実装部201にそれぞれ半導体チップ2が実装された第1のリードフレーム200Aと第2のリードフレーム200Bとが搬送されると、下金型部材に対して上金型部材が移動動作して型締め動作が行われる。半導体封止用金型装置は、この型締め状態で押出し部材が動作されて、材料樹脂供給部207から溶融状態の材料樹脂211を各ランナー部へと押し出す。材料樹脂211は、このランナー部からゲート部を介してそれぞれキャビティ内へと充填される。
【0009】
半導体封止用金型装置は、上金型部材と下金型部材とを型締め状態に保持して所定の時間加熱することによって材料樹脂211を硬化させた後、下金型部材に対して上金型部材が移動動作されて型開き動作が行われる。これによって、リードフレーム200には、半導体チップ2の外周部を封装する封装樹脂5がアウトサート成形される。半導体封止用金型装置には、搬送手段によってリードフレーム200の次の領域が搬送位置され、上述した封装樹脂5のアウトサート成形が行われる。
【0010】
以下、この封装樹脂5のアウトサート成形が順次行われて、リードフレーム200上に実装された複数個の半導体チップ2の封装樹脂5による封装工程が終了する。なお、封装樹脂5は、リードフレーム200に形成されたリード端子部202の先端部近傍までを封装している。
【0011】
リードフレーム200は、実装された半導体チップ2に対する封装樹脂5による封装工程が終了すると、搬送手段によって外周リード部の切断工程へと搬送される。この外周リード部の切断は、例えば外形打抜き金型を用いて行われる。外形打抜き金型は、リード端子部の先端部を残してリードフレーム200の他の外周部分を切断除去して図1に示した上述した半導体装置1を完成させる。
【0012】
この切断工程においては、図42に示した封装樹脂5とランナー樹脂部208との間に存在するゲート樹脂部209の切断も行われる。このゲート樹脂部209は、リードフレーム200の下方部にリード端子部の領域中に位置して存在する。ゲート樹脂部209は、半導体装置1に大きく突出した状態で残されている場合、この半導体装置1を回路基板等に実装する際に大きな障害となるため、精密に切断されなければならない。したがって、従来の半導体製造方法によれば、専用のゲート切断機が用いて、このゲート樹脂部209をリードフレーム200から切断していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のリードフレーム200に対する封装樹脂5のアウトサート成形法においては、種々の部位に材料樹脂211のバリが発生する。材料樹脂211のバリは、図42に示すように、材料樹脂供給部207の開口端部の周囲に発生する装填部バリ212、材料樹脂供給部207から導かれるランナー部がリードフレーム200を横断する部位に発生する横断部バリ213或いはリード端子部202の周辺に発生する端子部バリ214等に大別される。
【0014】
装填部バリ212は、材料樹脂供給部207を構成する上金型部材と下金型部材との型合せ面において材料樹脂211がはみ出して硬化することにより発生する。この装填部バリ212は、インサート成形後のエアー処理やブラッシング処理によって除去することが可能である。
【0015】
装填部バリ212は、上述したように次の切断工程においてリードフレーム200のリード部分が切断除去されることから、半導体装置1への影響は無い。しかしながら、この装填部バリ212は、半導体装置1が自動機によって製造される場合に、次工程への搬送等に際してリードフレーム200の引掛り、位置決め不良等の原因となり好ましくない。また、この装填部バリ212は、不安定な状態で付着することから、搬送途中で脱落し、可動機構部等の動作に支障を与えるといった問題を生じさせる。
【0016】
横断部バリ213は、リードフレーム200の外側に配置された材料樹脂供給部207からランナー部を介して半導体封止用金型装置のキャビティに導かれる材料樹脂211がリードフレーム200の側端部においてはみ出して硬化することにより発生する。すなわち、リードフレーム200は、そのパーホレーション204にガイドピンが相対係合されることによって、下金型金型のリードフレーム装着部に位置決めされた状態で装着される。
【0017】
リードフレーム200は、パーホレーション204の中心と側端部との間隔寸法及びパーホレーション204の内径寸法とが所定の公差を以って規定されている。例えば、この公差は、それぞれ±0.05mmとされている。また、リードフレーム200は、パーホレーション204に対してガイドピンがスムーズに相対係合されるために、適当なクリアランスが設定されている。例えば、クリアランスは、0.01mmに設定されている。
【0018】
リードフレーム200と下金型部材とは、上述した条件とともに各部の加工誤差或いは組立誤差も考慮して、パーホレーション204とガイドピンとが係合可能とされて位置決めされるように構成される。また、リードフレーム200と下金型部材とは、リードフレーム200の熱膨張による寸法変化を考慮して、パーホレーション204とガイドピンとが係合可能とされて位置決めされるように構成される。
【0019】
このため、リードフレーム200と下金型部材には、側端部とリードフレーム装着壁との間に間隙221が構成されることになる。この間隙は、その寸法が最大で0.12mmにも達する。
【0020】
下金型部材は、上述したようにリードフレーム200の装着部に対して外方に位置して材料樹脂供給部107が配置された構成であることから、この材料樹脂供給部207からランナー部がリードフレーム200を横切ってキャビティへと導かれている。したがって、材料樹脂供給部207から押し出された材料樹脂211は、ランナー部において、間隙からはみ出して硬化することにより横断部バリ213を発生させる。
【0021】
この横断部バリ213は、上述した装填部バリ212と同様に、次の切断工程においてリードフレーム200のリード部分が切断除去されることから、半導体装置1への影響は無い。しかしながら、この横断部バリ213は、半導体装置1が自動機によって製造される場合に、次工程への搬送に際してリードフレーム200の引掛り、位置決め不良等の原因となり好ましくない。また、横断部バリ213は、リードフレーム200に不安定な状態で付着することから、搬送途中で脱落し、可動機構部等の動作に支障を与えるといった問題を生じさせる。
【0022】
端子部バリ214は、チップ実装部201に実装された半導体チップ2を封装する封装樹脂5のキャビティを構成する上金型部材と下金型部材との型合せ面から、チップ実装部201の周囲に打抜き形成されたリード端子部に沿ってはみ出した材料樹脂211が硬化することによって発生する。この端子部バリ214は、各リード端子間に跨がった薄膜状を呈するバリであり、リードフレーム200内に発生するため、上述した装填部バリ212や横断部バリ213のように搬送時等に際しての影響は少ない。
【0023】
すなわち、リードフレーム200は、上述した金属薄板を材料として一般に精密プレスによって打抜き形成される。このリードフレーム200には、プレス加工の特性から剪断端面にダレ部とカエリ部とが発生し、精密な均一面として構成することが困難である。また、リードフレーム200は、いわゆるスプリングバック現象によって全体として湾曲した状態となる。
【0024】
したがって、従来の半導体封止用金型装置においては、上述したダレ部とカエリ部とが発生するリードフレーム200の両端部を上金型部材と下金型部材とによって強く押し付けることにより端子部バリ214の発生を防止するように構成されていた。この上金型部材と下金型部材との型締め力は、ランナー部が横切るリードフレーム200の一端部からゲート部に対応する部位と、封装樹脂5が充填されるキャビティの外周部と、封装樹脂5の位置決め部に対応する部位及びリードフレーム200の他端部において、型締め力が大となるように構成されていた。このように、従来の半導体封止用金型装置においては、各部において型締め力を異にすることから構造が複雑となるとともにその型締め力の調整が極めて面倒であった。
【0025】
また、樹脂封止装置は、型締め状態でキャビティの外周部に隙間が形成されないように、下金型部材に設けた材料樹脂供給部207の開口部と上金型部材の主面との間に、微小な間隔が保持される。リードフレーム200は、その厚み寸法の公差を±0.01mmで形成されている。したがって、この間隔は、0.01mm〜0.02mmに設定されることになる。
【0026】
このように半導体封止用金型装置は、材料樹脂供給部207における型締め力が実質的に小ならしめられることによってキャビティにおける十分な型締め力が確保され、このキャビティの外周部における端子部バリ214の発生が抑制されることになる。換言すれば、半導体封止用金型装置においては、端子部バリ214を抑制する構成を採用することによって、材料樹脂供給部207の開口部に上述した装填部バリ212が必然的に発生することになる。
【0027】
このように、従来のリードフレーム200に対する封装樹脂5のアウトサート成形法においては、このリードフレーム200及び半導体封止用金型装置の構成上、種々の部位に材料樹脂211のバリ、すなわち、装填部バリ212、横断部バリ213或いは端子部バリ214等が必然的に発生し、これらのバリが搬送等に際してリードフレーム200の引掛り現象や脱落による可動部等への障害といった問題を生じさせていた。
【0028】
また、従来のリードフレーム200に対する封装樹脂5のアウトサート成形法によれば、半導体封止用金型装置がその各部を高精度に仕上げることによって型締め力を部分的に調整するように構成されるため、この半導体封止用金型装置の製造コストが極めて大となるといった問題点があった。さらに、半導体封止装置は、半導体封止用金型装置に対して大きな型締め力を作用させることから、大型かつ高価となるといった問題があった。
【0029】
さらにまた、従来のリードフレーム200に対する封装樹脂5のアウトサート成形法においては、リード端子部202の先端部を残してリードフレーム200の他の外周部分を切断除去するリード外形打抜き金型と、ゲート樹脂部209を切断する専用のゲート切断機とが必要とされ、設備全体が大型化するとともに工程も多いといった問題点があった。しかも、ゲート樹脂部209は、封装樹脂5の周面にゲート痕を突出させた状態で切断されることから、このゲート痕がリード外形打抜き金型を破損させるといった問題を生じさせる虞れもあった。
【0030】
さらにまた、従来のリードフレーム200に対する封装樹脂5のアウトサート成形法においては、リードフレーム200の外方に位置して材料樹脂供給部207が設けられるとともにランナー部224を介して材料樹脂211をキャビティ205A、206Aへと引き込むことから、材料樹脂211の量も多く必要となりかつキャビティ205A、206A内への充填時間も長くなることから成形サイクルが長くなるといった問題点があった。
【0031】
また、従来のリードフレーム200に対する封装樹脂5のアウトサート成形法においては、半導体チップ2や半導体装置1自体の仕様に伴って外形形状等が異にされることから、その都度半導体封止用金型装置の交換、コンベア等の搬送手段の位置調整、或いはリードフレーム200の供給機構の交換等の段取りに多くの時間が必要とされ生産性が悪くなるといった問題があった。さらに、半導体封止用金型装置は、高温であるとともに極めて重いため、交換等の取扱い作業が面倒であるばかりでなく危険でもあるといった問題があった。
【0032】
したがって、本発明は、半導体チップを実装したリードフレームに封装樹脂をアウトサート成形してリードフレーム組立体を成形する半導体封止用成形金型装置において、材料樹脂のバリが各部に発生することを抑制して工程全体の合理化を図るとともに、小型化かつコスト低減、材料樹脂の少量化を達成した半導体封止用金型装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0033】
また、本発明は、合理化された工程と、小型化、コストダウン或いは材料樹脂の少量化が図られた半導体封止用金型装置を各工程に対応して巡回搬送させることによって、効率良く半導体装置を生産するようにした半導体封止装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0034】
さらに、本発明は、小型化、コストダウン或いは材料樹脂の少量化が図られた樹脂封止装置を用いて、合理化された工程によって半導体装置を生産性良く製造するようにした半導体装置の封装樹脂成形方法を提供することを目的に提案されたものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成した本発明に係る半導体封止用金型装置は、半導体チップを実装したリードフレームが装填されるとともにこのリードフレームに半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成形されたリードフレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティを構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部材と、この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置され、上記第1のキャビティと協動して封装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形成された第2の金型部材と、上記第1の金型部材内に設けられ、熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される材料樹脂装填部と、この材料樹脂装填部に装填されるとともに溶融状態とされた上記材料樹脂を上記キャビティ内へと供給する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、上記第1の金型部材内に設けられ、上記半導体チップが上記封装樹脂によって封装された上記リードフレーム組立体を上記キャビティから突き出して離型するイジェクトピンを有するイジェクト機構とを備え、上記第1の金型部材と第2の金型部材には、型締め状態に自己保持する型締保持機構が設けられるとともに、これら第1の金型部材と第2の金型部材とが設置される本体装置側の駆動機構によって上記材料樹脂供給機構及びイジェクト機構が駆動され、上記型締保持機構は、上記第1の金型部材又は第2の金型部材に一端部を回動自在に支持されるとともに第1の係合部が形成された一対の第1のリンクレバー及びこれら第1のリンクレバーの他端部にそれぞれ回動自在に支持されるとともに自由端部が互いに連結部材を介して連結された一対の第2のリンクレバーとからなるトグル型締め機構と、上記第1のリンクレバーの第1の係合部に対応して上記第2の金型部材又は第1の金型部材にそれぞれ設けられた一対の第2の係合部とから構成され、上記トグル型締め機構は、上記第1のリンクレバーと第2のリンクレバーとがすぼまった状態に動作されることによって、上記第1のリンクレバーに設けられた上記第1の係合部が対応する上記第2の係合部にそれぞれ相対係合されて、上記第1の金型部材と第2の金型部材とを型締めした状態に自己保持することを特徴とする。
【0036】
以上のように構成された本発明に係る半導体封止用金型装置によれば、第1の金型部材と第2の金型部材とが型開き状態において、材料樹脂装填部に材料樹脂が装填されるとともにその内部で溶融状態とされ、かつ第1の金型部材に半導体チップを実装したリードフレームが位置決めされた状態で装着される。半導体封止用金型装置は、第1の金型部材と第2の金型部材とが型締め動作されるとともに型締保持機構によってその型締め状態が自己保持され、材料樹脂供給機構が動作されて押出手段により材料樹脂装填部から溶融状態の材料樹脂がキャビティ内へと押し出される。
【0037】
半導体封止用金型装置は、キャビティ内に充填された材料樹脂が硬化するまで型締保持機構による型締め状態が自己保持されるとともに、型締保持機構の解除によって第1の金型部材と第2の金型部材とが型開き動作されるとイジェクト機構が駆動されてイジェクトピンにより半導体チップを封装する封装樹脂をアウトサート成形したリードフレーム組立体を第1の金型部材から突き出す。
【0038】
半導体封止用金型装置は、材料樹脂が装填される材料樹脂供給部に対応してカル部が内部に設けられたリードフレームに、半導体チップを封装する封装樹脂をアウトサート成形してリードフレーム組立体を製造することから、材料樹脂供給部とキャビティ間を連結するランナー部にリードフレームの横断部位を構成せずかつその短縮化を図る。したがって、半導体封止用金型装置は、ランナー部のリードフレーム横断部に発生するバリを生じさずその処理のための後工程を不要とさせかつ外周部の切断とゲート切断とを同一工程によって行うことを可能として工程の合理化を達成し、さらに不要な材料樹脂を削減する。
【0039】
半導体封止用金型装置は、半導体チップを実装した1個のリードフレームが供給されることによって、半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成形された1個のリードフレーム組立体を成形する。したがって、半導体封止用金型装置は、小型化されて取り扱いが極めて簡便となり、また型締保持機構による型締め状態の自己保持を利用した搬送が可能となることから、搬送機構によって複数個を巡回搬送させてリードフレーム組立体の連続製造が実現される。
【0040】
また、本発明に係る半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装置は、半導体チップを実装したリードフレームが装填されるとともにこのリードフレームに半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成形されてリードフレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティを構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部材と、この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置されるとともに第1のキャビティと協動して封装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形成された第2の金型部材とからなり、第1の金型部材内には熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される材料樹脂装填部及びこの材料樹脂装填部に装填されて溶融状態とされた材料樹脂を上記キャビティ内へと供給する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、半導体チップが封装樹脂によって封装されたリードフレーム組立体をキャビティから突き出して離型するイジェクトピンを有するイジェクト機構とが備えられかつ上記第1の金型部材と第2の金型部材とに型締め状態を自己保持する型締保持機構が設けられた半導体封止用金型装置が用いられる。半導体封止装置は、半導体封止用金型装置を封装樹脂のアウトサート成形工程毎に間欠的に巡回搬送する搬送機構と、半導体封止用金型装置の材料樹脂供給機構の押出手段を駆動してキャビティ内へ材料樹脂を充填させる材料樹脂供給駆動機構と、リードフレーム組立体に対して封装樹脂のアウトサート成形が行われて第1の金型部材と第2の金型部材とが型開き動作した状態で、イジェクト機構を駆動してリードフレーム組立体を第1の金型部材からイジェクトさせるイジェクト駆動機構とを備えて構成される。
【0041】
また、半導体封止装置は、上下方向に離間して互いに対向配設された第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームとを備え、これら第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームとの間に構成される第1の搬送空間部が第1の金型部材と第2の金型部材とが型締め状態で搬送機構によって搬送される型締め搬送空間部を構成し、第1の搬送ガイドフレームの下方部に構成される第2の搬送空間部が型開き状態の第1の金型部材を上記搬送機構によって搬送する第1の型開き搬送空間部を構成し、第2の搬送ガイドフレームの上方部に構成される第3の搬送空間部が型開き状態の上記第2の金型部材を上記搬送機構によって搬送する他方の型開き搬送空間部を構成する。型開きされた第1の金型部材と第2の金型部材とは、第2の搬送空間部と第3の搬送空間部を経由して初期位置へと巡回搬送される。第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームには、第1の金型部材と第2の金型部材とを加熱する加熱手段が備えられる。
【0042】
以上のように構成された本発明に係る半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装置によれば、半導体封止用金型装置の材料樹脂供給機構及びイジェクト機構とを駆動する材料樹脂供給駆動機構及びイジェクト駆動機構を備えることにより、上記半導体封止用金型装置の小型化を達成し、その交換等の取り扱いを簡便かつ安全に行うことを可能とする。
【0043】
半導体封止装置は、型締保持機構によって型締め状態が自己保持される半導体封止用金型装置を各工程毎に間欠的に巡回搬送することから、リードフレーム組立体の連続生産を行い、生産性の向上を達成する。また、半導体封止装置は、半導体封止用金型装置を搬送する過程で、第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームに設けた加熱手段によって第1の金型部材と第2の金型部材とを加熱保持することから、加熱工程が不要とされ、リードフレーム組立体の製造時間を短縮する。
【0044】
さらに、本発明に係る半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法は、半導体チップを実装したリードフレームが装填されるとともにこのリードフレームに半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成形されてリードフレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティを構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部材と、この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置されるとともに上記第1のキャビティと協動して封装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形成された第2の金型部材とからなり、第1の金型部材内には熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される材料樹脂装填部及びこの材料樹脂装填部に装填されて溶融状態とされた材料樹脂をキャビティ内へと供給する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、半導体チップが封装樹脂によって封装されたリードフレーム組立体をキャビティから突き出して離型するイジェクトピンを有するイジェクト機構とが備えられかつ第1の金型部材と第2の金型部材とに型締め状態を自己保持する型締保持機構が設けられた半導体封止用金型装置が用いられる。半導体装置の封装樹脂成形方法は、少なくとも、半導体封止用金型装置が型開きされた状態において第1の金型部材の上記材料樹脂装填部に材料樹脂を装填する樹脂装填工程と、半導体封止用金型装置が型開きされた状態において半導体チップを実装したリードフレームを第1の金型部材に装着するリードフレーム装着工程と、半導体封止用金型装置を型締めしかつ型締保持機構によってその型締め状態を保持するとともに、材料樹脂供給機構によってキャビティ内に材料樹脂を充填する樹脂充填工程と、締保持機構による半導体封止用金型装置の型締め状態を保持する型締め保持工程と、半導体封止用金型装置を型開きしてリードフレームに対して封装樹脂のアウトサート成形が行われたリードフレーム組立体を第1の金型部材から突き出すイジェクト工程とからなる。
【0045】
上記半導体封止用金型装置は、上記各工程毎に巡回駆動してリードフレームに対する封装樹脂のアウトサート成形を行うことから半導体装置を連続して効率良く製造する。
【0047】
また、本発明に係る半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法においては、上下方向に離間して互いに対向配設された第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームとによって、型締め状態の上記第1の金型部材と第2の金型部材とが搬送される中央部の型締め搬送空間部と、型開き状態の第1の金型部材が搬送される上方部の第1の型開き搬送空間部及び第2の金型部材が搬送される下方部の第2の搬送空間部とを構成し、型締め搬送空間部の搬送工程中にリードフレームに対して半導体チップを封装する封装樹脂のアウトサート成形を行い、型開きされた第1の金型部材と第2の金型部材とを、第1の型開き搬送空間部と第2の型開き搬送空間部を経由して型締め搬送空間部の初期位置へと巡回搬送することによって、連続成形を行う。
【0048】
半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法においては、半導体封止用金型装置を各工程にしたがって搬送機構によって搬送する過程で、第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームに設けた加熱手段によって第1の金型部材と第2の金型部材とを加熱保持することから、加熱工程が不要とされ、製造時間を短縮してリードフレーム組立体を製造する。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。半導体装置1は、ニッケルと鉄との合金からなる導電性の金属薄板を素材として形成されたリードフレーム10を用いて図4に示した各製造工程を経て製造される。すなわち、第1のリードフレーム製造工程においては、金属薄板に精密プレス加工を施こすことにより詳細を後述するリードフレーム10が形成される。勿論、リードフレーム10は、精密プレス加工による他、エッチング加工等によっても形成される。第2の半導体チップ実装工程においては、第1の工程によって形成されたリードフレーム10に対して、所定の回路等が集積形成された半導体チップ2が実装される。
【0050】
第3のワイヤボンディング工程においては、自動配線装置等によって、リードフレーム10に形成された多数個のリード端子片3と実装された半導体チップ2の接続端子とがそれぞれワイヤを介して電気的に接続される。第4の樹脂モールド工程においては、複数個の半導体封止金型装置20を巡回搬送する半導体封止装置9が用いられる。
【0051】
リードフレーム10は、半導体封止装置9を巡回搬送される半導体封止金型装置20にそれぞれ供給され、この半導体封止金型装置20によって半導体チップ2の外周部を封装する封装樹脂5がアウトサート成形されて図3に示すリードフレーム組立体7が形成される。リードフレーム組立体7は、第5のリードフレーム切断工程において、レーザカッタ等の切断装置によって外周部分が切断除去されることにより、図1に示した半導体装置1を製造する。
【0052】
以上の製造工程を経て製造された半導体装置1は、図1に示すように、全体がエポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の熱硬化性合成樹脂を材料とした封装樹脂5によって封装されるとともに、この封装樹脂5の外周部にリード端子片3の一端部によって構成される多数個の接続端子片4が突出露呈されている。なお、半導体装置1には、封装樹脂5の表面に回路基板等に対して実装する際の位置決め指標6や図示しない仕様表示等が設けられている。封装樹脂5は、後述するように半導体封止金型装置20によって材料樹脂8がリードフレーム10にアウトサート成形されることにより構成される。
【0053】
第1のリードフレーム製造工程によって形成されるリードフレーム10は、図2に示すように全体が略正方形を呈しており、後述するように半導体封止金型装置20に各1枚が供給されることによって1個のリードフレーム組立体7を形成する。このリードフレーム10は、略中央部に半導体チップ2の外形寸法よりもやや大とされた開口寸法を有するチップ実装開口部11が開設されるとともに、その四方の領域にそれぞれ多数個のリード端子片3が放射状に打ち抜き形成されている。これらリード端子片3は、互いに微小な間隔が保持されており、それぞれその一端部がチップ実装開口部11に臨まされるとともに他端部が外方へと延長されている。
【0054】
また、これらリード端子片3は、チップ実装開口部11に臨む一端部が半導体チップ2との接続部を構成するとともに、他端部が半導体装置1を実装する回路基板等との接続端子部4を構成する。これらリード端子片3は、他端部がブリッジ部12を介して一体に連結されており、第5のリードフレーム切断工程においてブリッジ部12から外周部分が切断除去される際に、互いに分離されて接続端子部4を形成する。
【0055】
リードフレーム10は、図2において鎖線で示すように、接続端子部4の先端部を残した内周領域が、後述するように半導体封止金型装置20によって材料樹脂8が充填されて封装樹脂5をアウトサート成形するための樹脂充填領域部13を構成している。また、リードフレーム10には、各リード端子片3を精密に打ち抜き形成するために、図2に示すように、ブリッジ部12の外方に位置して各リード端子片3にそれぞれ対応する多数の矩形開口からなる端子形成ガイド部14が打抜き形成されている。
【0056】
さらに、リードフレーム10には、外周の一方コーナ部に位置決め用の切欠き15が形成されるとともに、この切欠き15を挟む2辺の最外周領域に位置して位置決め穴16A乃至16Cがそれぞれ開設されている。これら位置決め用切欠き15及び位置決め穴16A乃至16Cは、このリードフレーム10を後述する半導体封止金型装置20に装着する際の位置決め作用をなす。第1の位置決め穴16Aは、丸穴として構成されている。また、第2の位置決め穴16Bは、装着する際の調整作用を奏するように楕円形の長穴として構成されている。第3の位置決め穴16Cは、他方の辺側に端子形成ガイド部14と平行な矩形開口部の一端部に連設された長穴によって構成されている。これら位置決め穴16A乃至16Cは、上述した半導体封止金型装置20内に装着する際の位置決め作用ばかりでなく、リードフレーム10を工程間で搬送する際に搬送機構のガイドピン等が相対係合する搬送ガイドとしても作用する。
【0057】
リードフレーム10には、位置決め用切欠き15の内側に位置してカル部17が開設されている。カル部17は、後述するようにリードフレーム10が半導体封止金型装置20に装着された際に、この半導体封止金型装置20側に設けられた材料樹脂装填部28に対応位置する環状の開口部として構成されている。カル部17には、その一部にチップ実装開口部11へと連通する通路であるランナー部18が開設されている。ランナー部18は、チップ実装開口部11に向かって次第にその先端部が細く絞られることによって、ゲート部19が構成される。
【0058】
以上のように構成されたリードフレーム10には、第2の半導体チップ実装工程において、チップ実装開口部11に半導体チップ2が実装位置される。リードフレーム10は、第3のワイヤボンディング工程において、その各リード端子片3と半導体チップ2の各端子との間がワイヤ等によって電気的接続が行われる。しかる後、リードフレーム10は、第4の封装樹脂アウトサート成形工程を行うために半導体封止金型装置20へと供給される。
【0059】
半導体封止金型装置20は、図5に示すように、下金型部材21と上金型部材22とから構成される。これら下金型部材21と上金型部材22とは、互いに接離自在とされるとともに、突き合わされた状態において相対する主面に封装樹脂5が充填されるキャビティ23を構成する。半導体封止金型装置20は、詳細を後述する半導体封止装置9によって巡回搬送されてリードフレーム組立体7を1個ずつ連続して製造する。
【0060】
下金型部材21は、図6に示すように、上金型部材22との対向主面24が精密な平滑面とされ、この主面24にリードフレーム10の外径寸法とほぼ等しい外形を有するリードフレーム受け部25が一体に突設されている。このリードフレーム受け部25には、封装樹脂5が充填されるキャビティ23の下側部分を構成するキャビティ凹部26が凹設されている。また。リードフレーム受け部25には、リードフレーム10の位置決め穴16にそれぞれ対応してキャビティ凹部26の外周部に位置決めピン27が突設されている。
【0061】
また、下金型部材21には、リードフレーム10のカル部17に対応して材料樹脂装填部28(ポット)が設けられている。この材料樹脂装填部28は、図7に示すように、全体が下金型部材21を貫通しかつ上側部分28Aがやや太径とされるとともに中央部の細径部28Bを介して下側部分28Cが再び太径とされた段付きの円穴として構成されている。
【0062】
また、材料樹脂装填部28には、内部に材料樹脂押出部材30からなる材料樹脂供給機構29が配設されている。材料樹脂押出部材30は、図7に示すように、通常シリンダ部30Aが上側太径部28Aの最下部に位置することにより、材料樹脂装填部28に材料樹脂8の充填空間を構成している。材料樹脂装填部28には、その上側太径部28Aにタブレット状の材料樹脂8が装填される。
【0063】
材料樹脂8は、後述するこの半導体封止金型装置20が備えられる半導体封止装置9の加熱機構80、87、90によって下金型部材21と上金型部材22とがそれぞれ加熱されることにより、材料樹脂装填部28の内部で溶融される。材料樹脂8は、この溶融状態で、材料樹脂充填工程に際して、半導体封止装置9の樹脂供給駆動機構81によって材料樹脂押出部材30が図8に示すように押し上げ動作されることにより、材料樹脂装填部28からキャビティ23内へと押し出される。
【0064】
下金型部材21には、図6に示すように、キャビティ凹部26に位置して、一対のイジェクト穴31が設けられている。これらイジェクト穴31は、図7に示すように、全体が下金型部材21を貫通しており、中央部と下方部とにそれぞれ太径部31A、31Bが形成されている。イジェクト穴31には、その内部にイジェクト機構32が配設されている。イジェクト機構32は、イジェクトピン33と、イジェクトスプリング34とから構成されている。
【0065】
イジェクトピン33は、一端部がイジェクト穴31の細径部とほぼ等しい外径を有するとともに他端部に中央太径部31Aとほぼ同形のフランジ部33Aが一体に張り出し形成されている。イジェクトスプリング34、イジェクト穴31の中央太径部31Aとイジェクトピン33のフランジ部33Aとの間にやや圧縮された状態で組み付けられている。したがって、イジェクトピン33は、イジェクトスプリング34の弾性力により、図7に示すように通常その先端面がキャビティ凹部26と同一面を構成する位置に押し下げられている。
【0066】
イジェクトピン33は、後述するイジェクト工程に際して、半導体封止装置9のイジェクト駆動機構98によって図9に示すように押し上げ動作されることにより、下金型部材21に添着されたリードフレーム組立体7を外方へとイジェクトする。
【0067】
また、下金型部材21には、図6に示すように、主面24の各辺の外周縁部に位置してそれぞれ位置決め用凹部35が凹設されている。これら位置決め用凹部35は、後述するように下金型部材21と上金型部材22とが型締めされる際に上金型部材22に形成された位置決め用凸部47が相対係合することにより、両部材が正確に型締めされるようにする。
【0068】
さらに、下金型部材21には、図6に示すように、上金型部材22との型締め状態を自己保持する型締め保持機構を構成する左右一対のトグル型締め機構36が相対する2側面に付設されている。これら型締め保持機構は、下金型部材21側に設けられたトグル型締め機構36と、上金型部材22側に設けられた後述する係合ピン48とによって構成される。トグル型締め機構36は、下金型部材21の相対する2側面にそれぞれ配設され、一端部を支軸37A、37Bに回動自在に支持された第1リンクレバー38A、38Bと、これら第1リンクレバー38A、38Bの自由端に回動自在に支持された第2リンクレバー39A、39Bと、これら第2リンクレバー39A、39Bの自由端を連結する連結部材40とから構成される。
【0069】
第1リンクレバー38A、38Bには、図6に示すように、その外側縁に円弧状のガイド凸部41A、41Bを介して係合凹部42A、42Bがそれぞれ形成されている。連結部材40は、後述する半導体封止装置9の前部トグル型締め駆動機構92によって高さ方向に押圧動作されるとともに後部トグル型締め駆動機構94により引上げ動作される作動部を構成する。したがって、トグル型締め機構36は、連結部材40が押圧動作されると、第2リンクレバー39A、39Bがそれぞれ外側へと揺動動作し、これら第2リンクレバー39A、39Bと連動して第1リンクレバー38A、38Bも支軸37A、37Bを支点としてそれぞれ外側へと揺動動作する。
【0070】
トグル型締め機構36は、この状態において、図13に示すように連結部材40が中立点を越えて下側に位置して全体としてすぼまった状態を呈し、下金型部材21に対して上金型部材22を型締め状態に保持する。トグル型締め機構36は、後述するように連結部材40を復帰動作させるまでこの下金型部材21と上金型部材22との型締め状態を自己保持する。
【0071】
なお、以上のように構成された下金型部材21は、後述する半導体封止装置9によって、各工程毎に間欠的に巡回搬送される。下金型部材21は、材料樹脂装填部28及びイジェクト穴31の一端部がそれぞれ開口されたその底面部43が搬送面とされる。また、下金型部材21は、詳細を後述するが、半導体封止装置9の第1加熱機構80及び第2加熱機構87によって底面部43から約175°Cに加熱温調されるとともに、樹脂供給駆動機構82及びイジェクト駆動機構98の作用面を構成する。
【0072】
下金型部材21は、第1加熱機構80及び第2加熱機構87によって加熱されることにより、材料樹脂装填部28に装填した材料樹脂8を加熱溶融するとともに、装着されたリードフレーム10を加熱する。したがって、材料樹脂8は、後述するキャビティ23内への充填工程に際して、安定した状態でこのキャビティ23内へと供給される。
【0073】
上金型部材22は、図10及び図11に示すように、下金型部材21との対向面44が精密な平滑面とされて成形面として構成されるとともにその外形寸法がリードフレーム10の外形寸法よりもやや大とされて形成されている。上金型部材22には、図11に示すように、その主面44に封装樹脂5が充填されるキャビティ23の上側部分を構成するキャビティ凹部45が凹設されている。また、上金型部材22には、リードフレーム10の位置決め穴16及び下金型部材21の位置決めピン27に対応して位置決め凹部46がそれぞれ設けられている。
【0074】
下金型部材21には、図10及び図11に示すように、上述した下金型部材21の各位置決め用凹部35にそれぞれ対応する主面44の各辺の外周縁部に高さ方向に突出する位置決め用凸部47が突設されている。これら位置決め用凸部47は、上金型部材22が下金型部材21と型締めされる際に、上金型部材22の位置決め用凹部35に相対係合することにより両部材が正確に型締めされるようにする。
【0075】
さらに、上金型部材22には、図10及び図11に示すように、上述した下金型部材21のトグル型締め機構36に対応した相対する両側面に、左右方向に離間して一対の係合ピン48A、48Bがそれぞれ突設されている。これら係合ピン48A、48Bは、トグル型締め機構36とともに下金型部材21と上金型部材22との型締め状態を自己保持する型締め保持機構を構成する。
【0076】
すなわち、下金型部材21と上金型部材22とは、上述した位置決め用凹部35と位置決め用凸部47とが相対係合して型締めされた状態において、トグル型締め機構36の連結部材40が押圧動作されて全体としてすぼまる方向に動作することにより、第1リンクレバー38A、38Bのガイド凸部41A、41Bが上金型部材22側の係合ピン48A、48Bに沿って移動する。下金型部材21と上金型部材22とは、係合ピン48A、48Bがそれぞれ係合凹部42A、42Bの底部に達することにより、型締め状態が自己保持される。
【0077】
上金型部材22には、図10及び図11に示すように、相対する両側面に左右方向の搬送用係合溝49が凹設されている。上金型部材22は、これら搬送用係合溝49に後述する半導体封止装置9の上金型部材搬送機構94が相対係合して各工程を巡回搬送される。また、上金型部材22は、その上面部50が搬送面とされるとともに、この上面部50から半導体封止装置9の第2加熱機構87及び第3加熱機構90によって約175°Cに加熱温調される。
【0078】
以上のように構成された半導体封止金型装置20は、下金型部材21と上金型部材22とが互いに離間した型開き状態において、材料樹脂装填部28内にタブレット状の材料樹脂8が装填される。材料樹脂8は、詳細を後述するが、下金型部材21が半導体封止装置9の第1加熱機構80及び第2加熱機構87によって約175°Cに温調されていることから、材料樹脂装填部28内において加圧、加熱されることにより粘度の低い溶融状態となる。
【0079】
下金型部材21には、その主面24上に、半導体チップ2を実装したリードフレーム10が装着される。リードフレーム10は、位置決めピン27に対して位置決め穴16を相対係合させることによって、その樹脂充填領域部13がキャビティ凹部26に対応位置されて位置決め装着される。リードフレーム10は、そのカル部17が下金型部材21の材料樹脂装填部28と対応位置される。
【0080】
しかる後、半導体封止金型装置20は、詳細を後述するように半導体封止装置9の下金型部材駆動機構82及び前部上金型部材駆動機構91によって下金型部材21と上金型部材22とが図12に示すように互いに接合されて低圧状態で型締め動作される。下金型部材21と上金型部材22とは、相対する位置決め用凹部35と位置決め用凸部47とが係合されることによって互いに精密に組み合わされる。リードフレーム10は、この下金型部材21と上金型部材22とが組み合わされた状態において、位置決め穴16を貫通した位置決めピン27が位置決め凹部46と相対係合することにより、上金型部材22に対しても位置決めされた状態となる。
【0081】
したがって、リードフレーム10は、その樹脂充填領域部13が上金型部材22のキャビティ凹部45に対応位置され、全体として半導体封止金型装置20のキャビティ23に臨ませられる。また、リードフレーム10は、下金型部材21と上金型部材22とが型締めされた状態において、カル部17及びランナー部18が下金型部材21と上金型部材22との間において、周囲を密閉された空間部を構成する。
【0082】
半導体封止金型装置20は、半導体封止装置9の後述する第1加熱機構80、第2加熱機構87及び第3加熱機構90とによって全体が材料樹脂8の融点温度である約175°Cに温調されることによって、材料樹脂装填部28に装填されたタブレット状の材料樹脂8がその内部で溶融される。半導体封止金型装置20は、図12に示した状態においては、半導体封止装置9の下金型部材駆動機構82及び前部上金型駆動機構91とによって下金型部材21と上金型部材22とが型締めされた状態にあるが、上述したようにキャビティ23の内部圧力が低い、いわゆる低圧型締めの状態にある。
【0083】
半導体封止金型装置20は、半導体封止装置9の前部トグル型締め駆動機構92によって連結部材40が押圧駆動されることによって、トグル型締め機構36が全体としてすぼまった状態に駆動される。トグル型締め機構36は、これにより第1リンクレバー38A、38Bのガイド凸部41A、41Bが係合ピン47A、47Bに沿って移動してこれら係合ピン47A、47Bと係合凹部42A、42Bとを相対係合させる。半導体封止金型装置20は、これによって図13に示すように、下金型部材21と上金型部材22とがしっかりと型締めされた状態となる。下金型部材21と上金型部材22とは、係合凹部42A、42Bと係合ピン48A、48Bとの係合状態が保持されることから、型締め状態に自己保持される。
【0084】
半導体封止金型装置20は、上述した型締め状態において、半導体封止装置9の樹脂供給駆動機構81によって材料樹脂供給機構29が動作されることにより、材料樹脂装填部28の内部で溶融状態とされた材料樹脂8が材料樹脂押出部材30により押し出される。材料樹脂8は、図8に示すように、後述する半導体封止装置9の材料樹脂供給駆動機構81によって材料樹脂押出部材30が駆動されることにより材料樹脂装填部28からカル部17を介してランナー部18へと押し出される。材料樹脂8は、ランナー部18からゲート部19を介してキャビティ23内へと供給充填される。
【0085】
リードフレーム10は、上述したように、同一面内に下金型部材21の材料樹脂装填部28と相対位置するカル部17及びランナー部18とが一体に形成されていることにより、後述する材料樹脂8の充填工程において途中で横断部を構成することなくゲート部19を介して材料樹脂8をキャビティ23内へと供給することを可能とする。半導体封止金型装置20は、これによってリードフレーム10に、半導体チップ2を封装する封装樹脂5をアウトサート成形してリードフレーム組立体7を成形する。
【0086】
半導体封止金型装置20は、トグル型締め機構36と係合ピン48とからなる型締め保持機構によって下金型部材21と上金型部材22とが型締め状態を自己保持された状態で半導体封止装置9を巡回搬送される。キャビティ23内に充填された材料樹脂8は、この搬送過程で、下金型部材21と上金型部材22とが半導体封止装置9の各加熱機構80、87、90によって加熱状態に保持されるとともに加圧状態に保持されることから次第に硬化してリードフレーム10の樹脂充填領域部13に対応する封装樹脂5をアウトサート成形する。
【0087】
半導体封止金型装置20は、このようにしてリードフレーム10に封装樹脂5をアウトサート成形してリードフレーム組立体7を成形した後、半導体封止装置9側の後述する後部トグル型締め駆動機構94によってトグル型締め機構36の連結部材40が引上げ動作されて初期状態へと復帰駆動される。半導体封止金型装置20は、このトグル型締め機構36が初期位置に復帰動作して係合凹部42A、42Bと係合ピン48A、48Bとの係合状態が解除されると、半導体封止装置9側の後述する後部上金型部材駆動機構95により上金型部材22が引上げ駆動されて、下金型部材21に対して離間動作される型開き動作が行われる。
【0088】
半導体封止金型装置20によって形成されたリードフレーム組立体7は、この型開き動作に際して、図8に示すように、下金型部材21側に添着される。半導体封止金型装置20は、半導体封止装置9側の後述するイジェクト駆動機構98によって、図9に示すように、イジェクトピン33がイジェクトスプリング34の弾性力に抗してキャビティ23内へと突出動作される。したがって、リードフレーム組立体7は、イジェクトピン33により下金型部材21から突き出されて取出し手段により下金型部材21から取り出される。
【0089】
なお、リードフレーム組立体7には、樹脂充填領域部13に封装樹脂5がアウトサート成形されるとともに、図3に示すようにリードフレーム10のカル部17からランナー部18に充填された材料樹脂8がそのまま残留硬化している。このリードフレーム組立体7は、次のリードフレーム切断工程へと供給され、例えばレーザ切断機或いは打抜き金型によるプレス加工等によってリード端子片3の先端部を残して外周部が切断除去されて半導体装置1を完成させる。
【0090】
上述したように、半導体封止金型装置20は、リードフレーム10に封装樹脂5をアウトサート成形してリードフレーム組立体7を成形することから、次のような作用効果を奏する。すなわち、半導体封止金型装置20は、下金型部材21に対してその位置決めピン27に位置決め穴16を係合させてリードフレーム10を位置決めして下金型部材21と上金型部材22との型合わせ面内で直接保持することから、リードフレーム10に対して板厚、加工精度或いは熱膨張による寸法変化を考慮した公差の設定を不要とさせるとともに、下金型部材21に対して正確に位置決めされた状態で装着させる。
【0091】
また、半導体封止金型装置20は、下金型部材21と上金型部材22とによって、リードフレーム10をその型合わせ面内で保持することから、このリードフレーム10に対して均一な型締め力を作用させればよく、型締め力の調整等を不要としてその構造が簡易化されるばかりでなく型締め機構等が簡易化され、全体の小型化が図られる、
リードフレーム組立体7は、上述したリードフレーム10の各部の寸法に対する大きな公差を不要とさせ、下金型部材21と上金型部材22とが均一な型締め力を以ってリードフレーム10を保持するといった半導体封止金型装置20の特徴により、カル部17の開口部の装填部バリや、樹脂充填領域部13の周辺部の端子部バリが発生すること無く成形される。
【0092】
また、半導体封止金型装置20は、封装樹脂5に対応するキャビティ23と材料樹脂8が装填されるカル部17とが近接配置されかつリードフレーム10を横断するランナー部を有しない構成とされている。したがって、半導体封止金型装置20は、ランナー部18を短縮化してこのランナー部18に残留する材料樹脂8を削減するとともに横断部バリの発生が無いリードフレーム組立体7を形成する。したがって、リードフレーム組立体7は、バリの発生が殆ど無いため、搬送途中でのバリの脱落による搬送機構の障害、バリ取り工程の簡易化が図られたものとなる。
【0093】
さらに、半導体封止金型装置20は、上述した特徴から、硬化時間の短い熱硬化型材料樹脂の使用を可能とし、充填から硬化までの時間を大幅に短縮して生産性の向上を達成させる。
【0094】
上述した半導体封止金型装置20は、後述するように半導体封止装置9に複数個が備えられ各工程毎に巡回搬送されることによって、リードフレーム組立体7を連続して製造するが、例えば独立した1組によって構成されることにより簡易の半導体封止装置を構成してもよいことは勿論である。また、リードフレーム10については、1枚で1個の半導体装置1を形成するが、例えば中央部にカル部を形成するとともに、その周囲に複数の半導体製造領域を一体に形成したものであってもよい。
【0095】
このリードフレームについては、詳細を省略するが、金属薄板を素材として矩形に形成され、その主面が例えば4つの半導体製造領域に区分されている。これら半導体製造領域は、それぞれ1個の半導体装置1を形成する個別の半導体製造領域を構成する。各半導体製造領域は、上述したリードフレーム10と同様に、それぞれその中央部に半導体チップ2が実装位置されるチップ実装部が一体に形成されるとともに、これらチップ実装部の周囲に多数個のリード端子片が打抜き形成されている。
【0096】
また、リードフレームは、各半導体製造領域が、その内周部にリード端子片の先端部を残して封装樹脂5をアウトサート成形する樹脂充填領域部が構成され、これら樹脂充填領域部の中心部に位置して1つの材料樹脂供給部が開設されて構成される。材料樹脂供給部には、各半導体製造領域と連通するランナー部がそれぞれ設けられる。なお、これらランナー部は、各半導体製造領域に向かって次第に幅寸法を小ならしめて先端部にゲート部がそれぞれ設けられる。
【0097】
なお、半導体装置1については、上述した半導体チップ2が矩形の封装樹脂5によって封装されるとともに外周部に多数個の接続端子片4が突設されたフラットパッケージ型のものばかりでなく、接続端子片4がリード穴に挿入されて回路基板に実装される半導体装置であってもよい。
【0098】
上述した半導体封止用金型装置20を用いてリードフレーム組立体7を成形する半導体封止装置9は、図14に示すように、半導体封止用金型装置20に供給したリードフレーム10からリードフレーム組立体7を成形する工程にしたがって、上述した半導体封止用金型装置20をS−1ステーション乃至S−8ステーションの8つのステーションに分解し、半導体封止用金型装置20を間欠的に巡回搬送する。半導体封止装置9は、S−1ステーション乃至S−8ステーションにおける各タクトタイムが10秒に設定されている。半導体封止装置9は、これらS−1ステーション乃至S−8ステーションにおいて、後述するようにそれぞれ複数の成形工程を処理する。
【0099】
半導体封止装置9には、S−1ステーション乃至S−8ステーションに各1組の半導体封止用金型装置20を配置することから、全体で8個の半導体封止用金型装置20が備えられている。上述したように、半導体封止用金型装置20は、1個のリードフレーム10が装着されて1個のリードフレーム組立体7が製造される。したがって、半導体封止装置9は、10秒間に1個のリードフレーム組立体7が連続して成形される。
【0100】
ところで、従来のリードフレーム100を用いる半導体封止装置においては、例えば84個取りの半導体封止用金型装置が用いられ、80秒に16個(10秒で2個)のリードフレーム組立体7が成形される。したがって、半導体封止装置9は、従来の半導体封止装置と比較して時間当たりのリードフレーム組立体7の生産性がやや悪くなる。しかしながら、半導体封止装置9は、上述した小型で構造簡易かつ取扱いが簡便な半導体封止用金型装置20を備えることにより、後述するように装置全体が大幅に小型されるとともに廉価に構成されることから、限られたスペースに複数台を設置することも可能となるとともに段取り作業も簡単であることから要員も多くを要しない。したがって、半導体封止装置9は、これによって従来の半導体封止装置と比較して実質的にリードフレーム組立体7の生産性を向上させることが可能である。
【0101】
半導体封止装置9は、図14に示すように、第1ステーションS−1において、材料樹脂タブレット8を下金型部材21の材料樹脂装填部28に装填する材料樹脂装填工程S−1−1と、半導体チップ2を実装したリードフレーム10を下金型部材21に装着するリードフレーム装着工程S−1−2と、下金型部材21と上金型部材22とを互いに低圧状態で型締めする低圧型締め工程S−1−3とを行う。
【0102】
半導体封止金型装置20は、材料樹脂装填工程S−1−1において、図15に示すように下金型部材21と上金型部材22とが互いに離間した型開き状態にあり、タブレット状の材料樹脂8が下金型部材21の材料樹脂装填部28の内部に装填される。下金型部材21は、この状態において半導体封止装置9側に設けた各加熱機構80、87、90によって予熱された状態にある。
【0103】
また、半導体封止金型装置20は、リードフレーム装着工程S−1−2において、図16に示すように引き続き下金型部材21と上金型装置22とが互いに離間した状態にあり、リードフレーム10が供給されて下金型部材21に装填される。リードフレーム10は、上述したようにその位置決め穴16と位置決めピン27とが相対係合することによって、位置決めされた状態で下金型部材21に装着される。半導体封止金型装置20は、詳細を後述する第1加熱機構80及び第2加熱機構87によって下金型部材21が予熱された状態にあることから、リードフレーム10を加熱する。
【0104】
さらに、半導体封止金型装置20は、低圧型締め工程S−1−3において、図17に示すように半導体封止装置9側の下金型部材駆動機構82及び前部上金型部材駆動機構91とによってそれぞれ底面部43と上面部50とが押圧されることにより、下金型部材21と上金型部材22とが接近駆動されて型締めされる。下金型部材21と上金型部材22とは、上述したように位置決め用凹部35と位置決め用凸部47とが相対係合することにより、互いに精密に組み合わされる。また、下金型部材21と上金型部材22とは、その相対する主面24、44間で装着されたリードフレーム10を挟み込んで保持する。
【0105】
半導体封止装置9は、第2ステーションS−2において、下金型部材21と上金型部材22とを後述する各加熱機構80、87、90によって予熱しながら搬送するプリ加熱工程S−2−1と、下金型部材21と上金型部材22とを型締め機構を介して所定の圧力によって型締め保持するとともにキャビティ23内へと材料樹脂8を充填する型締め・樹脂充填工程S−2−2とを行う。また、半導体封止装置9は、この型締め・樹脂充填工程S−2−2において、材料樹脂駆動機構81が動作して半導体封止金型装置20の材料樹脂供給機構29を駆動し、半導体封止用金型装置20の材料樹脂装填部28からそのキャビティ23への材料樹脂8の充填を行う。
【0106】
半導体封止金型装置20は、プリ加熱工程S−2−1において、図18に示すように下金型部材21と上金型部材22とが上述した低圧型締め状態のまま搬送される。さらに、半導体封止金型装置20は、型締め・樹脂充填工程S−2−2において、半導体封止装置9の前部トグル型締め駆動機構92によってトグル型締め機構36の連結部材40が押圧駆動されることにより、図19に示すように下金型部材21と上金型部材22とが型締め状態とされる。半導体封止金型装置20は、上述したように、トグル型締め機構36の第1リンクレバー38に設けた係合凹部42と上金型部材22に設けた係合ピン48とが相対係合することによって、下金型部材21と上金型部材22とが型締め状態を自己保持する。半導体封止金型装置20は、この状態で材料供給駆動機構81が駆動されて材料樹脂装填部28に装填された材料樹脂8がキャビティ23内へと充填される。
【0107】
半導体封止装置9は、第3ステーションS−3において、下金型部材21と上金型部材22とを後述する各加熱機構80、87、90によって加熱しながら搬送することにより、充填された材料樹脂8をキャビティ23内で硬化させる加熱搬送工程S−3−1を行う。
【0108】
半導体封止金型装置20は、加熱搬送工程S−3−1において、図20に示すように型締め保持機構を構成するトグル型締め機構36の第1リンクレバー38の係合凹部42と係合ピン48とが互いに係合状態を保持されることから、下金型部材21と上金型部材22との型締め状態が自己保持される。また、半導体封止金型装置20は、半導体封止装置9の各加熱機構80、87、90によって175°Cの温調状態が保持されて搬送される。
【0109】
半導体封止装置9は、第4ステーションS−4においても、引き続き下金型部材21と上金型部材22とを後述する各加熱機構80、87、90によって後加熱しながら搬送する後加熱搬送工程S−4−1を行う。
【0110】
半導体封止金型装置20は、後加熱搬送工程S−4−1において、図21に示すように引き続き型締め保持機構によって下金型部材21と上金型部材22との型締め状態が自己保持されて、半導体封止装置9の各加熱機構80、87、90による後加熱が行われる。
【0111】
半導体封止装置9は、第5ステーションS−5においても、引き続き下金型部材21と上金型部材22とを後述する各加熱機構80、87、90によって後加熱しながら搬送する後加熱搬送工程S−5−1を行う。
【0112】
半導体封止金型装置20は、後加熱搬送工程S−5−1において、図22に示すように引き続き型締め保持機構によって下金型部材21と上金型部材22との型締め状態が自己保持されて、半導体封止装置9の各加熱機構80、87、90による後加熱が行われる。キャビティ23内に充填された材料樹脂8は、上述したS−3−1工程乃至S−5−1の工程において、半導体封止金型装置20が加熱、加圧状態に保持されることから、充分に硬化してリードフレーム10に封装樹脂5をアウトサート成形する。
【0113】
半導体封止装置9は、第6ステーションS−6において、半導体封止金型装置20がその型締め保持機構によって型締め状態を自己保持しながら搬送する搬送工程S−6−1と、半導体封止金型装置20をその型締め保持機構を駆動して型締め保持状態を解除する型締め解除工程S−6−2と、半導体封止金型装置20を型開き動作させる型開き工程S−6−3とを行う。
【0114】
半導体封止金型装置20は、搬送工程S−6−1において、図23に示すように下金型部材21と上金型部材22とが引き続き型締め保持機構によって型締め状態が自己保持されて搬送される。半導体封止金型装置20は、型締め解除工程S−6−2において、図24に示すように半導体封止装置9の後部トグル型締め駆動機構94によって型締め保持機構を構成するトグル型締め機構36の連結部材40が引上げ動作されることにより、第1リンクレバー38の係合凹部42と係合ピン48との係合状態が解除される。
【0115】
半導体封止金型装置20は、型開き工程S−6−3において、上述したように半導体封止装置9の後部上金型部材駆動機構95が動作されることによって図25に示すように下金型部材21に対して上金型部材22が離間駆動されることにより型開き動作が行われる。下金型部材21には、この状態で、リードフレーム10に封装樹脂5がアウトサート成形されたリードフレーム組立体7が添着される。
【0116】
半導体封止装置9は、第7ステーションS−7において、型開き動作された下金型部材21と上金型部材22とが独立して搬送される搬送工程S−7−1と、リードフレーム10に封装樹脂5がアウトサート成形されたリードフレーム組立体7を下金型部材21からイジェクトするイジェクト工程S−7−2と、イジェクトされたリードフレーム組立体7を下金型部材21から取り出す取出工程S−7−3とを行う。
【0117】
半導体封止金型装置20は、搬送工程S−7−1において、図26に示すようにリードフレーム組立体7が添着された下金型部材21と上金型部材22とが、下金型部材搬送機構83、上金型部材搬送機構94とによってそれぞれ互いに独立して搬送される。半導体封止金型装置20は、イジェクト工程S−7−2において、図27に示すように半導体封止装置9のイジェクト駆動機構98によってイジェクト機構32が駆動される。リードフレーム組立体7は、これによりイジェクトピン33によって下金型部材21から突き出される。半導体封止金型装置20は、取出工程S−7−3において、図28に示すように下金型部材21からイジェクトされたリードフレーム組立体7が取り出される。
【0118】
半導体封止装置9は、第8ステーションS−8において、下金型部材21と上金型部材22とを独立の経路によって初期位置へと回送する搬送工程S−8−1と、半導体封止金型装置20の材料樹脂供給機構29及びイジェクト機構32を初期状態へと復帰させる復帰工程S−8−2とを行う。
【0119】
半導体封止金型装置20は、搬送工程S−8−1において、図29に示すように下金型部材21からリードフレーム組立体7が取り出された状態で、この下金型部材21と上金型部材22とが独立の搬送系で初期位置へと復帰搬送される。また、半導体封止金型装置20は、復帰工程S−8−2において、図30に示すようにイジェクトスプリング34の弾性力によってイジェクト機構32のイジェクトピン33が初期位置へと復帰し、また材料樹脂供給機構29の材料樹脂押出部材30も初期位置へと復帰する。
【0120】
なお、上述した半導体封止装置9の各工程については、後述する各機構部の配置位置やその動作仕様等によって適宜変更されることは勿論である。例えば、イ材料樹脂供給機構29及びジェクト機構32は、復帰工程S−8−2において初期位置へと復帰動作されるようにしたが、第1ステーションS−1の前段工程によって行うようにしてもよい。
【0121】
上述したリードフレーム組立体7の成形工程を行う半導体封止装置9は、図31及び図33に示すように、互いに平行に設置された第1搬送ガイドフレーム70と、第2搬送ガイドフレーム71及び第3搬送ガイドフレーム72とを備えている。これら第1搬送ガイドフレーム70乃至第3搬送ガイドフレーム72は、詳細を省略するがサイドフレーム73、84とによってそれぞれの対向間隔が保持されており、半導体封止金型装置20が巡回搬送される互いに平行な水平方向の上下3段の第1搬送空間部74乃至第3搬送空間部76を構成する。
【0122】
第1搬送空間部74は、第1搬送ガイドフレーム70上に構成される下側搬送空間部であり、具体的には図32に示すように、下金型部材21が単独で同図において右側から左側に向かって搬送される搬送空間部を構成する。第1搬送空間部74には、後述するように前方部と後方部とにそれぞれ上述した第1ステーションS−1に対応する第1ステーション部77と第7ステーションS−7に対応する第7ステーション部78とが構成されている。半導体封止装置9は、これら第1ステーション部77と第7ステーション部78との間の第1搬送空間部74において、第8ステーションS−8の下金型部材21の搬送工程S−8−1を行う。
【0123】
第2搬送空間部75は、第2搬送ガイドフレーム71と第3の搬送ガイドフレーム72との間に構成される中央搬送空間部であり、具体的には図32に示すように、型締めされて一体化された下金型部材21と上金型部材22とが同図左側から右側に向かって搬送される搬送空間部を構成する。半導体封止装置9は、この第2搬送空間部75において、上述した第2ステーションS−2乃至第6ステーションS−6の各工程を行う。
【0124】
第3搬送空間部75は、第3の搬送ガイドフレーム72の上側に構成される搬送空間部であり、具体的には図32に示すように、上金型部材22が単独で同図において右側から左側に向かって搬送される搬送空間部を構成する。半導体封止装置9は、この第3搬送空間部75において、第8ステーションS−8の上金型部材22の搬送工程S−8−1を行う。
【0125】
半導体封止装置9は、第1搬送空間部74及び第2搬送空間部75において、下金型部材22を位置決めした状態で載置する搬送台によって搬送する。搬送台は、詳細を省略するが、後述する第1搬送ガイドフレーム70に設けた搬送ガイド溝79に相対係合されて移動する。また、搬送台には、下金型部材22に進入する後述する各機構のガイド溝が設けられている。
【0126】
また、半導体封止装置9は、第2搬送空間部75及び第3搬送空間部76において、上金型部材22をホルダー88によって保持して搬送する。ホルダー88は、上金型部材22の両側面に設けた搬送用係合溝49に相対係合する一対の係合部を有しており、これら係合部が側面方向に移動動作することによって上金型部材22をチャッキング或いは開放する。
【0127】
半導体封止装置9には、図示しないが、側面方向から上述した第1搬送空間部74乃至第3搬送空間部76に沿って半導体封止金型装置20を移動させる搬送機構が各ステーションに対応してそれぞれ付設されている。搬送機構は、例えば搬送台或いはホルダー88と相対係合される送りレバー部材を備え、これら送りレバー部材によって下金型部材21及び上金型部材22とを保持して上述した各ステーション毎に10秒毎のタクトタイムを以って間欠的に搬送する。
【0128】
第1搬送ガイドフレーム70は、第2搬送ガイドフレーム71及び第3搬送ガイドフレーム72に対して前後方向に延長されている。半導体封止装置9には、第1搬送ガイドフレーム70のこれら前後の延長領域の上方空間部に、上述した第1搬送空間部74の前後に位置する第1ステーション部77と第7ステーション部78とが構成されている。第1ステーション部77は、上述した第1ステーションS−1に対応し、第7ステーション部78は、第7ステーションS−7に対応する。
【0129】
半導体封止装置9には、第1ステーション部77に図示しない材料樹脂供給機構が配設されている。半導体封止装置9は、図32に示すようにこの材料樹脂供給機構によって、下金型部材21に材料樹脂8を供給してその樹脂装填部28に装填する上述した材料樹脂装填工程S−1−1を行う。また、半導体封止装置9には、第1ステーション部77に図示しないリードフレーム供給機構が配設されている。半導体封止装置9は、図32に示すようにこのリードフレーム供給機構から下金型部材21にリードフレーム10を供給してそのリードフレーム受け部25上に装着する上述したリードフレーム装着工程S−1−2を行う。
【0130】
第1搬送ガイドフレーム70には、図31及び図33に示すように、その主面の幅方向の中央部に位置して長手方向の搬送ガイド溝79が設けられている。第1搬送ガイドフレーム70には、図31に示すように第1ステーション部77と第7ステーション部78とにそれぞれ対応位置して第1加熱機構80が配設されている。
【0131】
この第1加熱機構80は、図33に示すように、第1搬送ガイドフレーム70の内部に配設された複数のヒータと、図示しない制御部とによって構成されている。第1加熱機構80は、第1搬送ガイドフレーム70を介して下金型部材21を例えばエポキシ樹脂からなる材料樹脂8の溶融温度である175°Cに温度調節する。したがって、下金型部材21は、予熱状態にあるため、その材料樹脂装填部28に装填される材料樹脂8を効率的に溶融するとともに、装着されたリードフレーム10を予熱する。半導体封止装置9は、これにより予熱工程の短縮が図られている。
【0132】
なお、第1加熱機構80及び後述する第2加熱機構87、第3加熱機構90とは、それぞれ制御部を有しており、センサーの出力によってヒータを制御して下金型部材21及び上金型部材22の温度調節を行っている。センサーは、図示を省略するが、例えば下金型部材21及び上金型部材22の内蔵型ではなくこれらにそれぞれ差し込まれる着脱型の熱電対によって構成されている。勿論、これら加熱機構は、かかる構成に限定されるものでは無い。
【0133】
第1搬送ガイドフレーム70には、第1ステーション部77の下方部に対応位置して材料樹脂供給駆動機構81及び下金型部材駆動機構82とが配設されるとともに、第7ステーション部78の下方部に対応位置して下金型部材搬送機構83及びイジェクト駆動機構98とが配設されている。
【0134】
下金型部材駆動機構82は、詳細を省略するが例えば図示しない制御部によって駆動されるエアーシリンダ装置によって構成され、そのピストン部材が搬送ガイド溝79の底部に設けたガイドスリットから第1ステーション部77内に進退動作する。下金型部材駆動機構82は、エアーシリンダ装置が動作されることによって、そのピストン部材によって下金型部材21を第2搬送空間部75の高さ位置まで押し上げる。半導体封止装置9は、このようにして押上げ動作された下金型部材21に対して、後述するように前部上金型部材駆動機構91によって上金型部材22を接近動作させて互いに低圧状態で組み合わすことにより、上述した低圧型締工程S−1−3を行う。
【0135】
材料樹脂供給駆動機構81は、詳細には、下金型部材駆動機構82の後段側でかつ第7ステーション部78に対してやや後段側に位置して下金型部材21の材料樹脂装填部28に対応して配設されている。材料樹脂供給駆動機構81は、上述した下金型部材駆動機構82と同様に、詳細を省略するが例えばエアーシリンダ装置によって構成される。材料樹脂供給駆動機構81は、そのピストン部材が搬送ガイド溝79の底部に設けた図示しないガイドスリットを介して第1ステーション部77内に進退動作する。
【0136】
半導体封止装置9は、材料樹脂供給駆動機構81が駆動されてエアーシリンダ装置が動作すると、そのピストン部材を材料樹脂装填部28の底面開口28Cから進入させて下金型部材21の材料樹脂供給機構29を構成する材料樹脂押出部材30を押し上げ動作させる。半導体封止装置9は、これによって半導体封止金型装置20のキャビティ23へ材料樹脂8を充填供給する樹脂充填工程S−2−2を行う。
【0137】
なお、材料樹脂供給機構29による半導体封止金型装置20のキャビティ23への材料樹脂8の充填は、上述したように下金型部材21と上金型部材22とが型締めされた状態で行われる。したがって、材料樹脂供給機構29の動作は、後述する第3搬送ガイドフレーム72の前段位置に配設された前部トグル型締め駆動機構92が動作した後に行われる。また、材料樹脂供給機構29は、材料樹脂8が硬化するにしたがってキャビティ23内において収縮することから、材料樹脂供給駆動機構81によって材料樹脂装填部28から収縮量に見あった材料樹脂8を補填供給する。
【0138】
下金型部材搬送機構83は、中央部をサイドフレーム73に回動自在に支持された略十字状の回動フレームと、この回動フレームの各腕部にそれぞれ揺動自在に支持された4個搬送部材86等から構成されている。回動フレームは、図示しない駆動機構によって10秒のタクトタイム毎に90°ずつ間欠的に回動動作される。搬送部材86は、回動フレームにブランコ状に支持されることにより水平状態に保持され、その1個が第1搬送空間部74の後端部、換言すれば第6ステーションS−6の後端部に対応位置されている。
【0139】
したがって、半導体封止装置9は、後述するように後部上金型部材駆動機構95によって上金型部材22が分離された下金型部材21を、この下金型部材搬送機構83の搬送部材86に載置して第7ステーション部78へと搬送する搬送工程S−7−1を行う。第7ステーション部78には、図示しないがイジェクトされたリードフレーム組立体7を下金型部材21から取り出すためのリードフレーム組立体取出機構が配設されている。
【0140】
イジェクト駆動機構98も、上述した下金型部材駆動機構82と同様に、詳細を省略するが例えばエアーシリンダ装置によって構成される。イジェクト駆動機構98は、そのピストン部材が搬送ガイド溝79の底部に設けた図示しないガイドスリットを介して第7ステーション部78に対して進退動作する。
【0141】
半導体封止装置9は、イジェクト駆動機構98が駆動されてエアーシリンダ装置が動作すると、そのピストン部材を第7ステーション部78に位置された下金型部材21の底面部43からイジェクト穴31へと進入させる。半導体封止装置9は、これによってイジェクト機構32のイジェクトピン33をイジェクトスプリング34の弾性力に抗して押し上げ、下金型部材21から添着されたリードフレーム組立体7をイジェクトするイジェクト工程S−7−2を行う。
【0142】
半導体封止装置9は、第7ステーション部78において、リードフレーム組立体取出機構によってイジェクトされたリードフレーム組立体7を下金型部材21から取り出すリードフレーム取出工程S−7−3を行う。半導体封止装置9は、さらに下金型部材21を搬送部材86によって第7ステーション部78から第1ステーション部77へと巡回搬送する搬送工程S−8−1を行う。また、半導体封止装置9は、この搬送工程S−8−1において、材料樹脂供給機構29及びイジェクト機構32とを復帰動作させる復帰工程S−8−2を行う。
【0143】
第2搬送ガイドフレーム71は、図31に示すように、その前端部71Aが第1ステーション部77に対応位置されるとともに、後端部71Bが後述する第6ステーション部89に対応位置されている。また、第2搬送ガイドフレーム71には、第1搬送ガイドフレーム70の搬送ガイド溝79に対応してその主面の幅方向の中央部に沿って長手方向の搬送ガイド溝85が設けられている。この搬送ガイド溝85には、下金型部材21が位置決め載置される搬送台が走行される。第2搬送ガイドフレーム71は、図33に示すように、下金型部材21と上金型部材22とが型締めされて一体化された半導体封止金型装置20を、下金型部材21の底面部43を搬送台で支えて搬送させる。
【0144】
第2搬送ガイドフレーム71には、第2加熱機構87が配設されている。この第2加熱機構87は、図31に示すように長手方向のほぼ全域に亘って搬送ガイド溝79を挟んだ両側に位置してその内部に配設された複数のヒータと、図示しない制御部とによって構成されている。第2加熱機構87は、第2搬送ガイドフレーム71を介して下金型部材21を例えばエポキシ樹脂からなる材料樹脂8の溶融温度である175°Cに温度調節する。
【0145】
第2加熱機構87は、上述したように、下金型部材21に差し込まれるセンサーの出力によって制御部が制御されて下金型部材21の温度調節を行う。また、第2加熱機構87は、後述するように第3加熱機構90とによって、下金型部材21と上金型部材22とを第2搬送空間部75の全域に亘って温度調節する。したがって、半導体封装装置9は、第2加熱機構87と第3加熱機構90とにより、第2ステーションS−2乃至第5ステーションS−5間における半導体封止金型装置20に対する上述した各加熱工程を行う。
【0146】
第3搬送ガイドフレーム72は、図31に示すように、その前端部72Aが第2搬送ガイドフレーム71の前端部71Aとほぼ同位置とされるとともに、後端部72Bが第2搬送ガイドフレーム71の後端部71Bに対してほぼ半導体封止金型装置20の外形寸法に対応してやや前方側に位置されている。したがって、第3搬送ガイドフレーム72は、これによってその後端部において第2搬送空間部75と第3搬送空間部76とを連通する第6ステーションS−6に対応する第6ステーション部89を構成している。
【0147】
第3搬送ガイドフレーム72には、第3加熱機構90が配設されている。この第3加熱機構90は、図33に示すように長手方向のほぼ全域に亘って搬送ガイド溝79を挟んだ両側に位置してその内部に配設された複数個のヒータと、図示しない制御部とによって構成されている。第3加熱機構90は、第3搬送ガイドフレーム72を介して上金型部材22を例えばエポキシ樹脂からなる材料樹脂8の溶融温度である175°Cに温度調節する。
【0148】
第3加熱機構90は、上述したように、上金型部材22に差し込まれるセンサーの出力によって制御部が制御されて上金型部材22の温度調節を行う。第3加熱機構90は、上述したように第2加熱機構87とによって、下金型部材21と上金型部材22とを第2搬送空間部75の全域に亘って温度調節するとともに第3搬送空間部76を搬送される上金型部材22を予熱する。
【0149】
第3搬送ガイドフレーム72には、その上方部に位置して前段側に前部上金型部材駆動機構91と前部トグル型締め駆動機構92とが配設されるとともに、後段側に型締機構93と後部トグル型締め駆動機構94及び後部上金型部材駆動機構95とが配設されている。
【0150】
前部上金型部材駆動機構91は、第3搬送ガイドフレーム72の前端部72Aの前方側、すなわち第1ステーション部77に対応して配設されている。前部上金型部材駆動機構91は、詳細を省略するが例えば図示しない制御部によって駆動されるエアーシリンダ装置によって構成され、上下方向に動作するとともにその先端部に吸着ヘッド91Aが取り付けられている。
【0151】
したがって、前部上金型部材駆動機構91は、図31に示すように、吸着ヘッド91Aによってホルダー88を吸着保持することによって第1ステーション部77に位置する上金型部材22を保持する。前部上金型部材駆動機構91は、この状態からエアーシリンダ装置が動作することによって上金型部材22を第2搬送空間部75の位置まで押し下げる。半導体封止装置9は、これによって上金型部材22が下金型部材21に対して低圧状態で型締めされる上述した低圧型締め工程S−1−3を行う。
【0152】
半導体封止装置9は、下金型部材21と上金型部材22とを低圧型締め状態で搬送機構を介して第2搬送空間部75へと搬送する搬送工程及び第2搬送空間部75において第2加熱機構87と第3加熱機構90とによってこれら下金型部材21と上金型部材22とを予熱する搬送予熱工程S−2−1を行う。
【0153】
前部トグル型締め駆動機構92は、第2搬送空間部75の第2ステーション部に対応して半導体封止金型装置20の搬送路を挟んだ両側に配設されている。前部トグル型締め駆動機構92は、詳細を省略するが例えば図示しない制御部によって駆動される一対のエアーシリンダ装置によって構成される。この前部トグル型締め駆動機構92には、上下方向に動作されるピストン部材の先端部が第1ステーション部77に位置する半導体封止金型装置20のトグル型締め機構36の連結部材40に対応位置されている。
【0154】
したがって、前部トグル型締め駆動機構92は、ピストン部材によって連結部材40を押下げ駆動してトグル型締め機構36を全体すぼまった状態とする。半導体封止金型装置20は、これによって上述したように型締め保持機構が動作して下金型部材21と上金型部材22とを型締め状態に自己保持する。
【0155】
型締機構93は、第2搬送空間部75の第2ステーション部に対応して前部トグル型締め駆動機構92の後段位置に配設されており、詳細を省略するが例えば図示しない制御部によって駆動されるエアーシリンダ装置によって構成される。型締機構93は、エアーシリンダ装置が動作されることによってそのピストン部材が上金型部材22の上面部50を押圧する。
【0156】
半導体封止装置9は、これによって上金型部材22が下金型部材21に対して所定の型締め力を以って強く押し付けられて型締め状態とする型締め工程S−2−2を行う。半導体封止装置9は、この半導体封止金型装置20の型締め動作とともに上述した材料樹脂供給駆動機構81の動作による材料樹脂8のキャビティ23への充填供給が行われる。
【0157】
後部トグル型締め駆動機構94は、第3搬送ガイドフレーム72の後端部72Bの後方側、すなわち第6ステーション部89の上方部に対応して配設されている。後部トグル型締め駆動機構94は、詳細を省略するが例えば図示しない制御部によって駆動される一対のエアーシリンダ装置によって構成されている。これら後部トグル型締め駆動機構94は、上下方向に動作されるピストン部材の先端部が第7ステーション部77に位置する半導体封止金型装置20のトグル型締め機構36の連結部材40に対応位置されている。また、ピストン部材は、詳細を省略するが、その先端部が鉤状とされてフックが一体に形成されている。
【0158】
以上のように構成された後部トグル型締め駆動機構94は、上述したように前部トグル型締め駆動機構92によって全体がすぼまった状態とされて半導体封止金型装置20を自己保持するトグル型締め機構36を駆動する。すなわち、後部トグル型締め駆動機構94は、ピストン部材が降下してその先端部のフックがトグル型締め機構36の連結部材40と相対係合する。しかる後、後部トグル型締め駆動機構94は、エアーシリンダ装置が動作してピストン部材を引き上げることにより、フックを介して連結部材40を引上げ動作する。半導体封止装置9は、これによって半導体封止金型装置20のトグル型締め機構36による型締めの自己保持状態を解除する型締解除工程S−6−2を行う。
【0159】
後部上金型部材駆動機構95は、後部トグル型締め駆動機構94の中央部に位置して第3搬送ガイドフレーム72の後端部72Bの後方側、すなわち第6ステーション部89の上方部に配設されている。後部上金型部材駆動機構95は、詳細を省略するが例えば図示しない制御部によって駆動されるエアーシリンダ装置によって構成され、上下方向に動作するとともにその先端部に吸着ヘッド95Aが取り付けられている。
【0160】
したがって、後部上金型部材駆動機構95は、図31に示すように、吸着ヘッド95Aによってホルダー88を吸着保持することにより、第6ステーション部89に位置する上金型部材22を保持する。後部上金型部材駆動機構95は、この状態からエアーシリンダ装置が動作することによって上金型部材22を第2搬送空間部75から第3搬送空間部76の位置まで引き上げる。半導体封止装置9は、これによって上金型部材22を下金型部材21から離間させて型開きする上述した型開き工程S−6−3を行う。半導体封止装置9は、下金型部材21が第2搬送空間部75中を第7ステーション部78まで搬送するのに対して、上金型部材22が第2搬送空間部75中を第6ステーション部89まで搬送される。下金型部材21は、上述したように第7ステーション部78においてリードフレーム組立体7のイジェクト動作、取出動作とが行われる。一方、上金型部材21は、第6ステーション部89から第3搬送空間部76へと移動された後、搬送機構によって第1ステーション部77へと巡回搬送される。
【0161】
以上のように半導体封止装置9は、8組の半導体封止金型装置20を水平方向の上下3段の第1搬送空間部74乃至第3搬送空間部76に沿って、各工程毎に10秒のタクトタイムを以って巡回搬送させる。したがって、半導体封止装置9は、供給されたリードフレーム10からそのチップ実装開口部11に実装された半導体チップ2の外周部を封装する封装樹脂5をアウトサート成形したリードフレーム組立体7を10秒に1個ずつ製造する。
【0162】
半導体封止装置9は、第1搬送空間部74乃至第3搬送空間部76を構成する第1搬送ガイドフレーム70乃至第3搬送ガイドフレーム72の内部に第1加熱機構80、第2加熱機構87及び第3加熱機構90を備えることによって、半導体封止金型装置20を効率的に加熱することから、加熱時間の短縮が図られるとともに、安定した品質のリードフレーム組立体7を生産する。
【0163】
また、半導体封止装置9は、上述した各加熱機構80、87、90とともに半導体封止金型装置20の型締め機構、型締め解除機構或いはイジェクト機構等を駆動する各機構を第1搬送空間部74乃至第3搬送空間部76に設置したことにより、半導体封止金型装置20を小型で簡易な構造とする。したがって、半導体封止装置9は、全体がより小型化されるとともに仕様変更等に際しての半導体封止金型装置20の交換等が簡単に行われる。半導体封止装置9は、従来の半導体封止装置と比較して極めて廉価であるとともに省スペース化がはかられているため、同一領域に複数台設置が可能とされ、全体での生産性の向上を達成する。
【0164】
上述したように、半導体封止装置9は、第1搬送ガイドフレーム70乃至第3ガイドフレーム72によって互いに平行な上下3段の第1搬送空間部74乃至第3搬送空間部76が構成されている。第1搬送ガイドフレーム70乃至第3ガイドフレーム72には、その内部にそれぞれ第1加熱機構80、第2加熱機構87及び第3加熱機構90を配設することによって半導体封止金型装置20を加熱するように構成している。したがって、半導体封止装置9は、半導体封止金型装置20の予熱を行わない場合には、少なくとも上下2段の搬送ガイドフレームによって第1搬送空間部74乃至第3搬送空間部76をそれぞれ構成すればよい。
【0165】
本発明は、上述した半導体封止金型装置20及び半導体封止装置9に限定されるものでは無く、以下のように種々展開される。なお、以下の説明において、半導体封止装置9及び半導体封止金型装置20と同等の構成部位については同一符号を付すことによってその詳細な説明を省略する。
【0166】
半導体封止金型装置20は、図34に示した他の実施例に展開される。この半導体封止金型装置20は、下金型部材21と上金型部材22のクリーニングレス化とイジェクト機構32の小型化を図ったことを特徴としている。すなわち、下金型部材21は、その主面24に例えばDLC、TiN、ICr、プロトニクスシステムTA等のコーティング材によるコーティング処理等を施してコーティング面55が形成されている。コーティング面55は、高硬度で表面磨耗抵抗が小さな主面24を構成している。
【0167】
同様に、上金型部材22にも、その主面44に例えばDLC、TiN、ICr、プロトニクスシステムTA等のコーティング材によるコーティング処理等を施こすことによりコーティング面56が形成されている。コーティング面56は、高硬度で表面磨耗抵抗が小さな主面44を構成している。
【0168】
上述した各コーティング材によるコーティング処理の特性は以下の表1の通りである。DLCコーティング処理については、膜厚は薄いが、母材の硬度を高くすれば下金型部材21と及び上金型部材22のキャビティ23を構成する主面24、44の変形を妨げることが可能であり、極めて好適である。
【0169】
【表1】
Figure 0003572772
【0170】
下金型部材21と上金型部材22とは、上述したコーティング面55、56を形成するために、塗布されたDLCコーテング材を焼き付けるために炉処理が必要である。半導体封止金型装置20は、上述したように小型、軽量化に構成されることから、大型の処理炉を不要とし、主面のコーティング処理の実現を可能としている。一般に、従来の処理炉では、多数個取りを行うリードフレームを装着してリードフレーム組立体を成形する半導体封止金型装置を処理可能なものは提供されていない。
【0171】
半導体封止金型装置20は、下金型部材21と上金型部材22の主面24、44に上述したコーティング面55、56を形成したことにより、リードフレーム組立体7の離型特性が向上されることからイジェクト機構32の簡易化が図られる。すなわち、金型装置においては、一方の金型部材に添着した成形体をイジェクトピンによってイジェクトするとともに、これらイジェクトピンを初期位置へと確実に復帰動作させる。したがって、金型装置は、成形体の離型特性が悪い場合には、イジェクトピンに対して大きなイジェクト力を作用させるとともに、イジェクトピンの大きな復帰力も必要となる。
【0172】
金型装置は、一般に金型部材の背面側に、イジェクトピンを設けたイジェクトプレートを移動自在に配設し、このイジェクトプレートをリターンピン或いはリターンスプリング等によって復帰動作させるように構成される。したがって、金型装置は、イジェクトプレート或いはそのリターン機構によって全体が大型化する。
【0173】
半導体封止金型装置20は、上述した構成によってリードフレーム組立体7の離型特性の向上が図られたことにより、比較的軽微な弾性力によりイジェクトピン33の復帰動作が可能となる。これによって、半導体封止金型装置20は、上述したようにイジェクトピン33が下金型部材21の内部に収納され、全体として小型化が図られている。
【0174】
半導体封止金型装置20は、図35乃至図39に示した他の実施例にも展開される。この半導体封止金型装置20は、下金型部材21と上金型部材22とがその型締め状態をより確実に自己保持されることによって装填部バリや端子部バリの発生が抑制されかつリードフレーム10に封装樹脂5が精密にアウトサート成形されるように構成したことを特徴としている。
【0175】
すなわち、半導体封止金型装置20は、下金型部材21の相対する2側面にそれぞれ配設され、この下金型部材21と上金型部材22との型締め状態を自己保持する一対のトグル型締め機構36にそれぞれ型締めスプリング59が付設されて構成されている。なお、トグル型締め機構36は、上述した第1のトグル型締め機構と比較して、第1リンクレバー57と、型締めスプリング59と、下金型部材21に形成されたスプリング掛止部60との構成を異にするが、その他の基本構成を同様にしている。
【0176】
トグル型締め機構36は、一端部を支軸37A、37Bに回動自在に支持された第1リンクレバー57A、57Bと、これら第1リンクレバー57A、57Bの自由端に回動自在に支持された第2リンクレバー38A、38Bと、これら第2リンクレバー38A、38Bの自由端を連結する連結部材40及び型締めスプリング59とから構成される。第1リンクレバー57は、図36に示すように、その上方部が緩やかに外側へと折曲されることによって外側縁に係合凹部58を構成した略7字状を呈している。
【0177】
これら第1リンクレバー57A、57Bは、図35及び図36に示すように、互いに重なり合わないようにして下端部が支軸37に抜止めされて回動自在に支持されている。第2リンクレバー38A、38Bも、互いに重なり合わないようにして下端部が第1リンクレバー57A、57Bの自由端にそれぞれ抜止めされて回動自在に支持されている。連結部材40は、第2リンクレバー38A、38Bの自由端を一体に連結するが、図35に示すように、型締めスプリング59の一端部を掛け合わすスプリング掛止部61が形成されている。
【0178】
下金型部材21には、支軸37Aと支軸37Bとの中央部に位置してスプリング掛止部60が設けられている。型締めスプリング59は、一端部59Aがこのスプリング掛止部60に掛け合わされるとともに、引張り状態で他端部59Bが連結部材40側のスプリング掛止部61に掛け合わされる。
【0179】
以上のように構成されるトグル型締め機構36は、型締めスプリング59の必要弾性力Fが、図39から、
−F×a+1/2 ×F×tan θ×b−Q×sin α×c+Q×cos α×d=0
・・・式1
a:支軸37とスプリング掛止部60との間隔
b:第1リンクレバー57の長さ寸法
c:支軸37と上金型部材22側の係合ピン48との間隔
θ:初期位置の第2リンクレバー39の角度
α:締結状態の第2リンクレバー39の角度
Q:係合凹部58を介して係合ピン48に作用する型締めスプリング59の必要弾性力Fの分力
で求められる。
【0180】
型締めスプリング59は、例えば各部の寸法値を次に設定した場合、上記式1より、初期荷重が3.1Kgの引張りバネを採用すればよい。
a=26.2mm
b=52.778mm
c=43.798mm
d=0.34558mm
θ=83°
α=5°
式1=−F×26.2+1/2×F×tan 83°×52.778−Q×sin 5 °×43.798+Q×cos 5°×0.34558=403.64F−3.4 73Q=0
これより、F=3.473Q/403.64・・・式2
ここで、必要型締め力Pは、P=Qcos α=0.996Qであることから、Q=1.0038Pとなり、これを式(2)代入して型締めスプリング59の必要弾性力Fを求めると、
=3.473×1.0038P/403.64・・・式3
となる。
【0181】
トグル型締め機構36は、半導体封止金型装置20の両側面に配設され、また材料樹脂5の押出圧力から、P≒350kgとすると、型締めスプリング59の必要弾性力Fは、
=3.473 ×1.0038P/403.64=3.473 ×1.0038×350 /403.64≒3.02kg となる。したがって、型締めスプリング59は、初期荷重で3.1Kg以上の引張りバネが採用される。
【0182】
以上のように構成された半導体封止金型装置20は、下金型部材21と上金型部材22とが型開きした状態において、図36に示すようにトグル型締め機構36の連結部材40が中立点の上方に位置している。同図に示したトグル型締め機構36においては、第1リンクレバー57と第2リンクレバー39の連結部が支軸37とスプリング掛止め部61とを結ぶ直線上から外側に位置していることにより、型締めスプリング59の弾性力が左右の第1リンクレバー57と第2リンクレバー39とをすぼませる方向に作用する。したがって、上述した前部トグル型締め駆動機構92は、この型締めスプリング59の弾性力に抗して連結部材40を押し上げた状態に係止して、下金型部材21と上金型部材22とを型開き状態に保持する機構として構成される。
【0183】
勿論、トグル型締め機構36は、第1リンクレバー57と第2リンクレバー39の連結部を、支軸37とスプリング掛止め部61とを結ぶ直線上から内側に位置させて、型締めスプリング59の弾性力が左右の第1リンクレバー57と第2リンクレバー39とを互いに中央側へと引き寄せる方向に作用させるように構成してもよい。この場合、上述した前部トグル型締め駆動機構92は、第1リンクレバー57と第2リンクレバー39とが互いに突っ張り合った状態を呈し、下金型部材21と上金型部材22とが型開き状態に保持されることになる。
【0184】
半導体封止金型装置20は、上述した型締め工程S−2−2において、トグル型締め機構36の連結部材40が前部トグル型締め駆動機構92による係止状態を解除される。トグル型締め機構36は、型締めスプリング59の弾性力によって左右の第1リンクレバー57と第2リンクレバー39とが支軸37及び連結部を支点としてそれぞれ外側へと回動動作し、下金型部材21に対して上金型部材22を引き付けながら全体としてすぼまった状態となる。
【0185】
ところで、半導体封止金型装置20は、下金型部材21に対して材料樹脂8の装填及びリードフレーム10の装着を行った後、上述したように前部上金型部材駆動機構91によって上金型部材22が押圧動作されて、図37に示すように、下金型部材21に対して位置決めされた状態で型締めが行われる。下金型部材21と上金型部材22とは、この場合、上述したように低圧で型締めされた状態にある。
【0186】
半導体封止金型装置20は、半導体封止装置9側の型締め機構93によって下金型部材21に対して上金型部材22が所定の型締め力を以って押圧されて型締めが行われ、この状態で材料料樹脂供給駆動機構81の動作により材料樹脂供給機構29が材料樹脂装填部28から材料樹脂8をキャビティ23へと押し出す樹脂充填工程が行われる。材料樹脂8は、キャビティ23内において、加熱、加圧状態を保持されることによって硬化する。半導体封止金型装置20は、トグル型締め機構36によってこの型締め状態が確実に保持される。
【0187】
トグル型締め機構36は、全体としてすぼめられた状態において、図38に示すように、第1リンクレバー57に設けた係合凹部58が上金型部材22側の係合ピン48と相対係合する。この係合凹部58と係合ピン48との係合状態は、型締めスプリング59による型締め力によって保持される。型締めスプリング59は、上述したように必要型締め力に見合った弾性力を有している。
【0188】
したがって、半導体封止金型装置20は、次工程へと搬送されて型締め機構93による型締め力が開放された状態においても、必要型締め力を以って下金型部材21と上金型部材22との型締め状態が自己保持される。半導体封止金型装置20は、これによってキャビティ23内に充填された材料樹脂8の硬化工程を搬送工程によって行うことを可能とすることから、タクトタイムを大幅に短縮化させる。また、半導体封止金型装置20は、この材料樹脂8の硬化工程に際して、下金型部材21と上金型部材22とを必要型締め力を以って型締め保持することから、バリの発生が防止されかつリードフレーム10に対して封装樹脂5を安定した状態でアウトサート成形する。
【0189】
半導体封止金型装置20は、第6ステーションS−6まで搬送されと、半導体封止装置9側の後部トグル型締め駆動機構94によって上述したトグル型締め機構36による下金型部材21と上金型部材22との型締め自己保持状態が解除される。すなわち、トグル型締め機構36は、連結部材40が相対係合された後部トグル型締め駆動機構94のフックによって、型締めスプリング59の弾性力に抗して引上げ駆動される。トグル型締め機構36は、これによって第1リンクレバー57が支軸37を支点として回動動作し、その係合凹部58と係合ピン48との係合状態が解除される。
【0190】
半導体封止装置9は、図40及び図41に示した他の半導体封止装置100にも展開される。この半導体封止装置100は、4つのステーションによって構成し、これらステーション毎に上述した4組の半導体封止金型装置20を間欠的に巡回搬送して供給されたリードフレーム10に封装樹脂5をアウトサート成形したリードフレーム組立体7を成形する。なお、以下の説明において、半導体封止装置9と同等の構成部位については同一符号を付すことによってその詳細な説明を省略する。
【0191】
半導体封止装置100は、各ステーションにおける個別の工程数が上述した半導体封止装置9に比較して多くなり、全体のタクトタイムをほぼ同等とするために半導体封止金型装置20が各ステーション間を高速で搬送される。
【0192】
半導体封止装置100は、中央搬送ガイドフレーム101と、この中央搬送ガイドフレーム101の上下に対向位置された図示しない搬送ガイドフレームとを備える。半導体封止装置100には、これら搬送ガイドフレームによって互いに平行な上下3段の搬送空間部102乃至104が構成されている。中央の第1搬送空間部102は、下金型部材21と上金型部材22とが型締めされた状態で搬送される搬送空間部を構成する。下側の第2の搬送空間部103は、型開きされた下金型部材21が単独で搬送される搬送空間部を構成する。上側の第3の搬送空間部104は、型開きされた上金型部材22が単独で搬送される搬送空間部を構成する。
【0193】
中央搬送ガイドフレーム101は、図40に示すように、断面凹字状に形成されて下金型部材21の底面部を支持して搬送する長手方向の搬送ガイド溝が形成されている。半導体封止装置100は、この搬送ガイド溝に沿って第1ステーションS−1乃至第4ステーションS−4が構成される。第1ステーションS−1及び第4ステーションS−4の部位は、詳細を省略するが底部が開放されることによってそれぞれ第2搬送空間部103と連通している。また、図示しない上部搬送ガイドフレームは、第2ステーションS−2及び第3ステーションS−3に対応する長さとされることによって、その両側にそれぞれ第3搬送空間部104との連通部が構成されている。
【0194】
半導体封止装置100には、上述した第1搬送空間部102乃至第3搬送空間部104に沿って図示しないが下金型部材搬送機構及び上金型部材搬送機構とが配設されている。また、半導体封止装置100には、第1搬送空間部102の下方部に位置して、第1ステーションS−1部位に対応して下金型部材駆動機構82が、第2ステーションS−2部位に対応して材料樹脂供給駆動機構81が、第3ステーションS−3部位に対応して下金型部材側の型締め機構105が、さらに第4ステーションS−4部位に対応してイジェクト駆動機構98がそれぞれ配設されている。これら各機構は、上述した半導体封止装置9の各機構と同様に、エアーシリンダ装置によって構成されている。
【0195】
また、半導体封止装置100には、第1搬送空間部101の左右側方部に位置して、第1ステーションS−1部位に対応してリードフレーム供給機構96と材料樹脂供給機構109とがそれぞれ配設されるとともに、第4ステーションS−4部位に対応してリードフレーム組立体取出機構110が配設されている。これらリードフレーム供給機構96及び材料樹脂供給機構109は、例えばロボット装置によって構成され、下金型装置21に対してリードフレーム100或いは材料樹脂8を供給する。なお、材料樹脂供給機構109は、ポットに保持されている。
【0196】
さらに、半導体封止装置100には、第3搬送空間部104の上方部に位置して、第1ステーションS−1部位に対応して前部上金型部材駆動機構91とトグル型締め駆動機構(図示せず)とが、第2ステーションS−2部位に対応して第1の上金型部材の型締め機構106が、第3ステーションS−3部位に対応して第2の上金型部材の型締め機構107が、さらに第4ステーションS−4部位に対応して後部上金型部材駆動機構95及びトグル型締め解除機構(図示せず)とがそれぞれ配設されている。
【0197】
以上のように構成された半導体封止装置100は、第1ステーションS−1部位及び第4ステーションS−4部位において、図40に示すように、下金型部材21と上金型部材22とが上下に型開きした状態にある。また、半導体封止装置100は、第2ステーションS−2部位及び第3ステーションS−3部位において、同図に示すように、下金型部材21と上金型部材22とが型締めされた状態にある。
【0198】
半導体封止装置100は、図41に示すように、第1ステーションS−1において、材料樹脂8のタブレットを材料樹脂供給機構109を介して下金型部材21の材料樹脂装填部28へと装填する材料樹脂装填工程S−1−1と、リードフレーム10をリードフレーム供給機構96を介して下金型部材21に装着するリードフレーム装着工程S−1−2とを行う。半導体封止装置100は、さらに第1ステーションS−1において、下金型部材21と上金型部材22とを下金型部材駆動機構82及び前部上金型部材駆動機構91とによって低圧状態で型締めするとともに図示しない加熱機構によって予熱する低圧型締め・予熱工程S−1−3と、トグル型締め駆動機構によってトグル型締め機構36を動作して型締め状態を自己保持する型締め自己保持工程S−1−4とを行う。
【0199】
半導体封止装置100は、半導体封止金型装置20を上述した型締め自己保持状態で、搬送機構によって第2ステーションS−2へと搬送する。半導体封止装置100は、この第2ステーションS−2において、下金型部材21と上金型部材22とが第1の上金型部材型締め機構106によってしっかりと型締めされた状態で、材料樹脂供給駆動機構81が駆動されてキャビティ23内へと材料樹脂8を供給する樹脂充填工程S−2−1を行う。
【0200】
半導体封止装置100は、材料樹脂8の充填が行われた半導体封止金型装置20を搬送機構によって第3ステーションS−3へと搬送する。半導体封止装置100は、この第3ステーションS−3において、下金型部材21と上金型部材22とを下金型部材型締め機構105と第2の上金型部材型締め機構107及びトグル型締め機構36とによって型締め状態を保持しながら加熱する後加熱工程S−3−1を行う。キャビティ23内に充填された材料樹脂8は、これによって次第に硬化する。
【0201】
半導体封止装置100は、所定のタクトタイム後、半導体封止金型装置20を搬送機構によって第4ステーションS−4へと搬送する。半導体封止装置100は、この第4ステーションS−4において、引き続き半導体封止金型装置20を加熱する後加熱工程S−4−1と、図示しないトグル型締め駆動機構によってトグル型締め機構36を動作して型締め状態を解除するトグル型締め解除工程S−4−2とを行う。また、半導体封止装置100は、この第4ステーションS−4において、後部上金型部材駆動機構95によって下金型部材21に対して上金型部材22を離間動作させる型開き工程S−4−3を行う。
【0202】
さらに、半導体封止装置100は、この第4ステーションS−4において、イジェクト駆動機構98が動作して上金型部材22が型開き動作された下金型部材21からリードフレーム組立体7をイジェクトするリードフレーム組立体イジェクト工程S−4−4と、イジェクトされたリードフレーム組立体7をリードフレーム組立体取出機構110によって取り出すリードフレーム組立体取出工程S−4−5とを行う。
【0203】
さらにまた、半導体封止装置100は、この第4ステーションS−4において、半導体封止金型装置20の材料樹脂供給機構29及びイジェクト機構32とを初期状態へと復帰動作させる復帰工程S−4−6とを行う。しかる後、半導体封止装置100は、搬送機構によって下金型部材21を第2搬送空間部103を介して、また上金型部材22を第3搬送空間部104を介してそれぞれ第1ステーション部位へと巡回搬送させる。
【0204】
以上のように構成された第2の実施例半導体封止装置100によれば、半導体封止金型装置20が4組とされるために、多種類の半導体装置1を製造する場合等において、仕様に適合した半導体封止金型装置20の交換が極めて簡便に行うことができることから、段取り時間等の大幅な短縮が図られ、生産性を向上させる。また、半導体封止装置100は、全体としてさらに小型化が図られる。
【0205】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る半導体封止用金型装置によれば、材料樹脂供給部とランナー部とを同一面内に形成したリードフレームを位置決めした状態で装着し、このリードフレームに実装された半導体チップを封装する封装樹脂をアウトサート成形してリードフレーム組立体を成形するようにしたことから、型締め状態においてリードフレームに対して均一な型締め力を作用させることができ、型締め機構とともに全体構造も簡易で小型化されるばかりでなく、バリの発生が抑制されたリードフレーム組立体を製造することから後工程の合理化も達成させる。また、半導体封止用金型装置は、型締め状態の自己保持機構を備えることにより、材料樹脂を硬化させる後加熱工程を搬送工程において行うことを可能とすることから、製造工程の合理化と時間短縮を達成させる。さらに、半導体封止用金型装置は、全体が軽量、小型に構成されることから、取扱いが簡易となり、多種類の半導体装置を製造する場合等においても、その交換が容易に行われて段取り等の時間短縮を達成させる。
【0206】
また、本発明に係る半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装置によれば、軽量、小型でかつ型締め状態の自己保持機構を備えた半導体封止用金型装置を成形工程に対応して巡回搬送するとともに、材料樹脂供給駆動機構及びイジェクト駆動機構とを備えて半導体封止用金型装置の材料樹脂供給機構及びイジェクト機構を外部から駆動するように構成したことにより、多種類の半導体装置を製造する場合等における半導体封止用金型装置の交換の段取り工程等或いはバリの発生が抑制されたリードフレーム組立体を製造することからバリ取りの後工程等の合理化が図られる。また、半導体封止装置は、全体が小型で廉価であることから同一スペース内で複数を設置することも可能となり、また少数の要員によって対応することができることからリードフレーム組立体を効率良くかつ低コストで生産する。
【0207】
さらに、本発明に係る半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法によれば、軽量、小型でかつ型締め状態の自己保持機構を備えた半導体封止用金型装置を成形工程に対応して巡回搬送させてバリの発生が抑制されたリードフレーム組立体を製造することからバリ取りの後工程等の合理化が図られ、また半導体封装用金型装置の交換等も簡単に行われる。したがって、本発明に係る半導体封止用金型装置を用いた半導体の製造方法は、リードフレーム組立体を効率良く生産するとともに大幅なコストダウンを達成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体装置の斜視図である。
【図2】本発明に用いられるリードフレームの斜視図である。
【図3】同リードフレームに封装樹脂のアウトサート成形を行って成形した半導体装置の中間体であるリードフレーム組立体の斜視図である。
【図4】半導体装置の製造工程を説明する概略製造工程図である。
【図5】本発明に係る半導体封止用金型装置の型開き状態を示す斜視図である。
【図6】同半導体封止用金型装置を構成する下金型部材の斜視図である。
【図7】同下金型部材の一部切欠き側面図である。
【図8】同下金型部材に設けられた材料樹脂装填部から材料樹脂供給機構によって溶融状態の材料樹脂をキャビティ内に押し出す状態を説明する下金型部材の縦断面図である。
【図9】同下金型部材に設けられたイジェクト機構が動作して下金型部材から封装樹脂をアウトサート成形したリードフレーム組立体をイジェクト動作する状態を説明する下金型部材の縦断面図である。
【図10】同半導体封止用金型装置を構成する上金型部材の上面からの斜視図である。
【図11】同上金型部材の底面からの斜視図である。
【図12】同半導体封止用金型装置において、下金型部材と上金型部材とが低圧型締めされた状態を示す斜視図である。
【図13】同半導体封止用金型装置において、型締め保持機構によって下金型部材と上金型部材とが型締め状態を自己保持された状態を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る半導体封止装置における半導体封止用金型装置の搬送位置と成形工程との説明図である。
【図15】同半導体封止装置の成形工程に基づく第1ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材の材料樹脂装填部に材料樹脂を装填する材料樹脂装填工程の状態を示す。
【図16】同第1ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材にリードフレームを装着するリードフレーム装着工程の状態を示す。
【図17】同第1ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材とが低圧で型締めされた状態を示す。
【図18】同半導体封止装置の成形工程に基づく第2ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材とが低圧で型締めされて搬送される状態を示す。
【図19】同第2ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材とを型締保持機構を動作させて本型締をおこなった状態を示す。
【図20】同半導体封止装置の成形工程に基づく第3ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材とが型締保持機構によって型締め状態を自己保持されるとともに加熱手段によって加熱されながら搬送される状態を示す。
【図21】同半導体封止装置の成形工程に基づく第4ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、型締め状態を自己保持された下金型部材と上金型部材とが加熱手段によって後加熱されながら搬送される状態を示す。
【図22】同半導体封止装置の成形工程に基づく第5ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、型締め状態を自己保持された下金型部材と上金型部材とが加熱手段によって後加熱されながら搬送される状態を示す。
【図23】同半導体封止装置の成形工程に基づく第6ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、型締め状態を自己保持された下金型部材と上金型部材に対する加熱が停止されて搬送される状態を示す。
【図24】同第6ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、型締保持機構が駆動されて下金型部材と上金型部材との型締め状態が解除される状態を示す。
【図25】同第6ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材とが型開き動作する状態を示す。
【図26】同半導体封止装置の成形工程に基づく第7ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、搬送機構によって型開きされた下金型部材と上金型部材とがそれぞれ搬送される状態を示す。
【図27】同第7ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、イジェクタ機構が動作されて下金型部材に添着されたリードフレーム組立体がイジェクトされる状態を示す。
【図28】同第7ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、イジェクトされたリードフレーム組立体を取り出す状態を示す。
【図29】同半導体封止装置の成形工程に基づく第8ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材と上金型部材とがそれぞれ搬送される状態を示す。
【図30】同第8ステーションにおける半導体封止用金型装置の状態の説明図であり、下金型部材に設けられた材料樹脂供給機構とイジェク機構とが復帰された状態を示す。
【図31】同半導体封止装置の要部斜視図である。
【図32】同半導体封止装置における半導体封止用金型装置の搬送動作を説明する要部斜視図である。
【図33】同半導体封止装置において、半導体封止用金型装置の搬送空間部の構成を説明する要部正面図である。
【図34】本発明に係る半導体封止用金型装置の他の実施例を示し、キャビティ面にコーティング処理を施した半導体封止用金型装置の分解斜視図である。
【図35】本発明に係る半導体封止用金型装置の他の実施例を示し、型締保持機構に自己保持用のスプリングを設けた半導体封止用金型装置の斜視図である。
【図36】同半導体封止用金型装置において、下金型部材と上金型部材とが型開きされた状態を示す側面図である。
【図37】同半導体封止用金型装置において、下金型部材と上金型部材とが低圧で型締めされた状態を示す側面図である。
【図38】同半導体封止用金型装置において、下金型部材と上金型部材とが型締めされかつ自己保持した状態を示す側面図である。
【図39】同半導体封止用金型装置の型締保持機構に設けられた自己保持用のスプリングの弾性力の作用説明図である。
【図40】本発明に係る半導体封止装置の他の実施例を示し、半導体封止用金型装置を搬送支持する搬送ガイドフレームを省略して示した要部斜視図である。
【図41】同半導体封止装置において、各工程における半導体封止用金型装置の状態を示す説明図である。
【図42】従来のリードフレームに対する封装樹脂のアウトサート成形工程を説明する一部切欠き要部斜視図である。
【符号の説明】
1 半導体装置
2 半導体チップ
3 リード端子片
5 封止樹脂
7 リードフレーム組立体
8 材料樹脂
9 半導体封止装置
10 リードフレーム
11 チップ実装開口部(半導体チップ実装部)
13 樹脂充填領域部
16 位置決め穴
17 カル部
18 ランナー部
19 ゲート部
20 半導体封止金型装置
21 下金型部材
22 上金型部材
23 キャビティ
28 材料樹脂装填部
29 材料樹脂供給機構
30 材料樹脂押出部材
32 イジェクト機構
33 イジェクトピン
36 型締め機構を構成するトグル型締め機構
38 第1リンクレバー
39 第2リンクレバー
40 連結部材
42 係合凹部
48 係合ピン(係合凸部)
55 下金型部材のコーティング面
56 上金型部材のコーティング面
59 型締めスプリング
70 第1搬送ガイドフレーム
71 第2搬送ガイドフレーム
72 第3搬送ガイドフレーム
74 第1搬送空間部
75 第2搬送空間部
76 第3搬送空間部
80 第1加熱機構
81 材料樹脂供給駆動機構
82 下金型部材駆動機構
83 下金型部材搬送機構
87 第2加熱機構
90 第3加熱機構
91 前部上金型部材搬送機構
92 トグル型締め駆動機構
93 型締め機構
94 後部上金型部材搬送機構
96 リードフレーム供給機構
97 材料樹脂供給駆動機構
98 イジェクト駆動機構

Claims (7)

  1. 半導体チップを実装したリードフレームが装填されるとともにこのリードフレームに半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成形されたリードフレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティを構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部材と、
    この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置され、上記第1のキャビティと協動して封装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形成された第2の金型部材と、
    上記第1の金型部材内に設けられ、熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される材料樹脂装填部と、この材料樹脂装填部に装填されるとともに溶融状態とされた上記材料樹脂を上記キャビティ内へと供給する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、
    上記第1の金型部材内に設けられ、上記半導体チップが上記封装樹脂によって封装された上記リードフレーム組立体を上記キャビティから突き出して離型するイジェクトピンを有するイジェクト機構とを備え、
    上記第1の金型部材と第2の金型部材には、型締め状態に自己保持する型締保持機構が設けられるとともに、これら第1の金型部材と第2の金型部材とが設置される本体装置側の駆動機構によって上記材料樹脂供給機構及びイジェクト機構が駆動され、
    上記型締保持機構は、上記第1の金型部材又は第2の金型部材に一端部を回動自在に支持されるとともに第1の係合部が形成された一対の第1のリンクレバー及びこれら第1のリンクレバーの他端部にそれぞれ回動自在に支持されるとともに自由端部が互いに連結部材を介して連結された一対の第2のリンクレバーとからなるトグル型締め機構と、上記第1のリンクレバーの第1の係合部に対応して上記第2の金型部材又は第1の金型部材にそれぞれ設けられた一対の第2の係合部とから構成され、
    上記トグル型締め機構は、上記第1のリンクレバーと第2のリンクレバーとがすぼまった状態に動作されることによって、上記第1のリンクレバーに設けられた上記第1の係合部が対応する上記第2の係合部にそれぞれ相対係合されて、上記第1の金型部材と第2の金型部材とを型締めした状態に自己保持することを特徴とする半導体封止用金型装置。
  2. 上記第1の金型部材と第2の金型部材には、その上記トグル型締め機構の中心線上に位置する側面部に、それぞれ端部が固定される型締め用弾性手段が引張り状態で張架され、
    この型締め用弾性手段の弾性力によって上記トグル型締め機構による上記第1の金型部材と第2の金型部材との型締め状態を保持することを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用金型装置。
  3. 上記第1の金型部材には、上記第2の金型部材が型開きした状態で、
    チップ実装部と、一端部がこのチップ実装部の周辺部にそれぞれ臨ませられるとともに他端部が外周部側へと引き出された多数個のリード端子と、ランナー部と、上記第1の金型部材の材料樹脂装填部に対応するカル部とが導電性金属薄板を素材として一体に形成され、上記チップ実装部に上記半導体チップが各リード端子と電気的に接続されて実装されたリードフレームが装着され、
    これら第1の金型部材と第2の金型部材とが型締め動作されて上記トグル型締め機構による型締め状態が保持され、上記材料樹脂供給機構によって溶融状態の上記材料樹脂が上記キャビティ内へと押し出されて硬化することにより、上記チップ実装部に実装された上記半導体チップを封装する上記封装樹脂を上記リードフレームにアウトサート成形してリードフレーム組立体を成形することを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用金型装置。
  4. 半導体チップを実装したリードフレームが装填されるとともにこのリードフレームに半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成形されてリードフレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティを構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部材と、この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置されるとともに上記第1のキャビティと協動して上記封装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形成された第2の金型部材とからなり、上記第1の金型部材内には熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される材料樹脂装填部及びこの材料樹脂装填部に装填されて溶融状態とされた上記材料樹脂を上記キャビティ内へと供給する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、上記半導体チップが上記封装樹脂によって封装されたリードフレーム組立体を上記キャビティから突き出して離型するイジェクトピンを有するイジェクト機構とが備えられかつ上記第1の金型部材と第2の金型部材とに型締め状態を自己保持する型締保持機構が設けられた半導体封止用金型装置が用いられ、
    この半導体封止用金型装置を巡回搬送する搬送機構と、
    上記半導体封止用金型装置の上記材料樹脂供給機構の押出手段を駆動して上記キャビティ内へ上記材料樹脂を充填させる材料樹脂供給駆動機構と、
    上記リードフレーム組立体に対して上記封装樹脂のアウトサート成形が行われて上記第1の金型部材と第2の金型部材とが型開き動作した状態で、上記イジェクト機構を駆動して上記リードフレーム組立体を上記第1の金型部材からイジェクトさせるイジェクト駆動機構と、
    上下方向に離間して互いに対向配設された第1の搬送ガイドフレーム及び第2の搬送ガイドフレームとを備え、
    これら第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームとの間に構成される第1の搬送空間部は、上記第1の金型部材と第2の金型部材とが型締め状態で上記搬送機構によって搬送される型締め搬送空間部を構成し、
    上記第1の搬送ガイドフレームの下方部に構成される第2の搬送空間部は、型開き状態の上記第1の金型部材が上記搬送機構によって搬送される一方の型開き搬送空間部を構成し、
    上記第2の搬送ガイドフレームの上方部に構成される第3の搬送空間部は、型開き状態の上記第2の金型部材が上記搬送機構によって搬送される他方の型開き搬送空間部を構成し、
    型開きされた上記第1の金型部材と第2の金型部材とが、上記第2の搬送空間部と第3の搬送空間部を経由して初期位置へと巡回搬送されることを特徴とする半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装置。
  5. 少なくとも、上記第1の搬送ガイドフレームには、上記第1の金型部材を加熱する加熱手段が付設されたことを特徴とする請求項4に記載の半導体封止用金型装置を用いた半導体封止装置。
  6. 半導体チップを実装したリードフレームが装填されるとともにこのリードフレームに半導体チップを封装する封装樹脂がアウトサート成形されてリードフレーム組立体を成形する上記封装樹脂のキャビティを構成する第1のキャビティが形成された第1の金型部材と、この第1の金型部材に対して接離自在に対向配置されるとともに上記第1のキャビティと協動して上記封装樹脂のキャビティを構成する第2のキャビティが形成された第2の金型部材とからなり、上記第1の金型部材内には熱硬化性合成樹脂からなる材料樹脂が装填される材料樹脂装填部及びこの材料樹脂装填部に装填されて溶融状態とされた上記材料樹脂を上記キャビティ内へと供給する押出手段とを備えた材料樹脂供給機構と、上記半導体チップが上記封装樹脂によって封装された上記リードフレーム組立体を上記キャビティから突き出して離型するイジェクトピンを有するイジェクト機構とが備えられかつ上記第1の金型部材と第2の金型部材とに型締め状態を自己保持する型締保持機構が設けられた半導体封止用金型装置が用いられ、
    上記半導体封止用金型装置が型開きされた状態において、上記第1の金型部材の上記材料樹脂装填部に上記材料樹脂を装填する樹脂装填工程と、
    同様に、上記半導体封止用金型装置が型開きされた状態において、上記半導体チップを実装した上記リードフレームを上記第1の金型部材に装着するリードフレーム装着工程と、
    上記半導体封止用金型装置を型締めしかつ上記型締保持機構によってその型締め状態を保持するとともに、上記材料樹脂供給機構によって上記キャビティ内に溶融状態の上記材料樹脂を充填する樹脂充填工程と、
    上記型締保持機構による上記半導体封止用金型装置の型締め状態を保持する型締め保持工程と、
    上記半導体封止用金型装置を型開きして上記リードフレームに対して上記封装樹脂のアウトサート成形が行われたリードフレーム組立体を上記第1の金型部材から突き出すイジェクト工程とからなり、
    上記半導体封止用金型装置を上記各工程毎に巡回駆動し、リードフレームに対して上記封装樹脂のアウトサート成形を行うことによりリードフレーム組立体を成形する半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法において、
    上下方向に離間して互いに対向配設された第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームとによって、型締め状態の上記第1の金型部材と第2の金型部材とが搬送される中央部の型締め搬送空間部と、型開き状態の上記第1の金型部材が搬送される上方部の第1の型開き搬送空間部及び上記第2の金型部材が搬送される下方部の第2の搬送空間部とが構成され、上記型締め搬送空間部の搬送工程中に上記リードフレームに対して上記半導体チップを封装する上記封装樹脂のアウトサート成形を行い、型開きされた上記第1の金型部材と第2の金型部材とを、上記第1の型開き搬送空間部と第2の型開き搬送空間部を経由して上記型締め搬送空間部の初期位置へと巡回搬送することによって、リードフレーム組立体の連続成形を行うことを特徴とする半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法。
  7. 上記第1の搬送ガイドフレームと第2の搬送ガイドフレームに設けられた加熱手段により、上記第1の金型部材と第2の金型部材との加熱工程を搬送工程によって行うことを特徴とする請求項6に記載の半導体封止用金型装置を用いた半導体装置の封装樹脂成形方法。
JP35261195A 1995-12-29 1995-12-29 半導体封止用金型装置及びこの金型装置を用いた半導体封止装置並びに半導体装置の封装樹脂成形方法 Expired - Fee Related JP3572772B2 (ja)

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