JP3571937B2 - 建物、ユニット建物およびその施工方法 - Google Patents

建物、ユニット建物およびその施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は折版屋根が設けられた建物、ユニット建物およびその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
折版屋根が設けられた建物は、柱と柱とに梁を架け渡して設け、この梁の上に折版屋根を設けたものである。
しかし、柱と柱との間が長い場合には、梁の強度を大きくする必要がある。
梁の強度を大きくする方法としては梁自体の強度を大きくする方法と、梁に補強梁を取り付ける方法とがあるが、後者の補強梁を取り付ける方法が柱と柱との間が短い場所に使用する強度の小さい梁と同じ梁を使用することができ、従って、両方の梁を大量生産することができ、梁が安価になるので好ましい。
又、柱と柱との間が広く、一本の梁では届き難いときには、梁を中間部で接続する必要があるが、かかる場合には、補強梁を両方の梁に差し渡して取り付けて連結している。
【0003】
一方、ユニット建物は、運搬可能な一定の大きさの箱形の、且つ、内部、外部の仕上げられた建物ユニットと屋根ユニット・屋根パネルとを、予め、工場で製造し、この建物ユニットや屋根ユニット・屋根パネルの複数個を施工現場に運搬し、施工現場で組み立てて建物となすものであって、現場施工期間が短く、且つ、寸法精度の良い標準化された建物となる特徴があることから、近年、広く採用されている。尚、屋根パネルは工場で建物ユニットに取り付けられて施工現場に運搬されることもある。
【0004】
このユニット建物に使用される建物ユニットとしては種々な構造のものが知られている。
例えば、特公昭61−42061号公報には、柱と床梁と天井梁とを箱形に組み立てた建物ユニットの骨格が記載されている。そして、この建物ユニットの骨格の相対する天井梁に天井野縁を差し渡し、この天井野縁の下面に天井材を取り付けて天井を形成し、相対する床梁に床小梁を差し渡し、この上に床根太を取り付け、この床根太の上に床材を取り付けて床を形成し、天井梁と床梁との間に間柱を取り付け、この間柱に外壁パネルや内壁パネルを取り付けて壁を形成して建物ユニットとなすのである。
【0005】
かかるユニット建物では、各建物ユニットのコーナー部に必ず柱があり、結果として複数の建物ユニットのコーナー部を互いに突き合わせ配置した場所には必ず複数本の柱があるが、この柱に遮られることのない広く連続した居室空間を形成させたいときがある。
かかる要望を解決するために、特開平9−317021号公報に記載されている柱省略角部を有するユニット建物が知られている。
【0006】
この柱省略角部を有するユニット建物は、柱省略角部に仮柱を設けた建物ユニットを製造し、この建物ユニットを柱省略角部を互いに突き合わせて据え付けた後、柱省略角部を通過する一方の建物ユニットの天井梁から他方の建物ユニットの天井梁に補強梁を差し渡し、この補強梁を挟んで両側の天井梁を連結した後、仮柱を外して広く連続した居室空間を形成するのである。
このように、建物やユニット建物では梁に補強梁を取り付けて補強することが多くある。従って、この補強梁は機械的強度の大きい程よい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この補強梁の機械的強度を大きくする方法は種々あるが、機械的強度である撓みは高さの3乗に比例するし、曲げ強度は高さの2乗に比例するので、補強梁の背を高くすることによって、少ない材料で比較的安価に機械的強度を大きくすることができ好ましい。
【0008】
このユニット建物の補強梁の背を高くする場合に、下階の建物ユニットの上に上階の建物ユニットを載せた場所では、下階の天井梁と上階の床梁の合計の高さとほぼ等しい補強梁を天井梁と床梁とに差し渡して取り付る等の方法で、補強梁の背を高くすることができるが、折版屋根を取り付ける最上階の建物ユニットの天井梁では、この天井梁の上に床梁がない。従って、天井梁に取り付ける補強梁の背を高くすることができない。
【0009】
そこで、この最上階の建物ユニットの天井梁に折版屋根を取り付ける補強梁の背を高くしようと、補強梁を天井梁の下方まで延長すると、補強梁が下方から見えるようになり外観が悪くなるという問題がある。
かかる問題を解決する方法として、前記特開平9−317021号公報には、補強梁の梁本体部に張り出し部やリブを設けて非平面状にする方法が記載されているが、この方法で補強梁を補強しても、この補強梁の機械的強度が不十分で、更に機械的強度の大きな補強梁に対する要望が強い。
【0010】
以上、ユニット建物の課題を述べたが、通常の建物でも同様な課題が存在する。
そこで、この発明の目的は、従来より機械的強度の大きい補強梁を取り付けた折版屋根の建物、ユニット建物およびその施工方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになしたものであって、請求項1記載の発明は、折版屋根が設けられた建物において、前記折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされ、この形状の異なる山部の中に補強梁が設けられているものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、折版屋根が設けられた建物において、前記折版屋根の一部の谷部が他の谷部より浅くなされ、この浅くなされた谷部の下方に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁が設けられているものである。
【0013】
この請求項1記載の発明に使用する補強梁は形状の異なる山部の中にだけ取り付けるものでもよいし、請求項3記載のように、形状の異なる山部の中に取り付けられた補強梁の下側縁部を延在させて、この延在させた部分を山部の下方に設けられている梁に取り付けるものでもよい。
【0014】
又、請求項2記載の発明に使用する補強梁も、同様に、浅くなされた谷部の下方にだけ取り付けるものでもよいし、請求項4記載のように、断面T字形長尺体の補強梁の縦材を下方に延在させ、この延在させた縦材を、浅くなされた谷部の下方に設けられている梁に取り付けるものでもよい。
【0015】
請求項3記載の発明は、折版屋根が設けられた建物において、前記折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされ、この形状の異なる山部の下方に梁が設けられ、この梁の側面に板状長尺体の補強梁が取り付けられ、この補強梁の上側縁部が折版屋根の形状の異なる山部の中まで延在されているものである。
【0016】
請求項4記載の発明は、折版屋根が設けられた建物において、前記折版屋根の一部の谷部が他の谷部より浅くなされ、この浅くなされた谷部の下方に梁が設けられ、この梁の側面に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材が取り付けられ、この補強梁の横材が谷部の下側近くに位置するまで縦材が延在されているものである。
【0017】
この請求項3および請求項4記載の発明における梁とは、折版屋根材の下方に設けられている梁をいう。例えば、建物の天井梁の上に直接折版屋根材を取り付けた建物では、建物の天井梁をいい、折版屋根用の梁の上に折版屋根材を取り付けた建物では、この折版屋根用の梁をいう。
【0018】
請求項5記載の発明は、柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットの複数個が隣接して据え付けられ、最上階の建物ユニットの上に折版屋根が設けられたユニット建物であって、前記最上階の建物ユニットの天井梁の側面に板状長尺体の補強梁が取り付けられ、この補強梁の上方の折版屋根の山部が他の山部より異なる形状になされ、前記板状長尺体の補強梁の上側縁部が折版屋根の形状の異なる山部の中まで延在されているものである。
【0019】
請求項6記載の発明は、柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットの複数個が隣接して据え付けられ、最上階の建物ユニットの上に折版屋根が設けられたユニット建物であって、前記最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材が取り付けられ、この補強梁の上方の折版屋根の谷部が他の谷部より浅くなされ、この補強梁の横材が谷部の下側近くに位置するまで縦材が延在されているものである。
【0020】
請求項7記載の発明は、柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットの複数個が隣接して据え付けられ、最上階の建物ユニットの上に折版屋根が設けられたユニット建物であって、前記最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、縦材とこの縦材の上端に設けられた上向きの円弧状または斜め上方に開いた横材とからなる長尺体の補強梁の縦材が、折版屋根の山部の中に円弧状または斜め上方に開いた横材の先端部を挿入した状態にして、取り付けられているものである。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれかの一に記載の発明に係り、前記最上階の建物ユニットが柱を省略した柱省略角部を有するものであり、前記ユニット建物がこの建物ユニットの複数個を柱省略角部を突き合わせて据え付けたものであり、前記補強梁が前記柱省略角部を通過する一方の天井梁から他方の天井梁に差し渡されて取り付けられているものである。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項5乃至請求項8のいずれかの一に記載の発明に係り、前記折版屋根が、複数の折版屋根材とこの複数の折版屋根材を連結した折版連結材とからなり、この折版連結材の下方に天井梁が設けられ、この天井梁に補強梁が取り付けられているものである。
【0023】
請求項10記載の発明は、柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットを工場で製造し、この建物ユニットを施工現場で組み立てるユニット建物の施工方法であって、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、天井梁の高さより幅広の補強梁を、上側縁部を天井梁より上方に突出させた状態にして取り付け、この突出した補強梁の上方に、一部の山部が他の山部より異なる形状の折版屋根を、この形状の異なる山部の中に突出した補強梁の上側縁部を入れて、取り付けるものである。
【0024】
この請求項1、請求項3、請求項5および請求項10記載の発明においては、折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされているが、この山部の異なる形状としては、この中に挿入される補強梁の形状による。例えば、高さを高くして機械的強度を大きくする補強梁の場合では、この補強梁を挿入する山部の形状を他の山部のより高くすればよいし、縦材の上に幅の大きな横材を設けて機械的強度を大きくする補強梁の場合では、この補強梁を挿入する山部の形状を横方向に長い山部とすればよい。
【0025】
請求項11記載の発明は、柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットを工場で製造し、この建物ユニットを施工現場で組み立てるユニット建物の施工方法であって、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、天井梁より高い縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材を、横材を天井梁より上方に突出させた状態にして取り付け、この突出した補強材の上方に、一部の谷部が他の谷部より浅くなされた折版屋根を、この浅くなされた谷部の下側近傍に突出している断面T字形長尺体の横材を位置させて、取り付けるものである。
【0026】
本発明に使用される補強梁は、補強梁の形状に成形したものでもよいし、複数の部品を重合したものでもよいし、板を折曲や溶接等の加工したものでもよい。
特に、板を加工したものが安価に製造できるので好ましい。
【0027】
(作用)
請求項1記載の発明では、折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされ、この形状の異なる山部の中に補強梁が設けられているから、この異なる山部の形状を機械的強度を大きくした補強梁の形状に適合する形状になすことにより、この機械的強度の大きい補強梁をこの異なる形状の山部の中に設けることができる。
【0028】
例えば、背を高くして機械的強度を大きくした補強梁を設ける場合には、山部を高くし、縦材の上に取り付けた横材の幅を大きくして機械的強度を大きくした補強材を設ける場合には、山部の幅を大きくすればよい。
このように、折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になっているから、この異なる形状の山部の中に設ける補強梁の機械的強度を大きくすることができるし、この機械的強度の大きな補強梁を設けることによって梁の強度不足を補うことができる。
【0029】
請求項2記載の発明では、折版屋根の一部の谷部が他の谷部より浅くなされ、この浅くなされた谷部の下方に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁が設けられているから、浅くなされた谷部の下側にも、この浅くしただけ背を高くして、機械的強度を大きくした補強梁を設けることができる。従って、この補強梁を取り付けることによって梁の強度不足を補うことができる。
【0030】
請求項3記載の発明では、折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされているから、請求項1記載の発明と同様に、この異なる形状の山部の中に設ける補強梁の機械的強度を大きくすることができるし、この機械的強度の大きな補強梁を設けることによって梁の強度不足を補うことができる。
【0031】
しかも、この形状の異なる山部の下方に梁が設けられ、この梁の側面に板状長尺体の補強梁が取り付けられ、この補強梁の上側縁部が折版屋根の形状の異なる山部の中まで延在されているから、補強梁の背の高さは梁の高さと折版屋根の山部の中まで延在された部分の合計にほぼ等しくなり背が高い。即ち、補強梁の機械的強度が大きい。従って、この補強梁を取り付けることによって建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0032】
請求項4記載の発明では、折版屋根の一部の谷部が他の谷部より浅くなされているから、請求項2記載の発明と同様に、谷部に機械的強度の大きな補強梁を設けることができるし、この補強梁を取り付けることによって梁の強度不足を補うことができる。
【0033】
しかも、梁の側面に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材が取り付けられ、この補強梁の横材が谷部の下側近くに位置するまで縦材が延在されているから、補強梁の縦材の背の高さは梁の高さと浅くなされた谷部の下側近くに位置するまでの距離の合計にほぼ等しくなり背が高い。即ち、補強梁の機械的強度が大きい。従って、この補強梁を取り付けることによって建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0034】
請求項5記載の発明では、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に板状長尺体の補強梁が取り付けられ、この補強梁の上方の折版屋根の山部が他の山部より異なる形状になされ、前記板状長尺体の補強梁の上側縁部が折版屋根の形状の異なる山部の中まで延在されているから、請求項3記載の発明と同様に、板状長尺体の補強梁の背の高さは梁の高さと折版屋根の山部の中まで延在された部分の合計にほぼ等しくなり背が高い。即ち、補強梁の機械的強度が大きい。従って、この補強梁を取り付けることによって建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0035】
しかも、この補強梁はユニット建物の天井梁に取り付けられているので、建物ユニットの複数個を工場等で製造し、この建物ユニットを施工現場で据え付け、折版屋根を設けるときに、建物ユニットの天井梁に補強梁を取り付ければよく、施工し易い。
【0036】
請求項6記載の発明では、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材が取り付けられ、この補強梁の上方の折版屋根の谷部が他の谷部より浅くなされ、この補強梁の横材が谷部の下側近くに位置するまで縦材が延在されているから、請求項4記載の発明と同様に、補強梁の背の高さを梁の高さと浅くなされた谷部の下側までの距離の合計にほぼ等しい高さまで背が高くなり、補強梁の機械的強度を大きい。従って、この補強梁を取り付けることによってユニット建物の天井梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0037】
しかも、この補強梁は最上階のユニット建物の天井梁に取り付けられるので、建物ユニットの複数個を工場等で製造し、この建物ユニットを施工現場で据え付け、折版屋根を設けるときに、最上階の建物ユニットの天井梁に補強梁を取り付ければよく、施工し易い。
【0038】
請求項7記載の発明では、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、縦材とこの縦材の上端に設けられた上向きの円弧状または斜め上方に開いた横材とからなる長尺体の補強梁の縦材が、折版屋根の山部の中に円弧状または斜め上方に開いた横材の先端部を挿入した状態にして、取り付けられている。即ち、補強梁を上記のように特殊な形状にすることにより、この補強梁の機械的強度を大きくすることができる。従って、この機械的強度の大きな補強梁を設けることによって、山部や谷部を特殊な形状にすることなくともユニット建物の天井梁を補強できる。
【0039】
請求項8記載の発明では、請求項5乃至請求項7のいずれかの一に記載の発明に係るから、請求項5〜請求項7記載の発明と同様に、機械的強度の大きい補強梁を天井梁に取り付けることができるし、この補強梁を取り付けることによって最上階のユニット建物の天井梁の機械的強度を大きく改善させることができる。しかも、補強梁が前記柱省略角部を通過する一方の天井梁から他方の天井梁に差し渡されているから、柱省略角部では、建物ユニットの天井梁と隣の建物ユニットの天井梁とが機械的強度の大きい補強梁で連結され補強されている。従って、一般に、一方の天井梁と他方の天井梁との継ぎ目の機械的強度は小さいがこの機械的強度の小さい継ぎ目でも、撓んだり曲がることがない。
【0040】
請求項9記載の発明では、請求項5乃至請求項8のいずれかの一に記載の発明に係るから、請求項5〜請求項8記載の発明と同様に、機械的強度の大きい補強梁を天井梁に設けることができるし、この補強梁を取り付けることよって最上階の建物ユニットの天井梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
しかも、この請求項9記載の発明は、折版屋根が、複数の折版屋根材とこの複数の折版屋根材を連結した折版連結材とからなり、この折版連結材の下方に前記天井梁が設けられ、この天井梁に補強梁が取り付けられているから、施工し易い構造である。
【0041】
即ち、折版屋根に取り付ける折版屋根材の幅は、通常、建物ユニットのモジュール寸法に基づいて決められ、折版屋根は折版屋根材を並べ、この折版屋根材を折版連結材で連結して設けることが多い。
そして、ユニット建物に屋根部分に折版屋根を設ける場合には、建物ユニットの上に端から端まで折版屋根を並べて設け、この建物ユニットの折版屋根材と隣の建物ユニットの折版屋根材とを折版連結材で連結すると、施工し易いので、通常はこの方法で折版屋根を設けることが多い。
【0042】
このように施工すると、建物ユニットと隣の建物ユニットとの間で折版屋根材を折版連結材で連結することになる。そして、折版連結材の下方でこの建物ユニットの天井梁と隣の建物ユニットの天井梁とは対峙していて、この天井梁に取り付けられた補強梁は折版連結材の方向に突出する。
従って、この上方に突出している補強梁の上方で両方の建物ユニットに取り付けられている折版屋根材を折版連結材で連結すればよく、施工し易い。
【0043】
更に、工場等で、建物ユニットに折版屋根材を取り付け、施工現場で建物ユニットを据え付けた後に補強梁を取り付け、この補強梁の上方で折版屋根材を折版連結材で連結して請求項9記載の構造にすることによって、現場施工工数が少なくすることもできる。
【0044】
請求項10記載の発明では、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、天井梁の背の高さより幅広の補強梁を、上側縁部を天井梁より上方に突出させた状態にして取り付け、この突出した補強梁の上方に、一部の山部が他の山部より異なる形状の折版屋根を、この形状の異なる山部の中に突出した補強梁の上側縁部を入れて、取り付けるものであるから、天井梁の背の高さより幅広の、即ち、機械的強度の大きい補強梁を簡単に取り付けることができる。しかも、このようにして補強梁を取り付けると、請求項5記載のユニット建物となる。
従って、請求項5記載のユニット建物と同様に、この補強梁を取り付けることによってユニット建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0045】
請求項11記載の発明では、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、天井梁より背の高い縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材を、横材を天井梁より上方に突出させた状態にして取り付け、この突出した補強材の上方に、一部の谷部が他の谷部より浅くなされた折版屋根を、この浅くなされた谷部の下側近傍に突出している断面T字形長尺体の横材を位置させて、取り付けるものであるから、折版屋根の浅くなされた谷部に背の高い、即ち、機械的強度の大きい補強梁を簡単に取り付けることができる。しかも、このようにして補強梁を取り付けると、請求項6記載のユニット建物となる。
従って、請求項6記載のユニット建物と同様に、この補強梁を取り付けることによってユニット建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を示す。
(実施例1)
図1〜図6は本発明を柱省略角部を有するユニット建物に適用した一実施例を示すもので、図1(イ)はユニット建物を示す斜視説明図、(ロ)は(イ)のA−A線に沿った断面を示す断面図、図2は図1のユニット建物の2階部分の建物ユニットの平面視配置図、図3は建物ユニットの骨格を示す斜視説明図、図4は柱省略角部を有する建物ユニットの骨格を示す斜視説明図、図5は柱省略角部を有する建物ユニットに補強梁を取り付けている状態を示す斜視説明図、図6は補強梁の斜視図である。
【0047】
図1〜図6において、Uはユニット建物であり、このユニット建物Uは、図1および図2に示すように、基礎9の上に9個の建物ユニット1が据え付けられ、この9個の建物ユニット1の上に5個の建物ユニット1と4個の柱省略角を有する建物ユニット2が据え付けられ、この建物ユニット1と柱省略角部を有する建物ユニット2の上に折版屋根4が設けられたものである。
【0048】
建物ユニット1は、図3に示すように、矩形状の四隅に配置した4本の柱11と、この4本の柱11の上端部を矩形状の辺に沿ってジョイント材14を介して連結した天井梁13と、この4本の柱11の下端部を矩形状の辺に沿ってジョイント材14を介して連結した床梁12とからなる骨格を有し、この相対する天井梁13、13に天井野縁17を差し渡し、この天井野縁17の下面に天井材を取り付けて天井を形成し、相対する床梁12、12に床小梁15を差し渡し、この床小梁15の上に床根太16を取り付け、この床根太16の上に床材を取り付けて床を形成し、天井梁13と床梁12との間に間柱19を取り付け、この間柱19に壁パネルを取り付けて壁を形成したものであり、短辺方向の長さはトラックに載せることができるほぼ2400mmである。
そして、この建物ユニット1の長辺方向の長さはモジュール寸法(900mm)を基準にした倍数(ほぼ3600mm、ほぼ4500mm、ほぼ5400mm)である。
【0049】
柱省略角部を有する建物ユニット2は、図4に示すように、矩形状の四隅に配置した3本の柱21と上下にジョイント材31、32を仮固定した仮柱3と、この3本の柱21の上端部に取り付けられたジョイント材24や仮柱3に取り付けられたジョイント材31を矩形状の辺に沿って連結した天井梁23と、この2本の柱21の下端部に取り付けられたジョイント材24や仮柱3に取り付けられたジョイント材32を矩形状の辺に沿って連結した床梁22とからなる骨格を有し、この相対する天井梁23、23に天井野縁27を差し渡し、この天井野縁27の下面に天井材を取り付けて天井を形成し、相対する床梁22、22に床小梁25を差し渡し、この床小梁25の上に床根太26取り付け、この床根太26の上に床材を取り付けて床を形成し、天井梁23と床梁22との間に間柱29を取り付け、この間柱29に壁パネルを取り付けて壁を形成したものであり、短辺方向の長さも長辺方向の長さも建物ユニット1とほぼ同じである。
【0050】
折版屋根4は、山部51と谷部52とが交互に設けられた折版屋根材5を、最上階の建物ユニット1や柱省略角部を有する建物ユニット2の上に取り付け、この折版屋根材5を折版連結材6で連結したものである。尚、この折版屋根材5の幅は建物ユニットのモジュール寸法であるほぼ900mmである。又、折版連結材6は山部が1つだけのものでもよいし、山部と谷部とからなるものであってもよいが、この実施例1では山部61が1つだけのものを使用し、しかも、この山部61の幅は折版屋根材5の山より幅が広くなっている。
【0051】
7は、図6に示すように、縦材71の上端に横材72が設けられた断面T字形長尺体の補強梁であり、この補強梁7は、図5に示すように、建物ユニット2の柱省略角部を通過する短辺方向の一方の天井梁23から他方の天井梁23に差し渡して取り付けて、この天井梁23を補強するものである。尚、この補強梁7の縦材71の背の高さは、天井梁23の背の高さと、この天井梁23から天井梁23に取り付けられた折版屋根材5を連結する折版連結材6の山部の中までの合計の距離にほぼ等しい長さをしているし、横材72の幅は折版連結材6の山部61の横方向の長さより若干短い長さをしている。即ち、この横材72は折版屋根材5の山部の幅より大きい幅をしている。
【0052】
次に、このユニット建物Uの施工方法を説明する。
工場で、図3に示す建物ユニット1の骨格を製造し、この建物ユニット1の骨格の相対する天井梁13、13に天井野縁17を差し渡し、この天井野縁17の下面に天井材を取り付けて天井を形成し、相対する床梁12、12に床小梁15を差し渡し、この床小梁15の上に床根太16を取り付け、この床根太16の上に床材を取り付けて床を形成し、天井梁13と床梁12との間に間柱19を取り付け、この間柱19に壁パネルを取り付けて壁を形成して建物ユニット1を製造する。
【0053】
又、図4に示す建物ユニット2の骨格を製造し、この柱省略角部を有する建物ユニット2の骨格の相対する天井梁23、23に天井野縁27を差し渡し、この天井野縁27の下面に天井材を取り付けて天井を形成し、相対する床梁22、22に床小梁25を差し渡し、この上に床根太26を取り付け、この床根太26の上に床材を取り付けて床を形成し、天井梁23と床梁22との間に間柱29を取り付け、この間柱29に壁パネルを取り付けて壁を形成して柱省略角部を有する建物ユニット2を製造する。
【0054】
又、補強梁7、折版屋根材5、折版連結材6等を製造し、この建物ユニット1、柱省略角部を有する建物ユニット2、補強梁7、折版屋根材5、折版連結材6等を施工現場に運搬する。
【0055】
施工現場では、予め設けている基礎9の上に、9個の建物ユニット1を据え付け、この上に、4個の柱省略角部を有する建物ユニット2を、長辺同士を対向させ、柱省略角部を突き合わせて据え付け、図5に示すように、一方の柱省略角部を有する建物ユニット2の短辺の天井梁23が対向しているほぼ一直線状になっている隙間58から柱省略角部を経て他方の柱省略角部を有する建物ユニット2の短辺の天井梁23が対向している隙間59に補強梁7の縦材71を挿入し、この補強梁7の縦材71を両側の天井梁23で挟んだ状態にして、ボルト・ナットで補強梁7を天井梁23に取り付ける。
【0056】
すると、補強梁7の縦材71の背の高さは、天井梁23の背の高さと、この天井梁23から天井梁23に取り付けられた折版屋根材5を連結した折版連結材6の山部61の中までの合計の距離にほぼ等しい長さをしているから、この補強梁7の上側縁部に設けられている横材72は建物ユニット2の天井梁23と隣の建物ユニット2の天井梁23との間から上方に突出する。
【0057】
その後、仮柱3をジョイント材31、32から取り外し、この周囲に5個の建物ユニット1を長辺同士や短辺同士を対向させて据え付けて2階を完成させる。その後、建物ユニット1や柱省略角部を有する建物ユニット2の上に、建物ユニット1や柱省略角部を有する建物ユニット2の長辺方向を折版屋根材5の幅方向にして、折版屋根材5を並べて取り付け、この折版屋根材5を折版連結材6で連結する。
【0058】
すると、建物ユニット1や柱省略角部を有する建物ユニット2の短辺方向の縁部と折版屋根材5の縁部とがほぼ同じ位置になる。この建物ユニット1や柱省略角部を有する建物ユニット2の間も折版連結材6で連結する。
この際、柱省略角部を有する建物ユニット2と隣の柱省略角部を有する建物ユニット2との間では、補強梁7の上側縁部に設けられている横材72が突出しているから、この上側縁部に設けられている横材72を折版連結材6の山部61の中に挿入しながら、折版連結材6で折版屋根材5を連結すると、図1(ロ)に示す構造となる。
最後に、各種仕上げを行うと、ユニット建物Uが完成する。
【0059】
このようにして完成したユニット建物Uでは、この柱省略角部を有する建物ユニット2と、建物ユニット1等とをユニット建物Uに組み立てた後に、仮柱3をジョイント材31、32から外しているので、この仮柱3の部分に広く連続した居住空間を形成させることができる。
【0060】
又、このユニット建物Uに使用する補強梁7は縦材71の背の高さが天井梁23の背の高さと、天井梁23から天井梁23に取り付けられた折版屋根材5を連結する折版連結材6の山部61の中までの合計にほぼ等しい高さになっているし、補強梁7の横材2が幅が広くなっている折版連結材6の山部61より若干小さいというように広い。従って、この補強梁7は機械的強度が極めて大きい。
【0061】
そして、このユニット建物Uでは、ほぼ一直線状になっている柱省略角部を通過する一方の建物ユニット2の短辺の天井梁から他方の建物ユニット2の短辺の天井梁23に機械的強度の大きい補強梁7が差し渡され、この補強梁7の縦材71と両側の天井梁23とが強固に連結されているから、柱省略角部では一方の天井梁23と他方の天井梁23とが補強梁7で連結されて機械的強度が大きく改善される。従って、最も機械的強度が比較的小さい連結部でも撓み難い。
【0062】
(実施例2)
図7本発明の他の実施例を示すもので、(イ)〜(ニ)は、それぞれ別々の補強材を折版屋根に取り付けた状態の断面図、(ホ)および(ヘ)はそれぞれ別々の補強梁の断面図である。
【0063】
図7には、それぞれ別々の補強梁の取付構造や補強梁を示している。従って、この補強梁の取付構造や補強梁を実施例1と比較しながら説明する。
即ち、(イ)に示す折版連結材6aは2個の山部61aと、この2個の山部61aの間に設けられた谷部62aとからなり、この山部61aと谷部62aとは折版屋根材5aの山部51aと谷部52aとほぼ同じ形状をしている。
【0064】
補強梁7aは平板状の縦材71aと、この上端に取り付けられた円弧状の横材72aとからなる特殊な形状をした長尺体である。
そして、天井梁23aに補強梁7aの縦材71aが取り付けられ、横材72aが2個の山部61aに挿入されている。
【0065】
このように、補強梁7aに円弧状の横材72aが設けられていると、補強梁7aが折版連結材61aの谷部62aの下方に取り付けられていても、補強梁7aを山部61aの中まで深く延長させることができる。
このように補強梁7aが特殊な形状をしていて機械的強度が大きいので、折版連結材6aの山部61aと谷部62aとが折版屋根材5aの山部51aと谷部52aとほぼ同じ形状をしていても、天井梁23aを補強することができる。
【0066】
(ロ)に示す折版連結材6bは折版屋根材5bの山部51bより高く、幅は実施例1とほぼ同じになっている。又、補強梁7bはこの高い折版連結材6bの下方まで縦材71bが延長されている断面T字形の長尺体である。従って、補強梁7bの縦材71bの背の高さは実施例1より高く、横材72bはほぼ同じになっている。
このように折版連結材6bの背が高くなっているだけ、補強梁7bの背を高くすることができるので、実施例1の補強梁より更に機械的強度が大きくなっている。従って、補強梁7bを取り付けることにより天井梁23bの機械的強度を大きく改善させることができる。
【0067】
(ハ)に示す折版連結材6cは2個の山部61cと、この2個の山部61cの間に設けられた谷部62cとからなり、この谷部62cが折版屋根材5cの谷部52cより浅くなされている。又、補強梁7cは、縦材71cの上端に横材72cが設けられている断面T字形長尺体である。この補強梁7cの高さは天井梁23cの高さと浅くなされた谷部52cの下側までの合計とほぼ等しい距離となっている。
そして、天井梁23cに補強梁7cの縦材71cが取り付けられている。
【0068】
このようになっているから、補強梁7cの高さを天井梁23cの高さと浅くなされた谷部62cの下側までの合計の距離とほぼ等しく高くすることができ、補強梁7cの機械的強度が大きい。従って、この補強梁7cを取り付けることによって天井梁23cの機械的強度を大きく改善させることができる。
【0069】
(ニ)に示す折版連結材6dは2個の山部61dと、この2個の山部61dの間に設けられた谷部62dとからなり、この山部61dと谷部62dとは折版屋根材5dの山部51dと谷部52dとほぼ同じ形状をしている。
補強梁7dは平板状の縦材71dと、この上端に取り付けられた斜め上方に開いた横材72dとからなる断面Y字形という特殊な形状をした長尺体である。
そして、天井材23dに補強梁7dの縦材71dが取り付けられ、横材72dが2個の山部61dの中に挿入されている。
【0070】
このように、補強梁7dに斜め上方に開いた横材72dが設けられていると、補強梁7dが折版連結材61dの谷部62dの下方に取り付けられていても、補強梁7dを山部61dの中まで深く延長させることができる。
このように補強梁7dが特殊な形状をしていて機械的強度が大きいので、折版連結材6dの山部61dと谷部62dとが折版屋根材5aの山部51dと谷部52dとほぼ同じ形状をしていても、天井梁23dを補強することができる。
【0071】
(ホ)に示す補強梁7eは2個の断面L字形の長尺体7e−1、7e−2を溶接して断面T字形長尺体に成形したものである。
このように長尺体7e−1、7e−2を溶接することにより、単独の長尺体7e−1、7e−2の厚みが小さくとも機械的強度の大きな補強梁7eとすることができる。
【0072】
(ヘ)に示す補強梁7fは1枚の板を折曲して断面T字形に成形した長尺体である。
このように1枚の板を断面T字形に成形することにより、厚みの小さい板でも機械的強度の大きな補強梁7fとすることができる。
【0073】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされ、この形状の異なる山部の中に補強梁が設けられている構造をしているから、この折版屋根の異なる山部の中に設ける補強梁の機械的強度を大きくすることができるし、この機械的強度の大きい補強梁を取り付けることによって梁の強度不足を補うことができる。
【0074】
請求項2記載の発明は、折版屋根の一部の谷部が他の谷部より浅くなされ、この浅くなされた谷部の下方に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁が設けられている構造をしているから、浅くなされた谷部に背の高い従って機械的強度の大きい補強梁を設けることができるし、この補強梁を取り付けることによって梁の強度不足を補うことができる。
【0075】
請求項3記載の発明は、折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされ、この形状の異なる山部の下方に梁が設けられ、この梁の側面に板状長尺体の補強梁が取り付けられ、この補強梁の上側縁部が折版屋根の形状の異なる山部の中まで延長されている構造をしているから、請求項1記載の発明に使用する補強梁と同様に機械的強度を大きくすることができる上に、補強梁の高さを梁の高さと折版屋根の山部の中まで延長された部分の合計とほぼ等しくすることができ、補強梁の機械的強度を更に大きくすることができる。従って、この補強梁を取り付けることによって建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0076】
請求項4記載の発明は、折版屋根の一部の谷部が他の谷部より浅くなされている構造をしているから、請求項2記載の発明に使用する補強梁と同様に機械的強度を大きくすることができる。
しかも、梁の側面に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材が取り付けられている構造をしているから、補強梁の高さを梁の高さと浅くなされた谷部の下側までの距離の合計にほぼ等しくすることができ、補強梁の機械的強度を更に大きくすることができる。従って、この補強梁を取り付けることによって建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0077】
請求項5記載の発明は、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に板状長尺体の補強梁が取り付けられ、この補強梁の上方の折版屋根の山部が他の山部より異なる形状になされ、板状長尺体の補強梁の上側縁部が折版屋根の形状の異なる山部の中まで延長されている構造をしているから、請求項3記載の発明と同様に、この補強梁の機械的強度を大きくすることができる。従って、この補強梁を取り付けることによって建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
しかも、この補強梁はユニット建物の天井梁に取り付けられているので施工し易い。
【0078】
請求項6記載の発明は、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材が取り付けられ、この補強梁の上方の折版屋根の谷部が他の谷部より浅くなされている構造をしているから、請求項4記載の発明と同様に、この補強梁の機械的強度を大きくすることができる。従って、この補強梁を取り付けることよってユニット建物の天井梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
しかも、この補強梁はユニット建物の天井梁に取り付けられているので施工し易い。
【0079】
請求項7記載の発明は、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、縦材とこの縦材の上端に設けられた上向きの円弧状または斜め上方に開いた横材とからなる長尺体の補強梁の縦材が、折版屋根の山部の中に円弧状または斜め上方に開いた横材の先端部を挿入した状態にして取り付けられている構造をしているから、この補強梁の機械的強度を特殊な形状にすることにより大きくすることができる。従って、この機械的強度の大きい補強梁を取り付けることによってユニット建物の天井梁の機械的強度を大きくすることができる。
【0080】
請求項8記載の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれかの一に記載の発明に係るから、請求項5〜請求項7記載の発明と同様に、機械的強度の大きい補強梁を設けることができるし、この補強梁を取り付けることによってユニット建物の天井梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0081】
しかも、建物ユニットが柱を省略した柱省略角部を有するものであり、前記ユニット建物がこの建物ユニットの複数個を柱省略角部を突き合わせて据え付けたものであり、前記補強梁が前記柱省略角部を通過する一方の天井梁から他方の天井梁に差し渡されている構造をしているから、柱省略角部では、建物ユニットの天井梁と隣の建物ユニットの天井梁とが機械的強度の大きい補強梁で連結され補強される。従って、機械的強度の小さい一方の天井梁と他方の天井梁との繋ぎ目でも撓んだり曲がることがない。
【0082】
請求項9記載の発明では、請求項5乃至請求項8のいずれかの一に記載の発明に係るから、請求項5〜請求項8記載の発明と同様に、機械的強度の大きい補強梁を設けることができるし、この補強梁を取り付けることよって最上階のユニット建物の天井梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
しかも、この請求項9記載の発明は、折版屋根が、複数の折版屋根材とこの複数の折版屋根材を連結した折版連結材とからなり、この折版連結材の下方に天井梁が設けられ、この天井梁に補強梁が取り付けられている構造をしているから、施工し易い構造である。
【0083】
請求項10記載の発明は、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、上側縁部を天井梁より上方に突出させて天井梁の背の高さより幅広の補強梁を取り付け、この突出した補強梁の上側縁部を折版屋根の形状の異なる山部の中に入れて折版屋根を取り付ける施工方法であるから、幅広の機械的強度の大きい補強梁を簡単に取り付けることができる。しかも、このようにして補強梁を取り付けると、請求項5記載のユニット建物となる。
従って、請求項5記載のユニット建物と同様に、この補強梁を取り付けることによって建物の梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【0084】
請求項11記載の発明では、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、横材を天井梁より上方に突出させた状態にして、天井梁より背の高い縦材の上端に横材が設けられた断面T字形の補強梁の縦材を取り付け、この突出している断面T字形長尺体の横材をこの浅くなされた谷部の下方に位置させて折版屋根を取り付ける施工方法であるから、機械的強度の大きい補強梁を簡単に取り付けることができる。しかも、このようにして補強梁を取り付けると、請求項6記載のユニット建物となる。
従って、請求項6記載のユニット建物と同様に、この補強梁を取り付けることによってユニット建物の天井梁の機械的強度を大きく改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を柱省略角部を有するユニット建物に適用した一実施例を示すもので、(イ)はユニット建物を示す斜視説明図、(ロ)は(イ)のA−A線に沿った断面を示す断面図である。
【図2】図1のユニット建物の2階部分の建物ユニットの平面視配置図である。
【図3】建物ユニットの骨格を示す斜視説明図である。
【図4】柱省略角部を有する建物ユニットの骨格を示す斜視説明図である。
【図5】柱省略角部を有する建物ユニットに補強梁を取り付けている状態を示す斜視説明図である。
【図6】補強梁の斜視図である。
【図7】図7本発明の他の実施例を示すもので、(イ)〜(ニ)は、補強材を折版屋根に取り付けた状態の断面図、(ホ)および(ヘ)は補強梁の断面図である。
【符号の説明】
U ユニット建物
1 建物ユニット
2 柱省略角部を有する建物ユニット
22 床梁
23、23a、23b、23c 天井梁
3 仮柱
4 折版屋根
5 折版屋根材
6、6a、6b、6c、6d 折版連結材
61、61a、61c、61d 山部
62a、62c、62d 谷部
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f 補強梁
71、71a、72b、71c、71d 縦材
72、72a、72c、72d 横材

Claims (11)

  1. 折版屋根が設けられた建物において、前記折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされ、この形状の異なる山部の中に補強梁が設けられていることを特徴とする建物。
  2. 折版屋根が設けられた建物において、前記折版屋根の一部の谷部が他の谷部より浅くなされ、この浅くなされた谷部の下方に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁が設けられていることを特徴とする建物。
  3. 折版屋根が設けられた建物において、前記折版屋根の一部の山部が他の山部より異なる形状になされ、この形状の異なる山部の下方に梁が設けられ、この梁の側面に板状長尺体の補強梁が取り付けられ、この補強梁の上側縁部が折版屋根の形状の異なる山部の中まで延在されていることを特徴とする建物。
  4. 折版屋根が設けられた建物において、前記折版屋根の一部の谷部が他の谷部より浅くなされ、この浅くなされた谷部の下方に梁が設けられ、この梁の側面に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材が取り付けられ、この補強梁の横材が谷部の下側近くに位置するまで縦材が延在されていることを特徴とする建物。
  5. 柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットの複数個が隣接して据え付けられ、最上階の建物ユニットの上に折版屋根が設けられたユニット建物であって、前記最上階の建物ユニットの天井梁の側面に板状長尺体の補強梁が取り付けられ、この補強梁の上方の折版屋根の山部が他の山部より異なる形状になされ、前記板状長尺体の補強梁の上側縁部が折版屋根の形状の異なる山部の中まで延在されていることを特徴とするユニット建物。
  6. 柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットの複数個が隣接して据え付けられ、最上階の建物ユニットの上に折版屋根が設けられたユニット建物であって、前記最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材が取り付けられ、この補強梁の上方の折版屋根の谷部が他の谷部より浅くなされ、この補強梁の横材が谷部の下側近くに位置するまで縦材が延在されていることを特徴とするユニット建物。
  7. 柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットの複数個が隣接して据え付けられ、最上階の建物ユニットの上に折版屋根が設けられたユニット建物であって、前記最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、縦材とこの縦材の上端に設けられた上向きの円弧状または斜め上方に開いた横材とからなる長尺体の補強梁の縦材が、折版屋根の山部の中に円弧状または斜め上方に開いた横材の先端部を挿入した状態にして、取り付けられていることを特徴とするユニット建物。
  8. 前記最上階の建物ユニットが柱を省略した柱省略角部を有するものであり、前記ユニット建物がこの建物ユニットの複数個を柱省略角部を突き合わせて据え付けたものであり、前記補強梁が前記柱省略角部を通過する一方の天井梁から他方の天井梁に差し渡されて取り付けられていることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかの一に記載のユニット建物。
  9. 前記折版屋根が、複数の折版屋根材とこの複数の折版屋根材を連結した折版連結材とからなり、この折版連結材の下方に天井梁が設けられ、この天井梁に補強梁が取り付けられていることを特徴する請求項5乃至請求項8のいずれかの一に記載のユニット建物。
  10. 柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットを工場で製造し、この建物ユニットを施工現場で組み立てるユニット建物の施工方法であって、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、天井梁の背の高さより幅広の補強梁を、上側縁部を天井梁より上方に突出させた状態にして取り付け、この突出した補強梁の上方に、一部の山部が他の山部より異なる形状の折版屋根を、この形状の異なる山部の中に突出した補強梁の上側縁部を入れて、取り付けることを特徴とするユニット建物の施工方法。
  11. 柱と天井梁と床梁とを箱形に組み立てた骨格を有する建物ユニットを工場で製造し、この建物ユニットを施工現場で組み立てるユニット建物の施工方法であって、最上階の建物ユニットの天井梁の側面に、天井梁より背の高い縦材の上端に横材が設けられた断面T字形長尺体の補強梁の縦材を、横材を天井梁より上方に突出させた状態にして取り付け、この突出した補強材の上方に、一部の谷部が他の谷部より浅くなされた折版屋根を、この浅くなされた谷部の下側近傍に突出している断面T字形長尺体の横材を位置させて、取り付けることを特徴とするユニット建物の施工方法。
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