JP3570777B2 - 面発光装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスプレイとして薄形の電飾照明、および薄形軽量のラップトップパソコン、ワープロ、液晶TV、カーナビゲーションのバックライトなどに利用される面発光装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エッジライト方式の面発光装置の製造方法としては、(i)射出成形用金型5内に溶融樹脂を射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形する工程(図7のi参照)、(ii)金型を型開きした後に、導光板6の裏面に光拡散透過層3をグラデーションパターンでスクリーン印刷法などにより形成し、導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する工程(図7のii参照)とからなっていた。
【0003】
そして、面発光装置が、光をより効率よく利用するための光反射板1を有する場合には、上記(ii)の工程において、導光板6の光拡散透過層3が設けられた面に導光板6との間に隙間を形成するように光反射板1を配置し、光反射板1と導光板6とを端部において接着層11で固定していた(図8参照)。隙間を形成する理由は、導光板6の光拡散透過層3が設けられた面と光反射板1とが密着していると、その界面に到達した光のうち全反射すべき光までが光反射板1の表面で散乱反射されるため、線光源7から離れた箇所まで光を導きにくくなるからである。
【0004】
また、面発光装置が導光板表面における輝度分布をより均一にするための光拡散板10を有する場合には、上記(ii)の工程において、導光板6表面に導光板6との間に隙間を形成するように光拡散板10を配置し、光拡散板10と導光板6とを端部において接着層11で固定していた(図9参照)。隙間を形成する理由は、導光板6表面と光拡散板10とが密着していると、その界面に到達した光のうち全反射すべき光までが光拡散板10の裏面で散乱反射されるため、線光源7から離れた箇所まで光を導きにくくなるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の面発光装置の製造方法では、上記(i)の工程と(ii)の工程の間、つまり導光板の成形後で光反射板や光拡散板を配置する以前に、導光板の表面あるいは裏面が傷付くことがあった。たとえば、成形した複数の導光板を保管や運搬のために積層させる場合、上に載せる導光板の角部が、下になる導光板の上面にぶつかって傷を付けることがある。導光板の表面あるいは裏面が傷付くと、導光板内を全反射すべき光が傷の部分より導光板外に出射されるため、その部分だけに異常発光が生じるという問題があった。
【0006】
また、上記(i)の工程と(ii)の工程の間に、導光板の表面あるいは裏面にゴミが付着することがあった。導光板の表面あるいは裏面裏面にゴミが付着すると、導光板から出射した光がゴミで散乱反射されるため、その部分だけに異常発光が生じるという問題があった。また、ゴミの付着した部分が、発光するのではなく、逆に光を遮って影になってしまう場合もある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記の問題を解決することにあって、輝度の均一な面発光装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の面発光装置の製造方法は、以下の[1]〜[3]のように構成した。
【0009】
[1] 面発光装置の製造方法に係る第1の発明は、導光板の成形と同時に、導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板1とを一体化させる。
【0010】
[2] 面発光装置の製造方法に係る第2の発明は、導光板の成形と同時に、導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板の裏面反射部とを一体化させ、また導光板の1〜3側面に光反射板の側面反射部を一体化させる。なお、一枚のインサート材を用いて導光板の側面にも光反射板を一体化させる点で第1の発明と異なる。
【0011】
[3] 面発光装置の製造方法に係る第3の発明は、導光板の成形と同時に、導光板の表面に密着する接着層を介して導光板と成形樹脂反発層および光拡散板とを一体化させる。なお、成形同時で一体化する対象が光反射板ではなく光拡散板である点で第1および第2の発明と異なる。
【0012】
以下、本発明を図を用いて[1]〜[3]についてさらに詳しく説明する。
【0013】
図1〜図6は本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。1は光反射板、2は成形樹脂反発層、3は光拡散透過層、4はインサート材、5は金型、6は導光板、7は線光源、8は裏面反射部、9は側面反射部、10は光拡散板、11は接着層をそれぞれ示す。
【0014】
[1] 面発光装置の製造方法に係る第1の発明について以下に説明する。
【0015】
(i)光反射板1の反射性を有する一面に成形樹脂反発層2を全面的に形成し、成形樹脂反発層2上に光拡散透過層3をグラデーションパターンで形成したインサート材4を射出成形用金型5内に配置する工程(図1のi参照)。
【0016】
この工程で用いるインサート材4の光反射板1は、光拡散透過層3で散乱反射して導光板6内に戻れなかった光を導光板6側に反射して光を効率よく利用できるようにするものである。光反射板1の材質としては、たとえば、次のようなものが好ましい。(1)白色ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの白色フィルムまたは板。(2)白色塗装あるいは白色印刷したアルミニウム板。(3)鏡面を呈した金属板やアルミニウムなどの金属箔、あるいは金属蒸着を施したフィルムや板。
【0017】
また、インサート材4の成形樹脂反発層2は、射出成形時において成形樹脂と密着しない性質のものである。成形樹脂反発層2は、シリコーン樹脂、パラフィン、ワックス類、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂などを含むインキを用いた印刷法やロールコート法、スプレーコート法などのコート法により形成する。
【0018】
インサート材4の光拡散透過層3は、線光源より導光板6内に導かれた光を光拡散反射し、その一部を導光板6の表面側に向かわせるものである。また、光拡散透過層3のグラデーションパターンは、線光源7近傍の面積率より線光源7から離れた箇所での面積率を大きくするように形成などして、導光板6の表面へ向かう光を均一に配分する。光拡散透過層3の面積率を変化させるには、光拡散透過層3を任意形状のドットで構成し、ドットの大きさを変えたり、位置によってドットの数を変えることによって行う。ドットの形状は特に限定されることなく、ラウンドドット、スクエアドット、チェーンドットなど任意形状でよい。また、ドットのかわりにストライプ状に形成してもよい。光拡散透過層3の形成方法としては、マットインキを用いた印刷法などがある。マットインキとしては、導光板6とほぼ同じかそれ以下の屈折率を有する炭酸カルシウムやシリカなどの粒子状透明物質を含有するインキを用いれば、より光拡散性を向上させることができる。
【0019】
この工程で用いる金型5は、固定型と可動型の一対からなるものである。固定型と可動型とを型閉めすることにより、導光板6に対応する空間部を形成する。この金型5を用いて得る導光板6は、透明で、厚さ1.5〜30mm程度の矩形状のものが好ましく、厚さの均一な平板でも、線光源7から遠ざかるにつれて厚さが薄くなるような傾斜面部が裏面側に形成された板でもよい。なお、傾斜面部は、傾斜角度が一定なものに限られず、傾斜角度が変化していてもよい。
【0020】
(ii)金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の裏面に密着する光拡散透過層3を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光反射板1とを一体化させる工程(図1のii参照)。
【0021】
この工程で用いる溶融樹脂の材料としては、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリルスチレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂がある。
【0022】
なお、導光板6が成形直後に樹脂収縮するときに、成形樹脂反発層2が成形樹脂と密着しない性質であるので、成形樹脂反発層2のみが形成された部分において導光板6と光反射板1との間に隙間が形成される。この隙間により、面発光装置は導光板6裏面に到達した光の全反射を確保し、線光源7から離れた箇所まで光を導くことができる。
【0023】
(iii)金型5を型開きした後に、導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する工程(図1のiii参照)。
【0024】
この工程で用いる線光源7としては、直径2〜3mmの熱陰極線管や冷陰極線管などの陰極線管を用いる。また、線光源7の形状は、I字状のもの、隣接する2側面にわたるL字状のもの、3側面にわたるU字状のものを使用できる。また、複数の線光源7を配置することもできる。
【0025】
以上、図1に従って説明したが、第1の発明は、光反射板1の反射性を有する一面に光拡散透過層3をグラデーションパターンで形成し、光拡散透過層3の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填したインサート材4を用いることもできる。なお、光拡散透過層3の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填する場合、成形樹脂反発層2は光拡散透過層3の形成部分を除くパターンを有するので、印刷法により形成する。また、光拡散透過層3と成形樹脂反発層2は、どちらを先に形成してもよい。
【0026】
そして、このインサート材4を用いた面発光装置の製造工程は、成形樹脂反発層2上に光拡散透過層3を形成した前記インサート材4を用いたものと同様に、インサート材4を射出成形用金型5内に配置し(図2のi参照)、金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の裏面に密着する光拡散透過層3を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光反射板1とを一体化させ(図2のii参照)、金型5を型開きした後に、導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する(図2のiii参照)。
【0027】
[2] 面発光装置の製造方法に係る第2の発明について以下に説明する。
【0028】
(i)光反射板1の反射性を有する一面が矩形の裏面反射部8と裏面反射部8の1〜3辺に沿って連接された細長い形状の側面反射部9とからなり、少なくとも裏面反射部8に成形樹脂反発層2を全面的に形成し、裏面反射部8の成形樹脂反発層2上に光拡散透過層3をグラデーションパターンで形成したインサート材4を射出成形用金型内に配置する工程(図3のi参照)。
【0029】
この工程で用いるインサート材4の光反射板1は、光拡散透過層3で散乱反射して導光板6内に戻れなかった光を裏面反射部8で導光板6側に反射し、また導光板6側面より出射した光を側面反射部9で導光板6側に反射して光を効率よく利用できるようにするものである。光反射板1の材質としては、第1の発明と同様の材質のものを用いる。ただし、第2の発明の光反射板1は、第1の発明の光反射板1が導光板6の裏面のみを覆うのに対して導光板6の裏面以外に1〜3側面も覆うため、側面反射部9の面積分だけ第1の発明よりも大きい寸法が必要である。また、光反射板1は、材質が金属や樹脂の板である場合、成形樹脂反発層2や光拡散透過層3の形成前にすでに裏面反射部8と側面反射部9との境界で屈曲していてもよい。また、光反射板1が屈曲しやすいように、あるいは光反射板1の裏面反射部8と側面反射部9とが成形時または成形後に切断されるように、裏面反射部8と側面反射部9との境界にミシン目などを設けてもよい。
【0030】
また、インサート材4の成形樹脂反発層2は、光反射板1の少なくとも裏面反射部8に、第1の発明と同様のものが第1の発明と同様の方法で形成される。なお、図3のiに示すように裏面反射部8のみに成形樹脂反発層2を形成してもよいし、光反射板1の全面に成形樹脂反発層2を形成してもよい。
【0031】
インサート材4の光拡散透過層3は、裏面反射部8の成形樹脂反発層2上に、第1の発明と同様のものが第1の発明と同様の方法で形成される。
この工程で用いる金型5は、第1の発明と同様のものを用いることができる。
【0032】
(ii)金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の裏面に密着する光拡散透過層3を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光反射板1の裏面反射部8とを一体化させ、また導光板6の1〜3側面に光反射板1の側面反射部9を一体化させる工程(図3のii参照)。
【0033】
この工程で用いる溶融樹脂は、第1の発明と同様のものを用いることができる。
【0034】
なお、導光板6が成形直後に樹脂収縮するときに、成形樹脂反発層2が成形樹脂と密着しない性質であるので、成形樹脂反発層2のみが形成された部分において導光板6と光反射板1との間に隙間が形成される。この隙間により、面発光装置は導光板6裏面に到達した光の全反射を確保し、線光源7から離れた箇所まで光を導くことができる。また、成形樹脂反発層2が側面反射部9に形成されていない場合には、導光板6と光反射板1の側面反射部9とは密着する。
【0035】
(iii)金型5を型開きした後に、導光板6の光反射板1を配置していない側面のうち少なくとも1側面に線光源7を配置する工程(図3のiii参照)。
【0036】
この工程で用いる線光源7としては、第1の発明と同様のものを用いることができる。
【0037】
以上、図3に従って説明したが、第2の発明は、光反射板1の反射性を有する一面が矩形の裏面反射部8と裏面反射部8の1〜3辺に沿って連接された細長い形状の側面反射部9とからなり、光反射板1の裏面反射部8に光拡散透過層3をグラデーションパターンで形成し、裏面反射部8の光拡散透過層3の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填したインサート材4を用いることもできる。なお、裏面反射部8の光拡散透過層3の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填する場合、成形樹脂反発層2は光拡散透過層3の形成部分を除くパターンを有するので、印刷法により形成する。また、光拡散透過層3と成形樹脂反発層2は、どちらを先に形成してもよい。
【0038】
そして、このインサート材4を用いた面発光装置の製造工程は、成形樹脂反発層2上に光拡散透過層3を形成した前記インサート材4を用いたものと同様に、インサート材4を射出成形用金型5内に配置し(図4のi参照)、金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の裏面に密着する光拡散透過層3を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光反射板1の裏面反射部8とを一体化させ、また導光板6の1〜3側面に光反射板1の側面反射部9を一体化させ(図4のii参照)、金型5を型開きした後に、導光板6の光反射板1を配置していない側面のうち少なくとも1側面に線光源7を配置する(図4のiii参照)。
【0039】
[3] 面発光装置の製造方法に係る第3の発明について以下に説明する。
【0040】
(i)光拡散板10の片面に成形樹脂反発層2を全面的に形成し、成形樹脂反発層2上の端部に接着層11を部分的に形成したインサート材4を射出成形用金型5内に配置する工程(図5のi参照)。
【0041】
この工程に用いるインサート材4の光拡散板10は、導光板6の表面より出射した光を拡散させ、輝度分布をなめらかにするためのものである。光拡散板10の材質としては、たとえば、次のようなものが好ましい。(1)光拡散物質がコーティングされたフィルムまたは板。(2)自ら光拡散性を有するフィルム。(3)乳白色の樹脂板。
【0042】
また、インサート材4の成形樹脂反発層2は、光拡散板10の片面に、第1および第2の発明と同様のものが第1および第2の発明と同様の方法で形成される。
【0043】
インサート材4の接着層11は、光拡散板10を導光板6に固定するものである。接着層11の材質としては、導光板6の素材に適した感熱接着性あるいは感圧接着性の樹脂を適宜使用する。たとえば、導光板6の材質がポリアクリル系樹脂の場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、導光板6の材質がポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。接着層11の形成方法としては、グラビア印刷などの印刷法などがある。
【0044】
この工程に用いる金型5は、第1および第2の発明と同様のものを用いることができる。
【0045】
(ii)金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の表面に密着する接着層11を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光拡散板10とを一体化させる工程(図5のii参照)。
【0046】
この工程で用いる溶融樹脂は、第1および第2の発明と同様のものを用いることができる。
【0047】
なお、導光板6が成形直後に樹脂収縮するときに、成形樹脂反発層2が成形樹脂と密着しない性質であるので、成形樹脂反発層2のみが形成された部分において導光板6光拡散板10との間に隙間が形成される。この隙間により、面発光装置は導光板6表面に到達した光の全反射を確保し、線光源7から離れた箇所まで光を導くことができる。
【0048】
(iii)金型5を型開きした後に、導光板6の裏面に光拡散透過層3を形成し、また導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する工程(図5のiii参照)。
【0049】
この工程で用いる線光源7は、第1および第2の発明と同様のものを用いることができる。なお、導光板6の成形と同時に光拡散板10を配置した後、さらに光拡散板10を単数または複数積層してもよい。
【0050】
以上、図5に従って説明したが、第5の発明は、光拡散板10の片面の端部に接着層11を部分的に形成し、接着層11の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填したインサート材4を用いることもできる。なお、接着層11の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填する場合、成形樹脂反発層2は接着層11の形成部分を除くパターンを有するので、印刷法により形成する。また、接着層11と成形樹脂反発層2は、どちらを先に形成してもよい。
【0051】
そして、このインサート材4を用いた面発光装置の製造工程は、成形樹脂反発層2上に接着層11を形成した前記インサート材4を用いたものと同様に、インサート材4を射出成形用金型5内に配置し(図6のi参照)、金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の表面に密着する接着層11を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光拡散板10とを一体化させ(図6のii参照)、金型5を型開きした後に、導光板6の裏面に光拡散透過層3を形成し、また導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する(図6のiii参照)。
【0052】
【作用】
本発明の面発光装置の製造方法は、上記の構成よりなるから、以下のような作用をする。
【0053】
すなわち、面発光装置の製造方法に係る第1の発明は、導光板を成形すると同時に導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板とを一体化させるので、導光板の裏面は光反射板により保護されて傷やゴミが付かない。
【0054】
また、面発光装置の製造方法に係る第2の発明は、導光板を成形すると同時に導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板の裏面反射部とを一体化させ、また導光板の1〜3側面に光反射板の側面反射部を一体化させるので、導光板の裏面は光反射板により保護されて傷やゴミが付かない。
【0055】
また、面発光装置の製造方法に係る第3の発明は、導光板を成形すると同時に導光板の表面に密着する接着層を介して導光板と成形樹脂反発層および光拡散板とを一体化させるので、導光板の表面は光拡散板により保護されて傷やゴミが付かない。
【0056】
【発明の効果】
本発明の面発光装置の製造方法は、以上のような構成および作用からなるので、次の効果が奏される。
【0057】
すなわち、面発光装置の製造方法に係る第1の発明は、導光板の成形以後、導光板の裏面が光反射板により保護されて傷やゴミが付かないので、異常発光や影が生じにくく、輝度の均一な面発光装置を得ることができる。
【0058】
また、面発光装置の製造方法に係る第2の発明は、導光板の成形以後、導光板の裏面が光反射板により保護されて傷やゴミが付かないので、異常発光や影が生じにくく、輝度の均一な面発光装置を得ることができる。
【0059】
また、面発光装置の製造方法に係る第3の発明は、導光板の成形以後、導光板の表面が光拡散板により保護されて傷やゴミが付かないので、異常発光や影が生じにくく、輝度の均一な面発光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図2】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図3】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図4】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図5】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図6】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図7】従来技術に係る面発光装置の製造工程を示す模式断面図である。
【図8】従来技術に係る面発光装置を示す模式断面図である。
【図9】従来技術に係る面発光装置を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 光反射板
2 成形樹脂反発層
3 光拡散透過層
4 インサート材
5 金型
6 導光板
7 線光源
8 裏面反射部
9 側面反射部
10 光拡散板
11 接着層
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスプレイとして薄形の電飾照明、および薄形軽量のラップトップパソコン、ワープロ、液晶TV、カーナビゲーションのバックライトなどに利用される面発光装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エッジライト方式の面発光装置の製造方法としては、(i)射出成形用金型5内に溶融樹脂を射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形する工程(図7のi参照)、(ii)金型を型開きした後に、導光板6の裏面に光拡散透過層3をグラデーションパターンでスクリーン印刷法などにより形成し、導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する工程(図7のii参照)とからなっていた。
【0003】
そして、面発光装置が、光をより効率よく利用するための光反射板1を有する場合には、上記(ii)の工程において、導光板6の光拡散透過層3が設けられた面に導光板6との間に隙間を形成するように光反射板1を配置し、光反射板1と導光板6とを端部において接着層11で固定していた(図8参照)。隙間を形成する理由は、導光板6の光拡散透過層3が設けられた面と光反射板1とが密着していると、その界面に到達した光のうち全反射すべき光までが光反射板1の表面で散乱反射されるため、線光源7から離れた箇所まで光を導きにくくなるからである。
【0004】
また、面発光装置が導光板表面における輝度分布をより均一にするための光拡散板10を有する場合には、上記(ii)の工程において、導光板6表面に導光板6との間に隙間を形成するように光拡散板10を配置し、光拡散板10と導光板6とを端部において接着層11で固定していた(図9参照)。隙間を形成する理由は、導光板6表面と光拡散板10とが密着していると、その界面に到達した光のうち全反射すべき光までが光拡散板10の裏面で散乱反射されるため、線光源7から離れた箇所まで光を導きにくくなるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の面発光装置の製造方法では、上記(i)の工程と(ii)の工程の間、つまり導光板の成形後で光反射板や光拡散板を配置する以前に、導光板の表面あるいは裏面が傷付くことがあった。たとえば、成形した複数の導光板を保管や運搬のために積層させる場合、上に載せる導光板の角部が、下になる導光板の上面にぶつかって傷を付けることがある。導光板の表面あるいは裏面が傷付くと、導光板内を全反射すべき光が傷の部分より導光板外に出射されるため、その部分だけに異常発光が生じるという問題があった。
【0006】
また、上記(i)の工程と(ii)の工程の間に、導光板の表面あるいは裏面にゴミが付着することがあった。導光板の表面あるいは裏面裏面にゴミが付着すると、導光板から出射した光がゴミで散乱反射されるため、その部分だけに異常発光が生じるという問題があった。また、ゴミの付着した部分が、発光するのではなく、逆に光を遮って影になってしまう場合もある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記の問題を解決することにあって、輝度の均一な面発光装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の面発光装置の製造方法は、以下の[1]〜[3]のように構成した。
【0009】
[1] 面発光装置の製造方法に係る第1の発明は、導光板の成形と同時に、導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板1とを一体化させる。
【0010】
[2] 面発光装置の製造方法に係る第2の発明は、導光板の成形と同時に、導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板の裏面反射部とを一体化させ、また導光板の1〜3側面に光反射板の側面反射部を一体化させる。なお、一枚のインサート材を用いて導光板の側面にも光反射板を一体化させる点で第1の発明と異なる。
【0011】
[3] 面発光装置の製造方法に係る第3の発明は、導光板の成形と同時に、導光板の表面に密着する接着層を介して導光板と成形樹脂反発層および光拡散板とを一体化させる。なお、成形同時で一体化する対象が光反射板ではなく光拡散板である点で第1および第2の発明と異なる。
【0012】
以下、本発明を図を用いて[1]〜[3]についてさらに詳しく説明する。
【0013】
図1〜図6は本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。1は光反射板、2は成形樹脂反発層、3は光拡散透過層、4はインサート材、5は金型、6は導光板、7は線光源、8は裏面反射部、9は側面反射部、10は光拡散板、11は接着層をそれぞれ示す。
【0014】
[1] 面発光装置の製造方法に係る第1の発明について以下に説明する。
【0015】
(i)光反射板1の反射性を有する一面に成形樹脂反発層2を全面的に形成し、成形樹脂反発層2上に光拡散透過層3をグラデーションパターンで形成したインサート材4を射出成形用金型5内に配置する工程(図1のi参照)。
【0016】
この工程で用いるインサート材4の光反射板1は、光拡散透過層3で散乱反射して導光板6内に戻れなかった光を導光板6側に反射して光を効率よく利用できるようにするものである。光反射板1の材質としては、たとえば、次のようなものが好ましい。(1)白色ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの白色フィルムまたは板。(2)白色塗装あるいは白色印刷したアルミニウム板。(3)鏡面を呈した金属板やアルミニウムなどの金属箔、あるいは金属蒸着を施したフィルムや板。
【0017】
また、インサート材4の成形樹脂反発層2は、射出成形時において成形樹脂と密着しない性質のものである。成形樹脂反発層2は、シリコーン樹脂、パラフィン、ワックス類、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂などを含むインキを用いた印刷法やロールコート法、スプレーコート法などのコート法により形成する。
【0018】
インサート材4の光拡散透過層3は、線光源より導光板6内に導かれた光を光拡散反射し、その一部を導光板6の表面側に向かわせるものである。また、光拡散透過層3のグラデーションパターンは、線光源7近傍の面積率より線光源7から離れた箇所での面積率を大きくするように形成などして、導光板6の表面へ向かう光を均一に配分する。光拡散透過層3の面積率を変化させるには、光拡散透過層3を任意形状のドットで構成し、ドットの大きさを変えたり、位置によってドットの数を変えることによって行う。ドットの形状は特に限定されることなく、ラウンドドット、スクエアドット、チェーンドットなど任意形状でよい。また、ドットのかわりにストライプ状に形成してもよい。光拡散透過層3の形成方法としては、マットインキを用いた印刷法などがある。マットインキとしては、導光板6とほぼ同じかそれ以下の屈折率を有する炭酸カルシウムやシリカなどの粒子状透明物質を含有するインキを用いれば、より光拡散性を向上させることができる。
【0019】
この工程で用いる金型5は、固定型と可動型の一対からなるものである。固定型と可動型とを型閉めすることにより、導光板6に対応する空間部を形成する。この金型5を用いて得る導光板6は、透明で、厚さ1.5〜30mm程度の矩形状のものが好ましく、厚さの均一な平板でも、線光源7から遠ざかるにつれて厚さが薄くなるような傾斜面部が裏面側に形成された板でもよい。なお、傾斜面部は、傾斜角度が一定なものに限られず、傾斜角度が変化していてもよい。
【0020】
(ii)金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の裏面に密着する光拡散透過層3を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光反射板1とを一体化させる工程(図1のii参照)。
【0021】
この工程で用いる溶融樹脂の材料としては、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリルスチレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂がある。
【0022】
なお、導光板6が成形直後に樹脂収縮するときに、成形樹脂反発層2が成形樹脂と密着しない性質であるので、成形樹脂反発層2のみが形成された部分において導光板6と光反射板1との間に隙間が形成される。この隙間により、面発光装置は導光板6裏面に到達した光の全反射を確保し、線光源7から離れた箇所まで光を導くことができる。
【0023】
(iii)金型5を型開きした後に、導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する工程(図1のiii参照)。
【0024】
この工程で用いる線光源7としては、直径2〜3mmの熱陰極線管や冷陰極線管などの陰極線管を用いる。また、線光源7の形状は、I字状のもの、隣接する2側面にわたるL字状のもの、3側面にわたるU字状のものを使用できる。また、複数の線光源7を配置することもできる。
【0025】
以上、図1に従って説明したが、第1の発明は、光反射板1の反射性を有する一面に光拡散透過層3をグラデーションパターンで形成し、光拡散透過層3の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填したインサート材4を用いることもできる。なお、光拡散透過層3の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填する場合、成形樹脂反発層2は光拡散透過層3の形成部分を除くパターンを有するので、印刷法により形成する。また、光拡散透過層3と成形樹脂反発層2は、どちらを先に形成してもよい。
【0026】
そして、このインサート材4を用いた面発光装置の製造工程は、成形樹脂反発層2上に光拡散透過層3を形成した前記インサート材4を用いたものと同様に、インサート材4を射出成形用金型5内に配置し(図2のi参照)、金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の裏面に密着する光拡散透過層3を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光反射板1とを一体化させ(図2のii参照)、金型5を型開きした後に、導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する(図2のiii参照)。
【0027】
[2] 面発光装置の製造方法に係る第2の発明について以下に説明する。
【0028】
(i)光反射板1の反射性を有する一面が矩形の裏面反射部8と裏面反射部8の1〜3辺に沿って連接された細長い形状の側面反射部9とからなり、少なくとも裏面反射部8に成形樹脂反発層2を全面的に形成し、裏面反射部8の成形樹脂反発層2上に光拡散透過層3をグラデーションパターンで形成したインサート材4を射出成形用金型内に配置する工程(図3のi参照)。
【0029】
この工程で用いるインサート材4の光反射板1は、光拡散透過層3で散乱反射して導光板6内に戻れなかった光を裏面反射部8で導光板6側に反射し、また導光板6側面より出射した光を側面反射部9で導光板6側に反射して光を効率よく利用できるようにするものである。光反射板1の材質としては、第1の発明と同様の材質のものを用いる。ただし、第2の発明の光反射板1は、第1の発明の光反射板1が導光板6の裏面のみを覆うのに対して導光板6の裏面以外に1〜3側面も覆うため、側面反射部9の面積分だけ第1の発明よりも大きい寸法が必要である。また、光反射板1は、材質が金属や樹脂の板である場合、成形樹脂反発層2や光拡散透過層3の形成前にすでに裏面反射部8と側面反射部9との境界で屈曲していてもよい。また、光反射板1が屈曲しやすいように、あるいは光反射板1の裏面反射部8と側面反射部9とが成形時または成形後に切断されるように、裏面反射部8と側面反射部9との境界にミシン目などを設けてもよい。
【0030】
また、インサート材4の成形樹脂反発層2は、光反射板1の少なくとも裏面反射部8に、第1の発明と同様のものが第1の発明と同様の方法で形成される。なお、図3のiに示すように裏面反射部8のみに成形樹脂反発層2を形成してもよいし、光反射板1の全面に成形樹脂反発層2を形成してもよい。
【0031】
インサート材4の光拡散透過層3は、裏面反射部8の成形樹脂反発層2上に、第1の発明と同様のものが第1の発明と同様の方法で形成される。
この工程で用いる金型5は、第1の発明と同様のものを用いることができる。
【0032】
(ii)金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の裏面に密着する光拡散透過層3を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光反射板1の裏面反射部8とを一体化させ、また導光板6の1〜3側面に光反射板1の側面反射部9を一体化させる工程(図3のii参照)。
【0033】
この工程で用いる溶融樹脂は、第1の発明と同様のものを用いることができる。
【0034】
なお、導光板6が成形直後に樹脂収縮するときに、成形樹脂反発層2が成形樹脂と密着しない性質であるので、成形樹脂反発層2のみが形成された部分において導光板6と光反射板1との間に隙間が形成される。この隙間により、面発光装置は導光板6裏面に到達した光の全反射を確保し、線光源7から離れた箇所まで光を導くことができる。また、成形樹脂反発層2が側面反射部9に形成されていない場合には、導光板6と光反射板1の側面反射部9とは密着する。
【0035】
(iii)金型5を型開きした後に、導光板6の光反射板1を配置していない側面のうち少なくとも1側面に線光源7を配置する工程(図3のiii参照)。
【0036】
この工程で用いる線光源7としては、第1の発明と同様のものを用いることができる。
【0037】
以上、図3に従って説明したが、第2の発明は、光反射板1の反射性を有する一面が矩形の裏面反射部8と裏面反射部8の1〜3辺に沿って連接された細長い形状の側面反射部9とからなり、光反射板1の裏面反射部8に光拡散透過層3をグラデーションパターンで形成し、裏面反射部8の光拡散透過層3の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填したインサート材4を用いることもできる。なお、裏面反射部8の光拡散透過層3の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填する場合、成形樹脂反発層2は光拡散透過層3の形成部分を除くパターンを有するので、印刷法により形成する。また、光拡散透過層3と成形樹脂反発層2は、どちらを先に形成してもよい。
【0038】
そして、このインサート材4を用いた面発光装置の製造工程は、成形樹脂反発層2上に光拡散透過層3を形成した前記インサート材4を用いたものと同様に、インサート材4を射出成形用金型5内に配置し(図4のi参照)、金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の裏面に密着する光拡散透過層3を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光反射板1の裏面反射部8とを一体化させ、また導光板6の1〜3側面に光反射板1の側面反射部9を一体化させ(図4のii参照)、金型5を型開きした後に、導光板6の光反射板1を配置していない側面のうち少なくとも1側面に線光源7を配置する(図4のiii参照)。
【0039】
[3] 面発光装置の製造方法に係る第3の発明について以下に説明する。
【0040】
(i)光拡散板10の片面に成形樹脂反発層2を全面的に形成し、成形樹脂反発層2上の端部に接着層11を部分的に形成したインサート材4を射出成形用金型5内に配置する工程(図5のi参照)。
【0041】
この工程に用いるインサート材4の光拡散板10は、導光板6の表面より出射した光を拡散させ、輝度分布をなめらかにするためのものである。光拡散板10の材質としては、たとえば、次のようなものが好ましい。(1)光拡散物質がコーティングされたフィルムまたは板。(2)自ら光拡散性を有するフィルム。(3)乳白色の樹脂板。
【0042】
また、インサート材4の成形樹脂反発層2は、光拡散板10の片面に、第1および第2の発明と同様のものが第1および第2の発明と同様の方法で形成される。
【0043】
インサート材4の接着層11は、光拡散板10を導光板6に固定するものである。接着層11の材質としては、導光板6の素材に適した感熱接着性あるいは感圧接着性の樹脂を適宜使用する。たとえば、導光板6の材質がポリアクリル系樹脂の場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、導光板6の材質がポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。接着層11の形成方法としては、グラビア印刷などの印刷法などがある。
【0044】
この工程に用いる金型5は、第1および第2の発明と同様のものを用いることができる。
【0045】
(ii)金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の表面に密着する接着層11を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光拡散板10とを一体化させる工程(図5のii参照)。
【0046】
この工程で用いる溶融樹脂は、第1および第2の発明と同様のものを用いることができる。
【0047】
なお、導光板6が成形直後に樹脂収縮するときに、成形樹脂反発層2が成形樹脂と密着しない性質であるので、成形樹脂反発層2のみが形成された部分において導光板6光拡散板10との間に隙間が形成される。この隙間により、面発光装置は導光板6表面に到達した光の全反射を確保し、線光源7から離れた箇所まで光を導くことができる。
【0048】
(iii)金型5を型開きした後に、導光板6の裏面に光拡散透過層3を形成し、また導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する工程(図5のiii参照)。
【0049】
この工程で用いる線光源7は、第1および第2の発明と同様のものを用いることができる。なお、導光板6の成形と同時に光拡散板10を配置した後、さらに光拡散板10を単数または複数積層してもよい。
【0050】
以上、図5に従って説明したが、第5の発明は、光拡散板10の片面の端部に接着層11を部分的に形成し、接着層11の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填したインサート材4を用いることもできる。なお、接着層11の形成されていない部分に成形樹脂反発層2を充填する場合、成形樹脂反発層2は接着層11の形成部分を除くパターンを有するので、印刷法により形成する。また、接着層11と成形樹脂反発層2は、どちらを先に形成してもよい。
【0051】
そして、このインサート材4を用いた面発光装置の製造工程は、成形樹脂反発層2上に接着層11を形成した前記インサート材4を用いたものと同様に、インサート材4を射出成形用金型5内に配置し(図6のi参照)、金型5を型閉めした後に溶融樹脂を金型5内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板6を成形すると同時に導光板6の表面に密着する接着層11を介して導光板6と成形樹脂反発層2および光拡散板10とを一体化させ(図6のii参照)、金型5を型開きした後に、導光板6の裏面に光拡散透過層3を形成し、また導光板6の少なくとも1側面に線光源7を配置する(図6のiii参照)。
【0052】
【作用】
本発明の面発光装置の製造方法は、上記の構成よりなるから、以下のような作用をする。
【0053】
すなわち、面発光装置の製造方法に係る第1の発明は、導光板を成形すると同時に導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板とを一体化させるので、導光板の裏面は光反射板により保護されて傷やゴミが付かない。
【0054】
また、面発光装置の製造方法に係る第2の発明は、導光板を成形すると同時に導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板の裏面反射部とを一体化させ、また導光板の1〜3側面に光反射板の側面反射部を一体化させるので、導光板の裏面は光反射板により保護されて傷やゴミが付かない。
【0055】
また、面発光装置の製造方法に係る第3の発明は、導光板を成形すると同時に導光板の表面に密着する接着層を介して導光板と成形樹脂反発層および光拡散板とを一体化させるので、導光板の表面は光拡散板により保護されて傷やゴミが付かない。
【0056】
【発明の効果】
本発明の面発光装置の製造方法は、以上のような構成および作用からなるので、次の効果が奏される。
【0057】
すなわち、面発光装置の製造方法に係る第1の発明は、導光板の成形以後、導光板の裏面が光反射板により保護されて傷やゴミが付かないので、異常発光や影が生じにくく、輝度の均一な面発光装置を得ることができる。
【0058】
また、面発光装置の製造方法に係る第2の発明は、導光板の成形以後、導光板の裏面が光反射板により保護されて傷やゴミが付かないので、異常発光や影が生じにくく、輝度の均一な面発光装置を得ることができる。
【0059】
また、面発光装置の製造方法に係る第3の発明は、導光板の成形以後、導光板の表面が光拡散板により保護されて傷やゴミが付かないので、異常発光や影が生じにくく、輝度の均一な面発光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図2】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図3】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図4】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図5】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図6】本発明に係る面発光装置の製造工程の一実施例を示す模式断面図である。
【図7】従来技術に係る面発光装置の製造工程を示す模式断面図である。
【図8】従来技術に係る面発光装置を示す模式断面図である。
【図9】従来技術に係る面発光装置を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 光反射板
2 成形樹脂反発層
3 光拡散透過層
4 インサート材
5 金型
6 導光板
7 線光源
8 裏面反射部
9 側面反射部
10 光拡散板
11 接着層
Claims (6)
- (i)光反射板の反射性を有する一面に成形樹脂反発層が全面的に形成され、成形樹脂反発層上に光拡散透過層がグラデーションパターンで形成されたインサート材を射出成形用金型内に配置する工程、
(ii)金型を型閉めした後に溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板を成形すると同時に導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板とを一体化させる工程、
(iii)金型を型開きした後に、導光板の少なくとも1側面に線光源を配置する工程とからなることを特徴とする面発光装置の製造方法。 - 光反射板の反射性を有する一面に光拡散透過層がグラデーションパターンで形成され、光拡散透過層の形成されていない部分が成形樹脂反発層で充填されたインサート材を用いる請求項1記載の面発光装置の製造方法。
- (i)光反射板の反射性を有する一面が矩形の裏面反射部と裏面反射部の1〜3辺に沿って連接された細長い形状の側面反射部とからなり、少なくとも裏面反射部に成形樹脂反発層が全面的に形成され、裏面反射部の成形樹脂反発層上に光拡散透過層がグラデーションパターンで形成されたインサート材を射出成形用金型内に配置する工程、
(ii)金型を型閉めした後に溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板を成形すると同時に導光板の裏面に密着する光拡散透過層を介して導光板と成形樹脂反発層および光反射板の裏面反射部とを一体化させ、また導光板の1〜3側面に光反射板の側面反射部を一体化させる工程、
(iii)金型を型開きした後に、導光板の光反射板を配置していない側面のうち少なくとも1側面に線光源を配置する工程とからなることを特徴とする面発光装置の製造方法。 - 光反射板の反射性を有する一面が矩形の裏面反射部と裏面反射部の1〜3辺に沿って連接された細長い形状の側面反射部とからなり、光反射板の裏面反射部に光拡散透過層がグラデーションパターンで形成され、裏面反射部の光拡散透過層の形成されていない部分が成形樹脂反発層で充填されたインサート材を用いる請求項3記載の面発光装置の製造方法。
- (i)光拡散板の片面に成形樹脂反発層が全面的に形成され、成形樹脂反発層上の端部に接着層が部分的に形成されたインサート材射出成形用金型内に配置する工程、
(ii)金型を型閉めした後に溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより、導光板を成形すると同時に導光板の表面に密着する接着層を介して導光板と成形樹脂反発層および光拡散板とを一体化させる工程、
(iii)金型を型開きした後に、導光板の裏面に光拡散透過層を形成し、また導光板の少なくとも1側面に線光源を配置する工程とからなることを特徴とする面発光装置の製造方法。 - 光拡散板の片面の端部に接着層が部分的に形成され、接着層の形成されていない部分が成形樹脂反発層で充填されたインサート材を用いる請求項5記載の面発光装置の製造方法。
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