JP3569900B2 - データ伝送方法、構内交換機及び構内交換機ネットワーク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ISDN(integrated service digital network)により互いに接続された構内交換機の間で行なうデータ交換に関し、特に、Dチャネルを介して通信を行なう際の、メッセージの配信方法と、メッセージフォーマットに関する。
【0002】
【従来の技術】
Dチャネルのレイヤ3メッセージで伝送されるメッセージは回線接続制御を規定している。しかし、このメッセージは交換機間でのデータ交換については規定していない。
【0003】
また、ISDN回線は2つの交換機を互いに接続するので、ISDN網を介して接続した3台以上の交換機全てに対し、情報をリレーして伝達することができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、こうした構内交換機の間では、情報の共有ができなかった。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、ISDN回線を介して接続された構内交換機のうち、一部の交換機の間、または全部の交換機の間で、情報を共有可能とする技術を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は次のようなデータ伝送方法、構内交換機及び構内交換機ネットワークをを提供する。
【0006】
即ち、本発明は、互いにISDN回線で接続された複数の構内交換機の間でデータを伝送する方法において、Dチャネルのレイヤ3メッセージにユーザ・ユーザ情報要素を加え、ユーザ・ユーザ情報要素の情報要素内容に伝送しようとするデータを格納して、当該レイヤ3メッセージを、複数の構内交換機の当該他の構内交換機に対し、Dチャネルを介して送信することを特徴とするデータ伝送方法を提供する。
【0007】
伝送するデータは、例えば、端末がダイヤルした内容を示すダイヤル情報、端末名称、内線番号、構内交換機を特定する識別子、被呼び出し端末の応答やフッキング通知のために必要なシステム内部信号用情報、ボイスメール操作用情報、構内交換機に接続された端末の状態を示すDSS情報、パーク保留情報を少なくともひとつ含むとよい。
【0008】
この方法により一の構内交換機を介してデータを転送する場合、次のようにすればよい。即ち、複数の構内交換機の少なくともひとつである構内交換機甲は、複数のDチャネルに接続し、複数のDチャネルは、それぞれ、複数の構内交換機のうち、構内交換機甲以外の構内交換機に接続され、構内交換機甲は、一のDチャネルを介して他の構内交換機から受信したデータを、他のDチャネルから送出する。
【0009】
転送を行なう場合は、不要な転送の発生を防ぐため、次のようにしてもよい。即ち、一の構内交換機を特定する識別子を、複数の構内交換機のそれぞれに対して付与し、データが識別子を含み、構内交換機甲は、自分自身の識別子を送信元の構内交換機としてデータに含むレイヤ3メッセージを受信すると、そのメッセージを他の構内交換機に転送しないこととすればよい。
【0010】
上述のデータ伝送方法を用いて、一の構内交換機から他の構内交換機にデータを伝送することにより複数の構内交換機の間でデータを共有することとしてもよい。
【0011】
また、本発明は、構内交換機において、ISDN回線のDチャネルを介して他の構内交換機と接続する接続手段と、他の構内交換機に送信しようとするデータを、ユーザ・ユーザ情報要素の情報要素内容に格納したレイヤ3メッセージを生成する手段とを備え、レイヤ3メッセージをISDN回線のDチャネルを介して他の構内交換機に送信することを特徴とする構内交換機を提供する。
【0012】
送信するデータは、例えば、端末がダイヤルした内容を示すダイヤル情報、端末名称、内線番号、構内交換機を特定する識別子、被呼び出し端末の応答やフッキング通知のために必要なシステム内部信号用情報、ボイスメール操作用情報、構内交換機に接続された端末の状態を示すDSS情報、パーク保留情報のうち、少なくともひとつを含むことが考えられる。
【0013】
一の構内交換機から受信したデータを他の構内交換機に転送する場合は、それぞれ異なる構内交換機に接続する複数の接続手段と、複数の接続手段の一である第1の接続手段を介して接続した構内交換機から受信したデータを、複数の接続手段のうち、第1の接続手段とは異なる接続手段である第2の接続手段を介して接続した構内交換機に転送する手段とを備えることとすればよい。
【0014】
転送をする場合、不要な転送発生を防ぐため、構内交換機同士を識別するために当該構内交換機に対して付与された識別子を、送信元の構内交換機としてデータに含むレイヤ3メッセージを、他の構内交換機から受信すると、当該レイヤ3メッセージを他の構内交換機に転送しないこととすることが考えられる。
【0015】
更に、本発明は、これらの構内交換機の複数をISDN回線で接続したネットワークを提供する。この場合、ISDN回線のDチャネルを介して他の構内交換機にレイヤ3メッセージを送信することにより、複数の構内交換機の一部乃至全部でデータを共有するとよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態について図1を参照して説明する。第1の実施の形態では、ISDN回線で接続された2基の構内交換機A及びBの間において、ISDN回線のDチャネルA−Bを介してデータ通信を行ない、情報を共有して、共有した情報に基づいて構内交換機A及びBが連携して動作する。
【0017】
構内交換機間でデータの送受信を行なう際、構内交換機A及びBはレイヤ3(所謂Q.931)メッセージにユーザ・ユーザ情報要素を加え、そこにレイヤ4メッセージを作成して送信する。
【0018】
このユーザ・ユーザ情報要素の情報要素内容に、通信相手の構内交換機に送信しようとする情報を格納する。送信しようとする情報を格納したレイヤ3メッセージの構成例を図2に示す。以下に、図2に示した情報要素内容について説明する。
【0019】
ダイヤル情報は、端末がダイヤルした内容を示す情報であり、この情報を他の構内交換機に伝送すれば、例えば、ある構内交換機に接続された端末が他の構内交換機のトランクから発信することが可能となる。
【0020】
端末情報は、端末名称、内線番号に加えて、送信元の構内交換機の識別子(以下、構内交換機IDと記す)を含む情報である。
【0021】
システム内部信号用情報は、被呼び出し端末の応答やフッキング通知のために必要な情報である。
【0022】
ボイスメール操作用情報は、ボイスメール用情報であり、DTMFプロトコルの代わりにDチャネルで伝送する際に用いる。
【0023】
DSS情報は端末の状態がIDLE/BUSY/DND等に変化したことを示す情報である。
【0024】
このようにして、構内交換機12及び13の間で情報を共有した後、共有した情報に基づいて、これら構内交換機は連携して動作することができる。例えば、DSS情報を共有することにより、ある構内交換機の端末の状態を、他の構内交換機のDSSコンソールにて表示することが可能となる。尚、DSSコンソールとは構内交換機の一部であり、端末の状態を表示する装置である。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、ISDN回線で接続された3基以上の構内交換機からなるネットワーク、即ち構内交換機ネットワークにおいて、ISDN回線のDチャネルを介してメッセージをリレーする。尚、レイヤ3メッセージの構成については第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0026】
本実施の形態では、構内交換機の各Dチャネル毎に以下の▲1▼〜▲4▼の設定を行なう。
【0027】
▲1▼放送形式の送信を行なう/行なわない。
▲2▼受信したデータを実行する/実行しない。
▲3▼受信したデータを他のDチャネルに転送する/転送しない。
▲4▼他のDチャネルが受信したデータを自チャネルから送信する/送信しない。
【0028】
これら▲1▼〜▲4▼の組み合わせにより、あるDチャネルから他のDチャネルへデータを伝送し、接続された全ての構内交換機にデータを配信する。
【0029】
例えば、図3の構内交換機ネットワークでは、構内交換機A、B及びCのそれぞれが、他の2基の構内交換機と、ISDN回線のDチャネルA−B、B−C及びA−Cにより接続されている。このとき、各ISDN回線のDチャネル全てに対して、▲1▼の設定を「送信する」に設定すると共に、▲3▼の設定を「転送しない」に設定すればよい。こうすれば、一の構内交換機の情報を他の2基の構内交換機に送信することができる。
【0030】
また、図4の構内交換機ネットワークでは、図3のネットワークに更に構内交換機Dが追加され、構内交換機Dは構内交換機CのみとDチャネルC−Dを介して接続されている。このとき、4本のISDN回線からデータ用回線を選択し、選択した回線のDチャネルに対して、▲1▼の設定を「送信する」に設定すると共に、▲3▼の設定を「転送する」に設定することが考えられる。例えば、DチャネルA−C、B−C及びC−Dをこのように設定し、残りのDチャネルA−Bについては、▲1▼の設定を「送信しない」に設定すると共に、▲3▼の設定を「転送しない」に設定する。こうすれば、構内交換機Dからのデータは、まず構内交換機Cに送信されて、その後構内交換機Cにより、構内交換機A及びBに転送され、結果として構内交換機Dからのデータは全ての構内交換機に配信されることとなる。
【0031】
ある構内交換機が他の構内交換機に向けて送出したメッセージが、誤ってその同じ構内交換機に戻ってきた場合は、上述した構内交換機IDを参照してこれを判別し、そのメッセージについては転送を中止することで対処する。
【0032】
更に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、構内交換機のDチャネルに設定する放送形式が異なる。
【0033】
本実施の形態では、構内交換機のそれぞれのDチャネルに対し、以下の▲1▼〜▲4▼のいずれかの放送形式を設定する。
【0034】
▲1▼データを受信しても、何も実行しないし送信もしない。自システム発の情報は送信しない。
▲2▼データを受信すると、実行するが送信しない。自システム発の情報は送信しない。
▲3▼データを受信すると、実行するが、他Dチャネルへのデータ転送送信は行なわない。自システム発の情報は送信する。
▲4▼データを受信すると、実行すると共に、受信したDチャネル以外で▲4▼が設定されたDチャネルに送信する。自システム発の情報は送信する。
【0035】
構内交換機ネットワーク内の全てのDチャネルに対し、これら▲1▼〜▲4▼のいずれかを設定することにより、あるDチャネルから他のDチャネルへデータを伝送し、接続された全ての構内交換機にデータを配信する。
【0036】
例えば、図3の構内交換機ネットワークでは、各ISDN回線のDチャネル全てに対して▲3▼を設定する。こうすれば、一の構内交換機の情報を他の2基の構内交換機に送信することができる。
【0037】
また、図4の構内交換機ネットワークでは、DチャネルA−C、B−C及びC−Dを▲4▼に設定し、残りのDチャネルA−Bを▲1▼に設定する。こうすれば、構内交換機Dからのデータは、まず構内交換機Cに送信されて、その後構内交換機Cにより、構内交換機A及びBに転送され、結果として構内交換機Dからのデータは全ての構内交換機に配信されることとなる。
【0038】
第2の実施の形態と同様に、ある構内交換機が他の構内交換機に向けて送出したメッセージが、誤ってその同じ構内交換機に戻ってきた場合は、上述した構内交換機IDを参照してこれを判別し、そのメッセージについては転送を中止することで対処する。
【0039】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者の通常の知識の範囲内でその変更や改良が可能であることは勿論である。
【0040】
例えば、本発明を利用してパーク保留情報を伝送してもよい。他の端末で再応答可能な保留、即ち、パーク保留に関する情報を共有すれば、ある構内交換機で保留した呼を別の構内交換機にてその保留に再応答することが可能となる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、ISDN回線で接続された構内交換機の間でデータ通信が可能となり、その結果、構内交換機同士で情報の共有が可能となる。これにより、例えばパーク保留情報を共有すれば、ある交換機で保留した呼に対して、他の交換機で再応答することが可能となる。あるいは、DSS情報を共有すれば、DSSコンソールにおいて、他の交換機の端末の状態を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するための機能ブロック図である。
【図2】本発明の構内交換機が送信するレイヤ3メッセージの構成を説明する図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を説明するための機能ブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を説明するための機能ブロック図である。
【符号の説明】
A、B、C、D 構内交換機
Claims (10)
- 互いにISDN回線で接続された複数の構内交換機の間でデータを伝送する方法において、
Dチャネルのレイヤ3メッセージにユーザ・ユーザ情報要素を加え、前記ユーザ・ユーザ情報要素の情報要素内容に伝送しようとするデータを格納して、当該レイヤ3メッセージを、前記複数の構内交換機の当該他の構内交換機に対し、Dチャネルを介して送信し、
前記複数の構内交換機の少なくともひとつである構内交換機甲は、複数のDチャネルに接続し、
前記複数のDチャネルは、それぞれ、前記複数の構内交換機のうち、前記構内交換機甲以外の構内交換機に接続され、
前記構内交換機甲は、一のDチャネルを介して他の構内交換機から受信したデータを、他のDチャネルから送出し、
一の構内交換機を特定する識別子を、前記複数の構内交換機のそれぞれに対して付与し、
前記データは前記識別子及びパーク保留情報を含み、
前記構内交換機甲は、自分自身の前記識別子を送信元の構内交換機として前記データに含むレイヤ3メッセージを受信すると、そのメッセージを他の構内交換機に転送しない
ことを特徴とするデータ伝送方法。 - 請求項1に記載のデータ伝送方法において、前記データは、前記パーク保留情報に加えて、或いは、前記パーク保留情報に代えて、端末がダイヤルした内容を示すダイヤル情報、端末名称、内線番号、構内交換機を特定する識別子、被呼び出し端末の応答やフッキング通知のために必要なシステム内部信号用情報、ボイスメール操作用情報、構内交換機に接続された端末の状態を示すDSS情報のうち、少なくともひとつを含むことを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1及び2のいずれかに記載のデータ伝送方法において、前記複数の構内交換機は、互いにISDN回線網を介することなく接続されていることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項3に記載のデータ伝送方法において、前記複数の構内交換機は少なくとも3基の構内交換機からなり、これら構内交換機からなる接続は少なくともひとつ環状の経路を形成することを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ伝送方法を用いて一の構内交換機から他の構内交換機にデータを伝送することにより複数の構内交換機の間でデータを共有する方法。
- 構内交換機において、
ISDN回線のDチャネルを介して他の構内交換機と接続する接続手段と、
前記他の構内交換機に送信しようとするデータを、ユーザ・ユーザ情報要素の情報要素内容に格納したレイヤ3メッセージを生成する手段と、
それぞれ異なる構内交換機に接続する複数の前記接続手段と、
前記複数の接続手段の一である第1の接続手段を介して接続した構内交換機から受信したデータを、前記複数の接続手段のうち、前記第1の接続手段とは異なる接続手段である第2の接続手段を介して接続した構内交換機に転送する手段とを備え、
前記レイヤ3メッセージをISDN回線のDチャネルを介して前記他の構内交換機に送信し、
構内交換機同士を識別するために当該構内交換機に対して付与された識別子を、送信元の構内交換機として前記データに含むレイヤ3メッセージを、他の構内交換機から受信すると、当該レイヤ3メッセージを他の構内交換機に転送しないものであって、
前記データはパーク保留情報を含む
ことを特徴とする構内交換機。 - 請求項6に記載の構内交換機において、前記データは、前記パーク保留情報に加えて、或いは、前記パーク保留情報に代えて、端末がダイヤルした内容を示すダイヤル情報、端末名称、内線番号、構内交換機を特定する識別子、被呼び出し端末の応答やフッキング通知のために必要なシステム内部信号用情報、ボイスメール操作用情報、構内交換機に接続された端末の状態を示すDSS情報のうち、少なくともひとつを含むことを特徴とする構内交換機。
- 請求項6及び7のいずれかに記載の構内交換機において、前記複数の接続手段は、互いにISDN回線網を介することなく他の構内交換機に接続することを特徴とする構内交換機。
- 請求項8に記載の構内交換機において、前記複数の接続手段にて接続された構内交換機は、少なくとも3基の構内交換機からなり、これら構内交換機は、少なくともひとつ環状の経路を形成することを特徴とする構内交換機。
- 複数の構内交換機からなる構内交換機ネットワークシステムにおいて、
請求項6乃至9のいずれかに記載の構内交換機の複数を、ISDN回線を介して接続したネットワークであって、
ISDN回線のDチャネルを介して他の構内交換機に前記レイヤ3メッセージを送信することにより、前記複数の構内交換機の一部乃至全部でデータを共有する
ことを特徴とする構内交換機ネットワーク。
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JP2002027578A JP3569900B2 (ja) | 2002-02-05 | 2002-02-05 | データ伝送方法、構内交換機及び構内交換機ネットワーク |
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JP6414437B2 (ja) * | 2014-10-21 | 2018-10-31 | サクサ株式会社 | 電話制御装置およびパーク保留制御方法 |
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- 2002-02-05 JP JP2002027578A patent/JP3569900B2/ja not_active Expired - Lifetime
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