JP3569643B2 - 液冷エンジン - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液冷エンジンに関し、詳しくは、エンジン冷却液の放熱器から放出される熱が、燃料タンク内の燃料に伝達されるのを抑制できる液冷エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダブロックと、エンジン冷却液の放熱器と、燃料タンクとを備え、シリンダブロック上端壁に沿って、燃料タンクと放熱器とが横方向に並設された、液冷エンジンが知られている。
【0003】
この従来の液冷エンジンでは、放熱器と燃料タンクとの各対向壁が接近しており、エンジン冷却液の放熱器から放出される熱が、燃料タンク内の燃料に伝達されやすい構造になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の液冷エンジンには、次の問題がある。
エンジンにかかる負荷の変動により、放熱器から放出される熱量が変動すると、燃料タンク内の燃料の温度、燃料の気化量、燃料タンクの内圧、燃料タンクから押し出される燃料の流出圧が順に変動し、燃料の供給量に過不足が生じやすい。燃料供給量が過剰になると、燃費が高くなるとともに、未燃焼ガスの排出量が多くなる。また、燃料供給量が不足すると、出力が低下する。
【0005】
本発明の課題は、エンジン冷却液の放熱器から放出される熱が、燃料タンク内の燃料に伝達されるのを抑制できる、液冷エンジンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の構成は、次の通りである(図1、図5参照)。
シリンダブロック1と、エンジン冷却液の放熱器2と、燃料タンク3とを備え、クランク軸4の向きと平行な向きに見て、所定方向を縦方向とし、縦方向と直交する方向を横方向として、縦方向の一端に位置するシリンダブロック端壁5に沿って、上記放熱器2と燃料タンク3とが横方向に並設された、液冷エンジンにおいて、
スタータ支持具12とスタータ7と断熱空間6とを備え、スタータ支持具12は、上記放熱器2と燃料タンク3との間で、上記シリンダブロック端壁5に固定され、スタータ7は、スタータ支持具12に支持され、断熱空間6は、上記放熱器2と燃料タンク3との各対向壁8・9の間に形成され、これら各対向壁8・9間の最小離間寸法10は、上記スタータ7のハウジング7aの最大横幅寸法28以上の長さに設定され、上記断熱空間6内にスタータ支持具12とスタータ7のハウジング7aとが収容されている。
【0007】
【発明の作用及び効果】
(請求項1の発明)
請求項1の発明は、次の作用効果を奏する(図1、図5参照)。
各対向壁8・9の間にスタータ7のハウジング7aの最大横幅寸法28以上の広幅の断熱空間6が形成されるとともに、この断熱空間6内にスタータ支持具12とスタータ7のハウジング7aとが収容されるため、次の利点がある。エンジン冷却液の放熱器2から放出される熱が、断熱空間6内の空気やスタータ支持具12やスタータ7のハウジング7aに遮られ、燃料タンク3内の燃料29に伝達されにくい。このため、放熱器2から放出される熱が変動しても、燃料タンク3内の燃料29の温度が変動しにくい。
【0008】
燃料タンク3内の燃料29の温度が変動すると、これに伴って、燃料29の気化量、燃料タンク3の内圧、燃料タンク3から押し出される燃料29の流出圧が変動し、燃料29の供給量に過不足が生じやすい。しかし、本発明では、燃料タンク3内の燃料29の温度が変動しにくいため、燃料29の供給量の過不足が生じにくい。このように、燃料29の供給量が過剰になりにくいので、燃費を低く維持できるとともに、未燃焼ガスの排出量を低く維持できる。また、燃料29の供給量の不足が起こりにくいので、出力を高く維持できる。
【0009】
スタータ支持具17とスタータ7のハウジング7aが断熱空間6内に収容されるので、これらが断熱空間6外に配置される場合に比べ、エンジンを小型にできる。
【0010】
(請求項2の発明)
請求項2の発明は、請求項1の発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1、図5参照)。
燃料タンク3の荷重がスタータ支持具12で受け止められるので、スタータ支持具12の静止慣性力が大きくなり、シリンダブロック1が振動しても、スタータ支持具12は振動しにくい。エンジン始動時に、スタータ支持具12が振動すると、スタータ7のピニオンギヤ13の向きが変化し、噛み合っているピニオンギヤ13の歯とリングギヤ14の歯の向きで平行でなくなり、これらの歯が損傷しやすい。しかし、本発明では、スタータ支持具12が振動しにくいので、スタータ7のピニオンギヤ13の向きが変わりにくく、噛み合っているピニオンギヤ13の歯とリングギヤ14の歯が損傷しにくい。
【0011】
スタータ支持具12が燃料タンク支持具を兼ねるので、スタータ支持具と燃料タンク支持具とを別部品とする場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0012】
(請求項3の発明)
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1、図5参照)。
発電機19は、タンク支持ブラケット17と発電機支持ブラケット18との間に架設されているので、タンク支持ブラケット17の強度が発電機19で補強される。
【0013】
発電機19をタンク支持ブラケット17の補強材として兼用できるので、発電機と補強材とを別部品とした場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0014】
(請求項4の発明)
請求項4の発明は、請求項1から請求項3いずれかの発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1、図2、図5参照)。
発電機支持ブラケット18は蓋体21と一体成型されているので、発電機支持ブラケット18と蓋体21とを別部品とした場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0015】
(請求項5の発明)
請求項5の発明は、請求項1から請求項4いずれかの発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1、図2参照)。
テンション支持ブラケット27は上記蓋体21と一体成型されているので、テンション支持ブラケット27と蓋体21とを別部品とした場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図4は本発明の第1実施形態を説明する図である。この第1実施形態では、液冷横形のディーゼルエンジンが用いられている。
【0017】
このエンジンの概要は、次の通りである。
このエンジンは、図1に示すように、シリンダブロック1とクランク軸4とシリンダヘッド30と液冷装置31と燃料供給装置32と始動装置33と断熱空間6とを備えている。
【0018】
シリンダブロック1の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダブロック1は、クランクケース1aとシリンダケース1bからなる一体鋳造物である。クランク軸4と平行な向きに見て、垂直方向を縦方向とし、水平方向を横方向として、クランクケース1aとシリンダケース1bとは、横並びに配置されている。図1では、クランクケース1aは左側に、シリンダケース1bは右側に配置されている。クランクケース1aは、メンテナンス用開口部20と蓋体21とを備えている。図2に示すように、メンテナンス用開口部20は、燃料タンク3寄りのシリンダブロック横端壁22に開口されている。蓋体21は、メンテナンス用開口部20を覆うとともに、シリンダブロック横端壁22に固定されている。後述する発電機支持ブラケット18とテンション支持ブラケット27は、いずれも蓋体21と一体成型されている。
【0019】
シリンダブロック1に付属する部品の構成は、次の通りである。
シリンダ(図外)は、横向きで、シリンダケース1b内に収容されている。クランク軸4は、クランクケース1a内に収容されている。クランク軸4の前端部は、クランクケース1aから突設され、この前端部にフライホイル35が固定されている。図2に示すように、ギヤケース43は、シリンダブロック1の後面に組み付けられている。ギヤケース43内には、タイミングギヤ列(図外)やガバナ装置(図外)が収容されている。
【0020】
シリンダヘッド30とその周辺部品の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダヘッド30は、シリンダケース1bの横端壁に組み付けられている。シリンダヘッド30には、ヘッドカバー36とエアクリーナ37と排気マフラ38とが組み付けられている。ヘッドカバー36は、シリンダヘッド30の横端部に組み付けられている。エアクリーナ37は、シリンダヘッド30の後端壁に組み付けられている。排気マフラ38は、シリンダヘッド30の前端壁に組み付けられている。
【0021】
液冷装置31の構成は、次の通りである。
液冷装置31は、放熱器2と液冷ジャケット39とを備えている。放熱器2は、鋳造製のホッパ型放熱器で、矩形箱型に形成され、上部と下部が開口されている。液冷ジャケット39は、シリンダケース1b内のシリンダの周囲と、シリンダヘッド30内に形成され、放熱器2と連通している。放熱器2と液冷ジャケット39内には、エンジン冷却水40が満たされている。エンジン冷却水40は、シリンダやシリンダヘッド30の熱を吸収し、放熱器2で気化し、エンジンの放熱を行う。放熱器2は、自然対流式、または、強制循環式のラジエータ型放熱器であってもよい。ラジエータ型放熱器の場合には、水冷式に限らず、油冷式のものであってもよい。
【0022】
燃料供給装置32の構成は、次の通りである。
燃料供給装置32は、燃料タンク3と燃料フィルタ41と、燃料噴射ポンプ(図外)と燃料噴射管(図外)と、燃料噴射ノズル42とを備えている。図1に示すように、燃料タンク3は、板金製で、矩形箱型に形成されている。図2に示すように、燃料フィルタ41と燃料噴射ポンプは、ギヤケース43に取り付けられている。燃料噴射管は、燃料噴射ポンプと燃料噴射ノズル42との間に介設されている。図1に示すように、燃料噴射ノズル42は、シリンダヘッド30に組み付けられている。
【0023】
断熱空間6の構成は、次の通りである。
シリンダブロック上端壁5aに沿って、放熱器2と燃料タンク3とが横方向に並設されている。断熱空間6は、放熱器2と燃料タンク3との各対向壁8・9の間に形成され、これら各対向壁8・9間の最小離間寸法10は、後述するスタータ7のハウジング7aの最大横幅寸法28、及び、スタータ支持具12の最大横幅寸法11以上の長さに設定され、スタータ支持具12とスタータのハウジング7aは、断熱空間6内に収容されている。断熱空間6は、断熱空間カバー47で覆われている。
【0024】
断熱空間6の機能は、次の通りである。
各対向壁8・9の間に、スタータ7のハウジング7aの最大横幅寸法28、及び、スタータ支持具7の最大横幅寸法11以上の広幅の断熱空間6が形成されるとともに、この断熱空間6内にスタータ支持具12とスタータ7のハウジング7aとが収容される。このため、エンジン冷却液の放熱器2から放出される熱が、断熱空間6内の空気やスタータ支持具12やスタータ7のハウジング7aに遮られ、燃料タンク3内の燃料29に伝達されにくい。このため、放熱器2から放出される熱が変動しても、燃料タンク3内の燃料29の温度が変動しにくい。
【0025】
始動装置33の構成は、次の通りである。
始動装置33は、図3及び図4に示すように、スタータ支持具12と、スタータ7と、ピニオンギヤ13と、リングギヤ14と、配電ボックス46と、バッテリ(図外)とを備えている。スタータ支持具12は、断熱空間6内で、シリンダブロック上端壁5aに固定されている。スタータ支持具12の構成は、後述する。スタータ7は、ハウジング7aと、フランジ7bと、出力軸7cと、ピニオンギヤ13とを備えている。ハウジング7aは、内部にモータを収容し、フランジ7bを介してスタータ支持具12に取り付けられている。出力軸7cは、ハウジング7aから、断熱空間カバー47を貫通して、その前方まで突出している。ピニオンギヤ13は、出力軸7cの前端部に取り付けられている。リングギヤ14は、フライホイル35に外嵌され、固定されている。配電ボックス46は、断熱空間カバー47に取り付けられ、断熱空間6内に収容されている。配電ボックス46には、始動スイッチ48が設けられている。バッテリは、配電ボックス46を介してスタータ7に接続されている。
【0026】
始動装置33の機能は、次の通りである。
配電ボックス46の始動スイッチ48をONにすると、バッテリからスタータ7に通電がなされ、スタータ7の出力軸7cが前方に突出し、ピニオンギヤ13がリングギヤ14と噛み合い、出力軸7cが回転し、クランク軸4を駆動する。始動スイッチ48をOFFにすると、出力軸7cがスタータ7のハウジング7a側に引かれ、ピニオンギヤ13とリングギヤ14との噛み合いが外れる。
【0027】
バッテリの充電装置の構成は、次の通りである。
図1に示すように、バッテリの充電装置は、発電機19とレギュレータ45と駆動輪23と従動輪24と巻掛け伝導帯25とテンション装置26とを備えている。発電機19は、後述するタンク支持ブラケット17と発電機支持ブラケット18との間に架設されている。レギュレータ45は、発電機19とバッテリとの間に介設されている。レギュレータ45は、断熱空間カバー47に取り付けられ、断熱空間6内に収容されている。駆動輪23は、クランク軸4に取り付けられ、従動輪24は、発電機19の入力軸に取り付けられている。テンション装置26は、テンション支持ブラケット27に支持されている。巻掛け伝導帯25は、駆動輪23と従動輪24とテンション装置25とに巻掛けられている。エンジン運転中、駆動輪23はクランク軸4で駆動され、従動輪24は巻掛け伝動帯25を介して駆動輪23で駆動され、従動輪24は発電機19を駆動し、バッテリの充電がなされる。
【0028】
スタータ支持具12の構成は、次の通りである。
図3及び図4に示すように、スタータ支持具12は、取付基部49とスタータ支持部50とタンク支持部15とを備えている。取付基部49は、矩形板状で、4箇所にボルト挿通孔51を備え、このボルト挿通孔51に挿通した取付ボルトで、シリンダブロック上端壁5aに固定される。スタータ支持部50は、矩形板状で、取付基部49の前端縁から起立し、スタータ7を取り付けられるようになっている。タンク支持部15は、矩形板状で、取付基部49の燃料タンク3寄りの横側縁から起立している。
【0029】
燃料タンク3の支持装置の構成は、次の通りである。
図1に示すように、燃料タンク3の支持装置は、タンク支持ブラケット17と前記スタータ支持具12のタンク支持部15とタンクカバー53と燃料タンク3の被支持部16a・16bと防振ゴム54a・54bを備えている。タンク支持ブラケット17は、シリンダブロック横端壁22に組み付けられ、シリンダブロック1に支持されている。タンク支持ブラケット17と発電機支持ブラケット18との間に、発電機19が架設されている。
【0030】
燃料タンク3の被支持部16a・16bは、フランジ状で、燃料タンク3から左右横方向に突設されている。燃料タンク3の被支持部16a・16bのうち、断熱空間6寄りの右側の被支持部16aは、防振ゴム54aを介してスタータ支持具12のタンク支持部15に支持され、燃料タンク3の荷重が、スタータ支持具12で受け止められるようになっている。タンクカバー53は、断熱空間6とは反対側の左側の被支持部16bに取り付けられている。タンクカバー53の内面には、被支持具55が固定されている。この被支持具55は、防振ゴム54bを介してタンク支持ブラケット17上で防振支持されている。タンクカバー53は、被支持具55と防振ゴム54bとを覆っている。タンク支持ブラケット17、発電機19、テンション装置26は、燃料タンク3の下方空間に配置されている。
【0031】
燃料タンク3の支持装置の機能は、次の通りである。
燃料タンク3の荷重がスタータ支持具12で受け止められるので、スタータ支持具12の静止慣性力が大きくなり、シリンダブロック1が振動しても、スタータ支持具12は振動しにくい。また、発電機19が、タンク支持ブラケット17と発電機支持ブラケット18との間に架設されているので、タンク支持ブラケット17の強度が発電機19で補強される。また、タンクカバー53で、被支持具55と防振ゴム54bとを覆っているので、これらが露出せず、美観を保てる。また、タンク支持ブラケット17、発電機19、テンション装置26は、燃料タンク3の下方空間に配置されているので、エンジンを壁等に近づけても、壁等にはタンクカバー53が先に当たり、タンク支持ブラケット17や巻掛け伝動装置が壁等に当たるのを防止できる。このため、タンク支持ブラケット17や巻掛け伝動装置の損傷を防止できる。
【0032】
上記第1実施形態の液冷エンジンでは、バッテリの充電装置に巻掛け伝動装置を用いたが、図5に示す第2実施形態の液冷エンジンでは、バッテリの充電装置にギヤ伝動装置を用いる。このギヤ伝動装置は、従動ギヤ56を備えている。この従動ギヤ56は、発電機19の入力軸に固定され、リングギヤ14に噛み合わされている。エンジン運転中、リングギヤ14はクランク軸4で駆動され、従動ギヤ56はリングギヤ14で駆動され、発電機19は従動ギヤ56で駆動され、バッテリの充電がなされる。
第2実施形態のエンジンの他の構成及び機能は、第1実施形態のエンジンと同一である。図5中、第1実施形態のエンジンと同一の要素には、同一の符号を付しておく。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液冷エンジンの一部縦断正面図である。
【図2】図1のエンジンの右側面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のエンジンのスタータ支持具の平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る液冷エンジンの一部縦断正面図である。
【符号の説明】
1…シリンダブロック、2…放熱器、3…燃料タンク、4…クランク軸、5…シリンダブロック端壁、5a…シリンダブロック上端壁、6…断熱空間、7…スタータ、7a…スタータのハウジング、8・9…放熱器と燃料タンクとの各対向壁、10…対向壁間の最小離間寸法、12…スタータ支持具、13…ピニオンギヤ、14…リングギヤ、15…スタータ支持具のタンク支持部、16a…燃料タンクの被支持部、17…タンク支持ブラケット、18…発電機支持ブラケット、19…発電機、20…メンテナンス用開口部、21…蓋体、22…シリンダブロック横端壁、23…駆動輪、24…従動輪、25…巻掛け伝動帯、26…テンション装置、27…テンション支持ブラケット、28…スタータのハウジングの最大横幅寸法。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液冷エンジンに関し、詳しくは、エンジン冷却液の放熱器から放出される熱が、燃料タンク内の燃料に伝達されるのを抑制できる液冷エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダブロックと、エンジン冷却液の放熱器と、燃料タンクとを備え、シリンダブロック上端壁に沿って、燃料タンクと放熱器とが横方向に並設された、液冷エンジンが知られている。
【0003】
この従来の液冷エンジンでは、放熱器と燃料タンクとの各対向壁が接近しており、エンジン冷却液の放熱器から放出される熱が、燃料タンク内の燃料に伝達されやすい構造になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の液冷エンジンには、次の問題がある。
エンジンにかかる負荷の変動により、放熱器から放出される熱量が変動すると、燃料タンク内の燃料の温度、燃料の気化量、燃料タンクの内圧、燃料タンクから押し出される燃料の流出圧が順に変動し、燃料の供給量に過不足が生じやすい。燃料供給量が過剰になると、燃費が高くなるとともに、未燃焼ガスの排出量が多くなる。また、燃料供給量が不足すると、出力が低下する。
【0005】
本発明の課題は、エンジン冷却液の放熱器から放出される熱が、燃料タンク内の燃料に伝達されるのを抑制できる、液冷エンジンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の構成は、次の通りである(図1、図5参照)。
シリンダブロック1と、エンジン冷却液の放熱器2と、燃料タンク3とを備え、クランク軸4の向きと平行な向きに見て、所定方向を縦方向とし、縦方向と直交する方向を横方向として、縦方向の一端に位置するシリンダブロック端壁5に沿って、上記放熱器2と燃料タンク3とが横方向に並設された、液冷エンジンにおいて、
スタータ支持具12とスタータ7と断熱空間6とを備え、スタータ支持具12は、上記放熱器2と燃料タンク3との間で、上記シリンダブロック端壁5に固定され、スタータ7は、スタータ支持具12に支持され、断熱空間6は、上記放熱器2と燃料タンク3との各対向壁8・9の間に形成され、これら各対向壁8・9間の最小離間寸法10は、上記スタータ7のハウジング7aの最大横幅寸法28以上の長さに設定され、上記断熱空間6内にスタータ支持具12とスタータ7のハウジング7aとが収容されている。
【0007】
【発明の作用及び効果】
(請求項1の発明)
請求項1の発明は、次の作用効果を奏する(図1、図5参照)。
各対向壁8・9の間にスタータ7のハウジング7aの最大横幅寸法28以上の広幅の断熱空間6が形成されるとともに、この断熱空間6内にスタータ支持具12とスタータ7のハウジング7aとが収容されるため、次の利点がある。エンジン冷却液の放熱器2から放出される熱が、断熱空間6内の空気やスタータ支持具12やスタータ7のハウジング7aに遮られ、燃料タンク3内の燃料29に伝達されにくい。このため、放熱器2から放出される熱が変動しても、燃料タンク3内の燃料29の温度が変動しにくい。
【0008】
燃料タンク3内の燃料29の温度が変動すると、これに伴って、燃料29の気化量、燃料タンク3の内圧、燃料タンク3から押し出される燃料29の流出圧が変動し、燃料29の供給量に過不足が生じやすい。しかし、本発明では、燃料タンク3内の燃料29の温度が変動しにくいため、燃料29の供給量の過不足が生じにくい。このように、燃料29の供給量が過剰になりにくいので、燃費を低く維持できるとともに、未燃焼ガスの排出量を低く維持できる。また、燃料29の供給量の不足が起こりにくいので、出力を高く維持できる。
【0009】
スタータ支持具17とスタータ7のハウジング7aが断熱空間6内に収容されるので、これらが断熱空間6外に配置される場合に比べ、エンジンを小型にできる。
【0010】
(請求項2の発明)
請求項2の発明は、請求項1の発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1、図5参照)。
燃料タンク3の荷重がスタータ支持具12で受け止められるので、スタータ支持具12の静止慣性力が大きくなり、シリンダブロック1が振動しても、スタータ支持具12は振動しにくい。エンジン始動時に、スタータ支持具12が振動すると、スタータ7のピニオンギヤ13の向きが変化し、噛み合っているピニオンギヤ13の歯とリングギヤ14の歯の向きで平行でなくなり、これらの歯が損傷しやすい。しかし、本発明では、スタータ支持具12が振動しにくいので、スタータ7のピニオンギヤ13の向きが変わりにくく、噛み合っているピニオンギヤ13の歯とリングギヤ14の歯が損傷しにくい。
【0011】
スタータ支持具12が燃料タンク支持具を兼ねるので、スタータ支持具と燃料タンク支持具とを別部品とする場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0012】
(請求項3の発明)
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1、図5参照)。
発電機19は、タンク支持ブラケット17と発電機支持ブラケット18との間に架設されているので、タンク支持ブラケット17の強度が発電機19で補強される。
【0013】
発電機19をタンク支持ブラケット17の補強材として兼用できるので、発電機と補強材とを別部品とした場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0014】
(請求項4の発明)
請求項4の発明は、請求項1から請求項3いずれかの発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1、図2、図5参照)。
発電機支持ブラケット18は蓋体21と一体成型されているので、発電機支持ブラケット18と蓋体21とを別部品とした場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0015】
(請求項5の発明)
請求項5の発明は、請求項1から請求項4いずれかの発明の作用効果に加え、次の作用効果を奏する(図1、図2参照)。
テンション支持ブラケット27は上記蓋体21と一体成型されているので、テンション支持ブラケット27と蓋体21とを別部品とした場合に比べ、部品点数を少なくできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図4は本発明の第1実施形態を説明する図である。この第1実施形態では、液冷横形のディーゼルエンジンが用いられている。
【0017】
このエンジンの概要は、次の通りである。
このエンジンは、図1に示すように、シリンダブロック1とクランク軸4とシリンダヘッド30と液冷装置31と燃料供給装置32と始動装置33と断熱空間6とを備えている。
【0018】
シリンダブロック1の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダブロック1は、クランクケース1aとシリンダケース1bからなる一体鋳造物である。クランク軸4と平行な向きに見て、垂直方向を縦方向とし、水平方向を横方向として、クランクケース1aとシリンダケース1bとは、横並びに配置されている。図1では、クランクケース1aは左側に、シリンダケース1bは右側に配置されている。クランクケース1aは、メンテナンス用開口部20と蓋体21とを備えている。図2に示すように、メンテナンス用開口部20は、燃料タンク3寄りのシリンダブロック横端壁22に開口されている。蓋体21は、メンテナンス用開口部20を覆うとともに、シリンダブロック横端壁22に固定されている。後述する発電機支持ブラケット18とテンション支持ブラケット27は、いずれも蓋体21と一体成型されている。
【0019】
シリンダブロック1に付属する部品の構成は、次の通りである。
シリンダ(図外)は、横向きで、シリンダケース1b内に収容されている。クランク軸4は、クランクケース1a内に収容されている。クランク軸4の前端部は、クランクケース1aから突設され、この前端部にフライホイル35が固定されている。図2に示すように、ギヤケース43は、シリンダブロック1の後面に組み付けられている。ギヤケース43内には、タイミングギヤ列(図外)やガバナ装置(図外)が収容されている。
【0020】
シリンダヘッド30とその周辺部品の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダヘッド30は、シリンダケース1bの横端壁に組み付けられている。シリンダヘッド30には、ヘッドカバー36とエアクリーナ37と排気マフラ38とが組み付けられている。ヘッドカバー36は、シリンダヘッド30の横端部に組み付けられている。エアクリーナ37は、シリンダヘッド30の後端壁に組み付けられている。排気マフラ38は、シリンダヘッド30の前端壁に組み付けられている。
【0021】
液冷装置31の構成は、次の通りである。
液冷装置31は、放熱器2と液冷ジャケット39とを備えている。放熱器2は、鋳造製のホッパ型放熱器で、矩形箱型に形成され、上部と下部が開口されている。液冷ジャケット39は、シリンダケース1b内のシリンダの周囲と、シリンダヘッド30内に形成され、放熱器2と連通している。放熱器2と液冷ジャケット39内には、エンジン冷却水40が満たされている。エンジン冷却水40は、シリンダやシリンダヘッド30の熱を吸収し、放熱器2で気化し、エンジンの放熱を行う。放熱器2は、自然対流式、または、強制循環式のラジエータ型放熱器であってもよい。ラジエータ型放熱器の場合には、水冷式に限らず、油冷式のものであってもよい。
【0022】
燃料供給装置32の構成は、次の通りである。
燃料供給装置32は、燃料タンク3と燃料フィルタ41と、燃料噴射ポンプ(図外)と燃料噴射管(図外)と、燃料噴射ノズル42とを備えている。図1に示すように、燃料タンク3は、板金製で、矩形箱型に形成されている。図2に示すように、燃料フィルタ41と燃料噴射ポンプは、ギヤケース43に取り付けられている。燃料噴射管は、燃料噴射ポンプと燃料噴射ノズル42との間に介設されている。図1に示すように、燃料噴射ノズル42は、シリンダヘッド30に組み付けられている。
【0023】
断熱空間6の構成は、次の通りである。
シリンダブロック上端壁5aに沿って、放熱器2と燃料タンク3とが横方向に並設されている。断熱空間6は、放熱器2と燃料タンク3との各対向壁8・9の間に形成され、これら各対向壁8・9間の最小離間寸法10は、後述するスタータ7のハウジング7aの最大横幅寸法28、及び、スタータ支持具12の最大横幅寸法11以上の長さに設定され、スタータ支持具12とスタータのハウジング7aは、断熱空間6内に収容されている。断熱空間6は、断熱空間カバー47で覆われている。
【0024】
断熱空間6の機能は、次の通りである。
各対向壁8・9の間に、スタータ7のハウジング7aの最大横幅寸法28、及び、スタータ支持具7の最大横幅寸法11以上の広幅の断熱空間6が形成されるとともに、この断熱空間6内にスタータ支持具12とスタータ7のハウジング7aとが収容される。このため、エンジン冷却液の放熱器2から放出される熱が、断熱空間6内の空気やスタータ支持具12やスタータ7のハウジング7aに遮られ、燃料タンク3内の燃料29に伝達されにくい。このため、放熱器2から放出される熱が変動しても、燃料タンク3内の燃料29の温度が変動しにくい。
【0025】
始動装置33の構成は、次の通りである。
始動装置33は、図3及び図4に示すように、スタータ支持具12と、スタータ7と、ピニオンギヤ13と、リングギヤ14と、配電ボックス46と、バッテリ(図外)とを備えている。スタータ支持具12は、断熱空間6内で、シリンダブロック上端壁5aに固定されている。スタータ支持具12の構成は、後述する。スタータ7は、ハウジング7aと、フランジ7bと、出力軸7cと、ピニオンギヤ13とを備えている。ハウジング7aは、内部にモータを収容し、フランジ7bを介してスタータ支持具12に取り付けられている。出力軸7cは、ハウジング7aから、断熱空間カバー47を貫通して、その前方まで突出している。ピニオンギヤ13は、出力軸7cの前端部に取り付けられている。リングギヤ14は、フライホイル35に外嵌され、固定されている。配電ボックス46は、断熱空間カバー47に取り付けられ、断熱空間6内に収容されている。配電ボックス46には、始動スイッチ48が設けられている。バッテリは、配電ボックス46を介してスタータ7に接続されている。
【0026】
始動装置33の機能は、次の通りである。
配電ボックス46の始動スイッチ48をONにすると、バッテリからスタータ7に通電がなされ、スタータ7の出力軸7cが前方に突出し、ピニオンギヤ13がリングギヤ14と噛み合い、出力軸7cが回転し、クランク軸4を駆動する。始動スイッチ48をOFFにすると、出力軸7cがスタータ7のハウジング7a側に引かれ、ピニオンギヤ13とリングギヤ14との噛み合いが外れる。
【0027】
バッテリの充電装置の構成は、次の通りである。
図1に示すように、バッテリの充電装置は、発電機19とレギュレータ45と駆動輪23と従動輪24と巻掛け伝導帯25とテンション装置26とを備えている。発電機19は、後述するタンク支持ブラケット17と発電機支持ブラケット18との間に架設されている。レギュレータ45は、発電機19とバッテリとの間に介設されている。レギュレータ45は、断熱空間カバー47に取り付けられ、断熱空間6内に収容されている。駆動輪23は、クランク軸4に取り付けられ、従動輪24は、発電機19の入力軸に取り付けられている。テンション装置26は、テンション支持ブラケット27に支持されている。巻掛け伝導帯25は、駆動輪23と従動輪24とテンション装置25とに巻掛けられている。エンジン運転中、駆動輪23はクランク軸4で駆動され、従動輪24は巻掛け伝動帯25を介して駆動輪23で駆動され、従動輪24は発電機19を駆動し、バッテリの充電がなされる。
【0028】
スタータ支持具12の構成は、次の通りである。
図3及び図4に示すように、スタータ支持具12は、取付基部49とスタータ支持部50とタンク支持部15とを備えている。取付基部49は、矩形板状で、4箇所にボルト挿通孔51を備え、このボルト挿通孔51に挿通した取付ボルトで、シリンダブロック上端壁5aに固定される。スタータ支持部50は、矩形板状で、取付基部49の前端縁から起立し、スタータ7を取り付けられるようになっている。タンク支持部15は、矩形板状で、取付基部49の燃料タンク3寄りの横側縁から起立している。
【0029】
燃料タンク3の支持装置の構成は、次の通りである。
図1に示すように、燃料タンク3の支持装置は、タンク支持ブラケット17と前記スタータ支持具12のタンク支持部15とタンクカバー53と燃料タンク3の被支持部16a・16bと防振ゴム54a・54bを備えている。タンク支持ブラケット17は、シリンダブロック横端壁22に組み付けられ、シリンダブロック1に支持されている。タンク支持ブラケット17と発電機支持ブラケット18との間に、発電機19が架設されている。
【0030】
燃料タンク3の被支持部16a・16bは、フランジ状で、燃料タンク3から左右横方向に突設されている。燃料タンク3の被支持部16a・16bのうち、断熱空間6寄りの右側の被支持部16aは、防振ゴム54aを介してスタータ支持具12のタンク支持部15に支持され、燃料タンク3の荷重が、スタータ支持具12で受け止められるようになっている。タンクカバー53は、断熱空間6とは反対側の左側の被支持部16bに取り付けられている。タンクカバー53の内面には、被支持具55が固定されている。この被支持具55は、防振ゴム54bを介してタンク支持ブラケット17上で防振支持されている。タンクカバー53は、被支持具55と防振ゴム54bとを覆っている。タンク支持ブラケット17、発電機19、テンション装置26は、燃料タンク3の下方空間に配置されている。
【0031】
燃料タンク3の支持装置の機能は、次の通りである。
燃料タンク3の荷重がスタータ支持具12で受け止められるので、スタータ支持具12の静止慣性力が大きくなり、シリンダブロック1が振動しても、スタータ支持具12は振動しにくい。また、発電機19が、タンク支持ブラケット17と発電機支持ブラケット18との間に架設されているので、タンク支持ブラケット17の強度が発電機19で補強される。また、タンクカバー53で、被支持具55と防振ゴム54bとを覆っているので、これらが露出せず、美観を保てる。また、タンク支持ブラケット17、発電機19、テンション装置26は、燃料タンク3の下方空間に配置されているので、エンジンを壁等に近づけても、壁等にはタンクカバー53が先に当たり、タンク支持ブラケット17や巻掛け伝動装置が壁等に当たるのを防止できる。このため、タンク支持ブラケット17や巻掛け伝動装置の損傷を防止できる。
【0032】
上記第1実施形態の液冷エンジンでは、バッテリの充電装置に巻掛け伝動装置を用いたが、図5に示す第2実施形態の液冷エンジンでは、バッテリの充電装置にギヤ伝動装置を用いる。このギヤ伝動装置は、従動ギヤ56を備えている。この従動ギヤ56は、発電機19の入力軸に固定され、リングギヤ14に噛み合わされている。エンジン運転中、リングギヤ14はクランク軸4で駆動され、従動ギヤ56はリングギヤ14で駆動され、発電機19は従動ギヤ56で駆動され、バッテリの充電がなされる。
第2実施形態のエンジンの他の構成及び機能は、第1実施形態のエンジンと同一である。図5中、第1実施形態のエンジンと同一の要素には、同一の符号を付しておく。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液冷エンジンの一部縦断正面図である。
【図2】図1のエンジンの右側面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のエンジンのスタータ支持具の平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る液冷エンジンの一部縦断正面図である。
【符号の説明】
1…シリンダブロック、2…放熱器、3…燃料タンク、4…クランク軸、5…シリンダブロック端壁、5a…シリンダブロック上端壁、6…断熱空間、7…スタータ、7a…スタータのハウジング、8・9…放熱器と燃料タンクとの各対向壁、10…対向壁間の最小離間寸法、12…スタータ支持具、13…ピニオンギヤ、14…リングギヤ、15…スタータ支持具のタンク支持部、16a…燃料タンクの被支持部、17…タンク支持ブラケット、18…発電機支持ブラケット、19…発電機、20…メンテナンス用開口部、21…蓋体、22…シリンダブロック横端壁、23…駆動輪、24…従動輪、25…巻掛け伝動帯、26…テンション装置、27…テンション支持ブラケット、28…スタータのハウジングの最大横幅寸法。
Claims (5)
- シリンダブロック(1)と、エンジン冷却液の放熱器(2)と、燃料タンク(3)とを備え、クランク軸(4)の向きと平行な向きに見て、所定方向を縦方向とし、縦方向と直交する方向を横方向として、縦方向の一端に位置するシリンダブロック端壁(5)に沿って、上記放熱器(2)と燃料タンク(3)とが横方向に並設された、液冷エンジンにおいて、
スタータ支持具(12)とスタータ(7)と断熱空間(6)とを備え、スタータ支持具(12)は、上記放熱器(2)と燃料タンク(3)との間で、上記シリンダブロック端壁(5)に固定され、スタータ(7)は、スタータ支持具(12)に支持され、断熱空間(6)は、上記放熱器(2)と燃料タンク(3)との各対向壁(8)(9)の間に形成され、これら各対向壁(8)(9)間の最小離間寸法(10)は、上記スタータ(7)のハウジング(7a)の最大横幅寸法(28)以上の長さに設定され、上記断熱空間(6)内にスタータ支持具(12)とスタータ(7)のハウジング(7a)とが収容されている、ことを特徴とする液冷エンジン。 - 請求項1の液冷エンジンにおいて、
上記スタータ支持具(12)は、シリンダブロック上端壁(5a)に固定され、エンジン始動時には、上記スタータ(7)のピニオンギヤ(13)がクランク軸駆動用のリングギヤ(14)に噛み合うように構成され、
上記スタータ支持具(12)は、タンク支持部(15)を備え、上記燃料タンク(3)は、上記断熱空間(6)寄りに被支持部(16a)を備え、この被支持部(16a)は、上記スタータ支持具(12)のタンク支持部(15)に支持され、上記燃料タンク(3)の荷重が上記スタータ支持具(12)で受け止められるように構成されている、ことを特徴とする液冷エンジン。 - 請求項1または請求項2の液冷エンジンにおいて、
タンク支持ブラケット(17)と、発電機支持ブラケット(18)と、発電機(19)とを備え、タンク支持ブラケット(17)と発電機支持ブラケット(18)とは、上記シリンダブロック(1)に支持され、発電機(19)は、上記タンク支持ブラケット(17)と上記発電機支持ブラケット(18)との間に架設されている、ことを特徴とする液冷エンジン。 - 請求項1から請求項3いずれかの液冷エンジンにおいて、
メンテナンス用開口部(20)と、蓋体(21)とを備え、メンテナンス用開口部(20)は、上記燃料タンク(3)寄りのシリンダブロック横端壁(22)に開口され、蓋体(21)は、上記メンテナンス用開口部(20)を覆うとともに、上記シリンダブロック横端壁(22)に固定され、上記発電機支持ブラケット(18)は上記蓋体(21)と一体成型されている、ことを特徴とする液冷エンジン。 - 請求項1から請求項4いずれかの液冷エンジンにおいて、
駆動輪(23)と、従動輪(24)と、巻掛け伝動帯(25)と、テンション装置(26)と、テンション支持ブラケット(27)とを備え、駆動輪(23)は、上記クランク軸(4)で駆動されるようにし、従動輪(24)は、上記発電機(19)を駆動するようにし、テンション装置(26)は、テンション支持ブラケット(27)に支持され、巻掛け伝動帯(25)は、駆動輪(23)と従動輪(24)とテンション装置(25)とに巻掛けられ、テンション支持ブラケット(27)は上記蓋体(21)と一体成型されている、ことを特徴とする液冷エンジン。
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