JP3568998B2 - 型枠部材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主として、湧水処理用として用いられる型枠部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下室において、地下外壁を通して侵入する湧水を防水する技術として、代表的な3つの技術が知られている。第1は、躯体コンクリートの外壁で防水性モルタルを用いて防水処理を行う外防水方式であり、第2は、躯体コンクリートの部屋側で防水性モルタルを用いて防水処理を行う内防水方式であり、第3は、コンクリートを打設し、硬化した後、排水のための空間を設け、ブロックを積み重ねる所謂2重壁方式であり、最も一般的な技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した3つの防水技術のうち、外防水方式及び内防水方式は、長年使用することにより、コンクリート壁に亀裂またはクラックが入り、防水性能が低下するため、数年後には再防水処理が必要となる。しかも、結露などにより壁中に発生する水を排水し、導水する機能を有していない。
【0004】
一方、2重壁方式は、コンクリート壁を打設した後、ブロック積作業が必要である等のために、施工手間がかかり、かつ、有効利用できる床面積が狭められるなどの欠点がある。
【0005】
また、いずれの方式の場合でも、コンクリート壁を形成するためには、合板型枠を用いなければならず、コンクリート壁を形成後、合板の取りはずし等、残材の片付け作業などが必要となり、かつ、その仕上げにはモルタル塗り作業がどうしても必要であった。
【0006】
本発明の課題は、導水及び排水機能に優れ、湧水処理用として適した型枠部材を提供することである。
【0007】
本発明のもう一つの課題は、施工手間の短縮、モルタル仕上げの削除、床面積の拡大を図るのに適した型枠部材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る型枠部材は、中空部材と、透水性シートとを含んでいる。前記中空部材は、表面に前記透水性シートが積層して設けられる面板と、該面板に接続される隔壁と、導水路と、スリットとを有する板状部材でなる。前記導水路は、複数備えられ、それぞれが隔壁によって区画され、長さ方向に貫通して設けられている。前記スリットは、前記導水路の貫通方向と交叉する幅方向に延長するよう前記面板に多数形成され、長さ方向に沿い間隔を隔てて配置されており、前記スリットはそれぞれ、前記面板の表面から前記隔壁における該面板側の縁部まで切り込まれており、該面板及び該隔壁の縁部において前記導水路に連通している。
【0009】
【作用】
中空部材は板状であるから、その複数枚を並べて、コンクリート打設用型枠として用いることができる。このように、打込み式型枠として用いることができるため、従来必須であった合板の取りはずし作業を省くことができ、省力化に貢献し得る。
【0010】
中空部材の厚み方向の一面板の表面に、透水性シートが積層して設けられているから、透水性シート側にコンクリートを打設した場合、透水性シートとコンクリートとが強力に接着する。
【0011】
中空部材には、導水路が長さ方向に貫通して設けられており、更に、スリットが厚み方向の一面板に多数形成されている。スリットは一面板の表面から導水路に連通し、このスリットの設けられた一面板に、透水性シートが積層して設けられている。このため、コンクリート打設時の生コンクリート中に含まれる水分が、透水性シートを通してスリットに導かれ、更にスリットから中空部材の導水路に導き、導水路を通って外部に排水される。この導水及び排水機能により、緻密で、強度の大きいコンクリート壁を形成できる。地下室において、地下外壁を通して侵入する湧水や、結露などにより壁中に発生する水も、同様の導水及び排水機能によって外部に排水される。このため、高度の導水及び排水機能を確保できる。
【0012】
導水路は、複数備えられ、それぞれが隔壁によって区画されているから、導水路を有するにもかかわらず、隔壁による補強作用により、充分な機械的強度を確保できる。
【0013】
スリットは、導水路の貫通方向と交叉する幅方向に形成され、一面板の表面から導水路に連通しているから、導水路の全体がスリットによって連通する。このため、仮に導水路の一部に目づまりを生じた場合でも、この導水路に溜った水を、スリットを通して、目詰まりを生じていない他の導水路にに導き、目づまりを生じた導水路の水頭圧を開放もしくは減圧することができる。しかも、スリットは導水路の貫通方向に沿い間隔を隔てて配置されているから、スリットの間隔及びその本数に応じて、上記作用を確保できる。このため、導水及び排水機能が一層高度化される。
【0014】
【実施例】
図1は本発明に係る型枠部材の部分破断斜視図、図2は図1のA2−A2線上における断面図である。本発明に係る湧水処理用型枠部材は、中空部材2と、透水性シート3とを含んでいる。
【0015】
中空部材2は、全体としてほぼ同一厚みを有する板状であって、導水路21と、スリット22とを有する。中空部材2は、耐久性、寸法精度等を満足するものであればよく、実施例ではプラスチック成形体でなる。導水路21は、厚み方向の両面板23、24を残して長さ方向に貫通して設けられている。スリット22は厚み方向の一面板23に、導水路21の貫通方向と交叉する幅方向に多数形成され、それぞれが一面板23の表面から導水路21に連通し、長さに沿い間隔を隔てて配置されている。中空部材2は導水路21を分割する複数の隔壁25を有する。
【0016】
透水性シート3は中空部材2の面板23の表面に、接着等の手段によって積層して設けられている。透水性シート3は好ましくは不織布で構成される。
【0017】
不燃性板部材1は透水性シート3を設けた面板23とは反対側の面板24に、接着等の手段によって積層して設けられている。不燃性板部材1は、例えば繊維補強セメント板、金属板またはそれらの複合体である。
【0018】
中空部材2は全体としてほぼ同一厚みを有する板状であるから、図3に示すように、型枠部材Aの複数枚を並べて、コンクリート打設用型枠として用いることができる。型枠部材Aの相互間は、シール剤たとえば水膨張ゴム、シリコン、アクリル等によって封止する。このように、打込み式型枠として用いることができるため、従来必須であった合板の取りはずし作業を省くことができ、省力化に貢献する。中空部材2はプラスチック成形体であるから、耐久性が高く、寸法精度の揃った打込み式型枠が得られる。
【0019】
図4及び図5は本発明に係る型枠部材を型枠として用いてコンクリート壁を形成する工程を概略的に示す図である。型枠部材Aは、図3に示したように、複数並べてコンクリート打設用型枠として用いる。より具体的には、図4に示すように、他の型枠4に、皿ビス等の止め具61、セパレータ62及び接続用ナット63等を用いて、型枠部材Aを固定する。そして、他の型枠4との間に、コンクリート打設空間5を形成し、透水性シート3の面するコンクリート打設空間5に、生コンクリート7を打設する(図5参照)。打込み型枠の製作時、また、打込み型枠組立て時に、水膨張シーリング材、スポンジゴムなどを、打込み型枠の上下左右、前後に充填することにより、打込み型枠の上下左右、前後の防水を完璧にすることができる。
【0020】
ここで、中空部材2の一面板23の表面に、透水性シート3が積層して設けられているから、この透水性シート3側に生コンクリート6を打設した場合、透水性シート3と生コンクリート6とが強力に接着する。
【0021】
また、中空部材2には、導水路21が厚み方向の両面板23、24を残して長さ方向に貫通して設けられており、更に、スリット22が厚み方向の他の面板24に多数形成されており、スリット22は他の面板24の表面から導水路21に連通し、このスリット22の設けられた面板23に、透水性シート3が積層して設けられている。このため、コンクリート打設時の生コンクリート6中に含まれる水分が、透水性シート3を通してスリット22に導かれ、更にスリット22から中空部材2の導水路21に、矢印aで示されるごとく導かれ、導水路21を通って外部に排水される。この導水及び排水機能により、緻密で、強度の大きいコンクリート壁を形成できる。地下室において、地下外壁を通して侵入する湧水や、結露などにより壁中に発生する水も、同様の導水及び排水機能によって外部に排水される。このため、高度の導水及び排水機能を確保できる。
【0022】
導水路21は、複数備えられ、それぞれが隔壁25によって区画されているから、導水路21を有するにもかかわらず、隔壁25による補強作用により、充分な機械的強度を確保できる。
【0023】
スリット22は、導水路21の貫通方向と交叉する幅方向に形成され、一面板23の表面から導水路21に連通しているから、導水路21の全体がスリット22によって連通する。このため、仮に、止め具61、セパレータ62及び接続用ナット63等の位置する部分を通して、導水路21にスラッジ等が侵入し、導水路21の一部に目づまりを生じた場合でも、この導水路21に溜った水を、スリット22を通して、目詰まりを生じていない他の導水路22に導き、目づまりを生じた導水路の水頭圧を開放もしくは減圧することができる。しかも、スリット22は導水路の貫通方向に沿い間隔を隔てて配置されているから、スリット22の間隔及びその本数に応じて、上記作用を確保できる。このため、導水及び排水機能が一層高度化される。
【0024】
透水性シート3を設けた面板23とは反対側の面板24に、不燃性板部材1が積層して設けられているので、機械的強度が増大すると共に、打ち込み型枠として用いてコンクリートを打設した後、不燃性板部材1を内壁部材としてそのまま使用できる。
【0025】
上述したように、本発明に係る型枠部材によれば、内防水、外防水の寿命の短さを解決し、外壁体からの水を円滑に下方に移動せしめ、2重壁方式によるブロック積み作業を省略し、かつ、湧水機能を保持できる。また、型枠用合板を用いる必要がないので、躯体コンクリート打設後の残材の搬出量が減少し、場内清掃、残材搬出費が削減することができ、また、モルタル仕上げも不要になる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)導水及び排水機能に優れ、湧水処理用として適した型枠部材を提供できる。
(b)施工手間の短縮、モルタル仕上げの削除、床面積の拡大を図るのに適した型枠部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型枠部材の部分破断斜視図である。
【図2】図1のA2ーA2線上における断面図である。
【図3】本発明の型枠部材を型枠として用いる例を説明する部分破断斜視図である。
【図4】本発明の型枠部材を型枠として用いた場合のコンクリート打設工程を説明するである。
【図5】本発明の型枠部材を型枠として用いた場合のコンクリート打設工程を説明するである。
【符号の説明】
1 不燃性板部材
2 中空部材
21 導水路
22 スリット
3 透水性シート
Claims (1)
- 中空部材と、透水性シートとを含む型枠部材であって、
前記中空部材は、表面に前記透水性シートが積層して設けられる面板と、該面板に接続される隔壁と、導水路と、スリットとを有する板状部材でなり、
前記導水路は、複数備えられ、それぞれが前記隔壁によって区画され、長さ方向に貫通して設けられており、
前記スリットは、前記導水路の貫通方向と交叉する幅方向に延長するよう前記面板に多数形成され、長さ方向に沿い間隔を隔てて配置されており、
前記スリットはそれぞれ、前記面板の表面から前記隔壁における該面板側の縁部まで切り込まれており、該面板及び該隔壁の縁部において前記導水路に連通している、
型枠部材。
Priority Applications (1)
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JP20235094A JP3568998B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 型枠部材 |
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JPH0868066A JPH0868066A (ja) | 1996-03-12 |
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ID=16456081
Family Applications (1)
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JP20235094A Expired - Lifetime JP3568998B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 型枠部材 |
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Families Citing this family (2)
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JP6475971B2 (ja) * | 2014-12-18 | 2019-02-27 | 株式会社河本組 | 木製残存型枠 |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP20235094A patent/JP3568998B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0868066A (ja) | 1996-03-12 |
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