JP3568817B2 - 回路遮断装置 - Google Patents

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    • H01H2039/008Switching devices actuated by an explosion produced within the device and initiated by an electric current using the switch for a battery cutoff

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気回路を短時間で遮断する回路遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に設けられる電装システムでは、パワーウインドウ等の負荷に何らかの異常が発生したり、バッテリーと各負荷とを接続している複数の電線によって構成されたワイヤーハーネス等に何らかの異常が発生したとき、バッテリーと、ワイヤーハーネスとの間に介挿された大電流ヒューズを溶断させて、バッテリーと、ワイヤーハーネスとの間を遮断し、これによって各負荷やワイヤーハーネス等が焼損するのを防止している。
【0003】
しかしながら、このような大電流ヒューズを使用した電装システムでは、パワーウインドウ等の負荷に何らかの異常が発生したり、バッテリーと各負荷とを接続しているワイヤーハーネス等に何らかの異常が発生したりしても、大電流ヒューズに予め設定されている許容値以上の電流が流れないと、これが溶断しないことから、許容値に近い大きな電流が連続的に流れているとき、これを検知して、バッテリーと、ワイヤーハーネスとの間を遮断する各種の保護装置が開発されている。
【0004】
図10は保護装置のうち、バイメタルを使用した保護装置の一例を示す断面図である。図10に示す保護装置は、絶縁樹脂などによって構成され、上部側にヒューズ収納部102が形成されたハウジング103と、このハウジング103のヒューズ収納部102を開閉自在に閉止する蓋113と、上端部分がヒューズ収納部102内に突出し、下端が外部に露出するように、ハウジング103の下側に配置され、外部に露出した部分がバッテリー104のプラス端子に接続される電源ターミナル105と、上端部分がヒューズ収納部102に突出し、下端が外部に露出するように、ハウジング103の下側に配置され、外部に露出した部分がワイヤーハーネス106を構成する電線107を介して負荷108に接続される負荷ターミナル109と、ヒューズ収納部102内に配置された低融点金属などによって構成され、その一端が電源ターミナル105の上端に接続され、他端が負荷ターミナル109の上端に接続される可溶体110と、電源ターミナル105、負荷ターミナル109の中間位置となるように、かつ下端が外部に露出するように、ハウジング103の下側に配置され、外部に露出した部分がバッテリー104のマイナス端子に接続される中間ターミナル111と、2種類の金属を張り合わせた長板状部材によって構成され、下端側が中間ターミナル111の上端に接続され、上端側がL字状に曲げられて可溶体110と対向するように配置されるバイメタル112とを備えている。
【0005】
そして、車両のイグニッションスイッチ等が操作され、バッテリー104のプラス端子、電源ターミナル105、可溶体110、負荷ターミナル109、ワイヤーハーネス106の電線107、負荷108、バッテリー104のマイナス端子なる経路で、電流が流れているとき、負荷108あるいはこの負荷108と保護装置101とを接続しているワイヤーハーネス106に何らかの異常が発生して、可溶体110に許容値以上の電流が流れたとき、これが発熱して溶断し、負荷108やワイヤーハーネス106などを保護する。
【0006】
また、負荷108あるいは負荷108と保護装置101とを接続しているワイヤーハーネス106に何らかの異常が発生し、可溶体110に大きな電流が流れていても、これが許容値を越えていないとき、可溶体110に流れている電流によって可溶体110が発熱し、バイメタル112が変形を開始する。そして、可溶体110に大きな電流が流れ始めてから、所定時間が経過した時点で、バイメタル112の先端が可溶体110に接触して、バッテリー104のプラス端子、電源ターミナル105、可溶体110、中間ターミナル111、バッテリー104のマイナス端子なる経路で、可溶体110に大きな短絡電流が流れ、これが溶断する。
【0007】
これにより、予め設定されている時間以上、許容値以下の電流が流れたときにも、回路を遮断して、ワイヤーハーネス106や負荷108などを保護する。
【0008】
また、このような保護装置101以外に保護装置として、図11に示す保護装置121も開発されている。
【0009】
図11に示す保護装置121は、絶縁樹脂などによって構成されるハウジング122と、このハウジング122の一側面側に埋設され、下端部分がバッテリー123のプラス端子に接続される電源ターミナル124と、ハウジング122の他側面側に埋設され、下端部分がワイヤーハーネス125を構成する電線126を介して負荷127に接続される負荷ターミナル128と、低融点金属等をU字型に形成した可溶導線129及び可溶導線129を覆うように形成される耐熱被覆130によって構成され、一端が電源ターミナル124の上端に接続され、他端が負荷ターミナル128の上端に接続される電線131と、マルテンサイト相になっているとき、図11に示すように、電線131に巻き付けられた形状にされ、120°C〜170°Cの温度まで加熱されたとき、電線131を締め付ける形状の母相に戻る形状記憶合金によって構成されるコイル132と、ハウジング122の外部に設けられ、上端がコイル132の一端に接続され、下端がバッテリー123のマイナス端子に接続される外部ターミナル133とを備えている。
【0010】
そして、車両のイグニッションスイッチ等が操作され、バッテリー123のプラス端子、電源ターミナル124、電線131の可溶体129、負荷ターミナル128、ワイヤーハーネス125の電線126、負荷127、バッテリー123のマイナス端子なる経路で、電流が流れているとき、負荷127あるいは負荷127と保護装置121とを接続しているワイヤーハーネス125に何らかの異常が発生して、可溶導線129に許容値以上の電流が流れたとき、これが発熱して溶断し、負荷127やワイヤーハーネス125などを保護する。
【0011】
また、負荷127あるいは負荷127と保護装置121とをワイヤーハーネス125に何らかの異常が発生し、可溶導線129に大きな電流が流れていても、これが許容値を越えていないとき、可溶導線129に流れている電流によって可溶導線129が発熱し、コイル132の温度が上昇する。そして、可溶導線129に大きな電流が流れ始めてから、所定時間が経過し、コイル132の温度が120°C〜170°Cの温度まで上昇したとき、コイル132がマルテンサイト相から母相に遷移して、熱によって軟化している耐熱被覆130に食い込んで、可溶導線129に接触し、バッテリー123のプラス端子、電源ターミナル124、可溶導線129、コイル132、外部ターミナル133、バッテリー123のマイナス端子なる経路で、可溶導線129に大きな短絡電流が流れ、これが溶断する。
【0012】
これにより、予め設定された時間以上、許容値以下の電流が流れたときにも、回路を遮断して、ワイヤーハーネス125や負荷127などを保護する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の保護装置101、121にあっては、以下に述べるような問題があった。
【0014】
まず、図10に示す保護装置では、熱膨張率が異なる2種類の金属を張り合わせたバイメタル112を使用して、可溶体110に大きな電流が流れているかどうかを検出しているので、可溶体110に流れる電流の大きさが変化すると、バイメタル112が変形して、回路を遮断するまでの時間が変化する。
【0015】
このため、大きな電流が断続的に流れるような故障が発生したとき、可溶体110の温度がある程度以上、上昇しなくなり、保護装置101が回路を遮断する前に、ワイヤーハーネス106や負荷108などが燃え出してしまう虞れがあった。
【0016】
一方、図11に示す保護装置121では、形状記憶合金によって構成されるコイル132を使用して、可溶導線129に大きな電流が流れているかどうかを検出しているので、可溶導線129に流れる電流の大きさが変化すると、コイル132が変形して、回路を遮断するまでの時間が変化する。
【0017】
このため、大きな電流が断続的に流れるような故障が発生したとき、可溶導線129の温度がある程度以上、上昇しなくなり、保護装置121が回路を遮断する前に、ワイヤーハーネス125や負荷127などを過度に発熱させてしまう虞れがあった。また、バイメタル、形状記憶合金を用いた場合、変形開始温度が通常約100℃と低いため、車両の使用環境温度条件である120℃から125℃では使用困難であった。
【0018】
また、図10及び図11に示す保護装置では、熱変形電導部材であるバイメタル112やコイル132の熱反応時間が通電電流に左右されていた。さらには、熱変形電導部材の熱反応が異常時(過電流通電)にタイムリーに作動しない場合があった。
【0019】
本発明は、車両の異常信号が入力されたとき、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができる回路遮断装置を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、以下の構成とした。請求項1の発明は、第1の接続端子と第2の接続端子との間に配置され、加熱剤を充填した導電性を有する加熱部と、この加熱部または前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子の各端子に取り付けられ、前記加熱部と前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子の各端子とを接触させる一対の接点部材と、車両の異常時に外部からの異常信号により、前記加熱部に充填された加熱剤に着火する着火部と、前記加熱部に接触して配置され且つ前記加熱部を押圧する伸縮自在な弾性部材と、この弾性部材、前記着火部及び前記加熱部を収納する外容器と、この外容器に形成され且つ前記加熱部に係合して前記弾性部材による前記加熱部への押圧力を阻止し、前記加熱部の熱により溶融する樹脂部材からなる係止爪部とを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項1の発明によれば、通常では、一対の接点部材及び加熱部を介して第1の接続端子と第2の接続端子とが接続されて、バッテリから負荷に電力が供給される。また、外部からの異常信号により着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により外容器に形成され且つ加熱部に係合した樹脂部材からなる係止爪部が溶融するため、弾性部材が伸張して加熱部が一対の接点部材を摺動しながら押し上げられるから、加熱部と第1の接続端子及び第2の接続端子との電気的接続が切断される。このため、第1の接続端子及び第2の接続端子の電気的接続が遮断されるから、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができる。
【0022】
請求項2の発明のように、前記一対の接点部材の各々は、細長い溝からなるスリット部及び前記加熱部に電気的に接触する接点部が交互に複数個形成されてなる多接点バネであることを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明によれば、一対の接点部材の各々が、細長い溝からなるスリット部及び加熱部に電気的に接触する接点部が交互に複数個形成されてなる多接点バネであるため、摺動抵抗が小さいから回路を容易に遮断でき、しかも接触抵抗が小さいため、大電流通電時に発熱を少なくすることができる。
【0024】
請求項3の発明のように、前記外容器は、上側ケースと、下側ケースとからなり、前記上側ケースには第1のネジ部が形成され、前記下側ケースには前記第1のネジ部に螺合する第2のネジ部が形成されてなることを特徴とする。
【0025】
請求項3の発明によれば、下側ケースに上側ケースを被せたときに、上側ケースに形成された第1のネジ部が、下側ケースに形成された第2のネジ部に螺合するため、回路遮断時に加熱部が飛び出さなくなり、また熱による火傷等のおそれがなくなる。
【0026】
請求項4の発明のように、前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子の各端子は、前記外容器に一体成形されてなることを特徴とする。
【0027】
請求項4の発明によれば、第1の接続端子及び第2の接続端子の各端子が、外容器に一体成形されてなることで、組み付け部品定数が少なくて済み、作業工数を低減することができる。
【0028】
請求項5の発明のように、前記加熱剤は、金属酸化物の粉末、アルミニウムの粉末とを混合させたテルミット剤であることを特徴とするもので、テルミット反応によりテルミット反応熱を発生することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回路遮断装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は実施の形態の回路遮断装置の遮断前のA−A間の断面図である。図2は実施の形態の回路遮断装置の上面図である。図3は実施の形態の回路遮断装置のB−B間の断面図である。図4は多接点バネの構成図である。図5は多接点バネソケットの構造図である。図6はスロットコンタクトソケットの構造図である。図7は多接点バネソケットとスロットコンタクトソケットとの挿抜力を示す特性図である。図8は多接点バネソケットとスロットコンタクトソケットとの接触抵抗を示す図である。図9は実施の形態の回路遮断装置の遮断前後のA−A間の断面図である。
【0030】
実施の形態の回路遮断装置は、多接点バネを用いて、車両の異常信号が入力されたとき、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができることを特徴とするものである。
【0031】
図1に示す回路遮断装置において、板状の長い第1のバスバー11は、例えば、銅または銅合金からなり、この第1のバスバー11にはバッテリ等に接続される丸穴部12が形成されている。第1のバスバー11には略直角に曲げられた折曲部8が形成され、この折曲部8及びバスバー先端部13は、一体成形(インサート成形)により樹脂ケース17に挿入されている。
【0032】
また、板状の長い第2のバスバー14も、例えば、銅または銅合金からなり、この第2のバスバー14には負荷等に接続される丸穴部15が形成されている。第2のバスバー14にも略直角に曲げられた折曲部10が形成され、この折曲部10及びバスバー先端部16は、一体成形(インサート成形)により樹脂ケース17に挿入されている。
【0033】
第1のバスバー11と第2のバスバー14との間には樹脂ケース17とキャップ19とが配置されており、樹脂ケース17はキャップ19に被せられている。キャップ19と樹脂ケース17とは、外容器を構成し、樹脂(熱可塑性樹脂)等の絶縁材料の容器からなる。
【0034】
樹脂ケース17内には銅、銅合金等からなる加熱剤ケース22が収納されており、この加熱剤ケース22には加熱剤23が充填されているとともに、着火部24が収納されている。
【0035】
着火部24は、着火剤を有し、車両の衝突事故等の車両の異常時にリード線31に流れる電流によって発生する発熱により着火剤を点火して加熱剤23にテルミット反応熱を発生させるようになっている。
【0036】
バスバー先端部13には導電性を有する多接点バネ21aが取り付けられており、また、バスバー先端部16にも導電性を有する多接点バネ21bが取り付けられている。多接点バネ21aと多接点バネ21bとは、図1及び図2に示すように対向して配置され、且つ加熱剤ケース22の側壁部を挟むように配置されている。このため、多接点バネ21a,21b及び加熱剤ケース22を介して第1のバスバー11と第2のバスバー14とが電気的に接続可能となっている。
【0037】
多接点バネ21a,21bは、図4に示すように、上面側及び側面側のそれぞれから見た場合に円弧状をなしていて、細長い溝からなるスリット部27a,27bと加熱剤ケース22に電気的に接触する接点部28a,28bとが交互に複数個形成されてなる。
【0038】
ここで、図5乃至図8を参照して多接点バネを用いた多接点バネソケットとスロットコンタクトソケットとの特性を比較して多接点バネの利点を詳細に説明する。
【0039】
多接点バネを用いた多接点バネソケットは、図5に示すように、開口部30aを有するソケット本体29aと、開口部30a内に配置され且つ開口部側から見た場合に円状をなす多接点バネ21とを有し、図示しないピンが開口部30aを介して多接点バネ21に挿入されることで、多接点バネソケットとピンとが電気的に接続される。
【0040】
また、スロットコンタクトソケットは、図6に示すように、開口部30bを有するソケット本体29bと、ソケット本体29b内に配置されたテーパ状のスロット接触部40とを有し、図示しないピンが開口部30bを介してスロット接触部40に挿入されることで、スロットコンタクトソケットとピンとが電気的に接続される。
【0041】
また、ソケットにピンを挿入するときの挿入力とソケットからピンを抜き去るときの抜去力(図7では、挿入力及び抜去力を挿抜力と略称した。)について、スロットコンタクトソケット(図7の点線で示す。)と多接点バネソケット(図7の実線で示す。)とで比較した結果を図7に示した。挿抜力は、図7から多接点バネソケットの方が小さいことが容易にわかる。
【0042】
さらに、ソケットにピンを挿入したときの接触抵抗について、スロットコンタクトソケット(図8の点線で示す。)と多接点バネソケット(図8の実線で示す。)とで比較した結果を図8に示した。接触抵抗は、図8から多接点バネソケットの方が小さいことが容易にわかる。すなわち、多接点バネは、接触抵抗が小さく、また、挿抜力が小さくなっている。
【0043】
加熱剤23は、例えば、酸化鉄(Fe)等の金属酸化物の粉末、アルミニウムの粉末とによって構成され、リード線31の発熱によりテルミット反応を起こして高熱を発生するテルミット剤である。なお、酸化鉄(Fe)を用いる代わりに、酸化クロム(Cr)、酸化マンガン(MnO)などを用いても良い。
【0044】
また、加熱剤23としては、B、Sn、FeSi、Zr、Ti及びAlの中から選ばれる少なくとも1種の金属粉末と、CuO、MnO、Pb、PbO、FeおよびFeの中から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物と、アルミナ、ベントナイト、タルク等からなる添加剤の少なくとも1種の混合物を用いても良い。
【0045】
また、加熱剤ケース22と樹脂ケース17に形成された溝部25との間には伸縮自在な弾性部材としての圧縮バネ26が配置されており、この圧縮バネ26が加熱剤ケース22を上方へ押圧している。
【0046】
また、樹脂ケース17には凹凸状のケースネジ部18が形成され、キャップ19には先端部に凹凸状のキャップネジ部20が形成され、樹脂ケース17にキャップ19を被せたときにキャップネジ部20とケースネジ部18とが螺合するようになっている。
【0047】
さらに、加熱剤ケース22の全周に帯状に溝部32が形成されており、樹脂ケース17の先端部分には突起状の係止爪部33a,33bが形成されていて、溝部32a,32bに、樹脂ケース17に形成された係止爪部33a,33bが係合している。この係止爪部33a,33bは、圧縮バネ26のバネ力による加熱剤ケース22の上方への移動を阻止するようになっている。
【0048】
次に、このように構成された実施の形態の回路遮断装置の動作を図面を参照して説明する。
【0049】
まず、通常では、第1のバスバー11と第2のバスバー14とは、多接点バネ21a,21b及び加熱剤ケース22を介して電気的に接続され、図示しないバッテリから図示しない負荷に電流が供給される。
【0050】
次に、車両が障害物等に衝突したり、あるいは車両が崖等から転落したりすると、衝突センサー等により車両の異常を検知する。車両の異常検知により、リード線31を通って着火部24へ電流が流れる。
【0051】
すると、電流による発熱により着火部24が発火するため、テルミット剤である加熱剤23が以下の反応式によりテルミット反応熱を発生する。
【0052】
Fe+2AL→AL+2Fe+386.2Kcal
このテルミット反応熱により加熱剤ケース22が加熱され、加熱剤23の発熱と加熱剤ケース22の熱により、溝部32に係合している係止爪部33a,33bが加熱されて、溶融する。
【0053】
すると、圧縮されていた圧縮バネ26が伸張し、着火部24を収納した加熱剤ケース22が多接点バネ21a,21bを摺動しながら、上方に跳ね上がる(図9において、22′は、上方へ移動後の加熱剤ケースを示す。)。
【0054】
このため、加熱剤ケース22と、第1のバスバー11及び第2のバスバー14との電気的接続が切断される。すなわち、第1のバスバー11と第2のバスバー14とが電気的に遮断されて、車両の電気回路が遮断されることになる。
【0055】
このように、実施の形態の回路遮断装置によれば、多接点バネ21a,21bは、接触抵抗が小さいため、大電流通電時において発熱を少なくすることができ、また、挿抜力が小さいから、加熱剤ケース22が上下方向に移動しても摺動抵抗が小さいために加熱剤ケース22が容易に上昇することができる。
【0056】
すなわち、多接点バネ21a,21bの摺動抵抗が小さいため、車両の電気回路を短時間で且つ確実に遮断することができ、電気部品を保護することができる。さらに、加熱剤23のテルミット反応熱を利用するため、簡単な構造の回路遮断装置を提供することができる。
【0057】
また、第1のバスバー11及び第2のバスバー14に加わった外部応力を多接点バネ21a,21bにより吸収できるため、加熱剤ケース22に外部応力が加わらなくなり、信頼性を向上することができる。また、圧縮バネ26を用いているため、安価となり、また、回路遮断装置の設計、組み付けが容易となる。
【0058】
さらに、第1のバスバー11及び第2のバスバー14と加熱剤ケース22とが分離しているため、組み付け性を向上することができる。また、第1のバスバー11及び第2のバスバー14を樹脂ケース17にインサート成形すれば、組み付け部品点数が少なくて済み、作業工数を低減することができる。また、樹脂ケース17にキッャプ19を被せるため、回路遮断時に加熱剤ケース22が飛び出すことがなくなり、また、熱による火傷等のおそれがなくなる。
【0059】
なお、本発明は、前述した実施の形態の回路遮断装置に限定されるものではない。実施の形態の回路遮断装置では、バスバー先端部13,16に多接点バネ21a,21bを取り付けたが、バスバー先端部13,16に多接点バネ21a,21bを取り付ける代わりに、例えば、多接点バネ21a,21bを加熱剤ケース22に取り付けても良い。
【0060】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、通常では、一対の接点部材及び加熱部を介して第1の接続端子と第2の接続端子とが接続されて、バッテリから負荷に電力が供給される。また、外部からの異常信号により着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により外容器に形成され且つ加熱部に係合した樹脂部材からなる係止爪部が溶融するため、弾性部材が伸張して加熱部が一対の接点部材を摺動しながら押し上げられるから、加熱部と第1の接続端子及び第2の接続端子との電気的接続が切断される。このため、第1の接続端子及び第2の接続端子の電気的接続が遮断されるから、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができる。
【0061】
請求項2の発明によれば、一対の接点部材の各々が、細長い溝からなるスリット部及び加熱部に電気的に接触する接点部が交互に複数個形成されてなる多接点バネであるため、摺動抵抗が小さいから回路を容易に遮断でき、しかも接触抵抗が小さいため、大電流通電時に発熱を少なくすることができる。
【0062】
請求項3の発明によれば、下側ケースに上側ケースを被せたときに、上側ケースに形成された第1のネジ部が、下側ケースに形成された第2のネジ部に螺合するため、回路遮断時に加熱部が飛び出さなくなり、また熱による火傷等のおそれがなくなる。
【0063】
請求項4の発明によれば、第1の接続端子及び第2の接続端子の各端子が、外容器に一体成形されてなることで、組み付け部品定数が少なくて済み、作業工数を低減することができる。
【0064】
請求項5の発明によれば、加熱剤が、金属酸化物の粉末、アルミニウムの粉末とを混合させたテルミット剤であることを特徴とするもので、テルミット反応によりテルミット反応熱を発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の回路遮断装置の遮断前のA−A間の断面図である。
【図2】実施の形態の回路遮断装置の上面図である。
【図3】実施の形態の回路遮断装置のB−B間の断面図である。
【図4】多接点バネの構成図である。
【図5】多接点バネソケットの構造図である。
【図6】スロットコンタクトソケットの構造図である。
【図7】多接点バネソケットとスロットコンタクトソケットとの挿抜力を示す特性図である。
【図8】多接点バネソケットとスロットコンタクトソケットとの接触抵抗を示す図である。
【図9】実施の形態の回路遮断装置の遮断前後のA−A間の断面図である。
【図10】従来のバイメタルを使用した保護装置の一例を示す断面図である。
【図11】従来の保護装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 第1のバスバー
13,16 バスバー先端部
14 第2のバスバー
17 樹脂ケース
18 ケースネジ部
19 キャップ
20 キッャプネジ部
21a,21b 多接点バネ
22 加熱剤ケース
22a 上蓋
23 加熱剤
24 着火部
25,32 溝部
26 圧縮バネ
27a,27b スリット部
28a,28b 接点部
29a,29b ソケット本体
30a,30b 開口部
33a,33b 係止爪部
40 スロット接触部

Claims (5)

  1. 第1の接続端子と第2の接続端子との間に配置され、加熱剤を充填した導電性を有する加熱部と、
    この加熱部または前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子の各端子に取り付けられ、前記加熱部と前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子の各端子とを接触させる一対の接点部材と、
    車両の異常時に外部からの異常信号により、前記加熱部に充填された加熱剤に着火する着火部と、
    前記加熱部に接触して配置され且つ前記加熱部を押圧する伸縮自在な弾性部材と、
    この弾性部材、前記着火部及び前記加熱部を収納する外容器と、
    この外容器に形成され且つ前記加熱部に係合して前記弾性部材による前記加熱部への押圧力を阻止し、前記加熱部の熱により溶融する樹脂部材からなる係止爪部と、
    を備えることを特徴とする回路遮断装置。
  2. 前記一対の接点部材の各々は、細長い溝からなるスリット部及び前記加熱部に電気的に接触する接点部が交互に複数個形成されてなる多接点バネであることを特徴とする請求項1記載の回路遮断装置。
  3. 前記外容器は、上側ケースと、下側ケースとからなり、前記上側ケースには第1のネジ部が形成され、前記下側ケースには前記第1のネジ部に螺合する第2のネジ部が形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の回路遮断装置。
  4. 前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子の各端子は、前記外容器に一体成形されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の回路遮断装置。
  5. 前記加熱剤は、金属酸化物の粉末、アルミニウムの粉末とを混合させたテルミット剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の回路遮断装置。
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