JP3568153B2 - カチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスとその製造方法、およびそれに用いる処理剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カチオン性脱蛋白天然ゴムに関し、より詳しくは、紙葉類、繊維類、布、皮革類等の接着に適したカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙葉類、繊維類、布、皮革類等の接着には、天然ゴムラテックス中のゴム分の濃度を60%程度に濃縮した天然ゴム系接着剤が広く用いられている。
しかし、天然ゴムラテックスは、ゴム成分以外の非ゴム成分として蛋白質を含有しており、この蛋白質の種類や量がラテックスの産地や産出時期等によって異なることから、天然ゴム系接着剤の品質や加硫特性等にばらつきが生じたり、クリープ特性や耐老化性等の機械特性、絶縁性等の電気特性など、天然ゴム系接着剤の品質そのものが低下するといった問題がある。また、天然ゴムラテックスには防腐剤としてアンモニアが配合されているために、その臭いが強いという問題もある。
【0003】
さらに近年、天然ゴム製品を使用した際に、天然ゴム中の蛋白質が原因となって、強いI型のアレルギー症状が引き起こされるという事例が報告されている。これらの問題に対しては、特開平6−56904号公報、特開平6−56905号公報および特開平6−56906号公報に開示の、天然ゴムラテックスから蛋白質を高度に除去する方法によって解決を図ることが試みられている。かかる方法は、天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)と、アニオン性やノニオン性の界面活性剤とを加えて蛋白質を分解した後、遠心分離等による精製処理によってクリーム状のゴム成分を分離し、蛋白質を除去するものである。
【0004】
しかしながら、上記公報の方法で用いられている界面活性剤はアニオン性またはノニオン性のものであって、脱蛋白天然ゴムラテックス中のゴム粒子も負に帯電するか、あるいは極性を有しない状態となっている。
従って、水中で処理されたときに負に帯電する繊維や紙葉類に対して、かかる脱蛋白天然ゴムラテックスを接着剤として使用するのは不適当であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、「Natural Rubber Science and Technology 」(A. D. Roberts 編、オクスフォード大学出版、1988年刊)の第94〜95頁には、カチオン性界面活性剤であるセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を配合したカチオン性天然ゴムラテックスが記載されている。かかる文献のように、天然ゴムラテックスに十分な量のカチオン性界面活性剤を添加すると、陽イオンを有するゴム粒子からなるラテックスが得られるが、このようにラテックスをカチオン性とすることによって、水中で処理されたときに負に帯電する繊維、紙葉類等との密着力を向上させることができる。
【0006】
しかしながら、上記文献に開示の天然ゴムラテックスは、ゴム分の濃度が30%程度にまで希釈された低濃度のものであるため、被接着物に塗工した場合にゴムラテックスによって形成される接着層の厚みが不足し易くなって、十分な接着強度が得られないという問題がある。
さらに、天然ゴムラテックス中に、単にカチオン性界面活性剤を配合して得られるラテックスは経時的な粘度上昇が大きく、凝固作用を伴うおそれが強いため、塗工作業性が低いという問題もある。
【0007】
従って、かかる場合においても、天然ゴム系接着剤としての使用には不適当であって、ラテックスの用途が限定される問題があった。
そこで本発明の目的は、ゴム分の濃度が高くても優れた保存安定性および塗工作業性を維持することができ、紙葉類、布、皮革類等に対して優れた接着性を示し、かつ人体に対する安全性の高いカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスと、その製造方法を提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、ゴム分の濃度を高くしても保存安定性を維持することができ、かつ優れた塗工作業性と、紙葉類、布、皮革類等に対する優れた接着性と、人体に対する高い安全性とを示すカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得るための処理剤を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、脱蛋白処理を施した天然ゴムラテックス中のゴム粒子を正に帯電させたときは、当該ゴム粒子の固形分濃度を高くしても、その粘度を十分に低く抑えることができ、その結果、接着剤として優れた塗工作業性を有し、かつ紙葉類、繊維類、布、皮革類等に対する優れた接着性を有する天然ゴムラテックスが得られるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスは、ゴム粒子が正に帯電しており、当該ゴム粒子の濃度が40〜65重量%で、かつ25℃における粘度(以下、単に「粘度」という。)が200mPa・s以下であることを特徴とする。
上記本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスによれば、ゴム粒子の濃度(ラテックス中のゴム分の濃度)が40〜65重量%もの高い値にあるときにも、ラテックスの粘度が200mPa・s以下の低い値に保たれていることから、塗工作業性が良好で、被接着物に塗工する際に、均一な厚みの接着層を形成することができる。従って、接着剤層を形成したときの厚みの不足やばらつきが生じず、十分な接着強度を得ることができる。
【0011】
上記本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスは、蛋白分解酵素と、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤とを用いて脱蛋白処理を施したものであり、かつ当該処理後において、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との両方を含有するものである。
すなわち、かかるカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスは、蛋白分解酵素と、カチオン性および/またはノニオン性の界面活性剤とを含有する脱蛋白処理剤を用いた脱蛋白処理によって天然ゴムラテックス中に存在する蛋白質が除去されており、かつ、最終的に、ラテックス中にカチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤とが併存することを特徴とする。
【0012】
上記本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスによれば、ラテックスの分散安定性と保存安定性とが優れたものとなり、ゴム分の濃度が40重量%を超えるいわゆる高濃度のラテックスであっても、ラテックスの粘度を200mPa・s以下に保持することができ、経時的な粘度上昇や凝固・凝集といった現象を十分に抑制することができる。
前記カチオン性界面活性剤は、ラテックスの分散安定性や保存安定性の向上に寄与するだけでなく、ラテックスをカチオン性とする作用、すなわちラテックス中のゴム粒子を正に帯電させて、陽イオン荷電粒子の水中サスペンジョンとする作用を発揮する。その結果、本発明に係るラテックスは紙葉類、繊維類、布、皮革等に対して優れた接着性を示すものとなる。
【0013】
以上の効果により、本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスは、特に紙葉類、繊維類、布、皮革等を接着する用途に好適な天然ゴム系接着剤におけるベースラテックスとして、優れた接着性と良好な塗工作業性とを発揮する。
さらに、上記本発明においては、原料である天然ゴムラテックスに含まれる蛋白質が脱蛋白処理によって除去されていることから、その結果、本発明のラテックスは、蛋白質に起因するアレルギーの発生が抑制され、人体に対して安全性の高いものとなる。
【0014】
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法は、天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素と、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤とを用いて脱蛋白処理を施した後、ラテックス中のゴム分の濃度が40〜65重量%となるように濃縮して、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤のうち少なくとも前記脱蛋白処理時に配合されなかった方の界面活性剤を配合することを特徴とする。
【0015】
上記本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法によれば、ラテックス中のゴム分の濃度が40〜65重量%もの高濃度であるときであっても、ラテックスの粘度が200mPa・s以下に保持され、さらに、ラテックスの経時的な粘度上昇が抑制されるとともに、優れた保存安定性を発揮するカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得ることができる。
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス用の処理剤は、上記本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得るために、原料となる天然ゴムラテックスを処理するのに用いられるものであって、
(1) 少なくとも蛋白分解酵素と1種以上のカチオン性界面活性剤とを有効成分として含有する脱蛋白処理剤と、少なくとも1種以上のノニオン性界面活性剤を有効成分として含有する後添加剤からなる処理剤、
(2) 少なくとも蛋白分解酵素と1種以上のノニオン性界面活性剤とを有効成分として含有する脱蛋白処理剤と、少なくとも1種以上のカチオン性界面活性剤を有効成分として含有する後添加剤からなる処理剤、または
(3) 少なくとも蛋白分解酵素と、1種以上のカチオン性界面活性剤と、1種以上のノニオン性界面活性剤とを有効成分として含有する処理剤である。
【0016】
上記本発明の処理剤によれば、ラテックス中のゴム粒子を正に帯電させることができるとともに、ゴム分の濃度を40〜65重量%もの高い濃度にしたときであっても、ラテックスの粘度を200mPa・s以下の低粘度に保持することができ、その結果、ラテックスの経時的な粘度上昇が抑制され、かつ優れた保存安定性を発揮するカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
〔カチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス〕
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスは、脱蛋白処理が施された天然ゴムラテックスであって、ラテックス中のゴム粒子がカチオン性を有し、ゴム分の濃度が40〜65重量%であるときに、当該ラテックスの粘度が200mPa・s以下となるように調整されたものである。
【0018】
ラテックスがカチオン性を有すること、すなわちラテックス中のゴム粒子が正に帯電していることによって、水中で負に帯電し易い紙葉類、繊維類、布、皮革類との親和性が増大し、接着強度が向上する。
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスにおけるゴム分の濃度は、天然ゴム系接着剤のベースラテックスとして優れた塗工作業性を発揮するために、40〜65重量%の範囲で調整される。
【0019】
ゴム分の濃度が40重量%を下回ると、天然ゴム系接着剤等として使用する場合において、接着剤のベースラテックスとして十分な接着強度が得られなくなる。一方、ゴム分の濃度が65重量%を超えると、ラテックスの粘度を200mPa・s以下に調整するのが困難になり、天然ゴム系接着剤等として使用する場合に塗工作業性が低下したり、あるいはラテックスの分散安定性や保存安定性が低下したりする問題が生じる。
【0020】
ゴム分の濃度は、上記範囲の中でも特に、45〜65重量%であるのが好ましく、45〜60重量%であるのがより好ましい。
(カチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスの物性)
ラテックスの粘度は、ゴム分の濃度が40〜65重量%であるときに、200mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは20〜100mPa・sである。
【0021】
この粘度の上限値は、少なくとも塗工時まで保持されなければならない。塗工時のラテックス粘度が200mPa・sを超えると塗工作業性が悪化する。さらに、この場合には、ラテックス中での気泡の生成が促進されるために均一な接着剤層を得ることができず、その結果、接着強度が低下する問題も生じる。粘度の下限は特に限定されるものではなく、ラテックスの流動性が高くなりすぎて塗工作業性が低下するという問題が生じることのない範囲で適宜調整すればよい。
【0022】
(カチオン性脱蛋白天然ラテックスの原料)
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得るための出発原料となるラテックスには、アンモニア保存濃縮天然ゴムラテックス(ゴム分濃度約60%)、ゴムの樹から採取したフィールドラテックス(ゴム分濃度約30%)等の、従来公知の種々の天然ゴムラテックスを用いることができる。
(脱蛋白処理)
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを製造するに際して、後述するように、上記出発原料としての天然ゴムラテックスに対して、蛋白質の分解処理と、分解された蛋白質等の非ゴム成分を除去、精製する処理とからなる脱蛋白処理工程が施される。
【0023】
上記天然ゴムラテックスに蛋白質分解処理を施すのに用いられる蛋白分解酵素としては、従来公知のものが使用可能であって特に限定されないが、例えばアルカリプロテアーゼ等が好適である。プロテアーゼの由来としては、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもの等いずれのものであってもよいが、これらの中では細菌由来のもので、特にBacillus属のものが好ましい。また、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ等の酵素を併用することも可能である。
【0024】
本発明に用いる蛋白分解酵素は、上記の中でも特に、界面活性剤に対する耐性を有する、花王(株)製のプロテアーゼKAPが好適に用いられる。
蛋白分解酵素としてアルカリプロテアーゼを用いる場合、その活性〔アンソン−ヘモグロビン法(Anson. M. L.,J. Gen. Physiol.,22,79(1938))の改良法による測定値〕は0.1〜50APU/g、好ましくは1〜25APU/gの範囲であるのが適当である。
【0025】
上記蛋白分解酵素の添加量は、天然ゴムラテックスのゴム分100重量部に対して0.0001〜20重量部の範囲で設定するのが好ましく、0.001〜10重量部の範囲で設定するのがより好ましい。蛋白質分解酵素の添加量が前記範囲内であると、ラテックス中の蛋白質を十分に分解することができ、酵素の活性が保持され、添加に見合う効果を有効に発現でき、コスト的に有利になる。酵素を添加する際には、リン酸水素二ナトリウム等のpH調整剤やその他の添加剤を添加してもよい。
【0026】
(界面活性剤)
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを製造するに際しては、
(i) 蛋白質の分解処理時にラテックス中でゴム分を安定して分散させることを目的として、さらには
(ii)ラテックスの分散安定性と保存安定性とを優れたものとし、かつラテックス中のゴム粒子を正に帯電させて、陽イオン荷電粒子の水中サスペンジョンとすることを目的として、
ラテックス中に、安定剤としての1種以上のカチオン性界面活性剤および1種以上のノニオン性界面活性剤が用いられる。
【0027】
本発明に用いられるカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキルアミン誘導体、およびそれらの第4級化物が挙げられる。
上記アルキルアミン塩としては、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミンの塩が挙げられ、特に限定されるものではないが、塩としては、例えば塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、脂肪酸、有機酸、アルキルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸、アルキルアミドエーテルカルボン酸、アニオン性オリゴマー、アニオン性ポリマー等が挙げられる。
【0028】
上記アルキルアミン誘導体は、エステル基、エーテル基、アミド基のうちの少なくとも1つを分子内に有するものであって、例えばポリオキシアルキレン(AO)アルキルアミンおよびその塩、アルキルエステルアミン(AO付加物を含む)およびその塩、アルキルエーテルアミン(AO付加物を含む)およびその塩、アルキルアミドアミン(AO付加物を含む)およびその塩、アルキルエステルアミドアミン(AO付加物を含む)およびその塩、アルキルエーテルアミドアミン(AO付加物を含む)およびその塩等が挙げられ、塩としては、例えば塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、脂肪酸、有機酸、アルキルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸、アルキルアミドエーテルカルボン酸、アニオン性オリゴマー、アニオン性ポリマー等が挙げられる。
【0029】
上記酢酸塩の具体例としては、例えばココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
上記アルキルアミン塩およびアルキルアミン誘導体におけるアルキル基は、特に限定されるものではないが、通常炭素数8〜22の、直鎖状、分岐鎖状またはゲルベ状のものが挙げられる。
上記アルキルアミン塩およびアルキルアミン誘導体の第4級化物としては、上記アルキルアミン塩およびアルキルアミン誘導体を、例えばメチルクロライド、メチルブロマイド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等で第4級化したものが挙げられる。
【0030】
前記第4級アンモニウム塩としては、例えば炭素数8〜22のアルキル基を有するものが挙げられ、より詳しくは、ラウリルトリメチルアンモニウムハライド、セチルトリメチルアンモニウムハライド、ステアリルトリメチルアンモニウムハライド等のアルキルトリメチルアンモニウムハライド;ジステアリルジメチルアンモニウムハライド等のジアルキルジメチルアンモニウムハライド;トリアルキルメチルアンモニウムハライド;ジアルキルベンジルメチルアンモニウムハライド;アルキルベンジルジメチルアンモニウムハライド等が挙げられる。
【0031】
上記例示のカチオン性界面活性剤の中でも、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)やステアリルトリメチルアンモニウムクロリドは、ラテックスの安定化効果が特に優れていることから、本発明に好適に用いられる。
カチオン性界面活性剤の含有量は、後述する脱蛋白処理工程においても、その後の後添加工程においても、ラテックスのゴム分に対するカチオン性界面活性剤の含有量を0.5〜20重量%の範囲に調整できるように設定される。
【0032】
カチオン性界面活性剤の含有量が上記範囲内であると、ラテックスのゴム粒子へのカチオン性界面活性剤の吸着が十分となり、ラテックスを乾燥したときの固形ゴムの吸湿性が低く維持され、使用量に見合う効果を有効に発現でき、コスト的に有利になる。
本発明に用いられるノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、アルキルポリグリコシド系等の界面活性剤が挙げられる。
【0033】
ポリオキシアルキレンエーテル系の界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンポリオールアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノ、ジまたはトリスチリルフェニルエーテル等が挙げられる。前記ポリオールとしては、炭素数2〜12の多価アルコール、例えばプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、グルコース、シュークロース、ペンタエリトリトール、ソルビタン等が挙げられる。
【0034】
ポリオキシアルキレンエステル系の界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルロジン酸エステル等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル系の界面活性剤としては、例えば炭素数2〜12の多価アルコールの脂肪酸エステル、またはポリオキシアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。より具体的には、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。そのほかにも、これらのポリアルキレンオキシド付加物(例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル等)を用いることもできる。
【0035】
糖脂肪酸エステル系の界面活性剤としては、例えばショ糖、グルコース、マルトース、フラクトース、多糖類等の脂肪酸エステルが挙げられる。そのほかにも、これらのポリアルキレンオキシド付加物を用いることもできる。
アルキルポリグリコシド系の界面活性剤としては、例えばアルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキルポリグルコシド等のほか、これらの脂肪酸エステル類が挙げられる。また、これらのポリアルキレンオキシド付加物も用いることができる。
【0036】
また、上記以外にも、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等も用いることができる。
前記ノニオン性界面活性剤におけるアルキル基としては、炭素数4〜30のアルキル基が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基としては、炭素数2〜4のアルキレン基を有するものが挙げられ、例えば酸化エチレンのモル数が1〜50モル程度のものが挙げられる。脂肪酸としては、例えば炭素数4〜30の直鎖または分岐した飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。
【0037】
上記例示のノニオン性界面活性剤の中でも、ラテックスの安定化効果が高いポリオキシアルキレンエーテル系のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルが好適であり、なかでも親水親油バランス(HLB)が10以上であるものが、ラテックスの保存安定性を高める効果が大きいためより好適である。
ノニオン性界面活性剤の含有量は、後述する脱蛋白処理工程においても、その後の後添加工程においても、ラテックスのゴム分に対するノニオン性界面活性剤の含有量を0.2〜5.0重量%の範囲に調整できるように設定される。
【0038】
ノニオン性界面活性剤の含有量が上記範囲内であると、ラテックスの保存安定化効果にとってより好ましく、ラテックスのゴム粒子に吸着したカチオン性界面活性剤の効果を十分に維持することができる。
上記例示の界面活性剤以外のもの、すなわちアニオン性界面活性剤および両性界面活性剤の本発明での使用は、カチオン性界面活性剤を添加することによって得られる本発明の効果を失わせる作用を示す。従って、本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスでは、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤とを実質的に含有しないのが好ましい。
【0039】
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスは、例えばそのままの状態で、あるいはラテックス中のゴム分子にグラフト改質処理等を施した上で、紙葉類、繊維類、布および皮革類用の接着剤として好適に用いられる。
〔カチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法〕
本発明のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスは、
(1) 天然ゴムラテックスを必要に応じて水で希釈し、これに蛋白分解酵素と、安定剤としての1種以上のカチオン性界面活性剤または1種以上のノニオン性界面活性剤を加えて蛋白質の分解処理を行い、さらに非ゴム分の除去、精製を行う工程(脱蛋白処理工程)と、
(2) 前記精製処理によって濃縮されたクリーム分に、安定剤として、カチオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤のうち少なくとも前記蛋白質分解処理の際に配合されなかった方の界面活性剤を配合し、さらに必要に応じてアンモニア、老化防止剤等を添加する工程(後添加工程)
を経ることによって、あるいは
(1’)天然ゴムラテックスを必要に応じて水で希釈し、これに蛋白分解酵素と、安定剤としての1種以上のカチオン性界面活性剤および1種以上のノニオン性界面活性剤を加えて蛋白質の分解処理を行い、さらに非ゴム分の除去、精製を行う工程(脱蛋白処理工程)を経ることによって製造される。
【0040】
上記(1) および(1’)の脱蛋白処理工程においては、原料である天然ゴムラテックスを必要に応じて水で希釈してゴム分の濃度を低くし、これに蛋白分解酵素と、1種以上のカチオン性界面活性剤または/および1種以上のノニオン性界面活性剤とを添加して熟成させることによって、蛋白質の分解処理が進行する。
この処理によって蛋白質が分解されて低分子化するため、ゴム粒子に結合または吸着し、これを安定化していた蛋白質を水層に移行させることができる。一方、ゴム粒子には蛋白質に代わって界面活性剤が吸着して、ラテックスを安定化すると考えられる。
【0041】
蛋白質分解処理時におけるゴム分の濃度は特に限定されないが、蛋白質分解処理の効果を最大限発揮するには、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となるように希釈され、低濃度化されているのが好ましい。
蛋白質分解処理の条件も特に限定されないが、通常5〜90℃、好ましくは20〜60℃で、数分から1週間程度行うのが好ましい。
蛋白質の分解処理に引き続いて行われる非ゴム分の除去、精製処理においては、遠心分離、限外ろ過法等によってラテックスを濃縮し、水中に移行した蛋白質分解物等の非ゴム成分を精製、除去する処理がなされる。
【0042】
上記遠心分離による場合は5000〜10000rpmで(重力加速度が9000G程度の遠心力で)1〜60分間程度遠心分離処理を行い、ゴム分が濃縮されたクリーム分を取り出せばよい。また、この場合、ディスク式の遠心分離機で連続的に分離してもよい。ラテックスの精製は必要に応じて繰返してもよい。
本発明では、上記精製処理によって得られたクリーム分、すなわち脱蛋白処理が施されたラテックスのゴム分に、さらに界面活性剤を配合する工程(後添加工程)が行われる。
【0043】
かかる工程においては、上記(1) の脱蛋白処理工程でカチオン性界面活性剤を単独で使用した場合にはノニオン性界面活性剤を、一方、脱蛋白処理工程でノニオン性界面活性剤を単独で使用した場合にはカチオン性界面活性剤を配合すればよい。脱蛋白処理工程でカチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤とを併用した場合においても、さらにカチオン性および/またはノニオン性界面活性剤を後添加することができる。
【0044】
上記(1) の脱蛋白処理工程および上記(2) の後添加工程のいずれにおいても、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の添加量は、ラテックスのゴム分に対する界面活性剤の含有量がそれぞれ前述の範囲を満たすように調整すればよい。
脱蛋白処理工程で既に配合された界面活性剤を上記(2) の後添加工程で再度配合する必要はないが、既に配合された界面活性剤は蛋白質の分解処理と精製処理とを経ることによって目減りするのが通常であることから、ラテックスのゴム分に対する含有量が前述の範囲を満たす程度において、再度添加してもよい。
【0045】
界面活性剤の後添加工程における界面活性剤の配合方法は特に限定されないが、通常、界面活性剤の濃度が10〜20重量%となるように希釈した水溶液を使用し、ラテックスを撹拌しながら加えるのが好ましい。
〔処理剤〕
本発明の処理剤は、上記本発明のカチオン性脱蛋白質天然ゴムラテックスの製造に際して用いられるものであって、
・前述の脱蛋白処理工程(1) において用いられる脱蛋白処理剤と、前述の後添加工程において用いられる後添加剤とからなる処理剤と、
・前述の脱蛋白処理工程(1’)において用いられる処理剤とがある。
【0046】
上記本発明の処理剤のうち、脱蛋白処理剤と後添加剤とからなる処理剤としては、さらに
(I) 少なくとも蛋白分解酵素と1種のカチオン性界面活性剤とを有効成分として含有する脱蛋白処理剤と、少なくとも1種のノニオン性界面活性剤を有効成分として含有する後添加剤からなるものと、
(II)少なくとも蛋白分解酵素と1種のノニオン性界面活性剤とを有効成分として含有する脱蛋白処理剤と、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を有効成分として含有する後添加剤からなるもの
の2種類に分類される。
【0047】
上記(I) の処理剤によれば、脱蛋白処理剤が蛋白分解酵素を含有することから、かかる脱蛋白処理剤を用いることで天然ゴムラテックスの蛋白質を分解する処理を行うことができる。また、脱蛋白処理剤がカチオン性界面活性剤を含有することから、かかる脱蛋白処理剤を用いて脱蛋白処理を施すことで、ラテックスにカチオン性を付与するとともに、ラテックスの安定化を図ることができる。さらに、後添加剤がノニオン性界面活性剤を含有することから、後添加工程においてカチオン性とノニオン性との両界面活性剤の併用を実現でき、ラテックスのカチオン性を阻害することなく、より一層ラテックスを安定化させて、優れた保存安定性を発揮することができる。
【0048】
上記(II)の処理剤によれば、脱蛋白処理剤が蛋白分解酵素を含有することから、かかる脱蛋白処理剤を用いることで天然ゴムラテックスの蛋白質を分解する処理を行うことができる。また、脱蛋白処理剤がノニオン性界面活性剤を含有することから、かかる脱蛋白処理剤を用いて脱蛋白処理を施したときに、ラテックスの安定化を図ることができる。さらに、後添加剤がカチオン性界面活性剤を含有することから、後添加工程においてラテックスにカチオン性を付与することができるとともに、カチオン性とノニオン性との両界面活性剤の併用を実現でき、ラテックスをより一層安定化させて、優れた保存安定性を発揮することができる。従って、上記のいずれの処理剤を用いても、保存中の粘度上昇を防止し、ゴム分の濃度が40〜65重量%もの高濃度であっても、その粘度が200mPa・s以下に維持されたカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得ることができる。
【0049】
一方、前述の脱蛋白処理工程(1’)において用いられる処理剤は、蛋白分解酵素とカチオン界面活性剤とノニオン界面活性剤とを含有することから、かかる処理剤によれば、天然ゴムラテックスの蛋白質を分解する処理と、脱蛋白処理時のラテックスの安定化と、ラテックスへのカチオン性の付与と、カチオン性とノニオン性との両界面活性剤の併用系の実現とを一度に達成することができる。
上記本発明の処理剤に用いられる蛋白分解酵素、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤としては、前述したものと同じものが挙げられる。
【0050】
また、本発明の処理剤における蛋白分解酵素、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の含有量は、当該処理剤を天然ゴムラテックスに配合した場合に、ラテックス中のゴム分に対する各成分の含有量が前述の範囲を満足するように適宜設定すればよい。
【0051】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
(天然ゴムラテックスの脱蛋白処理)
調製例1
ゴム分濃度60重量%の高アンモニア保存天然ゴムラテックス167重量部(ゴム分100重量部)に、蛋白質分解酵素としてのアルカリプロテアーゼ0.07重量部およびカチオン性界面活性剤〔花王(株)製の商品名「コータミン86W」、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド〕の有効成分10%水溶液50重量(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド分5.0重量部)部を配合し、イオン交換水450重量部を加えて、全固形分濃度TSCが15重量%のラテックスを調製した。前記カチオン性界面活性剤におけるステアリルトリメチルアンモニウムクロライド分は5.0重量部であった。
【0052】
次いで、このラテックスを30℃で24時間撹拌して蛋白質の分解処理を施した。さらに、小型のディスク式遠心分離機に投入し、5000〜5500rpmで10〜30分間連続遠心分離処理を行い、得られたクリーム分を回収した。
調製例2
カチオン性界面活性剤の配合量を40重量部(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド分4.0重量部)とし、イオン交換水の添加量を460重量部としたほかは、調製例1と同様にしてTSCが15重量%のラテックスを調製した。
【0053】
次いで、上記ラテックスに対して、調製例1と同様にして蛋白質分解処理および遠心分離処理を行って、クリーム分を回収した。
調製例3
イオン交換水の添加量を783重量部としたほかは、調製例1と同様にして、天然ゴムラテックスを調製した。得られたラテックスの全固形分濃度TSCは10重量%であった。
【0054】
次いで、上記ラテックスに対して、調製例1と同様にして蛋白質分解処理および遠心分離処理を行って、クリーム分を回収した。
調製例4
カチオン性界面活性剤(商品名「コータミン86W」)に代えて、ノニオン性界面活性剤〔花王(株)製の商品名「エマルゲン920」、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル〕の有効成分10%水溶液20重量部(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル分2.0重量部)を配合し、さらにイオン交換水の添加量を813重量部としたほかは、調製例1と同様にして、天然ゴムラテックスを調製した。得られたラテックスのTSCは10重量%であった。
【0055】
次いで、上記ラテックスに対して、調製例1と同様にして蛋白質分解処理および遠心分離処理を行って、クリーム分を回収した。
比較調製例1
カチオン性界面活性剤(商品名「コータミン86W」)に代えて、アニオン性界面活性剤〔花王(株)製の商品名「エマールE−70C」、ポリオキシエチレン(2) ラウリルエーテル硫酸ナトリウム〕の有効成分10%水溶液20重量部(ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム分2.0重量部)を配合し、さらにイオン交換水の添加量を813重量部としたほかは、調製例1と同様にして、天然ゴムラテックスを調製した。得られたラテックスのTSCは10重量%であった。
【0056】
次いで、上記ラテックスに対して、調製例1と同様にして蛋白質分解処理および遠心分離処理を行って、クリーム分を回収した。
上記各調製例の組成を表1に示す。なお、全固形分濃度TSCは、秤量瓶でラテックス約1gを精秤し、これを100℃で約1時間乾燥させ、冷却した後の乾燥重量を百分率で示したものである。
【0057】
【表1】
【0058】
(カチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスの調製)
実施例1
上記調製例1で得られたクリーム分をイオン交換水で希釈し、ゴム分の濃度が約50重量%のラテックスを調製した。
次いで、このラテックスにノニオン性界面活性剤(前出の商品名「エマルゲン920」)の有効成分10%水溶液を配合した。その配合量は、ラテックスのゴム分に対してポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの含有量が1重量%となるように調整した。
【0059】
こうして、全固形分濃度TSCが50重量%のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
実施例2
上記調製例2で得られたクリーム分を用いたほかは、実施例1と同様にしてカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス(TSC50重量%)を調製した。
実施例3
上記調製例3で得られたクリーム分を用いたほかは、実施例1と同様にしてカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス(TSC50重量%)を調製した。
【0060】
実施例4
上記調製例4で得られたクリーム分をイオン交換水で希釈し、ゴム分の濃度が約55重量%のラテックスを調製した。
次いで、このラテックスにカチオン性界面活性剤(前出の商品名「コータミン86W」)の有効成分10%水溶液を配合した。その配合量は、ラテックスのゴム分に対してステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの含有量が3重量%となるように調整した。
【0061】
実施例5
上記調整例2で得られたクリーム分をイオン交換水で希釈し、ゴム分の濃度が約50重量%のラテックスを調整した。
次いで、このラテックスにカチオン性界面活性剤(前出の商品名「コータミン86W」)の有効成分10%水溶液と、ノニオン性界面活性剤(前出の商品名「エマルゲン920」)の10%水溶液とを配合した。前記商品名「コータミン86W」の配合量は、ラテックスのゴム分に対してステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの含有量が0.5重量%となるように調整した。また、前記商品名「エマルゲン920」のラテックスのゴム分に対してポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの含有量が1重量%となるように調整した。
【0062】
実施例6〜9
上記調整例1で得られたクリーム分をイオン交換水で希釈し、ゴム分の濃度が約50重量%のラテックスを調整した。
次いで、このラテックスにノニオン系界面活性剤である
・花王(株)製の商品名「レオドールTW−S120」〔ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、HLB=14.9〕の有効成分10%水溶液(実施例6)
・花王(株)製の商品名「エマルゲン109P」〔ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB=13.6〕の有効成分10%水溶液(実施例7)
・花王(株)製の商品名「エマルゲン320P」〔ポリオキシエチレンステアリルエーテル、HLB=13.9〕の有効成分10%水溶液(実施例8)または
・花王(株)製の商品名「エマルゲン430」〔ポリオキシエチレンオレイルエーテル、HLB=16.2〕の有効成分10%水溶液(実施例9)
を配合した。
【0063】
上記ノニオン系界面活性剤の配合量は、ラテックスのゴム分に対して、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルの含有量が1重量%となるように調整した。
こうして、全固形分濃度TSCが50重量%のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
【0064】
比較例1〜5
上記調製例1〜4および比較調製例1で得られたクリーム分をイオン交換水で希釈し、ゴム分の濃度を50重量%(比較例1〜3)、55重量%(比較例4)または60重量%(比較例5)に調整した。
比較例6
調製例1で使用した高アンモニア保存天然ゴムラテックスをイオン交換水で希釈し、そのゴム分の濃度を30重量%にまで低下させた後、このラテックスにカチオン性界面活性剤(前出の商品名「コータミン86W」)の有効成分10%水溶液を配合した。前記商品名「コータミン86W」の配合量は、ラテックスのゴム分に対してステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの含有量が3重量%となるように調整した。
【0065】
上記実施例および比較例におけるラテックスの組成を下記の表2〜4に示す。なお、全固形分濃度TSCは前述と同じである。
(ラテックスの特性評価)
上記実施例および比較例で得られたラテックスについて、下記の特性を評価した。
(i) 粘度
調製後1日経過したラテックスについて、BM型粘度計を用いて、#2または#3ローター、回転速度60rpm、25℃の条件で測定し、これを初期粘度とした。
【0066】
また、調製後30日経過したラテックスについても、上記と同様にして粘度を測定した。
(ii)保存中のラテックスの外観変化
調製後30日経過した時点でのラテックスの外観を目視で観察し、クリーム分としょう液との分離が生じていないかを確認した。
(iii) 窒素分
ケルダール法に従って、ラテックス固形分中の全窒素量を求めた。なお、表2および3に示す値は、界面活性剤中の窒素原子に基づく窒素分を補正した値である。
【0067】
(iv)接着強度
JIS K 6854「接着剤のはく離接着強さ試験方法」に記載のT型はく離試験方法に準拠し、被着体として上綿帆布(JIS L 3102)を使用したときの接着強度を測定した。
測定は調整直後のラテックス(初期)と、30日間の保存後のラテックスとについて行い、接着強度は以下の5段階で評価した。
5:接着強度が非常に良好であった。
4:接着強度が良好であった。
3:接着強度が実用上不十分であった。
2:接着強度が弱かった。
1:接着強度が極めて弱かった。
【0068】
(v) 塗工作業性
30日間保存したラテックスを接着試験に使用する上綿帆布上にバーコーターで塗布し、その作業性とラテックスの塗工状態から塗工作業性を以下の基準で判定した。
○:作業性が良好で、均一に塗工できた。
△:作業がしにくく、塗工状態も不均一であった。
×:塗工作業が行えず、判定不能であった。
【0069】
以上の結果を表2〜4に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
上記表2〜4中の参照符号*1〜*4は次のとおりである。
*1:ラテックス中のゴム分に対する重量割合を示す。
*2:単位は[mPa・s]である。
*3:5段階評価の平均値を示す。
*4:ゴム固形分に対する重量割合を示す。
表2〜4より明らかなように、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤とを併用した実施例1〜5のラテックスによれば、ゴム分の濃度が40重量%以上の高濃度であるにも関わらず、経時的な粘度上昇が抑制されており、保存安定性が良好で、かつ布等に対する優れた接着性を有していた。
【0074】
これに対し、カチオン性界面活性剤を単独で含有する比較例1〜3のラテックスは、保存安定性が低いために30日経過後の粘度が200mPa・s以上と高くなっており、塗工作業性と接着強度の低下がみられた。また、経時的な粘度上昇が大きく、ラテックスを塗布した際に厚みのばらつきが生じ易い等の問題もあった。
また、ノニオン性界面活性剤を単独で含有する比較例4のラテックスやアニオン性界面活性剤を単独で含有する比較例5のラテックスでは、接着強度が劣っていた。
【0075】
なお、脱蛋白処理を施していない天然ゴムラテックスにカチオン性界面活性剤を単独で含有させた比較例6は保存安定性が極めて低く、30日経過後にはクリーム分としょう液とが分離した。初期の接着強度も、ゴム分の濃度が低いために不十分であった。
以上詳述したように、本発明によれば、保存安定性が良好で、かつ紙葉類、繊維類、布、皮革類等に対する優れた接着性を示すカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスを得ることができる。
Claims (6)
- ゴム粒子が正に帯電しており、当該ゴム粒子の濃度が40〜65重量%で、かつ25℃における粘度が200mPa・s以下であるカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス。
- 前記カチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスが、蛋白分解酵素と、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤とを用いて脱蛋白処理を施したものであり、かつ当該処理後において、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との両方を含有しているものである請求項1記載のカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス。
- 天然ゴムラテックスに蛋白分解酵素と、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤とを用いて脱蛋白処理を施した後、ラテックス中のゴム分の濃度が40〜65重量%となるように濃縮して、カチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤のうち少なくとも前記脱蛋白処理時に配合されなかった方の界面活性剤を配合することを特徴とするカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックスの製造方法。
- 少なくとも蛋白分解酵素と1種以上のカチオン性界面活性剤とを有効成分として含有する脱蛋白処理剤と、少なくとも1種以上のノニオン性界面活性剤を有効成分として含有する後添加剤とからなるカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス用の処理剤。
- 少なくとも蛋白分解酵素と1種以上のノニオン性界面活性剤とを有効成分として含有する脱蛋白処理剤と、少なくとも1種以上のカチオン性界面活性剤を有効成分として含有する後添加剤とからなるカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス用の処理剤。
- 少なくとも蛋白分解酵素と、1種以上のカチオン性界面活性剤と、1種以上のノニオン性界面活性剤とを有効成分として含有するカチオン性脱蛋白天然ゴムラテックス用の処理剤。
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