JP3568059B2 - ニップローラの交換装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はニップローラの交換装置に係り、特にラミネータラインのラミネートコート部におけるニップローラの交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
押し出しによるコーティングの分野では迅速に交換可能な冷却ロールを含むフィルム押出し装置が知られている(特開平3−143615号公報)。
ウエブの表面に樹脂性の薄膜を形成するラミネータラインのラミネートコート部では、ニップローラはアームに固定されて用いられていた。このニップローラは所定時間使用すると、その表面が劣化等してくるため、新たなニップローラと交換する必要が生じてくる。このアームに固定されたニップローラを新たなニップローラに交換する場合、ラミネータラインを停止し、アームからニップローラを取り外す。そして、その取り外したニップローラを運搬台車等で装置外へ運搬し、そこで、新たなニップローラと交換する。そして、その交換した新たなニップローラを再び運搬台車等でアームの近傍まで運搬し、前記アームに取り付けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来方式によるニップローラの交換作業は、作業工程が多く、しかもその交換作業を作業者が手作業で行うため多大な時間を要し、ラミネータラインの稼働効率が大幅に低下するという欠点がある。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、ニップローラの交換が簡単なニップローラの交換装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、回転ローラと対向する位置に配置されて、該回転ローラとでウエブを挟圧すると共に、該回転ローラとの間に供給された溶融樹脂で前記ウエブ表面に樹脂性の薄膜を形成するニップローラの交換装置において、前記ニップローラを凹部に嵌入し、該凹部の開口部に突出させた出没自在なロックピンで係止して、前記ニップローラを着脱自在に支持する軸受部を両端に備えた2軸ターレットと、前記ニップローラが前記ウエブを挟圧する位置と交換位置とに前記2軸ターレットをガイドするガイドレールと、前記ニップローラを載置する昇降可能な支持台を備え、所定位置に位置させて前記支持台を上昇させると、前記支持台に載置された新たなニップローラが前記交換位置に位置した2軸ターレットの他方側の軸受部に嵌入されるとともに、該軸受部から取り外されたニップローラが前記支持台に載置される運搬台車と、
を備えたことを特徴とする。
【0005】
【作用】
本発明によれば、ニップローラは2軸ターレットの両端部に着脱自在に支持される。そして、その2軸ターレットを回動操作することにより、一端部に支持されたニップローラを運転位置に位置させ、他端部に支持されたニップローラを交換位置に位置させる。また、運転位置に位置しているニップローラを交換する場合は、2軸ターレットの一端部にその新たなニップローラを取付ける。そして、2軸ターレットを回動操作し、その新たなニップローラを取り付けた2軸ターレットの一方端を運転位置に位置させ、運転位置に位置されていたニップローラを交換位置に位置させる。2軸ターレットの他端部に支持された古いニップローラを取り外し、交換を終了する。
【0006】
以下添付図面に従って本発明に係るニップローラの交換装置の好ましい実施態様について詳説する。
図1には本発明に係るニップローラの交換装置の側面図が示され、図2にはその正面図が示されている。
図1及び図2に示されるように、ウエブ10は、ガイドローラ11、12、13、回転ローラ16及びガイドローラ17を介して図1上で右から左方向に搬送される。ガイドローラ11、12、13はニップローラ交換装置20の本体フレーム21に支持され、回転ローラ16及びガイドローラ17は図示しない固定フレームに支持される。前記ガイドローラ11、12、13で搬送されるウエブ10は回転ローラ16とその回転ローラ16と対向する位置に配置されるニップローラ18とで挟圧され、その挟圧部に溶融樹脂19を供給しながら前記回転ローラ16と前記ニップローラ18でウエブ10を挟圧することにより、ウエブ10の表面に樹脂性の薄膜を形成する。
【0007】
前記ニップローラ18は、ニップローラ交換装置20の2軸ターレット24に支持される。この2軸ターレット24は、回転軸26と支持プレート28、28とから構成され、前記ニップローラ18は支持プレート28、28の両端部に形成された軸受部30A、30A、30B、30Bに回動自在且つ着脱自在に支持される。
【0008】
前記軸受部30A、30Aは、図3及び図4に示されるように、前記支持プレート28、28の端部を半円形状に切り欠いて形成される。このニップローラ18はその両端部に形成されているニップローラメタル18A、18Aを介して軸受部30A、30Aに装着される。また、この軸受部30Aの上方には、ロック装置32Aが設けられ、ロック装置32Aのロックピン34Aはエアシリンダ31Aのピストン33Aの下面に固着されている。前記ピストン33Aは圧縮バネ35Aの付勢力により、前記ロックピン34Aを軸受部30Aの開口部に突出させる。また、前記エアシリンダ31の下部には、図示しない圧力流体供給器の供給配管37Aが連通されており、この圧力流体供給器から前記ピストン33Aの下側空間に圧力流体を供給することにより、前記ピストン33Aを前記圧縮バネ35Aの付勢力に抗して上昇させて、ロックピン34Aを軸受部30Aの開口部から退避させる。前記軸受部30Aの開口部に突出したロックピン34Aは、軸受部30Aに嵌入されているニップローラメタル18Aを係止し、ニップローラ18の抜け止めを行う。
【0009】
前記軸受部30B、30Bも前記支持プレート28、28の他方端に同様に形成され、その上方に軸受部30B、30Bの開口部にロックピン34B、34Bを突出させる同様なロック装置32B、32Bが設けられている。
前記2軸ターレット24は、その回転軸26を中心に回動自在に支持されている。このターレット24は、本体フレーム21に配設されたガイドレール38、38にスライド移動自在に支持され、ガイドレール38、38上をスライド移動することにより、前記回転ローラ16に対して進退移動を行う。
【0010】
前記2軸ターレット24は、前記ニップローラ交換装置20に設けられた油圧シリンダ42、42によって駆動される。この油圧シリンダ42、42は、そのシリンダロッド42A、42Aの先端部が軸受箱39に連結されている。前記2軸ターレット24はシリンダロッド42A、42Aを伸縮させることにより、スライド移動される。
【0011】
また、前記2軸ターレット24は、2軸ターレット24の下方に設置された駆動モータ46により駆動される。即ち、この駆動モータ46の出力軸は、回転軸52、52に連結され、この回転軸52、52の両端にはスプロケット54、54が固着されている。スプロケット54、54と前記2軸ターレット24の回転軸26に固着されたスプロケット56、56にチェーン58、58を巻きかけることにより、駆動モータ46からの回転力は回転軸26に伝達される。
【0012】
また、新旧のニップローラ18の搬送は、運搬台車60により行われる。この運搬台車60は、図5及び図6に示されるように、自走可能な台車64と、昇降装置66及び支持台68から構成される。前記昇降装置66は、パンタグラフ式のリンク機構を図示しない油圧シリンダで駆動することにより、その上端部に支持された支持台68を昇降移動させる。
【0013】
前記の如く構成された本発明に係るニップローラの交換装置の作用は次の通りである。
先ず、ラミネーターラインのライン稼働時について説明する。2軸ターレット24は、その軸受部30A、30A、30B、30Bが前記ガイドレール38、38に対して平行になるような状態で固定されると共に、一方側の軸受部30A、30Aでニップローラ18が支持される。この状態で油圧シリンダ42、42が押し操作されると、前記2軸ターレット24の一方側の軸受部30A、30Aに支持されたニップローラ18は、ガイドレール38、38に沿って移動され、前記回転ローラ16とでウエブ10を挟圧する。この状態でその挟圧部に溶融樹脂20を供給しながらラミネート作業が行われる。
【0014】
次に、前記2軸ターレット24に支持されたニップローラ18を交換する方法について説明する。先ず、運搬台車60を本体フレーム21外に移動させ、その支持台68上に交換用の新たなニップローラ18を載置する。そして、再び、運搬台車60を前記本体フレーム21内の所定の位置Pに移動させ、その位置で待機させておく。
【0015】
次に、ラミネータラインを一時停止し、図1の2点破線で示した位置にある2軸ターレット24を、油圧シリンダ42を引き操作することにより、実線で示した交換位置に移動させる。2軸ターレット24が交換位置にスライド移動後、2軸ターレット24の駆動モータ58を駆動し、2軸ターレット24を所定角度旋回させて、図6に示す受取位置に前記軸受部30B、30Bを位置させる。
【0016】
次に、本体フレーム21内に待機する新たなニップローラ18を、前記運搬台車60の昇降装置66を駆動することにより上昇させ、そのニップローラ18の両端部に形成されているニップローラメタル18A、18Aを前記軸受部30B、30Bに嵌入させる。そして、ロック装置32B、32Bを駆動し、ロックピン34B、34Bを前記軸受部30B、30Bの開口部に突出させることにより、ニップローラメタル18A、18Aを係止し、ニップローラ18を軸受部30B、30Bに支持させる。
【0017】
次に、上昇位置の支持台68を、再び昇降装置66を駆動することにより下降させる。そして、2軸ターレット24の駆動モータ46を駆動し、2軸ターレット24を180°旋回させる。これにより、2軸ターレット24の一方側の軸受部30A、30Aに支持されていたニップローラ18が、図6に示す受取位置に位置する。この状態で、再び運搬台車60の昇降装置66を駆動して支持台68を上昇させ、支持台68をニップローラ18の受取位置に位置させる。そして、ロック装置32A、32Aのロックピン34A、34Aを軸受部30A、30Aの開口部から退避させ、ニップローラ18を軸受部30A、30Aから取り外す。軸受部30A、30Aから取り外されたニップローラ18は、受取位置に待機している支持台68上に載置される。
【0018】
次に、交換したニップローラ18を載置した支持台68を、再び昇降装置66を駆動することにより下降させる。そして、2軸ターレット24の駆動モータ46を駆動し、図1に実線で示されるように、軸受部30A、30A、30B、30Bが前記ガイドレール38、38に対して平行になるように2軸ターレット24を所定角度旋回させて固定する。この状態で油圧シリンダ42、42を駆動し、2軸ターレット24をガイドレール38、38に沿って移動させる。そして、再びラミネートラインを稼働することにより、通常運転が行われる。
【0019】
一方、交換した古いニップローラ18を載置した運搬台車60は、本体フレーム21外に移動させる。
【0020】
【実施例】
本発明がニップローラの交換装置を用いてニップローラを交換した場合と、従来の支持方式で支持されたニップローラを交換する場合を比較すると交換時間は表1のようになる。
表1からも分かるように、本発明のニップローラ交換装置によれば、従来方式に比べ、大幅にその作業時間及びその作業工程を削減することができる。
【0021】
このように、本実施例のニップローラの交換装置によれば、ニップローラ交換装置20に2軸ターレット24及び運搬台車60を設置することにより、取り外したニップローラ18を本体フレーム21外に運搬し、次いで交換用の新たなニップローラ18を運搬する時間を大幅に短縮することができる。
また、ニップローラ18は2軸ターレット24にロックピン34A、34A、34B、34Bで係止させることにより支持されるので、通常のボルト止め方式に比べ容易に2軸ターレット24に支持させることができる。
【0022】
また、交換作業が機械化されているので、省人化を図ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ニップローラは2軸ターレットに支持され、その2軸ターレットの近傍にはニップローラの交換、排出を行う交換・排出装置が配置されているため、取り外したニップローラを交換装置本体外に運搬し、次いで交換用の新たなニップローラを運搬する時間を大幅に短縮することができる。また、交換作業を機械化することができるため、省人化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るニップローラの交換装置の側面図
【図2】本発明に係るニップローラの交換装置の正面図
【図3】2軸ターレットの軸受部の拡大図(側面図)
【図4】2軸ターレットの軸受部の拡大図(正面図)
【図5】運搬台車の拡大図(側面図)
【図6】運搬台車の拡大図(正面図)
【符号の説明】
10…ウエブ
16…回転ローラ
18…ニップローラ
20…交換装置
21…本体フレーム
24…2軸ターレット
30A、30B…軸受部
34A、34B…ロックピン
60…運搬台車
Claims (1)
- 回転ローラと対向する位置に配置されて、該回転ローラとでウエブを挟圧すると共に、該回転ローラとの間に供給された溶融樹脂で前記ウエブ表面に樹脂性の薄膜を形成するニップローラの交換装置において、
前記ニップローラを凹部に嵌入し、該凹部の開口部に突出させた出没自在なロックピンで係止して、前記ニップローラを着脱自在に支持する軸受部を両端に備えた2軸ターレットと、
前記ニップローラが前記ウエブを挟圧する位置と交換位置とに前記2軸ターレットをガイドするガイドレールと、
前記ニップローラを載置する昇降可能な支持台を備え、所定位置に位置させて前記支持台を上昇させると、前記支持台に載置された新たなニップローラが前記交換位置に位置した2軸ターレットの他方側の軸受部に嵌入されるとともに、該軸受部から取り外されたニップローラが前記支持台に載置される運搬台車と、
を備えたことを特徴とするニップローラの交換装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP08131795A JP3568059B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | ニップローラの交換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP08131795A JP3568059B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | ニップローラの交換装置 |
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JPH08276489A JPH08276489A (ja) | 1996-10-22 |
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JP08131795A Expired - Fee Related JP3568059B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | ニップローラの交換装置 |
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- 1995-04-06 JP JP08131795A patent/JP3568059B2/ja not_active Expired - Fee Related
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