JP3567701B2 - 楽音データから和音を検出する和音検出方法および和音検出装置、ならびに、和音検出用プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

楽音データから和音を検出する和音検出方法および和音検出装置、ならびに、和音検出用プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された楽音データから和音を検出する和音検出方法および和音検出装置、ならびに、和音検出用プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、メロディデータ等の楽音データを入力し、入力された楽音データ中の和声音を検出し、検出された和声音に基づいて特定の1種類の和音進行情報を自動的に作成する装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の装置においては、特定1種類の和音進行情報が自動的に作成され、該作成された和音進行情報に関して、何らの付加情報もユーザ側に開示されない。このため、自動作成された特定1種類の和音進行情報の内容を編集する際に、ユーザは何らの情報も与えられずに編集することになる。これは、音楽理論にあまり詳しくないユーザにとっては、自動作成された和音進行情報を編集する作業がきわめて困難になるという問題点があった。
また、音楽理論に精通したユーザにとっても何らの情報も与えられない場合は、自動作成されたコード進行情報の編集作業は煩わしいものであるという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明は、入力された楽音データに付与する和音進行情報を自動作成する際に、入力された楽音データに馴染む和音進行候補を特定の楽音データ区間に対応して1以上抽出するようにして、抽出された1以上の和音進行候補をユーザに開示できるようにした和音検出方法および和音検出装置、ならびに、和音検出用プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできる本発明の和音検出装置は、与えられた楽音データから所定の区間を指定する区間指定手段と、和音データベースと、前記区間指定手段により指定した所定区間の楽音データに基づき、前記和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出する和音進行候補抽出手段と、前記和音進行候補抽出手段により抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成する和音進行情報作成手段と、前記和音進行情報作成手段により作成された和音進行情報を表示する第1表示制御手段と、前記和音進行候補抽出手段により抽出した和音進行候補を表示する第2表示制御手段とを備えている。
【0006】
また、前記和音検出装置において、前記第1表示制御手段による表示と前記第2表示制御手段による表示とは、表示領域が異なるようにされていてもよい。
【0007】
次に、上記目的を達成することのできる本発明の他の和音検出装置は、与えられた楽音データから所定の区間を指定する区間指定手段と、和音データベースと、前記区間指定手段により指定した所定区間の楽音データに基づき、前記和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出する和音進行候補抽出手段と、前記和音進行候補抽出手段により抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成する和音進行情報作成手段と、前記和音進行情報作成手段により作成された和音進行情報を表示する第1表示制御手段と、前記和音進行候補抽出手段により抽出した、前記和音進行情報を除く和音進行候補を表示する第2表示制御手段とを備え、前記第1表示制御手段による表示は前記第2表示制御手段による表示と表示態様を異ならせている。
【0008】
また、前記和音検出装置において、前記和音データベースは、和音シーケンスの並び数毎に複数の和音シーケンス情報を記憶し、前記和音進行候補抽出手段は、前記和音シーケンスの並び数毎に和音進行候補の抽出を行うようにしてもよい。
【0009】
次に、前記目的を達成することのできる本発明の和音検出方法は、与えられた楽音データから所定の区間を指定し、該指定された所定区間の楽音データに基づき、和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出し、該抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成し、該作成された和音進行情報を表示すると共に、前記抽出された和音進行候補を表示するようにしている。
また、前記目的を達成することのできる本発明の和音検出用のプログラムを記録した記録媒体には、コンピュータに、与えられた楽音データから所定の区間を指定する区間指定ステップと、前記区間指定ステップにより指定した所定区間の楽音データに基づき、和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出する和音進行候補抽出ステップと、前記和音進行候補抽出ステップにより抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成する和音進行情報作成ステップと、前記和音進行情報作成ステップにより作成された和音進行情報を表示する第1表示制御ステップと、前記和音進行候補抽出ステップにより抽出した和音進行候補を表示する第2表示制御ステップとを実行させるためのプログラムが記録されている。
【0010】
次に、前記目的を達成することのできる本発明の他の和音検出方法は、与えられた楽音データから所定の区間を指定し、該指定された所定区間の楽音データに基づき、和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出し、該抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成し、該作成された和音進行情報を表示すると共に、前記抽出された前記和音進行情報を除く和音進行候補を、前記和音進行情報の表示とは異なる表示態様で表示するようにしている。
また、前記目的を達成することのできる本発明の他の和音検出用のプログラムを記録した記録媒体には、コンピュータに、与えられた楽音データから所定の区間を指定する区間指定ステップと、前記区間指定ステップにより指定した所定区間の楽音データに基づき、和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出する和音進行候補抽出ステップと、前記和音進行候補抽出ステップにより抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成する和音進行情報作成ステップと、前記和音進行情報作成ステップにより作成された和音進行情報を表示する第1表示制御ステップと、前記和音進行候補抽出ステップにより抽出した前記和音進行情報を除く和音進行候補を、前記第1表示制御ステップによる表示とは異なる表示態様で表示する第2表示制御ステップとを実行させるためのプログラムが記録されている。
【0011】
このような本発明によれば、入力された楽音データに付与する和音進行情報を自動作成する際に、入力された楽音データに馴染む和音進行候補を特定の楽音データ区間に対応して1以上抽出するようにしている。そして、抽出された1以上の和音進行候補を、例えば表示装置に表示することによりユーザに和音進行候補を開示することができるようになる。これにより、ユーザは開示された和音進行候補が表示された画面を参考にしながら自動作成された和音進行情報の編集を行うことができるようになる。
したがって、自動作成された和音進行情報を入力された楽音データになるべく馴染むような形の編集や、入力楽音の雰囲気を変更することのできる形に、容易な操作で編集することができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の和音検出方法を具現化した本発明の和音検出装置として機能する処理装置のハードウェア構成例の概略を示すブロック図を図1に示す。
図1に示す処理装置において、1はメイン制御部として使用されるマイクロプロセッサ(CPU)であり、このCPU1の制御の下で本発明の和音検出方法が、和音検出用プログラムによる和音検出処理として実行される。同時に、その他のアプリケーションプログラム等の処理も並列して実行される。2はCPU1が実行するプログラムや、和音検出処理時に使用する和音テーブルや和音データベース群等が記憶されているリードオンリメモリ(ROM)、3はCPU1が処理を実行する際に使用するワークエリアや、外部記憶装置9等から読み出された楽音データ等が記憶されるエリアが設定されていると共に、和音検出処理により抽出された和音進行情報やお勧め和音情報が記憶されるランダムアクセスメモリ(RAM)、4はタイマ割り込み処理のタイミングをCPU1に指示するタイマである。
【0013】
また、6はディスプレイ13の画面に表示されるポインタを自在に移動させるためのマウスであり、マウス6が操作されたことを検出する検出回路5を介してマウス6は内部バス14に接続されている。8は英字、かな、数字、記号などのキーや、改行キー、改頁キー等を備えるいわゆるパソコン用のキースイッチ、あるいは、各種設定用のパネルスイッチであり、スイッチ8が操作されたことを検出する検出回路7を介してスイッチ8は内部バス14に接続されている。
さらに、9はMIDI(musical instrument digital interface)演奏データ等を記録媒体から読み出したり、自動作成された和音進行情報等を楽音データと共に記録媒体に書き込む外部記憶装置である。この外部記憶装置9の種類としては、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスクドライブ(FDD)、CD(compact disk)−ROMドライブ、MO(magneto optical disk)ドライブ等がある。
【0014】
さらに、10は外部電子楽器11からMIDIイベント等の楽音データが入力されると共に、生成されたMIDIイベント等の楽音データを外部電子楽器11へ出力するインターフェースである。
さらに、12は和音検出処理画面や各種アプリケーションの処理画面等をディスプレイ13へ表示する表示回路である。
以上の構成はパソコン、ワークステーション等の構成と同等であり、この処理装置により本発明の和音検出装置を実現することができる。
【0015】
なお、本発明にかかる和音検出用プログラムが格納されている記録媒体であるFDDやCD−ROMを外部記憶装置9として用意されているドライブ装置にセットして、外部記憶装置9内のハードディスクに和音検出用プログラムをインストールすることにより、処理装置が和音検出処理を起動・実行することができるようになる。このように一般に使用されているパソコンやワークステーション等に和音検出処理プログラムというアプリケーションソフトウェアをインストールすることにより、本発明の和音検出装置として機能する処理装置とすることができる。
【0016】
また、楽音データを自動演奏することのできるシーケンサプログラムを用意し、このシーケンサプログラムを起動した状態において、和音検出用プログラムを実行することにより、新たに検出された和音進行情報が付与された演奏データをシーケンサ装置で再生することができる。この際には、自動生成あるいは編集された和音進行を確かめながら編集作業を行うことができ、ユーザの思い通りの編集を行える使い勝手のよい和音検出装置とすることができる。
【0017】
ここで、上記ROM2内に記憶されている和音検出処理時に参照される和音データベース(和音DB)群の構成を図2に示す。
この図に示すように和音DB群において、行方向には同種類の和音シーケンスが和音傾向種類別に並べられている。この和音傾向種類には、「スタンダード」、「Major中心」,「minor中心」等の種類がある。また、列方向には和音シーケンスの長さ別に和音DBが並べられている。この和音シーケンスの長さは、この例では1和音シーケンス、2和音シーケンス、4和音シーケンスとされている。ここで、和音シーケンスの前に付されている数字は、和音シーケンスにおける和音の並び数の単位を示している。すなわち、4和音シーケンスとは4つの和音が並んだ和音シーケンスを単位とするシーケンスとされている。
【0018】
すなわち、図2に示すように和音DB群は、列方向に並べられた1和音シーケンス、2和音シーケンス、4和音シーケンスにおいて、それぞれ和音傾向が「スタンダード」「Major中心」・・・と行方向に並んで構成されている。
ただし、和音DB群に記憶される和音シーケンスは、上記和音シーケンスの種類に限るものではなく、3和音シーケンスや6和音シーケンス等の長さとしてもよい。
【0019】
次に、本発明において入力される楽音データの構成例を図3に示すが、本発明の実施の形態における楽音データでは、4分音符4拍長を一小節長としている。すなわち4/4拍子の楽音データとされている。そして、本発明の和音検出装置は、この楽音データに基づいて和音進行の検出を行うようにしている。
楽音データは図3に示すように、初期設定データと演奏データとから構成されている。この初期設定データは、テンポ情報、音色情報、調情報等の演奏に関する初期設定情報から構成されている。なお、初期設定情報内にパン情報を含ませてもよい。また、演奏データは、楽音の発音に関する各イベント情報であるキーナンバ情報、発音タイミングを示すタイミング情報、発音音量の大きさを示すベロシティ情報、発音持続期間を示すゲートタイム情報を1組として、複数組の発音情報から構成されている。
【0020】
さらに、演奏データ内にはセクション情報や、楽音の各小節線位置毎に小節線情報が記憶されており、ある小節線情報から次の小節線情報未満(あるいはエンドデータ,セクション情報)までの情報が1小節分のデータとされ、あるセクション情報から次のセクション情報未満(あるいはエンドデータ)までの情報が1セクション分のデータとされる。なお、セクションは楽曲中における「イントロ」「メインA」「メインA’」「フィルイン」「サビ」「エンディング」等であり、セクション情報は演奏データ内における各セクションの開始位置および終了位置を示す情報である。また、本発明の実施の形態においては、上記各セクションは4小節以上の小節数を含むものとされている。
【0021】
本発明の和音検出装置においては、図3に示す楽音データに基づいて和音進行候補が抽出されて、抽出された複数の和音進行候補から構成されるお勧め和音進行情報がディスプレイ13に表示されるようになる。このお勧め和音進行情報がRAM3に記憶される形態例を図4(a)(b)に示す。
図4(a)に示す例においては、第1小節、第2小節、第3小節、第4小節・・・に対するお勧め和音進行情報が、1/2小節を単位として時系列的に記憶されている。この例では、Dmaj−Dmaj−A7th−A7th−A7th−A7th−A7th−Dmaj−Dmaj・・・エンドデータとされた1/2小節毎の和音進行が記憶されている。また、図4(b)に示す例では和音情報と、和音の開始および終了を示すタイミング情報とが時系列的に順次記憶される形態とされている。
なお、和音を設定しない区間では、図4(a)に示す形態の場合は和音情報に替えてヌル情報を記憶するようにし、図4(b)に示す形態の場合は空白とすればよい。
【0022】
次に、図1に示される処理装置において、本発明にかかる和音検出処理が実行される際のメインルーチンのフローチャートを図5に示す。
図5において、ディスプレイ13に表示される「和音候補抽出スタート」ボタンにポインタを置いてマウス6をクリックすると、メインルーチンがスタートされて、ステップS10にて楽音データの入力処理であるデータ入力処理が実行される。このデータ入力処理では、外部記憶装置9の記録メディアに格納されている図3に示すフォーマットとされている楽音データを読み出してRAM3に格納する処理が行われる。あるいは、マウス6やキーボード8を操作することにより、外部電子楽器11から図3に示すフォーマットとされている楽音データを取り込んでRAM3に格納する処理が行われる。また、本実施例における入力楽音データ内の調情報は「C長調」とされているものとして、以下説明する。
【0023】
次いで、ステップS11にて区間分割処理が実行される。この区間分割処理の詳細は後述するがRAM3に格納された楽音データを1小節単位あるいは1/2小節単位に区間分割する処理が行われる。続いて、ステップS12にて分割された楽音データの分割区間毎に和音を構成している和声音の抽出処理が実行される。この和声音抽出処理は、例えば特開平9−81145号公報に記載されている和声音抽出処理と同様の手法により行うことができる。そして、分割区間毎に行われる和声音の抽出が終了すると、ステップS13にて和音抽出処理が実行される。この和音抽出処理の詳細は後述するが、1以上の連続する分割区間を組み合わせることにより複数種類の和音シーケンスの抽出区間が生成され、この複数種類の和音シーケンスの抽出区間毎に和音進行候補が抽出されるようになる。この場合、図2に示す和音DB群に記憶されている和音シーケンスの構成音と、和音シーケンスの抽出区間を構成している分割区間毎に抽出された和声音とが対比されることにより、和音シーケンスの抽出区間にわたる和音シーケンスが抽出されてこの和音シーケンスが和音進行候補とされる。この際、場合によっては長さの異なる和音シーケンスの抽出区間毎に和音進行候補が抽出されるようになる。
【0024】
このように区間によっては複数の和音進行候補が抽出され、この複数抽出された和音進行候補が「お勧め和音群」として、図16に示すようにディスプレイ13に表示されるようになる。ここで、図16は本発明にかかる和音検出処理が実行される際にディスプレイ13に表示される表示画面の一例を示しており、表示されている「お勧め和音群」の一部が濃く表示されている。この処理は、ステップS14の自動割当処理において実行され、自動割当処理ではステップS13にて実行された和音抽出処理により抽出された1つ以上の和音進行候補の中から、できるだけ長い分割区間にわたり付与されている和音、あるいは4和音シーケンスが優先的に用いられて入力された楽音データ1曲分に対応するお勧め和音進行情報が作成される。
【0025】
この場合、楽曲全体を通しての区間のつなぎ目において和音進行の不具合が生じないように考慮して、お勧め和音進行情報を作成するようにしてもよい。また、和音DB群内の和音シーケンスと対比することにより抽出される和音進行候補毎に予め優先順位を記憶させておき、この優先順位に基づきお勧め和音進行情報を作成するようにしてもよい。
このようにして作成されたお勧め和音進行情報を作成した基とされた和音進行候補が、図16に示す「お勧め和音群」の欄に色が濃く表示されるようになる。さらに、このお勧め和音進行情報が図16に示す「和音」欄に自動作成された和音進行情報として表示されるようになる。
【0026】
自動割当処理が終了すると、ステップS15にてその他処理が実行されてメインルーチンは終了される。このその他処理では、抽出された和音進行候補をディスプレイ13に表示する処理や、この表示に基づいて自動作成された和音進行情報を編集する編集処理、および、自動生成あるいは編集された和音進行情報が付与された演奏データを自動演奏する自動演奏処理等が行われる。
【0027】
次に、メインルーチンのステップS11にて実行される区間分割処理の詳細を図6に示す区間分割処理のフローチャートおよび図7を参照しながら説明する。ステップS11の処理が開始されると、区間分割処理が開始され、ステップS21にて和音を検出する対象とされたRAM3に格納されている入力楽音データ中の先頭セクションが検索されて参照される。この場合、入力楽音データは図7(a)にうに4小節以上の小節により1セクションが構成されているものとする。次いで、ステップS22にて検索された先頭セクションの総音長に対する、ステップS23にて先頭セクション内の8分音符以上の音符の総音長の割合が算出される。そして、算出された割合が所定値以上、例えば0.6以上か否かが判定される。ここでは、参照中セクション内の音符数が少ないか否かを8分音符を基準として判定している。そして音符数が少ない(8分音符以上の音符長割合が0.6以上の)時には、YESと判定されてステップS24に進み、音符数が多い(8分音符以上の音符長割合が0.6未満の)時にはNOと判定されてステップS25に進む。
【0028】
ステップS24では先頭セクションにおける和声音抽出区間長が、1和声音抽出区間▲2▼として図7(b)に示すように1小節単位とされ、ステップS25では8分音符未満の音符が多く、当該セクションの音符数が多いことから和声音抽出区間長が、1和声音抽出区間▲1▼として図7(b)に示すように1/2小節単位とされる。このようにして先頭セクションにおける和声音抽出区間の単位が決定されると、ステップS26にて先頭セクションに続くセクションが検索されて参照される。そして、続くセクションが存在する場合は、ステップS27にてYESと判定されてステップS22に戻り当該セクションにおけるステップS22ないしステップS25の上記した区間を分割する処理が行われる。
【0029】
そして、さらに続くセクションがステップS26にて検索されて、続くセクションが存在する場合にはステップS22戻り当該セクションに対する同様の区間を分割する処理が行われる。このように、続くセクションが存在する限り区間を分割する処理が繰り返し行われ、最後のセクションの区間を分割する処理が終了した際に、和音を検出する対象の入力楽音データに対する区間分割処理が終了したものとしてステップS27にてNOと判定され、メインルーチンへリターンされるようになる。
このような区間分割処理が終了した際には、入力楽音データは、例えば図7(b)に示すように1和声音抽出区間毎に区間分割されるようになる。この場合、入力楽音データによってはセクション毎に異なる長さの1和声音抽出区間毎に区間分割されるようになる。
【0030】
次に、メインルーチンのステップS12にて和声音が抽出された後に実行される和音抽出処理を図8に示す和音抽出処理のフローチャートを参照しながら説明する。
メインルーチンにおけるステップS12の処理が終了してステップS13の処理が実行される時に図8に示す和音抽出処理が開始される。そして、ステップS31にて4つの和音の並びである4和音シーケンスの抽出処理が実行される。この4和音シーケンス抽出処理の詳細は後述するが、少なくとも1区間の和声音抽出区間からなる区間を和音抽出区間として、各和音抽出区間を構成する和声音抽出区間において抽出された和声音と、図2に示す和音DB群内の4和音シーケンスにおける各和音の構成音との対比が行われ、この対比により抽出された4和音シーケンスが和音進行候補とされる。この場合、連続する1以上の和声音抽出区間を組み合わせて設定された異なる長さの複数の和音抽出区間毎に、それぞれ4和音シーケンスの抽出処理が行われる。
【0031】
4和音シーケンス抽出処理が終了すると、ステップS32にて2和音シーケンスの抽出処理が実行される。この2和音シーケンス抽出処理の詳細も後述するが、前述した4和音シーケンス抽出処理と抽出する和音シーケンスの長さが異なるだけのほぼ同様の処理が行われる。この場合も、連続する1以上の和声音抽出区間を組み合わせて設定された異なる長さの複数の和音抽出区間毎に、それぞれ2和音シーケンスの抽出処理が行われる。そして、2和音シーケンス抽出処理が終了すると、ステップS33にて1和音シーケンスの抽出処理が実行される。この1和音シーケンス抽出処理の詳細も後述するが、前述した4和音シーケンス抽出処理と抽出する和音シーケンスの長さが異なるだけのほぼ同様の処理が行われる。この場合も、連続する1以上の和声音抽出区間を組み合わせて設定された異なる長さの複数の和音抽出区間毎に、それぞれ1和音シーケンスの抽出処理が行われる。
【0032】
1和音シーケンス抽出処理が終了すると、ステップS34にてその他抽出処理が行われる。このその他抽出処理では、4和音シーケンス抽出処理、2和音シーケンス抽出処理、1和音シーケンス抽出処理において和音進行候補が抽出されなかった区間の和音を抽出する処理が行われる。例えば、セクションに属しない小節が存在する場合には、この小節に対する和音抽出処理がその他抽出処理において行われるようになる。そして、その他抽出処理が終了すると、メインルーチンにリターンされる。
なお、4和音シーケンス抽出処理、2和音シーケンス抽出処理、1和音シーケンス抽出処理、その他抽出処理において抽出された和音進行候補は抽出される毎にRAM3に設定されている和音進行候補エリアに順次格納される。
【0033】
次に、4和音シーケンス抽出処理の詳細を図9に示す4和音シーケンス抽出処理のフローチャートおよび、図10ないし図12を参照しながら説明する。この4和音シーケンス抽出処理では、まず1小節に対して1和音を割りあてた4小節にわたる4和音シーケンスの抽出処理である4小節4和音抽出処理が行われ、次いで、1/2小節に対して1和音を割りあてた2小節にわたる2小節4和音抽出処理が行われる。
【0034】
図9に示す4和音シーケンス処理が開始されると、ステップS41にて図10(a)に示すような区間分割処理後の入力楽音データ中の先頭セクションが参照され、以降、先頭セクションに付いて4和音シーケンス処理が行われることになる。次いで、ステップS42にて先頭セクションの先頭小節から前記和声音抽出処理により抽出されたRAM3に格納されている4小節分の和声音が参照される。この場合、先頭セクションにおいて1和声音抽出区間は図10(a)に示すように1/2小節とされているとすれば、1小節中に2つの和声音抽出区間が含まれるので、合計8つの和声音抽出区間においてそれぞれ抽出された和声音が参照されることになる。次いで、ステップS43にて4和音抽出処理が行われる。この先頭セクションにおける4和音抽出処理では、図10(b)に示すように先頭小節から4小節のそれぞれの小節が和音抽出区間として設定される。すなわち、図示するように先頭小節が第1和音抽出区間、2番目の小節が第2和音抽出区間、3番目の小節が第3和音抽出区間、4番目の小節が第4和音抽出区間とされる。
【0035】
ここで、図11および図12を参照して4和音抽出処理において和音DB群として和音傾向がスタンダードとされた4和音シーケンス22−1を参照して和音進行候補を抽出する場合の具体例を説明する。まず、4和音シーケンス22−1内には、例えば図11に示すような(1)2(maj)−9(7th)−9(7th)−2(maj)、(2)2(maj)−9(7th)−11(min7)−2(maj)、(3)2(maj)−9(7th)−11(min7)−6(maj)、・・・・とされた4和音シーケンスが順次記憶されている。この場合、4和音シーケンスを構成する各和音の先頭の数字は度数情報であり、続くカッコ内の文字は和音種類情報である。そして、本実施例の入力楽音データの調は「C長調」と設定されていることから、前記度数情報は、C長調の先頭音名Cから順に、0=C,1=C#,2=D,3=D#,4=E,5=F,6=F#,7=G,8=G#,9=A,10=A#,11=Bの各音名に対応付けられる。他の調情報とされた場合も同様の対応付けがなされる。以上から、例えば2(maj)−9(7th)−9(7th)−2(maj)の4和音シーケンスは、入力されたC長調情報に基づきDmaj−A7th−A7th−Dmajとなる。
【0036】
和音抽出処理ではこの記憶された4和音シーケンスの各和音の構成音と、図10(b)に示される第1和音抽出区間ないし第4和音抽出区間の各区間内において抽出されている和声音とが対比される。この態様が図12に示されているが、4小節4和音シーケンスを抽出する際には、まず、(1)1小節長とされた第1和声音抽出区間および第2和声音抽出区間において抽出された全和声音が、DB22−1内の先頭の4和音シーケンスであるDmaj−A7th−A7th−Dmajの先頭の和音Dmajの構成音に含まれるか否かが判定される。ここで、含まれると判定された場合は、(2)1小節長とされた第3和声音抽出区間および第4和声音抽出区間において抽出された全和声音が、4和音シーケンスの2番目の和音A7thの構成音に含まれるか否かが判定される。ここでも、含まれると判定された場合は、(3)1小節長とされた第5和声音抽出区間および第6和声音抽出区間において抽出された全和声音が、4和音シーケンスの3番目の和音A7thの構成音に含まれるか否かが判定される。ここでも、含まれると判定された場合は、(4)1小節長とされた第7和声音抽出区間および第8和声音抽出区間において抽出された全和声音が、4和音シーケンスの最後の和音Dmajの構成音に含まれるか否かが判定される。ここでも、含まれると判定された場合は、4和音シーケンスDmaj−A7th−A7th−Dmajが和音進行候補として抽出されることになる。
【0037】
なお、上記(1)ないし(4)のうちの条件の1つでも満足しない場合は、4和音シーケンスDmaj−A7th−A7th−Dmajは和音進行候補として抽出されない。このようにして、和声音抽出区間において抽出された和声音と、和音DB群に記憶されている4和音シーケンス情報群の先頭の4和音シーケンスの対比が行われる。この対比が終了すると、4小節にわたる和声音抽出区間において抽出された和声音と、記憶されている2番目の4和音シーケンスとの対比が上述と同様に行われる。以下、和声音抽出区間において抽出された和声音と、記憶されている4和音シーケンスとが順次対比されることにより、4小節4和音シーケンスの抽出が行われるようになる。また、和音傾向スタンダードの4和音シーケンスとの対比が終了したときには、引き続いて和音傾向major中心の4和音シーケンスとの対比が行われる。
このようにして、記憶されているすべての4和音シーケンスとの対比が終了したときに、ステップS43の4和音抽出処理が終了することになる。
【0038】
そして、ステップS44に進んで続く4小節があるか否かが判定されるが、図10(a)に示すような先頭セクションの長さとされている場合は、NOと判定されてステップS46に分岐する。また、先頭セクションが8小節以上の長さとされている際には、YESと判定されてステップS45に進む。このステップS45では、続く4小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS43に戻り上述した4和音抽出処理が続く4小節にわたり行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの小節が4小節未満となるまで、続く4小節にわたる4小節4和音抽出処理が行われるようになる。すなわち、上記したステップS42ないしステップS45の処理が4小節4和音抽出処理となる。
【0039】
先頭セクションに対する4小節4和音抽出処理が終了すると、ステップS46から始まる先頭セクションに対する2小節4和音抽出処理が開始されるようになり、ステップS46において先頭セクションの先頭小節から2小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS47にてこの2小節に4つの和声音抽出区間が含まれているか否かが判定される。この時、図10(a)に示すように先頭セクションが1/2小節毎に区間分割されている場合は、図10(c)に示すように2小節内に4つの和声音抽出区間が含まれているので、YESと判定されてステップS48に進む。このステップS48では4和音抽出処理が行われるが、この4和音抽出処理はステップS43で行われる4和音抽出処理と比べて、4和音シーケンスにおける和音の構成音と対比される全和声音の抽出区間が1小節から1/2小節に替わる点だけとされるだけであるので、ステップS48にて実行される4和音抽出処理の説明は省略する。
【0040】
ステップS48における4和音抽出処理が終了すると、ステップS49に進む。また、2小節に4つの和声音抽出区間が含まれていない場合は、ステップS48の処理がスキップされてステップS49に分岐される。このステップS49では、続く2小節があるか否かが判定されるが、図10(a)に示すような先頭セクションの長さとされている場合は、YESと判定されてステップS50に進む。このステップS50では、続く2小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS47に戻り上述したステップS47以降の4和音抽出処理が続く2小節にわたり行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの小節が2小節未満となるまで、続く2小節にわたる2小節4和音抽出処理が行われるようになる。例えば、図10(a)に示す楽音データの場合は、同図(c)に示すように2小節4和音抽出処理は先頭セクションに対して3回繰り返して実行される。
【0041】
また、先頭セクションに続く2小節が存在しない場合は、NOと判定されてステップS51に分岐し、続くセクションがあるか否かが判定される。ここで、図10(a)に示すように先頭セクションに続いて第2セクションが存在する場合は、YESと判定されてステップS52に進み、次のセクションが参照される。次いで、ステップS42に戻り第2セクションに対する4小節4和音抽出処理が実行され、続いて、2小節4和音抽出処理が実行されるようになる。
このようなセクションに対する4小節4和音抽出処理および2小節4和音抽出処理は、続くセクションがなくなるまで各セクションに対して実行され、全てのセクションに対する4小節4和音抽出処理および2小節4和音抽出処理が終了したときに、ステップS51においてNOと判定されて和音抽出処理のルーチンにリターンされる。
【0042】
次に、2和音シーケンス抽出処理の詳細を図13に示す2和音シーケンス抽出処理のフローチャートおよび、図14を参照しながら説明する。この2和音シーケンス抽出処理では、まず2小節に対して1和音を割りあてた4小節にわたる2和音シーケンスの抽出処理である4小節2和音抽出処理が行われ、次いで、1小節に対して1和音を割りあてた2小節にわたる2和音シーケンスの抽出処理である2小節2和音抽出処理が行われ、さらに、1/2小節に対して1和音を割りあてた1小節にわたる1小節2和音抽出処理が行われる。
【0043】
図13に示す2和音シーケンス処理が開始されると、ステップS61にて図14(a)に示すような区間分割処理後の入力楽音データ中の先頭セクションが参照される。次いで、ステップS62にて先頭セクションの先頭小節から前記和声音抽出処理により抽出されたRAM3に格納されている4小節分の和声音が参照される。この場合、先頭セクションにおいて1和声音抽出区間は図14(a)に示すように1/2小節とされているとすれば、1小節中に2つの和声音抽出区間が含まれるので、合計8つの和声音抽出区間においてそれぞれ抽出された和声音が参照されることになる。次いで、ステップS63にて2和音抽出処理が行われる。この先頭セクションにおける2和音抽出処理では、図14(b)に示すように先頭小節から2小節毎が和音抽出区間として設定される。すなわち、図示するように先頭小節および2番目の小節が第1和音抽出区間、3番目の小節および4番目の小節が第2和音抽出区間とされる。
【0044】
ここで、2和音抽出処理について概略説明すると、2和音抽出処理では和音DB群のうち、和音シーケンスが2とされた和音の2つの並びを記憶した和音傾向スタンダードの2和音シーケンス21−1、和音傾向Major中心の2和音シーケンス21−2、・・・が使用される。そして、図11および図12を参照して説明した4和音抽出処理と比べて、2和音抽出処理ではこの記憶された2和音シーケンスの各和音の構成音と、図14(b)に示す2小節からなる第1和音抽出区間ないし第2和音抽出区間の各区間内において抽出されている和声音とが対比される。この際、(1)2小節長とされた第1和音抽出区間を構成する4つの和声音抽出区間において抽出された全和声音が、DB21−1内の先頭の2和音シーケンスの先頭の和音の構成音に含まれるか否かが判定される。ここで、含まれると判定された場合は、(2)2小節長とされた第2和音抽出区間を構成する4つの和声音抽出区間において抽出された全和声音が、前記2和音シーケンスの2番目の和音の構成音に含まれるか否かが判定される。ここでも、含まれると判定された場合は、当該2和音シーケンスが和音進行候補として抽出されることになる。
【0045】
なお、上記(1)(2)のうちの条件の1つでも満足しない場合は、2和音シーケンスは和音進行候補として抽出されない。このようにして、4つの和声音抽出区間において抽出された和声音と、和音DB群に記憶されている2和音シーケンス情報群の先頭の2和音シーケンスの対比が行われる。この対比が終了すると、4小節にわたる和声音抽出区間において抽出された和声音と、記憶されている2番目の2和音シーケンスとの対比が上述と同様に行われる。以下、和声音抽出区間において抽出された和声音と、記憶されている2和音シーケンスとが順次対比されることにより、4小節2和音シーケンスの抽出が行われるようになる。また、和音傾向スタンダードの2和音シーケンスとの対比が終了したときには、和音傾向major中心の2和音シーケンスとの対比が行われる。
このようにして、記憶されているすべての2和音シーケンスとの対比が終了したときに、ステップS63の2和音抽出処理が終了することになる。この2和音抽出処理では2つの和音の並びが抽出されることになるので、4つの和音の並びを抽出する4和音抽出処理より和音進行候補の抽出される確率が高くなる。
【0046】
そして、ステップS64に進んで続く4小節があるか否かが判定されるが、図14(a)に示すような先頭セクションの長さとされている場合は、NOと判定されてステップS66に分岐する。また、先頭セクションが8小節以上の長さとされている際には、YESと判定されてステップS65に進む。このステップS65では、続く4小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS63に戻り上述した2和音抽出処理が続く4小節にわたり行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの小節が4小節未満となるまで、続く4小節にわたる4小節2和音抽出処理が行われるようになる。すなわち、上記したステップS62ないしステップS65の処理が4小節2和音抽出処理となる。
【0047】
先頭セクションに対する4小節2和音抽出処理が終了すると、ステップS66から始まる先頭セクションに対する2小節2和音抽出処理が開始されるようになり、ステップS66において先頭セクションの先頭小節から2小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS67にて2和音抽出処理が行われるが、この2和音抽出処理はステップS63で行われる2和音抽出処理と比べて、2和音シーケンスにおける和音の構成音と対比される全和声音の抽出区間が、図14(c)に示すように2小節から1小節に替わる点だけとされるだけであるので、ステップS67にて実行される2和音抽出処理の説明は省略する。
【0048】
ステップS67における2和音抽出処理が終了すると、ステップS68に進む。このステップS68では、続く2小節があるか否かが判定されるが、図14(a)に示す入力楽音データのような先頭セクションの長さとされている場合は、YESと判定されてステップS69に進む。このステップS69では、続く2小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS67に戻り上述したステップS67の2和音抽出処理が続く2小節にわたり行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの小節が2小節未満となるまで、続く2小節にわたる2小節2和音抽出処理が行われるようになる。例えば、図14(a)に示す楽音データの場合は、同図(c)に示すように2小節2和音抽出処理は先頭セクションに対して3回繰り返して実行されるようになる。
【0049】
また、先頭セクションに続く2小節が存在しない場合は、NOと判定されてステップS70に分岐し、先頭セクションに対する1小節2和音抽出処理が開始される。このステップS70において先頭セクションの先頭小節から1小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS71にてこの1小節に2つの和声音抽出区間が含まれているか否かが判定される。この時、図14(a)に示すように先頭セクションが1/2小節毎に区間分割されている場合は、図14(d)に示すように1小節内に2つの和声音抽出区間が含まれるので、YESと判定されてステップS72に進む。このステップS72にて2和音抽出処理が行われるが、この2和音抽出処理はステップS63で行われる2和音抽出処理と比べて、2和音シーケンスにおける和音の構成音と対比される全和声音の抽出区間が、図14(d)に示すように2小節から1/2小節に替わる点だけとされるだけであるので、ステップS72にて実行される2和音抽出処理の説明は省略する。
【0050】
また、1小節に2つの和声音抽出区間が含まれていない場合は、ステップS72がスキップされてステップS73に分岐される。
ステップS72における2和音抽出処理が終了すると、ステップS73に進み続く1小節があるか否かが判定される。この際に、図14(a)に示す入力楽音データのような先頭セクションの長さとされている場合は、YESと判定されてステップS74に進む。このステップS74では、続く1小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS71に戻り上述したステップS71以降の2和音抽出処理が続く1小節にわたり行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの小節が1小節未満となるまで、続く1小節にわたる1小節2和音抽出処理が行われるようになる。例えば、図14(a)に示す楽音データの場合は、同図(d)に示すように1小節2和音抽出処理は先頭セクションに対して6回繰り返して実行されるようになる。
【0051】
また、先頭セクションに続く1小節が存在しない場合は、ステップS73にてNOと判定されてステップS75に分岐し、続くセクションがあるか否かが判定される。ここで、図14(a)に示すように先頭セクションに続いて第2セクションが存在する場合は、YESと判定されてステップS76に進み、次のセクションが参照される。次いで、ステップS62に戻り第2セクションに対する4小節2和音抽出処理が実行され、続いて、2小節2和音抽出処理および1小節2和音抽出処理が実行されるようになる。
このような1つのセクションに対する4小節2和音抽出処理、2小節2和音抽出処理および1小節2和音抽出処理は、続くセクションがなくなるまで各セクションに対して実行され、全てのセクションに対する4小節2和音抽出処理、2小節2和音抽出処理および1小節2和音抽出処理が終了したときに、ステップS75においてNOと判定されて和音抽出処理のルーチンにリターンされる。
【0052】
次に、1和音シーケンス抽出処理の詳細を図15に示す1和音シーケンス抽出処理のフローチャートを参照しながら説明する。この1和音シーケンス抽出処理では、まず4小節に対して1和音を割りあてた4小節における1和音シーケンスの抽出処理である4小節1和音抽出処理が行われ、次いで、2小節に対して1和音を割りあてた2小節における1和音シーケンスの抽出処理である2小節1和音抽出処理が行われ、さらに、1小節に対して1和音を割りあてた1小節における1和音シーケンスの抽出処理である1小節1和音抽出処理が行われ、さらに続いて、1/2小節に対して1和音を割りあてた1/2小節における1和音シーケンスの抽出処理である1/2小節1和音抽出処理が行われる。
【0053】
図15に示す1和音シーケンス処理が開始されると、ステップS80にて図14(a)に示すような区間分割処理後の入力楽音データ中の先頭セクションが参照される。次いで、ステップS81にて先頭セクションの先頭小節から前記和声音抽出処理により抽出されたRAM3に格納されている4小節分の和声音が参照される。この場合、先頭セクションにおいて1和声音抽出区間は図14(a)に示すように1/2小節とされているとすれば、1小節中に2つの和声音抽出区間が含まれるので、合計8つの和声音抽出区間においてそれぞれ抽出された和声音が参照されることになる。次いで、ステップS82にて1和音抽出処理が行われる。この先頭セクションにおける1和音抽出処理では、先頭小節から4小節が和音抽出区間として設定される。
【0054】
ここで、1和音抽出処理について概略説明すると、1和音抽出処理では和音DB群のうち、和音シーケンスが1とされた和音を記憶した和音傾向スタンダードの1和音シーケンス20−1、和音傾向Major中心の1和音シーケンス20−2、・・・が使用される。そして、1和音抽出処理ではこの記憶されている1和音シーケンスの和音の構成音と、4小節からなる和音抽出区間内において抽出されている和声音とが対比される。この際、4小節長とされた和音抽出区間を構成する8つの和声音抽出区間において抽出された全和声音が、先頭の1和音シーケンスの和音の構成音に含まれるか否かが判定される。ここで、含まれると判定された場合は当該1和音シーケンスが和音進行候補として抽出されることになる。
【0055】
なお、上記の条件を満足しない場合は、当該1和音シーケンスは和音進行候補として抽出されない。このようにして、8つの和声音抽出区間において抽出された和声音と、和音DB群に記憶されている先頭の1和音シーケンスとの対比が行われる。この対比が終了すると、4小節にわたる和声音抽出区間において抽出された和声音と、記憶されている2番目の1和音シーケンスとの対比が上述と同様に行われる。以下、和声音抽出区間において抽出された和声音と、記憶された1和音シーケンスとが順次対比されることにより、4小節1和音シーケンスの抽出が行われるようになる。また、和音傾向スタンダードの1和音シーケンスとの対比が終了したときには、和音傾向major中心の1和音シーケンスとの対比が行われる。
このようにして、記憶されているすべての1和音シーケンスとの対比が終了したときに、ステップS82の1和音抽出処理が終了することになる。この1和音抽出処理では1つの和音が抽出されることになるので、4つの和音の並びを抽出する4和音抽出処理より和音進行候補の抽出される確率が格段に高くなる。
【0056】
そして、ステップS83に進んで続く4小節があるか否かが判定されるが、図14(a)に示すような先頭セクションの長さとされている場合は、NOと判定されてステップS85に分岐する。また、先頭セクションが8小節以上の長さとされている際には、YESと判定されてステップS84に進む。このステップS84では、続く4小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS82に戻り上述した1和音抽出処理が続く4小節にわたり行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの小節が4小節未満となるまで、続く4小節において4小節1和音抽出処理が行われるようになる。すなわち、上記したステップS81ないしステップS84の処理が4小節1和音抽出処理となる。
【0057】
先頭セクションに対する4小節1和音抽出処理が終了すると、ステップS85から始まる先頭セクションに対する2小節1和音抽出処理が開始されるようになり、ステップS85において先頭セクションの先頭小節から2小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS86にて1和音抽出処理が行われるが、この1和音抽出処理はステップS82で行われる1和音抽出処理と比べて、1和音シーケンスにおける和音の構成音と対比される全和声音の抽出区間が、4小節から2小節に替わる点だけとされるだけであるので、ステップS86にて実行される1和音抽出処理の説明は省略する。
【0058】
ステップS86における1和音抽出処理が終了すると、ステップS87に進む。このステップS87では、続く2小節があるか否かが判定されるが、図14(a)に示す入力楽音データのような先頭セクションの長さとされている場合は、YESと判定されてステップS88に進む。このステップS88では、続く2小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS86に戻り上述したステップS86の1和音抽出処理が続く2小節において行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの小節が2小節未満となるまで、続く2小節にわたる2小節1和音抽出処理が行われるようになる。例えば、図14(a)に示す楽音データの場合は、2小節1和音抽出処理は先頭セクションに対して3回繰り返して実行されるようになる。
【0059】
また、先頭セクションに続く2小節が存在しない場合は、NOと判定されてステップS89に分岐し、先頭セクションに対する1小節1和音抽出処理が開始される。このステップS89において先頭セクションの先頭小節から1小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS90にて1和音抽出処理が行われるが、この1和音抽出処理はステップS82で行われる1和音抽出処理と比べて、1和音シーケンスにおける和音の構成音と対比される全和声音の抽出区間が、4小節から1小節に替わる点だけとされるだけであるので、ステップS90にて実行される1和音抽出処理の説明は省略する。
【0060】
ステップS90における1和音抽出処理が終了すると、ステップS91に進む。このステップS91では、続く1小節があるか否かが判定されるが、図14(a)に示す入力楽音データのような先頭セクションの長さとされている場合は、YESと判定されてステップS92に進む。このステップS92では、続く1小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS90に戻り上述したステップS90の1和音抽出処理が続く1小節において行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの小節が1小節未満となるまで、続く1小節にわたる1小節1和音抽出処理が行われるようになる。例えば、図14(a)に示す楽音データの場合は、1小節1和音抽出処理は先頭セクションに対して6回繰り返して実行されるようになる。
【0061】
また、先頭セクションに続く1小節が存在しない場合は、NOと判定されてステップS93に分岐し、先頭セクションに対する1/2小節1和音抽出処理が開始される。このステップS93において先頭セクションの先頭小節から1/2小節分の和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS94にてこの和声音抽出区間が1/2小節長か否かが判定される。この時、図14(a)に示すように先頭セクションが1/2小節毎に区間分割されている場合は、YESと判定されてステップS95に進む。このステップS95にて1和音抽出処理が行われるが、この1和音抽出処理はステップS82で行われる1和音抽出処理と比べて、1和音シーケンスにおける和音の構成音と対比される全和声音の抽出区間が、4小節から1/2小節に替わる点だけとされるだけであるので、ステップS95にて実行される1和音抽出処理の説明は省略する。
【0062】
また、和声音抽出区間が1/2小節長とされていない場合は、ステップS95の処理がスキップされてステップS96に分岐される。
ここで、ステップS95における1和音抽出処理が終了すると、ステップS96に進み続く区間があるか否かが判定される。この際に、図14(a)に示す入力楽音データのような先頭セクションの長さとされている場合は、YESと判定されてステップS97に進む。このステップS97では、続く和声音抽出区間において抽出されたRAM3に格納されている和声音が参照される。次いで、ステップS94に戻り上述したステップS94以降の1和音抽出処理が続く区間において行われるようになる。このように、先頭セクションの残りの区間がなくなるまで、続く区間における1/2小節1和音抽出処理が行われるようになる。例えば、図14(a)に示す楽音データの場合は、1/2小節1和音抽出処理は先頭セクションに対して12回繰り返して実行されるようになる。
【0063】
また、先頭セクションに続く区間が存在しない場合は、ステップS96にてNOと判定されてステップS98に分岐し、続くセクションがあるか否かが判定される。ここで、図14(a)に示すように先頭セクションに続いて第2セクションが存在する場合は、YESと判定されてステップS99に進み、次のセクションが参照される。次いで、ステップS81に戻り第2セクションに対する4小節1和音抽出処理が実行され、続いて、2小節1和音抽出処理、1小節1和音抽出処理および1/2小節1和音抽出処理が実行されるようになる。
このような1つのセクションに対する4小節1和音抽出処理、2小節1和音抽出処理、1小節1和音抽出処理および1/2小節1和音抽出処理は、続くセクションがなくなるまで各セクションに対して実行され、全てのセクションに対する4小節1和音抽出処理、2小節1和音抽出処理、1小節1和音抽出処理および1/2小節1和音抽出処理が終了したときに、ステップS98においてNOと判定されて和音抽出処理のルーチンにリターンされる。
【0064】
以上説明した4和音シーケンス抽出処理、2和音シーケンス抽出処理、1和音シーケンス抽出処理およびその他抽出処理からなる和音抽出処理が終了すると、各和音シーケンス抽出処理において抽出された和音進行候補がディスプレイ13に表示されるようになる。この場合のディスプレイ13に表示される表示態様の一例を図16に示す。
図16に示す場合は、和音傾向として「スタンダード」が選択されており、この場合には和音傾向「スタンダード」の和音進行候補が「お勧め和音群」の欄に表示されるようになる。和音傾向としては、「スタンダード」のほかに「Major中心」や「Minor中心」等の種類があり、これらのうちの選択された和音傾向に対応する和音進行候補が「お勧め和音群」の欄に表示されるようになる。また、「小節」欄には小節番号が表示される。
【0065】
なお、図1に示す処理装置において和音検出処理は、ディスプレイ13に表示されている「和音候補抽出処理スタート」ボタンにポインタを置いてマウス6をクリックすることにより起動される。これにより上述した一連の和音検出処理が実行されて和音進行候補が抽出されるようになる。そして、2小節を単位として抽出された4和音シーケンス、2和音シーケンス、1和音シーケンスの和音進行候補が「お勧め和音群」の欄の▲1▼に表示され、1小節を単位として抽出された2和音シーケンス、1和音シーケンスの和音進行候補が「お勧め和音群」の欄の▲2▼に表示され、1/2小節を単位として抽出された1和音シーケンスの和音進行候補が「お勧め和音群」の欄の▲3▼に表示される。なお、4小節を単位とする4和音シーケンス、2和音シーケンス、1和音シーケンスは抽出されなかったため表示されていない。
【0066】
「お勧め和音群」の欄に表示されたこれらの和音候補のうち、できるだけ長い区間にわたり付与されている和音や、4和音シーケンスを優先的に用いて入力データ1曲分に対応する和音進行情報が前記した自動割当処理において生成される。生成された和音進行情報は、ディスプレイ13の「和音」欄に表示される。さらに、この際に用いられた和音が、「お勧め和音群」の欄において色が濃くされて表示されるようになる。
そして、「和音」欄に表示された和音進行情報を編集する場合には、「お勧め和音群」欄に表示されている和音を参照して編集することができるようになる。なお、ディスプレイ13に表示される小節は入力演奏データの一部であり、画面を右側あるいは左側へスクロールすることにより、所望の小節部分を表示することができる。
【0067】
なお、本発明の実施の形態においては、図3に示すようにセクション情報、調情報、小節線情報が楽音データに含まれる形で記憶されているが、上記セクション情報、調情報、小節線情報を別データとして、楽音データに対応させて他の記憶領域に記憶させるようにしてもよい。さらに、セクション情報は各セクションの先頭を示すように記憶されているが、各セクションの先頭位置および終了位置を示すように記憶するようにしてもよい。このようなセクション情報とすると、どのセクションにも含まれない演奏区間を表現したい場合には有用となる。
さらにまた、演奏データ内のタイミング情報により各小節位置を算出するようにすれば、小節線情報を不要とすることができる。ただし、この場合には拍子情報を初期設定データに含ませるようにする。
【0068】
さらにまた、入力される楽音データに調情報やセクション情報を含ませないようにして、調情報やセクション情報を楽音データから自動検出することにより得るようにしてもよい。
さらにまた、上記の例においては楽音データは4/4拍子としたが、本発明はこれに限ることはなく、3/4拍子や6/8拍子の楽音データとしてもよい。この場合には、区間分割する際に特定の条件を設定するようにする。
【0069】
また、入力される楽音データに予め区間指定情報を記憶させるようにすることにより、上記した区間分割処理を省略するようにしてもよい。さらに、和声音抽出区間を単純に固定した小節区間とするようにしてもよい。
さらにまた、上述した区間分割処理においては各セクション内の8分音符以上の音符の総音長の割合から分割区間長を決定するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、特定のメロディパターンを検索して該当するメロディパターンが検出された位置において区間分割を実施するようにしてもよい。
【0070】
さらにまた、3/4拍子や6/8拍子等の楽音データとされた際に、拍子に応じて区間分割割合を変えるようにしてもよい。すなわち、3/4拍子とされた際の1分割区間において先頭から2拍分と残る1拍分に区間分割したり、先頭から1拍分と残る2拍分に区間分割するようにしてもよい。
さらにまた、上述した例においては区間分割処理において分割された区間に基づき和音進行候補を抽出するようにしているが、連続する区間において抽出された和声音が同一の場合等のときには、和声音抽出後にその和声音を抽出した区間を統合する区間の再構成を行うようにしてもよい。
【0071】
また、本発明の和音検出処理においては、和音抽出処理の際に各セクションの先頭区間より順次和音抽出区間を設定するようにして和音シーケンスとの対比区間としているが、本発明はこれに限らず、和音抽出区間をオーバラップさせて設定するようにしてもよい。
さらに、本発明の和音検出処理においては、予め和音傾向毎の和音シーケンスを和音DB群として記憶するようにしているが、本発明はこれに限らず、和音傾向別とすることなく1つの和音シーケンスにまとめて和音DB群に記憶するようにしてもよい。なお、本発明におけるセクションは4小節以上としているが、これに限らず、4小節以下で構成されるセクションがあってもよいし、小節単位に限らずともよい。
【0072】
さらにまた、本発明の和音検出処理においては、和音抽出処理において、和音抽出の対象とされている区間における抽出された全和声音が、和音DB群に記憶されている和音シーケンスにおける和音の構成音に含まれている場合のみ、当該和音シーケンスを和音進行候補として抽出するようにしたが、必ずしも抽出された全和声音が和音シーケンスにおける和音の構成音に含まれることを抽出条件としなくともよい。例えば、4和音シーケンスの場合は4和音のうちの3和音の構成音に抽出された全和声音が含まれる場合に、その4和音シーケンスを和音進行候補として抽出するようにしてもよい。
さらにまた、本発明の和音検出処理における和音抽出処理においては、抽出された全ての和音シーケンスを和音進行候補として抽出しているが、抽出された和音シーケンスの抽出上限数を設けるようにしてもよい。これにより、和音抽出区間が短い際に極めて多数の和音進行候補が抽出されることを防止することができる。なお、以上の説明においては、全ての和音傾向に対して和音抽出を行うようにしたが、ユーザにより選択された和音傾向に対応するDBのみを参照して、和音抽出を行うようにしてもよい。
【0073】
なお、本発明の和音検出装置は、アプリケーションソフトウェアが動作するパソコンの形態に限らなくてもよい。また、和音検出用プログラム(アプリケーションソフトウェア)を、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に記憶させ、この和音検出用プログラムをパソコンに供給するようにしてもよい。さらに、ネットワークを介して和音検出用プログラムをパソコンに供給するようにしてもよい。また、本発明の和音検出装置が生成する和音進行情報が付与される楽音は鍵盤楽器に限らず、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等でもよい。さらに、本発明の和音検出装置内に音源装置、自動演奏装置等を内蔵したり、それぞれ別体の装置とされて各装置間を、MIDIや各種ネットワーク等の通信手段を用いて接続するようにしてもよい。この場合、自動演奏装置が自動演奏ピアノであってもよい。
【0074】
本発明における演奏データのフォーマットは、演奏イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した「イベント+相対時間」、演奏イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した「イベント+絶対時間」、音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した「音高(休符)+符長」、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域に演奏イベントを記憶した「ベタ方式」等、どのような形式でもよい。
また、自動演奏のテンポを変更する方法としては、テンポクロックの周期を変更するものや、テンポクロックの周期はそのままでタイミングデータの値を修正するもの、1回の処理においてタイミングデータをカウントする値を変更するもの等、どのようなものであってもよい。
さらに、自動演奏データは、複数のチャンネルのデータが混在した形式であってもよいし、各チャンネルのデータがトラック毎に分かれているような形式であってもよい。
【0075】
外部記憶装置9の一種であるHDD(ハードディスクドライブ)は制御プログラムや各種データを記憶しておく記憶装置である。そして、ROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、このHDD内のハードディスクに制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1に実行させるようにしてもよい。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等を容易に行うことができるようになる。また、外部記憶装置9の他の一種であるCD−ROM(コンパクトディスク−リード・オンリ・メモリ)ドライブは、CD−ROMに記憶されている制御プログラムや各種データを読み出す装置である。この読み出した制御プログラムや各種データは、HDD内のハードディスクにストアされる。したがって、CD−ROMを用いるようにすると制御プログラムの新規インストールやバージョンアップ等を容易に行うことができる。
なお、このCD−ROMドライブ以外にも、外部記憶装置9として、フロッピィディスク装置、光磁気ディスク(MO)装置等、様々な形態のメディアを利用することができるようになる。
【0076】
さらに、通信インターフエースを備えるようにすると、本発明の和音検出装置をLAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネット、電話回線等の通信ネットワークに接続することができ、該通信ネットワークを介して、サーバコンピュータと接続することができる。したがって、ハードディスク装置内に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合は、サーバコンピュータからプログラムやデータをダウンロードすることができるようになる。この際に、クライアントとなる本発明の和音検出装置は、通信インターフェース及び通信ネットワークを介してサーバコンピュータへプログラムやデータのダウンロードを要求するためのコマンドを送信する。サーバコンピュータは、このコマンドを受け、要求されたプログラムやデータを、通信ネットワークを介して本発明の和音検出装置へ配信する。本発明の和音検出装置は、通信インターフエースを介して、サーバコンピュータから配信されたプログラムやデータを受信してハードディスク装置等の外部記憶装置9に格納することにより、プログラムやデータのダウンロードを行うことができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、入力された楽音データに付与する和音進行情報を自動作成する際に、入力された楽音データに馴染む和音進行候補を特定の楽音データ区間に対応して1以上抽出するようにしている。そして、抽出された1以上の和音進行候補を、例えば表示装置に表示することによりユーザに和音進行候補を開示することができるようになる。これにより、ユーザは開示された和音進行候補が表示された画面を参考にしながら自動作成された和音進行情報の編集を行うことができるようになる。
したがって、自動作成された和音進行情報を入力された楽音データになるべく馴染むような形の編集や、入力楽音の雰囲気を変更することのできる形に、容易な操作で編集することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の和音検出装置として機能する処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の和音検出装置における和音DB群の構成を示す図である。
【図3】本発明の和音検出装置に入力される楽音データの構成を示す図である。
【図4】本発明の和音検出装置にかかる和音進行候補が記憶される形態を示す図である。
【図5】本発明の和音検出装置におけるメインフローチャートを示す図である。
【図6】本発明の和音検出装置におけるメインフローチャート内の区間分割処理のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の和音検出装置におけるメインフローチャート内の区間分割処理を説明するための図である。
【図8】本発明の和音検出装置におけるメインフローチャート内の和音抽出処理のフローチャートを示す図である。
【図9】本発明の和音検出装置における和音抽出処理内の4和音シーケンス抽出処理のフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の和音検出装置における和音抽出処理内の4和音シーケンス抽出処理を説明するための図である。
【図11】本発明の和音検出装置における和音抽出処理内の4和音シーケンス抽出処理を説明するための和音DB群の一例を示す図である。
【図12】本発明の和音検出装置における和音抽出処理内の4和音シーケンス抽出処理を説明するための他の図である。
【図13】本発明の和音検出装置における和音抽出処理内の2和音シーケンス抽出処理のフローチャートを示す図である。
【図14】本発明の和音検出装置における和音抽出処理内の2和音シーケンス抽出処理を説明するための図である。
【図15】本発明の和音検出装置における和音抽出処理内の1和音シーケンス抽出処理のフローチャートを示す図である。
【図16】本発明の和音検出装置におけるディスプレイに表示される画像の例を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 タイマ、5 検出回路、6 マウス
、7 検出回路、8 キーボード、9 外部記憶装置、10 インターフェース
、11 外部電子楽器、12 表示回路、13 ディスプレイ、14 内部バス、
20−1,20−2 1和音シーケンスDB群、21−1,21−2 2和音シ
ーケンスDB群、22−1,22−2 4和音シーケンスDB群

Claims (8)

  1. 与えられた楽音データから所定の区間を指定する区間指定手段と、
    和音データベースと、
    前記区間指定手段により指定した所定区間の楽音データに基づき、前記和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出する和音進行候補抽出手段と、
    前記和音進行候補抽出手段により抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成する和音進行情報作成手段と、
    前記和音進行情報作成手段により作成された和音進行情報を表示する第1表示制御手段と、
    前記和音進行候補抽出手段により抽出した和音進行候補を表示する第2表示制御手段と、
    を備えたことを特徴とする和音検出装置。
  2. 前記第1表示制御手段による表示と前記第2表示制御手段による表示とは、表示領域が異なるようにされていることを特徴とする請求項1記載の和音検出装置。
  3. 与えられた楽音データから所定の区間を指定する区間指定手段と、
    和音データベースと、
    前記区間指定手段により指定した所定区間の楽音データに基づき、前記和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出する和音進行候補抽出手段と、
    前記和音進行候補抽出手段により抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成する和音進行情報作成手段と、
    前記和音進行情報作成手段により作成された和音進行情報を表示する第1表示制御手段と、
    前記和音進行候補抽出手段により抽出した、前記和音進行情報を除く和音進行候補を表示する第2表示制御手段とを備え、
    前記第1表示制御手段による表示は前記第2表示制御手段による表示と表示態様を異ならせていることを特徴とする和音検出装置。
  4. 前記和音データベースは、和音シーケンスの並び数毎に複数の和音シーケンス情報を記憶し、
    前記和音進行候補抽出手段は、前記和音シーケンスの並び数毎に和音進行候補の抽出を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の和音検出装置。
  5. 与えられた楽音データから所定の区間を指定し、
    該指定された所定区間の楽音データに基づき、和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出し、
    該抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成し、
    該作成された和音進行情報を表示すると共に、前記抽出された和音進行候補を表示するようにしたことを特徴とする和音検出方法。
  6. コンピュータに、
    与えられた楽音データから所定の区間を指定する区間指定ステップと、
    前記区間指定ステップにより指定した所定区間の楽音データに基づき、和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出する和音進行候補抽出ステップと、
    前記和音進行候補抽出ステップにより抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成する和音進行情報作成ステップと、
    前記和音進行情報作成ステップにより作成された和音進行情報を表示する第1表示制御ステップと、
    前記和音進行候補抽出ステップにより抽出した和音進行候補を表示する第2表示制御ステップと、
    を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 与えられた楽音データから所定の区間を指定し、
    該指定された所定区間の楽音データに基づき、和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出し、
    該抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成し、
    該作成された和音進行情報を表示すると共に、前記抽出された前記和音進行情報を除く和音進行候補を、前記和音進行情報の表示とは異なる表示態様で表示するようにしたことを特徴とする和音検出方法。
  8. コンピュータに、
    与えられた楽音データから所定の区間を指定する区間指定ステップと、
    前記区間指定ステップにより指定した所定区間の楽音データに基づき、和音データベースから1ないし複数の和音進行候補を抽出する和音進行候補抽出ステップと、
    前記和音進行候補抽出ステップにより抽出された和音進行候補から前記楽音データに付与される少なくとも1種類の和音進行情報を作成する和音進行情報作成ステップと、
    前記和音進行情報作成ステップにより作成された和音進行情報を表示する第1表示制御ステップと、
    前記和音進行候補抽出ステップにより抽出した前記和音進行情報を除く和音進行候補を、前記第1表示制御ステップによる表示とは異なる表示態様で表示する第2表示制御ステップと、
    を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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