JP3567509B2 - 燃料電池の駆動装置および触媒被毒率検出装置並びに燃料電池システム - Google Patents

燃料電池の駆動装置および触媒被毒率検出装置並びに燃料電池システム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池の駆動装置と、その燃料電池の触媒の被毒率を検出する燃料電池の触媒被毒率検出装置と、燃料電池システムとに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、燃料の有しているエネルギを直接電気的エネルギに変換する装置として燃料電池が知られている。燃料電池は、通常、電解質を挟んで一対の電極を配置するとともに、一方の電極の表面に水素の反応ガス(燃料ガス)を接触させ、また他方の電極の表面に酸素を含有する酸化ガスを接触させ、このとき起こる電気化学反応を利用して、電極間から電気エネルギを取り出すようにしている。
【0003】
こうした燃料電池では、電流−電圧特性をもって電池の特性を定めているが、この電池特性は、種々の駆動条件(直接制御できる要因)により変化する。例えば、ガス圧力、ガス利用率、電池温度などがその駆動条件に相当するが、これら駆動条件が一定でも、電池出力が低下する場合がある。これは、直接制御できない要因によっても電池特性が変わるためであり、例えば、電極の濡れすぎ、電極の乾きすぎ、触媒の一酸化炭素被毒などによっても電池出力が低下する。こうした要因が加わると、電池出力は低下して、どのような電池特性になるのかはわからない。
【0004】
こうした背景のもと、従来より、燃料電池が予め定めた電流−電圧特性を下回った場合に、駆動条件の制御を行なうことにより、燃料電池を正常な電流−電圧特性に調整する燃料電池の駆動装置が提案されていた(特開平5−47394号公報の段落0012)。電極が濡れすぎ状態になると電池出力は徐々に低下し始め、ついには予め定めた電流−電圧特性を下回る出力になるが、この駆動装置によれば、乾燥した空気を燃料電池のセルに送ることにより、電極の濡れすぎを徐々に乾燥し、その結果、正常な電流−電圧特性を得ることができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の燃料電池の駆動装置では、燃料電池が予め定めた電流−電圧特性を下回る出力になってからやおら訂正動作を起こすものであることから、正常な電流−電圧特性に戻すには若干時間がかかった。このため、電池出力に制御遅れが生じた。
【0006】
また、その訂正動作は、始めからこれだけ制御対象を変化させれば、目標とする電流−電圧特性に戻るという確証があってやっているのではなく、少しずつ変化させていき、その目標に達したら、そこで制御を止めるという、言うならば、手探りの制御であり、このことによっても、前述した制御遅れを大きなものとしていた。
【0007】
さらに、少しずつ変化させる変化量が大き過ぎれば、制御がオーバーシュートすることがあり、燃料電池本体が失速(燃料電池の出力が急激に低下すること)する恐れが生じた。
【0008】
こうした電池出力の制御遅れや失速は、触媒が一酸化炭素により被毒した場合にも起こり得る。この発明の燃料電池の駆動装置は、こうした問題点に鑑みてなされたもので、燃料電池の触媒の被毒に起因して電池出力が低下した場合に、制御遅れや失速を解消することを目的としている。
【0009】
一方、この発明の燃料電池の触媒被毒率検出装置は、触媒の一酸化炭素による被毒を定量的に検出可能とすることを目的としている。従来より燃料ガス中の一酸化炭素濃度を検出することで、間接的に触媒がどれ程被毒しているかを求める構成はあったが、この構成では、触媒のどれだけの部分が被毒を起こしているかを求めることはできなかった。即ち、従来には、触媒の被毒を定量的に求めるものはなく、この発明はその定量的な検出を可能とすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成すべく、前記課題を解決するための手段として、以下に示す構成をとった。
【0011】
即ち、本発明の燃料電池の駆動装置は、
触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池の駆動装置において、
前記燃料電池の初期状態時における電池特性を予め記憶する初期電池特性記憶手段と、
前記触媒が被毒状態にあることを検知する被毒状態検知手段と、
該被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知されたとき、前記燃料電池の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
該検出された燃料電池の出力信号と前記初期電池特性記憶手段により記憶された前記電池特性とから、前記触媒の被毒率に応じた比率を算出し、該比率と前記電池特性とから、前記燃料電池の被毒状態時における電池特性を求める電池特性演算手段と
を備えたことを、要旨としている(請求項1記載のもの)。
【0012】
ここで、電池特性とは、燃料電池の電流と電圧との関係を示す電流−電圧特性のことである。また、燃料電池の初期状態というのは、電池出力を低下させる要因となる触媒被毒が発生する以前の定常状態を言い、換言すれば、供給される燃料ガスに一切の一酸化炭素を含まず水素だけを含む状態を言う。触媒の被毒率とは、触媒に対する一酸化炭素による被毒の程度を表わすものである。
【0013】
前記構成の燃料電池の駆動装置において、
前記燃料電池の運転を制限する種々の条件から前記燃料電池の動作を許可する運転領域を設定する動作許可領域設定手段
を備えた構成とすることが好ましい(請求項2記載のもの)。
【0014】
また、前記燃料電池の駆動装置において、
前記電池特性演算手段で算出された前記被毒状態時における電池特性を、前記動作許可領域設定手段で設定された運転領域で限定して、当該限定された電池特性上に、制御の動作点を移動可能か否かを判定する判定手段と、
該判定手段で移動が可能と判定されたときに、前記動作点の移動を実現する燃料電池の運転の制御方式の切換を許可する制御方式切換許可手段と
を備えた構成としてもよい(請求項3記載のもの)。
【0015】
さらに、電池特性演算手段で算出された前記被毒状態時における電池特性と、前記動作許可領域設定手段で設定された運転領域とを、外部に設けられた負荷用の制御手段に送る情報送信手段を備えた燃料電池の駆動装置としてもよい(請求項4記載のもの)。
【0016】
さらにまた、判定手段で動作点の移動が不可能と判定されたときに、前記燃料電池の動作を安全側に制御する安全制御手段を備えた燃料電池の駆動装置としてもよい(請求項5記載のもの)。
【0017】
この発明の燃料電池の触媒被毒率検出装置は、
触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池と、
該燃料電池の初期状態時における電池特性を予め記憶する初期電池特性記憶手段と、
前記触媒が被毒状態にあることを検知する被毒状態検知手段と、
該被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検出されたとき、前記燃料電池の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
該検出された燃料電池の出力信号と前記初期電池特性記憶手段により記憶された前記電池特性とから、前記触媒の被毒率を求める被毒率演算手段と
を備えたことを、要旨としている(請求項6記載のもの)。
【0018】
この発明の燃料電池システムは、
請求項6記載の燃料電池の触媒被毒率検出装置を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池に接続される負荷と、
補助用電源と、
前記触媒被毒率検出装置により求めた触媒の被毒率が、予め定めた所定値以上であるか否かを判定する被毒率判定手段と、
該被毒率判定手段により触媒の被毒率が所定値以上であると判定されたときに、前記負荷への接続を前記燃料電池から前記補助用電源に切り換えるとともに、前記触媒の被毒対策を実行する被毒時制御手段と
を備えたことを、要旨としている(請求項7記載のもの)。
【0019】
前記構成の燃料電池システムにおいて、
前記被毒時制御手段は、
互いに異なる手法で前記触媒の被毒を解消する複数の被毒解消手段と、
前記触媒被毒率検出装置により求めた触媒の被毒率に応じて前記複数の被毒解消手段から任意のものを選択して、該選択した被毒解消手段を駆動させる選択駆動手段と
を備えた構成としてもよい(請求項8記載のもの)。
【0020】
【作用】
請求項1記載の燃料電池の駆動装置によれば、被毒状態検知手段により触媒が被毒状態にあることが検知されたとき、燃料電池の出力信号を、出力信号検出手段により検出する。そして、その燃料電池の出力信号と初期電池特性記憶手段により予め記憶した燃料電池の初期状態時における電池特性とから、電池特性演算手段により、触媒の被毒率に応じた比率を算出し、該比率と前記電池特性とから燃料電池の被毒状態時における電池特性を求める。
【0021】
したがって、この燃料電池の駆動装置によれば、触媒の被毒状態時に、燃料電池の出力信号さえ検出すれば、被毒状態時における電池特性を求めることができる。このため、従来のように手探りで徐々に電流または電圧を制御していくのではなく、この求めた被毒状態時における電池特性に基づき電流または電圧を制御すれば、目標とする電池特性に即座に移行することが可能となる。
【0022】
この発明は、被毒状態時における燃料電池の出力と、燃料電池の初期状態時における電池特性とが判れば、被毒状態時における電池特性が一義的に定まるという、本願発明者の新たな知見に基づいて創作されたものである。以下、燃料電池の駆動方法をまず説明して、この新たな知見がどのようにして判明したのかを説明する。
【0023】
燃料電池の駆動方法には、負荷と接続形態や、2次電池とのハイブリッドの有無などの違いにより、定電圧制御、定電流制御、定電力制御の3種類の制御方式のいずれかが用いられる。定電力制御は出力電力によって決まる動作点で運転するもので、例えば、図1の▲1▼のカーブの上のいずれかの動作点で運転することになる。ただし、この▲1▼のカーブ(ここでは0.3W/cm)のいずれの上で動作しても良いわけではなく、いくつかの制限がある。
【0024】
それらの制限としては、燃料電池の電極の保護のための最低電極電位の制限から決まる▲2▼のライン、システムのガス供給可能量によって決まる電流制限▲3▼のライン、そしてシステムの最大発熱許容量から決まる▲4▼のラインである。
【0025】
無論、電池特性の初期値の▲5▼のカーブを上回ることはないから、これもある意味での限定条件といえる(無理にガス圧力を上げたり、電池温度を変えて、電池特性の初期値を変えることは、ここでは議論しない)。結局、この燃料電池は図1の▲2▼〜▲5▼のカーブ、ラインで囲まれた範囲(図中、ハッチング領域)の中の▲1▼のライン上のいずれかの動作点で定電力制御運転されることになる。
【0026】
なお、定電圧制御、定電流制御については、上記の定電力制御の説明に準ずるので、ここでは詳しい説明は省略する。
【0027】
定電圧制御の方式で燃料電池を駆動しているときに、燃料電池に触媒被毒が発生した場合の電池出力について、次に説明する。図2において、初期の電池特性として、▲1▼に示すような電池特性を持つ燃料電池を、動作点Aで定電圧制御方式で運転していたとする。ここで、当該燃料電池が触媒の一酸化炭素(CO)被毒の影響により、この燃料電池の電池出力が低下し、その動作点はBに移動したとする。
【0028】
この時、検出可能な情報は、動作点Bのただ一点だけではあるが、この点における電流密度と動作点Aの電流密度とを比較すると、B点ではA点での50%の電流が流せることがわかる。そこで、A点を含む▲1▼の電池特性のカーブを構成する全ての点で、同一電圧に対して電流が50%になる点を計算により求め、これらの計算により得られた点を結んで線を引くと、図2の▲2▼のカーブになる。実際に、CO被毒した後の燃料電池の電池特性測定、つまり、電流を変化させながら、電池電圧を測定すると、この計算で求めた図2の▲2▼のカーブと実測値がよく一致することが確認できた。
【0029】
つまり、定電圧制御で運転している燃料電池が、CO被毒によってその電池出力が低下した場合、特性変化後のある一点の電流、電圧(つまり動作点)が決まれば、初期の電池特性における同一電圧での電流量と比較することにより、そのCO被毒状態での燃料電池の電池特性(電流−電圧特性)を推定することができる。
【0030】
定電流制御の方式で燃料電池を駆動しているときに、燃料電池に触媒被毒が発生した場合の電池出力について、次に説明する。図3において、初期の電池特性として、▲1▼に示すような電池特性を持つ燃料電池を、動作点Aで定電流制御方式で運転していたとする。ここで、当該燃料電池がCO被毒の影響により、この燃料電池の電池出力が低下し、その動作点はCに移動したとする。
【0031】
この時、検出可能な情報は、動作点Cのただ一点だけではあるが、この点における電流−電圧の関係のうち電圧に着目し、この電圧と同じ電圧を▲1▼の電池特性カーブ上で探す。この同じ電圧の動作点は図中D点となり、このD点における電流密度と動作点Cの電流密度とを比較すると、C点ではD点での50%の電流が流せることがわかる。
【0032】
そこで、A点、D点を含む▲1▼の電池特性のカーブを構成する全ての点で、同一電圧に対して電流密度が50%になる点を計算により求め、これらの計算により得られた点を結んで線を引くと、図3の▲2▼のカーブになる。実際に、CO被毒した後の燃料電池の電池特性測定、つまり、電流を変化させながら、電池電圧を測定すると、この計算で求めた図3の▲2▼のカーブと実測値がよく一致することが確認できた。
【0033】
つまり、定電流制御で運転している燃料電池が、CO被毒によってその電池出力が低下した場合、特性変化後のある一点の電流、電圧(つまり動作点)が決まれば、初期の電池特性における同一電圧での電流量と比較することにより、そのCO被毒状態での燃料電池の電池特性(電流−電圧特性)を推定することができる。
【0034】
定電力制御の方式で燃料電池を駆動しているときに、燃料電池に触媒被毒が発生した場合の電池出力について、次に説明する。図4において、初期の電池特性として、▲1▼に示すような電池特性を持つ燃料電池を、動作点Aで定電力制御方式で運転していたとする。ここで、当該燃料電池がCO被毒の影響により、この燃料電池の電池出力が低下し、その動作点はEに移動したとする。定電力制御方式なので、電流−電圧特性のカーブの上での動作点の移動は、図4に示したように同一の電力出力を結んだ曲線となる。
【0035】
この時、検出可能な情報は、動作点Eのただ一点だけではあるが、この点における電流−電圧の関係のうち電圧に着目し、この電圧と同じ電圧を▲1▼の電池特性カーブ上で探す。この同じ電圧の動作点は図中F点となり、このF点における電流密度と動作点Eの電流密度とを比較すると、E点ではF点での50%の電流が流せることがわかる。
【0036】
そこで、A点、F点を含む▲1▼の電池特性のカーブを構成する全ての点で、同一電圧に対して電流が50%になる点を計算により求め、これらの計算により得られた点を結んで線を引くと、図4の▲2▼のカーブになる。実際に、CO被毒した後の燃料電池の電池特性測定、つまり、電流を変化させながら、電池電圧を測定すると、この計算で求めた図4の▲2▼のカーブと実測値がよく一致することが確認できた。
【0037】
つまり、定電力制御で運転している燃料電池が、CO被毒によってその電池出力が低下した場合、特性変化後のある一点の電流、電圧(つまり動作点)が決まれば、初期の電池特性における同一電圧での電流量と比較することにより、そのCO被毒状態での燃料電池の電池特性(電流−電圧特性)を推定することができる。
【0038】
以上のことから、CO被毒によって燃料電池の出力が低下したとき、ある一点の電流、電圧が決まれば、当該燃料電池の制御方式が、定電圧制御、定電流制御、定電力制御のいずれの方式であろうと、そのCO被毒状態での燃料電池の電池特性(電流−電圧特性)を推定することができるのである。
【0039】
即ち、一酸化炭素による被毒の状態においては、少なくとも、ある1点の動作情報から、幅広い動作領域での電池特性が推定できる。このため、予め電池特性がわかった上で、動作特性を予見しながら、当該燃料電池の電流,電圧または電力制御を行なえば、所望の電池特性に即座に移行することができる。
【0040】
このようにCO被毒状態での、燃料電池の電池特性(電流−電圧特性)を推定することができる理由として、発明者は次のメカニズムを考えた。それは、「一酸化炭素の影響で白金触媒の一部が、電気化学反応触媒としてのその機能を停止している。即ち、一酸化炭素に被覆された部分では電池反応が起こらず、一酸化炭素に被覆されていない部分でのみ正常に電池反応が起こっている。」というメカニズムである。
【0041】
CO被毒により電極のすべての白金触媒が、CO被毒の強弱に応じて、その活性の程度が変わるのではなく、1個1個の白金の粒子(わずかオングストロームのレベルである。ただし、単原子ではない)に着目すると、完全に働かないか、完全に働いているかのいずれかであり、CO被毒がないときには、全ての白金粒子は働いているが、CO被毒が発生すると、一部の白金粒子はまったく働かなくなるのである。CO被毒の程度である被毒率は、この完全に働いている白金粒子と、完全に働いていない白金粒子の比率で決まるのである。
【0042】
働き具合いに強弱があると、燃料電池の電圧に関係してくるが、完全に働いているか、完全に働いていないかであるから、燃料電池の電圧は同じで、電流が違ってくるのである。つまり、全ての白金粒子が働いていれば、初期値通りの電流が流せるが、白金粒子の50%がCO被毒により働いていなければ、同一電圧で比較すると、50%の電流しか流せなくなるのである。
【0043】
前述したCO被毒のメカニズムから新たな知見を得た。燃料電池が、CO被毒によってその電池出力が低下した場合、特性変化後のある一点の電流、電圧(つまり動作点)が決まれば、初期の電池特性における同一電圧での電流密度と比較することにより、そのCO被毒状態での、燃料電池の電池特性を推定することができるのであるが、同時に、初期値に比べ、電流密度が何割(何%)低下したかという数値から、当該燃料電池におけるその時点でのCO被毒の程度を定量的に求めることが出来るのである。
【0044】
先に述べたように、電流密度の低下は、働かない白金粒子の割合で規定できるから、電流密度の低下は、「白金粒子のうち一酸化炭素がその表面を被覆し、白金触媒として機能を停止した割合」で規定できる。この割合を、便宜的に白金触媒に対する「CO被覆率」と呼ぶこととする。なお、この割合は触媒被毒率に相当する。
【0045】
従って、燃料電池がCO被毒によってその電池出力が低下した場合、特性変化後のある一点の電流、電圧(つまり動作点)が決まれば、初期の電池特性における同一電圧での電流密度と比較することにより電流密度の低下の程度を知ることができ、この結果、燃料電池における、その時点での「CO被覆率」を算出できるのである。例えば、図1ないし図4は、この「CO被覆率」で考えるならば、いずれもCO被覆率=50%の状態である。
【0046】
請求項6記載の燃料電池の触媒被毒率検出装置は、前述した知見に従って「CO被覆率」を算出するものである。この燃料電池の触媒被毒率検出装置によれば、被毒状態検知手段により触媒が被毒状態にあることが検知されたとき、燃料電池の出力信号を、出力信号検出手段により検出する。そして、その燃料電池の出力信号と初期電池特性記憶手段により予め記憶した燃料電池の初期状態時における電池特性とから、被毒率演算手段により、触媒の被毒率、即ち、前記「CO被覆率」を求める。
【0047】
従って、この燃料電池の触媒被毒率検出装置によれば、触媒の被毒状態時に、燃料電池の出力信号さえ検出すれば、触媒の被毒率を求めることができる。
【0048】
前述した請求項1および6以外の請求項に記載した発明の作用について、以下説明する。
【0049】
請求項2記載の燃料電池の駆動装置によれば、燃料電池の運転を制限する種々の条件から燃料電池の動作を許可する運転領域を、動作許可領域設定手段により設定する。このため、請求項1で電池特性への制御を的確なものとした上で、さらに燃料電池の動作できる範囲をその運転領域から予め知ることができ、より的確な制御が可能となる。
【0050】
請求項3記載の燃料電池の駆動装置によれば、被毒状態時における電池特性を動作許可領域設定手段で設定された運転領域で限定して、その限定された電池特性上に、制御の動作点を移動可能か否かを、判定手段により判定する。この判定手段で移動が可能と判定されると、その動作点の移動を実現する燃料電池の運転の制御方式の切換を、制御方式切換許可手段により許可する。このため、従来の技術のように、動作点を徐々に変化させて最終的に所望の位置に移動させるのではなく、運転制御方式を切り換えて、動作点を一気に移動することが可能となり、制御速度の向上が図られる。
【0051】
請求項4記載の燃料電池の駆動装置によれば、電池特性演算手段で求めた被毒状態時における電池特性と動作許可領域設定手段で設定された運転領域とを、外部に設けられた負荷用の制御手段に、情報送信手段により送る。このため、負荷用の制御手段では、前記運転領域を逸脱しないように負荷の制御を行なうことが可能となる。
【0052】
請求項5記載の燃料電池の駆動装置によれば、判定手段で動作点の移動が不可能と判定されたときに、燃料電池の動作を、安全動作制御手段により安全側に制御する。このため、動作点を徐々に変化させてやおら動作を安全側に制御するのではなく、素早く安全側へ制御を移すことが可能となる。
【0053】
請求項7記載の燃料電池システムによれば、燃料電池が動作許可領域内から外れる恐れがある場合に、実際に外れる前から負荷を補助用電源に切り換えることができ、負荷への電源供給を安定的に行なうことが可能となる。また、燃料電池の触媒の被毒対策が施されることで、触媒被毒の解消が図られる。
【0054】
請求項8記載の燃料電池システムによれば、触媒被毒率検出装置により求めた触媒の被毒率に応じて複数の被毒解消手段から任意のものを選択して、該選択した被毒解消手段を駆動させることができる。このため、触媒の被毒の程度が低いような場合には、応答性が比較的劣る被毒解消手段で、被毒の程度が高いような場合には、応答性に優れた被毒解消手段でというように最適な被毒解消手段を採用することが可能となる。
【0055】
【実施例】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
【0056】
図5は、本発明の第1実施例としての燃料電池発電システム1の概略構成図である。図5に示すように、この燃料電池発電システム1は、電気を発生する固体高分子型の燃料電池スタック10と、メタノールタンク12に貯留されたメタノールと水タンク14に貯留された水とから水素リッチガスを製造する改質器16と、改質器16で製造された水素リッチガスを燃料ガスとして燃料電池スタック10に送る燃料ガス供給通路18と、燃料電池スタック10から排出されたガスを外部に送る燃料ガス排出通路20とを備える。
【0057】
また、この燃料電池発電システム1は、燃料電池スタック10で発生した直流電気を交流電気に変換するインバータ22を備えており、このインバータ22からの交流電気は図示しない負荷(例えば、モータ)へ供給される。なお、負荷には二次電池24も接続されており、切換器26により負荷へ供給される電源がインバータ側の燃料電池スタック10と二次電池24との間で適宜切り換えられる。
【0058】
さらに、この燃料電池発電システム1は、電気的な制御系統として、燃料ガス排出通路20の途中に設けられ、燃料ガス中のCO濃度を検出する一酸化炭素センサ30と、燃料電池スタック10とインバータ22との間に設けられ、燃料電池スタック10から出力される電気信号の電圧および電流量を検出する出力検出回路32と、これら一酸化炭素センサ30および出力検出回路32からの出力信号を取り込んで各種の制御処理を実行する電子制御ユニット80とを備える。
【0059】
燃料電池スタック10の構成について次に説明する。燃料電池スタック10は、前述したように固体高分子型の燃料電池であり、その単一セル構造として、図6に示す構造を備える。即ち、図6に示すように、そのセルは、電解質膜41と、この電解質膜41を両側から挟んでサンドイッチ構造とするガス拡散電極としてのアノード42およびカソード43と、このサンドイッチ構造を両側から挟みつつアノード42およびカソード43とで燃料ガスおよび酸化ガスの流路を形成するセパレータ44,45と、セパレータ44,45の外側に配置されアノード42およびカソード43の集電極となる集電板46,47とにより構成されている。
【0060】
電解質膜41は、高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気電導性を示す。アノード42およびカソード43は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されており、このカーボンクロスには、触媒としての白金を担持したカーボン粉がクロスの隙間に練り込まれている。
【0061】
セパレータ44,45は、ち密質のカーボンプレートにより形成されている。また、アノード42側のセパレータ44には、複数のリブが形成されており、このリブとアノード42の表面とで燃料ガスの流路溝44pを形成する。一方、カソード43側のセパレータ45にも、複数のリブが形成されており、このリブとカソード43の表面とで酸化ガスの流路溝45pを形成する。集電板46,47は、銅(Cu)により形成されている。
【0062】
以上説明したのが燃料電池スタック10の単一セルの構成であるが、実際には、セパレータ44,アノード42,電解質膜41,カソード43,セパレータ45をこの順に複数組積層して、その外側に集電板46,47を配置することにより、燃料電池スタック10は構成されている。
【0063】
燃料ガス供給通路18は、改質器16と燃料電池スタック10のアノード側ガス入口10a(図5)とをつなぐものであり、実際は、アノード側ガス入口10aは、図示しないマニホールドに接続されており、このマニホールドを介して燃料電池スタック10の燃料ガス側の複数の流路溝44pに分岐接続されている。一方、燃料電池スタック10のアノード側ガス出口10bは、図示しないマニホールドに接続されており、このマニホールドを介して燃料電池スタック10の複数の流路溝44p(燃料ガス供給通路18とは反対側から接続)に分岐接続されている。
【0064】
一酸化炭素センサ30の構成について次に説明する。図7は、その一酸化炭素センサ30の縦断面図である。図7に示すように、この一酸化炭素センサ30は、電解質膜50と、この電解質膜50を両側から挟んでサンドイッチ構造とする2枚の電極52,54と、このサンドイッチ構造を両側から挟むことにより、サンドイッチ構造の撓みを防ぐ2枚のメッシュ状の金属板56,58と、このサンドイッチ構造および金属板56,58を保持する2個のホルダ60,62と、両ホルダ60,62を電気的に絶縁状態で連結する絶縁性部材64とを備える。
【0065】
電解質膜50は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン導電性の膜体である。電極52,54は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されており、このカーボンクロスには、触媒としての白金を担持したカーボン粉がクロスの隙間に練り込まれている。
【0066】
こうした電解質膜50と電極52,54は具体的には次のような方法で接合されている。
【0067】
▲1▼電極基材(カーボンクロスまたはカーボンペーパ)の表面に、予めカーボン粉の表面に白金を担持して製作した触媒粉を塗布し、電解質膜50とこの電極基材をホットプレスで一体化するもの。
▲2▼電極基材の表面に、予めカーボン粉の表面に白金を担持して製作した触媒粉を塗布し、電解質膜50とこの電極基材を、プロトン導電性固体高分子溶液で接着して一体化するもの。
【0068】
▲3▼予めカーボン粉の表面に白金を担持して製作した触媒粉を、適当な有機溶剤に分散させてペースト化し、電解質膜50の表面にスクリーン印刷法等の手法で塗布する。その後、電極基材とホットプレスで一体化するもの。
▲4▼電解質膜50の表面に、スパッタ法、蒸着法、CVD法、PVD法などの薄膜形成法で、白金を担持し、その後、電極基材とホットプレスで一体化するもの。
【0069】
白金触媒を担持したカーボン粉は次のような方法で作成されている。塩化白金酸水溶液とチオ硫酸ナトリウムを混合して、亜硫酸白金錯体の水溶液を得る。この水溶液を攪拌しながら、過酸化水素水を摘下して、水溶液中にコロイド状の白金粒子を析出させる。次に担体となるカーボンブラック〔例えばVulcan XC−72(米国のCABOT社の商標)やデンカブラック(電気化学工業株式会社の商標)〕を添加しながら、攪拌し、カーボンブラックの表面にコロイド状の白金粒子を付着させる。次に溶液を吸引ろ過または加圧ろ過して白金粒子が付着したカーボンブラックを分離した後、脱イオン水で繰り返し洗浄した後、室温で完全に乾燥させる。次に、凝集したカーボンブラックを粉砕器で粉砕した後、水素還元雰囲気中で、250℃〜350℃で2時間程度加熱することにより、カーボンブラック上の白金を還元するとともに、残留していた塩素を完全に除去して、白金触媒が完成する。
【0070】
なお、前述した燃料電池スタック10の電解質膜41に用いられる白金触媒も、前記方法と同様にして形成されている。また、電極52,54の面積は、0.1cm〜1cm程度が望ましい。
【0071】
金属板56、58は、メッシュ状のもので、ガスの電極52,54への到達を妨げない構造となっている。その材料としては、電気伝導性に優れ、錆にくく、水素脆性を生じないものが望ましく、具体的にはチタンやステンレスが用いられている。また、メッシュ状の銅板の表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)した物でもよい。さらに、前述の要求性能を満たすものであれば、多孔質のカーボン板や、発泡ニッケルの表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)した物、あるいは、エンジニアリングプラスチックの表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)し、電気導電性を確保した物であってもよい。
【0072】
ホルダ60,62は、円柱の内部にフランジ60a,62aを持つ形状で、そのフランジ60a,62aで電解質膜50,電極52,54および金属板56,58を挟持する。その材料としては、電気伝導性に優れ、錆にくく、水素脆性を生じないものが望ましく、具体的にはチタンやステンレスが用いられる。また銅板の表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)した物でもよい。さらに、前述の要求性能を満たすものであれば、緻密質のカーボン板や、エンジニアリングプラスチックの表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)し、電気導電性を確保した物であってもかまわない。
【0073】
なお、ホルダ62の電解質膜50側には、Oリング66が設けられており、一方の電極側の雰囲気が他方の電極側に漏れるのを防止している。ここで、Oリング66に換えて、電解質膜50の端部をホルダ62に接着剤で直接張り付けたり、熱圧着で張り付けたりして、シール性を確保する構成としてもよい。
【0074】
ホルダ60,62の外周には、ネジ60b,62bが切られており、これらネジ60b,62bと絶縁性部材64の内側に切られた2つのネジ64a,64bとを互いに螺合することで、両ホルダ60,62は、その間の電極52,電解質膜50および電極54を挟持した状態で連結される。なお、絶縁性部材64の材料としては、例えばテフロンが用いられている。
【0075】
また、この一酸化炭素センサ30は、一方側のホルダ60にネジ合いにて連結されるガス流入通路68を備えている。このガス流入通路68は、被検出ガスを電極52に導く通路であり、絶縁性の材料から形成されている。なお、他方側のホルダ62には、特別なガス通路は接続されておらず、電極54は大気に開放された状態となっている。
【0076】
さらに、この一酸化炭素センサ30は、両ホルダ60,62に設けられた検出端子60T,62Tに電気的に接続され、電極52,54間に生じる起電力を測定する電気回路70を備えている。この電気回路70は、電圧計72と負荷電流調整用の抵抗器74とから構成されており、電圧計72の信号は外部の制御系統に出力される。なお、燃料ガスが供給される電極52側のホルダ60の検出端子60Tはマイナス極、大気に連通する電極54側のホルダ62の検出端子62Tはプラス極となるように電圧計72が接続されている。
【0077】
こうして構成された一酸化炭素センサ30は、燃料ガス供給通路18の分岐口18aにネジ合いにて連結されており、図示しない燃料電池本体に供給する燃料ガス中のCO濃度の検出用に用いられている。
【0078】
この一酸化炭素センサ30では、電極52に燃料ガスが供給されると電解質膜50を介して電極52,54間に起電力が生じることから、この起電力を電気回路70の電圧計72を用いて検出している。この起電力は、燃料電池本体と同様に、一酸化炭素による触媒の被毒を受けて低下することから、CO濃度が高い場合には小さく、CO濃度が低い場合には大きい。このため、既知のCO濃度のガスを使って、CO濃度とその時の電圧計72の測定値との関係を予め調べておくことにより、被検出ガスのCO濃度を測定することが可能となる。なお、この測定の際の検出感度は水素の影響を受けることがないことから、燃料ガスのように多量の水素を含んだ被検知ガスにおいてもその中の一酸化炭素を高精度で測定することができる。
【0079】
電子制御ユニット80は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算等を実行するCPU82と、CPU82で各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROM84と、同じくCPU82で各種演算処理を実行するのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM86と、一酸化炭素センサ30,出力検出回路32からの出力信号および負荷用の電子制御ユニット(図示せず)からの出力信号を入力するとともに、CPU82での演算結果に応じて改質器16,燃料電池スタック10,インバータ22および切換器26に制御信号を出力する入出力インターフェース88等を備える。
【0080】
なお、ROM84には、燃料電池スタック10の初期状態時の電池特性を示す初期電池特性データDT0が予め記憶されている。図8にその初期電池特性データDT0の一例を示した。図8に示すように、この初期電池特性データDT0は、電流密度と電圧とから定まる特性L0を示す二次元のマップであり、電流密度が高密度になるにつれ電圧は低下する。電流密度が200[mA/cm ]のとき、電圧は0.80[V]となり、電流密度が400[mA/cm ]のとき電圧は0.73[V]となっている。
【0081】
燃料電池の初期状態時における電池特性L0は、燃料電池が定常運転されておれば、ガス圧力やガス利用率や電池温度などの運転条件が常に一定になるように制御されていることから、こうした状態時における電池特性L0は一義的に定めることができる。このため、前記初期電池特性データDT0は一つのデータとして格納されている。
【0082】
また、図5ではガス系統についてはアノード側のガス系統のみを記載し、カソード側のガス系統の記載は省略してある。
【0083】
こうした構成の電子制御ユニット80のCPU82によって、改質器16,燃料電池スタック10,インバータおよび切換器26が適宜制御される。この結果、この燃料電池発電システム1では、定電圧制御、定電流制御、定電力制御の3種類の制御方式から最適なものを選択しつつ、適正な電気供給を負荷に対して行なう。
【0084】
まず、負荷が動作していないとき(例えば、電気自動車で言えば停止しているとき)を考えると、このときには、燃料電池スタック10は定電圧制御がなされて、一定の電圧で二次電池24へ電気が供給される。その後、負荷が動き始めると(電気自動車で言えば走行しているとき)、燃料電池スタック10はその負荷により規定される電力で定電力制御の運転がなされ、切換器26が切り換えられて燃料電池スタック10から負荷にその電気が供給される。ここでは、こうした定電圧制御から定電力制御に制御方式が切り換わって電気供給がなされる場合について、電子制御ユニット80のCPU82によってどのように制御処理が実行されるかを説明する。
【0085】
図9ないし図10は、電子制御ユニット80のCPU82によって実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。この制御ルーチンは、負荷用電子制御ユニットから負荷が動作し始めた旨の指示を受けた後に実行されるもので、所定時間毎に繰り返し実行される。図9に示すように、CPU82は、処理が開始されると、まず、負荷用電子制御ユニットからの出力信号から負荷が一定であるか否かの判別を行ない(ステップS100)、さらに、燃料電池スタック10に対するガスの供給状態(ガス量等)が一定であるか否かの判別を行なう(ステップS110)。
【0086】
CPU82は、ステップS100またはS110で否定判別されると、処理を「リターン」に進めて、この制御ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS100およびステップS110の双方で肯定判別、即ち、負荷が一定で、かつガス供給状態が一定であると判別されたときには、ステップS120に処理を進める。
【0087】
ステップS120では、CPU82は、一酸化炭素センサ30の電圧計72からの出力電圧を、CO濃度Dとして入力する処理を行なう。次いで、その一酸化炭素濃度Dが、予め定めた所定の濃度D0より大きいか否かを判定することにより、アノード電極の触媒は被毒状態であるか否かを判別する処理を行なう(ステップS130)。
【0088】
ステップS130で、触媒が被毒状態でないと判別されると、CPU82は、処理を「リターン」に進めて、この制御ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS130で、触媒が被毒状態であると判別されると、出力検出回路32により検出された燃料電池スタック10の現在の電圧V1および電流I1を入力する(ステップS140)。
【0089】
次いで、その現在の電圧V1および電流I1と、RAM86に予め格納された図8に示した初期電池特性データDT0とから、現在の電池特性データDTを算出する処理を行なう(ステップS150)。この処理は具体的には次のように行なう。この時点では、定電圧制御にて燃料電池スタック10が運転されていることから、まず、初期電池特性データDT0で定まる特性L0上において現在の電圧V1に対応する電流値I0を求める。詳しくは、ROM84に記憶された初期電池特性データDT0のマップを、そのままRAM86に複写して、そのRAM86のマップ上にて、前記電流値I0を求める(図11参照)。
【0090】
次いで、この電流値I0と前記電流I1との比率R(これが触媒の被毒率に応じた比率となる)を求めて、前記初期電池特性L0上の各点を前記比率Rで乗算することにより、現在の電池特性L1を求める。この算出もRAM86に記憶したマップ上にて行なわれ、前記初期電池特性L0上の各点の電流値に対して前記比率Rを乗算することにより、電流密度の軸方向に前記比率で縮小したライン、即ち、現在の電池特性L1を求める(図11参照)。
【0091】
続いて、CPU82は、ステップS150で算出した現在の電池特性データDT1のマップ上に、制御運転の動作を許可する動作許可領域を設定する処理を行なう(ステップS160)。図1で示したハッチングの領域がこの動作許可領域に相当する。具体的には、図12に示すように、燃料電池の電極の保護のための最低電極電位の制限から決まる例えば500mVのラインG1と、システムのガス供給可能量によって決まる電流制限の例えば700mA/cm のラインG2と、システムの最大発熱許容量から決まる例えば0.6W/cm のラインG3(ここでは:発熱は本来「J:ジュール」であるが分かりやすくするためにWで表示した)と、初期状態時の電池特性L0とで囲まれた領域(図中、ハッチング領域)を動作許可領域Eとして設定する。
【0092】
ステップS160の実行後、CPU82は、図10のステップS170に処理を進め、切換器26へ制御信号を送って、負荷の接続を燃料電池スタック10側へ切り換える処理を行なう(ステップS170)。
【0093】
次いで、CPU82は、ステップS160で算出された動作許可領域E内で定電力制御方式の運転を行なうことができるか否かを判別する処理を行なう(ステップS180)。この定電力制御の運転は、負荷の程度により規定される一定電力でもって制御するものであり、これが前記動作許可領域E内で実行可能か否かを次のようにして判別する。図13に示すように、まず、ステップS160の実行後に得られた(図12に示す)マップ上に、負荷の程度に応じて定まる一定電力のラインL2を書込み、このラインL2とステップS150で求めた現在の電池特性L1との交点Pを求める。この交点Pが、定電力制御にて運転したい動作点であり、この交点PがステップS160で設定した動作許可領域E内に位置するか否かを判定する。こうして、現在の定電圧制御方式の運転から定電力制御方式の運転に移行することが可能か否かの判別がなされる。
【0094】
ステップ180で、前記交点Pが動作許可領域E内に存在する、即ち、定電力制御方式の運転に移行することが可能であると判別されると、CPU82は、図14に示すように、現在の動作点Qから新たな動作点(上記交点P)へ一気に電流密度を高めて、定電力運転を実行する(ステップS190)。その後、CPU82は「リターン」に処理を進めて、この制御ルーチンを一旦終了する。
【0095】
一方、ステップS180で、交点Pが動作許可領域E内に存在しない、即ち、定電力制御方式の運転に移行することが不可能であると判別されると、燃料電池スタック10を安全動作に切り換える処理を実行する(ステップS195)。この安全動作は、燃料電池スタック10の運転を停止させたり、改質器16からの燃料電池ガス中のCO濃度を低減させるような制御をしたり、定電力運転に切り替えずに引き続き定電圧運転を行なったり、負荷側の電力量を低下させるような制御を行なったりなど、いくつかの方法が採用される。ステップS195の処理後、CPU82は「リターン」に処理を進めて、この制御ルーチンを一旦終了する。
【0096】
以上のように構成された第1実施例の燃料電池発電システム1によれば、定電圧制御下で、触媒がCO被毒を受けて、動作点がO点(初期状態時)からQ点に変化した後、定電力制御の運転を行なうに際し、直ちに動作点をP点に移して所定の電力を得ることができる。
【0097】
従来の技術では、図15に示すように、動作点をO点からQ点へ変化した後、定電力制御を運転させると、電流を△iずつ変化させながら、最終的にP点に到達して所定の電力を得ていた。このため、P点へ動作点を移行するのに、多大な時間がかかり、その結果、電池出力に制御遅れが生じた。これに対して、この実施例の燃料電池発電システム1によれば、前述したように直ちに動作点をP点に移して所定の電力を得ることができることから、前述したような制御遅れが生じるようなこともない。
【0098】
また、従来の技術では、電流の変化量△iが大き過ぎれば、制御がオーバーシュートすることがあり、その結果、燃料電池スタック10が失速するような自体を招くことがあった。これに対して、この燃料電池発電システム1によれば、所望の動作点に高精度で移行することができることから、そのような失速を起こすようなこともない。
【0099】
他の例として、従来の技術で、図16に示すように、CO被毒を受けて、動作点がO点からK点へ変化した場合について説明する。このときの触媒の被毒率は、図14で示したよりはるかに大きいものであるとする。この後、定電力制御に運転が移ると、電流を△iずつ変化させていくが、所定の出力電力を得る前に、燃料電池の最低電極電位の制限G1を下回ってしまうことから、動作点Mで安全動作が働いて、燃料電池は運転を停止してしまう。
【0100】
一方、この実施例の燃料電池発電システム1では、図17に示すように、CO被毒を受けて、動作点がO点からK点へ変化した後、初期の電池特性L0の情報と現在の出力,即ちK点の値とから、現在の電池特性L1を求めることができ、この時点で、所定の電力を得るための動作点が、もはや現時点でG1ないしG3の制限の範囲内には存在しないこと、即ち、定電力制御の運転が不可能であることを知ることができる。従って、こうした情報を基に即座に安全動作を働かすことができ、安全動作の制御が遅れるようなこともない。
【0101】
なお、この実施例では、燃料電池スタック10の運転が動作許可領域から外れる以前にその状態を予測して安全動作を働かせているが、この際に、切換器26を切り換えて、負荷を二次電池24に接続するようにすることが好ましい。この場合、負荷から見ると、電気供給は途絶えることなく安定的に供給されることになる。従って、システム全体の制御性を向上することができる。
【0102】
前記実施例では、燃料電池の運転方式を定電圧制御から定電力制御に切り換える場合の制御について詳しく述べてきたが、こうしたことは、定電圧制御から定電流制御に切り換える場合についても同様に適応することができる。即ち、前記実施例と同様に、触媒が被毒した状態での現在の電池特性L1を求めた上で、切り換えようとしている定電流制御の電流値(動作点)を、動作許可領域内におけるその現在の電池特性上にとることができるか否かを予め調べて、可能な場合に動作点を一気に変更するようにする。こうした構成により、定電圧制御から定電流制御へ切換える場合についても、制御遅れや燃料電池の失速なしに、適正な運転制御を行なうことができる。
【0103】
また、燃料電池の切換前の運転方式を前述のように定電圧制御とするのではなく、他の制御、即ち定電流制御や定電力制御にした場合について述べる。定電流制御の方式で燃料電池スタック10を駆動しているときに、燃料電池スタック10に触媒被毒が発生した場合の電池特性は、作用の項で図3を用いて説明したように、触媒被毒後の現在の電圧V1,電流I1(これは定電流で低下)を検出し、この電圧V1と同じ電圧を初期状態時の電池特性L0上で探す。この探した点の電流密度と電流I1との比率Rを求めて、初期状態時の電池特性L0上の各点をその比率Rで乗算することにより、現在の電池特性L1を求める。
【0104】
また、定電力制御の方式で燃料電池スタック10を駆動しているときに、燃料電池スタック10に触媒被毒が発生した場合の電池特性は、作用の項で図4を用いて説明したように、触媒被毒後の現在の電圧V1,電流I1(これは定電力で低下)を検出し、この電圧V1と同じ電圧を初期状態時の電池特性L0上で探す。この探した点の電流密度と電流I1との比率Rを求めて、初期状態時の電池特性L0上の各点をその比率Rで乗算することにより、現在の電池特性L1を求める。
【0105】
こうして現在の電池特性L1を求めた上で、前述したように、切り換えようとしている制御方式での動作点を、動作許可領域内におけるその現在の電池特性上にとることができるか否かを予め調べるようにする。こうした構成により、制御方式の切換時において、制御遅れや燃料電池の失速なしに、適正な運転制御を行なうことができる。
【0106】
なお、前記実施例では、被毒状態検知手段として、一酸化炭素センサ30により燃料ガス中のCO濃度を検出し、そのCO濃度が所定濃度以上となったときに、触媒は被毒状態にあると判別検知していたが、これに限るものではなく、一酸化炭素センサ30として、他の構成のもの、例えば定電位電解式の一酸化炭素センサを用いた構成としてもよい。また、電極の燃料ガスの流入側と流出側との温度差を検出し、その温度差から触媒の被毒状態を推定することにより、触媒の被毒状態を検出する構成としてもよい。
【0107】
この発明の第2実施例について次に説明する。この第2実施例は、図18の概略構成図に示すように、前記第1実施例に記載した燃料電池発電システム1に、その燃料電池発電システム1から電気の供給を受ける負荷システム201を加えた燃料電池システム全体についてのものである。
【0108】
負荷システム201は、燃料電池発電システム1の出力に接続される負荷(ここでは、モータ)210と、この負荷210の動作を制御する負荷用電子制御ユニット220とを備える。
【0109】
負荷用電子制御ユニット220は、燃料電池発電システム1側の電子制御ユニット(以下、燃料電池用電子制御ユニットと呼ぶ)80と同様に、マイクロンピュータを中心とした論理回路として構成され、CPU222、ROM224、RAM226および入出力インターフェース228を備える。入出力インターフェース228には、負荷210が電気的に接続されており、負荷210に制御信号を送ることで、負荷210の動作を制御することが可能となる。更に、入出力インターフェース228には、燃料電池用電子制御ユニット80の入出力インターフェース88が電気的に接続されており、負荷用電子制御ユニット220と燃料電池用電子制御ユニット80との間でデータのやり取りが可能となっている。
【0110】
両電子制御ユニット80,220間でどのようなデータのやり取りがなされて制御処理が実行されているかを、次に説明する。図19は、各電子制御ユニット80,220のCPU82,222によって実行される両制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0111】
図19に示すように、燃料電池用電子制御ユニット80のCPU82では、処理が開始されると、まず、第1実施例のステップS100〜S160(図9)と同一の処理を実行する。次いで、ステップS150で算出した現在の電池特性データDT1と、ステップS160で算出した動作許可領域Eを示すデータDT2とを、入出力インターフェース88から負荷用電子制御ユニット220に出力する(ステップS300)。
【0112】
これに対して負荷用電子制御ユニット220のCPU222では、燃料電池用電子制御ユニット80から送られた現在の電池特性データDT1と動作許可領域Eを示すデータDT2とを入力し(ステップS400)、両データDT1,DT2からみて負荷210で規定される消費電力は適正か否かを判別する(ステップS410)。ステップS410の処理は、詳しくは、現在の電池特性データDT1と動作許可領域Eを示すデータDTとから図12で示したマップを生成し、このマップ上において次の処理を行なう。
【0113】
即ち、図20に示すように、図12と同じマップ上に負荷210の程度に応じて求まる負荷210の消費電力のラインL2を書込み、このラインL2と現在の電池特性データDT1で示されるラインL1との交点Pを求め、この交点Pが動作許可領域E内に存在するか否かを調べる。ここで、交点Pが動作許可領域E内に存在することが判ると、負荷210で規定される消費電力は適正であると判別し、一方、交点Pが動作許可領域Eの外に存在することが判ると(図中、交点P1の場合)、その消費電力は不適性であると判別する。
【0114】
ステップS410で負荷210の消費電力が不適性であると判別されると、CPU222は、負荷210の消費電力を現在の大きさ(例えば、図中、L2′のライン)からラインL3で示される大きさまで低下して、そのラインL3と現在の電池特性データDT1で示されるラインL1との交点P2が動作許可領域E内に含まれるようにする(ステップS420)。なお、このときの交点P3は動作許可領域E内で最も電流が大きくなる点となっている。
【0115】
このステップS420の実行後、またはステップS410で負荷210の消費電力が適正であると判別されると、処理をステップS430に進めて、燃料電池用電子制御ユニット80に対して、負荷210の切換「OK」である旨の信号を入出力インターフェース228から燃料電池用電子制御ユニット80に出力する。
【0116】
燃料電池用電子制御ユニット80側では、負荷用電子制御ユニット220側から切換え「OK」の信号が送られてくるのを待って(ステップS310)、続くステップS320に処理を進める。ステップS320では、切換器26へ制御信号を送って、負荷210の接続を負荷用電子制御ユニット220側へ切換える処理を行なうと共に(ステップS310)、触媒被毒後である現在の動作点Qから新たな動作点Pへ一気に電流密度を高めて、定電力運転を実行する(ステップS220)。なお、ここで言う動作点Pは、ステップS420で負荷の消費電力低下の処理が実行されたときには、図20における交点P2の位置である。その後、CPU82は「リターン」に処理を進めて、この制御ルーチンを一旦終了する。
【0117】
以上詳述したこの第2実施例では、燃料電池発電システム側の電子制御ユニット80で算出した現在の電池特性データDT1と動作許可領域Eを示すデータDT2とを負荷側の電子制御ユニット220に送るように構成されている。このため、負荷側の電子制御ユニット220では、負荷の大きさをその動作許可領域Eを逸脱しないように制御することができる。従って、燃料電池発電システム側では、切り換えようとする動作点が動作許可領域E内に含まれるか否かの判定をいちいち行なう必要もなく、一気に運転制御方式を切り換えることができ、制御性に優れているといった効果を奏する。
【0118】
この発明の第3実施例について説明する。この第3実施例は、第2実施例と同様に、燃料電池発電システム1と負荷システム201からなる燃料電池電池システム全体についてのものであり、ハードウェアの構成については第2実施例とほぼ同じものである。相違する点は、燃料電池用電子制御ユニット80のROM84に後述する被毒解消法メニューMNが予め格納されている点にある。また、ソフトウェアである燃料電池用電子制御ユニット80で実行される制御ルーチンについても第2実施例と相違する。以下、この制御ルーチンについて、図21ないし図22のフローチャートに沿って詳しく説明する。なお、この制御ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。
【0119】
図21に示すように、燃料電池用電子制御ユニット80のCPU82では、処理が開始されると、まず、第1実施例のステップS100〜S140(図9)と同一の処理を実行する。次いで、ステップS140で取り込んだ電圧V1および電流I1と、RAM86に予め格納された初期電池特性データDT0とから触媒の被毒率Rを算出する処理を行なう(ステップS500)。詳しくは、この時点では、定電圧制御にて燃料電池の運転がなされていることから、まず、初期電池特性データDT0で定まる特性L0上において現在の電圧V1に対応する電流値I0を求める。次いで、この電流値I0と前記電流I1との比率Rを求めて、これを触媒の被毒率とする。なお、このステップS500の具体的な内容については、前述した第1実施例のステップS150の処理に従うものであり、ここでは詳しい説明については省略する。
【0120】
ステップS500の実行後、CPU82は、図22に示すステップS510に処理を進める。ステップS510では、ステップS500で求めた触媒の被毒率Rが所定値R0以上であるか否かを判別する処理を行なう。
【0121】
この触媒の被毒率Rは、触媒を構成する白金粒子のうち一酸化炭素によりその表面が被覆されたものの割合であるCO被覆率を示すものであり、この被毒率Rの大きさにより、その被毒状態を定量的に知ることができる。そこで、ステップS510では、その被毒率Rが所定値R0以上であるか否かを判別することで、触媒が被毒状態であるか否かを高精度で判定することが可能となる。
【0122】
ステップ510で、被毒率Rが所定値R0以上である、即ち、触媒が被毒状態にあると判別されると、CPU82はステップS520に処理を進める。ステップS520では、CPU82は、切換器26へ制御信号を送って、負荷210の接続を二次電池24側へ切り換える処理を行なう。続いて、ステップS500で求めた触媒の被毒率Rに基づいてROM84に格納された被毒解消法メニューMNを検索して、その被毒率Rで定まる所定の被毒対策を選定する(ステップS530)。
【0123】
被毒解消法メニューMNの一例を図23に示した。この図23に示すように、被毒解消法メニューMNとは、検索キー項目である触媒の被毒率RのA欄と、被毒の解消手法を記したB欄とからなる表である。ステップS520では、ステップS500で算出した被毒率RをA欄に照らし合わせることにより、任意のB欄を特定して、その内容を選択する。なお、B欄には、改質器16の改質反応部の温度を上昇するという第1手法と、改質器16の酸化反応部の温度を低下するという第2手法と、および改質器16の酸化反応部への供給空気量を増加するという第3手法とが記憶されている。なお、これらの手法は順位が後ろほど、応答性の優れたものであり、対応する被毒率Rは大きなものとなっている。
【0124】
被毒解消法メニューMNのA欄の内容とB欄の内容とは次のような考えで決定されている。被毒率Rが小さいときには、燃料電池が一酸化炭素被毒によって失速してしまうまでの時間的な余裕があるため、制御を始めてから効果がみられるまでの時間が長くてもよい(むしろ、その制御により、システムのエネルギ効率が下がったりするような副作用が少ない制御方法を選んで実施することが望ましい)。一方、被毒率Rが大きいときには、燃料電池が一酸化炭素被毒によって失速してしまうまでの時間的な余裕がないため、直ちに効果の出る制御が必要である(その制御により、システムのエネルギ効率が下がったりするような副作用があったとしても、とにかく速やかに効果のみられる制御方法を選んで実施することが望ましい)。ただし、被毒解消法のメニューは個々の燃料電池のシステム構成によって決定されるため、個々の燃料電池のシステム構成に応じて予め被毒解消法のメニューを決めておく必要がある。
【0125】
ステップS530の実行後、CPU82は、ステップS530で選定した被毒対策を実行する(ステップS540)。これら対策を実行すると、改質器16から燃料電池スタック10へ供給される改質ガス中の一酸化炭素濃度が低減し、その結果、触媒の被毒が回復する。その後、CPU82は、負荷210の接続状態を示すフラグFに値1をセットした後、「リターン」に処理を進めて、この制御ルーチンを一旦終了する。
【0126】
一方、ステップS510で、触媒の被毒率Rが所定値R0より小さい、即ち、触媒が被毒状態にないと判別されると、原則的には処理を「リターン」に進めて、この制御ルーチンを一旦終了する。なお、実際は、ステップS510で否定判別されると、前述したフラグFが値1であるか否かを判別し(ステップS560)、フラグFが値1であると判別されると、ステップS520で二次電池24側へ切り換えた負荷の接続状態を、燃料電池スタック10側へ戻して(ステップS570)、フラグFを値0にクリアする(ステップS580)。即ち、ステップS540被毒対策を施した結果、触媒の被毒率Rが所定値R0より小さくなった場合には、燃料電池スタック10のCO被毒は回復したとして、負荷210を燃料電池スタック10側に切り換えている。
【0127】
以上詳述した本第3実施例では、触媒の被毒状態時に、燃料電池スタック10の出力信号を検出することにより、触媒の被毒状態を被毒率Rとして定量的に求めることができる。さらに、この求めた被毒率Rが所定値R0以上となると、負荷への接続を燃料電池スタック10から二次電池24に切り換えるとともに、触媒の被毒対策を実行することにより、負荷への安定的な電源の供給と触媒の被毒状態の解消とを図ることができる。
【0128】
さらにこの実施例では、複数の被毒の解消手法から一つのものを、その求めた触媒の被毒率Rに応じて選定する構成としていることから、触媒の被毒の程度に応じて適切なものを選択することができる。触媒の被毒率Rが低い場合には、応答性が比較的劣る被毒解消手段を選択し、被毒率Rが高い場合には、応答性に優れた被毒解消手段を選択することができる。応答性が劣る被毒解消手段は、一般に燃料電池スタック10へのダメージが少ないことから、被毒率Rに応じて被毒解消手段を選択することで、燃料電池スタック10へのダメージを軽減しつつ、被毒状態の解消を図ることができる。
【0129】
なお、前記第3実施例では、触媒の被毒率Rを定量的に計算して、その被毒率Rが所定値以上となったときに、負荷への接続を二次電池24側に切り換えるとともに、触媒の被毒の解消を図っていたが、これに替えて、計算した触媒の被毒率Rを次のように利用してもよい。被毒率Rと比例関係を持つ特性(例えば、前述した電流−電圧特性、電流−電力特性)について、予め実験により測定しておき(例えば、被毒率10%,20%,30%,40%,50%といったときにこうした特性になるという結果を予め測定しておく)、それをROMに記憶しておく。そして、上記計算により求めた被毒率Rに応じてそのROMの記憶内容から上記特性の適切なものを選定するようにする。こうした構成により、被毒率Rが判れば、とりうる特性を予想することができることから、制御の応答性を高めることができる。
【0130】
被毒率Rに比例する制御特性の一例として、固体高分子型燃料電池からの発熱を例に揚げて以下詳述する。図24に示すように固体高分子型燃料電池からの発熱量は、同じ電流密度ならば、被毒率Rが大きくなるほど大きくなる。従来は、燃料電池を制御しながら、燃料電池の本体の温度や、燃料電池の冷却水温度や、燃料電池のガス(アノードとカソード)出口温度等を測定し、これらの測定結果に基づき、燃料電池の冷却量を調整(冷却水の循環量)して、燃料電池の温度が一定になるようにしていた。
【0131】
こうした制御装置の考え方の根本は、温度が変化したという事実を知ってから初めて制御するということであり、決して温度の変化を予見して制御しているわけではない。従って、実際に燃料電池の温度が変化してから、それを検知し、温度を戻す制御を行ない、実際に燃料電池の温度が元に戻るまでには、時間がかかった。その間は、燃料電池は所定の温度から外れた状態、いわば、不安定動作をしていることになる。無論、こうした制御遅れを少しでも短くするための制御方法はいろいろあろうが、制御方法を工夫するほど、制御の内容(ハードウェアもソフトウェアも共に)は複雑になり、結果として、燃料電池システムの製造コストを押し上げることになるのである。
【0132】
これに対して、本発明の例によれば、被毒率Rがわかれば、各動作点における発熱量がわかる。従って、ある被毒率Rの時、動作点を変えると、新しい動作点における燃料電池の発熱量を予め計算できるのである。例えば、電流密度を増加させるときに、予め燃料電池からの発熱の増加量がわかるので、冷却水量の循環量を増やしておくこともできる。従って、先に述べた制御遅れを、事実上問題ないレベルにまで低減することができる効果を奏する。
【0133】
前述した第1ないし第3実施例では、燃料電池スタック10のアノード42の触媒として、白金を使用する場合について述べたが、この他にもアノード側電極触媒として、第1成分である白金と、第2成分であるルテニウム、ニッケル、コバルト、バナジウム、パラジウム、インジウム等の中の1種類または2種類以上の成分との合金から成る合金触媒を使用する構成としてもよい。この場合にも、第1ないし第3実施例と同様な効果を奏することができる。
【0134】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0135】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の請求項1記載の燃料電池の駆動装置では、触媒の一酸化炭素被毒によって燃料電池の出力が低下したとき、ある一点の電流、電圧が決まれば、その被毒状態での燃料電池の電池特性(電流−電圧特性)を推定することができる。このため、予め電池特性がわかった上で、動作特性を予見しながら運転制御を行なえば、所望の電池特性に即座に移行することができる。従って、制御遅れや燃料電池の失速なしに適正な運転制御を行なうことができる。
【0136】
特に、請求項2記載の燃料電池の駆動装置では、燃料電池の動作できる範囲を燃料電池の動作を許可する運転領域から予め知ることができることから、制御精度を向上することができる。
【0137】
請求項3記載の燃料電池の駆動装置では、従来の技術のように、動作点を徐々に変化させて最終的に所望の位置に移動させるのではなく、運転制御方式を切り換えて動作点を一気に移動することができることから、制御速度の向上を図ることができる。
【0138】
請求項4記載の燃料電池の駆動装置では、被毒状態時における電池特性と動作許可領域設定手段で設定された運転領域とを、外部の負荷用の制御手段に送ることにより、負荷用の制御手段ではその運転領域を逸脱しないように負荷の制御を行なうことができる。このため、この燃料電池の駆動装置では、動作点が運転領域を逸脱しないかの判定をいちいち行なう必要もなく、制御性に優れている。
【0139】
請求項5記載の燃料電池の駆動装置では、動作点の移動が不可能なときに、燃料電池の動作を安全側に制御する。このため、動作点を徐々に変化させてやおら動作を安全側に制御するのではなく、素早く安全側へ制御を移すことができ、安全性に優れている。
【0140】
請求項6記載の燃料電池の触媒被毒率検出装置では、触媒の被毒状態時に、燃料電池の出力信号さえ検出すれば、触媒の被毒率を定量的に求めることができる。
【0141】
請求項7記載の燃料電池システムでは、燃料電池が動作許可領域内から外れる恐れがある場合に、実際に外れる前から負荷を補助用電源に切り換えることができ、負荷への電源供給を安定的に行なうことできる。また、燃料電池の触媒の被毒対策が施されることで、触媒被毒の解消を図ることができる。
【0142】
請求項8記載の燃料電池システムでは、触媒の被毒率が低いような場合には、応答性が比較的劣る被毒解消手段で、被毒率が高いような場合には、応答性に優れた被毒解消手段でというように、最適な被毒解消手段を採用することができる。応答性が劣る被毒解消手段は、一般に燃料電池へのダメージが少ないことから、被毒率に応じて被毒解消手段を選択することで、燃料電池へのダメージを軽減しつつ、被毒状態の解消を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池特性上の制限を示すグラフである。
【図2】定電圧制御の運転下で燃料電池に触媒被毒が発生した場合に、その被毒時の電池特性がどのように求められるかを示すグラフである。
【図3】定電流制御の運転下で燃料電池に触媒被毒が発生した場合に、その被毒時の電池特性がどのように求められるかを示すグラフである。
【図4】定電力制御の運転下で燃料電池に触媒被毒が発生した場合に、その被毒時の電池特性がどのように求められるかを示すグラフである。
【図5】本発明の第1実施例としての燃料電池発電システム1の概略構成図である。
【図6】燃料電池スタック10のセル構造を示す構造図である。
【図7】一酸化炭素センサ30の縦断面図である。
【図8】ROM84に記憶される初期電池特性データDT0の一例を示すグラフである。
【図9】電子制御ユニット80のCPU82により実行される制御ルーチンの前半部分を示すフローチャートである。
【図10】その制御ルーチンの後半部分を示すフローチャートである。
【図11】触媒被毒後の現在の電池特性L1がどのように求められるかを示すグラフである。
【図12】動作許可領域Eを示すグラフである。
【図13】現在の電池特性L1と一定電力のラインL2との交点Pを動作許可領域Eに加えた状態を示すグラフである。
【図14】この実施例で動作点がどのように移動していくかを示すグラフである。
【図15】従来の技術における制御の問題点を示すグラフである。
【図16】同じく従来の技術における制御の問題点を示すグラフである。
【図17】第1実施例の効果を示すグラフである。
【図18】本発明の第2実施例としての燃料電池システムの概略構成図である。
【図19】二つの電子制御ユニット80,220のCPU82,222によって実行される両制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図20】負荷側の消費電力を制御することにより、現在の電池特性データDT1で示されるラインL1との交点P2を動作許可領域E内にどのように制御するかを示すグラフである。
【図21】第3実施例における電子制御ユニットのCPUにより実行される制御ルーチンの前半部分を示すフローチャートである。
【図22】その制御ルーチンの後半部分を示すフローチャートである。
【図23】ROMに記憶される被毒解消法メニューMNの一例を示す説明図である。
【図24】触媒の被毒率Rに比例する制御特性の一例としての固体高分子型燃料電池の発熱量を示すグラフである。
【符号の説明】
1…燃料電池発電システム
10…燃料電池スタック
10a…アノード側ガス入口
10b…アノード側ガス出口
12…メタノールタンク
14…水タンク
16…改質器
18…燃料ガス供給通路
18a…分岐口
20…燃料ガス排出通路
22…インバータ
24…二次電池
26…切換器
30…一酸化炭素センサ
32…出力検出回路
41…電解質膜
42…アノード
43…カソード
44…セパレータ
44p…流路溝
45…セパレータ
45p…流路溝
46…集電板
47…集電板
50…電解質膜
52…電極
54…電極
56…金属板
58…金属板
60…ホルダ
60T…検出端子
60a,62a…フランジ
60b,62b…ネジ
62…ホルダ
62T…検出端子
64…絶縁性部材
64a,64b…ネジ
66…Oリング
68…ガス流入通路
70…電気回路
72…電圧計
74…抵抗器
80…燃料電池用電子制御ユニット
82…CPU
84…ROM
86…RAM
88…入出力インターフェース
201…負荷システム
210…負荷
220…負荷用電子制御ユニット
222…CPU
224…ROM
226…RAM
228…入出力インターフェース
DT0…初期電池特性データ
DT1…現在の電池特性データ
L0…初期電池特性
L1…現在の初期電池特性
MN…被毒解消法メニュー
R…触媒の被毒率

Claims (8)

  1. 触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池の駆動装置において、
    前記燃料電池の初期状態時における電池特性を予め記憶する初期電池特性記憶手段と、
    前記触媒が被毒状態にあることを検知する被毒状態検知手段と、
    該被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知されたとき、前記燃料電池の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
    該検出された燃料電池の出力信号と前記初期電池特性記憶手段により記憶された前記電池特性とから、前記触媒の被毒率に応じた比率を算出し、該比率と前記電池特性とから、前記燃料電池の被毒状態時における電池特性を求める電池特性演算手段と
    を備えたことを特徴とする燃料電池の駆動装置。
  2. 請求項1記載の燃料電池の駆動装置であって、
    前記燃料電池の運転を制限する種々の条件から前記燃料電池の動作を許可する運転領域を設定する動作許可領域設定手段
    を備えた燃料電池の駆動装置。
  3. 請求項2記載の燃料電池の駆動装置であって、
    前記電池特性演算手段で算出された前記被毒状態時における電池特性を、前記動作許可領域設定手段で設定された運転領域で限定して、当該限定された電池特性上に、制御の動作点を移動可能か否かを判定する判定手段と、
    該判定手段で移動が可能と判定されたときに、前記動作点の移動を実現する燃料電池の運転の制御方式の切換を許可する制御方式切換許可手段と
    を備えた燃料電池の駆動装置。
  4. 請求項3記載の燃料電池の駆動装置であって、
    前記電池特性演算手段で算出された前記被毒状態時における電池特性と、前記動作許可領域設定手段で設定された運転領域とを、外部に設けられた負荷用の制御手段に送る情報送信手段
    を備えた燃料電池の駆動装置。
  5. 請求項3記載の燃料電池の駆動装置であって、
    前記判定手段で動作点の移動が不可能と判定されたときに、前記燃料電池の動作を安全側に制御する安全制御手段
    を備えた燃料電池の駆動装置。
  6. 触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池と、
    該燃料電池の初期状態時における電池特性を予め記憶する初期電池特性記憶手段と、
    前記触媒が被毒状態にあることを検知する被毒状態検知手段と、
    該被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検出されたとき、前記燃料電池の出力信号を検出する出力信号検出手段と、
    該検出された燃料電池の出力信号と前記初期電池特性記憶手段により記憶された前記電池特性とから、前記触媒の被毒率を求める被毒率演算手段と
    を備えた燃料電池の触媒被毒率検出装置。
  7. 請求項6記載の燃料電池の触媒被毒率検出装置を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に接続される負荷と、
    補助用電源と、
    前記触媒被毒率検出装置により求めた触媒の被毒率が、予め定めた所定値以上であるか否かを判定する被毒率判定手段と、
    該被毒率判定手段により触媒の被毒率が所定値以上であると判定されたときに、前記負荷への接続を前記燃料電池から前記補助用電源に切り換えるとともに、前記触媒の被毒対策を実行する被毒時制御手段と
    を備えた燃料電池システム。
  8. 請求項7記載の燃料電池システムであって、
    前記被毒時制御手段は、
    互いに異なる手法で前記触媒の被毒を解消する複数の被毒解消手段と、
    前記触媒被毒率検出装置により求めた触媒の被毒率に応じて前記複数の被毒解消手段から任意のものを選択して、該選択した被毒解消手段を駆動させる選択駆動手段と
    を備えた燃料電池システム。
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