JP3598549B2 - 燃料電池の発電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池の発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、燃料の有しているエネルギを直接電気的エネルギに変換する装置として燃料電池が知られている。燃料電池は、通常、電解質を挟んで一対の電極を配置するとともに、一方の電極の表面に水素の燃料ガスを接触させ、また他方の電極の表面に酸素を含有する酸化ガスを接触させ、このとき起こる電気化学反応を利用して、電極間から電気エネルギを取り出すようにしている。
【0003】
こうした燃料電池の電気エネルギの出力は、ガス圧力、電池温度、ガス利用率などの種々の駆動条件により変化することが知られている。そこで、これらの駆動条件を適切に制御することで燃料電池の出力を高めていた。例えば、特開平5−283091号公報に記載の燃料電池装置によれば、燃料電池の動作温度を理想運転温度である80[℃]程度に制御することにより、電池出力を高める提案がなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術では、燃料電池の電極の触媒が一酸化炭素により被毒を受けたときには、前述した制御を行なっても、電池出力を必ずしも高めることができないといった問題が生じた。
【0005】
電極の触媒の被毒は次のようにして発生する。一般に、燃料電池に供給する燃料ガスは改質器により生成される。改質器により行なわれるメタノールの水蒸気改質は、次のような化学反応により成り立っている。
【0006】
CHOH→CO+2H−21.7kcal/mol (吸熱反応)…(1)
CO+HO→CO+H+9.8kcal/mol (発熱反応)…(2)
CHOH+HO→CO+3H−11.9kcal/mol(吸熱反応)…(3)
【0007】
式(1)の反応で生ずる一酸化炭素(CO)は、続く式(2)の反応により二酸化炭素(CO )に変化することから、改質反応全体を示す式(3)の反応には現われてこない。しかし、ガス圧力、電池温度等の反応条件によっては、必ずしも式(1)と式(2)とが同じように反応が進むわけではないことから、結果として式(1)の反応で生じたCOが残ってしまう。このCOは、燃料極側の電極触媒である白金または白金を含む合金に吸着して、白金の触媒としての機能を停止させる、いわゆる触媒の被毒状態を発生させる。
【0008】
このような触媒の被毒状態が発生すると、触媒としての機能が失われ、電池出力が低下するが、この低下の度合いについても、ガス圧力、電池温度、ガス利用率等の影響を受ける。例えば、触媒としての白金表面に対する一酸化炭素の吸着−脱離の平衡関係は、燃料電池の温度が高いほどより脱離する方向へ移行することから、燃料電池の温度が高いほど一酸化炭素の吸着量が少なくなり、被毒に起因する出力低下は少なくなる。このため、燃料電池の温度が理想運転温度より高くなってくると、その温度上昇に伴う燃料電池出力の低下を打ち消すほどに、被毒に起因する出力低下は少なくなり、結果として、電池出力が上昇する現象が生じた。
【0009】
即ち、燃料電池の電極の触媒が一酸化炭素による被毒を受けた状態にあるときには、燃料電池の温度は、理想温度に制御するよりも、理想温度より高温側に制御する方が燃料電池から高出力を得ることができる。触媒被毒時に出力電圧との関係が非被毒時と比べて相違するのは、こうした電池温度に限るものではなく、ガス圧力、ガス利用率等においても同様のことが言える。従って、燃料電池の電極の触媒が一酸化炭素による被毒を受けた状態にあるときには、電池温度、ガス圧力、ガス利用率等の駆動条件を非被毒時の値に制御したとしても、燃料電池から必ずしも高出力を得ることができなかった。
【0010】
この発明の燃料電池の発電装置は、電極の触媒が被毒状態に陥ったときにも、適切な制御を行なうことで、高出力を得ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成すべく、前記課題を解決するための手段として、以下に示す構成をとった。
【0012】
即ち、本発明の燃料電池の発電装置は、
触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池の発電装置であって、
前記燃料電池の出力の低下を検知する出力低下検知手段と、
前記触媒が被毒状態にあることを検知する被毒状態検知手段と、
記出力低下検知手段で前記燃料電池の出力の低下が検知されたときに、前記被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知された場合、前記電極に供給される前記反応ガスの動圧を低下させ、前記被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知されなかった場合、前記電極に供給される前記反応ガスの動圧を上昇させる制御手段と
を備えたことを、要旨としている(請求項1記載のもの)。
【0013】
また、他の燃料電池の発電装置は、
触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池の発電装置であって、
前記燃料電池の出力の低下を検知する出力低下検知手段と、
前記触媒が被毒状態にあることを検知する被毒状態検知手段と、
記出力低下検知手段で前記燃料電池の出力の低下が検知されたときに、前記被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知された場合、燃料電池の理想運転温度より高温側の所定温度に前記燃料電池の温度を制御し、前記被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知されなかった場合、燃料電池の理想運転温度に前記燃料電池の温度を制御する制御手段と
を備えたことを、要旨としている(請求項2記載のもの)。
【0014】
第1および第2の燃料電池の発電装置において、請求項1に記載の制御手段と請求項2に記載の制御手段とを兼ね備えた構成としてもよい(請求項3記載のもの)。
【0015】
さらに、これら燃料電池の発電装置において、
前記燃料電池での前記反応ガスの利用の程度をガス利用率として算出するガス利用率算出手段と、
該ガス利用率算出手段で算出したガス利用率が所定値以上となる高利用時に、前記制御手段の動作を禁止する禁止手段と
を備えた構成としてもよい(請求項4記載のもの)。
【0016】
あるいは、これら燃料電池の発電装置において、
前記燃料電池の電極のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
前記インピーダンス検出手段で検出したインピーダンスが所定の範囲外にあるときに、前記制御手段の動作を禁止する禁止手段と
を備えた構成としてもよい(請求項5記載のもの)。
【0017】
請求項1ないし3のいずれか記載の燃料電池の発電装置において、
前記燃料電池での前記反応ガスの利用の程度をガス利用率として算出するガス利用率算出手段と、
前記燃料電池の電極のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
前記ガス利用率算出手段で算出したガス利用率が所定値以上となる高利用時、または前記インピーダンス検出手段で検出したインピーダンスが所定の範囲外にあるときに、前記制御手段の動作を禁止する禁止手段
を備えた構成としてもよい。(請求項6記載のもの)。
【0018】
また、請求項1記載の燃料電池の発電装置において、
前記制御手段は、
前記燃料電池に前記反応ガスを供給するガス供給路、または前記燃料電池から前記反応ガスを排出するガス排出路に設けられ、該ガス路中のガス圧力を調整するガス圧調整手段
を備えた構成としてもよい(請求項7記載のもの)。
【0019】
【作用】
請求項1記載の燃料電池の発電装置によれば、被毒状態検知手段により触媒が被毒状態にあることが検知され、かつ、出力低下検知手段で燃料電池の出力の低下が検知されたとき、燃料電池の電極に供給される反応ガスの動圧が低下される。このため、燃料電池の出力が上昇することから、その低下した出力の回復を図ることができる。触媒の被毒状態時に反応ガスの動圧を低下させると、燃料電池の出力が上昇するのは、次のような理由による。
【0020】
燃料電池の電極触媒の白金表面に対する一酸化炭素の吸着−脱離の平衡関係は、ガス圧力が高いほどより吸着する方向へ移行することから、ガス圧力が高いほど一酸化炭素の吸着量が多くなる。この影響の度合いは、ガス圧力を上げることによる電池出力の上昇を打ち消すほどであり、このために、触媒の被毒状態時には、ガス圧力を上げるほど、電池出力が低下する現象が生じる。
【0021】
したがって、前述したように、触媒の被毒状態時に電池出力の低下が検知されたとき、反応ガスの動圧を低下させることにより、電池出力の上昇を図ることが可能となる。
【0022】
請求項2記載の燃料電池の発電装置によれば、被毒状態検知手段により触媒が被毒状態にあることが検知され、かつ、出力低下検知手段で燃料電池の出力の低下が検知されたとき、燃料電池の温度が理想運転温度より高温側の所定温度に制御される。このため、燃料電池の出力が上昇することから、その低下した出力の回復を図ることができる。触媒の被毒状態時に燃料電池の温度を理想運転温度より高温側に制御すると、燃料電池の出力が上昇するのは、次のような理由による。
【0023】
一般に、固体高分子型の燃料電池においては、電池温度80[℃]で電池出力がピークになり、80[℃]より低くても、また、80[℃]より高くても、電池出力は低下することが知られている。この80[℃]の温度が前記理想運転温度に相当する。
【0024】
燃料電池の電極触媒の白金表面に対する一酸化炭素の吸着−脱離の平衡関係は、燃料電池の温度が高いほどより脱離する方向へ移行することから、燃料電池の温度が高いほどより一酸化炭素の吸着量が少なくなる。この影響の度合いは、燃料電池の温度が理想運転温度より高くなってくると、その温度上昇に伴う電池出力の低下を打ち消すほどであり、このために、触媒の被毒状態時には、燃料電池の温度が理想運転温度より高くなると、電池出力が上昇する現象が生じる。
【0025】
したがって、前述したように、触媒の被毒状態時に電池出力の低下が検知されたとき、燃料電池の温度を理想運転温度より高温側の所定温度に制御することにより、電池出力の上昇を図ることが可能となる。
【0026】
請求項3記載の燃料電池の発電装置によれば、触媒の被毒状態時に電池出力の低下が検知されたとき、反応ガスの動圧を低下させることと、電燃料電池の温度を理想運転温度より高温側の所定温度に制御することがなされる。このため、低下した電池出力を速やかに回復することが可能となる。
【0027】
請求項4記載の燃料電池の発電装置によれば、ガス利用率算出手段で算出したガス利用率が所定値以上となる高利用時に、制御手段の動作を、禁止手段により禁止する。ガス利用率の高利用時には、触媒被毒による出力低下と誤認する恐れのある電池出力の低下がみられるが、これに対して、この燃料電池の発電装置によれば、ガス利用率の高利用時に、制御手段の動作を禁止していることから、触媒被毒による出力低下を誤検出することがない。
【0028】
請求項5記載の燃料電池の発電装置によれば、インピーダンス検出手段で検出したインピーダンスが所定の範囲外にあるときに、制御手段の動作を、禁止手段により禁止する。インピーダンスが所定の範囲外にあるときには、電解質膜が濡れすぎ、または乾きすぎであることから、触媒被毒による出力低下と誤認する恐れのある電池出力の低下がみられるが、これに対して、この燃料電池の発電装置によれば、インピーダンスが所定の範囲外にあるときに、制御手段の動作を禁止していることから、触媒被毒による出力低下を誤検出することがない。
【0029】
請求項6記載の燃料電池の発電装置によれば、ガス利用率の高利用時、またはインピーダンスが所定の範囲外にあるときに、制御手段の動作を禁止していることから、高ガス利用時、または電解質膜の濡れすぎまたは乾きすぎ時における出力低下を、触媒被毒による出力低下と誤検出することがない。
【0030】
請求項7記載の燃料電池の発電装置によれば、燃料電池に前記反応ガスを供給するガス供給路、または前記燃料電池から前記反応ガスを排出するガス排出路にガス圧調整手段を設けるだけでよく、構成が簡単にすむ。
【0031】
【実施例】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池発電システム1の概略構成図である。図1に示すように、この燃料電池発電システム1は、電気を発生する固体高分子型の燃料電池10と、メタノールタンク12に貯留されたメタノールと水タンク14に貯留された水とから水素リッチガスを製造する改質器16と、改質器16で製造された水素リッチガスを燃料ガスとして燃料電池10に送る燃料ガス供給通路17と、燃料電池10から排出されたガスを外部に送る燃料ガス排出通路18と、その燃料ガス排出通路18の開度を調整する背圧調整弁19とを備える。
【0033】
また、この燃料電池発電システム1は、燃料電池10の運転状態を検出するセンサ群として、燃料ガス排出通路18の途中に設けられ、燃料ガス中のCO濃度を検出する一酸化炭素センサ30と、燃料電池10から出力される電気信号の電圧値を検出する電圧計32とを備える。さらに、燃料電池発電システム1は、一酸化炭素センサ30および電圧計32に接続され、各種の制御処理を実行する電子制御ユニット40を備える。
【0034】
燃料電池10の構成について次に説明する。燃料電池10は、前述したように固体高分子型の燃料電池であり、その単一セル構造として、図2に示す構造を備える。即ち、図2に示すように、そのセルは、電解質膜21と、この電解質膜21を両側から挟んでサンドイッチ構造とするガス拡散電極としてのアノード22およびカソード23と、このサンドイッチ構造を両側から挟みつつアノード22およびカソード23とで燃料ガスおよび酸素含有ガスの流路を形成するセパレータ24,25と、セパレータ24,25の外側に配置されアノード22およびカソード23の集電極となる集電板26,27とにより構成されている。
【0035】
電解質膜21は、高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気電導性を示す。アノード22およびカソード23は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されており、このカーボンクロスには、触媒としての白金を担持したカーボン粉がクロスの隙間に練り込まれている。
【0036】
セパレータ24,25は、ち密質のカーボンプレートにより形成されている。また、アノード22側のセパレータ24には、複数のリブが形成されており、このリブとアノード22の表面とで燃料ガスの流路溝24pを形成する。一方、カソード23側のセパレータ25にも、複数のリブが形成されており、このリブとカソード23の表面とで酸素含有ガスの流路溝25pを形成する。集電板26,27は、銅(Cu)により形成されている。
【0037】
以上説明したのが燃料電池10の単一セルの構成であるが、実際には、セパレータ24,アノード22,電解質膜21,カソード23,セパレータ25をこの順に複数組積層して、その外側に集電板26,27を配置することにより、燃料電池10は構成されている。
【0038】
燃料ガス供給通路17は、改質器16と燃料電池10のアノード側ガス入口10a(図1)とをつなぐものであり、実際は、アノード側ガス入口10aは、図示しないマニホールドに接続されており、このマニホールドを介して燃料電池10の燃料ガス側の複数の流路溝24pに分岐接続されている。一方、燃料電池10のアノード側ガス出口10bは、図示しないマニホールドに接続されており、このマニホールドを介して燃料電池10の複数の流路溝24p(燃料ガス供給通路17とは反対側から接続)に分岐接続されている。
【0039】
一酸化炭素センサ30の構成について次に説明する。図3は、その一酸化炭素センサ30の縦断面図である。図3に示すように、この一酸化炭素センサ30は、電解質膜50と、この電解質膜50を両側から挟んでサンドイッチ構造とする2枚の電極52,54と、このサンドイッチ構造を両側から挟むことにより、サンドイッチ構造の撓みを防ぐ2枚のメッシュ状の金属板56,58と、このサンドイッチ構造および金属板56,58を保持する2個のホルダ60,62と、両ホルダ60,62を電気的に絶縁状態で連結する絶縁性部材64とを備える。
【0040】
電解質膜50は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン導電性の膜体である。電極52,54は、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されており、このカーボンクロスには、触媒としての白金を担持したカーボン粉がクロスの隙間に練り込まれている。
【0041】
こうした電解質膜50と電極52,54は具体的には次のような方法で接合されている。
【0042】
▲1▼電極基材(カーボンクロスまたはカーボンペーパ)の表面に、予めカーボン粉の表面に白金を担持して製作した触媒粉を塗布し、電解質膜50とこの電極基材をホットプレスで一体化するもの。
▲2▼電極基材の表面に、予めカーボン粉の表面に白金を担持して製作した触媒粉を塗布し、電解質膜50とこの電極基材を、プロトン導電性固体高分子溶液で接着して一体化するもの。
【0043】
▲3▼予めカーボン粉の表面に白金を担持して製作した触媒粉を、適当な有機溶剤に分散させてペースト化し、電解質膜50の表面にスクリーン印刷法等の手法で塗布する。その後、電極基材とホットプレスで一体化するもの。
▲4▼電解質膜50の表面に、スパッタ法、蒸着法、CVD法、PVD法などの薄膜形成法で、白金を担持し、その後、電極基材とホットプレスで一体化するもの。
【0044】
白金触媒を担持したカーボン粉は次のような方法で作成されている。塩化白金酸水溶液とチオ硫酸ナトリウムを混合して、亜硫酸白金錯体の水溶液を得る。この水溶液を攪拌しながら、過酸化水素水を摘下して、水溶液中にコロイド状の白金粒子を析出させる。次に担体となるカーボンブラック(例えばVulcan XC−72(米国のCABOT社の商標)やデンカブラック(電気化学工業株式会社の商標)を添加しながら、攪拌し、カーボンブラックの表面にコロイド状の白金粒子を付着させる。次に溶液を吸引ろ過または加圧ろ過して白金粒子が付着したカーボンブラックを分離した後、脱イオン水で繰り返し洗浄した後、室温で完全に乾燥させる。次に、凝集したカーボンブラックを粉砕器で粉砕した後、水素還元雰囲気中で、250℃〜350℃で2時間程度加熱することにより、カーボンブラック上の白金を還元するとともに、残留していた塩素を完全に除去して、白金触媒が完成する。
【0045】
なお、前述した燃料電池10の電解質膜21に用いられる白金触媒も、前記方法と同様にして形成されている。また、電極52,54の面積は、0.1cm〜1cm程度が望ましい。
【0046】
金属板56、58は、メッシュ状のもので、ガスの電極52,54への到達を妨げない構造となっている。その材料としては、電気伝導性に優れ、錆にくく、水素脆性を生じないものが望ましく、具体的にはチタンやステンレスが用いられている。また、メッシュ状の銅板の表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)した物でもよい。さらに、前述の要求性能を満たすものであれば、多孔質のカーボン板や、発泡ニッケルの表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)した物、あるいは、エンジニアリングプラスチックの表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)し、電気導電性を確保した物であってもよい。
【0047】
ホルダ60,62は、円柱の内部にフランジ60a,62aを持つ形状で、そのフランジ60a,62aで電解質膜50,電極52,54および金属板56,58を挟持する。その材料としては、電気伝導性に優れ、錆にくく、水素脆性を生じないものが望ましく、具体的にはチタンやステンレスが用いられる。また銅板の表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)した物でもよい。さらに、前述の要求性能を満たすものであれば、緻密質のカーボン板や、エンジニアリングプラスチックの表面を金、白金、チタン等の金属で被覆(例えば鍍金)し、電気導電性を確保した物であってもかまわない。
【0048】
なお、ホルダ62の電解質膜50側には、Oリング66が設けられており、一方の電極側の雰囲気が他方の電極側に漏れるのを防止している。ここで、Oリング66に換えて、電解質膜50の端部をホルダ62に接着剤で直接張り付けたり、熱圧着で張り付けたりして、シール性を確保する構成としてもよい。
【0049】
ホルダ60,62の外周には、ネジ60b,62bが切られており、これらネジ60b,62bと絶縁性部材64の内側に切られた2つのネジ64a,64bとを互いに螺合することで、両ホルダ60,62は、その間の電極52,電解質膜50および電極54を挟持した状態で連結される。なお、絶縁性部材64の材料としては、例えばテフロンが用いられている。
【0050】
また、この一酸化炭素センサ30は、一方側のホルダ60にネジ合いにて連結されるガス流入通路68を備えている。このガス流入通路68は、被検出ガスを電極52に導く通路であり、絶縁性の材料から形成されている。なお、他方側のホルダ62には、特別なガス通路は接続されておらず、電極54は大気に開放された状態となっている。
【0051】
さらに、この一酸化炭素センサ30は、両ホルダ60,62に設けられた検出端子60T,62Tに電気的に接続され、電極52,54間に生じる起電力を測定する電気回路70を備えている。この電気回路70は、電圧計72と負荷電流調整用の抵抗器74とから構成されており、電圧計72の信号は外部の制御系統に出力される。なお、燃料ガスが供給される電極52側のホルダ60の検出端子60Tはマイナス極、大気に連通する電極54側のホルダ62の検出端子62Tはプラス極となるように電圧計72が接続されている。
【0052】
こうして構成された一酸化炭素センサ30は、燃料ガス供給通路17の分岐口17aにネジ合いにて連結されており、図示しない燃料電池本体に供給する燃料ガス中のCO濃度の検出用に用いられている。
【0053】
この一酸化炭素センサ30では、電極52に燃料ガスが供給されると電解質膜50を介して電極52,54間に起電力が生じることから、この起電力を電気回路70の電圧計72を用いて検出している。この起電力は、燃料電池本体と同様に、一酸化炭素による触媒の被毒を受けて低下することから、CO濃度が高い場合には小さく、CO濃度が低い場合には大きい。このため、既知のCO濃度のガスを使って、CO濃度とその時の電圧計72の測定値との関係を予め調べておくことにより、被検出ガスのCO濃度を測定することが可能となる。なお、この測定の際の検出感度は水素の影響を受けることがないことから、燃料ガスと言った多量の水素であってもその中の一酸化炭素を高精度で測定することができる。
【0054】
図1に戻り、電子制御ユニット40は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算等を実行するCPU42と、CPU42で各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROM44と、同じくCPU42で各種演算処理を実行するのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM46と、一酸化炭素センサ30,電圧計32からの出力信号を入力する入力処理回路48と、CPU42での演算結果に応じて背圧調整弁19に制御信号を出力する出力処理回路49等を備える。
【0055】
なお、図1ではガス系統についてはアノード側のガス系統のみを記載し、カソード側のガス系統の記載は省略してある。
【0056】
以上のような構成の電子制御ユニット40によれば、背圧調整弁19の開度を調整することで、燃料電池10の流路溝24pを流れる燃料ガスの流速を変化させて、燃料電池10の出力の制御を行なっている。
【0057】
こうした電子制御ユニット40によって実行される電池出力制御処理について、図4のフローチャートに沿って説明する。この制御処理は、詳しくは、CPU42により実行され、燃料電池10の起動後、所定時間(例えば、10[msec])毎に繰り返し実行される。図4に示すように、CPU42は、処理が開始されると、まず、電圧計32により検出した燃料電池10の出力電圧Eを読み込み(ステップS81)、次いで、一酸化炭素センサ30からの出力電圧をCO濃度Dとして読み込む(ステップS82)。
【0058】
続いて、ステップS81で読み込んだ出力電圧Eから、前回この処理ルーチンを実行したときに読み込んだ出力電圧E′を引いた差分△Eを求め、その差分△Eが予め定めた所定電圧−E0(マイナスE0、但し、E0>0)より小さいか否かを判別する(ステップS83)。この判別は、燃料電池の出力電圧Eが、所定電圧E0以上の変化量で低下したか否か判定するものである。ステップS83で否定判定、即ち、燃料電池の出力電圧Eが所定電圧E0以上の変化量で低下しなかったと判別されると、処理をそのまま「リターン」に進めて、この制御ルーチンの処理を一旦終了する。
【0059】
一方、ステップS83で、肯定判定、即ち、燃料電池の出力電圧Eが所定電圧E0以上の変化量で低下したと判別されると、続いて、ステップS82で読み込んだ一酸化炭素濃度Dが、予め定めた所定の濃度D0より大きいか否かを判定することにより、アノード22の触媒は被毒状態であるか否かを判別する処理を行なう(ステップS84)。
【0060】
ステップS84で、触媒が被毒状態にあると判別されると、CPU42は、背圧調整弁19を所定の開度だけ開方向に制御して、燃料ガス排出通路18のガス圧力Pを現在の圧力(正常運転時の圧力)から所定の圧力△P1だけ低下させる(ステップS85)。一方、ステップS84で、触媒が被毒状態でないと判別されると、背圧調整弁19を所定の開度だけ閉方向に制御して、ガス排出通路20のガス圧力Pを現在の圧力(正常運転時の圧力)から所定の圧力△P1だけ上昇させる(ステップS86)。ステップS85またはS86の実行後、処理を「リターン」に進めて、この制御ルーチンを一旦終了する。
【0061】
なお、この制御ルーチンでは詳しく述べなかったが、ステップS85またはS86で前記ガス圧力Pの低下または上昇の制御が行なわれた後には、出力電圧Eの低下の回復を待って、前記低下または上昇したガス圧力Pを徐々に元に戻す処理を行なっている。
【0062】
以上詳述したように、この第1実施例の燃料電池発電システム1によれば、燃料電池10の出力電圧Eが所定電圧E0以上の変化量で低下し、かつ、アノード22の触媒が被毒状態となったときに、ガス排出通路20のガス圧力Pを△P1だけ低下させるように構成されている。
【0063】
燃料電池10のアノード22に連絡されるガス排出通路20の圧力Pと燃料電池の出力電圧Eとの関係を図5のグラフに示した。このグラフは、燃料電池10をセル温度80[℃]、電流密度0.3A/cm の条件下で、燃料ガスとして純粋の水素ガスを供給したときと、100ppmの濃度の一酸化炭素を含む水素ガスを供給したときとを区別して計測したものである。
【0064】
図5のグラフからわかるように、燃料ガスとして純粋の水素ガスを供給したとき、即ち、アノード22の触媒が被毒状態にないときには、ガス圧力Pが高いほど燃料電池の出力電圧Eが高くなる。これに対して、燃料ガスとして、100ppmの濃度の一酸化炭素を含む水素ガスを供給したとき、即ち、アノード22の触媒が被毒状態となるときには、ガス圧力Pが高いほど出力電圧Eは低くなる。
【0065】
このため、この第1実施例のように、アノード22の触媒の被毒状態時に、燃料電池10の出力電圧Eの低下が検知されたときに、ガス排出通路20のガス圧力Pを△P1だけ低下させることにより、出力電圧Eを上昇させることができる。従来、出力電圧Eが低下すると、ガス圧力Pを高めて出力電圧Eの回復を図ろうとするが、ガス圧力Pを高める方向に制御すると、触媒の被毒状態時には、より一層の出力電圧Eの低下を招いたが、この第1実施例によれば、ガス圧力Pを低下する方向に制御することで、出力電圧Eを確実に高めることができる。さらに言えば、従来、前述したようなより一層の出力電圧Eの低下を招くことで、燃料電池が失速(燃料電池の出力が急激に低下すること)する恐れがあったが、こうした恐れも解消される。
【0066】
本発明の第2実施例について次に説明する。図6は、第2実施例としての燃料電池発電システム101の概略構成図である。図6に示すように、この燃料電池発電システム101は、第1実施例の燃料電池発電システム1のハードウェア構成をそのまま備えた上で(同一のパーツには第1実施例と同じ符号を付した)、さらに、次のようなハードウェア構成を備える。燃料電池10には、セルの温度を検出する温度計134を備えており、また、冷却水系統として、燃料電池10に内蔵される冷却水流路110に冷却水を循環させる循環通路136と、この循環通路136に設けられる冷却水ポンプ138およびラジエータ139を備える。
【0067】
温度計134は、電子制御ユニット40の入力処理回路48と接続され、また、冷却水ポンプ138は、電子制御ユニット40の出力処理回路49と接続されている。電子制御ユニット40によれば、前記温度計134を始めとする各種センサからの検出信号に応じて冷却水ポンプ138の吐出量を制御することで、燃料電池のセル温度を変えて、燃料電池10の出力の制御を行なっている。
【0068】
こうした電子制御ユニット40によって実行される電池出力制御処理について、図7および図8のフローチャートに沿って説明する。この制御処理は、詳しくは、CPU42により実行され、所定時間(例えば、10[msec])毎に繰り返し実行される。図7に示すように、CPU42は、処理が開始されると、まず、温度計134により検出した燃料電池10のセルの温度(以下、電池温度と呼ぶ)Tを読み込む(ステップS180)。続いて、第1実施例の電池出力制御処理のステップS81ないしS84と同じステップS181ないしS184の処理を実行する。
【0069】
ステップS184で、触媒が被毒状態にあると判別されると、続いて、CPU42は、電池温度Tが80[℃](理想運転温度)以下であるか否かを判別する(ステップS185)。ここで、電池温度Tが80[℃]以下である場合、ステップS186に進み、冷却水ポンプ138に吐出量を低下する旨の制御信号を送って、電池温度Tを90[℃]に制御する処理を実行する。具体的には、冷却水ポンプ138の吐出量を徐々に低下して、温度計134で検出される電池温度Tを徐々に高め、電池温度Tが90[℃]を越えたら冷却水ポンプ138の吐出量を増量して、温度Tの上昇を止める。こうして電池温度Tを90[℃]に制御する。その後、「リターン」に抜けて、この制御ルーチンの処理を一旦終了する。
【0070】
一方、ステップS185で、電池温度Tが80[℃]を上回っていると判別されると、ステップS187に進み、電池温度Tが90[℃]を上回っているか否かを判別する処理を行なう。ここで、電池温度Tが90[℃]を上回っていると判別されると、冷却水ポンプ138に吐出量を増加する旨の制御信号を送って、電池温度Tをダウンする処理を実行する(ステップS188)。一方、電池温度Tが90[℃]以下であるときには、ステップS188の処理を飛ばして、電池温度Tを現在の温度のまま保持する。その後、「リターン」に抜けて、この制御ルーチンの処理を一旦終了する。
【0071】
ステップS184で触媒が被毒状態にないと判別された場合について次に説明する。この場合には、CPU42は、処理を図8のステップS189に進め、電池温度Tが80[℃]を下回っているか否かを判別する処理を行なう。ここで、電池温度Tが80[℃]を下回っていると判別されると、冷却水ポンプ138に吐出量を低下する旨の制御信号を送って、電池温度Tを高める処理を実行する(ステップS190)。
【0072】
一方、ステップS189で、電池温度Tが80[℃]を下回っていないと判別されると、ステップS191に進み、電池温度Tが80[℃]を上回っているか否かを判別する処理を行なう。ここで、電池温度Tが80[℃]を上回っていると判別されると、冷却水ポンプ138に吐出量を増加する旨の制御信号を送って、電池温度Tを低下する処理を実行する(ステップS192)。一方、ステップS191で、電池温度Tが80[℃]を上回っていないと判別されると、電池温度Tを現在の温度のまま保持する。その後、「リターン」に抜けて、この制御ルーチンの処理を一旦終了する。
【0073】
即ち、この電池出力制御処理によれば、燃料電池10の出力電圧Eの低下時に、触媒が被毒状態にある場合、ステップS185ないしS188により次の処理を行なっている。
▲1▼電池温度Tが80[℃]または80[℃]を下回っているとき、電池温度Tを90[℃]に制御する。
▲2▼電池温度Tが80[℃]を上回っているとき、電池温度Tを現在の温度のまま保持する。
【0074】
一方、燃料電池10の出力電圧Eの低下時に、触媒が被毒状態にない場合、ステップS189ないしS192により次の処理を行なっている。
▲3▼電池温度Tが80[℃]のとき、電池温度Tを現在の温度のまま保持する。
▲4▼電池温度Tが80[℃]を下回っているとき、電池温度Tをアップして80[℃]に制御する。
▲5▼電池温度Tが80[℃]を上回っているとき、電池温度Tをダウンして80[℃]に制御する。
【0075】
以上詳述したように、この第2実施例の燃料電池発電システム101によれば、燃料電池10の出力電圧Eが所定電圧E0以上の変化量で低下し、かつ、アノード22の触媒が被毒状態となったときに、燃料電池10のセルの温度Tを理想運転温度である80[℃]より高温側の90[℃]に制御している。
【0076】
燃料電池10のセルの温度Tと燃料電池の出力電圧Eとの関係を図9のグラフに示した。このグラフは、燃料電池10を水素ガス圧1.5[atm]、酸素含有ガス圧1.5[atm]、電流密度0.2A/cm の条件下で、燃料ガスとして純粋の水素ガスを供給したときと、100ppmの濃度の一酸化炭素を含む水素ガスを供給したときとを区別して計測したものである。
【0077】
図9のグラフからわかるように、燃料ガスとして純粋の水素ガスを供給したとき、即ち、アノード22の触媒が被毒状態にないときには、電池温度Tが理想運転温度である80[℃]付近で出力電圧Eはピーク値となったが、これに対して、燃料ガスとして、100ppmの濃度の一酸化炭素を含む水素ガスを供給したとき、即ち、アノード22の触媒が被毒状態となるときには、電池温度Tが高いほど出力電圧Eは低くなる。
【0078】
このため、この第2実施例のように、アノード22の触媒の被毒状態時に、燃料電池10の出力電圧Eの低下が検知されたときに、電池温度Tを理想運転温度より高温側の90[℃]という温度に制御することにより、出力電圧Eを上昇させることができる。従来、出力電圧Eが低下したということで、電池温度Tを理想運転温度に制御することにより出力電圧Eの回復を図ろうとするが、これでは、充分に出力電圧Eを高めることができなかったが、この第2実施例によれば、ガス圧力Pを低下する方向に制御することで、出力電圧Eを確実に高めることができる。
【0079】
なお、この第2実施例で制御する電池温度Tを90[℃]としたのは、100[℃]以上とすると水が沸騰して水の取扱いが困難になることから、理想運転温度である80[℃]より高い90[℃]程度としたもので、必ずしもこの温度に限るものではなく、例えば、95[℃]としてもよい。
【0080】
本発明の第3実施例について次に説明する。この第3実施例としての燃料電池発電システムは、第2実施例のハードウェア構成と同じハードウェアの構成を備え、ソフトウェアとしての電子制御ユニット40で実行される電池出力制御処理が相違する。この電池出力制御処理は、第1実施例の電池出力制御処理と第2実施例の電池出力制御処理とを兼ね備えたものである。詳しくは、図7および図8で示した第2実施例の電池出力制御処理において、ステップS184とS185との間に、図4で示した第1実施例の電池出力制御処理のステップS85を挿入し、ステップS184とS189との間に同じく第1実施例のステップS86を挿入した構成とする。
【0081】
即ち、こうした構成により、燃料電池10の出力電圧Eの低下時に、触媒が被毒状態にある場合、電池温度Tを理想運転温度より高温側の90[℃]に上昇させつつ、ガス圧力Pを低下させる。一方、燃料電池10の出力電圧Eの低下時に、触媒が被毒状態にない場合には、電池温度Tを理想運転温度である80[℃]に保ちつつ、ガス圧力Pを上昇させる。
【0082】
以上詳述したように、この第3実施例によれば、触媒の一酸化炭素被毒によって燃料電池10の出力電圧Eが低下したとき、電池温度Tを理想運転温度より高温側の90[℃]に上昇させる制御と、ガス圧力Pを低下させる制御との双方を共に実行することで、低下した燃料電池10の出力電圧Eを速やかに回復することができる。
【0083】
本発明の第4実施例について次に説明する。図10は、第4実施例としての燃料電池発電システム201の概略構成図である。図10に示すように、この燃料電池発電システム201は、第1実施例の燃料電池発電システム1のハードウェア構成をそのまま備えた上で(同一のパーツには第1実施例と同じ符号を付した)、さらに、次のようなハードウェア構成を備える。即ち、燃料電池発電システム201は、改質器16と燃料電池10とを結ぶ燃料ガス供給通路17に設けられ、燃料電池10への燃料ガスの吸入量を検出するガス流量計231と、燃料電池10に接続され、その出力電流値を検出する電流計233を備える。
【0084】
ガス流量計231および電流計233は、電子制御ユニット40の入力処理回路48と接続されている。電子制御ユニット40によれば、これらセンサ231,233を始めとする各種センサからの検出信号に応じて背圧調整弁19の開度を調整することで、燃料電池10の流路溝24pを流れる燃料ガスの流速を変化させて、燃料電池10の出力の制御を行なっている。
【0085】
こうした電子制御ユニット40によって実行される電池出力制御処理について、図11のフローチャートに沿って説明する。この制御処理は、詳しくは、CPU42により実行され、所定時間(例えば、10[msec])毎に繰り返し実行される。図11に示すように、CPU42は、処理が開始されると、第1実施例の電池出力制御処理のステップS81ないしS83と同じステップS281ないしS283の処理を実行する。
【0086】
ステップS283で、ステップS83で否定判定、即ち、燃料電池の出力電圧Eが所定電圧E0以上の変化量で低下しなかったと判別されると、「リターン」に抜けて、この制御ルーチンの処理を一旦終了する。一方、ステップS283で、肯定判定、即ち、燃料電池の出力電圧Eが所定電圧E0以上の変化量で低下したと判別されると、次のような処理を実行する。
【0087】
CPU42は、まず、電流計233により検出した燃料電池10の出力電流Iを読み込み(ステップS284)、その出力電流Iから理論上必要とされる燃料電池10の燃料ガス流量MAを算出する(ステップS285)。続いて、燃料ガス供給通路17を介して燃料電池10に実際に流入する燃料ガス流入量MBをガス流量計231から読み込む処理を行なう(ステップS286)。その後、ステップS286で読み込んだ実際の流量量MBをステップS285で算出した燃料ガスの必要量MAで割算して、その答に100を掛けることにより、燃料ガス利用率Rを算出する(ステップS287)。
【0088】
続いて、CPU42は、その算出された燃料ガス利用率Rが100[%]未満であるか否かを判定し(ステップS288)、ここで、100[%]未満であると判定されると、燃料ガスが充分に供給された上で、燃料電池10は出力低下を起こしたものとして、第1実施例の電池出力制御処理のステップS84ないしS86と同じステップS290ないしS292の処理を実行する。
【0089】
一方、ステップS288で、否定判定、即ち燃料ガス利用率Rが100[%]以上であると判定された場合、処理をステップS293に進めて、図示しない制御弁を調整して、改質器16に供給される水とメタノールの量を増加させる。ステップS293の結果、不足している燃料ガスが補充され、燃料ガス利用率Rを低下させることができる。なお、このステップS293の処理に換えて、燃料電池10に接続された負荷を軽減し、燃料電池の出力電流を小さくすることにより、燃料ガス利用率Rを低下させる構成としてもよい。
【0090】
ステップS291、S292またはS293の実行後、「リターン」に抜けて、この制御ルーチンの処理を一旦終了する。
【0091】
なお、この制御処理では、燃料電池10のカソード23側に供給する酸素含有ガスは常に100[%]未満のガス利用率となるものと仮定していたが、実際は、酸素含有ガスの利用率も算出して、ステップS288の判定処理では、燃料ガス利用率Rと酸素含有ガスの利用率との双方についてガス利用率が100[%]未満であるか否かを判別し、いずれか一方でも100[%]以上となったら、その該当するガスについて直ちに燃料ガスを補充する構成とするのが望ましい。
【0092】
以上詳述したように、この第4実施例の燃料電池発電システム201によれば、燃料電池10の出力電圧Eの低下が見られたときに、アノード側およびカソード側双方のガス利用率が100[%]未満となっているかを判別し、100[%]未満のときに限って、触媒の被毒状態を判定して、その被毒状態に応じた電池出力の制御を行なっている。即ち、ガス利用率が100[%]以上の場合には、触媒状態に応じた制御を実行せずに、直ちにガス圧力を△P2だけ高めて、電池出力の回復を図る構成としている。ガス利用率が100%以上となったときには、一酸化炭素被毒による出力低下と誤認する恐れのある電池出力の低下がみられるが、これは、ガス利用率が高くなるほど、アノード側ガス入口での一酸化炭素濃度は同じでも、アノード側ガス出口での一酸化炭素濃度が高くなるためである。
【0093】
これに対して、この燃料電池発電システム201では、触媒の被毒状態の判定とともに、ガス利用率も測定し、これを制御系統の判断材料の一つに加えることにより、触媒の被毒状態の判定を高精度なものとした。したがって、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより高い精度で的確に行なうことができる。
【0094】
なお、この第4実施例は、第1実施例の構成に、ガス利用率に基づく制御を加えたものと解することができるが、これに換えて、第2実施例の構成に、ガス利用率に基づく制御を加えた構成としてもよい。即ち、燃料電池の温度に基づく電池出力制御を、ガス利用率が100[%]以上となったときに禁止する構成とする。この構成により、第4実施例と同様に、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより高い精度で的確に行なうことができる。
【0095】
また、第3実施例の構成に、ガス利用率に基づく制御を加えた構成としてもよい。即ち、ガス圧力と電池温度とに基づく電池出力制御を、ガス利用率が100[%]以上となったときに禁止する構成とする。この構成により、第4実施例と同様に、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより高い精度で的確に行なうことができる。
【0096】
本発明の第5実施例について次に説明する。図12は、第5実施例としての燃料電池発電システム301の概略構成図である。図12に示すように、この燃料電池発電システム301は、第1実施例の燃料電池発電システム1のハードウェア構成をそのまま備えた上で(同一のパーツには第1実施例と同じ符号を付した)、さらに、次のようなハードウェア構成を備える。即ち、改質器16と燃料電池10とを結ぶ燃料ガス供給通路17に設けられ、燃料電池10への燃料ガスを加湿する加湿器303と、加湿器303をバイパスするバイパス通路305と、そのバイパス通路305に設けられ、その流量を制御するMFC(Mass Flow Controller )307とを備える。さらに、燃料電池10のインピーダンスを検出するインピーダンス計334を備える。
【0097】
インピーダンス計334は、電子制御ユニット40の入力処理回路48と接続されている。電子制御ユニット40によれば、このインピーダンス計334を始めとする各種センサからの検出信号に応じて背圧調整弁19の開度を調整することで、燃料電池10の流路溝24pを流れる燃料ガスの流速を変化させると共に、MFCによる制御流量を調整することにより、燃料電池10に供給される燃料ガスの湿度を変化させることにより、燃料電池10の出力の制御を行なっている。
【0098】
こうした電子制御ユニット40によって実行される電池出力制御処理について、図12のフローチャートに沿って説明する。この制御処理は、詳しくは、CPU42により実行され、所定時間(例えば、10[msec])毎に繰り返し実行される。図11に示すように、CPU42は、処理が開始されると、第1実施例の電池出力制御処理のステップS81ないしS83と同じステップS381ないしS383の処理を実行する。
【0099】
ステップS383で、ステップS83で否定判定、即ち、燃料電池の出力電圧Eが所定電圧E0以上の変化量で低下しなかったと判別されると、「リターン」に抜けて、この制御ルーチンの処理を一旦終了する。一方、ステップS383で、肯定判定、即ち、燃料電池の出力電圧Eが所定電圧E0以上の変化量で低下したと判別されると、次のような処理を実行する。
【0100】
CPU42は、まず、インピーダンス計334で検出されたインピーダンスZを読み込み(ステップS384)、そのインピーダンスZが予め定められた第1の所定インピーダンス値Z1から第2の所定インピーダンス値Z2(>Z1)までの範囲内に該当するか否かを判定する(ステップS385)。この判定処理は、電解質膜21と電極22,23との接合体が濡れすぎでも、乾きすぎでもない正常状態にあるか否かを判別するものである。
【0101】
ステップS385で正常な状態であると判定されると、電解質膜21と電極22,23との接合体が濡れすぎでも乾きすぎでもない正常状態で、燃料電池10は出力低下を起こしたものとして、第1実施例の電池出力制御処理のステップS84ないしS86と同じステップS390ないしS392の処理を実行する。
【0102】
一方、ステップS385で、否定判定、即ちインピーダンスZがZ1からZ2の範囲内に該当しないと判定された場合、処理をステップS393に進める。ステップS393では、インピーダンスZが第2の所定インピーダンスZ2を上回る場合、MFC307に流量を低下する制御信号を出力して、バイパス通路305の流量を減量する。この結果、燃料電池10に供給されるガスのうち加湿器303を流れる濡れたガス量の相対的割合が増加して、燃料電池10の乾きすぎが解消される。一方、インピーダンスZが第1の所定インピーダンスZ1を下回る場合、MFC307に流量を増加する制御信号を出力して、バイパス通路305の流量を増量する。この結果、燃料電池10に供給されるガスのうち加湿器303を流れるガス量の相対的割合が減少して、乾燥したガス量が増加して、燃料電池10の濡れすぎが解消される。
【0103】
ステップS391、S392またはS393の実行後、「リターン」に抜けて、この制御ルーチンの処理を一旦終了する。
【0104】
以上詳述したように、この第5実施例の燃料電池発電システム301によれば、燃料電池10の出力電圧Eの低下が見られたときに、燃料電池10のインピーダンスZが所定の範囲Z1〜Z2内に該当するか否かを判定し、該当する場合に限って、触媒の被毒状態を判定して、その被毒状態に応じた電池出力の制御を行なっている。即ち、インピーダンスZが所定の範囲Z1〜Z2の外に該当する場合には、触媒状態に応じた制御を実行せずに、直ちにそのインピーダンスZを所定の範囲Z1〜Z2の範囲内に戻すべく、電解質膜21と電極22,23との接合体の濡れすぎ、または乾きすぎを解消する。
【0105】
電解質膜および電極の接合体が濡れすぎ、乾きすぎとなったときには、一酸化炭素被毒による出力低下と誤認する恐れのある電池出力の低下がみられる。これに対して、この燃料電池発電システム201では、触媒の被毒状態の判定とともに、燃料電池10のインピーダンスを測定し、インピーダンスZから判明する電解質膜および電極の接合体の濡れすぎ、乾きすぎの判定を制御系統の判断材料の一つに加えることにより、触媒の被毒状態の判定を高精度なものとした。したがって、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより高い精度で的確に行なうことができる。
【0106】
なお、この第5実施例は、第1実施例の構成に、インピーダンスZに基づく制御を加えたものと解することができるが、これに換えて、第2実施例の構成に、インピーダンスZに基づく制御を加えた構成としてもよい。即ち、燃料電池の温度に基づく電池出力制御を、インピーダンスZが所定の範囲Z1〜Z2外となったときに禁止する構成とする。この構成により、第5実施例と同様に、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより高い精度で的確に行なうことができる。
【0107】
また、第3実施例の構成に、インピーダンスZに基づく制御を加えた構成としてもよい。即ち、ガス圧力と電池温度とに基づく電池出力制御を、インピーダンスZが所定の範囲Z1〜Z2外となったときに禁止する構成とする。この構成により、第5実施例と同様に、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより高い精度で的確に行なうことができる。
【0108】
さらに、第4実施例の構成に、インピーダンスZに基づく制御を加えた構成としてもよい。即ち、ガス圧力と電池温度とに基づく電池出力制御を、ガス利用率が100[%]以上となったとき、または、インピーダンスZが所定の範囲Z1〜Z2外となったときに禁止する構成とする。この構成により、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより一層、高い精度で的確に行なうことができる。
【0109】
前述した各実施例では、被毒状態検知手段として、一酸化炭素センサ30により燃料ガス中のCO濃度を検出し、そのCO濃度が所定濃度以上となったときに、触媒は被毒状態にあると判別検知していたが、これに限るものではなく、一酸化炭素センサ30として、他の構成のもの、例えば定電位電解式の一酸化炭素センサを用いた構成としてもよい。また、電極の燃料ガスの流入側と流出側との温度差を検出し、その温度差から触媒の被毒状態を推定することにより、触媒の被毒状態を検出する構成としてもよい。
【0110】
前述した各実施例では、燃料電池10のアノード22の触媒として、白金を使用する場合について述べたが、この他にもアノード側電極触媒として、第1成分である白金と、第2成分であるルテニウム、ニッケル、コバルト、バナジウム、パラジウム、インジウム等の中の1種類または2種類以上の成分との合金から成る合金触媒を使用する構成としてもよい。この場合にも、第1ないし第3実施例と同様な効果を奏することができる。
【0111】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0112】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の請求項1記載の燃料電池の発電装置では、触媒の被毒状態時に電池出力の低下が検知されたとき、反応ガスの動圧を低下させることにより、電池出力の上昇を図ることができる。従来、電池出力が低下すると、反応ガスの動圧を高めてその出力の回復を図ろうとするが、動圧を高める方向に制御すると、触媒の被毒状態時には、より一層の出力低下を招いたが、この発明の燃料電池の発電装置によれば、反応ガスの動圧を低下する方向に制御することで、電池出力を確実に高めることができる。即ち、触媒の被毒状態時に電池出力の制御を適正に行なうことができるといった優れた効果を奏する。
【0113】
本発明の請求項2記載の燃料電池の発電装置では、触媒の被毒状態時に電池出力の低下が検知されたとき、燃料電池の温度を理想運転温度より高温側に制御することにより、電池出力の上昇を図ることができる。この結果、触媒の被毒状態時に電池出力の制御を適正に行なうことができるといった優れた効果を奏する。
【0114】
請求項3記載の燃料電池の発電装置によれば、触媒の被毒状態時に電池出力の低下が検知されたとき、反応ガスの動圧を低下させることと、電燃料電池の温度を理想運転温度より高温側の所定温度に制御することがなされることから、低下した電池出力を速やかに回復することができる。
【0115】
請求項4記載の燃料電池の発電装置では、ガス利用率が所定値以上となる高利用時に、触媒被毒による出力低下を誤検出することがなく、その結果、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより高い精度で的確に行なうことができる。
【0116】
請求項5記載の燃料電池の発電装置では、電解質膜が濡れすぎまたは乾きすぎ時に、触媒被毒による出力低下を誤検出することがなく、その結果、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより高い精度で的確に行なうことができる。
【0117】
請求項6記載の燃料電池の発電装置では、ガス利用率が所定値以上となる高利用時、または電解質膜が濡れすぎまたは乾きすぎ時に、触媒被毒による出力低下を誤検出することがなく、その結果、触媒被毒に起因する電池出力の回復をより一層、高い精度で的確に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての燃料電池発電システム1の概略構成図である。
【図2】燃料電池10のセル構造を示す構造図である。
【図3】一酸化炭素センサ30の縦断面図である。
【図4】電子制御ユニット40のCPU42により実行される電池出力制御処理を示すフローチャートである。
【図5】アノード側のガス圧力Pと燃料電池の出力電圧Eとの関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例としての燃料電池発電システム101の概略構成図である。
【図7】この第2実施例で実行される電池出力制御処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図8】その後半部分を示すフローチャートである。
【図9】燃料電池10のセルの温度Tと燃料電池の出力電圧Eとの関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第4実施例としての燃料電池発電システム201の概略構成図である。
【図11】この第4実施例で実行される電池出力制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第5実施例としての燃料電池発電システム301の概略構成図である。
【図13】この第5実施例で実行される電池出力制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料電池発電システム
10…燃料電池
10a…アノード側ガス入口
10b…アノード側ガス出口
12…メタノールタンク
14…水タンク
16…改質器
17…燃料ガス供給通路
18…燃料ガス排出通路
19…背圧調整弁
21…電解質膜
22…アノード
23…カソード
24…セパレータ
24p…流路溝
25…セパレータ
25p…流路溝
26,27…集電板
30…一酸化炭素センサ
32…電圧計
40…電子制御ユニット
42…CPU
44…ROM
46…RAM
48…入力処理回路
49…出力処理回路
50…電解質膜
52,54…電極
56,58…金属板
60,62…ホルダ
60T,62T…検出端子
60a,62a…フランジ
60b,62b…ネジ
64…絶縁性部材
64a,64b…ネジ
66…Oリング
68…ガス流入通路
70…電気回路
72…電圧計
74…抵抗器
101…燃料電池発電システム
110…冷却水流路
134…温度計
136…循環通路
138…冷却水ポンプ
139…ラジエータ
201…燃料電池発電システム
231…ガス流量計
233…電流計
301…燃料電池発電システム
303…加湿器
305…バイパス通路
307…MFC
334…インピーダンス計

Claims (7)

  1. 触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池の発電装置であって、
    前記燃料電池の出力の低下を検知する出力低下検知手段と、
    前記触媒が被毒状態にあることを検知する被毒状態検知手段と、
    記出力低下検知手段で前記燃料電池の出力の低下が検知されたときに、前記被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知された場合、前記電極に供給される前記反応ガスの動圧を低下させ、前記被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知されなかった場合、前記電極に供給される前記反応ガスの動圧を上昇させる制御手段と
    を備えた燃料電池の発電装置。
  2. 触媒を担持した電極に反応ガスを供給して、その反応ガスの化学反応から起電力を得る燃料電池の発電装置であって、
    前記燃料電池の出力の低下を検知する出力低下検知手段と、
    前記触媒が被毒状態にあることを検知する被毒状態検知手段と、
    記出力低下検知手段で前記燃料電池の出力の低下が検知されたときに、前記被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知された場合、燃料電池の理想運転温度より高温側の所定温度に前記燃料電池の温度を制御し、前記被毒状態検知手段により前記触媒が被毒状態にあることが検知されなかった場合、燃料電池の理想運転温度に前記燃料電池の温度を制御する制御手段と
    を備えた燃料電池の発電装置。
  3. 請求項1に記載の制御手段と請求項2に記載の制御手段とを兼ね備えた請求項1または2記載の燃料電池の発電装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか記載の燃料電池の発電装置であって、
    前記燃料電池での前記反応ガスの利用の程度をガス利用率として算出するガス利用率算出手段と、
    該ガス利用率算出手段で算出したガス利用率が所定値以上となる高利用時に、前記制御手段の動作を禁止する禁止手段と
    を備えた燃料電池の発電装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれか記載の燃料電池の発電装置であって、
    前記燃料電池の電極のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
    前記インピーダンス検出手段で検出したインピーダンスが所定の範囲外にあるときに、前記制御手段の動作を禁止する禁止手段と
    を備えた燃料電池の発電装置。
  6. 請求項1ないし3のいずれか記載の燃料電池の発電装置であって、
    前記燃料電池での前記反応ガスの利用の程度をガス利用率として算出するガス利用率算出手段と、
    前記燃料電池の電極のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
    前記ガス利用率算出手段で算出したガス利用率が所定値以上となる高利用時、または前記インピーダンス検出手段で検出したインピーダンスが所定の範囲外にあるときに、前記制御手段の動作を禁止する禁止手段
    を備えた燃料電池の発電装置。
  7. 請求項1記載の燃料電池の発電装置であって、
    前記制御手段は、
    前記燃料電池に前記反応ガスを供給するガス供給路、または前記燃料電池から前記反応ガスを排出するガス排出路に設けられ、該ガス路中のガス圧力を調整するガス圧調整手段
    を備えた燃料電池の発電装置。
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