JP3567214B2 - カード搬送路切替装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードや磁気カードを搬送するカード搬送装置に関し、特に、カードの搬送を別のカード搬送路に切り替えるカード搬送路切替装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のカード搬送路切替装置においては、それぞれ駆動ローラが設けられた2つのカード搬送路と、それぞれの駆動ローラに対接する一対のピンチローラと、これらピンチローラを回転自在に支持する揺動自在な一対のブラケットと、前記ピンチローラを駆動ローラに対接する方向にブラケットを付勢する一対の付勢手段と、一対のブラケットを選択的に切り替える切替レバーとが備えられている。そして、切替レバーを操作し、付勢手段に抗して一対のブラケットを互い違いに揺動させることにより、一対のピンチローラを一対の駆動ローラに互い違いに対接させ、2つのカード搬送路にカードを選択的に搬送させるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のカード搬送路切替装置においては、ブラケットおよび付勢手段を一対必要とするために、部品点数が増加するばかりか構造が複雑になるという問題があった。
【0004】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、部品点数を削減するとともに構造を簡素化したカード搬送路切替装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、互いの軸線が角度をなす一対の駆動ローラと、これら駆動ローラに対接する一対のピンチローラと、これら一対のピンチローラを回転自在に支持する搬送方向切替ブラケットとを備え、前記搬送方向切替ブラケットに前記一対のピンチローラのうちの一方のピンチローラの軸線と平行な軸支承孔を設け、この軸支承孔に支承された軸を介して前記搬送方向切替ブラケットを揺動自在に支持し、前記一対の駆動ローラ側に前記一対のピンチローラを互い違いに対接させたものである。
したがって、1個のブラケットを揺動させることにより、一対のピンチローラが一対の駆動ローラに互い違いに対接し、カード搬送路が切り替えられる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記搬送方向切替ブラケットを合成樹脂で形成するとともに、両ピンチローラをそれぞれ支持する一対の支持部を略同一平面上に設け、前記一対のピンチローラのうち他方のピンチローラの外周部の側端側を面取りしたものである。
したがって、他方のピンチローラの周面はその軸線方向において角度をなして駆動ローラの周面に対接するが、他方のピンチローラの面取部が駆動ローラの周面に対接する。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記一方のピンチローラとこの一方のピンチローラが対接する駆動ローラとで主搬送路を形成し、前記他方のピンチローラとこの他方のピンチローラが対接する駆動ローラとで従搬送路を形成したものである。
したがって、使用頻度の高い主搬送路においては、ピンチローラの周面と駆動ローラの周面とが平行に対接する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1(a)は本発明に係るカード搬送路切替装置を適用したカード処理装置の搬送ユニットを取り外した状態を示す正面図、同図(b)は同図(a)におけるI(b)−I(b)線断面図である。
【0007】
図2は図1におけるII−II 線断面図であって、同図(a)はカードを処理している状態を示し、同図(b)はカード回収に切り替えた状態を示し、同図(c)はカードを回収している状態を示す。図3は同じく搬送ユニットの正面図、図4は同じく搬送切替ユニットを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図、同図(c)は底面図である。
【0008】
図5は搬送切替ユニットの要部を示し、同図(a)は一部を破断して示す正面図、同図(b)は側面図、図6は図4(a)におけるVI矢視図であって、同図(a)は中立の状態を示し、同図(b)はカードを処理している状態を示し、同図(c)はカードを排出している状態を示す。図7は同じく切替ブラケットを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図、同図(c)は底面図、図8は同じく切替レバーの切替え動作を説明する動作図である。
【0009】
図2において、全体を符号1で示すカード処理装置は、合成樹脂によって略平板状の長方形に形成された基板2と、この基板2の前面側を覆うようにして基板2に取り付けられる搬送ユニット3と、基板2の背面側に取り付けられる搬送切替ユニット4とから概略構成されている。
【0010】
以下、図1に基づいて基板2について説明する。
基板2の下部には、図中矢印A−B方向に延在する下部ガイド突起10が突設され、上端部にはこの下部ガイド突起10と、非接触ICカード5(以下、単にカード5という)の幅よりもわずかに大きい間隔だけ隔ててこの下部ガイド突起10と平行な上部ガイド突起11が突設されている。これら両ガイド突起10,11と後述する搬送ユニット3の前面板30とによって、カード処理通路12が形成されている。
【0011】
このカード処理通路12の前、後端および下端が開口しており、それぞれカード挿入口兼返却口13、第1のカード回収口14、第2のカード回収口15が設けられている。カード処理通路12のカード挿入口兼返却口13側であって基板2の背面には、ソレノイド16が取り付けられており、このソレノイド16の可動板17には2本のピン18,19が立設され、これら2本のピン18,19は、ソレノイド16に通電がなされると、基板2に穿設された貫通孔20,21からカード処理通路12内に進出する。
【0012】
一方のピン18はカード処理通路12のカード挿入口兼返却口13に近接するように位置付けられ、他方のピン19は、後述する情報処理基板99によってカード処理通路12内に搬送されたカード5に記録された情報を処理可能な範囲Lの矢印B方向の端限に位置付けられている。
【0013】
基板2の略中央には、逆L字状の窓22が穿設され、第1のカード回収口14側には、ピンチローラ23がその上端部をカード処理通路12内に臨むように回転自在に支持されている。24,25は第1および第2のセンサであって、第1のセンサ24は、上述したカード処理可能な範囲Lの矢印A方向の端限に位置付けられ、第2のセンサ25は第1のカード回収口14側に位置付けられている。26はピンチローラであって、基板2の第2のカード回収口15の直下に位置付けられ、上部が基板2から露呈するようにして基板2に回転自在に支持されている。
【0014】
次に、図3に基づいて搬送ユニット3について説明する。
搬送ユニット3には、合成樹脂によって略平板状の長方形に形成された前面板30が備えられており、この前面板30には略F字状の窓31が穿設されている。32は前面板3の上部右端側に取り付けられたカード搬送用のモータであって、正逆方向に切替え可能で、モータ軸にはウォーム33が軸着され、このウォーム33にはウォームホィール34が噛合している。
【0015】
35はこのウォームホィール34が軸着された軸であって、前面板30の後部側に上下方向に延在するように回転自在に支持され、この軸35の下部側には、窓31に臨む駆動ローラ37が軸着されている。38は窓31に臨むように前面板30に回転自在に支持された駆動ローラであって、この駆動ローラ38と前記駆動ローラ37との間には主搬送ベルト39が張架されており、この主搬送ベルト39はカード処理通路12内に位置付けられている。
【0016】
前記駆動ローラ37の下部には傘歯車40が一体に形成され、この傘歯車40には傘歯車41が噛合しており、この傘歯車41は、前面板30の左右方向に延在するように前面板30に回転自在に支持された軸42の右端部に軸着されている。軸42の左端部には、窓31に臨む駆動ローラ43が軸着され、この駆動ローラ43の下方には、窓31に臨むように駆動ローラ44が前面板30に回転自在に支持されており、これら両ローラ43,44間には従搬送ベルト45が張架されており、この従搬送ベルト45の上側の略半分がカード処理通路12内に位置付けられている。
【0017】
上述したように、カード処理通路12を形成するために、前面板30を前記基板2の前面側を覆うように取り付けると、駆動ローラ37が主搬送ベルト39を介して基板2のピンチローラ23に対接し、駆動ローラ44が従搬送ベルト45を介して基板2のピンチローラ26に対接する。また、後述するように、搬送切替ユニット4を基板2の背面側に取り付けると、搬送切替ユニット4の搬送切替用のピンチローラ87,88が基板2の窓22に臨み、搬送ユニット3の駆動ローラ38、駆動ローラ43のそれぞれに主搬送ベルト39、従搬送ベルト45を介して対接する。
【0018】
次に、図4,図5,図6に基づいて搬送切替ユニット4について説明する。
図4において、搬送切替ユニット4には、合成樹脂によって略平板状の長方形に形成された支持板50が備えられ、この支持板50の略中央には逆L字状の窓51が穿設され、左端部上部には断面がコ字状の支持部52が一体に形成されている。また、この搬送切替ユニット4は、レバー切替装置54、切替レバーの押圧構造55および搬送方向切替構造56から概略構成されている。
【0019】
以下、図5に基づいて、レバー切替装置54について説明する。
同図において、レバー切替装置54には、支持板50の支持部52の上板に固定された搬送路切替用のモータ60が駆動源として備えられており、この搬送路切替用のモータ60は正逆方向に切替えが可能であって、モータ軸には支持部52内に臨むウォーム61が軸着されている。
【0020】
62はこのウォーム61に噛合するウォームホィールであって、支持部52の両側部に回転自在に支持された軸に軸着され、側部に円板カム63が一体に形成されている。この円板カム63の周面の一部には、断面が略半円状に形成された切欠き64が設けられている。
【0021】
65は切替レバーであって、軸66を介して支持部52の両側部間に回動自在に支持され、軸66を挟んで上下に延設された一対の腕部67,68のうち、上方の腕部67が前記円板カム63の切欠き64内に臨んでおり、下方の腕部68の下端には小突起68aが突設されている。
【0022】
70は姿勢保持レバーであって、中央に設けた長孔71に嵌挿された軸73を介して支持部52の両側部に回動自在に支持され、上端が小突起68aを介して前記切替レバー65に枢着され、下端部には係合凹部72が設けられている。
【0023】
この姿勢保持レバー70の上部と軸73との間には引張りコイルばね74が懸架され、この引張りコイルばね74の引張力によって、同図(b)に示すように、姿勢保持レバー70が上下方向に延在するように保持されている。したがって、前記切替レバー65の上下方向に延在するように保持され、この切替レバー65の上方の腕部67が上方に指向するように保持されている。
【0024】
次に、図4、図6、図7に基づいて、切替レバーの押圧構造55および搬送路切替構造56について説明する。
図4および図6において、80は押圧レバーであって、支持板50に支承された軸81を介して揺動自在に支持され、図5(a)に示すように、一端80aが上述した姿勢保持レバー70の係合凹部72内に係入され、図4(a)および図6に示すように、他端部の上下には一対のスリット状の係合孔80b,80cが穿設されている。
【0025】
図4(a)において、83は支持板50の窓51に臨むように設けられた合成樹脂製の搬送切替ブラケットであって、図7(a)に示すように、略三角形の基部84と、この基部84から互いに直交する方向に一体に突設された一対のコ字状のローラ支持部85,86とによって全体が正面視逆L字状に形成されている。
【0026】
これら一対のローラ支持部85,86には、搬送切替用のピンチローラ87,88がそれぞれ軸89,90を介して回転自在に支持されている。一方の搬送切替用のピンチローラ87の周面87aは平坦状に形成され、他方の搬送切替用のピンチローラ88の周面88aは両側端が面取りされ、全体が円弧状に形成されている。
【0027】
一方のローラ支持部85の下部には被作動杆91が植設され、基部84には、一方の搬送切替用のピンチローラ87の軸89と平行な軸支承孔84aが設けられ、この軸支承孔84aに挿通され、支持板51に支承された軸92を介して、この搬送切替ブラケット83が揺動自在に支持されている。
【0028】
この搬送切替ブラケット83の一対のローラ支持部85,86は、基部84から同一平面G−G上に位置付けられるようにして突設され、これらローラ支持部85,86には、共に図7(c)中、同一方向である矢印D方向に指向した開口85a,86aが設けられている。したがって、この搬送切替ブラケット83を成型用金型によってこれらローラ支持部85,86を形成するときに、金型の抜き方向を共に矢印D方向にすることができるので、金型の構造が簡易になる。
【0029】
図4(a)および図6において、95はねじりコイルばねであって、前記搬送切替ブラケット83を揺動自在に支持する軸92に巻回され、一対の腕96,97の先端部が折り曲げ形成され、折曲部96a,97aが設けられている。これら折曲部96a,97aは、一対の腕96,97をねじりコイルばね95のねじりモーメントに抗して巻き込み、これら一対の腕96,97によって搬送切替ブラケット83の被作動杆91を挟持するようにして、前記押圧レバー80の係合孔80b,80cに係入されている。
【0030】
したがって、被作動杆91は腕96によって図6(b)において、あらかじめ反時計方向のねじりモーメントが加えられているとともに、腕97に時計方向のねじりモーメントが加えられている。
【0031】
このような構成の搬送切替ユニット4においては、図4(a)中、押圧レバー80,搬送切替ブラケット83が支持板50の背面側に設けられている。したがって、この搬送切替ユニット4を前記基板2の背面側に取り付けることにより、搬送切替用のピンチローラ87,88が窓51からカード処理通路12内に臨み、前記搬送ユニット3の駆動ローラ38および駆動ローラ43に対応している。
【0032】
図2に示すように、他方の搬送切替用のピンチローラ88の中心は、駆動ローラ43の中心よりもαだけ低くなるように位置付けられている。図2において、支持板50の内側には、情報処理基板99が取り付けられている。
【0033】
次に、このような構成のカード処理装置におけるカード処理動作を説明する。あらかじめ、図1(b)において、ソレノイド16には通電が遮断され、2本のピン18,19は下降し、カード処理通路12から退出している。また、図8(a)に示すように、切替レバー65が軸66を回動中心として時計方向に回動した状態に保持されている。
【0034】
したがって、姿勢保持レバー70が軸73を回動中心として反時計方向に回動された状態となっており、図6(b)に示すように、押圧レバー80の一端80aが下方に押圧されるので、ねじりコイルばね95の一方の腕96が押圧レバー80の他端によって上方に押し上げられている。
【0035】
このため、ねじりコイルばね95には図中時計方向のねじりモーメントが発生しているので、他方の腕97によって被作動杆91が押し上げられ、搬送切替ブラケット83が軸92を回動中心として時計方向に回動し、一方の搬送切替用のピンチローラ87が主搬送ベルト39を介して駆動ローラ38に圧接されている。
【0036】
このとき、押圧レバー80が中立状態である同図(a)において、被作動杆91には他方の腕97によってあらかじめ図中時計方向のねじりモーメントが加えられているので、押圧レバー80のわずかな回動によっても駆動ローラ38に対する搬送切替用のピンチローラ87の充分な圧接力が得られる。
【0037】
このように押圧レバー80の回動量を小さくすることができるので、装置の小型化が図られる。また、図8(a)に示すように、姿勢保持レバー70が軸73を回動中心として反時計方向に回動した状態のときには、図5(a)に示す引張りコイルばね74によって、姿勢保持レバー70が軸73を回動中心として時計方向に付勢されている。したがって、切替レバー65が軸66を回動中心として反時計方向に付勢されているので、上方の腕部67が円板カム63の周面に圧接されている。
【0038】
このような状態において、図1に示すように、カード5がカード挿入口兼返却口13から挿入されると、図示を省略したセンサによってこれが検出されるので、図3におけるカード搬送用のモータ32が正方向に回転駆動される。
【0039】
ウォーム33,ウォームホィール34,軸35を介して駆動ローラ37が正方向に回転するので、主搬送ベルト39が矢印A方向に走行し、駆動ローラ38も正方向に回転する。また、傘歯車40,41および軸42を介して駆動ローラ43が正方向に回転するので、従搬送ベルト45が矢印C方向に走行し、駆動ローラ44が正方向に回転する。
【0040】
したがって、図1(a)中、カード5の先端が一方の搬送切替用のピンチローラ87までに挿入されると、上述したように、この搬送切替用のピンチローラ87が、図2(a)に示すように主搬送ベルト39を介して駆動ローラ38に圧接されているので、カード5は両ローラ87,38に挟持されるようにして矢印A方向に搬送される。
【0041】
図1(a)において、カード5の先端が第1のセンサ24によって検出されると、ソレノイド16に通電がなされ、同図(b)に示すように、2本のピン18,19がカード処理通路12内に進出する。
【0042】
さらに、カード5が矢印A方向に搬送され、先端が第2のセンサ25によって検出されると、カード搬送用のモータ32が逆方向に駆動されるので、図3における両駆動ローラ37,38が逆方向に回転し、カード5が矢印B方向に搬送される。
【0043】
カード5の先端が第1のセンサ24を通過すると、カード搬送用のモータ32の駆動が停止され、カード5の搬送も停止され、図2に示す情報処理基板99によって、カード5に記録されている情報の処理が行われる。
【0044】
このとき、カード5が慣性によって矢印B方向にわずかに移動したとしても、ピン19によってカード5が係止されるので、カード5は情報処理基板99による処理可能範囲L内に位置付けられるので、カード5は確実に処理される。
【0045】
このように、ピン19によってカード5が処理可能範囲L内に位置付けられるので、カード5の搬送位置を精度よく検出する高価なエンコーダ等が不要になり、安価に製造することができる。
【0046】
また、情報処理基板99によってカード5が処理されている間に、図1において2枚目のカードをカード挿入口兼返却口13から挿入されたとしても、ピン18によってカード処理通路12内に挿入されるのが規制されるので、情報処理基板99による処理に支障をきたすことがない。
【0047】
情報処理基板99による処理が終了したら、ソレノイド16への通電が遮断され、同時にカード搬送用のモータ32が逆方向に駆動される。したがって、ソレノイド16の2本のピン18,19がカード処理通路12から退出し、カード5は搬送切替用のピンチローラ87と駆動ローラ38とによって矢印B方向に搬送され、カード挿入口兼返却口13から利用者に返却される。
【0048】
次に、カードを回収する場合の第1の回収動作を説明する。
上述したカード処理動作において、情報処理基板99によって処理されたカード5が使用済みカードと判定された場合には、カード搬送用のモータ32が正方向に駆動され、使用済みカードは、矢印A方向に搬送され、第1のカード回収口14から排出されて、カード処理装置1を管理している管理者に回収される。
【0049】
使用済みカードの後端が第2のセンサ25を通過すると、カード搬送用のモータ32の駆動が停止され、駆動ローラ37,38,43,44の回転が停止するとともに、ソレノイド16への通電が遮断され、2本のピン18,19がカード処理通路12から退出する。
【0050】
次に、カードを回収する場合の第2の回収動作を説明する。
この第2の回収動作においては、情報処理基板99によって処理されたカード5が使用済みカードと判定された場合には、図5において、搬送路切替用のモータ60が正方向に駆動され、円板カム63がウォーム61およびウォームホィール62を介して、図8(a)中時計方向に回転する。
【0051】
円板カム63がさらに回転し、同図(c)に示すように、切欠き64が切替レバー65の上方の腕部67に位置付けられると、引張りコイルばね74によって切替レバー65が軸66を回動中心として反時計方向に付勢されているので、腕部67が切欠き64内に係入する。
【0052】
同図(d)において、切替レバー65は中立位置に保持され、さらに、円板カム63が回転すると、同図(e)に示すように、腕部67が切欠き64の開口端に係合し、引張りコイルばね74の引張力に抗して、切替レバー65が軸66を回動中心として反時計方向に回動し始める。
【0053】
さらに、円板カム63が回転すると、同図(f)に示すように、腕部67が切欠き64から円板カム65の周面に乗り上げ、切替レバー63が反時計方向に回動して切り替わるので、姿勢保持レバー70が軸73を回動中心として時計方向に回動する。
【0054】
この姿勢保持レバー70の時計方向への回動によって、図6(c)に示すように、押圧レバー80の一端80aが上方に押し上げられるので、押圧レバー80が軸81を回動中心として図中時計方向に回動し、ねじりコイルばね95の他方の腕97が押圧レバー80の他端によって押し下げられる。
【0055】
このため、ねじりコイルばね95に図中反時計方向のねじりモーメントが発生するので、一方の腕96によって被作動杆91が押し下げられ、搬送切替ブラケット83が軸92を回動中心として反時計方向に回動する。
【0056】
したがって、図2(b)に示すように、一方の搬送切替用のピンチローラ87が矢印D方向に移動して駆動ローラ38から離間するとともに、他方の搬送切替用のピンチローラ88が矢印E方向に移動して従搬送ベルト45を介して駆動ローラ43に対接する。
【0057】
このとき、図6(c)に示すように、他方の搬送切替用のピンチローラ88の軸線と駆動ローラ43の軸線とが平行とはならずに角度をなしているが、搬送切替用のピンチローラ88の周面88aの側端側が面取りされているので、駆動ローラ43の周面との間が点接触とならずに面接触となり、対接面積が増大する。したがって、ピンチローラ88と駆動ローラ43に張架された従搬送ベルト45とによるカード5の搬送が安定する。
【0058】
また、搬送切替用のピンチローラ88の中心が駆動ローラ43の中心からαだけ下方に位置付けられていることにより、図2(b)に示すように、搬送切替用のピンチローラ88が駆動ローラ43にカード5を挟むようにして対接されると、カード5は図中反時計方向に回動するようにして傾いた状態になる。
【0059】
したがって、基板2の下部ガイド部10上に支承されていたカード5の下端は、確実に下部ガイド部10から外れるので、この後、カード5を第2のカード回収口15から下方に搬送される際に、下部ガイド部10にカード詰まりすることなく円滑に回収することができる。また、1個の搬送切替ブラケット83が軸92を回動中心として、時計、反時計方向に回動することにより、この搬送切替ブラケット83に支持された一対のピンチローラ87,88が互い違いに駆動ローラ38,43に対接する。したがって、部品点数が削減されるだけではなく、構造が簡素化される。
【0060】
カード5が使用済みカードと判定されると、同時にカード搬送用のモータ32が正方向に駆動されるので、図3中、ウォーム33、ウォームホィール34、軸35、傘歯車40,41および軸42を介して駆動ローラ43が正方向に回転し、従搬送ベルト45を介して駆動ローラ44が正方向に回転する。
【0061】
したがって、図2(b)において、従搬送ベルト45を介して駆動ローラ43と搬送切替用のピンチローラ88とによってカード5が挟持されているので、カード5は下方に搬送される。下方に搬送されたカード5は、従搬送ベルト45を介して駆動ローラ44とピンチローラ26とによってカード5が挟持され、第2のカード回収口15から管理者に回収される。
【0062】
このとき、図1(a)において、ソレノイド16のピン19がカード処理通路12の高さ方向の中央よりもHだけ高く位置付けられていることにより、矢印B方向にわずかに移動しピン19に係止されたカード5が、二点鎖線で示すように傾く場合がある。
【0063】
この状態で、カード5を下方に搬送させると、ピン19とカード5の後端とが離間するように移動するので、カード5とピン19との間に摩擦が発生するようなことがなく、このためカード5が円滑に回収される。
【0064】
このように、カード回収用の従搬送ベルト45よりも使用頻度が高い主搬送ベルト39が張架された駆動ローラ38に対接する搬送切替用のピンチローラ87と、駆動ローラ38との軸線が平行となるように構成したことにより、カード5の搬送が円滑に、かつ確実に行われカード詰まりが防止される。また、カード5の搬送が確実に行われることにより、情報処理基板99によるカード処理が確実に行われる。
【0065】
図8(f)において、切替レバー65の回動方向を切り替えた円板カム63は、切替レバー65を切り替えた後も、同図(g)、(h)に示すように、同じ方向、すなわち、図中時計方向に回転し続け、同図(i)に示すように、腕部67に切欠き64が対向する。
【0066】
この状態から円板カム63がわずかに回転すると、同図(j)に示すように、腕部67がわずかに切欠き64に係入するが、腕部67が円板カム63の回転方向と同じ方向に傾いているので、同図(k),(l)に示すように、切替レバー65が切り替わることがない。
【0067】
このように、切替レバー65を切り替えた後も、円板カム63を同じ方向に回転し続けることにより、切替レバー65が切り替わることがないので、搬送切替用のモータ60を切替位置に精度よく停止させる必要がない。このため、切替不良が防止できるだけではなく、精度よく停止させるためのエンコーダやセンサが不要になり安価に製造することができる。
【0068】
搬送切替用のモータ60の駆動を円板カム63に伝達するのに、モータ軸に軸着したウォーム61と円板カム63に一体に形成したウォームホィール62とを介して行うようにしたので、モータ60を小型化することができる。
【0069】
第2のカード回収口15をカード5が通過したことを図示を省略したセンサによって検出されると、カード搬送用のモータ32の駆動が停止され、ソレノイド16への通電が遮断される。したがって、駆動ローラ37,38,43,44の回転が停止するとともに、ソレノイド16の2本のピン18,19が下降し、カード処理通路12から退出する。
【0070】
同時に、搬送切替用のモータ60が逆方向に駆動され、図8(f)に示す状態から同図(b)に示すように、円板カム63が反時計方向に回転するので、切替レバー65が切り替わる。
【0071】
したがって、図2(b)の状態から同図(a)の状態のように、一方の搬送切替用のピンチローラ87が主搬送ベルト39を介して駆動ローラ38に対接されるとともに、他方の搬送切替用のピンチローラ88が従搬送ベルト45の駆動ローラ43から離間する。
【0072】
なお、本実施の形態においては、他方のピンチローラ88の外周部88aは両側端が面取りされ、全体が円弧状に形成されているが、一方の側端だけを面取りするようにしてもよい。また、搬送切替用のピンチローラ87,88と駆動ローラ38,43とによってカード5を搬送するのに、主搬送ベルト39、従搬送ベルト45を介して行ってもよいし、直接ローラどうしを対接させて行ってもよい。また、主搬送ベルト39と従搬送ベルト45とを直交させたが、両ベルト39,45とのなす角度は種々変更が可能であり、要は平行でなければよい。また、切替レバー65を切り替えた後も円板カム63を回転し続けるようにしたが、切替後に円板カム63の回転を止めるようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、1個の搬送方向切替ブラケットで一対のピンチローラを切り替えるようにしたので、部品点数が削減されるだけではなく、構造が簡素化される。
【0074】
また、請求項2に係る発明によれば、搬送方向切替ブラケットを形成する成型用金型の構造が簡素化される。また、ピンチローラの面取部が駆動ローラの周面に対接するので、互いの対接面積が大きくなり、カード搬送が安定する。
【0075】
また、請求項3に係る発明によれば、使用頻度の高い主搬送路においては、ピンチローラの周面と駆動ローラの周面とが平行に対接するので、カード搬送が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は本発明に係るカード搬送路切替装置を適用したカード処理装置の搬送ユニットを取り外した状態を示す正面図、同図(b)は同図(a)におけるI(b)−I(b)線断面図である。
【図2】図1におけるII−II 線断面図であって、同図(a)はカードを処理している状態を示し、同図(b)はカード排出に切り替えた状態を示し、同図(c)はカードを排出している状態を示す。
【図3】本発明に係るカード搬送路切替装置を適用したカード処理装置における搬送ユニットの正面図である。
【図4】本発明に係るカード搬送路切替装置を適用したカード処理装置における搬送切替ユニットを示し、同図(a)は一部を破断して示す正面図、同図(b)は側面図、同図(c)は底面図である。
【図5】本発明に係るカード搬送路切替装置を適用したカード処理装置における搬送切替ユニットの要部を示し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
【図6】図4(a)におけるVI矢視図であって、同図(a)は中立の状態を示し、同図(b)はカードを処理している状態を示し、同図(c)はカードを排出している状態を示す。
【図7】本発明に係るカード搬送路切替装置を適用したカード処理装置における切替ブラケットを示し、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図、同図(c)は底面図である。
【図8】本発明に係るカード搬送路切替装置を適用したカード処理装置における切替レバーの切替え動作を説明する動作図である。
【符号の説明】
1…カード処理装置、4…搬送切替ユニット、5…非接触型ICカード、12…カード処理通路、13…カード挿入口兼返却口、15…第2のカード排出口、38…駆動ローラ、39…主搬送ベルト、43…駆動ローラ、45…従搬送ベルト、56…搬送方向切替構造、80…押圧レバー、83…搬送切替ブラケット、87,88…搬送切替用のピンチローラ。
Claims (3)
- 互いの軸線が角度をなす一対の駆動ローラと、これら駆動ローラに対接する一対のピンチローラと、これら一対のピンチローラを回転自在に支持する搬送方向切替ブラケットとを備え、前記搬送方向切替ブラケットに前記一対のピンチローラのうちの一方のピンチローラの軸線と平行な軸支承孔を設け、この軸支承孔に支承された軸を介して前記搬送方向切替ブラケットを揺動自在に支持し、前記一対の駆動ローラ側に前記一対のピンチローラを互い違いに対接させたことを特徴とするカード搬送路切替装置。
- 請求項1記載のカード搬送路切替装置において、前記搬送方向切替ブラケットを合成樹脂で形成するとともに、両ピンチローラをそれぞれ支持する一対の支持部を略同一平面上に設け、前記一対のピンチローラのうち他方のピンチローラの外周部の側端側を面取りしたことを特徴とするカード搬送路切替装置。
- 請求項2記載のカード搬送路切替装置において、前記一方のピンチローラとこの一方のピンチローラが対接する駆動ローラとで主搬送路を形成し、前記他方のピンチローラとこの他方のピンチローラが対接する駆動ローラとで従搬送路を形成したことを特徴とするカード搬送路切替装置。
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