JP3566761B2 - インクジェット染色用布帛及びその染色方法 - Google Patents

インクジェット染色用布帛及びその染色方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、レース地、即ち使用糸密度、及び糸の交差組織の部分滴に大きな差異のある組織が混在し、且つ、多様な透かし目を有するレース地のインクジェット染色に際し、高い濃度から淡色までの広い範囲の色相による均一で鮮明なニジミのない画像を付与する為のインクジェット用布帛、及びその染色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、布を染色するに際し、色彩処理とインクジェット印写を組み合わせた新しい技術であるインクジェット染色法が注目されている。
この技術は、紙を対象とする印刷技術を布に対して応用したものである。
しかし、布帛は比較的表面の平滑な面を有する紙とは異なり、素材の種類も広範囲にわたり、且つ編織さえた組織の粗さ状態も極めて多様で、その上、方向性が顕著であるため、布帛の染色に適用しようとすると紙では想定できない技術的問題が発生した。
【0003】
その主なものとして、布面にニジミ現象が現出し鮮明な図柄が得られないことである。
そこで、開発されたのが、例えば特開昭61−55277号公報に見られるような布帛に前処理を施し、水溶性高分子、水溶性塩類、水不溶性無機物から選ばれた物質よりなるいわゆるインク保持剤を使ってインク保持層を形成せしめ、ニジミを防止する方法である。
【0004】
この方法によりインク保持層を形成せしめてインクジェット染色を行うと、通常の織物、例えば平織地のタフタ、ローン等、その他のツイル地、サテン地等、及び通常の編地、例えば天竺やハーフ組織の編物地においてはニジミ防止について一応の効果が得られることがわかっている。
しかし、布帛の糸密度が部分的に高密度と低密度を有しているもの、且つこれら糸の交差組織が複雑で極めて緻密な組織から比較的疎な組織(透かし目の組織等)まで広い範囲に渡ったもので、しかも、これらが同一面において混在しているもの例えばレース地においては、濃色から淡色までの濃度差の大きい色相において均一でニジミのない、鮮明な図柄を付与することは出来ない。
【0005】
この原因を調べてみると、上記の如きレース地は、複雑で緻密な組織と比較的疎な組織の部分において、ミクロ的に見て両方に均一な状態でインク保持層が形成されてないことがわかった。
そしてその結果、印写されたインクがインク保持層から布帛の繊維単位にまで均一に移行して染着しないことが分かった。
従って、従来法によれば、これらの要求に対応してニジミを完全に防止するためには、インク保持能を高めること、即ち、インク保持層を厚くするか、インク保持能の高い保持剤を選定するか、或いはこの両者を組み合わせて行う事が必要である。
【0006】
そして、糸密度又は交差構造の疎な組織部分(以下、これを「疎な組織部」という)を主体に考えた場合、インク保持能を高めるべく、インク保持層を厚くしようとすると、インク保持剤の溶液濃度を高くすることにより対処しなければならない。
しかし、このようにすると疎な組織部については、インク保持層が充分形成されるが、一方、糸密度又は交差構造の緻密な組織部分(以下、これを「密な組織部」と記す)については、インク保持層が充分形成されない。
【0007】
一見、表面から見て疎な組織部のインク保持層と同様の如くであるが、密な組織部においては内層部では、全くインク保持層が形成されていないのである。
即ち、内層部では複雑で多様な空隙が生じ、その空隙の部分はインク保持層が満たされていない。
従って、印写されてもインク保持層に保持されたインクは、繊維に充分に移行染着されずそのまま残留することになる。
しかも湿熱処理等の固着処理前の状態では極めて遊離しやすい状態となり、他の箇所に付着することによっ色汚れの原因になる。
【0008】
そこで、インク保持剤液の濃度を下げることで対応すると、今度は、密な組織部の内層部へは均一なインク保持層か形成されるが、疎な組織部には充分なインク保持層が形成されない。
インク保持層が均一に付与されないことは、即ちニジミの原因になることは周知のとおりである。
このように、疎な組織部に対応しようとすると密な組織部に適応できず、逆に密な組織部に対応しようとすると疎な組織部に適応できないという矛盾が生じるのである。
疎な組織部と密な組織部との両方を併有する布帛、例えばレース地を均一に染色しようとすると、このような2律相反する問題が解決されなければならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記諸問題の解決を意図したものである。
本発明の目的は、疎な組織部分と密な組織部分が混在する布帛において、単繊維レベルで均一なインク保持層を形成せしめることができ、結果的にニジミが無く、高い濃度から極淡色迄の、多様な色相による鮮明な画像を付与することができるインクジェット染色用布帛及びその染色方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、疎な組織部分と密な組織部分が混在する布帛にニジミの無く且つ濃色から淡色までの巾広い色相の鮮明な図柄を得るべく、布帛の単繊維レベルにおけるインク保持層の形態、より正確には布帛を構成する繊維に対するインク保持層の形態とニジミとの相互の因果関係を鋭意研究した。
その結果、インク保持層と繊維周囲面との間でインク保持剤の浸透性を高めて、保持剤の均一な層を形成せしめること、具体的には、繊維周囲面にインク保持剤の浸透性を高める物質の基礎的被膜、即ち浸透剤の均一な被膜を形成せしめることにより、先述したような従来の問題点を解決できることがわかった。
【0011】
即ち、本発明は、、インクジェット染色する布帛であって、インク保持剤の浸透性を良くする浸透剤被膜が付与された上に、更にインク保持層が付与されたインクジェット染色用布帛に存する。
【0012】
そして、2、浸透剤被膜が界面活性剤よりなる上記、1記載のインクジェット染色用布帛に存する。
そしてまた、、染色用布帛がレース地である上記1又は2記載のインクジェット染色用布帛に存する。
そしてまた、、インクジェット染色において、布帛に前もってインク保持剤の浸透性を良くする浸透剤被膜を付与した後、更にインク保持層を付与し、その後、インクジェット印写するインクジェット染色法に存する。
そしてまた、、浸透剤被膜が界面活性剤よりなる上記4記載のインクジェット染色法に存する。
そしてまた、、布帛がレース地である上記4又は5記載のインクジェット染色法に存する。
【0013】
浸透剤被膜
本発明でいう浸透剤被膜とは、浸透剤を単繊維の周りに薄く均一に被膜した基礎的被膜をいう。
浸透剤層は、基礎被膜として付与されることにより、インク保持剤の侵入拡散(浸透)を助け、結果的に、単繊維レベルで繊維の周囲面にインク保持層の均一な層形成が行われる。
このように浸透層の存在により、単繊維の周囲面に均一なインク保持層が形成されることは本発明の本質となるところである。
使用する浸透剤は、インク保持剤の浸透性を良くする浸透剤で、中でも浸透性の高い界面活性剤が好適である。
【0014】
浸透性の高い界面活性剤の代表的なものを次に示すが、これに限定されるものではない。
非イオンタイプのポリエチレングリコール型として、高級アルコール(ヤシ油還元アルコール、牛脂油還元アルコール等)にエチレンオキサイドを付与した高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノール(ノニルフェノール、ドデシルフェノール等)にエチレンオキサイド付加物、脂肪酸(ラウリル酸等)にエチレンオキサイドを付加した脂肪酸エチレンオキサイド付加物、アニオンタイプのスルホン酸塩型のスルフォ.コハク酸ジエステル(商標;エアロゾルOT)、アルキルナタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、硫酸エステル塩のラウリル硫酸エステルナトリウム、等が挙げられる。
これらの界面活性剤はそれを一種又は、一種以上混用して使用するが、その溶媒としては通常水が使用され、必要に応じて有機溶剤を混用することができる。
又この時、必要に応じ消泡剤、ヒドロトロープ剤、PH調整剤を適宜添加することができる。
【0015】
浸透剤被膜の付与
浸透剤被膜を布帛に付与するに際しては、以下の通りである。
浸透剤を布帛に付与する処理機は染色機、好ましくは、液流タイプ染色機を使用し、これに上記浸透剤を調整した処理溶液を満たし、該液中にて処理を行う。例えば、具体的には、染色機の水量に対し、0.01〜2%OWSになるよう調液する。
処理条件は、布帛の構成組織、素材及び使用される活性剤により、最適条件を設定する必要があるが、基本条件は下記の如くである。
【0016】
a)浴比、即ち処理すべく布帛(レース地)の重量と染色機缶体内の水量との割合は、布帛(レース地)重量:水重量=1:10〜30とする。
b)処理操作は、当然染色機タイプにより異なるが、基本的には染色加工時の操作に準ずる。
例えば、液流染色機タイプでは、布速、即ち布帛が染色機缶体内の処理液の流動により移動する速度は、5〜70m/min である。
c)処理温度、即ち、処理溶液で処理する温度は、通常、15〜95℃でよいが素材によっては95℃以上とするほうが好ましく、例えばポリエステル繊維、及びポリエステル繊維を混用した素材からなるレース地の場合等は85℃〜140℃とする方がよい。
d)処理時間は、処理すべき布帛の種類及び使用される活性剤により処理時間を決定すべきであるが、通常10〜60min である。
【0017】
ここで、浸透剤を付与するための処理機を染色機、好ましくは液流タイプ染色機としているが、布帛(レース地)の種類より、例えば撚糸等を使用した特殊なレース地等、ワッシャー、又はリラクサータイプ等の処理機により行うことも可能である。
又、特殊な場合として、全般的に疎な組織部と密な組織部の差異の比較的少ない且つ目付けの小さい布帛(レース地)等においては、この予備処理をパッド法により行うことも可能である。
【0018】
この場合には、先ず、浸透剤溶液をバス(浴槽)内に満たし、該バスに布帛を浸漬し、次いで、マングルにより絞り、浸透剤溶液を繊維間に浸透せしめると同時に余分な浸透剤溶剤を脱落せしめる。
何れの場合も浸透剤により処理された布帛(レース地)は拡大状態にて、マングル等、又はエアージェット脱水タイプの脱水機により余分な処理剤を脱落せしめ、所定の被膜の付与量とする。
ここで脱水率、即ち布帛重量に対する残留水分率は40〜80%とするのがよい。
【0019】
インク保持層
本発明のインク保持層を形成させる為のインク保持剤は、非染着性高分子化合物とそれを溶解するための溶媒よりなるが、後述する坑還元剤等の補助剤が適宜添加される。
非染着性高分子化合物として、水溶性合成高分子のポリ酢酸ビニル、ポリメタクレート、ポロアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチ、天然ゴムのアラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、その他澱粉、加工澱粉、アルギン酸ソーダ、粘度物質のモンモリロナイト等が用いられ、またそれらの2種以上を混合して用いられることもできる。
【0020】
ここで非染着高分子化合物とは、用いるインク色素に対して全く染着しないと言うことではなく、使用する色素濃度で布帛を着色する場合、希望する濃度が得られればその第1条件を満たし、又該化合物に移行したインクの色素が次工程の発色固着、洗浄で悪影響を与えなければ第2の条件を満たすことになる。
溶媒としては、主として水が使用され、又特殊な場合は、40℃〜130℃に沸点を有し常温下での表面張力30〜65ダイン/cmを満たす有機溶媒が使用される。
インク保持剤には坑還元剤、固着助剤、固着促進剤等が補助剤として適宜添加される。
【0021】
坑還元剤は、各種色素の高温乾燥、高温湿熱時に生じる還元防止の為に使用され、例えば、メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムが用いられる。
固着助剤は、各種色素の繊維上での移動防止、固着向上を促す為に使用され、ぼう硝、食塩、塩化カルシウム等のアルカリ物が用いられる。
固着促進剤は、各種繊維への固着を高める為使用され、例えば、尿素、チオ尿素、ポリエチレングリコール等のヒドロトロープー剤、クロルベンゼン、安息香酸等のいわゆるキャリヤー剤と称されるものが用いられる。
インク保持剤を付与することにより、結果的にインク保持層が形成されるが、布帛に対するインク保持剤の付与は以下の通りである。
【0022】
インク保持層の付与
浸透剤被膜が付与された布帛に対し、バス、及びマングルよりなるパッデング装置を使ってインク保持剤によりインク保持層を付与する。
即ち、インク保持層を形成するためのインク保持剤溶液を満たしたバス内に、布帛を浸漬し、しかる後にマングルにより絞り、その絞り率は50〜110%とする。
インク保持剤の付与量は、布帛に対し0.1 〜20重量%、好ましくは、0.5 〜10重量%である。
【0023】
ここで特定のレース地においては、マングルの代わりにエアージェット、又は真空脱水機を使用するが、その絞り率はマングルのそれと同程度でよい。
何故なら、前もって既に形成されている浸透剤の被膜の作用により、インク保持剤は単繊維周囲面に均一に付与されるので、その結果、該周囲面には従来法にくらべ、極めて均一なインク保持層が容易に形成されるからである。
しかし、レース地によっては、これらの真空脱水機等により組織の柄の歪が発生し易くなるので適用されるレース地及びその処理条件の決定には、充分な配慮が必要である。
【0024】
かくの如く、浸透剤被膜を布帛(例えばレース地)に対し付与することにより、単繊維にレベルにおける繊維の周囲面に均一にインク保持剤を付与せしめ、よって該繊維周囲面に均一なインク保持層を形成せしめることになるのである。
均一なインク保持層を形成せしめた布帛(例えばレース地)を乾燥工程を経ることにより乾燥するが、通常の乾燥工程の条件が採用される。
本発明で言う布帛とは、織物、編み物、組み物、不織布等であり、その素材としてはウール、綿等の天然繊維、半合成繊維、ポリエステル、ポリアクリル等の合成繊維、そしてそれらのうちの一つ以上を混紡又は、交編の形で使用する物も含まれる。
【0025】
本発明でいうレース地とは、次のようなものである。
尚、本発明の目的からは、組織例えば、交差組織等による分類により記載した方がより適切であるが、この分類法はまだ確立されていないので、便宜上、製造法を主にした分類法により述べる。
大別して一般的な手工レースと、機械レースとに分類でき、手工レースとしては、布地レースの例えばダーンドネッチング、ドロンワーク等、糸レースの例えばマクラメレース、ニードルポントレース等があり、機械レースとしてはボビンレースの例えばリバーレース、プレーンネット等、編みレースの例えばトリコットネット、ラッシェルレース等、その他刺繍レース等がある。
【0026】
疎な組織部と密な組織部との両方を必ずしも具備しない布帛に本発明の方法を適用することにより、従来法で得られなかった高い濃度で更に均一な色相の且つニジミのない図柄を得られることはいうまでもない。
本発明のインクジェット染色とは、印写した後、湿熱処理して染着固定し、洗浄するまでの一連の工程を有する染色法をいう。
【0027】
インクジェット印写とは、インクジェット印写装置を使って予め記憶させた情報に基ずいてノズルにより布帛面に対して吐出して印写することを言い、その代表的な方法としては、
(1)圧力パルス型、(2)加圧振動型、(3)静電加速型等があり、その何れ方法でも採用できる。
【0028】
印写時インクに使用される色素としては、従来の染色工業における区分によると直接染料、酸性染料、分散染料、反応性染料、蛍光染料等があり、被染体となる布帛の素材により適宜選定する必要がある。
インクジェット印写に使用されるインクの調整は印写された画像の品位に大きく影響することから、染料の選定、粒度、粘度、表面張力、PH等の最適な調整を行い、また必要に応じて分散剤、消泡剤等を適宜添加する。
【0029】
印写後の湿熱処理とは、スチーミングにより色素を発色固着する処理を言い、捺染において通常行われているものである。
又、洗浄(ソーピング)とは、染料が布帛生地に固着された後、未固着の染料、薬品、助剤、糊料を完全に洗い落とすことであり、通常、捺染において行われているものである。
洗浄工程を通すことにより色相、鮮明度、堅牢度、生地の風合いをより完全な物にすることができる。
【0030】
【実施例】
次に本発明を実施例と比較例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1)
1,テスト布としてレース地
ポリエステル40d、ポリエステルウーリー120d使いのラッシェルレース地(図1)を通常の方法により精練、乾燥しテスト布とした。
【0031】
2,予備処理(浸透剤被膜の付与)
浸透剤として、スルフォコハク酸ジエステル 3Kgを水100L(リッター)に希釈し、高圧タイプの液流染色機の助剤供給バス内に入れた。
次に2000Lの水をこの染色機の缶体内に注入し、次いで助剤供給バス内の浸透剤の溶液を該缶体に注入し、循環ポンプを約10分間作動させた。
しかる後、テスト布a、b各々100mを缶体内に投入し、下記条件で処理を行った。
【0032】
処理条件
布速即ち、テスト布の缶体内流動速度250m/min温度、時間は、図3に示す通りである。
処理後テスト布を缶体内より取り出し、拡布を行いマングルにより絞り、後に乾燥した。
マングルの絞り率(ピックアップ率)は、65%であった。
【0033】
3,インク保持層の付与
上記の予備処理を完成したテスト布に対し、下記処方に調整されたインク保持剤によりパッド処理を行い(尚、パッド後の絞り率は72%)、しかる後テンター方式の乾燥機により120℃×3分で乾燥した。
Figure 0003566761
【0034】
上記の2段処理法によりインク保持層を形成せしめたテスト布に下記処方のインク及び印写法により図柄を印写した。
Figure 0003566761
【0035】
〔インクジェット印写方式〕
オンデマンド方式シリアル走査型印写装置を使用しノズル径100μ、駆動電圧107V、周波数5KHZ、解像度180ドット/吋、4×4マトリックスにてレース地の部分に5×5cmの正方形の図柄に印写した。
(但し、レース地のため透かしの部分が存在し、一部欠落した図形となる)インクジェット印写後、108℃×8分間湿熱処理を行い公知に方法でソーピング、更に乾燥行った。
【0036】
(実施例2)
ポリエステル40d,ポリエステルウーリー120d使いの落下板ラッシェルレース地(図2)を使って実施例1と同じように処理を行った。
(比較例1)
実施例1と同様のテスト布(ラッシェルレース地)を使用して、浸透剤被膜付与のための予備処理を行はずに、直接、実施例1と同条件にてインク保持剤溶液によりパッド処理を行い、該パッド処理以降の工程処理条件も実施例と同様とした。
【0037】
(比較例2)
実施例2と同様のテスト布(落下板ラッシェルレース地)を使用して、浸透剤被膜付与のための予備処理を行はず、直接、実施例2と同条件にてインク保持剤溶液によりパッド処理を行い、該パッド処理以降の工程処理条件も同様とした。
以上、行った(実施例1)、(実施例2)、(比較例1)、(比較例2)の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003566761
【0039】
実施例1、2では、着色部の色相が均一で、しかも図柄にニジミが発生してなく、更にインクジェット印写後の生地巻取りによるスレ汚れ(ニジミ汚れ)の発生がない。
比較例1、2では、実施例に較べ着色部の濃度が約3割低度低く、且つ生地の図柄部(浮柄部)にかなり濃染部が発生しており、また、浮柄部を主体にニジミが発生し5×5の図柄が歪んでいる。
更には、インクジェット印写後の巻取り時のスレ汚れ(毛汚れ)が発生している。
特に比較例2において上記問題の程度が強くなっている。
【0040】
【発明の効果】
部分的に疎な組織部と密な組織部を合わせて有する布帛、特にレース地において、浸透剤被膜を介することによりインク保持剤が単繊維レベルにおける繊維周囲面まで充分行き渡り、均一なインク保持層の形成が可能となる。
更に具体的には以下の利点がある。
1、湿熱処理時に色素の固着率が大幅にアップし、濃色の色相が得られ易くなった。
また、固着率アップによりインクの使用効率が向上し、結果的にインクの使用コストが大幅にダウンした。
2、インクジェット印写後、繊維周囲面で浮遊インクがほとんど生じないので、印写後の洗浄工程迄の色汚れの発生が、約80〜90%ダウンした。
3、インクが均一に且つ確実に保持されるため、ニジミについて大幅に改善された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ポリエステル40d、ポリエステルウーリー120d使いのラッシェルレース地を示す図である。
【図2】図2は、ポリエステル40d,ポリエステルウーリー120d使いの落下板ラッシェルレース地を示す図である。
【図3】図3は、実施例における予備処理の処理条件(温度、時間)を示す図である。
【符号の説明】
(a),(b),(c)…浮柄部

Claims (6)

  1. インクジェット染色する布帛であって、インク保持剤の浸透性を良くする浸透剤被膜が付与された上に、更にインク保持層が付与されたことを特徴とするインクジェット染色用布帛。
  2. 浸透剤被膜が界面活性剤よりなることを特徴とする、請求項1記載のインクジェット染色用布帛。
  3. 染色用布帛がレース地であることを特徴とする、請求項1又は2記載のインクジェット染色用布帛。
  4. インクジェット染色において、布帛に前もってインク保持剤の浸透性を良くする浸透剤被膜を付与した後、更にインク保持層を付与し、その後、インクジェット印写することを特徴とするインクジェット染色法。
  5. 浸透剤被膜が界面活性剤よりなることを特徴とする、請求項4記載のインクジェット染色法
  6. 布帛がレース地であることを特徴とする、請求項4又は5記載のインクジェット染色法。
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