JP3566380B2 - 3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法 - Google Patents
3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法 Download PDFInfo
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【産業上の利用分野】
本発明は、3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸(以下、本明細書でBTPと称する)の製造方法に関する。 さらに述べれば、2−メルカプトベンゾチアゾールを酸水系中で、アクリロニトリルと反応させることを特徴とする新規な製造方法に関する。
【0002】
BTPは、特告平1−28108号に記載のとおり、鉄、銅、アルミニウムまたはそれらの合金に対する防錆剤として、自動車用不凍液、水溶性防錆剤、水溶性切削剤、水溶性洗浄剤、および開放系循環冷却水などに使用される有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】
従来、BTPの製造方法としては、
1)2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩を水媒中で、3−クロロプロピオン酸ナトリウム塩と反応させる製造方法
2)2−メルカプトベンゾチアゾールを強酸性媒体中でアクリル酸と反応させる特公平5−3464号の製造方法、が知られており、これに関連して、Chemical Abstracts 106,176228 の記載によれば、反応条件は不詳であるが、トルエン溶媒中で、硫酸を触媒として2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルを反応させ、3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸アミドを単離して、これをさらに加水分解させてBTPを得る文献も知られている。しかしながら、これらの方法は工業的な製造方法としては必ずしも満足できるものではなく、いくつか問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、3−クロロプロピオン酸ナトリウム塩を使用する製造方法では、この出発原料としての3−クロロプロピオン酸が比較的高価であるため、目的生成物が高価となり、これを防錆剤の原料として工業的に使用するには、安価で経済的な製造方法とは言い難い。さらに、3−クロロプロピオン酸は常温で固体で、使用時に加温溶解させる必要があるため、製造工程中の取り扱いが難しく、かつまた特異臭があり作業者の労働安全衛生上の問題があった。また、3−クロロプロピオン酸ナトリウム塩は、加水分解を受けやすく、3−ヒドロキシプロピオン酸またはアクリル酸などに変化し易いので、この製造方法では、BTPを高純度で得ることが難しい。
【0005】
また、強酸性媒体中で、2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリル酸を付加反応させる製造方法は、高収率・高純度で目的生成物が得られるとされているが、強酸性媒体で付加反応をさせるため、酸濃度、酸モル比、反応温度および反応時間等を充分にコントロールする必要がある。これらの反応条件を的確に行っても、例えば硫酸中での反応の場合、アクリル酸の重合が進行がしやすいため、高収率・高純度でBTPを得ることはできない。これら公知の製造方法では、現在のところ、安価で、しかも高収率・高純度のBTPの製造方法は確立されておらず、工業的又は経済的に満足し得るものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、これら従来の製造方法の諸問題を鋭意研究した結果、出発原料の2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルを酸水系中で連続的に付加・加水分解反応させ、中間生成物の酸アミドを反応系外に取り出すことなく、一工程で高収率・高純度で、目的生成物であるBTPを工業的に製造する新規な方法を見い出した。
【0007】
すなわち、本発明は、2−メルカプトベンゾチアゾールを1モルに対して、酸が2.5〜5.0モル存在する水系で、アクリロニトリルを反応させることを特徴とする新規なBTPの製造方法である。また、この酸水系中に重合防止剤および/または、キレート剤の1種以上を添加して、2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルを反応させ、さらに高純度のBTPを製造することを特徴とする製造方法である。
【0008】
原料のアクリロニトリルは工業的にアクリル系合成繊維、合成ゴム、ABS樹脂、合成糊料、塗料などとしての用途が広く、安価で供給されている。また、一方の原料である2−メルカプトベンゾチアゾールもゴム工業用の加硫促進剤、自動車用不凍液の銅又は銅合金の防錆剤などとして工業的に比較的安価に生産されているため、従来の3−クロロプロピオン酸又はアクリル酸を原料として2−メルカプトベンゾチアゾールと反応させて製造する製造方法に比較して、工業的にBTPを安価に製造することが可能となる。
【0009】
本発明において、最初に2−メルカプトベンゾチアゾールを酸水系中に懸濁させ、次にアクリロニトリルを添加する。あるいはまた、まず最初に2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルを混合し、そしてこの混合物をゆっくりとその酸水系中に投入してもよい。すなわち、本発明の2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルの反応は、酸水系中で実施される。以下、本発明の反応条件を詳述する。
【0010】
この酸水系中の酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの鉱酸の水溶液が用いられる。この酸水系の酸として好ましいものは60〜75重量パーセントの硫酸または25〜35重量パーセントの塩酸である。特に好ましくは、65〜70重量パーセントの硫酸または30〜35重量パーセントの塩酸である。この濃度範囲を外れて、硫酸濃度が60重量パーセント以下、または塩酸濃度が25重量パーセント以下、硫酸濃度が75重量パーセント以上、または塩酸濃度が35重量パーセント以上では、収率の低下を招き、工業的には不利となるものの、BTPを得ることは可能である。
【0011】
この硫酸または塩酸のモル比は、2−メルカプトベンゾチアゾールに対して2.5〜5.0モル比であり、特に好ましくは2.5〜3.5モル比である。2.5モル比以下では、付加反応及び加水分解反応が遅く、未反応の2−メルカプトベンゾチアゾールが目的生成物に残留する。5.0モル以上では、目的生成物が、一部熱転位してN−置換体の3−(2−チオキシ−3−ベンゾチアゾリン)プロピオン酸(以下、本明細書でN−置換体と略す。)を副生するため、本発明の目的生成物の収率及び純度を低下させる。
【0012】
反応温度は、2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルの付加反応では、80℃以下の温度であり、好ましくは20〜70℃、さらに好ましくは40〜60℃において反応させる。原料のアクリロニトリルは沸点が78.5℃であり、80℃以上ではアクリロニトリルが反応系外に揮発し、また、アクリロニトリルが重合を起こし、ポリアクリロニトリルまたはポリアクリル酸などを副生するので、2−メルカプトベンゾチアゾールに対するアクリロニトリルのモル比が、最適な範囲とならない。なお、0℃以下では付加反応の進行が遅く、工業的に有益ではない。
【0013】
次に付加反応後の加水分解反応は、80〜100℃までの範囲であり、好ましくは85〜90℃で行う。80℃以下では、加水分解反応が遅く、中間体の酸アミドが残留して工業的に有益でなく、100℃以上では、生成した目的生成物が、さらに加水分解されアクリル酸等に分解して目的生成物の収率及び純度が低下する。この加水分解の反応時間は、1〜7時間の範囲が好ましい。1時間以内であると、加水分解反応が不充分で、中間体の酸アミドが残留することがあり、7時間以上であると、工業的に有益でなく。また、加水分解の反応時間を必要以上に行うと、生成物自体が分解を受け、N−置換体などの副生成物及びアクリル酸等の分解生成物が多くなるため、収率及び純度が低下する。
【0014】
アクリロニトリルの添加量は、2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対して1.0〜1.2モルの範囲である。好ましくは 1.05〜1.15モルである。アクリロニトリルが1.0モル以下では、未反応の2−メルカプトベンゾチアゾールが残留し、1.3モル以上では、未反応のアクリロニトリルがアクリル酸、アクリル酸アミド等の副生成物を生成するとともにN−置換体を副生することを促進するため、目的生成物の収率及び純度が低下する。また、過剰にアクリロニトリルを使用することは工業的に有益ではない。
【0015】
この本発明の原料となるアクリロニトリルは、重合を防止するために、予めパラメトキシフェノール等の重合防止剤が35〜45ppmの範囲で加えられて市販されているが、この反応における酸水系中での付加反応工程において、付加反応を生じる前にアクリロニトリルが重合したり、付加反応後に重合を起こして水不溶性の副生重合物を生じることがある。このため、予め添加されている重合防止剤の添加量では、この重合を防止することが難しい場合がある。
【0016】
また、反応中に鉄イオンが混入していると、これがアクリロニトリルの重合をさらに促進する。この鉄イオンの混入は、工業的に目的生成物を高収率・高純度で製造するためには避ける必要があるが、本発明の反応工程中に、この鉄イオンが混入しないようにするには、本発明の反応をガラス系内で行うなどの留意が必要となる。アクリロニトリルの重合を防止して、目的生成物を高収率・高純度で得るため、重合防止剤および/またはキレート剤を1種以上をさらに添加することで、このアクリロニトリルの重合を防止するとともに、これらの存在下で、本発明の反応をさせれば、目的生成物の純度をさらに向上させ得ることをも見出した。
【0017】
この重合防止剤としては、パラメトキシフェノール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ピロガロールなどがあげられるが、好ましくはパラメトキシフェノールまたはハイドロキノンである。その添加量はアクリロニトリルに対して0.05〜1.0重量パーセントであり、好ましくは0.1〜0.6重量パーセントである。
【0018】
また、キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)及びそれらのナトリウム塩などが例示される。これらのキレート剤で、特に好ましくは、エチレンジアミン四酢酸又はニトリロ三酢酸のナトリウム塩である。その添加量は、酸水系中で、例えば60〜75重量パーセントの硫酸に対して0.01〜1.0重量パーセントが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜0.1重量パーセントである。
【0019】
この重合防止剤および/またはキレート剤の1種以上を添加することによって、アクリロニトリルの重合を防止するとともに、使用しない場合に比べて、さらに高純度の目的生成物を得ることが可能となる。これら重合防止剤とキレート剤は、反応生成物の分離の通常の工程で、水洗浄によって除去することができるので、製品に影響を及ぼすこともない。本発明は、酸水系中で反応させるため、反応終了後にその反応生成物を水で希釈して目的生成物を析出させて、濾過、水洗浄することで、精製することなく、高収率で、高純度のBTPが得られる。
【0020】
【作用】
本発明の製造方法においては、2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルを酸水系中で反応させると、まず付加反応で3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオニトリルが生成し、次いで一般的なニトリルの加水分解反応によって3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸アミドから、さらに本発明の目的生成物であるBTPを得ると推考される。本発明は、この3段階の反応工程を反応系外に取り出すことなく、連続的に反応させる製造方法の条件を見出したところに工業的な意義がある。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び参考例によって、更に詳細に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
70重量パーセントの硫酸水溶液42g(0.3モル)中に16.8g(0.1モル)の2−メルカプトベンゾチアゾールを40〜50℃において懸濁させ、そしてこれに5.9g(0.11モル)のアクリロニトリルを撹拌しながら添加した。この反応混合物を85℃で、更に5時間撹拌した後に水300mlを投入することによって希釈する。析出した目的生成物を濾過、水で洗浄、乾燥して、21.4gのBTPが得られた。高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCという)でBTP純度が98.0%であった。(収率89% ここで収率とは、HPLCのBTP純度から換算した数値であり、以下も同様である。)IRにおいてCN又はCONH2吸収は検出されなかった。
【0022】
実施例2
硫酸濃度を変更した以外は、実施例1と同様に操作した。それらの結果を表1に示す。なお、比較例も併記する。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例3
70重量パーセントの硫酸の硫酸純度換算モル比を変更した以外は実施例1と同様に操作した。それらの結果を表2に示す。なお、比較例も併記する。
【0025】
【表2】
【0026】
実施例4
35重量パーセントの塩酸32g(0.3モル)中に16.8g(0.1モル)の2−メルカプトベンゾチアゾールを20〜30℃において懸濁させ、そしてこれに5.9g(0.11モル)のアクリロニトリルを撹拌しながら添加した。この反応混合物を85℃で更に4時間撹拌した後に水300mlを投入することによって希釈する。析出した目的生成物を濾過、水で洗浄、乾燥して、21.6g(収率90%)のBTPが得られた。HPLCでBTP純度が98.5%であった。IRからCNまたはCONH2吸収は検出されなかった。
【0027】
実施例5
塩酸濃度を変更した以外は、実施例4と同様に操作した。それらの結果を表3に示す。なお、比較例も併記する。
【0028】
【表3】
【0029】
実施例6
35重量パーセントの塩酸の塩酸純度換算モル比を変更した以外は、実施例4と同様に操作した。それらの結果を表4に示す。なお、比較例も併記する。
【0030】
【表4】
【0031】
実施例7
ハイドロキノンを30mg添加した以外は、実施例1と同様に操作して、21.6g(収率90%)の目的生成物であるBTPが得られた。HPLCのBTP純度が99.7%であった。IRから、CNまたはCONH2吸収は検出されなかった。
【0032】
実施例8
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩を22mg添加した以外は、実施例1と同様に操作した。21.5g(収率89.5%)の目的生成物であるBTPが得られた。HPLCのBTP純度が99.5%であった。IRからCNまたはCONH2吸収は検出されなかった。
【0033】
実施例9
ハイドロキノン30mg及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩22mgを添加した以外は、実施例1と同様に操作して、21.6g(収率90%)の目的生成物であるBTPが得られた。HPLCのBTP純度が99.8%であった。IRからCNまたはCONH2吸収は検出されなかった。
【0034】
実施例10
パラメトキシフェノール30mg及びニトリロ三酢酸ナトリムウ塩30mgを添加した以外は、実施例1と同様に操作して、21.0g(収率87.5%)の目的生成物であるBTPが得られた。HPLCのBTP純度が99.3%であった。IRからCNまたはCONH2吸収は検出されなかった。
【0035】
実施例11
パラメトキシフェノール30mg及びエチレンジアミン四酢酸ナトリムウ塩20mgを添加した以外は、実施例4と同様に操作して、22.0g(収率91.5%)の目的生成物であるBTPが得られた。HPLCのBTP純度が99.5%であった。IRからCNまたはCONH2吸収は検出されなかった。
【0036】
参考例1
67.5重量パーセントの硫酸97.2g(0.67モル)中に33.6g(0.2モル)の2−メルカプトベンゾチアゾールを懸濁させ、これに15.9gのアクリル酸を40〜50℃において撹拌しながら投入した。この反応混合物を80℃で更に3時間撹拌した後に水200mlを滴下することによって希釈する。析出した白黄色の反応生成物を濾過し、水で洗浄、乾燥して、29.8g(収率62.9%)の目的生成物のBTPが得られた。HPLCでBTP純度が75%であった。
【0037】
参考例2
アクリル酸を20〜30℃において、撹拌しながら投入し、更に同温度で3時間撹拌した以外は、参考例1と同様に操作し、27.5g(収率57.3%)の目的生成物のBTPが得られた。HPLCでBTP純度が70%であった。
【0038】
以上、実施例1〜11に示したように、酸濃度が、例えば硫酸の場合、60〜75重量パーセントの濃度範囲及び2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対して硫酸モル比が2.5〜5.0モル比の範囲でのみ、また塩酸の場合、25〜35重量パーセントの濃度範囲及び2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対して塩酸モル比が2.5〜5.0モル比の範囲でのみの本発明の製造方法において、目的生成物であるBTPが高収率で、しかも高純度で得ることができる。また、重合防止剤、キレート剤を添加することで、さらに目的生成物の純度が向上することがわかる。参考例1、2は、原料を2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリル酸を用いる製造方法であるが、目的生成物の純度、収率ともに大幅に低く、精製工程を必要とする粗生成物であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明のBTPの製造方法によれば、酸水系中で2−メルカプトベンゾチアゾリルとアクリロニトリルを反応をさせることで、自動車用不凍液、水溶性防錆剤、水溶性切削剤、水溶性洗浄剤、および開放系循環冷却水等に使用される鉄、銅、アルミニウムまたはこれらの合金に対する防錆剤として有用であるBTPが高収率で、しかも高純度で得ることができる。さらに重合防止剤および/またはキレート剤の1種以上の存在下で反応させることにより、その効果はさらに良好になる。また、工業的にも従来の原料に比べて安価に提供でき、産業上、非常に有益である。
Claims (9)
- 2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対し、酸が2.5〜5.0モル存在する水系で、アクリロニトリルを反応させることを特徴とする3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
- 2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対し、酸が2.5〜5.0モル存在する水系で、アクリロニトリルと反応させ、3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸アミドを得、それを単離することなく、連続して加水分解反応をすることを特徴とする3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
- 2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対し、60〜75重量パーセントの硫酸を硫酸純度換算で2.5〜5.0モル存在する水系で、アクリロニトリルを反応させることを特徴とする請求項1〜2に記載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
- 2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対し、25〜35重量パーセントの塩酸を塩酸純度換算で2.5〜5.0モル存在する水系で、アクリロニトリルを反応でさせることを特徴とする請求項1〜2に記載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
- 2−メルカプトベンゾチアゾールと酸の水系中に、アクリロニトリルを80℃以下の温度で投入し、3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸アミドとなし、この系を80〜100℃にて反応させる請求項2〜4記載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
- 請求項5において、アクリロニトリルの投入温度が20〜70℃である3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
- 重合防止剤および/またはキレート剤の1種以上を添加してなる請求項1〜6に記載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
- 重合防止剤がパラメトキシフェノールおよび/またはハイドロキノンである請求項7記載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
- キレート剤がエチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩および/またはニトリロ三酢酸ナトリウム塩である請求項7記載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
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