JP4172072B2 - シアノ安息香酸の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医・農薬中間体及び各種ファインケミカルズの原料または中間体として有用な、シアノ安息香酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シアノ安息香酸の製造方法としては、クロロベンゾニトリルのように、ハロゲンが置換されたベンゾニトリルを触媒を用いて一酸化炭素と反応させる方法[特開昭64-47 、Dokl.Akad.Nauk.SSSR,312,5,1129,(1990) 、J.Organomet.Chem.,358,1-3,563,(1988)]、トルニトリルのメチル基の酸化による方法[SU1467053、Azerv.Khim.Zh.,1,26,(1983)] 、シアノベンズアルデヒドのアルデヒド基の酸化による方法[US4213917、W09009975]及びニトリルとカルボン酸の不均化反応による方法[特開昭50-71643、特開昭50-83346]等が挙げられる。しかし上記方法は原料の入手が難しく価格が高かったり、また過酷な条件が必要であったり工業的な方法とは言い難く、いずれも工業的に安価で有利な方法としては未だ充分なものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、フタロニトリルあるいはシアノ安息香酸アミドからシアノ安息香酸を製造する工業的に有利な方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく種々検討した結果、フタロニトリルをアルコール溶媒中において、塩基存在下で水和反応させることにより一方のニトリル基のみをアミド化してシアノ安息香酸アミドを合成する方法、あるいは別途製法により調整したシアノ安息香酸アミドを、酸性に保つように酸あるいは塩基を添加しながらアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸を加えることにより、アミド基のみをカルボキシル基に変換することでシアノ安息香酸を合成する方法をみいだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の事項に関する。
(1)シアノ安息香酸アミドを、酸性条件下でアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸と反応させることにより、アミド基のみをカルボキシル基に変換することを特徴とするシアノ安息香酸の製造方法。
(2)a)下記一般式(I)
【化3】
Figure 0004172072
(式中、Xおよびnは前記と同様の意味を表し、2つのニトリル基は互いにメタ位またはパラ位にある。)で示されるフタロニトリルをアルコール溶媒中、塩基存在下で水和反応させ、シアノ安息香酸アミドを合成する工程、及びb)該シアノ安息香酸アミドを、酸性条件下でアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸と反応させることにより、アミド基のみをカルボキシル基に変換する工程を含む下記一般式(II)
【化4】
Figure 0004172072
(式中、Xおよびnは前記と同様の意味を表し、−COOH基はニトリル基のメタ位またはパラ位にある。)で示されるシアノ安息香酸の製造方法。
(3)シアノ安息香酸アミドを、酸性条件下でアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸と反応させる工程において、反応液のpHが7以下である上記(1)記載のシアノ安息香酸の製造方法。
(4)シアノ安息香酸アミドを、酸性条件下でアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸と反応させる工程において、反応液のpHが7以下である上記(2)記載のシアノ安息香酸の製造方法。
(5)フタロニトリルがテレフタロニトリル、あるいはイソフタロニトリルである上記(2)記載のシアノ安息香酸の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のシアノ安息香酸の製造方法において、用いるシアノ安息香酸アミドはフタロニトリルの一つのニトリル基を水和反応させて得たものを用いることができる。
上記シアノ安息香酸アミドに、反応溶液を酸性条件に保つように酸あるいは塩基を添加しながら、アルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸を加え、アミド基のみをカルボキシル基に変換することでシアノ安息香酸を合成する。使用するアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸の量は、シアノ安息香酸アミド1モルに対して、0.1〜12.5モル、より好ましくは1.2〜10モルとするのがよい。
【0006】
また、本発明において用いる安息香酸アミドを、フタロニトリルをアルコール中で、1個のニトリル基をアミド基に変換するのに適した量の塩基と水を加えて、下記一般式(III )
【化5】
Figure 0004172072
(式中、Xおよびnは前記と同様の意味を表し、−CONH2 基はニトリル基のメタ位またはパラ位にある。)で示されるシアノ安息香酸アミドに変換する反応を第一反応として用い、第二反応として反応溶液を酸性に保つように酸あるいは塩基を添加しながら、アルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸を加えてアミド基のみをカルボキシル基に変換することでシアノ安息香酸を合成する。あるいは別途方法にてシアノ安息香酸アミドを合成し、上記第二反応と同様に、反応溶液を酸性に保つように酸あるいは塩基を添加しながら、アルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸を加えてアミド基のみをカルボキシル基に変換することでシアノ安息香酸を合成する。
【0007】
本発明において用いるフタロニトリルは一般式(I)で示される構造であり、置換または無置換フタロニトリルを使用することができる。無置換フタロニトリルとしては、イソフタロニトリル、テレフタロニトリルが好適に例示される。さらに置換フタロニトリルとしては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基などが1ないし4置換したフタロニトリルが挙げられる。2以上置換した場合は同一または相異なる置換基であってもよい。
ハロゲン原子で置換されたフタロニトリルについて説明する。テトラクロロイソフタロニトリル、テトラクロロテレフタロニトリルなどの塩素化フタロニトリル化合物は、イソフタロニトリルおよびテレフタロニトリルの塩素化反応により製造できる。テトラフルオロイソフタロニトリル、テトラフルオロテレフタロニトリルなどのフッ素化フタロニトリル化合物はテトラクロロイソフタロニトリルなどの塩素化イソフタロニトリル化合物およびテトラクロロテレフタロニトリルなどの塩素化テレフタロニトリル化合物のフッ素化反応で得られる。
【0008】
第一反応に使用されるアルコールに特に制約はなく、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソアミルアルコール、2−メチルブタノール−(1)、ネオペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられるが、これらの中でもtert−ブタノール及びエタノールが好ましく用いられる。
【0009】
第一反応の反応温度に特に制限はないが、0℃〜100℃の範囲が好ましい。
また反応時間はアルコールの種類により適宜調製され、好ましくはフタロニトリルの転化率が20〜80%かつ不純物であるフタル酸ジアミドの収率が1%以下となる時間がよい。反応時間が長い場合は、不純物のフタル酸ジアミドが第二反応でテレフタル酸に変換され、これが最終のシアノ安息香酸の純度を低下させ、反応時間が短い場合は、収率が低下し生産性の面での問題となる。
また、未反応のフタロニトリルはアルコール水溶液への溶解度が非常に低く、それと比してシアノ安息香酸はpHを調製することで塩を生成し、溶解度が高くなるため、第二反応終了時に簡単に分離することができる。未反応のフタロニトリルは容易に回収でき、再利用が可能である。
【0010】
第一反応に使用される塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム等のアルカリ金属のリン酸塩;水酸化ベリリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、トリエチルアミン等のアミン類等を用いることができるが水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく用いられる。
これらの塩基成分は単独でもよく、二種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。また反応液に固形のまま投入する方法及び水溶液の状態で加える方法のいずれの方法を用いてもよい。
加える塩基の量が少ない場合は反応性が悪くなるため好ましくなく、また多い場合は反応の選択性が悪くなり、フタロニトリルのニトリル基の2個とも反応してしまうため好ましくない。
【0011】
第一反応で加える水の量は、フタロニトリルに対して0.1〜8倍モル、より好ましくは0.2〜4倍モルの範囲内とするのがよい。
添加する塩基と水は、同時に加えてもよくどちらか一方を先に加えてもよい。好ましくは水溶液として1〜24時間かけて加えるのが好ましく、1〜15時間かけて所定量を加えるのがより好ましい。
第一反応終了後には、反応液を中和することが望ましい。中和なしで長期間放置すると収率の低下、さらには不純物としてテレフタル酸ジアミド、イソフタル酸ジアミドの増加などの問題が発生する。
【0012】
本発明の第二反応では、第一反応の反応液をそのまま使用することができる。
第二反応の反応温度は−20〜100℃の範囲内で、−10〜80℃が好ましく、0〜60℃がより好ましい。反応温度が低すぎる場合は反応性が悪くなり多量のアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸が必要となり、反応温度が高い場合はニトリル基がアミド基さらにはカルボキシル基に変換され収率及び最終製品の純度の低下を招く。
第二反応の反応時間は10分〜48時間、好ましくは1〜24時間の範囲内とするのがよい。反応時間が短い場合はシアノ安息香酸アミドの転化率が低くなるため好ましくなく、また長い場合は収率の低下及び生産性の面で問題があるため好ましくない。
【0013】
本発明において使用されるアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸に特に制約はなく、市販のものを使用することができる。例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜臭素酸ナトリウム、亜臭素酸カリウム、亜臭素酸カルシウムまたは亜臭素酸バリウムなどが挙げられるが、これらの中で次亜塩素酸ナトリウムを用いることが好ましい。
使用するアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸の量は、第一反応で使用したフタロニトリル1モルに対して0.1〜10モル、より好ましくは1〜8モルとするのがよい。加えるアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸の量が少ない場合はシアノ安息香酸アミドの転化率が低くなり収率低下するので好ましくなく、量が多い場合は、反応面では特に問題はないが、製品中に多量の塩が混入して純度低下を招くので好ましくない。
【0014】
反応液のpHは特に限定はないが、好ましくはpH7以下、より好ましくはpH4〜6.5となるように反応中に酸を加えて調製するのがよい。反応液のpHが高すぎる場合には反応性が悪くなり、シアノ安息香酸アミドが反応中間体に転化するまでは反応が進行するが、反応中間体のまま安定となりシアノ安息香酸が生成しなくなるため好ましくない。また、極度にpHが低いとシアノ安息香酸が析出して攪拌が難しくなるため好ましくない。
【0015】
本発明において、フタロニトリルを出発原料とした場合には、第二反応終了後未反応のフタロニトリルと生成したシアノ安息香酸を分離するために、反応液をpH4以上、より好ましくはpH7〜12に調整し、析出しているフタロニトリルと溶解しているシアノ安息香酸塩を分離する。反応液のpHが極度に高いとニトリル基が加水分解され収率の低下を招くため好ましくなく、pHが低い場合はシアノ安息香酸が塩を作らず析出したままとなり、うまく分離が出来なくなるので好ましくない。上記方法により分離されたフタロニトリルの結晶はリサイクルが可能である。
シアノ安息香酸塩の溶液は好ましくはpHを4以下、より好ましくは3.5以下に調整し酸析させることにより、シアノ安息香酸を得る。必要に応じ、アルコール水溶液で再結晶を行うことにより高純度のシアノ安息香酸の結晶を得ることが出来る。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、液体クロマトグラフィーの測定条件は以下の通りである。
カラム:Shodex(登録商標:昭和電工株式会社)DE−513L、プレカラム
カラム温度:40℃、 溶離液流速:1ml/min、
溶離液:水/アセトニトリル/酢酸=2250/750/15ml、1−オクタンスルホン酸ナトリウム 6.45g
検出器:UV254nm、
【0017】
(実施例1)
テレフタロニトリル128g、tert−ブタノール2432gを四つ口フラスコに入れ、攪拌しながら80℃まで加熱し、20%水酸化ナトリウム水溶液13.4gを3時間かけてチューブポンプで添加した。この時液体クロマトグラフィーにより液中p−シアノ安息香酸アミド71.5g(収率49%)、テレフタロニトリル64g(転化率50%)を確認した。反応液を25℃まで冷却後、濃硫酸で中和し、減圧下加熱して濃縮し、tert−ブタノール1824gを留去した後常圧に戻し、25℃まで冷却した。反応液中に水540gを入れた後50%硫酸水溶液で反応液のpHが5〜6になるようにコントロールしながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素12%)887.5gを6時間かけて添加したところ、液体クロマトグラフィーにより液中p−シアノ安息香酸69.1g(収率47%)、テレフタロニトリル64gを確認した。反応液を減圧下1090g溶媒留去した後、48%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8に調整し、析出しているテレフタロニトリル60.2gを回収した。ろ液に濃硫酸を加えてpH3.0にして酸析させた後、メタノール309gを加えて加熱溶解させ、冷却晶析させたところ純度98%のp−シアノ安息香酸60.0g(収率40%)を得た。
【0018】
(実施例2)
テレフタロニトリル128g、エタノール1700gを四つ口フラスコに入れ、攪拌しながら78℃まで加熱し、20%水酸化ナトリウム水溶液10gを3時間かけてチューブポンプで添加した。この時液体クロマトグラフィーにより液中p−シアノ安息香酸アミド71.5g(収率40%)、テレフタロニトリル38.4g(転化率70%)を確認した。反応液を25℃まで冷却後、濃硫酸で中和し、減圧下加熱して濃縮し、エタノール1275gを留去した後常圧に戻し、25℃まで冷却した。反応液中に水720gを入れた後50%硫酸水溶液で反応液のpHが5〜6になるようにコントロールしながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素12%)887.5gを6時間かけて添加したところ、液体クロマトグラフィーにより液中p−シアノ安息香酸55.9g(収率38%)、テレフタロニトリル38gを確認した。反応液を減圧下1090g溶媒留去した後、48%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8に調整し、析出しているテレフタロニトリル36gを回収した。ろ液に濃硫酸を加えてpH3.0にして酸析させた後、エタノール309gを加えて加熱溶解させ、冷却晶析させたところ純度95%のp−シアノ安息香酸52.6g(収率34%)を得た。
【0019】
(実施例3)
イソフタロニトリル128g、エタノール1700gを四つ口フラスコに入れ、攪拌しながら78℃まで加熱し、20%水酸化ナトリウム水溶液10gを3時間かけてチューブポンプで添加した。この時液体クロマトグラフィーにより液中p−シアノ安息香酸アミド100.7g(収率69%)、テレフタロニトリル38.4g(転化率70%)を確認した。反応液を25℃まで冷却後、濃硫酸で中和し、減圧下加熱して濃縮し、エタノール1275gを留去した後常圧に戻し、25℃まで冷却した。反応液中に水720gを入れた後50%硫酸水溶液で反応液のpHが5〜6になるようにコントロールしながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素12%)887.5gを6時間かけて添加したところ、液体クロマトグラフィーにより液中p−シアノ安息香酸100.0g(収率68%)、テレフタロニトリル38gを確認した。反応液を減圧下1090g溶媒留去した後、48%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8に調整し、析出しているテレフタロニトリル36gを回収した。ろ液に濃硫酸を加えてpH3.0にして酸析させた後、エタノール309gを加えて加熱溶解させ、冷却晶析させたところ純度99%のm−シアノ安息香酸90.6g(収率61%)を得た。
【0020】
(実施例4)
別途合成したp−シアノ安息香酸アミド146g、水584gを四つ口フラスコに入れ、攪拌しながら15℃に冷却した。50%硫酸水溶液で反応液のpHが5〜6になるようにコントロールしながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素12%)1775gを6時間かけて添加したところ、液体クロマトグラフィーにより液中p−シアノ安息香酸145.5g(収率99%)を確認した。反応液に濃硫酸を加えてpH3.0にして酸析させた後、メタノール820gを加えて加熱溶解させ、冷却晶析させたところ純度99.5%のp−シアノ安息香酸138.9g(収率94%)を得た。
【0021】
(実施例5)
別途合成した4−シアノ−2,3,5,6テトラクロロ安息香酸アミド284g、水2556gを四つ口フラスコに入れ、攪拌しながら15℃に冷却した。50%硫酸水溶液で反応液のpHが5〜6になるようにコントロールしながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素12%)2360gを6時間かけて添加したところ、液体クロマトグラフィーにより液中に4−シアノ−2,3,5,6テトラクロロ安息香酸262.2g(収率92%)を確認した。
【0022】
【発明の効果】
本発明により、入手が容易で比較的安価なフタロニトリルを原料として温和な条件で高純度のシアノ安息香酸を合成できるため、医・農薬中間体及び各種ファインケミカルズの原料または中間体としてのシアノ安息香酸の工業的製造に非常に有用である。

Claims (5)

  1. シアノ安息香酸アミドを、酸性条件下でアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸と反応させることにより、アミド基のみをカルボキシル基に変換することを特徴とするシアノ安息香酸の製造方法。
  2. a)下記一般式(I)
    Figure 0004172072
    (式中、2つのニトリル基は互いにメタ位またはパラ位にあり、Xは塩素原子またはフッ素原子を表し、nは0〜4の整数を表す。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていてもよい。)で示されるフタロニトリルをアルコール溶媒中、塩基存在下で水和反応させ、シアノ安息香酸アミドを合成する工程、及びb)該シアノ安息香酸アミドを、酸性条件下でアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸と反応させることにより、アミド基のみをカルボキシル基に変換する工程を含む下記一般式(II)
    Figure 0004172072
    (式中、Xおよびnは前記と同様の意味を表し、−COOH基はニトリル基のメタ位またはパラ位にある。)で示されるシアノ安息香酸の製造方法。
  3. シアノ安息香酸アミドを、酸性条件下でアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸と反応させる工程において、反応液のpHが7以下である請求項1に記載のシアノ安息香酸の製造方法。
  4. シアノ安息香酸アミドを、酸性条件下でアルカリ性次亜ハロゲン酸および/またはアルカリ性亜ハロゲン酸と反応させる工程において、反応液のpHが7以下である請求項2に記載のシアノ安息香酸の製造方法。
  5. フタロニトリルがテレフタロニトリルあるいはイソフタロニトリルである請求項2に記載のシアノ安息香酸の製造方法。
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