JPH08217767A - 3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法 - Google Patents

3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法

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JPH08217767A
JPH08217767A JP5645895A JP5645895A JPH08217767A JP H08217767 A JPH08217767 A JP H08217767A JP 5645895 A JP5645895 A JP 5645895A JP 5645895 A JP5645895 A JP 5645895A JP H08217767 A JPH08217767 A JP H08217767A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対
し、所定濃度の塩酸または硫酸が2.5〜5.0モル存
在する水系で、アクリロニトリルを反応させる3−[2
−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方
法。 【効果】本発明の製造方法によれば、鉄、銅、アルミニ
ウムまたはこれらの合金に対する防錆剤として有用であ
る上記化合物が高収率で、しかも高純度で得ることがで
きる。さらに重合防止剤および/またはキレート剤の1
種以上の存在下で反応させることにより、その効果はさ
らに良好になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−[2−(ベンゾチ
アゾリル)チオ]プロピオン酸(以下、本明細書でBT
Pと称する)の製造方法に関する。 さらに述べれば、
2−メルカプトベンゾチアゾールを酸水系中で、アクリ
ロニトリルと反応させることを特徴とする新規な製造方
法に関する。
【0002】BTPは、特告平1−28108号に記載
のとおり、鉄、銅、アルミニウムまたはそれらの合金に
対する防錆剤として、自動車用不凍液、水溶性防錆剤、
水溶性切削剤、水溶性洗浄剤、および開放系循環冷却水
などに使用される有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】従来、BTPの製造方法としては、 1)2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩を
水媒中で、3−クロロプロピオン酸ナトリウム塩と反応
させる製造方法 2)2−メルカプトベンゾチアゾールを強酸性媒体中で
アクリル酸と反応させる特公平5−3464号の製造方
法、が知られており、これに関連して、ChemicalAbstra
cts 106,176228 の記載によれば、反応条件は不詳で
あるが、トルエン溶媒中で、硫酸を触媒として2−メル
カプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルを反応さ
せ、3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン
酸アミドを単離して、これをさらに加水分解させてBT
Pを得る文献も知られている。しかしながら、これらの
方法は工業的な製造方法としては必ずしも満足できるも
のではなく、いくつか問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、3−クロロプ
ロピオン酸ナトリウム塩を使用する製造方法では、この
出発原料としての3−クロロプロピオン酸が比較的高価
であるため、目的生成物が高価となり、これを防錆剤の
原料として工業的に使用するには、安価で経済的な製造
方法とは言い難い。さらに、3−クロロプロピオン酸は
常温で固体で、使用時に加温溶解させる必要があるた
め、製造工程中の取り扱いが難しく、かつまた特異臭が
あり作業者の労働安全衛生上の問題があった。また、3
−クロロプロピオン酸ナトリウム塩は、加水分解を受け
やすく、3−ヒドロキシプロピオン酸またはアクリル酸
などに変化し易いので、この製造方法では、BTPを高
純度で得ることが難しい。
【0005】また、強酸性媒体中で、2−メルカプトベ
ンゾチアゾールとアクリル酸を付加反応させる製造方法
は、高収率・高純度で目的生成物が得られるとされてい
るが、強酸性媒体で付加反応をさせるため、酸濃度、酸
モル比、反応温度および反応時間等を充分にコントロー
ルする必要がある。これらの反応条件を的確に行って
も、例えば硫酸中での反応の場合、アクリル酸の重合が
進行がしやすいため、高収率・高純度でBTPを得るこ
とはできない。これら公知の製造方法では、現在のとこ
ろ、安価で、しかも高収率・高純度のBTPの製造方法
は確立されておらず、工業的又は経済的に満足し得るも
のではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これら従来
の製造方法の諸問題を鋭意研究した結果、出発原料の2
−メルカプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルを酸
水系中で連続的に付加・加水分解反応させ、中間生成物
の酸アミドを反応系外に取り出すことなく、一工程で高
収率・高純度で、目的生成物であるBTPを工業的に製
造する新規な方法を見い出した。
【0007】すなわち、本発明は、2−メルカプトベン
ゾチアゾールを1モルに対して、酸が2.5〜5.0モ
ル存在する水系で、アクリロニトリルを反応させること
を特徴とする新規なBTPの製造方法である。また、こ
の酸水系中に重合防止剤および/または、キレート剤の
1種以上を添加して、2−メルカプトベンゾチアゾール
とアクリロニトリルを反応させ、さらに高純度のBTP
を製造することを特徴とする製造方法である。
【0008】原料のアクリロニトリルは工業的にアクリ
ル系合成繊維、合成ゴム、ABS樹脂、合成糊料、塗料
などとしての用途が広く、安価で供給されている。ま
た、一方の原料である2−メルカプトベンゾチアゾール
もゴム工業用の加硫促進剤、自動車用不凍液の銅又は銅
合金の防錆剤などとして工業的に比較的安価に生産され
ているため、従来の3−クロロプロピオン酸又はアクリ
ル酸を原料として2−メルカプトベンゾチアゾールと反
応させて製造する製造方法に比較して、工業的にBTP
を安価に製造することが可能となる。
【0009】本発明において、最初に2−メルカプトベ
ンゾチアゾールを酸水系中に懸濁させ、次にアクリロニ
トリルを添加する。あるいはまた、まず最初に2−メル
カプトベンゾチアゾールとアクリロニトリルを混合し、
そしてこの混合物をゆっくりとその酸水系中に投入して
もよい。すなわち、本発明の2−メルカプトベンゾチア
ゾールとアクリロニトリルの反応は、酸水系中で実施さ
れる。以下、本発明の反応条件を詳述する。
【0010】この酸水系中の酸としては、例えば硫酸、
塩酸、硝酸、リン酸などの鉱酸の水溶液が用いられる。
この酸水系の酸として好ましいものは60〜75重量パ
ーセントの硫酸または25〜35重量パーセントの塩酸
である。特に好ましくは、65〜70重量パーセントの
硫酸または30〜35重量パーセントの塩酸である。こ
の濃度範囲を外れて、硫酸濃度が60重量パーセント以
下、または塩酸濃度が25重量パーセント以下、硫酸濃
度が75重量パーセント以上、または塩酸濃度が35重
量パーセント以上では、収率の低下を招き、工業的には
不利となるものの、BTPを得ることは可能である。
【0011】この硫酸または塩酸のモル比は、2−メル
カプトベンゾチアゾールに対して2.5〜5.0モル比
であり、特に好ましくは2.5〜3.5モル比である。
2.5モル比以下では、付加反応及び加水分解反応が遅
く、未反応の2−メルカプトベンゾチアゾールが目的生
成物に残留する。5.0モル以上では、目的生成物が、
一部熱転位してN−置換体の3−(2−チオキシ−3−
ベンゾチアゾリン)プロピオン酸(以下、本明細書でN
−置換体と略す。)を副生するため、本発明の目的生成
物の収率及び純度を低下させる。
【0012】反応温度は、2−メルカプトベンゾチアゾ
ールとアクリロニトリルの付加反応では、80℃以下の
温度であり、好ましくは20〜70℃、さらに好ましく
は40〜60℃において反応させる。原料のアクリロニ
トリルは沸点が78.5℃であり、80℃以上ではアク
リロニトリルが反応系外に揮発し、また、アクリロニト
リルが重合を起こし、ポリアクリロニトリルまたはポリ
アクリル酸などを副生するので、2−メルカプトベンゾ
チアゾールに対するアクリロニトリルのモル比が、最適
な範囲とならない。なお、0℃以下では付加反応の進行
が遅く、工業的に有益ではない。
【0013】次に付加反応後の加水分解反応は、80〜
100℃までの範囲であり、好ましくは85〜90℃で
行う。80℃以下では、加水分解反応が遅く、中間体の
酸アミドが残留して工業的に有益でなく、100℃以上
では、生成した目的生成物が、さらに加水分解されアク
リル酸等に分解して目的生成物の収率及び純度が低下す
る。この加水分解の反応時間は、1〜7時間の範囲が好
ましい。1時間以内であると、加水分解反応が不充分
で、中間体の酸アミドが残留することがあり、7時間以
上であると、工業的に有益でなく。また、加水分解の反
応時間を必要以上に行うと、生成物自体が分解を受け、
N−置換体などの副生成物及びアクリル酸等の分解生成
物が多くなるため、収率及び純度が低下する。
【0014】アクリロニトリルの添加量は、2−メルカ
プトベンゾチアゾール1モルに対して1.0〜1.2モ
ルの範囲である。好ましくは 1.05〜1.15モル
である。アクリロニトリルが1.0モル以下では、未反
応の2−メルカプトベンゾチアゾールが残留し、1.3
モル以上では、未反応のアクリロニトリルがアクリル
酸、アクリル酸アミド等の副生成物を生成するとともに
N−置換体を副生することを促進するため、目的生成物
の収率及び純度が低下する。また、過剰にアクリロニト
リルを使用することは工業的に有益ではない。
【0015】この本発明の原料となるアクリロニトリル
は、重合を防止するために、予めパラメトキシフェノー
ル等の重合防止剤が35〜45ppmの範囲で加えられ
て市販されているが、この反応における酸水系中での付
加反応工程において、付加反応を生じる前にアクリロニ
トリルが重合したり、付加反応後に重合を起こして水不
溶性の副生重合物を生じることがある。このため、予め
添加されている重合防止剤の添加量では、この重合を防
止することが難しい場合がある。
【0016】また、反応中に鉄イオンが混入している
と、これがアクリロニトリルの重合をさらに促進する。
この鉄イオンの混入は、工業的に目的生成物を高収率・
高純度で製造するためには避ける必要があるが、本発明
の反応工程中に、この鉄イオンが混入しないようにする
には、本発明の反応をガラス系内で行うなどの留意が必
要となる。アクリロニトリルの重合を防止して、目的生
成物を高収率・高純度で得るため、重合防止剤および/
またはキレート剤を1種以上をさらに添加することで、
このアクリロニトリルの重合を防止するとともに、これ
らの存在下で、本発明の反応をさせれば、目的生成物の
純度をさらに向上させ得ることをも見出した。
【0017】この重合防止剤としては、パラメトキシフ
ェノール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ピロガロー
ルなどがあげられるが、好ましくはパラメトキシフェノ
ールまたはハイドロキノンである。その添加量はアクリ
ロニトリルに対して0.05〜1.0重量パーセントで
あり、好ましくは0.1〜0.6重量パーセントであ
る。
【0018】また、キレート剤としては、エチレンジア
ミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、
ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDT
A)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリ
エチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエ
チルイミノ二酢酸(HIDA)及びそれらのナトリウム
塩などが例示される。これらのキレート剤で、特に好ま
しくは、エチレンジアミン四酢酸又はニトリロ三酢酸の
ナトリウム塩である。その添加量は、酸水系中で、例え
ば60〜75重量パーセントの硫酸に対して0.01〜
1.0重量パーセントが好ましい。さらに好ましくは、
0.01〜0.1重量パーセントである。
【0019】この重合防止剤および/またはキレート剤
の1種以上を添加することによって、アクリロニトリル
の重合を防止するとともに、使用しない場合に比べて、
さらに高純度の目的生成物を得ることが可能となる。こ
れら重合防止剤とキレート剤は、反応生成物の分離の通
常の工程で、水洗浄によって除去することができるの
で、製品に影響を及ぼすこともない。本発明は、酸水系
中で反応させるため、反応終了後にその反応生成物を水
で希釈して目的生成物を析出させて、濾過、水洗浄する
ことで、精製することなく、高収率で、高純度のBTP
が得られる。
【0020】
【作用】本発明の製造方法においては、2−メルカプト
ベンゾチアゾールとアクリロニトリルを酸水系中で反応
させると、まず付加反応で3−[2−(ベンゾチアゾリ
ル)チオ]プロピオニトリルが生成し、次いで一般的な
ニトリルの加水分解反応によって3−[2−(ベンゾチ
アゾリル)チオ]プロピオン酸アミドから、さらに本発
明の目的生成物であるBTPを得ると推考される。本発
明は、この3段階の反応工程を反応系外に取り出すこと
なく、連続的に反応させる製造方法の条件を見出したと
ころに工業的な意義がある。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例及び参考例によって、
更に詳細に説明するが、本発明は実施例のみに限定され
るものではない。 実施例1 70重量パーセントの硫酸水溶液42g(0.3モル)
中に16.8g(0.1モル)の2−メルカプトベンゾ
チアゾールを40〜50℃において懸濁させ、そしてこ
れに5.9g(0.11モル)のアクリロニトリルを撹
拌しながら添加した。この反応混合物を85℃で、更に
5時間撹拌した後に水300mlを投入することによっ
て希釈する。析出した目的生成物を濾過、水で洗浄、乾
燥して、21.4gのBTPが得られた。高速液体クロ
マトグラフィー(以下、HPLCという)でBTP純度
が98.0%であった。(収率89% ここで収率と
は、HPLCのBTP純度から換算した数値であり、以
下も同様である。)IRにおいてCN又はCONH2
収は検出されなかった。
【0022】実施例2 硫酸濃度を変更した以外は、実施例1と同様に操作し
た。それらの結果を表1に示す。なお、比較例も併記す
る。
【0023】
【表1】
【0024】実施例3 70重量パーセントの硫酸の硫酸純度換算モル比を変更
した以外は実施例1と同様に操作した。それらの結果を
表2に示す。なお、比較例も併記する。
【0025】
【表2】
【0026】実施例4 35重量パーセントの塩酸32g(0.3モル)中に1
6.8g(0.1モル)の2−メルカプトベンゾチアゾ
ールを20〜30℃において懸濁させ、そしてこれに
5.9g(0.11モル)のアクリロニトリルを撹拌し
ながら添加した。この反応混合物を85℃で更に4時間
撹拌した後に水300mlを投入することによって希釈
する。析出した目的生成物を濾過、水で洗浄、乾燥し
て、21.6g(収率90%)のBTPが得られた。H
PLCでBTP純度が98.5%であった。IRからC
NまたはCONH2吸収は検出されなかった。
【0027】実施例5 塩酸濃度を変更した以外は、実施例4と同様に操作し
た。それらの結果を表3に示す。なお、比較例も併記す
る。
【0028】
【表3】
【0029】実施例6 35重量パーセントの塩酸の塩酸純度換算モル比を変更
した以外は、実施例4と同様に操作した。それらの結果
を表4に示す。なお、比較例も併記する。
【0030】
【表4】
【0031】実施例7 ハイドロキノンを30mg添加した以外は、実施例1と
同様に操作して、21.6g(収率90%)の目的生成
物であるBTPが得られた。HPLCのBTP純度が9
9.7%であった。IRから、CNまたはCONH2
収は検出されなかった。
【0032】実施例8 エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩を22mg添加し
た以外は、実施例1と同様に操作した。21.5g(収
率89.5%)の目的生成物であるBTPが得られた。
HPLCのBTP純度が99.5%であった。IRから
CNまたはCONH2吸収は検出されなかった。
【0033】実施例9 ハイドロキノン30mg及びエチレンジアミン四酢酸ナ
トリウム塩22mgを添加した以外は、実施例1と同様
に操作して、21.6g(収率90%)の目的生成物で
あるBTPが得られた。HPLCのBTP純度が99.
8%であった。IRからCNまたはCONH2吸収は検
出されなかった。
【0034】実施例10 パラメトキシフェノール30mg及びニトリロ三酢酸ナ
トリムウ塩30mgを添加した以外は、実施例1と同様
に操作して、21.0g(収率87.5%)の目的生成
物であるBTPが得られた。HPLCのBTP純度が9
9.3%であった。IRからCNまたはCONH2吸収
は検出されなかった。
【0035】実施例11 パラメトキシフェノール30mg及びエチレンジアミン
四酢酸ナトリムウ塩20mgを添加した以外は、実施例
4と同様に操作して、22.0g(収率91.5%)の
目的生成物であるBTPが得られた。HPLCのBTP
純度が99.5%であった。IRからCNまたはCON
2吸収は検出されなかった。
【0036】参考例1 67.5重量パーセントの硫酸97.2g(0.67モ
ル)中に33.6g(0.2モル)の2−メルカプトベ
ンゾチアゾールを懸濁させ、これに15.9gのアクリ
ル酸を40〜50℃において撹拌しながら投入した。こ
の反応混合物を80℃で更に3時間撹拌した後に水20
0mlを滴下することによって希釈する。析出した白黄
色の反応生成物を濾過し、水で洗浄、乾燥して、29.
8g(収率62.9%)の目的生成物のBTPが得られ
た。HPLCでBTP純度が75%であった。
【0037】参考例2 アクリル酸を20〜30℃において、撹拌しながら投入
し、更に同温度で3時間撹拌した以外は、参考例1と同
様に操作し、27.5g(収率57.3%)の目的生成
物のBTPが得られた。HPLCでBTP純度が70%
であった。
【0038】以上、実施例1〜11に示したように、酸
濃度が、例えば硫酸の場合、60〜75重量パーセント
の濃度範囲及び2−メルカプトベンゾチアゾール1モル
に対して硫酸モル比が2.5〜5.0モル比の範囲での
み、また塩酸の場合、25〜35重量パーセントの濃度
範囲及び2−メルカプトベンゾチアゾール1モルに対し
て塩酸モル比が2.5〜5.0モル比の範囲でのみの本
発明の製造方法において、目的生成物であるBTPが高
収率で、しかも高純度で得ることができる。また、重合
防止剤、キレート剤を添加することで、さらに目的生成
物の純度が向上することがわかる。参考例1、2は、原
料を2−メルカプトベンゾチアゾールとアクリル酸を用
いる製造方法であるが、目的生成物の純度、収率ともに
大幅に低く、精製工程を必要とする粗生成物であった。
【0039】
【発明の効果】本発明のBTPの製造方法によれば、酸
水系中で2−メルカプトベンゾチアゾリルとアクリロニ
トリルを反応をさせることで、自動車用不凍液、水溶性
防錆剤、水溶性切削剤、水溶性洗浄剤、および開放系循
環冷却水等に使用される鉄、銅、アルミニウムまたはこ
れらの合金に対する防錆剤として有用であるBTPが高
収率で、しかも高純度で得ることができる。さらに重合
防止剤および/またはキレート剤の1種以上の存在下で
反応させることにより、その効果はさらに良好になる。
また、工業的にも従来の原料に比べて安価に提供でき、
産業上、非常に有益である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【表3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【表4】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−メルカプトベンゾチアゾール1モル
    に対し、酸が2.5〜5.0モル存在する水系で、アク
    リロニトリルを反応させることを特徴とする3−[2−
    (ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 2−メルカプトベンゾチアゾール1モル
    に対し、酸が2.5〜5.0モル存在する水系で、アク
    リロニトリルと反応させ、3−[2−(ベンゾチアゾリ
    ル)チオ]プロピオン酸アミドを得、それを単離するこ
    となく、連続して加水分解反応をすることを特徴とする
    3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 2−メルカプトベンゾチアゾール1モル
    に対し、60〜75重量パーセントの硫酸を硫酸純度換
    算で2.5〜5.0モル存在する水系で、アクリロニト
    リルを反応させることを特徴とする請求項1〜2に記載
    の3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 2−メルカプトベンゾチアゾール1モル
    に対し、25〜35重量パーセントの塩酸を塩酸純度換
    算で2.5〜5.0モル存在する水系で、アクリロニト
    リルを反応でさせることを特徴とする請求項1〜2に記
    載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン
    酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 2−メルカプトベンゾチアゾールと酸の
    水系中に、アクリロニトリルを80℃以下の温度で投入
    し、3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン
    酸アミドとなし、この系を80〜100℃にて反応させ
    る請求項2〜4記載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)
    チオ]プロピオン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、アクリロニトリルの
    投入温度が20〜70℃である3−[2−(ベンゾチア
    ゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法。
  7. 【請求項7】 重合防止剤および/またはキレート剤の
    1種以上を添加してなる請求項1〜6に記載の3−[2
    −(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 重合防止剤がパラメトキシフェノールお
    よび/またはハイドロキノンである請求項7記載の3−
    [2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 キレート剤がエチレンジアミン四酢酸ナ
    トリウム塩および/またはニトリロ三酢酸ナトリウム塩
    である請求項7記載の3−[2−(ベンゾチアゾリル)
    チオ]プロピオン酸の製造方法。
JP05645895A 1995-02-20 1995-02-20 3−[2−(ベンゾチアゾリル)チオ]プロピオン酸の製造方法 Expired - Lifetime JP3566380B2 (ja)

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JP2005343845A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Hakuto Co Ltd アクリロニトリルの重合抑制剤および重合抑制方法
JP2006273746A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Hakuto Co Ltd アクリロニトリルの重合抑制剤および重合抑制方法

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