JP3566340B2 - 選挙端末装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、議員選挙等、各種選挙の投票に使用される選挙端末装置に係り、特に投票を電子化した際の投票操作上に於ける各種の障害を排除した選挙端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、国会議員、都道府県の知事、同議員、市町村、および同議員の選挙では、公職選挙法に基づき、選挙人が地方自治体から郵送される投票時入場券となるハガキを本籍投票所に持参する。そして、投票所の受付において、係員により、住所氏名をもとに選挙人名簿台帳からその選挙人が選挙権を持っているか、未投票の選挙があるか等の確認を行なっている。この受付けで正当な投票権をもつ選挙人であると判断したとき、当該選挙人に対して投票用紙を配布する。この投票用紙を受け取った選挙人は、投票場所で例えば立候補者の氏名を投票用紙に筆記し、投票用紙を投票箱に投函している。その後、投票箱は体育館等の施設に集められ、人海戦術により開票作業が行われ、投票結果が集計される。
【0003】
このように、従来の選挙投票では、投票行為や、集計作業等に於いてOA化が殆ど進んでおらず、選挙の実施にあたっては多くの労力と時間を要し、又、集計に多くの時間が費やされるとともに、多額の費用を必要としていた。
【0004】
又、台帳に於いて選挙人の受付処理を行なうため、本籍投票所以外の投票所(即ち選挙人の自選挙区以外の投票所)では本人確認ができず、従って自選挙区外の投票所で投票を行なうことができず、選挙人にかかる負担が大きく、投票率の向上を図る上で問題があった。
【0005】
そこで上記したような既存の選挙機構に於いて情報機器を導入し、受付、投票、及び集計のそれぞれを自動化するシステム(電子投票システム)が検討され開発されている。この種のシステムに於いては、受付けで選挙人が持参した投票所入場券となる葉書や住民IDカードの情報を選挙人データベースの情報と照合し、選挙人本人であることの確認(選挙人の正当性確認)を受ける。そして投票用紙に代わって、投票を行なう端末(投票端末)を利用するためのトークンが選挙人に渡される。このトークンを投票端末に読み込ませることにより、端末上の投票処理プログラムが起動し、候補者の選択及び確定等の投票操作で投票が行なわれる。その後、投票結果はネットワークを介して集計端末に送られ、或いは投票内容が記録され回収されたトークンが集計所へ送られ、集計端末によって集計される。
【0006】
しかしながら上記した電子投票システムに於いては、投票端末を用いた投票操作の途中で選挙人が投票端末より離れた際に、その中断している投票操作を他の選挙人が継続することにより、その投票が有効票として扱われてしまうという問題が生じる。例えば、投票端末を用いた投票操作の途中で、係員に操作説明を受けようとして端末を離れた際、又は投票操作の途中で投票を止めようとして、画面を初期状態に復帰させずに端末を離れた際等に於いて、誤って、或いは故意に、他の選挙人がその残りの投票操作を行なうと、誤った投票結果が集計に反映されてしまう等の問題があった。特に、このような他の選挙人が操作を継続する投票が不正行為として故意に行なわれた際は、公正な選挙できないという問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の電子投票システムに於いては、投票端末を用いた投票操作の途中で選挙人が投票端末より離れた際に、その中断している投票操作を他の選挙人が継続することにより、その投票が有効票として扱われてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、投票端末を用いた投票操作の途中で選挙人が投票端末より離れた際に、その中断している投票操作を他の選挙人が継続する、複数の選挙人に跨がる瑕疵のある投票行為を排除して、信頼性の高い電子投票処理が維持できる選挙端末装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子投票を行なう選挙端末装置に於いて、投票処理プログラムの流れの中の複数箇所に、パスワード等、個人を識別できる情報(個人識別情報)の入力を選挙人に促す手段と、この入力情報から選挙人の正当性を判断するチェック手段とを設け、選挙人の正当性が確認されたならば、投票プログラムを続行し、投票の確定を可能にする構成としたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、電子投票を行なう選挙端末装置に於いて、投票端末利用トークン(又は選挙人が個人で管理する住民カード等)から、パスワード、氏名、年齢、又は生年月日等、特定の個人識別情報を読み込む手段と、投票を行なうプログラムの流れの中で、上記トークン(又はカード)から読み取った個人識別情報に対応する個人識別情報の入力を選挙人に促し、当該情報を受付ける手段と、上記各個人識別情報を比較判断して選挙人の正当性を確認するチェック手段とを設け、選挙人の正当性が確認されたならば、投票プログラムを続行し、投票の確定を可能にする構成としたことを特徴とする。
【0011】
更に上記構成の選挙端末装置に於いて、選挙人の正当性を確認するための操作時間を監視して、投票操作が途中で中断され、以降、予め決められた時間内に投票操作が行なわれない場合には、投票中断以降の投票プログラムの処理を行なわずに装置を初期状態に戻し、途中まで行なった投票操作を無効にして、次に投票を行なう選挙人のために備える構成としたことを特徴とする。
【0012】
【作用】
投票を確定する操作に際して、選挙人により入力された個人識別情報から選挙人の正当性をチェックし、選挙人の正当性が確認されたならば投票を確定する操作を有効にし、正式な投票として投票処理を行なうことにより、選挙人が投票操作途中で装置より離れた際に、他の選挙人により投票操作が継続され投票が確定してしまう不都合を排除して、1票分の投票が複数の選挙人に跨がって行なわれる不都合を確実に防止できる。
【0013】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
先ず、図1乃至図7を参照して本発明の第1実施例を説明する。
図1は本発明の実施例に於ける選挙端末装置の外観構成を示す図であり、図2は同選挙端末装置の内部ハードウェア構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に於いて、1は選挙端末装置の外筺をなす筺体であり、この筺体1の上面部に一体型表示入力装置2が設けられている。
一体型表示入力装置2は、図2に示すように、LCD(液晶ディスプレイ)6と、座標入力用の透明タブレット5とを積層して一体形成されたもので、同一座標面で表示、及びデータ入力を行なうことができる。
【0015】
スタイラスペン3は、タブレット5の座標位置を指示するもので、タブレット面との接触を検知するスイッチを内蔵し、スイッチの検知結果は内部処理回路を介してLCDタブレットコントローラ11に通知される。
【0016】
一体型表示入力装置2を構成する透明タブレット5は、ガラス製の板に互いに直行するX、Y方向の透明電極がマトリックス状に配置されている。これらの電極には順次パルス電圧が印可されており、スタイラスペン3によって指示されたXY座標位置が静電結合により検出される。透明タブレット5、LCD6、及びスタイラスペン3は、LCDタブレットコントローラ11により制御される。
【0017】
CPU12はマイクロプロセッサにより構成され、RAM13、およびROM14に格納されたプログラムに従い装置全体の制御を司る。RAM13は、リード/ライト可能なメモリであり、CPU12の動作プログラム、LCD6に表示される各種投票画面の情報(表示画面情報、位置情報等)を含む各種のデータを格納する。ROM14は同装置の電源投入後の診断プログラム、システムを立ち上げるブートプログラム等が格納される。VRAM15はLCD6に表示する表示情報を格納するためのビットマップメモリである。
【0018】
LCDタブレットコントローラ11は、VRAM15からLCD6への表示情報転送制御、及びCPU12からVRAM15への表示情報転送制御等の表示制御を行なうとともに、透明タブレット5のX・Y電極のスキャン制御、スタイラスペン3によって指示された位置の電圧検出制御(静電結合方式)、XY座標データの生成、及びRAM13へのXY座標データの送信等のタブレット制御を行なう。
【0019】
トークン読取部10は選挙人より呈示された(カード挿入口に挿入された)トークン(T)の内容を読み、その内容をチェックして、CPU12に通知し、トークン(T)を呈示した選挙人に対し投票可能な選挙種について1回だけ投票を可能にする制御を行なう。
【0020】
通信インタフェース(通信IF)16は、有線方式(又は無線方式)による通信装置を備え、外部の端末制御装置或いはホストコンピュータとのデータ通信制御を行なう。ファイル記憶装置17は、例えばHDD等で構成され、立候補者の各種情報、及びこの装置で入力された投票情報等をセーブ格納することができる。メモリカードインタフェース18はメモリカード19を接続するもので、メモリカード19には、選挙端末装置として動作させるための選挙投票アプリケーションプログラムが記憶されており、その選挙投票アプリケーションプログラムはシステム立ち上げ時にCPU12の制御によりメモリカードインタフェース18を介してRAM13に格納される。音声出力装置33は、この端末装置の操作手順、及び又は立候補者の氏名等を音声ガイダンスとして表示ガイダンスに加えスピーカ又はヘッドホンスピーカを介して音声出力する。
【0021】
図3は上記RAM13に選挙投票アプリケーションプログラムが格納されたときの状態を示す図である。このアプリケーションプログラムは、処理制御部20、入力制御部21、適格性チェック部22、認識処理部23、立候補者検索処理部24、画面ページ出力制御部25、及び通信制御部26等の各種処理プログラムと、位置データバッファ27、辞書データバッファ28、領域データバッファ29、認識結果バッファ30、立候補者バッファ31、及び画面ページ出力バッファ32等の各種データ領域によって構成される。画面ページ出力制御部25は、画面の表示制御部25aと音声制御部25bとで構成される。
【0022】
処理制御部20は、処理プログラム全体を制御するプログラムである。入力制御部21には、スタイラスペン3によってタブレット5上を指示されるた時の位置が座標データとしてタブレットコントローラ10を介して入力される。適格性チェック部22は、投票者の適格性をチェックする、即ち選挙人の正当性を確認するもので、例えば同じ投票者(選挙人)が2回以上投票しないことをチェックし、不適格投票者を検知した場合には、CPU12に対しオペレーションの無効を指示する。更にこの実施例に於いては、投票確定操作の受付処理に際して、上記選挙人の正当性を確認し、選挙人の正当性を確認したときは、選挙人の投票確定操作を有効にすべく投票処理を継続させ、選挙人の正当性が確認されないときは投票確定操作を無効にして初期画面に戻す。
【0023】
認識処理部23は、手書き文字認識が指示された際に、入力制御部21から入力された位置データから選挙人が指定した表示画面上の表示釦等の領域の認識処理を行なう。
【0024】
立候補者検索処理部24は、入力制御部21からの座標データに従う認識処理部23からの領域判定情報をもとに、立候補者バッファ31から、対応する立候補者バッファ(例えばバッファ310a)を検索する。
【0025】
画面ページ出力制御部25の表示制御部25aは、画面ページ出力バッファ32に格納される表示データをLCDコントローラ11を介してLCD6へ転送したり、入力制御部21から入力された座標データをもとに、スタイラスペン3によって指示された内容に従う表示画面を選択してLCD6に表示したり、処理内容を指示するコマンドを表示する制御を行なう。また、音声制御部25bは、画面ページ出力バッファ32に格納される音声出力データを音声出力装置33に出力する制御を行なう。
【0026】
通信制御部26は、通信インタフェース16を制御して、例えば集計処理機能を備えた外部の端末制御装置(ホストコンピュータ)等との間で投票データ転送を含む各種のデータ伝送制御を行なう。
【0027】
位置データバッファ27には、入力制御部21から入力された座標データが格納される。領域データバッファ29には、LCD6に表示される画面上の領域データが格納される。
【0028】
立候補者バッファ310(a〜n)は、登録番号領域座標データ311、立候補者登録番号312、立候補者漢字データ313、立候補者ふりがなデータ314、年齢データ315、政党名データ316、立候補者写真イメージデータ317、得票数カウントバッファ318等によって構成される。これらの識別情報は、その選挙端末装置において管理すべき全ての立候補者(a〜n)毎に用意される。
【0029】
得票数カウントバッファ318は、カウンタ機能を有し、投票の確認操作が実行されると+1カウントアップする。立候補者漢字データ313、立候補者ふりがなデータ314、年齢データ315、政党名データ316、立候補者写真イメージデータ317は、選択された立候補者の確認情報として表示制御部25aの制御によりLCD6に表示される。登録番号領域座標データ311は、タブレット5の選択指示操作において、その指示座標データから対応する立候補者の識別情報を出力する時の比較データとして使用される。
【0030】
図4は本発明の第1実施例による処理の流れを示すフローチャートである。
図5乃至図7はそれぞれ実施例に於ける投票操作の表示画面を例示するもので、図5は投票操作の初期画面、図6は投票操作のパスワード(この例では3桁の暗証番号)入力画面、図7は投票操作の最終確認画面である。
【0031】
図6に示す投票操作のパスワード入力画面に於いて、6aは選挙名であり、投票中の選挙名を表示する。6bは投票端末を操作する選挙人への操作案内であり、この例では選挙人の好みの3桁の番号を暗証番号として入力するように促している。6cは暗証番号を入力するための、プログラムにより画面上に描かれた数字入力ボタンであり、選挙人がスタイラスペン3によりタブレット5上で数値を入力することにより3桁の暗証番号が設定できる。6dは暗証番号表示部であり、選挙人により入力された暗証番号を確認のために表示する。尚、この表示部は他人に見られることを防ぐため、伏せ字又は低輝度表示にしても良い。
【0032】
図7に示す投票操作の最終確認画面に於いて、7bは投票操作する選挙人への操作案内であり、この例では、選挙人が投票する立候補者を選択し終わった際に、その選択を最終確認する、即ち投票を確定する意味で、選挙人に、暗証番号の入力と、投票確定操作のための「はい」または「いいえ」のボタンを押す操作を促している。7cは暗証番号を入力するための、プログラムにより画面上に描かれた数字入力ボタンであり、選挙人がスタイラスペン3によりタブレット5上で数値を入力することにより記憶している3桁の暗証番号が入力できる。ここでは投票操作開始時に於いて図6に示す投票操作のパスワード入力画面上で設定された3桁の暗証番号が選挙人の数字入力ボタン操作により入力される。7dは暗証番号表示部であり、選挙人により入力された3桁の暗証番号を確認のために表示する。7eは選択した立候補者の確認部であり、この例では、選挙人が立候補者の中から「ひまわり党の磯野かつお氏(40才)」に投票するために選択したことを立候補者の顔写真と共に示している。選挙人はこれを見て、自分が選んだ候補者を最終確認する。7f,7gは、画面に描かれた投票確定操作ボタン7f,7gであり、選挙人がペン3で「はい」の投票確定操作ボタン7f、又は「いいえ」の投票確定操作ボタン7gを選択することにより、投票の確定、又は投票のやり直しを指示することができる。
【0033】
図5に示す投票操作の初期画面では、投票操作する選挙人への操作案内が表示される。この例では、投票を行なうために、投票端末利用トークン(T)をカード挿入口に挿入するよう、選挙人に操作を促している。端末側では、投票端末使用トークン(T)が挿入されて初めて、一回だけ投票操作をすることができる。
【0034】
ここで、上記各図を参照して本発明の第1の実施例に於ける動作を説明する。選挙端末装置の電源を投入すると、初めにシステムの初期化処理が行われる。装置内の各部の動作確認を行った後、メモリカード19に格納されている選挙投票アプリケーションプログラムがメモリカードインタフェース18を介して、RAM13に転送される。続いて、選挙投票アプリケーションプログラムを起動させると、まず初めに画面ページ出力制御部25の表示制御部25aは画面ページ出力バッファ32に格納される初期画面の表示データをLCDコントローラ11を介してLCD6に表示する。実際に有権者(選挙人)が選挙端末装置を使用して、投票を行う場合はこの初期画面表示から装置を操作することになる。ここでは本発明に直接関係する投票操作のみを対象に動作説明を行なう。従ってここでの初期画面は図5に示す投票操作の初期画面となる。
【0035】
上記した動作の開始により、先ず一体型表示入力装置2のLCD6上に、図5に示すような投票操作の初期画面が表示され(図4ステップS1 )、トークン読取部10に投票端末利用トークン(T)が挿入されるのを待つ(図4ステップS2 )。
【0036】
ここでトークン読取部10に正規のトークン(T)が挿入されると、一体型表示入力装置2のLCD6上に、図6に示すような投票操作のパスワード(暗証番号)入力画面が表示される(図4ステップS3 )。
【0037】
このパスワード入力画面上で選挙人によりパスワード(ここでは3桁の暗証番号)が入力されると、CPU12はその入力されたパスワード(3桁の暗証番号)をRAM13内の選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶する。この選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶したパスワード(3桁の暗証番号)をパスワードAと呼ぶ。
【0038】
続いて、選挙人は一体型表示入力装置2のLCD6上に表示された立候補者の中から投票する候補者を選択するための投票操作を行なう(図4ステップS4 )。尚、この際の候補者を選択するための、候補者リストの表示画面、候補者詳細履歴の表示画面等は、本発明に直接関係しないので、ここでは省略している。
【0039】
そして、一通りの投票操作を終えると、CPU12は図7に示すような最終確認画面を表示して、操作している選挙人に最終確認と、選挙人の正当性を確認するために、図6に示す投票操作のパスワード入力画面上で設定したパスワードAと同一のパスワード(3桁の暗証番号)の入力を促す(図4ステップS5 )。尚、この投票操作の最終確認画面上で設定されるパスワードをパスワードBと呼ぶ。
【0040】
この図7に示す投票操作の最終確認画面上に於いて、パスワードB(3桁の暗証番号)が入力されると、CPU12はその入力されたパスワード(3桁の暗証番号)をRAM13内の選挙人確認バッファ(BUF2)に記憶する。そして、図6に示す投票操作のパスワード入力画面上で設定され選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶されているパスワードAと、図7に示す投票操作の最終確認画面上で設定され選挙人確認バッファ(BUF2)に記憶したパスワードBとを比較照合する(図4ステップS6 )。
【0041】
ここで選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶されたパスワードAと選挙人確認バッファ(BUF2)に記憶されたパスワードB(A,B共に3桁の暗証番号)とが一致した場合は、操作を始めた選挙人と、投票操作により最終的に投票を行なう選挙人が同一である(即ち、投票操作の開始から終了まで同一選挙人により行なわれた)と判断し、選挙人の正当性が確認されたとして、投票結果を例えば通信インタフェース16、及びネットワークを介してホスト端末に伝送するとともに、立候補者バッファ31内の該当候補者の得票数カウントバッファ318iを更新(+1)する(図4ステップS7 )。
【0042】
そして、投票が終了した旨のメッセージ画面(及び音声)を出力して、初期画面表示に戻る(図4ステップS8 ,S1 ,…)。
又、選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶されたパスワードAと選挙人確認バッファ(BUF2)に記憶されたパスワードB(A,B共に3桁の暗証番号)とが一致しない場合は、予め定められた回数の範囲で(例えば3回まで)、図7に示す投票操作の最終確認画面上に於けるパスワードB(3桁の暗証番号)の再設定を認め、その設定回数だけ入力をやり直しても一致しない場合には、係員を呼び出すように操作者に促す画面を表示する(図4ステップS9 ,S10)。
【0043】
この際は、係員が状況を確認し、判断して、所定の処置を施してから画面を初期画面に戻す(図4ステップS11)。
このように、候補者選択前の操作段階(図4ステップS3 )と、投票確定操作の受付処理前の操作段階(図4ステップS5 )との各ステージ(2箇所)でパスワード(ここでは3桁の暗証番号)を選挙人に入力させ、その二つのパスワード(A,B)を比較して以降の処理を決めることで、例えば投票操作の途中で選挙人が誤って、或いは故意に投票操作部(投票ブース)から立ち去り、他の選挙人が続きの操作を行なっても、パスワードが分からなければ、立ち去った選挙人の投票は伝送されず、従って複数の選挙人に跨がる瑕疵のある投票行為を未然に防ぐことができる。
【0044】
次に、図8、図9を参照して本発明の他の実施例を説明する。
図8は本発明の第2実施例に於ける動作の流れを示すフローチャートである。この図8のフローチャートに示す第2実施例が、図4に示す第1実施例と特に異なるところは、例えば、個人を識別できる情報(個人識別情報)を記憶又は記録した住民カード等を投票端末利用トークンとして用い、投票操作のパスワード入力画面によるパスワードAの設定を無くして、上記カードより読んだ特定の個人識別情報(例えばパスワード、氏名、年齢、又は、生年月日等)をパスワードAとして読込み、投票操作の最終確認画面上で設定されたパスワードBと比較照合して、選挙人の正当性を確認する機能構成とした点である。
【0045】
ここでは、投票端末利用トークンとして、選挙人の様々な情報が記録されている、例えば住民IDカードや、投票所受付にてパスワード等の情報が書き込まれた記録媒体(磁気ストライプカード、ペットカード、ICカード、パンチカード、マークシート等)を用いる。この際は、トークン読取部10として、投票端末利用トークンとして用いるカードを扱うカードリーダを用いる。
【0046】
図8のフローチャートを参照して第2実施例の動作を説明する。
動作の開始により、先ず一体型表示入力装置2のLCD6上に、図5に示すような投票操作の初期画面が表示され(図8ステップS21)、トークン読取部10に投票端末利用トークン(T)が挿入されるのを待つ(図8ステップS22)。
【0047】
ここでトークン読取部10に正規のトークン(T)が挿入されると、トークン読取部10は、トークン(T)に記録された個人識別情報として、例えばパスワードを読み込む(図8ステップS23)。
【0048】
この読込まれたパスワードはCPU12の制御の下にRAM13内の選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶される。この選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶されたパスワードをここではパスワードCと呼ぶ。
【0049】
続いて、選挙人は一体型表示入力装置2のLCD6上に表示された候補者リスト、候補者詳細履歴とうを参照して立候補者の中から投票する候補者を選択する、所定の投票操作を行なう(図8ステップS24)。
【0050】
そして、一通りの投票操作を終えると、CPU12は図7に示すような最終確認画面を表示して、操作している選挙人に最終確認と、選挙人の正当性を確認するためにパスワードの入力を促す(図8ステップS25)。尚、この投票操作の最終確認画面上で設定されるパスワードをパスワードDと呼ぶ。
【0051】
この際、図7では、パスワード表示部として、3桁の暗証番号表示部7dを例示しているが、これに限らず、例えばアルファベットを含めた6桁構成等、他の構成であってよい。
【0052】
この図7に示す投票操作の最終確認画面上に於いて、パスワードDが入力されると、CPU12はその入力されたパスワードDをRAM13内の選挙人確認バッファ(BUF2)に記憶する。そして、トークン(T)より読み選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶されているパスワードCと、図7に示す投票操作の最終確認画面上で設定され選挙人確認バッファ(BUF2)に記憶したパスワードDとを比較照合する(図8ステップS26)。
【0053】
ここで選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶されたパスワードDと選挙人確認バッファ(BUF2)に記憶されたパスワードDとが一致した場合は、操作を始めた選挙人と、投票操作により最終的に投票を行なう選挙人が同一である(即ち、投票操作の開始から終了まで同一選挙人により行なわれた)と判断し、選挙人の正当性が確認されたとして、投票結果を例えば通信インタフェース16、及びネットワークを介してホスト端末に伝送するとともに、立候補者バッファ31内の該当候補者の得票数カウントバッファ318iを更新(+1)する(図8ステップS27)。
【0054】
そして、投票が終了した旨のメッセージ画面(及び音声)を出力して、初期画面表示に戻る(図8ステップS28,S21,…)。
又、選挙人確認バッファ(BUF1)に記憶されたパスワードCと選挙人確認バッファ(BUF2)に記憶されたパスワードDとが一致しない場合は、予め定められた回数の範囲で(例えば3回まで)、図7に示す投票操作の最終確認画面上に於けるパスワードDの再設定を認め、その設定回数だけ入力をやり直しても一致しない場合には、係員を呼び出すように操作者に促す画面を表示する(図8ステップS29,S30)。この際は、係員が状況を確認し、判断して、所定の処置を施してから画面を初期画面に戻す(図8ステップS31)。
【0055】
このように、候補者選択前の操作段階でトークン(T)よりパスワードCを読み(図8ステップS23)、投票確定操作の受付処理前の操作段階でパスワードDを選挙人に入力させて(図8ステップS25)、その二つのパスワード(C,D)を比較して以降の処理を決めることで、例えば投票操作の途中で選挙人が誤って、或いは故意に投票操作部(投票ブース)から立ち去り、他の選挙人が続きの操作を行なっても、パスワードが分からなければ、立ち去った選挙人の投票は伝送されず、従って複数の選挙人に跨がる瑕疵のある投票行為を未然に防ぐことができる。
【0056】
図8は本発明の第3実施例に於ける動作の流れを示すフローチャートである。この図8のフローチャートに示す第3実施例は、上記した第1実施例、又は、第2実施例に於ける投票処理に、選挙人の正当性を確認するための操作時間の監視機能を付加するもので、所定時間内に選挙人の正当性が確認されないとき、装置を初期状態に戻す構成を実現する。
【0057】
即ち、この第3実施例では、上記図4に示す第1実施例の処理、又は、図8に示す第2実施例の処理と平行して選挙人の正当性を確認するための操作時間の監視を行ない、決められた時間内に正しい暗証番号入力、又はパスワード入力が行なわれなかった場合には、選挙人が投票操作途中で装置より離れ、他の選挙人により投票操作が継続され得ると判断して、動作を初期画面に戻す。
【0058】
まず、選挙人により操作が行なわれた際(図9ステップS41)、次の操作があるか否かを監視する(図9ステップS42)。
操作が行なわれない場合は、その時間をカウントし(図9ステップS44)、操作が行なわれた場合には、カウントした時間をクリアし(図9ステップS43)して再び次の操作を待つ。
【0059】
操作がない場合は時間のカウントを繰り返し実行し、例えば5分間等、決められた時間に達すると(図9ステップS45)、図4にステップS1 で示す、又は、図8にステップS21で示す初期画面に戻す(図9ステップS46)。
【0060】
このような時間監視機能をもつことにより、選挙人が操作途中で装置より離れた際に於いて、その状態を認識でき、プログラムを初期状態に戻すことで混乱を防ぐことができる。
【0061】
尚、上記した実施例に於いては、投票操作に先立ち、トークン読取部10に挿入されるトークン(T)として、磁気ストライプカード等の磁気記録媒体を用いたカード類の他に、ICカード等の記憶素子を内蔵したカード、パンチ孔でコードを形成するパンチカード、マークシート等、各種の記録媒体、記憶装置等が適用可能である。
【0062】
又、一体型表示入力装置2の位置検出方式についても静電誘導方式以外に、例えば、感圧方式あるいは電磁誘導方式等であってもよい。又、タブレットについても透明型でなく、例えば半透明型あるいは不透明型等であってもよく、スタイラスペンについてもコードタイプ、コードレスタイプ、又、感圧方式の場合はタッチパネルでペンを使用しないタイプ等のいずれであってもよい。又、表示装置についても、LCD(液晶ディスプレイ)でなく、例えばプラズマディスプレイ等、他の表示装置であってもよい。
【0063】
又、上記実施例では、選挙投票アプリケーションプログラムをメモリカード19より提供しているが、これに限らず、例えばファイル記憶装置17、又はROM14に保存しておく構成等であってもよい。又、選挙投票アプリケーションプログラムの構成、立候補者バッファ31のデータ構造等も上記実施例に限定されず、他のプログラムの構成、データ構造等であっもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、投票操作の途中で選挙人が投票端末より離れた際に、その中断している投票操作を他の選挙人が継続する、複数の選挙人に跨がる瑕疵のある投票行為を排除して、信頼性の高い電子投票処理が維持できる選挙端末装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に於ける選挙端末装置の外観構成を示す図。
【図2】上記実施例に於ける選挙端末装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】上記実施例に於いてRAM13に選挙投票アプリケーションプログラムが格納されたときの状態を示す図。
【図4】本発明の第1実施例による処理の流れを示すフローチャート。
【図5】上記実施例に於ける投票操作の初期画面を示す図。
【図6】上記実施例に於ける投票操作のパスワード力画面を示す図。
【図7】上記実施例に於ける投票操作の最終確認画面を示す図。
【図8】本発明の第2実施例に於ける動作の流れを示すフローチャート。
【図9】本発明の第3実施例に於ける動作の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…筺体、2…一体型表示入力装置、3…スタイラスペン、4…、5…透明タブレット、6…LCD(液晶ディスプレイ)、7…、8…、9…、10…トークン読取部、11…LCDタブレットコントローラ、12…CPU、13…RAM、14…ROM、15…VRAM、16…通信インタフェース(通信IF)、17…ファイル記憶装置、18…メモリカードインタフェース、19…メモリカード、20…処理制御部、21…入力制御部、22…適格性チェック部、23…認識処理部、24…立候補者検索処理部、25…画面ページ出力制御部、26…通信制御部、27…位置データバッファ、28…辞書データバッファ、29…領域データバッファ、30…認識結果バッファ、31…立候補者バッファ、32…画面ページ出力バッファ、33…音声出力装置、T…トークン。
Claims (2)
- 入力操作に連動して表示制御される表示画面上で候補者を選択し投票確定操作を行なう選挙端末装置に於いて、候補者選択前の操作段階で選挙人の個人認証情報を受付け、当該情報を一時登録する手段と、投票確定操作前の操作段階で選挙人の個人認証情報を受付け、当該情報と上記一時登録された個人認証情報とをもとに選挙人の正当性を確認する手段とを具備してなることを特徴とする選挙端末装置。
- 入力操作に連動して表示制御される表示画面上で候補者を選択し、投票確定操作を行なう選挙端末装置に於いて、候補者選択を含む投票操作に先立ち、選挙人に暗証情報の入力を促し当該入力を受付ける第1の暗証情報入力処理手段と、投票確定操作に先立ち、選挙人に暗証情報の入力を促し当該入力を受付ける第2の暗証情報入力処理手段と、上記第1、第2の暗証情報を照合して選挙人の正当性を確認する手段とを有し、選挙人の正当性を確認したとき、選挙人の投票確定操作を有効にすることを特徴とする選挙端末装置。
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