JP3565902B2 - 車両用盗難防止装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の盗難防止のための装置に関し、特に内燃機関の始動を不能とする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の盗難を防止するための方法として、たとえば車内への侵入を防止する方法、ハンドルをロックして操舵を不能とする方法、内燃機関の始動を不能とする方法などが挙げられる。しかしながら、前記車内への侵入を防止する方法では、ドアをこじ開けたり、ガラスを割るなどして車内に侵入することを、たとえばガラス割れセンサなどを用いて検知して、警報を発し、阻止するのであるけれども、ドアが開いてしまうと、簡単に乗逃げされてしまう恐れがある。
【0003】
このような乗逃げを防止するための方法として、内燃機関の始動を不能とする方法が効果的である。このような方法の第1の従来技術では、運転者がキースイッチを操作するなどして入力した暗証番号、またはドアロック制御用に運転者が携帯している送信機から送信された識別コードと、予め定める基準コードとが比較され、両者が一致したときにのみ、たとえば内燃機関制御装置が制御動作を行うように構成されている。
【0004】
一方、第2の従来技術として、前記暗証番号入力を必要とせず、またドアロック制御装置とは独立して、イグニションキーシリンダに関連して盗難防止機能を実現するようにしたキー装置が、たとえば特開昭63−93649号公報で示されている。この従来技術では、キー孔にキーを差込むと、該キー孔の周縁部に形成されている磁気回路とキー内の磁気回路とが磁気結合し、車両側が周波数を走査して発生した高周波信号に対して、キー側がどの周波数で共振するかによってキーの認識を行うようにし、電気的接点を不要として信頼性を向上するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1の従来技術では、イグニションキーシリンダへキーが差込まれて角変位操作され、内燃機関の点火回路への通電が可能となると、内燃機関制御装置が、前記暗証番号や識別コードの判別手段から前記暗証番号や識別コードが一致しているときに出力される駆動許可信号を受信したときにのみ内燃機関の運転を可能とする。したがって、前記キーの角変位操作が瞬時に行われて前記内燃機関制御装置への通電開始とほぼ同時にスタータモータが起動されてしまうと、電源ラインの電圧低下によって内燃機関制御装置は前記駆動許可信号を誤判定してしまう恐れがある。
【0006】
また、第2の従来技術でも、キー孔にキーが差込まれて瞬時に角変位操作が行われてスタータモータが起動されると、上述のような電源ラインの電圧低下とともに、オルタネータなどからのノイズも共振信号に重畳されてしまい、誤判定を生じる恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、盗難に遇っているか否かを正確に判定することができる車両用盗難防止装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、予め定める操作によって識別信号が入力される入力手段と、前記識別信号と予め定める基準信号とを比較し、両者が相互に一致するときには、内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力すると共に、車両のドアのロック制御を行うドアロック制御手段とを備えた車両用盗難防止装置において、
前記内燃機関制御装置は、燃料噴射量および点火時期を制御すると共に、前記ドアロック手段の判別結果に基づいてスタータモータを制御するようにし、イグニションキーの所定のスタート操作に応答して、ドアロック制御手段に駆動許可信号を要求し、この要求に応答して前記駆動許可信号が入力されたときにのみ、スタータモータを起動することを特徴とする車両用盗難防止装置である。
【0009】
また本発明は、キー孔にキーを差込むことによってキーが識別信号を送信し、車両側の受信手段で受信された識別信号と所定の基準信号とが判別手段で比較され、両者が相互に一致しているときには前記判別手段が内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力し、前記キー孔内でのキーの所定の変位操作によってスタータモータが起動されるようにした車両用盗難防止装置において、
前記スタータモータを前記判別手段の判別結果に基づいて制御するようにし、判別手段は、盗難を検出すると警報を発する共に、キーの前記所定の変位操作に応答して、受信手段に識別信号を要求し、この要求に応答して前記識別信号が基準信号と一致しているか否かが判断され、識別信号が基準信号と一致しているときにのみ、内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力して、前記スタータモータを起動することを特徴とする車両用盗難防止装置である。
【0010】
また本発明は、予め定める操作によって識別信号が入力される入力手段と、前記識別信号と予め定める基準信号とを比較し、両者が相互に一致するときには、内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力する判別手段とを備える車両用盗難防止装置において、
前記判別手段は、前記識別信号が受信されるべき期間中は、ラジオ受信機によるラジオ放送の音響化を停止させることを特徴とする車両用盗難防止装置である。
【0012】
【作用】
本発明に従えば、入力手段へ識別信号が入力されると、その識別信号は、ドアロック制御手段において予め定める基準信号と比較され、両者が相互に一致しているとき、すなわち入力された識別信号がその車両に固有の識別信号であるときには、ドアロック制御手段は内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力する。これに応答して、内燃機関制御装置は燃料噴射量や点火時期などの制御を開始する。
【0013】
一方、本発明では、スタータモータは前記内燃機関制御装置によって制御されるようにしており、イグニションキーシリンダへキーが差込まれて角変位操作されるなどの所定のスタート操作が行われても、前記内燃機関制御装置は、前記駆動許可信号が入力されるまでスタータモータの起動を猶予する。
【0014】
したがって、スタータモータの起動による電源電圧低下時に前記駆動許可信号が入力されているか否かの判定を行うのではなく、スタータモータを起動する以前に前記判定を行うので、誤判定を防止することができる。
【0015】
また本発明に従えば、キー孔にキーを差込むことによってキーが識別信号を送信し、その識別信号を車両側において受信手段で受信し、判別手段で所定の基準信号と比較して両者が相互に一致しているときには、内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力するようにした盗難防止装置において、スタータモータを前記判別手段によって制御する。
【0016】
判別手段は、キー孔に差込まれたキーの角変位操作などの所定の変位操作が行われても、識別信号が基準信号と一致していないときにはスタータモータを起動せず、一致しているときにのみスタータモータを起動する。
【0017】
したがって、判別手段において前記識別信号と基準信号との一致判定が行われてから、キーの変位操作に応答したスタータモータの起動が行われるので、スタータモータが起動されてから一致判定を行う場合に比べて、電源電圧低下や、点火ノイズなどによる影響を抑えて、正確な判定を行うことができる。
【0020】
本発明に従えば、前記判別手段は、識別信号が受信されるべき期間、すなわち高周波信号が送信されている期間中は、ラジオ受信機の電源を遮断するなどしてラジオ放送の音響化を停止させる。これによって、前記高周波信号によるノイズの音響化を防止することができる。
【0021】
【実施例】
図1は、盗難防止機能を備える本発明の一実施例の車両制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。この車両制御装置1は、大略的に、内燃機関2を制御する内燃機関制御部3と、ドアロック制御部6とを含んで構成されている。
【0022】
前記内燃機関制御部3は、大略的に、吸気圧検出器11によって検出された内燃機関2の吸気圧およびクランク角検出器12によって検出された内燃機関2の回転速度などに基づいて燃料噴射量および点火時期を演算し、燃料噴射弁13およびイグナイタ14を駆動する。内燃機関制御部3は、入力インタフェイス回路16〜19と、アナログ/デジタル変換器8と、マイクロコンピュータなどで実現される処理回路7と、消去再書込み可能ないわゆるEEPROMなどで実現されるメモリ20と、出力インタフェイス回路21,22となどを含んで構成されている。
【0023】
前記吸気圧検出器11からの出力は、アナログ/デジタル変換器8でデジタル値に変換されて、処理回路7に読込まれる。またクランク角検出器12からのクランクパルスは、入力インタフェイス回路17で波形整形された後、前記処理回路7に入力される。入力インタフェイス回路16は、前記ドアロック制御部6からの信号を受信するために設けられている。
【0024】
処理回路7にはまた、ニュートラルスイッチ9およびスタート検出器10からの出力が、入力インタフェイス回路18,19でそれぞれ波形整形されて入力される。ニュートラルスイッチ9は、自動変速機の変速段がパーキングまたはニュートラル位置となると導通する。またスタート検出器10は、イグニションキースイッチ65がスタート接点STに導通されていることを検出する。
【0025】
処理回路7は、前記ニュートラルスイッチ9および検出器10,11,12の検出結果などに基づいて、メモリ20に記憶されているマップデータなどを参照しながら、前記燃料噴射量および点火時期などを演算し、パワートランジスタなどで実現される出力インタフェイス回路21を介して、燃料噴射弁13の開弁時間を制御するとともに、イグナイタ14を介して点火プラグ23の点火時期および点火時間などを制御する。さらにまた処理回路7は、出力インタフェイス回路21を介して、後述するようにスタータモータ15を駆動する。
【0026】
ドアロック制御部6は、大略的に、送信機41からの信号に応答して、受信機42がドアロック用のアクチュエータ43を駆動する。また、前記受信機42は、スイッチ44,45によって盗難を検出すると、ホーン46を吹鳴させるとともに、停止表示灯47を点滅させる盗難防止動作を行う。
【0027】
前記送信機41は、押釦スイッチ51と、送信回路52と、メモリ53とを含んで構成されている。押釦スイッチ51が操作されると、送信回路52は、リードオンリメモリなどで実現されるメモリ53から、該送信機41に固有の識別コードを読出し、その識別コードを表す信号を、周波数変調波または振幅変調波もしくは赤外線で受信機42へ送信する。
【0028】
前記受信機42は、受信回路54と、入力インタフェイス回路55〜59と、処理回路50と、メモリ60と、出力インタフェイス回路61,62とを含んで構成されている。受信回路54で受信された前記識別コードを表す信号は、入力インタフェイス回路55で波形整形された後、マイクロコンピュータなどで実現される処理回路50に入力される。処理回路50は、その識別コードが、EEPROMなどで実現されるメモリ60に記憶されている自車の識別コードと一致しているか否かを判断し、一致しているときには、出力インタフェイス回路61を介して、電磁ソレノイドなどで実現されるアクチュエータ43を駆動する。すなわち、ドアおよびトランクなどが施錠されているときには解錠動作を行い、解錠されているときには施錠動作を行う。
【0029】
前記処理回路50にはまた、スイッチ63,44,45からの出力が、それぞれ入力インタフェイス回路56,57,58で、チャタリング成分などが除去されて入力されている。セットスイッチ63が導通されて盗難防止機能が選択されている状態で、ボンネットの開閉を検出するフードスイッチ44またはドアの開閉を検出するカーテシスイッチ45によって、前記ボンネットまたはドアが開かれたことを検出すると、処理回路50は、前述のようにホーン46を吹鳴させるとともに、停止表示灯47を点滅させる。こうして盗難防止動作を行う。
【0030】
なお、この処理回路50からはまた、内燃機関制御部3の出力インタフェイス回路22からライン68を介して該ドアロック制御部6の入力インタフェイス回路59に、後述するように駆動許可信号の送信要求が入力されると、出力インタフェイス回路62およびライン64を介して内燃機関制御部3の前記入力インタフェイス回路16へ、前記識別コードを表す信号を出力する。
【0031】
前記各制御部3,6には、それぞれ定電圧回路67,69が設けられており、定電圧回路67へはイグニションキースイッチ65がIG接点またはST接点に導通されるとバッテリ66からの電力が供給され、また定電圧回路69へはバッテリ66からの電力が常時供給され、各制御部3,6内の各回路が電力付勢される。
【0032】
図2は、上述のように構成された車両制御装置1の盗難防止動作を説明するためのタイミングチャートである。図2(1)で示されるように、時刻t1においてイグニションキースイッチ65のIG接点が導通されると、定電圧回路67から内燃機関制御部3内の各回路へ電力供給が開始される。図2(2)で示すように時刻t2において、前記イグニションキースイッチ65のST接点が導通されたことをスタート検出器10によって検出すると、図2(3)において時刻t3で示すように、処理回路7は出力インタフェイス回路22からライン68を介して、ドアロック制御部6の入力インタフェイス回路59から処理回路50へ駆動許可信号の送信要求を出力する。
【0033】
これに応答して、処理回路50は、ドアロック制御時に送信機41からの識別コードとメモリ60に記憶されている自車の識別コードとが一致していたときには、図2(4)において時刻t4で示すように、出力インタフェイス回路62からライン64を介して、内燃機関制御部3の入力インタフェイス回路16から処理回路7へ駆動許可信号を出力する。この駆動許可信号を受信すると、処理回路7は前記イグニションキースイッチ65のST接点への導通に応答して、図2(5)で示すように、時刻t5からスタータモータ15を起動する。したがって、前記時刻t5から図2(6)で示すように、内燃機関2は回転を開始することになる。
【0034】
これに対して、ドアがこじ開けられるなどして処理回路50で識別コードの一致判定が行われていない状態で、イグニションキースイッチ65のST接点が導通されて処理回路7から送信要求が出力されても、処理回路50は駆動許可信号を出力せず、したがってスタータモータ15は起動されず、こうして内燃機関2の始動を確実に阻止することができる。
【0035】
図3は、上述のような処理回路7の制御動作を説明するためのフローチャートである。イグニションキースイッチ65のIG接点が導通されるとステップn1に移り、後述するスタートフラグF0のリセットなどの初期化処理が行われる。ステップn2では、スタート検出器10の検出結果からイグニションキースイッチ65のST接点が導通されいるか否かが判断され、そうであるときにはステップn3で前記フラグF0が1にセットされてステップn5に移り、そうでないときにはステップn4で前記フラグF0が0にリセットされた後、ステップn5に移る。ステップn5では、ニュートラルスイッチ9が導通しているニュートラル状態であるか否か、あるいは吸気圧検出器11およびクランク角検出器12の検出結果の入力処理などの他の入力処理が行われる。
【0036】
ステップn6では、前記フラグF0が1にセットされているか否かが判断され、そうである内燃機関2の始動時にはステップn7に移り、ライン68を介して駆動許可信号の送信要求を出力する。ステップn8では、その送信要求に応答した駆動許可信号の受信が行われ、ステップn9では受信されたデータが駆動許可を表すデータであるか否かが判断され、そうであるときにはステップn10でスタータモータ15が駆動される。
【0037】
これに対して、ステップn6においてフラグF0が0にリセットされているとき、およびステップn9において受信されたデータが駆動許可を表すものでないときにはステップn11に移り、スタータモータ15は停止されたままとなる。前記ステップn10またはn11からはステップn12に移り、前記ステップn5で求められた入力結果に対応して燃料噴射量や点火時期などの他の制御出力が行われた後、前記ステップn2に戻る。
【0038】
このように本発明に従う車両制御装置1では、スタータモータ15を内燃機関制御部3によって制御するようにし、イグニションキースイッチ65のST接点が導通されても、直ちにこのスタータモータ15を起動することはなく、ドアロック制御部6からの駆動許可信号が入力されてからスタータモータ15を起動するので、スタータモータ15の起動後に駆動許可信号を通信する場合に比べて、バッテリ66の電圧低下などの影響を受けることなく、ライン64を介して入力されたデータが駆動許可信号であるか否かを正確に判定することができる。
【0039】
図4は本発明の他の実施例の車両制御装置101の電気的構成を示すブロック図であり、前述の実施例に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。この実施例では、前記内燃機関制御部3およびラジオ受信機40が電源制御部4によって制御されるとともに、この電源制御部4はまた前記スタータモータ15を制御する。電源制御部4は、イグニションキーシリンダのキー孔25へのキー5の差込みおよびその角変位操作に応答して、後述するような動作を行う。
【0040】
電源制御部4は、定電圧回路69と、コード検知器71と、挿入検知器72と、検出器31〜33と、入力インタフェイス回路34〜36,73と、処理回路37と、出力インタフェイス回路39,62と、メモリ60とを備えて構成されている。挿入検知器72はキー孔25へのキー5の挿入を検知し、アクセサリ検出器31はキー5が角変位操作されてAcc位置に設定されたか否かを検出し、イグニション検出器32は前記キー5がIG位置に設定されたか否かを検出し、スタート検出器33は前記キー5がST位置に設定されたか否かを検出する。前記挿入検知器72および検出器31〜33の検出結果は、入力インタフェイス回路73および34〜36をそれぞれ介して処理回路37に入力される。処理回路37は、各検出器31〜33の検出結果に応答して、後述するように出力インタフェイス回路39を介して、ラジオ受信機40、内燃機関制御部3およびスタータモータ15を電力付勢する。
【0041】
前記コード検知器71は、前記キー孔25の挿入口付近に配置された円環状のコア26において一直径線上に対向配置された一対のコイル27a,27bに発振・検知回路38から周波数を走査した高周波信号が与えられ、この高周波信号に対するキー5の共振信号を該コイル27a,27bで検知することによって、前記共振周波数をキー5に固有のコードとして読取る。したがって、発振・検知回路38は、周波数を走査して発振を行う発振回路とともに、コイル27a,27bを流れる電流レベルを読取るための電流/電圧変換用抵抗およびアナログ/デシタル変換器などを備えている。発振・検知回路38の検知結果は、前記処理回路37に入力されている。
【0042】
またキー5には、前記キー孔25に差込まれるべきキー本体75の基端部付近に前記コア26と磁気結合する軸状のコア28が設けられており、このコア28の外周面にはコイル29が巻回されている。コイル29の両端子は、該キー5に固有の共振周波数を有する共振回路30に接続されている。
【0043】
したがって、キー5がキー孔25に差込まれたことが挿入検知器72によって検知されると、発振・検知回路38はコイル27a,27bに周波数を走査した発振電流を与え、これによってコア26に磁気結合したコア28に巻回されているコイル29に生じる起電流に対して共振回路30が共振すると、コイル27a,27bを流れる電流も変化し、こうして前記共振周波数を検出することが可能となる。
【0044】
処理回路37は、こうして検出された共振周波数と、メモリ60に記憶されている共振周波数とが一致している状態で、各検出器31〜33の検出結果に応答して、ラジオ受信機40、内燃機関制御部3およびスタータモータ15を駆動する。
【0045】
すなわち、キー5が角変位操作されてAcc位置にあるときには、ラジオ受信機40を電力付勢し、IG位置にあるときには前記ラジオ受信機40および内燃機関制御部3を電力付勢し、ST位置にあるときには前記ラジオ受信機40の電力付勢を停止するとともに、内燃機関制御部3およびスタータモータ15を電力付勢する。
【0046】
図5は、処理回路37の動作を説明するためのタイミングチャートである。キー孔25に差込まれたキー5が角変位操作され、図5(1)で示すように時刻t11においてAcc位置となったことがアクセサリ検出器31によって検出されると、処理回路37は図5(4)で示されるように、時刻t12において発振・検知回路38に送信要求を出力する。これに応答して、発振・検知回路38は、高周波信号を発振し、キー5の共振周波数を読込む。その読込んだ結果を図5(5)において時刻t13で示すように処理回路37へ送信し、処理回路37ではその入力された共振周波数がメモリ60に記憶されている共振周波数と一致しているときには、図5(6)において時刻t14で示すようにラジオ受信機40を電力付勢する。
【0047】
また図5(2)で示すように、キー5がIG位置となったことがイグニション検出器32によって検出されると、前記図5(4)および図5(5)においてそれぞれ時刻t12,t13と同様に、t16,t17で示すようにして再び共振周波数の読込みが行われる。その読込まれた結果がメモリ60に記憶されているデータに一致しているときには、図5(7)で示すように時刻t18から内燃機関制御部3へ電力供給が行われる。
【0048】
さらにまた図5(3)において時刻t19で示すように、スタート検出器33によってキー5がST位置に角変位操作されたことが検出されると、時刻t20,t21で処理回路37はそれぞれ送信要求の出力および共振周波数の読込みを行い、一致しているときには図5(8)において時刻t22で示すように、出力インタフェイス回路62から内燃機関制御部3へ駆動許可信号を出力するとともに、図5(9)に示すようにスタータモータ15を起動する。これによって、図5(10)で示すように内燃機関2は回転を開始する。
【0049】
なお、ラジオ受信機40は、時刻t14において電力付勢が開始されるけれども、時刻t17〜t18間およびt21〜スタータモータ15が停止される時刻t23間はその電力付勢が停止され、これによってコード検知器71による高周波信号および内燃機関2の点火ノイズなどが音響化されることを防止している。
【0050】
図6〜図9は、上述の処理回路37の動作を説明するためのフロチャートである。キー5がAcc位置に角変位操作されると、図6で示される割込処理動作を開始し、ステップm1で発振・検知回路38へ送信要求が出力され、ステップm2ではそれに応答した共振周波数の読込みが行われる。ステップm3では、その読込み結果がメモリ60の記憶内容と一致しているか否かが判断され、そうであるときにはステップm4においてラジオ受信機40への通電を許可することを表すフラグF1が1にセットされた後、図9で示すメイン処理動作に復帰し、そうでないときには直接メイン処理動作に復帰する。
【0051】
また、キー5がIG位置まで角変位操作されると、図7で示す割込処理動作を開始し、ステップm10で前記フラグF1が一旦0にリセットされ、ステップm11では前記ステップm1と同様に発振・検知回路38へ送信要求が出力される。ステップm12では、それに応答した共振周波数が読込まれ、ステップm13ではメモリ60に記憶されているデータと一致しているか否かが判断され、そうであるときにはステップm14で内燃機関制御部3への通電を許可することを表すフラグF2が1にセットされ、さらにステップm15で前記フラグF1が1に再セットされた後、メイン処理動作へ復帰し、そうでないときには直接メイン処理動作へ復帰する。
【0052】
さらにまた、キー5がST位置まで角変位操作されると、図8で示される割込処理動作を開始し、ステップm20〜m23では前記ステップm10〜m13と同様に、フラグF1のリセット、発振・検知回路38への送信要求、共振周波数の受信、比較が行われ、その比較結果が一致しているときにはステップm24でスタータモータ15を駆動すべきことを表すフラグF3が1にセットされた後、ステップm25で前記フラグF1が1に再セットされる。
【0053】
前記図6〜図8で示す割込処理動作によってセットまたはリセットされたフラグF1〜F3に従って、図9で示すメイン処理動作が行われる。先ず、ステップk1で前記各フラグF1〜F3のリセットなどの初期化処理が行われる。ステップk2では、フラグF1が1にセットされているか否かが判断され、そうであるときにはステップk3でラジオ受信機40への通電が行われた後、ステップk4に移り、そうでないときには直接ステップk4に移る。
【0054】
ステップk4では、フラグF2が1にセットされているか否かが判断され、そうであるときにはステップk5で内燃機関制御部3への通電が行われた後、ステップk6に移り、そうでないときには前記ステップk2に戻る。ステップk6では、フラグF3が1にセットされているか否かが判断され、そうであるときにはステップk7でスタータモータ15が駆動された後、ステップk2に戻り、そうでないときには直接ステップk2に戻る。
【0055】
このように本発明に従う車両制御装置101では、電源制御部4によってスタータモータ15を制御するようにし、スタータモータ15の駆動中にキー5が固有のキーであるか否かの判別を行うのではなく、判別後にスタータモータ15を駆動するので、スタータモータ15の駆動による電源電圧低下などの影響を受けることなく、正確な判定を行うことができる。また、この車両制御装置101では、発振・検知回路38によるキー5の共振周波数の検出時およびスタータモータ15の駆動時にはラジオ受信機40の電力付勢を停止するので、内燃機関2の点火ノイズや、発振・検知回路38からの高周波信号が音響化されてしまうことを防止することもできる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、スタータモータを内燃機関制御装置によって制御するようにし、イグニションキーシリンダへキーが差込まれて角変位操作するなどの所定のスタート操作が行われても、前記内燃機関制御装置は、入力された識別信号と基準信号とが一致している、すなわち入力された識別信号がその車両に固有の識別信号であることを表す駆動許可信号が入力されるまでスタータモータの起動を猶予するので、スタータモータの起動による電源電圧低下時に前記駆動許可信号が入力されているか否かの判定を行うのではなく、スタータモータを起動する以前に前記判定を行うので、誤判定を防止することができる。
【0057】
また本発明によれば、キー孔にキーを差込むことによってキーが識別信号を送信し、その識別信号を車両側で受信し、判別手段で所定の基準信号と比較して両者が相互に一致しているときには、内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力するようにした盗難防止装置において、スタータモータを前記判別手段によって制御するので、前記識別信号と基準信号との一致判定が行われてからキーの変位操作に応答したスタータモータの起動が行われるので、スタータモータが起動されてから一致判定を行う場合に比べて、電源電圧低下や、点火ノイズなどによる影響を抑えて正確な判定を行うことができる。
【0059】
さらに本発明によれば、識別信号が受信されるべき期間、すなわち高周波信号が送信されている期間中はラジオ受信機の電源を遮断するなどしてラジオ放送の音響化を停止させるので、前記共振によってキーから発生されるノイズの音響化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】盗難防止機能を備える本発明の一実施例の車両制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】前記車両制御装置1の盗難防止動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】図2のフロチャートである。
【図4】本発明の他の実施例の車両制御装置101の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】前記車両制御装置101の盗難防止動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】前記車両制御装置101の盗難防止動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】前記車両制御装置101の盗難防止動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】前記車両制御装置101の盗難防止動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】前記車両制御装置101の盗難防止動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1,101 車両制御装置
2 内燃機関
3 内燃機関制御部
4 電源制御部
5 キー
6 ドアロック制御部
7,37,50 処理回路
25 キー孔
38 発振・検知回路
40 ラジオ受信機
41 送信機
42 受信機
71 コード検知器
72 挿入検知器
Claims (3)
- 予め定める操作によって識別信号が入力される入力手段と、前記識別信号と予め定める基準信号とを比較し、両者が相互に一致するときには、内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力すると共に、車両のドアのロック制御を行うドアロック制御手段とを備えた車両用盗難防止装置において、
前記内燃機関制御装置は、燃料噴射量および点火時期を制御すると共に、前記ドアロック手段の判別結果に基づいてスタータモータを制御するようにし、イグニションキーの所定のスタート操作に応答して、ドアロック制御手段に駆動許可信号を要求し、この要求に応答して前記駆動許可信号が入力されたときにのみ、スタータモータを起動することを特徴とする車両用盗難防止装置。 - キー孔にキーを差込むことによってキーが識別信号を送信し、車両側の受信手段で受信された識別信号と所定の基準信号とが判別手段で比較され、両者が相互に一致しているときには前記判別手段が内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力し、前記キー孔内でのキーの所定の変位操作によってスタータモータが起動されるようにした車両用盗難防止装置において、
前記スタータモータを前記判別手段の判別結果に基づいて制御するようにし、判別手段は、盗難を検出すると警報を発する共に、キーの前記所定の変位操作に応答して、受信手段に識別信号を要求し、この要求に応答して前記識別信号が基準信号と一致しているか否かが判断され、識別信号が基準信号と一致しているときにのみ、内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力して、前記スタータモータを起動することを特徴とする車両用盗難防止装置。 - 予め定める操作によって識別信号が入力される入力手段と、前記識別信号と予め定める基準信号とを比較し、両者が相互に一致するときには、内燃機関制御装置へ駆動許可信号を出力する判別手段とを備える車両用盗難防止装置において、
前記判別手段は、前記識別信号が受信されるべき期間中は、ラジオ受信機によるラジオ放送の音響化を停止させることを特徴とする車両用盗難防止装置。
Priority Applications (1)
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JP11559594A JP3565902B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 車両用盗難防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH07315170A JPH07315170A (ja) | 1995-12-05 |
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- 1994-05-27 JP JP11559594A patent/JP3565902B2/ja not_active Expired - Lifetime
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