JP3564770B2 - 畑作用苗植機 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、歩行型の畑作用の苗植機に用いるもので、圃場の端で苗植機をたやすくUターンさせようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の苗植機は、機体が前後の駆動車輪と転輪で支持され、これらが畝と畝の間の谷間で回転して前進するように出来ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
その苗植機が圃場の端に来ると、油圧シリンダで駆動車輪を下げて機体を上昇させたのち、転輪が上る方向に機体を傾斜させ、その転輪が畝の上を通過するようにしてUターンさせる。従って、オペレータは、このUターンに当り、後部のハンドルを押し下げたり引き上げたりして機体を前後方向に大きく傾斜させていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するため、左右一対の転動自在な転輪29と左右一対の駆動回転可能な駆動車輪10とを機体の前後にそれぞれ上下動可能に設けるとともに、圃場に苗を植え付ける苗植装置を設けた畑作用苗植機において、前記駆動車輪10は油圧シリンダ11によって横軸1a回りに揺動する伝動ケース9の下端に設け、前記転輪29は横軸27回りに揺動する支持具26から下に伸びる支脚28の下端に設け、前記伝動ケース9に設けたアーム9bと前記支持具26とをロッド31で連結するとともに、該ロッド31の端部が前記支持具26に対して該支持具26の揺動支点となる前記横軸27よりも上側と下側とに選択自在に係合するように設けて、前記転輪29を駆動車輪10と同方向に上下動する状態と転輪29を駆動車輪10と逆方向に上下動する状態とに切替え可能に構成したことを特徴とする畑作用苗植機とした。
【0005】
【作用】
この発明は、上記のように構成されるので、苗植作業中は、ロッド31の端部を支持具26に対して該支持具26の揺動支点となる横軸27よりも上側で係合させて苗植機を運転する。すると、畝の左右の谷に深浅があって機体が上下に揺動するとき、油圧シリンダ11で伝動ケース9をその揺動支点となる横軸1a回りに揺動させて駆動車輪10を上下に揺動させると、伝動ケース9の揺動でロッド31が支脚28を同方向に揺動させ、転輪29が駆動車輪10と同じ方向に上下して機体をその水平状態を保ちながら上下させ、もって、畝と機体との所望の間隔が保たれる。
【0006】
この苗植機が圃場の端(畝の終端)に達すると、ロッド31の端部を支持具26に対して該支持具26の揺動支点となる横軸27よりも下側で係合するように切替える。すると、油圧シリンダ11で駆動車輪10を下降して機体を上昇させたとき、ロッド31が転輪29をこれまでとは逆に上昇させる。
【0007】
【効果】
以上のように、この発明によると、ロッド31の端部の支持具26に対する係合位置を、その支持具26の揺動支点となる横軸27よりも上側で係合する位置と下側で係合する位置とのいずれかに選択することにより、駆動車輪10と転輪29が同方向に上下する状態と逆方向に上下する状態とに切替えられる。そのため、苗植作業中は、駆動車輪10と転輪29が同方向に上下する係合位置を選択して機体を水平に上下させることができる。また、圃場端でUターン旋回する場合は、駆動車輪10と転輪29が逆方向に上下する係合位置を選択して駆動車輪10を下降させて機体を上昇させる一方、転輪29を上昇させられる。従って、機体を前後に大きく傾斜させなくても、旋回中に転輪29が畝に当って畝を崩すようなことがなく畝の上方を通過させられ、旋回が容易に行える。
【0008】
【実施例】
つぎに、この発明の実施例を説明する。図1および図2のように、歯車箱1の前後にエンジン2と筒3が固定されて苗植機の機体となっている。植付歯車箱4が筒3の後端に固定され、これから植付フレーム5が斜後上に伸び、その中間に固定されたポスト6の先にパネル7とハンドル8が固定されている。
【0009】
筒1a,1aが歯車箱1の両横に突出し、伝動ケース9,9の上端のスリーブ9a,9aがそれぞれの外周に回動自在に取付けられている。すなわち、筒1a,1aが請求範囲に記載の伝動ケース9,9の上部の横軸となっている。一対の駆動車輪10,10がそれぞれの伝動ケース9,9に取付けられ、エンジン2の回転が歯車箱1、スリーブ9a,9aおよび伝動ケース9,9内の歯車群を経由して伝達されている。なお、駆動車輪10,10は畝Aをまたいでその左右の谷B内に配置される。
【0010】
油圧シリンダ11が歯車箱1に固定され、ピストンロッド12がこれから後に突出し、その後端に横杆13の中央が取付けられている。アーム9b,9bがそれぞれのスリーブ9a,9aから上に突出し、その突端と横杆13の両端がそれぞれのロッド14,14で連結されている。弁15がポンプ16と油圧シリンダ11の間に設けられ、図2の「中立」の位置で油圧シリンダ11内の油を閉じるとともにポンプ16が吐出した油をタンク17に戻している。弁15がばね18に抗して右に移動すると、「上げ」となってポンプ16が吐出した油を油圧シリンダ11内に送り、ピストンロッド12が後に突出し、横杆13がロッド14,14を後に引き寄せ、レバー9b,9bが伝動ケース9,9を筒1a,1aの回りに時計方向に回し、駆動車輪10,10が下って歯車箱1を含む機体が上昇する。これとは逆に、弁15がばね18で押されて左に移動すると「下げ」となってポンプ16が吐出した油と油圧シリンダ11内の油をタンク17に戻し、上記とは逆に、駆動車輪10,10が上って機体が下降する。なお、図の油圧シリンダ11は、前室のみに油が供給される単胴式であるが、前後の両室に油が供給される複胴式を用いることができる。
【0011】
昇降レバー19がハンドル8の近くで、前端の軸の回りに回動するように設けられ、後部がパネル7の案内溝20から後に突出している。L型レバー21が中間の軸の回りに回動するように取付けられ、その押し片21aが弁棒15aの先に当っている。ケーブル22の両端がL型レバー21の引き片21bと昇降レバー19の中間に取付けられ、昇降レバー19の後端を上げて案内溝20の上端の「植付け」20aに位置させると、ケーブル22が緩み弁15がばね18で押されて左に移動し、前記の「下げ」の位置に来る。昇降レバー19の後端を下げて案内溝20の下端の「上昇」20bに位置させると、ケーブル22が引かれ、弁15が押し片21aでばね18に抗して右に押され、前記の「上げ」の位置に来る。また、昇降レバー19を案内溝20の中間の「固定」に係止すると、弁15が図2の「中立」の位置にとどまって、油圧シリンダ11内に油が閉じ込められ、機体の高さが固定されるようになっている。
【0012】
板で構成された高さセンサ23が筒3の下腹部に設けられ、軸23aの回りに回動しながら畝Aの上面を滑走するように出来ている。ケーブル24の両端が引き片21bと高さセンサ23のレバー23bに取付けられている。そして、昇降レバー19を「植付け」20aに位置させると、ケーブル22が緩んで機体が下降するが、この下降で機体が畝Aから適正な高さになると、高さセンサ23が畝Aで押し上げられ、ケーブル24がL型レバー21を回し、弁15が「中立」の位置に移動して機体の下降が停止する。この状態で、駆動車輪10,10が谷Bの浅い所に来ると、畝Aが低くなってその上面と機体の間隔が広くなる。すると、高さセンサ23の後端が下ってレバー23bが後に移動し、ケーブル24が緩んで弁15がばね18で押されて「下げ」となり、機体が適正な位置まで自動的に下降する。これとは逆に、谷Bの深い所に来ると、畝Aが高くなってその上面と機体の間隔が狭くなる。すると、高さセンサ23の後端が上ってレバー23bが前に移動し、ケーブル24が引かれて弁15が「上げ」となり、機体が適正な位置まで自動的に上昇する。
【0013】
支杆25が歯車箱1から前に突出し、その突端に支持具26の中間が横軸27でその回りに回動するように取付けられている。一対の支脚28,28がその両側から斜後下に伸び、その下端に、それぞれの駆動車輪10,10の前方において転輪29,29が取付けられている。横軸27の後において支持具26に上下方向の長孔30が設けられいる。ロッド31の後端が左のアーム9bに掛け止められ、その前端が長孔30に掛け止められている。ロッド31は、ばね32で引き上げられて前端が横軸27よりも上で長孔30に係止し、また、ワイヤ33でばね32に抗して引き下げると前端が横軸27よりも下で長孔30に係止するように出来ている。すなわち、ロッド31の前端を長孔30の上端に係止すると、転輪29,29が駆動車輪10,10と同じ方向に上下し、機体が水平状態を保って上下する。ロッド31の前端を長孔30の下端に係止すると、転輪29,29が駆動車輪10,10とは逆の方向に上下する。従って、苗植作業中は、ワイヤ33を緩めてロッド31の前端を長孔30の上端に係止して用い、Uターンに当っては、ワイヤ33を引いてロッド31の前端を長孔30の下端に係止して用いる。
【0014】
ワイヤ33の端は、独立した操作レバー(図示していない)に取付けても良いが、図のように、昇降レバー19に取付け、弁15と連動させると好都合である。すなわち、植付作業中において高さセンサ23からの信号で機体が自動的に上下するときは、駆動車輪10,10と転輪29,29が同方向に上下し、Uターンに当って駆動車輪10,10を下降させるときには転輪29,29が上昇する。
【0015】
転輪29,29は、駆動車輪10,10の後に設けることができる。駆動車輪10と転輪29は、それぞれの数に限定はないが、それぞれが一対のとき、実施例に代えて、前後の駆動車輪10と転輪29をそれぞれのロッドで連結しても良い。ロッド31の一端は、横杆13に連結しても良い。先端が回動して横軸27の上下に反転するレバーを支持具26に設け、その先端にロッド31の端を連結し、そのレバーの反転でロッド31の端を横軸27の上下に代えるなど、種々の構造が採用できる。
【0016】
集団苗が載せられる苗載台50が機体の上に前上りに設けられ、エンジン2の動力で左右に往復駆動されるように出来ている。第1旋回ケース51が植付フレーム5に取付けられ、これとその先の第2旋回ケース52が旋回すると、その先の植付杆53が同じ姿勢を保って上下方向に長い長円軌道Cで旋回するようになっている。そして、この植付杆53は、下降行程で苗載台50の端を通って集団苗から1株分の苗を欠ぎ取り、下端においてその苗を畝Aに移植する。
【0017】
図3および図4は、他の転輪29の上下装置を示している。なお、図1および図2と符号が同じものは、同じ構成のため、説明を省略する。すなわち、支杆34が歯車箱1から前に突出し、その突端に横軸35が回動自在に取付けられ、その横から斜後下に伸びた支脚36の下端に転輪29が取付けられている。長孔37aを有するアーム37が横軸35に固定され、その横で受板38が支杆34に固定されている。ばね39で押し出されると長孔37a内に入るピン40が受板38に設けられ(図4)、ワイヤ41を引くと、ばね39を圧縮して右に移動し、長孔37aから抜け出すようになっている。シリンダ42がアーム37の先に後向に取付けられ、後端がアーム9bに取付けられたロッド43の前端がシリンダ42に入り、その先の円板43aとシリンダ42の後壁の間にばね44が設けられている。そしてワイヤ41を引いてピン40を長孔37aから引き抜くと、シリンダ42とロッド43が一体となって転動ケース9の回動が支脚36を同方向に回動する。また、ワイヤ41を緩めてピン40を長孔37aに差し込むと、伝動ケース9が時計方向に回動するとき、ピン40が長孔37aの端に当ったのち、アーム37と支脚36の時計方向の回動が止まり、円板43aがばね44を圧縮しながらロッド43が右に移動して伝動ケース9のみが回動するようになっている。なお、ワイヤ41の端は、図2の昇降レバー19に取付け、その案内溝20の「上昇」20bの横に係止部20dを設け、ポンプ16と弁15の間にリリーフ弁45を設ける。そして、畝Aの終端に来た苗植機をUターンさせるとき昇降レバー19を係止部20dに掛け止めて用いる。すると、昇降レバー19がケーブル22を引き、L型レバー21が弁15を押し、これが「下げ」となって駆動車輪10,10が下って機体が上昇する。このとき、ワイヤ41が緩んでピン40が長孔37aに入り、アーム37と支脚36の回動が止められる。すなわち、苗植機をUターンさせるとき、駆動車輪10,10を油圧シリンダ11で押し下げるが、このとき、転輪29,29は下降しないので、そのUターンが比較的スムースに行われる。なお、苗植作業中は、昇降レバー19を「植付け」20aに位置させる。すると、ピン40が長孔37aから抜け出し、転輪29,29が駆動車輪10,10とともに同方向に上下する。
【0018】
この苗植機には、つぎの表土破砕装置が設けられている。すなわち、図3のように、水タンク46がエンジン2の前に設けられ、その中の水が下のポンプ47で加圧され、後のノズル48から苗の移植位置の前で畝Aの表面に吹き付けられるようになっている。そのため、水田跡地などで大きな土塊がこの高圧の水で破砕されたり、夾雑物が切断され、植付精度の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を施した苗植機の側面図。
【図2】その概要を表す平面図。
【図3】他の苗植機の側面図。
【図4】その一部の拡大した切断平面図。
【符号の説明】
1 歯車箱
1a 横軸(筒)
9 伝動ケース
9b アーム
10 駆動車輪
11 油圧シリンダ
26 支持具
27 横軸
28 支脚
29 転輪
31 ロッド
【産業上の利用分野】
この発明は、歩行型の畑作用の苗植機に用いるもので、圃場の端で苗植機をたやすくUターンさせようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の苗植機は、機体が前後の駆動車輪と転輪で支持され、これらが畝と畝の間の谷間で回転して前進するように出来ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
その苗植機が圃場の端に来ると、油圧シリンダで駆動車輪を下げて機体を上昇させたのち、転輪が上る方向に機体を傾斜させ、その転輪が畝の上を通過するようにしてUターンさせる。従って、オペレータは、このUターンに当り、後部のハンドルを押し下げたり引き上げたりして機体を前後方向に大きく傾斜させていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するため、左右一対の転動自在な転輪29と左右一対の駆動回転可能な駆動車輪10とを機体の前後にそれぞれ上下動可能に設けるとともに、圃場に苗を植え付ける苗植装置を設けた畑作用苗植機において、前記駆動車輪10は油圧シリンダ11によって横軸1a回りに揺動する伝動ケース9の下端に設け、前記転輪29は横軸27回りに揺動する支持具26から下に伸びる支脚28の下端に設け、前記伝動ケース9に設けたアーム9bと前記支持具26とをロッド31で連結するとともに、該ロッド31の端部が前記支持具26に対して該支持具26の揺動支点となる前記横軸27よりも上側と下側とに選択自在に係合するように設けて、前記転輪29を駆動車輪10と同方向に上下動する状態と転輪29を駆動車輪10と逆方向に上下動する状態とに切替え可能に構成したことを特徴とする畑作用苗植機とした。
【0005】
【作用】
この発明は、上記のように構成されるので、苗植作業中は、ロッド31の端部を支持具26に対して該支持具26の揺動支点となる横軸27よりも上側で係合させて苗植機を運転する。すると、畝の左右の谷に深浅があって機体が上下に揺動するとき、油圧シリンダ11で伝動ケース9をその揺動支点となる横軸1a回りに揺動させて駆動車輪10を上下に揺動させると、伝動ケース9の揺動でロッド31が支脚28を同方向に揺動させ、転輪29が駆動車輪10と同じ方向に上下して機体をその水平状態を保ちながら上下させ、もって、畝と機体との所望の間隔が保たれる。
【0006】
この苗植機が圃場の端(畝の終端)に達すると、ロッド31の端部を支持具26に対して該支持具26の揺動支点となる横軸27よりも下側で係合するように切替える。すると、油圧シリンダ11で駆動車輪10を下降して機体を上昇させたとき、ロッド31が転輪29をこれまでとは逆に上昇させる。
【0007】
【効果】
以上のように、この発明によると、ロッド31の端部の支持具26に対する係合位置を、その支持具26の揺動支点となる横軸27よりも上側で係合する位置と下側で係合する位置とのいずれかに選択することにより、駆動車輪10と転輪29が同方向に上下する状態と逆方向に上下する状態とに切替えられる。そのため、苗植作業中は、駆動車輪10と転輪29が同方向に上下する係合位置を選択して機体を水平に上下させることができる。また、圃場端でUターン旋回する場合は、駆動車輪10と転輪29が逆方向に上下する係合位置を選択して駆動車輪10を下降させて機体を上昇させる一方、転輪29を上昇させられる。従って、機体を前後に大きく傾斜させなくても、旋回中に転輪29が畝に当って畝を崩すようなことがなく畝の上方を通過させられ、旋回が容易に行える。
【0008】
【実施例】
つぎに、この発明の実施例を説明する。図1および図2のように、歯車箱1の前後にエンジン2と筒3が固定されて苗植機の機体となっている。植付歯車箱4が筒3の後端に固定され、これから植付フレーム5が斜後上に伸び、その中間に固定されたポスト6の先にパネル7とハンドル8が固定されている。
【0009】
筒1a,1aが歯車箱1の両横に突出し、伝動ケース9,9の上端のスリーブ9a,9aがそれぞれの外周に回動自在に取付けられている。すなわち、筒1a,1aが請求範囲に記載の伝動ケース9,9の上部の横軸となっている。一対の駆動車輪10,10がそれぞれの伝動ケース9,9に取付けられ、エンジン2の回転が歯車箱1、スリーブ9a,9aおよび伝動ケース9,9内の歯車群を経由して伝達されている。なお、駆動車輪10,10は畝Aをまたいでその左右の谷B内に配置される。
【0010】
油圧シリンダ11が歯車箱1に固定され、ピストンロッド12がこれから後に突出し、その後端に横杆13の中央が取付けられている。アーム9b,9bがそれぞれのスリーブ9a,9aから上に突出し、その突端と横杆13の両端がそれぞれのロッド14,14で連結されている。弁15がポンプ16と油圧シリンダ11の間に設けられ、図2の「中立」の位置で油圧シリンダ11内の油を閉じるとともにポンプ16が吐出した油をタンク17に戻している。弁15がばね18に抗して右に移動すると、「上げ」となってポンプ16が吐出した油を油圧シリンダ11内に送り、ピストンロッド12が後に突出し、横杆13がロッド14,14を後に引き寄せ、レバー9b,9bが伝動ケース9,9を筒1a,1aの回りに時計方向に回し、駆動車輪10,10が下って歯車箱1を含む機体が上昇する。これとは逆に、弁15がばね18で押されて左に移動すると「下げ」となってポンプ16が吐出した油と油圧シリンダ11内の油をタンク17に戻し、上記とは逆に、駆動車輪10,10が上って機体が下降する。なお、図の油圧シリンダ11は、前室のみに油が供給される単胴式であるが、前後の両室に油が供給される複胴式を用いることができる。
【0011】
昇降レバー19がハンドル8の近くで、前端の軸の回りに回動するように設けられ、後部がパネル7の案内溝20から後に突出している。L型レバー21が中間の軸の回りに回動するように取付けられ、その押し片21aが弁棒15aの先に当っている。ケーブル22の両端がL型レバー21の引き片21bと昇降レバー19の中間に取付けられ、昇降レバー19の後端を上げて案内溝20の上端の「植付け」20aに位置させると、ケーブル22が緩み弁15がばね18で押されて左に移動し、前記の「下げ」の位置に来る。昇降レバー19の後端を下げて案内溝20の下端の「上昇」20bに位置させると、ケーブル22が引かれ、弁15が押し片21aでばね18に抗して右に押され、前記の「上げ」の位置に来る。また、昇降レバー19を案内溝20の中間の「固定」に係止すると、弁15が図2の「中立」の位置にとどまって、油圧シリンダ11内に油が閉じ込められ、機体の高さが固定されるようになっている。
【0012】
板で構成された高さセンサ23が筒3の下腹部に設けられ、軸23aの回りに回動しながら畝Aの上面を滑走するように出来ている。ケーブル24の両端が引き片21bと高さセンサ23のレバー23bに取付けられている。そして、昇降レバー19を「植付け」20aに位置させると、ケーブル22が緩んで機体が下降するが、この下降で機体が畝Aから適正な高さになると、高さセンサ23が畝Aで押し上げられ、ケーブル24がL型レバー21を回し、弁15が「中立」の位置に移動して機体の下降が停止する。この状態で、駆動車輪10,10が谷Bの浅い所に来ると、畝Aが低くなってその上面と機体の間隔が広くなる。すると、高さセンサ23の後端が下ってレバー23bが後に移動し、ケーブル24が緩んで弁15がばね18で押されて「下げ」となり、機体が適正な位置まで自動的に下降する。これとは逆に、谷Bの深い所に来ると、畝Aが高くなってその上面と機体の間隔が狭くなる。すると、高さセンサ23の後端が上ってレバー23bが前に移動し、ケーブル24が引かれて弁15が「上げ」となり、機体が適正な位置まで自動的に上昇する。
【0013】
支杆25が歯車箱1から前に突出し、その突端に支持具26の中間が横軸27でその回りに回動するように取付けられている。一対の支脚28,28がその両側から斜後下に伸び、その下端に、それぞれの駆動車輪10,10の前方において転輪29,29が取付けられている。横軸27の後において支持具26に上下方向の長孔30が設けられいる。ロッド31の後端が左のアーム9bに掛け止められ、その前端が長孔30に掛け止められている。ロッド31は、ばね32で引き上げられて前端が横軸27よりも上で長孔30に係止し、また、ワイヤ33でばね32に抗して引き下げると前端が横軸27よりも下で長孔30に係止するように出来ている。すなわち、ロッド31の前端を長孔30の上端に係止すると、転輪29,29が駆動車輪10,10と同じ方向に上下し、機体が水平状態を保って上下する。ロッド31の前端を長孔30の下端に係止すると、転輪29,29が駆動車輪10,10とは逆の方向に上下する。従って、苗植作業中は、ワイヤ33を緩めてロッド31の前端を長孔30の上端に係止して用い、Uターンに当っては、ワイヤ33を引いてロッド31の前端を長孔30の下端に係止して用いる。
【0014】
ワイヤ33の端は、独立した操作レバー(図示していない)に取付けても良いが、図のように、昇降レバー19に取付け、弁15と連動させると好都合である。すなわち、植付作業中において高さセンサ23からの信号で機体が自動的に上下するときは、駆動車輪10,10と転輪29,29が同方向に上下し、Uターンに当って駆動車輪10,10を下降させるときには転輪29,29が上昇する。
【0015】
転輪29,29は、駆動車輪10,10の後に設けることができる。駆動車輪10と転輪29は、それぞれの数に限定はないが、それぞれが一対のとき、実施例に代えて、前後の駆動車輪10と転輪29をそれぞれのロッドで連結しても良い。ロッド31の一端は、横杆13に連結しても良い。先端が回動して横軸27の上下に反転するレバーを支持具26に設け、その先端にロッド31の端を連結し、そのレバーの反転でロッド31の端を横軸27の上下に代えるなど、種々の構造が採用できる。
【0016】
集団苗が載せられる苗載台50が機体の上に前上りに設けられ、エンジン2の動力で左右に往復駆動されるように出来ている。第1旋回ケース51が植付フレーム5に取付けられ、これとその先の第2旋回ケース52が旋回すると、その先の植付杆53が同じ姿勢を保って上下方向に長い長円軌道Cで旋回するようになっている。そして、この植付杆53は、下降行程で苗載台50の端を通って集団苗から1株分の苗を欠ぎ取り、下端においてその苗を畝Aに移植する。
【0017】
図3および図4は、他の転輪29の上下装置を示している。なお、図1および図2と符号が同じものは、同じ構成のため、説明を省略する。すなわち、支杆34が歯車箱1から前に突出し、その突端に横軸35が回動自在に取付けられ、その横から斜後下に伸びた支脚36の下端に転輪29が取付けられている。長孔37aを有するアーム37が横軸35に固定され、その横で受板38が支杆34に固定されている。ばね39で押し出されると長孔37a内に入るピン40が受板38に設けられ(図4)、ワイヤ41を引くと、ばね39を圧縮して右に移動し、長孔37aから抜け出すようになっている。シリンダ42がアーム37の先に後向に取付けられ、後端がアーム9bに取付けられたロッド43の前端がシリンダ42に入り、その先の円板43aとシリンダ42の後壁の間にばね44が設けられている。そしてワイヤ41を引いてピン40を長孔37aから引き抜くと、シリンダ42とロッド43が一体となって転動ケース9の回動が支脚36を同方向に回動する。また、ワイヤ41を緩めてピン40を長孔37aに差し込むと、伝動ケース9が時計方向に回動するとき、ピン40が長孔37aの端に当ったのち、アーム37と支脚36の時計方向の回動が止まり、円板43aがばね44を圧縮しながらロッド43が右に移動して伝動ケース9のみが回動するようになっている。なお、ワイヤ41の端は、図2の昇降レバー19に取付け、その案内溝20の「上昇」20bの横に係止部20dを設け、ポンプ16と弁15の間にリリーフ弁45を設ける。そして、畝Aの終端に来た苗植機をUターンさせるとき昇降レバー19を係止部20dに掛け止めて用いる。すると、昇降レバー19がケーブル22を引き、L型レバー21が弁15を押し、これが「下げ」となって駆動車輪10,10が下って機体が上昇する。このとき、ワイヤ41が緩んでピン40が長孔37aに入り、アーム37と支脚36の回動が止められる。すなわち、苗植機をUターンさせるとき、駆動車輪10,10を油圧シリンダ11で押し下げるが、このとき、転輪29,29は下降しないので、そのUターンが比較的スムースに行われる。なお、苗植作業中は、昇降レバー19を「植付け」20aに位置させる。すると、ピン40が長孔37aから抜け出し、転輪29,29が駆動車輪10,10とともに同方向に上下する。
【0018】
この苗植機には、つぎの表土破砕装置が設けられている。すなわち、図3のように、水タンク46がエンジン2の前に設けられ、その中の水が下のポンプ47で加圧され、後のノズル48から苗の移植位置の前で畝Aの表面に吹き付けられるようになっている。そのため、水田跡地などで大きな土塊がこの高圧の水で破砕されたり、夾雑物が切断され、植付精度の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を施した苗植機の側面図。
【図2】その概要を表す平面図。
【図3】他の苗植機の側面図。
【図4】その一部の拡大した切断平面図。
【符号の説明】
1 歯車箱
1a 横軸(筒)
9 伝動ケース
9b アーム
10 駆動車輪
11 油圧シリンダ
26 支持具
27 横軸
28 支脚
29 転輪
31 ロッド
Claims (1)
- 左右一対の転動自在な転輪29と左右一対の駆動回転可能な駆動車輪10とを機体の前後にそれぞれ上下動可能に設けるとともに、圃場に苗を植え付ける苗植装置を設けた畑作用苗植機において、前記駆動車輪10は油圧シリンダ11によって横軸1a回りに揺動する伝動ケース9の下端に設け、前記転輪29は横軸27回りに揺動する支持具26から下に伸びる支脚28の下端に設け、前記伝動ケース9に設けたアーム9bと前記支持具26とをロッド31で連結するとともに、該ロッド31の端部が前記支持具26に対して該支持具26の揺動支点となる前記横軸27よりも上側と下側とに選択自在に係合するように設けて、前記転輪29を駆動車輪10と同方向に上下動する状態と転輪29を駆動車輪10と逆方向に上下動する状態とに切替え可能に構成したことを特徴とする畑作用苗植機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02140995A JP3564770B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 畑作用苗植機 |
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---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08214642A JPH08214642A (ja) | 1996-08-27 |
JP3564770B2 true JP3564770B2 (ja) | 2004-09-15 |
Family
ID=12054239
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP02140995A Expired - Fee Related JP3564770B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 畑作用苗植機 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3564770B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109168355A (zh) * | 2018-08-07 | 2019-01-11 | 凤台县正祥农业科技发展有限公司 | 一种养猪场粪便还田施肥处理设备及其工作方式 |
-
1995
- 1995-02-09 JP JP02140995A patent/JP3564770B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109168355A (zh) * | 2018-08-07 | 2019-01-11 | 凤台县正祥农业科技发展有限公司 | 一种养猪场粪便还田施肥处理设备及其工作方式 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08214642A (ja) | 1996-08-27 |
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