JP3564500B2 - 直噴型火花点火式内燃機関 - Google Patents

直噴型火花点火式内燃機関 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、機関本体のシリンダ内に直接燃料を噴射して混合気を形成し、この混合気を点火栓によって着火させる直噴型火花点火式内燃機関に関し、特に、シリンダヘッドの上部に配置されたカムシャフトを有するオーバーヘッドカムシャフト式動弁機構を備えた直噴型火花点火式内燃機関の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なガソリン機関では、吸気通路内に燃料を噴射して混合気を生成し、この混合気をシリンダ内に導入するようになっているが、近年は、燃費や排気エミッション等の向上のため、機関本体のシリンダ内に燃料を直接噴射して混合気を形成し、この混合気を点火栓によって強制着火するようにした直噴型火花点火式内燃機関も提案されている。この直噴型火花点火式内燃機関にあっては、噴射燃料の微粒化を図って、燃焼室壁面に燃料が付着するのを抑制するために、通常の吸気ポート内燃料噴射型の機関よりも、燃料圧力を高めに設定することが考えられる。このために、直噴型火花点火式内燃機関では、燃料を高圧で燃料噴射弁に吐出供給するための高圧燃料ポンプを備えている。
【0003】
このような高圧燃料ポンプは、例えば特開平1−46239号公報等に示されているように、モータで駆動することも考えられるが、大型のモータを用いる必要があるため、駆動消費電力が増大したり、コストアップが大きく、機械的構造も複雑となる等の問題がある。これに対し、例えば特開平4−339152号公報等に示されたものでは、高圧燃料ポンプを機関本体のシリンダブロック側方に配置し、タイミングベルト、プーリ等によって伝達されるクランクシャフトの回転力によって駆動するようになっており、このような方法を採用すれば、高圧燃料供給系の構造を簡素化することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、クランクシャフトの回転力を利用して高圧燃料ポンプを駆動する上述の従来技術では、高圧燃料ポンプをシリンダブロック側方に配置しているため、高圧燃料ポンプと燃料噴射弁との間の距離が比較的長くなり易い。従って、かかる構成では、機関始動時に燃料噴射弁部の燃料圧力を所定の高圧に昇圧させるまでの時間(昇圧時間)が長くなる。そして、燃料圧力が所定の高圧となるまでは、正規の燃料噴射が行えないので、機関始動性が悪化する可能性がある。
【0005】
上述の従来技術では、シリンダ内に燃料を直接噴射する高圧燃料噴射弁とは別に、吸気通路内に燃料を噴射する始動時用の低圧燃料噴射弁を備え、始動時は通常運転時よりも燃料圧力を低圧としつつ低圧燃料噴射弁のみを作動させるようにしており、上述した問題が顕著に現れることはないが、構造の簡素化や始動時の吸気通路内燃料壁流量を低減することを考えれば、始動時も通常運転時と同様にシリンダ内に直接燃料を噴射する方が好ましいので、上述の始動性悪化に対する対策が必要である。
【0006】
なお、高圧燃料ポンプをモータで駆動する場合は、スタータースイッチをオンにする前から(即ち、イグニッションスイッチがオンとされたときから)ポンプの駆動を開始することができるので、始動性を確保し易いが、モータ使用による構造の複雑化を避けて高圧燃料ポンプを機関の回転力で駆動する場合には、上述のような問題が生じる。
【0007】
本発明はかかる従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、機関始動性の良好な直噴型火花点火式内燃機関の提供にある。また、本発明のより具体的な目的は、始動時の燃料昇圧時間を短縮して始動性を向上させると共に、機械的構造が簡素で、かつ、始動時からシリンダ内に直接燃料を噴射することができる直噴型火花点火式内燃機関を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、シリンダヘッドに高圧燃料ポンプを配置して、高圧燃料配管の管路長を短くすることにより、燃料昇圧時間を短縮等せんとする。即ち、本発明に係る直噴型火花点火式内燃機関の採用する構成は、機関本体と、該機関本体のシリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁に高圧燃料配管を介して燃料を圧送する高圧燃料ポンプと、前記機関本体のシリンダヘッド上部に配置されたカムシャフトとを備えた直噴型火花点火式内燃機関であって、前記高圧燃料ポンプは、前記シリンダヘッドに取り付けられて燃料供給系全体の中で最も高く位置すると共に、前記カムシャフトによって駆動され、前記高圧燃料ポンプの吐出口と前記燃料噴射弁との間には、前記燃料噴射弁側から前記高圧燃料ポンプに向けて燃料及び燃料蒸気が流れるのを阻止する逆止弁を設けたことを特徴としている。
【0009】
また、前記カムシャフトは、吸気弁を開閉するための吸気カムシャフトと排気弁を開閉するための排気カムシャフトとからなり、前記高圧燃料ポンプは、前記シリンダヘッドの吸気カムシャフト側に取り付けられ、該吸気カムシャフトによって駆動されるのが好ましい。
【0011】
また、前記高圧燃料ポンプは、前記カムシャフトに連結された回転軸と、この回転軸に設けられた斜板と、この斜板の揺動によって軸方向に容積が変化する複数のポンプ室とを備えてなるのが好ましい。
【0012】
さらに、前記高圧燃料ポンプのポンプ室を、ベローズあるいはダイヤフラムで形成してもよい。
【0013】
また、前記高圧燃料ポンプの吐出口と前記燃料噴射弁との間には、前記燃料噴射弁への燃料圧力を調整するための圧力レギュレータを設け、この圧力レギュレータに接続されたリターン配管によって余剰燃料を燃料タンクに戻すのが望ましい。
【0014】
【作用】
直噴型火花点火式内燃機関では、通常、燃料噴射弁はシリンダヘッドに設けられるので、高圧燃料ポンプをシリンダヘッドに取り付ける請求項1の構成によれば、高圧燃料ポンプと燃料噴射弁との間の距離を短くして高圧燃料配管の管路長を可及的に短縮することができる。これにより、始動時の燃料昇圧時間を短くできるため、機関始動性を向上させることができる。
【0015】
また、高圧燃料ポンプと同じくシリンダヘッドに配置されたカムシャフトによって高圧燃料ポンプを駆動するので、直接あるいは最小段数のギヤを介在させるだけで高圧燃料ポンプを駆動することができ、クランクシャフトの回転力をタイミングベルト、プーリを介して伝達する従来構造と比較しても、より簡素な構造とすることが可能である。さらに、燃料圧力を速やかに上昇させ、始動時も通常運転時と同じ燃料噴射弁から燃料を噴射するので、始動時用の燃料噴射弁を特別に備える必要もない。さらに、高圧燃料ポンプの吐出口と燃料噴射弁との間に、燃料噴射弁側から高圧燃料ポンプに向けて燃料及び燃料蒸気が流れるのを阻止する逆止弁を設けられているので、機関停止後に高圧燃料通路内の圧力を保持してベーパの発生を抑制することができると共に、高圧燃料配管内でベーパが発生した場合でも、このベーパが高圧燃料ポンプ内に侵入し、さらには高圧燃料ポンプの吸入側燃料通路がベーパで満たされるのを未然に防止することができる。即ち、高圧燃料ポンプ内あるいは高圧燃料ポンプの吸入側燃料通路がベーパで満たされてしまうと、燃料を全く吐出できなくなってしまうため、昇圧時間が著しく増大してしまうのであるが、燃料経路の中で最も高い位置となるシリンダヘッドに高圧燃料ポンプを取り付ける本発明の構成では、高圧燃料ポンプへのベーパの侵入を許容すると、高圧燃料ポンプ内あるいは高圧燃料ポンプの吸入側燃料通路が容易にベーパで満たされてしまうので、このような逆止弁を設けることが重要である。
【0016】
また、吸気カムシャフト側に高圧燃料ポンプを取り付け、吸気カムシャフトによって高圧燃料ポンプを駆動する請求項2の構成によれば、高圧燃料ポンプと燃料噴射弁との間の距離を一層短くすることができ、より始動性を高めることができる。
【0019】
また、高圧燃料ポンプを、カムシャフトに連結された回転軸と、回転軸に設けられた斜板と、斜板の揺動によって軸方向に容積が変化する複数のポンプ室とを備えて構成すれば、高圧燃料ポンプの構造を簡素化しつつ、小型化することができる。なお、このようなタイプのポンプは、ポンプ室と吐出口との間に吐出方向の流れだけを許容する逆止弁を必ず備えることになるので、請求項に示す逆止弁を別個に設けなくても、高圧燃料ポンプへのベーパの侵入を防止できる場合もある。
【0020】
さらに、高圧燃料ポンプのポンプ室をベローズあるいはダイヤフラムで形成すれば、ポンプ室内の燃料がポンプ室外に漏洩しないので、燃料として例えば粘度の低いガソリンを使用する場合にも、効率良く燃料を加圧することができる。
【0021】
また、高圧燃料ポンプの吐出口と燃料噴射弁との間に、燃料噴射弁への燃料圧力を調整するための圧力レギュレータを設け、圧力レギュレータに接続されたリターン配管によって余剰燃料を燃料タンクに戻す構成とすれば、燃料温度の上昇を抑制して燃料タンク内におけるベーパの発生量を低減することができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を直列4気筒の機関に適用した場合を例に挙げて図1〜図14に基づき詳述する。
【0023】
まず、図1〜図10は本発明の第1の実施例に係り、図1は、本実施例による直噴型火花点火式内燃機関の構成を簡略化して示す斜視図であって、この内燃機関の主要部を構成する機関本体1は、図2の断面図にも示す如く、例えば4個等の複数のシリンダ2が列設されたシリンダブロック3と、このシリンダブロック3の上側を気液密に施蓋して設けられたシリンダヘッド4とを備え、シリンダヘッド4の上側はヘッドカバー5によって覆われている。
【0024】
また、図2に示す如く、シリンダブロック3の各シリンダ2内にはピストン6が設けられ、ピストン6の冠面とシリンダヘッド4との間に燃焼室7が画成されている。一方、シリンダヘッド4には、一対の吸気ポート8,排気ポート9が互いに対向して設けられ、これら各吸気ポート8,排気ポート9には、吸気マニホールド10,排気マニホールド(図示せず)がそれぞれ接続されている。この吸気マニホールド10は、各シリンダ2に対応する吸気通路10Aと該各吸気通路10Aが集合するコレクタ部10Bとからなり、各吸気通路10Aは、吸気ポート8の入口側からシリンダブロック3の側方に向けて湾曲して形成され、シリンダヘッド4との間に画成される空間部11には後述の各燃料噴射弁14が配置されている。また、シリンダ2の周囲及びシリンダヘッド4内には冷却通路12が形成され、シリンダヘッド4の頂部には、燃焼室7内の混合気を強制着火する点火栓13が設けられている。なお、直噴型火花点火式内燃機関では、吸気ポート8の下側から燃料を噴射するため、吸気ポート8の傾斜角度が大きくなり、機関の全高が高くなり易いことから、本実施例では、吸気マニホールド10をシリンダブロック3側に湾曲させることで、機関の全高を短くしている。
【0025】
燃料噴射弁14は、シリンダヘッド4の下側に位置して各シリンダ2毎にそれぞれ設けられている。これら各燃料噴射弁14は、その噴射ノズル14Aが吸気ポート8の下側から燃焼室7内を指向して取り付けられ、その燃料流入口14B側は、シリンダヘッド4の外部から突出して空間部11に臨んでいる。ここで、これら各燃料噴射弁14は、噴射ノズル14A内でニードル弁等の弁体を開閉させる内開き式燃料噴射弁として構成しても良いし、噴射ノズル14Aの外部から開閉させる外開き式燃料噴射弁として構成しても良い。
【0026】
一方、各吸気ポート8,排気ポート9は、図2中に示す吸気弁15,排気弁16によってそれぞれ開閉されるもので、これら各吸気弁15,排気弁16は、図3中に示す吸気カムシャフト17,排気カムシャフト(図示せず)によって、それぞれ駆動されるようになっている。この吸気カムシャフト17は、シリンダ2の列設方向に沿って配置された軸部17Aと、軸部17Aの中間に所定寸法離間して各シリンダ2毎に設けられた複数のカム17Bと、軸部17Aの両端側にそれぞれ形成されたジャーナル17Cとから大略構成され、これら各ジャーナル17Cは、キャップ17Dによってシリンダヘッド4に回転可能に取り付けられている。また、吸気カムシャフト17の両端部のうちトランスミッションT側に位置する一方の軸端部には、ジャーナル17Cの軸方向外側に位置して後述の高圧燃料ポンプ18を駆動するための連結部17Eが一体的に形成されている。
【0027】
図1に示す如く、高圧燃料ポンプ18は、トランスミッションT側に面する吸気カムシャフト17の一方の軸端側に位置してシリンダヘッド4に設けられ、周方向に離間する複数の取付ボルト19によって固定されている。また、図3に示す如く、高圧燃料ポンプ18の回転軸20は、軸方向に自由な継手部21を介して吸気カムシャフト17の連結部17Eに連結されており、回転軸20の中間部は他のキャップ22で覆われている。そして、この高圧燃料ポンプ18と各燃料噴射弁14との間には、高圧燃料配管23が設けられ、この高圧燃料配管23を介して高圧燃料を各燃料噴射弁14に圧送供給するようになっている。ここで、この高圧燃料配管23は、図1に示す如く、そのポンプ側直管部23Cが、高圧燃料ポンプ18の軸方向端面から短寸に立ち上がって、シリンダヘッド4の後面(トランスミッションT側)を横切り、次に、その噴射弁側直管部23Bが吸気マニホールド10によって形成された空間部11に伸びるように配設されており、高圧燃料ポンプ18の取付位置は、各燃料噴射弁14の取付位置よりも高くなっている。
【0028】
次に、図4の回路構成図を参照しつつ本実施例による燃料供給系について説明する。燃料タンク31内には、内蔵した電動モータ32Aによって例えばタービンベーン等からなるポンプ本体32Bを回転駆動するフィードポンプ32が設けられている。そして、このフィードポンプ32によって吸引された燃料は、燃料供給配管33を介して高圧燃料ポンプ18に圧送され、高圧燃料ポンプ18から高圧燃料配管23内に高圧燃料として吐出される。この吐出された高圧燃料は、高圧燃料配管23から分岐した分岐管23Aを介して各燃料噴射弁14にそれぞれ供給され、各燃料噴射弁14から燃焼室7内に霧化しつつ噴射される。
【0029】
一方、高圧燃料配管23の下流側には高圧用圧力レギュレータ34が設けられており、この高圧用圧力レギュレータ34によって、余剰の高圧燃料がリターン配管35を介して燃料タンク31に戻されることにより、高圧燃料の燃料圧力が調整されるようになっている。また、高圧燃料ポンプ18の上流側とリターン配管35との間には他のリターン配管36が設けられ、このリターン配管36の途中には、フィードポンプ32から吐出された燃料の圧力を調整するための低圧用圧力レギュレータ37が設けられている。
【0030】
次に、本実施例に用いて好適な高圧燃料ポンプ18の具体例について、図5〜図10を参照しつつ説明する。
【0031】
まず、図5は、高圧燃料ポンプ18の縦断面図であって、該高圧燃料ポンプ18のケーシング41は、段付筒状に形成されていると共に、その一側にはシール軸受42を介して回転軸20が回転可能に軸支されており、その他側には略筒状のハウジング43が嵌着されている。
【0032】
回転軸20の他側にはフランジ部20Aが径方向外向きに突出して一体的に形成され、該フランジ部20Aの一端面側とケーシング41の内周面から径方向内向きに突設された段部41Aとの間には、スラスト方向の荷重を受承するスラストワッシャ44が設けられている。また、回転軸20の他端側には、略円盤状に形成された斜板45が、環状のレース部材46と、該レース部材46の他端面に回動可能に設けられた複数の球状をなす転動体47とを介して設けられ、回転軸20の軸線O−Oに直交する水平面に対して傾斜している。
【0033】
この斜板45は、その外周側に対向して形成された一対の係合突起45Aが、ケーシング41の軸方向略中間部に切り欠かれた一対の溝部41B内にそれぞれ係合することにより、自身の自転が防止されている。また、斜板45の他端面中央部には略半球状に突出する突起45Bが一体的に形成され、この突起45Bによって、組付時等に、回転軸20及び斜板45が後述のベローズ48をその密着長以下に押圧するのを防止している。そして、この斜板45は、回転軸20の回転運動を遮断しつつ軸方向の運動に変換するものである。
【0034】
ケーシング41に嵌合されたハウジング43には、段付筒状の貫通孔43Aが周方向に離間して例えば3個設けられ、各貫通孔43A内には金属製のベローズ48が伸縮可能にそれぞれ設けられている(1個のみ図示)。これら各ベローズ48は、弾性を備え、その一端側が偏平な略半球状に形成された一側フランジ49に溶接されると共に、その他端側が貫通孔43Aの他端側にシール部材50を介して装着された他側フランジ51に溶接されることにより、内部にポンプ室52を画成している。
【0035】
また、一側フランジ49は、貫通孔43Aの一端側に設けられた有蓋筒状のベローズガイド53内に嵌合されており、このベローズガイド53は、軸方向に移動可能に取り付けられている。そして、斜板45の揺動によってベローズガイド53が軸方向に移動すると、ベローズ48が伸縮し、これにより、ポンプ室52の容積が軸方向に変化して、燃料を吸入、吐出するようになっている。
【0036】
ハウジング43の他端側には、略円盤状のポンプヘッド54が、後述のリード弁板65を挟んで設けられ、このポンプヘッド54は複数の取付ボルト54Aを介してハウジング43に固定されている。また、図6の上面図にも示す如く、ポンプヘッド54には、その中央部に高圧燃料を吐出する吐出口55が設けられ、該吐出口55の外側にはフィードポンプ32からの低圧燃料が流入する吸入口56が設けられている。この吐出口55の底部からは径方向外側に延びる3本の油路57が周方向に離間して設けられ、各油路57は、貫通孔43Aに対応してポンプヘッド54の一端面に形成された円形状の油路58に連通している。そして、これら各円形状の油路58は、軸方向に穿設された小孔状の油路59を介してベローズ48内のポンプ室52に連通している。
【0037】
一方、図6と図7の要部断面図とに示す如く、ポンプヘッド54には、吸入口56の底部で交差するようにして、2本の長寸な油路60がポンプヘッド54の外周側から内周側に向けて形成され、これら各油路60の外周側開口部はプラグ部材61によって液密にシールされていると共に、各油路60には、図8のハウジング上面図にも示す如く、円形状の油路62に連通する小孔状の油路63が設けられている。これら吸入用の各円形状油路62は、図8に示す如く、ポンプ室52の略真上に位置する円形状油路58から周方向に離間して、ハウジング43の他端側に形成され、図8,図9の要部断面図にも示す如く、ハウジング43に形成された油路64を介してポンプ室52と連通している。
【0038】
また、ポンプヘッド54とハウジング43との間には、図10に示す金属製のリード弁板65が介装されている。このリード弁板65には、ポンプ室52と吐出口55との間の小孔状の油路59に対応する吐出側リード弁66と、吸入口56に連通して設けられた小孔状の油路63に対応する吸入側リード弁67とが、互い違いに一体的に形成されている。
【0039】
そして、各吐出側リード弁66は、ポンプ室52内の圧力が所定圧力に達すると、円形状油路58側に変位して開弁することにより、ポンプ室52内の燃料が吐出口55に向けて流れるのを許し、逆向きの流れを阻止するものである。また、各吸入側リード弁板67は、ポンプ室52の容積が拡大して内部圧力が低下すると、吸入用の円形状油路62側に変位して開弁することにより、吸入口56からポンプ室52内に低圧燃料が流入するのを許し、逆向きの流れを阻止するようになっている。
【0040】
次に、このように構成される本実施例の作用について説明する。まず、運転者によってイグニッションスイッチがオンにされると、フィードポンプ32は、燃料タンク31内の燃料を吸引し、燃料供給配管33を介して高圧燃料ポンプ18に燃料を圧送する。そして、スタータースイッチがオンにされると、吸気カムシャフト17に連結された高圧燃料ポンプ18の回転軸20は、機関回転数の半分の回転数をもって回転する。
【0041】
回転軸20が回転して、斜板45が揺動すると、ベローズ48はベローズガイド53を介して軸方向に伸縮し、これにより、ポンプ室52の容積が拡縮して、燃料が給排される。より正確には、斜板45が図5中の下向きに変位すると、ベローズ48は、自身のばね力によって軸方向に伸長し、これにより、ポンプ室52の容積が増大して圧力が低下し、低圧燃料が吸入口56から油路63,吸入側リード弁66,油路62,油路64を介してポンプ室52内に流入する。次に、斜板45が上向きに変位すると、ベローズ48は、ベローズガイド53に付勢されて軸方向に縮小し、ポンプ室52内の容積が減少して圧力が高まる。これにより、加圧されたポンプ室52内の燃料は、油路59から吐出側リード弁66,油路58,油路57を介して吐出口55内に流入し、この吐出口55から高圧燃料配管23を介して各燃料噴射弁14に圧送され、各燃料噴射弁14により霧化されて燃焼室7内に噴射される。
【0042】
また、燃料供給配管33内の低圧燃料の圧力は低圧用圧力レギュレータ37によって調整され、高圧燃料配管23内の高圧燃料の圧力は高圧用圧力レギュレータ34によって調整されている。
【0043】
このように構成される本実施例によれば、以下の効果を奏する。
【0044】
第1に、高圧燃料ポンプ18をシリンダヘッド4に取り付ける構成としたため、シリンダヘッド4側に取り付けられる燃料噴射弁14と高圧燃料ポンプ18との間の高圧燃料配管23の管路長を短縮できる結果、昇圧に要する時間を短くでき、機関の始動を速やかに行うことができる。即ち、高圧燃料配管23内の燃料圧力が低いうちは良好な燃料噴射を行うことができず、機関を安定的に始動することはできないが、本実施例では、管路長の短縮に伴って高圧燃料配管23内の容積を少なくできるため、高圧燃料配管23内の燃料圧力を所定の高圧とするまでの時間(昇圧時間)を短くすることができ、機関の始動を速やかに行うことができる。
【0045】
第2に、高圧燃料ポンプ18の回転軸20をカムシャフトによって駆動する構成であり、特に、カムシャフトの軸端と回転軸20とを継手部21によって直接連結するため、従来技術のようにタイミングベルトやプーリを介して駆動する方法に比較して、全体構造を簡素化して製造コストを低減できると共に、小型化を図ることができる。即ち、タイミングベルト等の部品を省けるため、簡易に製造できる上に、高圧燃料ポンプ18側にプーリ軸受部を設ける必要がないため、該高圧燃料ポンプ18自体を小型化することができる。なお、カムシャフトによって高圧燃料ポンプ18を直接駆動しても、該高圧燃料ポンプ18の駆動トルクは例えば0.3(N.m)程度と小さく、一定であるため、カムシャフトに加わるトルク負荷は極めて小さいものである。
【0046】
第3に、吸気専用の吸気カムシャフト17を備えている場合は、該吸気カムシャフト17の軸端部に高圧燃料ポンプ18を配置し、吸気カムシャフト17によって高圧燃料ポンプ18の回転軸20を直接駆動する構成のため、高圧燃料配管23の管路長を一層短くすることができる。つまり、各燃料噴射弁14は吸気ポート8側から燃料を噴射するため、吸気カムシャフト17の軸端部に高圧燃料噴射ポンプ18を設ければ、高圧燃料噴射ポンプ18と各燃料噴射弁14との間の距離を一層短縮できる。従って、この構成により、機関の始動性を一層向上することができる。
【0047】
第4に、高圧燃料ポンプ18を、吸気カムシャフト17に連結される回転軸20と、この回転軸20に設けられた斜板45と、この斜板45の揺動によって軸方向に容積が変化する複数のポンプ室52とを備えて構成したため、高圧燃料ポンプ18の構成を簡素化しつつ小型化することができる。
【0048】
また、回転する斜板45と固定のポンプ室52とから構成されるこのようなタイプのポンプでは、ポンプ室52と吐出口55との間に必ず逆止弁を備えることになる。具体的には、高圧燃料ポンプ18は、吐出側リード弁66を備えており、該吐出側リード弁66によって、ポンプ室52から燃料噴射弁14への燃料流通を許し、逆向きの流れを阻止している。このため、機関停止後でも、例えば数分間程度の短時間であれば、高圧燃料配管23内の圧力を保持して、高圧燃料配管23内でベーパが発生するのを防止することができる。また、その後、高圧燃料配管23内でベーパが発生した場合でも、このベーパが高圧燃料ポンプ18内に侵入するのを未然に防止できるため、高圧燃料ポンプ18内がベーパで満たされて始動性が低下することを防止できる。
【0049】
つまり、高圧燃料ポンプ18は、吸気カムシャフト17の軸端部に設けられ、燃料供給系全体の中で最も高く位置しているため、高圧燃料配管23内で生じたベーパは、機関停止後に、この最高位置の高圧燃料ポンプ18内に向けて移動する。特に、燃料噴射弁14は、筒内ガスや冷却水によって加熱されるため、暖機後に機関を停止すると、高圧燃料配管23内でベーパが発生し易い。従って、吐出側リード弁66がない場合は、この高圧燃料配管23内のベーパが高圧燃料ポンプ18に侵入するばかりか、燃料供給配管33内にまで逆流して再始動性が大幅に悪化する可能性がある。これに対し、本実施例の高圧燃料ポンプ18は、吐出側リード弁66を備えているため、高圧燃料配管23からのベーパの侵入を防止でき、ベーパロック等を予防することができる。なお、この吐出側リード弁66は、本来燃料の逆流を防止できれば十分であり、燃料蒸気に対する逆止性は不十分である場合も考えられるので、そのような場合は、吐出側リード弁66とは別に、燃料噴射弁14側から高圧燃料ポンプ18に向けて燃料蒸気が流れるのを阻止する逆止弁を設けることもできる。
【0050】
第5に、高圧燃料ポンプ18の各ポンプ室52を、軸方向に伸縮可能なベローズ48によって形成する構成のため、ポンプ室52内の高圧燃料がポンプ室52外に漏れることがなく、高いポンプ効率を得ることができる。つまり、このベローズ48を廃止し、斜板45の回転に伴う揺動によって貫通孔43A内を往復動するプランジャを設けても良いが、この場合は、燃料として粘度の低いガソリンを使用すると、プランジャの摺動隙間からの燃料の漏れが大となって、燃料を効率良く加圧することが困難となる。これに対し、ベローズ48を用いる本実施例では、ベローズ48の軸方向両側に一側フランジ49,他側フランジ51を溶接してポンプ室52を形成するため、ポンプ室52が完全な密閉構造となり、使用燃料の粘度に拘わらず、ポンプ効率を高くすることができる。
【0051】
第6に、本実施例では、図10に示す如く、単一のリード弁板65に、吐出側リード弁66,吸入側リード弁67を互い違いに一体的に形成し、このリード弁板65をポンプヘッド54とハウジング43との間に介装する構成のため、弁構造を簡素化しつつ組立作業性を大幅に向上することができる。
【0052】
次に、図11〜図13に基づいて、本発明の第2の実施例を説明する。なお、以下の各実施例では、上述した第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。本実施例の特徴は、高圧燃料ポンプ内に高圧用圧力レギュレータを内蔵して設けた点にある。
【0053】
即ち、本実施例による高圧燃料ポンプ71は、第1の実施例で述べた高圧燃料ポンプ18に替えて用いられるもので、その基本的構造は第1の実施例の高圧燃料ポンプ18と同一であるが、本実施例による高圧燃料ポンプ71内には、図12に示す如く、高圧用圧力レギュレータ72が内蔵されている。
【0054】
この高圧用圧力レギュレータ72は、吐出口55の近傍に位置してポンプヘッド54内に形成されたリターン口73の底部に設けられ、弁ばね72Aと、該弁ばね72Aによって常時閉弁方向に付勢される弁体72Bと、この弁体72Bによって開閉される油路72Cとから大略構成され、この油路72Cはリターン口73と吐出口55との間を連通している。なお、高圧用圧力レギュレータ72の構造は、これに限らず、高圧燃料の燃料圧力を調整できるのであれば、他の構造を採用してもよい。また、ポンプヘッド54等の内部に圧力レギュレータ72を組み込む場合に限らず、吐出口55と燃料噴射弁14との間に圧力レギュレータを設ければ良いのであるが、本実施例のように、内蔵し一体化すれば、取り扱いが容易となる。
【0055】
そして、図13の回路構成図にも示す如く、ポンプヘッド54に形成されたリターン口73に接続されたリターン配管74は、燃料タンク31内に垂下され、高圧燃料の余剰分は、燃料噴射弁14を介さず、つまり高圧燃料配管23を通過することなく、燃料タンク31内に戻される。
【0056】
このように構成される本実施例でも、上述した第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。これに加えて、本実施例では、高圧燃料ポンプ71内に高圧用圧力レギュレータ72を内蔵して設ける構成のため、余剰燃料が燃料噴射弁14によって不必要に加熱されることがなく、燃料タンク31内の温度上昇を抑制して、燃料タンク31内でのベーパ発生量を低減することができる。つまり、直噴型火花点火式内燃機関では、各燃料噴射弁14が筒内ガスや冷却水によって加温されるため、これら各燃料噴射弁14を介して高圧の余剰燃料を燃料タンク31内に戻すと、燃料タンク31内の燃料温度が上昇してベーパが発生し、給油時に外気に放出される燃料蒸気量を増加させるおそれがある。これに対し、本実施例では、高圧燃料ポンプ71内に高圧圧力レギュレータ72を設け、燃料噴射弁14を介さずに余剰燃料を戻す構成のため、燃料タンク31内の燃料温度の上昇を抑制してベーパの発生量を大幅に低減することができる。
【0057】
次に、図14に基づいて、本発明の第3の実施例を説明する。なお、本実施例では、上述した第2の実施例と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。本実施例の特徴は、高圧燃料配管等を高圧燃料ポンプの径方向から接続するようにした点にある。
【0058】
即ち、本実施例による高圧燃料ポンプ81は、第2の実施例で述べた高圧燃料ポンプ71に替えて用いられるもので、その内部に高圧用圧力レギュレータ72を内蔵し(図示せず)、その基本的構造は前記第2の実施例で述べた高圧燃料ポンプ71と同様である。しかし、本実施例による高圧燃料ポンプ81は、その吐出口55,吸入口56,リターン口73がポンプヘッド54の外周側にそれぞれ開口している点で、前記実施例とは相違する。つまり、図14に示す通り、吐出口55は、燃料噴射弁14側に位置してポンプヘッド54の外周側に開口し、吸入口56,リターン口73は、吐出口55に対向してポンプヘッド54の外周側に開口している。なお、例えば径方向に油路を形成するだけで、吐出口55等をポンプヘッド54の外周側に開口させることができることは、容易に理解できるため、その具体的構成は特に図示しない。
【0059】
そして、本実施例による高圧燃料配管82は、そのポンプ側直管部82Cがポンプヘッド54の外周面からやや下側に向けて短寸に伸び、その噴射弁側直管部82Bが吸気マニホールド10によって形成された空間部11に伸びるようにして形成されている。
【0060】
かくして、このように構成される本実施例でも、第1の実施例,第2の実施例と同様の作用効果を得ることができる。これに加えて、本実施例では、吐出口55をポンプヘッド54の外周面に開口させ、径方向から高圧燃料配管82を接続する構成としたため、立ち上がり部分を省いて、前記各実施例よりも高圧燃料配管82の管路長を短くすることができる。この結果、昇圧時間の短縮効果を一層効果的に得ることができる。
【0061】
なお、前記各実施例では、直列4気筒型の機関に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、V型6気筒等の他の型式の機関にも容易に適用することができる。
【0062】
また、前記各実施例では、吸気専用のオーバーヘッド式吸気カムシャフト17を設けた場合を例示して説明したが、本発明は、これに限らず、単一のカムシャフトによって吸気弁,排気弁を駆動する場合にも適用できる。
【0063】
さらに、本発明の実施態様は、例えば「機関本体と、該機関本体のシリンダヘッドに設けられ、吸気ポートの下側からシリンダブロックのシリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁に高圧燃料配管を介して燃料を圧送する高圧燃料ポンプと、前記シリンダヘッド上部に配置された吸気カムシャフトとを備えた直噴型火花点火式内燃機関であって、前記高圧燃料ポンプは前記シリンダヘッドの吸気カムシャフトの軸端部側に取り付けると共に、該高圧燃料ポンプを、吸気カムシャフトに軸方向で連結された回転軸と、この回転軸に設けられた斜板と、この斜板の揺動によって軸方向に伸縮するベローズあるいはダイヤフラムにより形成されたポンプ室と、このポンプ室内に低圧燃料を導入するための吸入口と、ポンプ室からの燃料を吐出すべく前記燃料噴射弁側に面して開口するように設けられた吐出口とを備えて構成し、かつ、前記吐出口と前記燃料噴射弁との間には、燃料噴射弁側から高圧燃料ポンプに向けて燃料及び燃料蒸気が流れるのを阻止する逆止弁と、高圧の余剰燃料をリターン配管を介して燃料タンクに戻す高圧用圧力レギュレータとを設けたことを特徴とする直噴型火花点火式内燃機関。」として把握することも可能であり、この場合には、上述した作用効果を全て得ることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明に係る直噴型火花点火式内燃機関によれば、高圧燃料ポンプをシリンダヘッドに取り付けるので、高圧燃料ポンプと燃料噴射弁との間の距離を短くして高圧燃料配管の管路長を可及的に短縮することができ、始動時の燃料昇圧時間を短くして、機関始動性を向上させることができる。
【0065】
また、高圧燃料ポンプと同じくシリンダヘッドに配置されたカムシャフトによって高圧燃料ポンプを駆動するので、直接あるいは最小段数のギヤを介在させるだけで高圧燃料ポンプを駆動することができ、クランクシャフトの回転力をタイミングベルト、プーリを介して伝達する従来構造と比較しても、より簡素な構造とすることが可能である。さらに、高圧燃料ポンプの吐出口と燃料噴射弁との間に、燃料噴射弁側から高圧燃料ポンプに向けて燃料及び燃料蒸気が流れるのを阻止する逆止弁を設ける構成のため、機関停止後に高圧燃料通路内の圧力を保持してベーパの発生を抑制することができると共に、高圧燃料配管内でベーパが発生した場合でも、このベーパが高圧燃料ポンプ内に侵入し、さらには高圧燃料ポンプの吸入側燃料通路がベーパで満たされるのを未然に防止することができる。
【0066】
また、請求項2では、吸気カムシャフト側に高圧燃料ポンプを取り付け、吸気カムシャフトによって高圧燃料ポンプを駆動する構成のため、高圧燃料ポンプと燃料噴射弁との間の距離を一層短くすることができ、より始動性を高めることができる。
【0068】
また、請求項では、高圧燃料ポンプを、カムシャフトに連結された回転軸と、回転軸に設けられた斜板と、斜板の揺動によって軸方向に容積が変化する複数のポンプ室とを備えて構成するため、高圧燃料ポンプの構造を簡素化しつつ、小型化することができる。なお、このようなタイプのポンプは、ポンプ室と吐出口との間に吐出方向の流れだけを許容する逆止弁を必ず備えることになるので、請求項に示す逆止弁を別個に設けなくても、高圧燃料ポンプへのベーパの侵入を防止できる場合もある。
【0069】
さらに、請求項では、高圧燃料ポンプのポンプ室をベローズあるいはダイヤフラムで形成する構成のため、ポンプ室内の燃料がポンプ室外に漏洩することがなく、燃料として例えば粘度の低いガソリンを使用する場合にも、効率良く燃料を加圧することができ、ポンプ効率が向上する。
【0070】
また、請求項では、高圧燃料ポンプの吐出口と燃料噴射弁との間に、燃料噴射弁への燃料圧力を調整するための圧力レギュレータを設け、圧力レギュレータに接続されたリターン配管によって余剰燃料を燃料タンクに戻す構成のため、燃料温度の上昇を抑制して燃料タンク内におけるベーパの発生量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る直噴型火花点火式内燃機関の全体構成を示す斜視図である。
【図2】機関本体の要部を示す断面図である。
【図3】吸気カムシャフトと高圧燃料ポンプとの関係を示すシリンダヘッド側から見た平面図である。
【図4】各ポンプと燃料噴射弁との接続関係を示す回路構成図である。
【図5】高圧燃料ポンプの好ましい具体例を示す断面図である。
【図6】ポンプヘッド側から見た平面図である。
【図7】図6中の矢示VII−VII方向断面図である。
【図8】ポンプヘッドを除いた状態でハウジングから見た平面図である。
【図9】図8中の矢示IX−IX方向断面図である。
【図10】リード弁板を示す平面図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係る直噴型火花点火式内燃機関の斜視図である。
【図12】図11中の高圧燃料ポンプの断面図である。
【図13】図4と同様の回路構成図である。
【図14】本発明の第3の実施例に係る直噴型火花点火式内燃機関の斜視図である。
【符号の説明】
1…機関本体
2…シリンダ
3…シリンダブロック
4…シリンダヘッド
8…吸気ポート
10…吸気マニホールド
14…燃料噴射弁
17…吸気カムシャフト
18,71,81…高圧燃料ポンプ
20…回転軸
23,82…高圧燃料配管
34,72…高圧用圧力レギュレータ(圧力レギュレータ)
35,74…リターン配管

Claims (5)

  1. 機関本体と、該機関本体のシリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁に高圧燃料配管を介して燃料を圧送する高圧燃料ポンプと、前記機関本体のシリンダヘッド上部に配置されたカムシャフトとを備えた直噴型火花点火式内燃機関であって、
    前記高圧燃料ポンプは、前記シリンダヘッドに取り付けられて燃料供給系全体の中で最も高く位置すると共に、前記カムシャフトによって駆動され、
    前記高圧燃料ポンプの吐出口と前記燃料噴射弁との間には、前記燃料噴射弁側から前記高圧燃料ポンプに向けて燃料及び燃料蒸気が流れるのを阻止する逆止弁を設けたことを特徴とする直噴型火花点火式内燃機関。
  2. 前記カムシャフトは、吸気弁を開閉するための吸気カムシャフトと排気弁を開閉するための排気カムシャフトとからなり、前記高圧燃料ポンプは、前記シリンダヘッドの吸気カムシャフト側に取り付けられ、該吸気カムシャフトによって駆動されることを特徴とする請求項1に記載の直噴型火花点火式内燃機関。
  3. 前記高圧燃料ポンプは、前記カムシャフトに連結された回転軸と、この回転軸に設けられた斜板と、この斜板の揺動によって軸方向に容積が変化する複数のポンプ室とを備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の直噴型火花点火式内燃機関。
  4. 前記高圧燃料ポンプのポンプ室を、ベローズあるいはダイヤフラムで形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直噴型火花点火式内燃機関。
  5. 前記高圧燃料ポンプの吐出口と前記燃料噴射弁との間には、前記燃料噴射弁への燃料圧力を調整するための圧力レギュレータを設け、この圧力レギュレータに接続されたリターン配管によって余剰燃料を燃料タンクに戻すことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の直噴型火花点火式内燃機関。
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