JPH10274131A - 単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関 - Google Patents

単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関

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JPH10274131A
JPH10274131A JP9078382A JP7838297A JPH10274131A JP H10274131 A JPH10274131 A JP H10274131A JP 9078382 A JP9078382 A JP 9078382A JP 7838297 A JP7838297 A JP 7838297A JP H10274131 A JPH10274131 A JP H10274131A
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JP
Japan
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fuel
pump
cylinder
fuel injection
engine
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JP9078382A
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Hirobumi Azuma
博文 東
Akihito Miyamoto
彰仁 宮本
Shigeo Yamamoto
茂雄 山本
Taizo Kitada
泰造 北田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関に関し、
単筒型ポンプで生じる吐出脈動によって各気筒間で燃料
量が異ならないようにする。 【解決手段】 筒内噴射内燃機関であって、燃料噴射弁
へ高圧な燃料を供給するための高圧燃料ポンプをそな
え、高圧燃料ポンプが、燃料を供給される燃料室55
と、燃料室55の一部を形成するハウジング52と、ハ
ウジング52内をカム駆動に摺動自在に設けられたプラ
ンジャ53と、プランジャ53の一端に当接するカム部
58を有し、機関のクランク軸の回転力によりカム部5
8を回転駆動させプランジャ53を往復動させることで
燃料の吸入及び吐出を行なうカム駆動手段60とを有す
る単筒型ポンプ51により構成され、カム部のカム山数
Yが、ポンプ減速比J,該機関の気筒数K,正の整数n
に関して、2×Y×J=K×nを満たすように設定され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射内燃機関
において高圧で燃料噴射を行なうために用いて好適の、
単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、燃料噴射弁によって燃料供給を行
なう内燃機関(以下、エンジンという)が増加している
が、さらには、各気筒の燃焼室内に燃料噴射弁を直接臨
ませて燃焼室内に燃料を高圧噴射する筒内噴射内燃機関
(以下、筒内噴射式エンジンという)も開発され実用化
されている。
【0003】この筒内噴射式エンジンは、燃料噴射のタ
イミングが吸気行程に限定される吸気ポート噴射とは異
なり、燃料噴射を自由なタイミングで行なえる。そこ
で、例えばエンジンの圧縮行程において燃料噴射を行な
って、燃料をシリンダ内全体に混合させるのではなく、
燃料を点火プラグ近傍に偏在させ、部分的にはリッチに
しながらシリンダ内全体として極めて空燃比の大きな燃
焼運転(超リーンバーン運転又はパーシャルリーン燃焼
運転)を行なうことができ、燃費の大幅な向上を図りつ
つ、安定した燃焼を行なうことができる。
【0004】一方、大きなエンジン出力を得るには、シ
リンダ内の容積全体を有効利用してシリンダ内全体が最
適な空燃比(ストイキオ又はエンリッチ状態)となるよ
うにした上で着火・燃焼を行なうことが必要になる。こ
のように、着火前に燃料と空気とを十分に混合させる
(いわゆる、予混合)には、着火までに予混合しうる時
間的余裕のある吸気行程を中心としたタイミングで燃料
噴射を行なうことが必要となる。
【0005】このため、エンジンのアイドル運転時や低
負荷時等(一般には、エンジンの低速回転時)にはエン
ジンの出力はそれほど必要とされないため、パーシャル
リーン燃焼運転を行なって燃費を向上させ、エンジン負
荷が大きくなると(一般には、エンジンの高回転時)、
吸気行程を中心とした燃料噴射により燃料をシリンダ内
全体に混合させてから着火する予混合燃焼運転を行なっ
て、要求されるエンジン出力を得られるようにすること
ができる。
【0006】なお、この吸気行程噴射による予混合燃焼
運転にも、空燃比をストイキオよりも大きな状態に調整
して燃費向上を図ったリーン燃焼運転や、空燃比をほぼ
ストイキオ状態に調整してエンジン出力確保を図ったス
トイキオ燃焼運転や、空燃比をストイキオ状態よりも小
さくして更なるエンジン出力確保を図ったリッチ燃焼運
転が考えられている。
【0007】ところで、このように燃料噴射を自由なタ
イミングで行なうためには、燃料噴射弁から極めて高圧
で燃料噴射を行なうことが必要になる。そこで、筒内噴
射式エンジンでは、燃料噴射弁へ燃料を高圧供給しうる
高圧燃料ポンプを装備するようにしている。このような
燃料供給用の高圧燃料ポンプには、図9に示すように1
本のプランジャのみを備えたシングルプランジャ型ポン
プ(単筒型ポンプ)151や、図11に示すように複数
のプランジャを備えたマルチプランジャ型ポンプ61が
ある。
【0008】シングルプランジャ型ポンプ151につい
て説明すると、図9に示すように、単筒のシリンダ15
2内に一本のプランジャ153が往復動しうるように内
挿されており、シリンダ152内のシリンダ端壁部15
4とプランジャ153の一端との間にポンプ室155が
形成されている。シリンダ端壁部154には、吸入口1
56及び吐出口157が形成され、それぞれリーフ弁1
56A,157Aが装備されている。
【0009】また、プランジャ153の他端には、カム
158が装備されており、プランジャ153の一端とシ
リンダ端壁部154との間に介装されたスプリング15
9により、プランジャ153が常時カム158に当接す
るように付勢されている。したがって、カム158が回
動すると、プランジャ153がカム158のカムプロフ
ィル(カム山形状)に応じてシリンダ152内を往復動
するようになっている。
【0010】カム158は、エンジンに連動して回転す
るようになっており、プランジャ153の他端がカム1
58のカム山158Aを外れてプランジャ153が後退
(図9中、下方へ移動)すると、リーフ弁157Aが吐
出口157を閉鎖するとともにリーフ弁156Aが開放
して吸入口156からポンプ室155内に燃料が吸入さ
れ、プランジャ153の他端がカム158のカム山15
8Aに当接してプランジャ153が前進(図9中、上方
へ移動)すると、リーフ弁156Aが吸入口156を閉
鎖してポンプ室155内が加圧され、さらに、リーフ弁
157Aが開放してポンプ室155内の加圧された燃料
が吐出口157から吐出される。
【0011】マルチルプランジャ型ポンプ61について
説明すると、図11に示すように、シリンダブロック6
2内に互いに平行な複数(ここでは7つ)のシリンダ6
2Aが形成されており、各シリンダ62A内にそれぞれ
一本のプランジャ63が往復動しうるように内挿されて
いる。各シリンダ62A内のプランジャ63の一端(内
端)側には、ポンプ室65が設けられており、このポン
プ室65には、プランジャ63の動きに応じて、図示し
ない吸入口及び吐出口を開閉する吸入弁及び吐出弁(図
示略)が装備されている。
【0012】また、プランジャ63の他端(外端)には
斜板66が装備されている。この斜板66は、シリンダ
ブロック62の回転軸に対して傾斜してそなえられた板
部材であり、各プランジャ63の外端は、斜板66にピ
ボットジョイント67により結合されており、シリンダ
ブロック62がエンジンに連動して回転すると、斜板6
6の傾斜に応じて各プランジャ63が各シリンダ62A
内を往復動するようになっている。
【0013】つまり、斜板66は、シリンダブロック6
2と共に回転する各プランジャ63を、各シリンダ62
A内への進入を深くした上死点位置(図11の右側部
分)と各シリンダ62A内への進入を浅くした下死点位
置(図11の左側部分)との間で進退駆動する。したが
って、各プランジャ63のシリンダ62A内への進入が
浅くなる際には、吐出弁が吐出口を閉鎖するとともに吸
入弁が開放して吸入口からポンプ室65内に燃料が吸入
され、各プランジャ63のシリンダ62A内への進入が
深くなる際には、吸入弁が吸入口を閉鎖してポンプ室6
5内が加圧され、さらに、吐出弁が開放してポンプ室6
5内の加圧された燃料が吐出口から吐出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なシングルプランジャ型ポンプ151及びマルチプラン
ジャ型ポンプ61には、それぞれ次のような利点や欠点
がある。つまり、シングルプランジャ型ポンプ151
は、構造が簡素なため、低コストであるとともに小型化
し易い利点があるが、マルチプランジャ型ポンプ61
は、斜板66やピボットジョイント67を要するなど構
造が複雑なため、コスト高であるとともに小型化し難い
という不具合がある。特に、ピボットジョイント67の
精度が高くないと、高圧燃料ポンプとしての性能を確保
できないが、このピボットジョイント67を小型化する
のは加工が困難であり、マルチプランジャ型ポンプ61
を小型化し難い要因になっている。
【0015】したがって、例えば自動車用エンジンのよ
うに、スペースの限られた狭隘な空間に高圧燃料ポンプ
を設置しなくてはならない場合には、マルチプランジャ
型ポンプ61よりもシングルプランジャ型ポンプ151
が適していることになる。ところが、このようなプラン
ジャ型ポンプ151,61では、プランジャ153,6
3が往復動しながら燃料の吸入と吐出とを繰り返すの
で、吸入脈動や吐出脈動が生じる。
【0016】例えばシングルプランジャ型ポンプ151
では、ただ一つのプランジャ153によって吸入と吐出
とを繰り返すので、図10に示すように、吸入脈動や吐
出脈動が大きく生じることになる。なお、この図10及
び後述の図12では、エンジン回転時にクランク角に応
じて作動するプランジャ型ポンプ151,61の吐出流
量及び吸入流量を示している。
【0017】一方、マルチプランジャ型ポンプ61で
は、多数のプランジャ63が徐々に位相を変えるように
してそれぞれ吸入と吐出とを行なうので、各プランジャ
63による脈動が互いに相殺されるようになって、全体
としては、図12に示すように、吸入脈動や吐出脈動は
大きく緩和されることになる。シングルプランジャ型ポ
ンプ151のように吐出脈動が生じて、この吐出脈動が
大きくなると、各気筒に設置された燃料噴射弁の開弁時
における燃料圧力にばらつきが生じるようになり、噴射
される燃料量が各気筒間で異なるようになるため、空燃
比(A/F)も各気筒間で異なるようになる。
【0018】これでは、空燃比制御を適切に行なうこと
ができず、アイドル運転が不安定になるなどドライバビ
リティの悪化を招いたり、エンジン振動の増大を招いて
しまう。また、吐出脈動が大きく、燃料圧力が極めて高
い瞬間に燃料噴射を行なおうとすると、燃料圧力が高過
ぎて燃料噴射弁を開駆動することができないおそれもあ
り、これでは、燃料供給自体ができなくなってしまう。
【0019】ところで、特開平7−42646号公報に
は、筒内噴射内燃機関における単筒型の燃料ポンプ(単
筒型ポンプ)に関する技術が提案されているが、ポンプ
脈動に関しては言及されておらず、上述の課題を解決し
うるものではない。本発明は、上述の課題に鑑み創案さ
れたもので、単筒型ポンプにおいて生じる吐出脈動によ
って各気筒間で燃料量が異ならないようにして、燃料供
給用の高圧燃料ポンプとして単筒型ポンプを用いながら
ドライバビリティの悪化やエンジン振動の増大を防止し
うるようにした、単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関を
提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関は、各気
筒の燃焼室内に直接臨んだ燃料噴射弁から該燃焼室内に
燃料を高圧噴射する筒内噴射内燃機関であって、該燃料
噴射弁へ高圧な燃料を供給するための高圧燃料ポンプを
そなえ、該高圧燃料ポンプが、燃料を供給される燃料室
と、該燃料室の一部を形成するハウジングと、該ハウジ
ング内をカム駆動に摺動自在に設けられたプランジャ
と、該プランジャの一端に当接するカム部を有し該機関
のクランク軸の回転力により該カム部を回転駆動させ該
プランジャを往復動させることで燃料の吸入及び吐出を
行なうカム駆動手段とを有する、単筒型ポンプにより構
成され、該カム部のカム山数Yが、ポンプ減速比J,該
機関の気筒数K,正の整数nに関して、2×Y×J=K
×nを満たすように設定されていることを特徴としてい
る。
【0021】請求項2記載の本発明の単筒型ポンプ付き
筒内噴射内燃機関は、請求項1記載の機関において、該
燃料噴射弁からの燃料噴射は、該機関の燃料圧力が安定
する期間に開始されるように設定されていることを特徴
としている。請求項3記載の本発明の単筒型ポンプ付き
筒内噴射内燃機関は、請求項1記載の機関において、圧
縮行程で燃料噴射を行なうモードが設けられ、該圧縮行
程での燃料噴射が、該ポンプに生じる脈動を利用して脈
動の高圧時に行なわれるように設定されていることを特
徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図8は本発明の一実
施形態としての単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関を示
すものであり、これらの図に基づいて説明する。まず、
本筒内噴射内燃機関の全体構成を図2を参照して説明す
る。
【0023】図2において、1はエンジン本体、1Aは
シリンダ(気筒)、1Bはピストン、2は吸気通路、3
はスロットル弁設置部分、4はエアクリーナ、5はバイ
パス通路(第2バイパス通路)、6はバイパス通路5内
を流通する空気量を調整しうる第2エアバイパスバルブ
である。吸気通路2は、上流側から吸気管7,サージタ
ンク8,吸気マニホールド9の順で接続され、バイパス
通路5はサージタンク8の上流側に設けられている。ま
た、バイパスバルブ6は、ステッパモータで所要の開度
に調整されるか、又は、電磁弁のデューティ制御により
開度調整される。
【0024】12はアイドルスピードコントロール機能
部であり、バイパス通路(第1バイパス通路)13とバ
イパスバルブとしての第1エアバイパスバルブ14とか
らなり、第1エアバイパスバルブ14は例えば図示しな
いステッパモータで駆動される。15はスロットルバル
ブであり、第1バイパス通路13及び第2バイパス通路
5は、吸気通路2のスロットルバルブ15の装着部分を
バイパスするようにしてそれぞれの上流端及び下流端を
吸気通路2に接続されている。
【0025】これらの第2エアバイパスバルブ6,第1
エアバイパスバルブ14の各開閉制御は、電子制御装置
(ECU)16を通じて行なわれる。また、17は排気
通路、18は燃焼室であり、前記吸気通路2及び排気通
路17の燃焼室18への開口部、即ち吸気ポート2A及
び排気ポート17Aには、吸気弁19及び排気弁20が
装備されている。
【0026】そして、21は燃料噴射弁(インジェク
タ)であり、本エンジンでは、このインジェクタ21が
燃焼室18へ直接燃料噴射するように配設されている。
さらに、22は燃料タンク、23A〜23Eは燃料供給
路、24は低圧燃料ポンプ、25は高圧燃料ポンプ、2
6は低圧レギュレータ、27は高圧レギュレータ、28
はデリバリパイプであり、燃料タンク22内の燃料を低
圧燃料ポンプ24で駆動して更に高圧燃料ポンプ25で
加圧して所定の高圧状態で燃料供給路23A,23B,
デリバリパイプ28を通じてインジェクタ21へ供給す
る。なお、この際、低圧燃料ポンプ24から吐出された
燃料圧力は低圧レギュレータ26で調圧され、高圧燃料
ポンプ25で加圧されてデリバリパイプ28に導かれる
燃料圧力は高圧レギュレータ27で調圧される。
【0027】また、29はエンジン1の排気通路17内
の排出ガス(排ガス)を吸気通路2内に還流させる排ガ
ス還流通路(EGR通路)、30はEGR通路29を通
じて吸気通路2内に還流する排ガスの還流量を調整する
排ガス量調整手段としてのステッパモータ式のバルブ
(EGRバルブ)であり、31はブローバイガスを還元
する流路であり、32はクランク室積極換気用の通路、
33はクランク室積極換気用のバルブであり、34はキ
ャニスタであり、35は排ガス浄化用触媒(ここでは、
リーンNOx触媒)である。
【0028】ところで、ECU16では、図2に示すよ
うに、第1及び第2エアバイパスバルブ14,6の制御
のほかに、インジェクタ21や点火プラグ45のための
点火コイルやEGRバルブの制御や高圧レギュレータ2
7による燃圧制御も行なうため、エアフローセンサ4
4,吸気温度センサ36,スロットル開度を検出するス
ロットルポジションセンサ(TPS)37,アイドルス
イッチ38,エアコンスイッチ(図示略),変速ポジシ
ョンセンサ(図示略),車速センサ(図示略),パワー
ステアリングの作動状態を検出するパワステスイッチ
(図示略),スタータスイッチ(図示略),第1気筒検
出センサ40,クランク角センサ41,エンジンの冷却
水温を検出する水温センサ42,排ガス中の酸素濃度を
検出するO2センサ43等が設けられ、ECU16に接
続されている。また、ECU16内には、クランク角セ
ンサ41に基づいて機関回転数(エンジン回転数)を算
出する機能がそなえられ、クランク角センサ41とこの
エンジン回転数演算機能とからエンジン回転数センサが
構成されるが、ここではクランク角センサ41について
も便宜上エンジン回転数センサともよぶ。
【0029】そして、本エンジンでは、燃焼室18内に
均一に燃料を噴射することで成立しうる予混合燃焼と、
燃焼室18内に臨んだ点火プラグ45の周囲に噴射燃料
を偏在させることで成立しうる層状燃焼とを、運転状態
に応じて切り換えるように構成されている。つまり、本
エンジンでは、エンジンの運転モードとして、圧縮行程
で燃料を噴射することで上記の層状燃焼運転を行なう層
状燃焼モードと、主として吸気行程で燃料を噴射するこ
とで上記の予混合燃焼運転を行なう予混合燃焼モードと
が設けられている。また、燃料噴射の観点からは、層状
燃焼モード時には圧縮行程噴射モードが、予混合燃焼モ
ード時には吸気行程噴射モードが実施される。
【0030】層状燃焼モードとしては、層状燃焼により
燃料の極めて希薄な状態(即ち、空燃比が理論空燃比よ
りも極めて大)での運転(超リーン燃焼運転)を行なう
超リーン運転モードが設けられており、この超リーン運
転モードでは、エンジンの圧縮行程で燃料噴射を行なう
ので、圧縮リーン運転モードともいう。また、予混合燃
焼モードとしては、超リーン運転モードほどではないが
燃料の希薄な状態(即ち、空燃比が理論空燃比よりも
大)で運転を行なうリーン運転モードと、空燃比が理論
空燃比となるようにO2 センサ情報等に基づいてフィー
ドバック制御を行なうストイキオ運転モード(ストイキ
オフィードバック運転モード)と、燃料の過濃な状態
(即ち、空燃比が理論空燃比よりも小)で運転を行なう
エンリッチ運転モード(オープンループモード)とが設
けられている。リーン運転モードでは、エンジンの吸気
行程で燃料噴射を行なうので、吸気リーン運転モードと
もいう。
【0031】圧縮リーン運転モードでは、最も希薄な燃
焼(空燃比が30〜40程度又はそれ以上)を実現で
き、このモードでは、燃料噴射を圧縮行程後期のように
極めて点火時期に近い段階で行ない、しかも燃料を点火
プラグの近傍に集めて部分的にはリッチにし全体的には
リーンとしながら着火性,燃焼安定性を確保しつつ節約
運転を行なうことができる。
【0032】そして、吸気リーン運転モードも希薄燃焼
(空燃比が20〜24程度)を実現できるが、このモー
ドでは、燃料噴射を圧縮リーン運転モードよりも前の吸
気行程に行ない、燃料を燃焼室内に拡散させて全体空燃
比をリーンにしながら着火性,燃焼安定性を確保しつつ
ある程度の出力を確保するようにして、節約運転を行な
うことができる。
【0033】ストイキオ運転モードは、O2 センサの出
力に基づいて、空燃比をストイキオ又はストイキオ近傍
の状態に維持しながら十分なエンジン出力を効率よく得
られるようにしている。また、オープンループ燃焼運転
モードでは、加速時や発進時等に十分な出力が得られる
ように、オープンループ制御によりストイキオ又はこれ
よりもリッチな空燃比(エンリッチ)での燃焼運転を行
なう。
【0034】ここで、本筒内噴射内燃機関の燃料供給系
に着目すると、既に図2を参照して説明したように、燃
料タンク22内の燃料は低圧燃料ポンプ24で加圧駆動
されて燃料供給路23Aを通じて高圧燃料ポンプ25に
送給されて、この高圧燃料ポンプ25で高圧に加圧され
て、燃料供給路23Bからデリバリパイプ28を通じて
燃料噴射弁21側へ送られ、燃料噴射弁21から吐出さ
れなかった燃料は、燃料供給路23Cを経て燃料タンク
22側へ戻されるようになっている。そして、燃料噴射
弁21から吐出される燃料の燃料圧力は、燃料供給路2
3Cに設けられた高圧レギュレータ27で調圧される。
【0035】ところで、高圧燃料ポンプ25には、図1
に示すような単筒型ポンプ(シングルプランジャ型ポン
プ)51が採用されており、このシングルプランジャ型
ポンプ51は、脈動により吐出流量や吐出圧力が変動す
る特性があるので、本機関では、この吐出流量や吐出圧
力の変動を抑制するために、シングルプランジャ型ポン
プ51のカム部のカム山数に工夫が成されており、さら
に、図3に示すように、燃料供給路23Bの上流部(高
圧燃料ポンプ25の直ぐ下流側)に、アキュムレータ4
6を設け、このアキュムレータ46によってデリバリパ
イプ28側に送られる燃料の吐出流量や吐出圧力の変動
を低減するようになっている。
【0036】ここで、本機関にそなえられるシングルプ
ランジャ型ポンプ51について説明すると、このポンプ
自体の概略構成は、従来技術として説明したものと同様
であり、図1に示すように構成される。つまり、図1に
示すように、単筒のシリンダ(ハウジング)52内に一
本のプランジャ53が往復動しうるように内挿され、シ
リンダ52内のシリンダ端壁部54とプランジャ53の
一端との間にはポンプ室(燃料室)55が形成されてい
る。シリンダ端壁部54には、吸入口56及び吐出口5
7が形成され、それぞれリーフ弁56A,57Aが装備
されている。
【0037】また、プランジャ53の他端にはカム(カ
ム部)58が装備され、プランジャ53の一端とシリン
ダ端壁部54との間に介装されたスプリング59によ
り、プランジャ53が常時カム58に当接するように付
勢されており、カム58が回動すると、プランジャ53
がカム58のカムプロフィル(カム山形状)に応じてシ
リンダ52内を往復動するようになっている。
【0038】カム58は、エンジンと、このカム58を
そなえたカム軸との間に介設されたカム軸駆動系(カム
駆動手段)60を通じてエンジンに連動して回転するよ
うになっている。例えばプランジャ53の他端がカム5
8のカム山58Aを外れてプランジャ53が後退(図1
中、下方へ移動)すると、リーフ弁57Aが吐出口57
を閉鎖するとともにリーフ弁56Aがを開放して吸入口
56からポンプ室55内に燃料が吸入され、プランジャ
53の他端がカム58のカム山58Aに当接してプラン
ジャ53が前進(図1中、上方へ移動)すると、リーフ
弁56Aが吸入口56を閉鎖してポンプ室55内が加圧
され、さらに、リーフ弁57Aが開放してポンプ室55
内の加圧された燃料が吐出口57から吐出されるように
なっている。
【0039】そして、本高圧燃料ポンプ25としての単
筒型ポンプ51では、カム58に形成されたカム山58
Aの数Yが、ポンプ減速比J,エンジンの気筒数Kに応
じて、次式(1)を満たすように設定されている。 2×Y×J=K×n (ただし、n:正の整数) ・・・(1) なお、ポンプ減速比Jは、エンジン回転速度(回転数)
Neに対するカム58の回転速度(回転数)Npの比
(J=Np/Ne)である。
【0040】したがって、単筒型ポンプ51の脈動周期
(クランク角度基準の周期)が、各気筒で順に駆動され
る燃料噴射弁21からの燃料噴射周期(クランク角度基
準の周期)の整数倍となるように設定されることにな
る。ここで、本エンジンは4気筒であり、ポンプ減速比
Jが0.5とすると、カム山数Yは、Y=4n、即ち、
Y=4,8,12,・・・となるが、本ポンプの場合、
一例として、ポンプ51の脈動周期が、燃料噴射弁21
からの燃料噴射周期と等しくなるように、Y=4と設定
されているものとする。
【0041】本発明の一実施形態としての単筒型ポンプ
付き筒内噴射内燃機関は、上述のように構成されている
ので、高圧燃料ポンプ25として使用されるシングルプ
ランジャ型ポンプ51に、図10に示すような脈動が生
じても、この脈動の燃料噴射量に対する影響は僅かなも
のになり、気筒間での燃料噴射量のバラツキが低減され
るようになる。
【0042】つまり、シングルプランジャ型ポンプ51
の吐出流量及び吐出圧力の脈動は、プランジャ53の往
復動周期、即ち、プランジャ53がカム山58Aにより
駆動される周期により、周期的に生じるが、本ポンプ5
1のカム山58Aの数Yは、式(1)に示すように設定
され、ポンプ51の脈動周期が、順番に駆動される燃料
噴射弁21からの燃料噴射周期と等しくなるように設定
されているので、クランク角に対する燃料噴射圧の変動
は例えば図4に曲線L1で示すようになる。
【0043】なお、図4は、圧縮行程噴射モードにおけ
る燃料噴射を行なった場合の燃料噴射圧特性の一例につ
いて示しており、図4の上部に図示するように、各気筒
では圧縮行程中に燃料噴射を行ない、図3中に計測点と
付すように、デリバリパイプ28の下流端近傍で燃料圧
力を検出している。また、ここでは、圧縮上死点前18
0°(即ち、180°BTDC)付近で燃料噴射を開始
する例を示している。さらに、図4に示す曲線L2は、
ポンプの脈動周期と燃料噴射弁21からの燃料噴射周期
とが同期しないようにカム山数Yを設定した場合(ここ
では、Y=3)の例を示している。
【0044】このような燃料噴射圧変動に対して、各気
筒に燃料噴射を行なった時の燃料噴射量の気筒間バラツ
キ(最大偏差)を算出すると、本発明にかかるポンプ5
1による場合(曲線L1の場合)は0.2%程度、従来
技術にかかるポンプ151(カム山数Y=3)による場
合(曲線L2の場合)は1.4%程度となる。この図4
に示す例では、いずれも(曲線L1も曲線L2も)燃料
供給路23Bの上流部にアキュムレータ46を設けたも
のであり、このアキュムレータ46の圧力変動抑制効果
によって、両者共に燃料噴射圧力の変動は大きく抑制さ
れるが、本実施形態にかかるポンプ51では、気筒間バ
ラツキが0.2%程度と極めて均等な量で燃料噴射が行
なわれるのに対して、従来技術にかかるポンプ51で
は、気筒間バラツキが1.4%程度と本実施形態のポン
プに比べて燃料噴射量のバラツキが大きいことがわか
る。
【0045】これは、本実施形態にかかるポンプ51
は、曲線L1で示すように、ポンプ51の脈動周期と燃
料噴射弁21からの燃料噴射周期とが同期しているの
で、燃料噴射時には燃料噴射圧力が各気筒で常に略同レ
ベルにあり、したがって、各気筒で同期間だけ燃料噴射
弁21を開駆動すれば、各気筒で殆ど同量の燃料が噴射
されることになる。
【0046】一方、従来のポンプ151は、曲線L2で
示すように、ポンプの脈動周期と燃料噴射弁21からの
燃料噴射周期とが同期していないので、燃料噴射時には
燃料噴射圧力が各気筒で異なるようになり、したがっ
て、各気筒で同期間だけ燃料噴射弁21を開駆動して
も、各気筒から噴射される燃料量は、異なるものになっ
てしまう。
【0047】このように、本単筒型ポンプ51では、単
筒型ポンプに避けられないポンプ脈動の燃料噴射量に対
する影響を極めて僅かなものに抑制することができ、気
筒間での燃料噴射量のバラツキが低減されるようになっ
て、空燃比(A/F)の制御も各気筒間でのバラツキを
抑えながら行なうことができるようになる。したがっ
て、空燃比制御を適切に行なうことができるようにな
り、機関の運転状態に応じて適切に空燃比を制御しなが
ら、筒内噴射内燃機関としての特性、即ち、機関の運転
状態に応じて燃費向上を重視したり出力確保を重視した
り或いは燃費向上と出力確保を両立させたりしうる特性
を十分に発揮することができるようになり、筒内噴射内
燃機関の総合性能の向上に大きく寄与する。
【0048】もちろん、アイドル運転が不安定になるな
どドライバビリティの悪化を招くことや、エンジン振動
の増大を招くこともない。なお、本ポンプ51及び従来
のポンプ151であって燃料供給路23Bにアキュムレ
ータ46を備えない場合には、図5にL3,L4で示す
ように、ポンプ脈動の影響が燃料圧力に大きく影響し
て、燃料圧力が大きく変動する。なお、図5も、図5の
上部に図示すように、各気筒で圧縮行程中に燃料噴射を
行なう圧縮行程噴射モードにより燃料噴射を行なった場
合の検出結果を示しており、デリバリパイプ28の下流
端近傍(図3中の計測点参照)で燃料圧力を検出してい
る。
【0049】しかし、本ポンプ51の場合には、曲線L
3で示すように、ポンプ51の脈動周期と燃料噴射弁2
1からの燃料噴射周期とが同期しているので、例え燃料
圧力が大きく変動しても、燃料噴射時には燃料噴射圧力
が各気筒で常に略同レベルにあり、したがって、各気筒
で同期間だけ燃料噴射弁21を開駆動すれば、各気筒で
殆ど同量の燃料が噴射されるようになり、燃料噴射量の
気筒間バラツキ(最大偏差)は、0.3%程度と僅かに
抑えられる。
【0050】一方、従来のポンプ151は、曲線L4で
示すように、ポンプの脈動周期と燃料噴射弁21からの
燃料噴射周期とが同期していないので、燃料圧力が大き
く変動するのに応じるように、燃料噴射時には燃料噴射
圧力が各気筒で異なるようになり、したがって、各気筒
で同期間だけ燃料噴射弁21を開駆動しても、各気筒か
ら噴射される燃料量は、大幅に異なるものになり、燃料
噴射量の気筒間バラツキ(最大偏差)は、4.3%程度
と大きくなってしまう。
【0051】ところで、本単筒型ポンプ51では、ポン
プ51の脈動周期と燃料噴射弁21からの燃料噴射周期
とが同期するようにすればよいが、ポンプカム53の位
相が、燃料噴射量の気筒間バラツキ(最大偏差)にも影
響するものと考えられる。図6は、ポンプカム53の位
相に対する燃料噴射圧の変化を示すものであり、図6も
その上部に図示するように、各気筒では圧縮行程中に燃
料噴射を行なう場合(即ち、圧縮行程噴射モード)の検
出結果を示しており、デリバリパイプ28の下流端近傍
(図3中の計測点参照)で燃料圧力を検出している。ま
た、ここでも、圧縮上死点前180°(即ち、180°
BTDC)付近で燃料噴射を開始する例を示している。
【0052】図6中の曲線L5は、燃料噴射開始時(1
80°BTDC付近)でポンプ51が吸入脈動から吐出
脈動に移る付近のタイミングになるように設定した場合
を示し、曲線L6は、燃料噴射開始時(180°BTD
C付近)では既にポンプ51が吐出脈動から吸入脈動に
移ったあとのタイミングになるように設定した場合を示
し、曲線L7は、燃料噴射開始時(180°BTDC付
近)でポンプ51が吐出脈動の終期に差しかかったタイ
ミングになるように設定した場合を示す。
【0053】図示するように、燃料噴射タイミングとポ
ンプ脈動タイミングとの位相関係に応じて、燃料噴射圧
の変化特性も変わるが、前述と同様に、燃料噴射量の気
筒間バラツキ(最大偏差)を調べると、曲線L5の場合
には0.27%程度、曲線L6の場合には0.44%程
度、曲線L7の場合には0.50%程度となり、燃料噴
射タイミングとポンプ脈動タイミングとの位相関係を適
切に設定すれば、燃料噴射量の気筒間バラツキもより効
果的に抑制されることがわかる。
【0054】この例では、ポンプ51が吸入脈動から吐
出脈動に移る付近のタイミングが、丁度、燃料噴射開始
のタイミングとなるように設定すること(即ち、曲線L
5)が燃料噴射量の気筒間バラツキの抑制に効果的であ
るといえるが、これについては、ポンプ51のみならず
燃料噴射弁21など他の燃料供給系の特性等も影響する
ことも考えられ、曲線L5に示すようにポンプの位相を
設定することが燃料噴射量の気筒間バラツキの抑制に対
して最適とは必ずしも限らない。
【0055】なお、燃料圧力が極めて高い瞬間に燃料噴
射を行なおうとすると燃料噴射弁を開駆動することがで
きないおそれもあるため、このようなおそれがあれば、
吐出脈動のピーク周辺を避けるように、特に、燃料圧力
が安定した期間に燃料噴射を開始するように、燃料噴射
タイミングとポンプ脈動タイミングとの位相関係を設定
する必要がある。図6に示す例では、この点を考慮し
て、曲線L5,L6,L7の何れの場合も、燃料噴射開
始が吐出脈動のピーク周辺を避けて行なわれるように設
定されている。もちろん、吐出脈動のピーク周辺の高い
燃料圧力のときに燃料噴射を行なっても燃料噴射弁を確
実に開駆動することができれば、このような配慮は不要
である。
【0056】ところで、燃料噴射弁21に、吐出脈動の
ピーク周辺の高い燃料圧力を加えても支障なく作動すれ
ば、ポンプの吐出脈動のピークを燃料噴射タイミングに
合致させれば、燃料噴射圧を極めて高圧に設定すること
ができるため、種々の利点がある。例えば図7は圧縮行
程噴射の場合の、燃料噴射タイミングとポンプ脈動タイ
ミングとの位相関係の好ましい例を示すものであり、あ
る1つの気筒について示している。図7中に噴射期間と
して示すように、圧縮行程噴射を行なう際に、ポンプの
吐出脈動(燃圧脈動)のピークがくるように、圧縮行程
噴射期間とポンプの吐出脈動とを合致させるように設定
する。
【0057】これにより、燃料噴射圧を極めて高圧にす
ることができ、高い燃料圧力により燃料の霧化が促進さ
れ、燃費向上,排ガス中のHC(炭化水素)の低減,燃
焼安定性の向上といった利点が得られる。また、圧縮行
程噴射は、一般にエンジンの低負荷及び低回転時に行な
うので、エンジンの低回転時には脈動自体が大きくな
く、したがって、脈動ピークも高くないため、吐出脈動
のピーク周辺で燃料噴射を行なっても燃料噴射弁を確実
に開駆動することができ、燃料噴射弁を確実に開駆動さ
せながら、燃料噴射圧を極めて高圧にすることができ
る。
【0058】例えば図8は吸気行程噴射の場合の、燃料
噴射タイミングとポンプ脈動タイミングとの位相関係の
好ましい例を示すものであり、ある1つの気筒について
示している。図7中に噴射期間として示すように、吸気
行程噴射を行なう際に、ポンプの吐出脈動(燃圧脈動)
のピークがくるように、吸気行程噴射期間とポンプの吐
出脈動とを合致させるように設定する。
【0059】これにより、燃料噴射圧を極めて高圧にす
ることができ、高い燃料圧力により燃料噴射弁21の噴
射率を向上させて、全開運転時に大きな噴射量を確保す
ることができる利点がある。なお、本実施形態では、式
(1)において、n=1の場合を説明したが、nの値は
2,3,4等の他の正の整数としてカム山数Yを設定し
てもよいのは勿論である。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関によれば、カ
ム山数の設定という極めて簡素な構成により、ポンプ脈
動周期と燃料噴射弁による燃料噴射周期とが同期するよ
うになり、ポンプ脈動により例え燃料圧力が大きく変動
しても、燃料噴射時には燃料噴射圧力が各気筒で常に略
同レベルとなり、各気筒で略同量の燃料が噴射されるよ
うになり、空燃比の制御も各気筒間でのバラツキを抑え
ながら行なうことができるようになる。
【0061】したがって、空燃比制御を適切に行なうこ
とができるようになり、機関の運転状態に応じて適切に
空燃比を制御しながら、筒内噴射内燃機関としての特
性、即ち、機関の運転状態に応じて燃費向上を重視した
り或いは出力確保を重視したり或いは燃費向上と出力確
保を両立させたりすることができ、筒内噴射内燃機関と
しての性能を十分に発揮することができるようになり、
内燃機関の総合性能の向上に大きく寄与する。もちろ
ん、アイドル運転が不安定になるなどドライバビリティ
の悪化の回避や、エンジン振動の増大の回避も行なえ、
この点でも、筒内噴射内燃機関の総合性能の向上に大き
く寄与する。
【0062】請求項2記載の本発明の単筒型ポンプ付き
筒内噴射内燃機関によれば、吐出脈動のピーク周辺を避
けて燃料噴射を行なうことができ、燃料噴射弁を確実に
開駆動することができる。請求項3記載の本発明の単筒
型ポンプ付き筒内噴射内燃機関によれば、燃料噴射圧を
極めて高圧にすることができ、高い燃料圧力により燃料
の霧化が促進され、燃費向上,排ガス中のHC(炭化水
素)の低減,燃焼安定性の向上といった利点が得られ
る。また、圧縮行程噴射は、一般にエンジンの低負荷及
び低回転時に行なうので、エンジンの低回転時には脈動
自体が大きくなく、したがって、脈動ピークも高くない
ため、吐出脈動のピーク周辺で燃料噴射を行なっても燃
料噴射弁を確実に開駆動することができ、燃料噴射弁を
確実に開駆動させながら、燃料噴射圧を極めて高圧にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる単筒型ポンプを示
す模式的な縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる単筒型ポンプ付き
筒内噴射内燃機関を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる単筒型ポンプ付き
筒内噴射内燃機関の燃料供給系を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる単筒型ポンプの効
果を説明する燃料噴射圧特性を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる単筒型ポンプの効
果を説明する燃料噴射圧特性を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる単筒型ポンプのカ
ム位相の燃料圧力への影響を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる単筒型ポンプ付き
筒内噴射内燃機関の燃料噴射タイミングの一例を示す図
である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる単筒型ポンプ付き
筒内噴射内燃機関の燃料噴射タイミングの他の例を示す
図である。
【図9】従来の単筒型ポンプ(シングルプランジャ型ポ
ンプ)を示す模式的な縦断面図である。
【図10】従来の単筒型ポンプ(シングルプランジャ型
ポンプ)の吐出流量特性を示す図である。
【図11】従来の複筒型ポンプ(マルチプランジャ型ポ
ンプ)を示す模式的な縦断面図である。
【図12】従来の複筒型ポンプ(マルチプランジャ型ポ
ンプ)の吐出流量特性を示す図である。
【符号の説明】
21 燃料噴射弁(インジェクタ) 23A〜23E 燃料供給路 25 高圧燃料ポンプ 27 高圧レギュレータ 28 デリバリパイプ 46 アキュムレータ 51 単筒型ポンプ(シングルプランジャ型ポンプ) 52 シリンダ(ハウジング) 53 プランジャ 54 シリンダ端壁部 55 ポンプ室(燃料室) 56 吸入口 57 吐出口 56A,57A リーフ弁 58 カム(カム部) 58A カム山 59 スプリング 60 カム軸駆動系(カム駆動手段)
フロントページの続き (72)発明者 北田 泰造 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各気筒の燃焼室内に直接臨んだ燃料噴射
    弁から該燃焼室内に燃料を高圧噴射する筒内噴射内燃機
    関であって、 該燃料噴射弁へ高圧な燃料を供給するための高圧燃料ポ
    ンプをそなえ、 該高圧燃料ポンプが、 燃料を供給される燃料室と、該燃料室の一部を形成する
    ハウジングと、該ハウジング内をカム駆動に摺動自在に
    設けられたプランジャと、該プランジャの一端に当接す
    るカム部を有し該機関のクランク軸の回転力により該カ
    ム部を回転駆動させ該プランジャを往復動させることで
    燃料の吸入及び吐出を行なうカム駆動手段とを有する、
    単筒型ポンプにより構成され、 該カム部のカム山数Yが、ポンプ減速比J,該機関の気
    筒数K,正の整数nに関して、 2×Y×J=K×n を満たすように設定されていることを特徴とする、単筒
    型ポンプ付き筒内噴射内燃機関。
  2. 【請求項2】 該燃料噴射弁からの燃料噴射は、該機関
    の燃料圧力が安定する期間に開始されるように設定され
    ていることを特徴とする、請求項1記載の単筒型ポンプ
    付き筒内噴射内燃機関。
  3. 【請求項3】 圧縮行程で燃料噴射を行なうモードが設
    けられ、該圧縮行程での燃料噴射が、該ポンプに生じる
    脈動を利用して脈動の高圧時に行なわれるように設定さ
    れていることを特徴とする、請求項1記載の単筒型ポン
    プ付き筒内噴射内燃機関。
JP9078382A 1997-03-28 1997-03-28 単筒型ポンプ付き筒内噴射内燃機関 Withdrawn JPH10274131A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163756A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Yamaha Motor Co Ltd 鞍乗型車両
JP2011523989A (ja) 2008-01-24 2011-08-25 マック トラックス インコーポレイテッド 多気筒エンジン内の燃焼の制御方法及び多気筒エンジン
WO2016199570A1 (ja) * 2015-06-08 2016-12-15 株式会社ミクニ 燃料ポンプの制御装置及び制御方法

Cited By (4)

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JP2017002770A (ja) * 2015-06-08 2017-01-05 株式会社ミクニ 燃料ポンプの制御装置及び制御方法

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