JP2001342873A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2001342873A
JP2001342873A JP2000161968A JP2000161968A JP2001342873A JP 2001342873 A JP2001342873 A JP 2001342873A JP 2000161968 A JP2000161968 A JP 2000161968A JP 2000161968 A JP2000161968 A JP 2000161968A JP 2001342873 A JP2001342873 A JP 2001342873A
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injection
fuel injection
internal combustion
combustion engine
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Atsushi Takeda
淳 武田
Hitoshi Kamura
均 加村
Hiroya Nogami
宏哉 野上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、低燃圧
時に、燃料噴射弁からの燃料の逆流を回避しながら燃料
供給量不足を抑制する。 【解決手段】 気筒内に直接燃料を噴射可能な燃料噴射
弁をそなえた内燃機関の燃料噴射制御装置において、内
燃機関の状態に応じて吸気行程を主体として燃料噴射を
行なう吸気行程噴射と圧縮行程を主体として燃料噴射を
行なう圧縮行程噴射とを選択する噴射行程選択手段30
aと、内燃機関の状態に応じて燃料の噴射量を設定する
噴射量設定手段30bと、燃料噴射弁11から噴射され
る燃料の圧力が低い状態で吸気行程噴射が選択されたと
きに、吸気行程内では噴射量設定手段30bにより設定
された噴射量だけの燃料を噴射不可能な場合には、圧縮
行程初期の噴射許容期間内に限定して燃料噴射弁11か
らの燃料噴射の継続を許容する燃料噴射継続手段30c
とをそなえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気筒内に直接燃料
を噴射可能な燃料噴射弁をそなえた内燃機関のための燃
料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、火花点火式の筒内噴射型内燃機関
(以下、直噴ガソリンエンジンともいう)が自動車用エ
ンジンとして実用化されているが、このような直噴ガソ
リンエンジンでは、圧縮行程に高い筒内圧に負けること
なく燃料噴射ができるようにするためや、吸気行程に燃
料噴射する場合にも、燃料噴霧の微粒化を促進するため
や燃料噴射期間を短縮化するために、燃料ポンプにより
燃料噴射圧力を大幅に上げている。
【0003】燃料ポンプには、エンジン駆動式のものが
主流であるが電動式のものもあり、コンパクトな構成で
高い燃料噴射圧力を得るには、エンジン駆動式の燃料ポ
ンプの方が有利である。しかし、エンジン駆動式の燃料
ポンプはエンジンの始動時にはほとんど加圧作用せず、
始動時の最小限の燃圧を確保する必要があり、燃料噴射
圧力をより高めるには複数のポンプを直列に配置するの
が有利である。
【0004】そこで、燃料供給系の上流側に吐出圧が低
圧の電動式ポンプを設け、燃料供給系の下流側に吐出圧
が高圧のエンジン駆動式ポンプを設けて、エンジン始動
時の最小限の燃圧は低圧電動式ポンプで確保し、エンジ
ンの始動が完了したら、上流側の低圧電動式ポンプで燃
料を所定の低圧レベルまで加圧し、この加圧した燃料を
下流側に高圧エンジン駆動式ポンプで所定の高圧レベル
まで加圧するようにしている。
【0005】ところで、上述のように、エンジン始動時
には、低圧電動式ポンプにより最小限の燃圧に加圧され
た燃料が燃料噴射弁から筒内に噴射される。なお、この
ような燃圧の低いエンジン運転モードを低燃圧モードと
いう。また、低燃圧モードを実施するのはエンジン始動
時であるが、具体的な低燃圧モード条件としては、エン
ジンのキースイッチが始動位置にあること、又はエンジ
ン回転数が所定値以下且つ燃圧が所定値以下であるこ
と、とすることができる。
【0006】直噴エンジンの場合、筒内への燃料噴射を
何時でも(どの行程でも)できるが、低燃圧モード時に
は筒内圧が高まる(大気圧よりも大きくなる)圧縮行程
に燃料噴射を行なうと、燃圧が筒内圧よりも低く(燃圧
<筒内圧)なって、相対燃圧が低下し、燃料噴射弁から
噴出すべき燃料の逆流を招き、燃料噴射弁から所定量の
燃料が噴出しなくなったり、汚物が堆積することによ
り、実際に噴射される燃料量を把握することができず、
燃料噴射装置の不良を招くおそれがある。
【0007】そこで、低燃圧モード時には、圧縮行程に
入る前の所定のクランク角で、燃料噴射を即座に停止す
るようにしている。例えば、クランク角センサが、図6
(a),(b)に示すように、吸気,圧縮,爆発,排気
の各行程で(即ち、クランク角180°毎に)それぞれ
1回信号が立ち上がり、吸気下死点近傍では、クランク
角185°B(圧縮上死点前185°)で信号が変化
(オンからオフ)するものの場合、図7に示すように制
御する。
【0008】つまり、図7に示すように、低燃圧モード
条件が成立すると(ステップb1)、クランク角が18
5°B(圧縮上死点前185°)を過ぎても燃料噴射中
であるか否かを判定し(ステップb2)、185°Bを
過ぎても燃料噴射中であれば、燃料噴射を停止する(ス
テップb3)。これにより、低燃圧モード時には、図6
(c)に示すように、燃料噴射弁が所要の燃料量の燃料
を噴射するためには、本来は破線で示すように圧縮行程
まで燃料噴射を続けるべきところを、内燃機関がどのよ
うな状態であっても実線で示すように185°Bにおい
て即座に燃料噴射を停止するのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、種々の排気
量,種類の直噴ガソリンエンジンにおいて、上述のよう
な低燃圧モードでの運転を行なうと、燃料噴射量(燃料
供給量)が不十分になるため、エンジンによっては、エ
ンジンの吹け上がりが悪くなってフィーリングの悪化を
招いたり、極低温時(例えば0℃以下)に、始動不良を
招くおそれもある。
【0010】この極低温時の始動不良は、上記の燃料供
給量不足に加えて、シリンダ内周壁面とピストン外周面
との隙間が大きくなっているためこの隙間から燃焼室外
への漏出ガスが増えることによる出力不足、油温低下に
よりフリクションが増大すること等が原因と考えられ
る。特に、排気量が大きいエンジンの場合、極低温時に
限らず、筒内エアによるフリクションの影響も増大する
ので、上記の不具合を招きやすい。
【0011】しかしながら、エンジンの吹け上がりやフ
ィーリングを重視して、単純に燃料噴射期間を圧縮行程
まで継続すれば、上述のように、燃料の逆流が生じて燃
料噴射装置の不良を招くおそれが発生する。ところで、
本願出願人は、特開平8−319865号公報に開示さ
れているように、低温始動時に、燃料噴射の開始時期を
早めることによって燃料量を確保しようとする技術を提
案したが、燃料噴射開始時期を早めるのにも限度がある
ため、燃料量の不足を抑制するための更なる技術開発が
望まれている。
【0012】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、燃圧の低い運転時に、燃料噴射弁から適切に燃料
噴射することが可能な期間のみ燃料噴射を許容するよう
にして燃料の逆流を回避しながら燃料供給量不足を抑制
することができるようにした、内燃機関の燃料噴射制御
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、気筒内に直
接燃料を噴射可能な燃料噴射弁をそなえた内燃機関の燃
料噴射を制御するにあたって、内燃機関状態検出手段に
より該内燃機関の状態を検出し、この内燃機関状態検出
手段の出力に応じて、噴射行程選択手段により吸気行程
を主体として燃料噴射を行なう吸気行程噴射と圧縮行程
を主体として燃料噴射を行なう圧縮行程噴射とのいずれ
かを選択するとともに、噴射量設定手段により燃料の噴
射量を設定する。
【0014】燃料噴射継続手段では、上記燃料噴射弁か
ら噴射される燃料の圧力が低い状態で上記吸気行程噴射
が選択されたときに、吸気行程内では上記の設定された
噴射量だけの燃料を噴射不可能な場合には、圧縮行程初
期の噴射許容期間内に限定して上記燃料噴射弁からの燃
料噴射の継続を許容する。したがって、燃料の圧力が低
い状態での供給燃料量の不足を抑制することができ、し
かも、圧縮行程初期の噴射許容期間内に限定して燃料噴
射の継続を許容するので、燃料噴射弁からの燃料の逆流
を回避することも可能になる。
【0015】なお、上記の噴射許容期間はクランク角セ
ンサで検出されたクランク角信号出力から所定時間とし
て設定されることが好ましい。これによって、クランク
角センサが検出角度の粗いものであっても噴射許容期間
を適切に設定することができる。また、上記の噴射許容
期間は上記内燃機関状態検出手段の出力に応じて設定さ
れることが好ましい。これによって、燃料の圧力が低い
状態での内燃機関の運転時に、内燃機関の状態に応じ
て、燃料噴射弁からの燃料の逆流を回避しながら供給燃
料量の不足を確実に抑制することができるようになる。
この場合、内燃機関の状態とは、例えばエンジン冷却水
の水温、及び/又は、エンジン回転数である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図5は本発明の一実
施形態としての内燃機関の燃料噴射制御装置を示すもの
である。本実施形態の内燃機関用燃料噴射制御装置は、
火花点火式で且つ燃料をシリンダ内に直接噴射する筒内
噴射型内燃機関(以下、直噴ガソリンエンジン又は単に
エンジンともいう)にそなえられている。
【0017】図1は本実施形態にかかるエンジンの燃料
供給系を示す構成図である。図1に示すように、燃料噴
射弁11と燃料タンク12との間を連絡するように燃料
通路13a,13bがそなえられ、燃料通路(送給路)
13aには、低圧燃料ポンプ1,低圧レギュレータ2,
高圧燃料ポンプ5,チェックバルブ6aが、燃料タンク
12から燃料噴射弁11へ向けてこの順で介装されてい
る。低圧燃料ポンプ1の上流側の燃料吸入口には燃料フ
ィルタ9が装着され、低圧燃料ポンプ1の直下流側の燃
料通路13aにも燃料フィルタ20が介装されている。
【0018】燃料通路(返送路)13bには、高圧レギ
ュレータ10,絞り15が、燃料噴射弁11から燃料タ
ンク12へ向けてこの順で介装されている。燃料通路1
3a,13bは、燃料噴射弁11側で合流して1本の燃
料通路13cになっており、燃料通路13cの先端にデ
リバリパイプ7が接続され、このデリバリパイプ7に各
気筒毎にシリンダ内に直接噴射するように配置された燃
料噴射弁11が装着されている。
【0019】また、燃料通路13aにおける上流部とチ
ェックバルブ6aの下流部との間には、燃料通路13a
を迂回するバイパス通路13dが設けられ、このバイパ
ス通路13dにもチェックバルブ6bが介装されてい
る。さらに、高圧燃料ポンプ5と燃料タンク12とを結
ぶように燃料通路13eが設けられ、この燃料通路13
eにもチェックバルブ14が介装されている。
【0020】ここで、上記の要部について更に詳細に説
明する。低圧燃料ポンプ1は、燃料タンク12内に設け
られたフィードポンプであって、電動式ポンプが用いら
れており、作動時には、燃料フィルタ9,20で濾過し
ながら燃料タンク12内の燃料を送給路13aの下流側
へ駆動するようになっている。この時の低圧燃料ポンプ
1による燃料の加圧は、大気圧の状態から数気圧程度ま
で行なわれるようになっている。また、この低圧燃料ポ
ンプ1は、エンジンの始動(イグニッションスイッチオ
ン)とともに起動して、エンジンの停止時(イグニッシ
ョンスイッチオフ)には停止するようになっているが、
勿論、エンジンの回転速度に依存することなく所定の吐
出圧を発生できるようになっている。
【0021】低圧レギュレータ2は、低圧燃料ポンプ1
からの吐出圧が設定圧(例えば3気圧)を越えるまでは
閉鎖していて、吐出圧が設定圧を越えると、この越えた
圧力分の燃料については燃料タンク12側へ直接返送す
ることで、高圧燃料ポンプ5へ送給する燃料圧力を設定
圧付近に安定させるようになっている。勿論、上記の設
定圧が得られるように、低圧燃料ポンプ1としては、そ
の吐出圧がこの設定圧以上になるように設定されてい
る。
【0022】高圧燃料ポンプ5は、この低圧燃料ポンプ
1から吐出され低圧レギュレータ2で調圧され送給され
た燃料を数十気圧程度まで加圧するものである。この高
圧燃料ポンプ5には、ポンプ効率やコストの面で高圧ポ
ンプとして電動式ポンプよりも有利な例えば往復動型圧
縮ポンプなどの機関駆動式ポンプ(以下、エンジン駆動
ポンプという)が用いられており、当然ながら、エンジ
ンの作動と直接連動して作動し、エンジンの回転速度に
応じて吐出圧を発生するようになっている。
【0023】燃料噴射弁11の直下流部分、即ち、燃料
通路13bの上流部分に設けられた高圧レギュレータ1
0は、高圧燃料ポンプ5からの吐出圧を設定圧(例えば
50気圧)に調整するものである。この高圧レギュレー
タ10は、高圧燃料ポンプ5からの吐出圧が設定圧(例
えば50気圧)を越えるまでは閉鎖していて、吐出圧が
設定圧を越えると、この越えた圧力分の燃料については
燃料タンク12側へ返送して、燃料噴射弁11における
燃料圧力を所定圧に安定させるようになっている。
【0024】バイパス通路13dは、始動時等において
高圧燃料ポンプ5の吐出圧が立ち上がる前に、低圧燃料
ポンプ1からの低燃圧の燃料を、高圧燃料ポンプ5を迂
回させて燃料噴射弁11側に確実に供給するためのもの
である。なお、図1中、破線内部は高圧ポンプアセンブ
リとして構成される。そして、燃料噴射弁11のほか、
図示しない点火プラグや電子制御スロットルといった各
エンジン制御要素の作動を制御するために、内燃機関の
制御手段としての機能を有する電子制御ユニット(EC
U)30がそなえられている。このECU30には、入
出力装置,制御プログラムや制御マップ等の記憶を行な
う記憶装置,中央処理装置,タイマやカウンタ等がそな
えられており、前述の種々のセンサ類からの検出情報や
キースイッチの位置情報等に基づいて、このECU30
が、上述の各エンジン制御要素の制御を行なうようにな
っている。
【0025】特に、本エンジンは、筒内噴射エンジンで
あり、燃料噴射を自由なタイミングで実施でき、吸気行
程を中心とした燃料噴射によって均一混合させ均一燃焼
を行なうほか、圧縮行程を中心とした燃料噴射によって
逆タンブル流を利用して層状燃焼を行なうことができ
る。本エンジンの運転モードとしては、O2センサ40
の検出情報に基づいたフィードバック制御により空燃比
を理論空燃比近傍に保持するストイキ運転モードと、空
燃比を理論空燃比よりもリッチにするエンリッチ運転モ
ードと、空燃比を理論空燃比よりもリーンにして希薄燃
焼させるリーン運転モードとが設けられている。このほ
か、エンジン始動直後の燃圧が高まらない場合(即ち、
始動時等において高圧燃料ポンプ5の吐出圧が立ち上が
る前)のために、吸気行程を中心とした燃料噴射による
低燃圧運転モードが設けられている。
【0026】そして、ECU30内には、噴射行程選択
手段(燃料噴射モード設定手段)30a,噴射量設定手
段30b,燃料噴射継続手段30cの各機能要素がそな
えられ、内燃機関状態検出手段からの検出信号に基づい
て、燃料噴射の時期を設定するようになっている。な
お、内燃機関状態検出手段としては、クランク角センサ
41と、エンジン回転速度センサ42と、スロットルポ
ジションセンサ43と、エアフローセンサ44と、水温
センサ45,燃圧センサ19等が設けられている。
【0027】まず、内燃機関状態検出手段について説明
すると、クランク角センサ41は、クランク軸が所定の
クランク角になると検出信号を出力するもので、ここで
は、上死点を基準(角度0°)として、255B,18
5B,75B,5B(Bは上死点よりも前の角度を表
す。「B」は「°B」とも表す。)、換言すると、105
A,175A,285A,355A(Aは上死点よりも
後の角度を表す)、を検出して出力する。
【0028】エンジン回転速度センサ42は、ここで
は、クランク角センサ41からの検出信号に基づいてエ
ンジン回転速度(回転数ともいう)Neを算出して出力
する。スロットルポジションセンサ43は、スロットル
開度を検出して出力する。エアフローセンサ44は、例
えばエアクリーナ21の直ぐ下流部分に配設され、吸入
空気流量afを検出して出力する。水温センサ45は、
例えばシリンダ外周のウォータジャケットに配設され、
エンジンの冷却水温Twを検出して出力する。燃圧セン
サ19は、デリバリパイプ7に付設され燃料圧力を検出
して出力する。
【0029】また、ECU30内には、エンジン回転速
度センサ42で検出されたエンジン回転数Ne及びスロ
ットルポジションセンサ43で検出されたスロットル開
度tpから平均有効圧Peの目標値(目標Pe)を算出
する目標Pe算出手段30dが備えられている。この目
標Peはエンジン負荷状態を示すものでもある。燃料噴
射モード設定手段30aは、図示しないマップに基づい
て、エンジン回転速度センサ42で検出されたエンジン
回転数Ne及び目標Pe算出手段30d算出された目標
Peに応じて上記のいずれかの運転モードを選択するよ
うになっており、エンジン回転数Neが小さく目標Pe
も小さい状態では圧縮行程を中心とした燃料噴射による
層状燃焼で行なう圧縮リーン運転モードを選択し、エン
ジン回転数Neや目標Peが増加していくにつれて、吸
気リーン運転モード,ストイキ運転モード,エンリッチ
運転モードの順にいずれも吸気行程を中心とした燃料噴
射による運転モードを選択していく。
【0030】また、エンジンの冷態時、即ち、水温セン
サ45で検出されたエンジンの冷却水温Twが予め設定
された所定値Tw0以下の場合、吸気行程を中心とした
燃料噴射による運転モードのみに限定して運転モードを
選択するようになっている。特に、水温Twが予め設定
された所定値Tw0以下で、且つ、エンジン回転数Ne
が予め設定された所定値Ne0(Ne0はクランキングを
判定する始動判定回転数、或いはこの始動判定回転数よ
りも小さい値)以下である、エンジンの冷態始動時に
は、高圧燃料ポンプ5の吐出圧が立ち上がらず燃圧が高
まらないので、低燃圧運転モードを選択し、吸気行程を
中心とした燃料噴射を行ない、燃料噴射の時期や期間
(噴射量)も低燃圧に応じたものに設定するようになっ
ている。
【0031】したがって、燃料噴射モード設定手段30
aは吸気行程を主体として燃料噴射を行なう吸気行程噴
射と圧縮行程を主体として燃料噴射を行なう圧縮行程噴
射とを選択する噴射行程選択手段としても機能する。噴
射量設定手段30bは、図示しないマップに基づいて、
エンジン回転速度センサ42で検出されたエンジン回転
数Ne及び目標Pe算出手段30d算出された目標Pe
に応じて燃料噴射弁11の駆動時間(即ち、燃料噴射量)
を設定する。
【0032】燃料噴射継続手段30cは、燃料噴射弁1
1から噴射される燃料の圧力(燃圧)が低い状態で吸気
行程噴射が選択されたとき、吸気行程内では上記噴射量
設定手段により設定された噴射量だけの燃料を噴射不可
能な場合に、圧縮行程初期の噴射許容期間内に限定して
燃料噴射弁11からの燃料噴射の継続を許容するもので
ある。なお、燃料噴射弁11から噴射される燃圧は燃圧
センサ19からの検出出力を用いることができる。
【0033】燃料噴射弁11の駆動を制御するにあたっ
て、通常は、燃料噴射の終了時期(燃料噴射弁11の停
止時期)と燃料噴射弁11の駆動時間とを決めてこれに
基づいて燃料噴射の開始時期(燃料噴射弁11の始動時
期)を決めるが、エンジン始動直後の低燃圧時には、吸
気行程を中心とした燃料噴射による運転モード(低燃圧
運転モード)を選択し、且つ、燃料噴射弁11の駆動時
間(燃料噴射量)に基づいて、必要に応じて、排気行程末
期から燃料噴射を開始させ、さらに、必要に応じて、圧
縮行程初期までの燃料噴射の継続を許容するようになっ
ているのである。
【0034】特に、燃料噴射継続手段30cでは、圧縮
行程初期までの燃料噴射の継続は、所定の噴射許容期間
内に限定して許容するが、この噴射許容期間は、クラン
ク角センサ41で検出されたクランク角信号出力から所
定時間として設定される。ここでは、図2(a),
(b)に示すように、クランク角センサ41で検出され
るクランク角の吸気行程末期近傍の値としては185B
(圧縮上死点前185°)が出力されるので、図2
(c)に実線で示すように、185Bから所定時間(噴
射終了ディレー時間)Tだけ燃料噴射の継続を許容す
る。
【0035】さらに、この所定時間は、エンジン回転数
Neに応じてエンジン回転数Neが小さいほど長く設定
されるようになっている。つまり、圧縮行程初期までの
燃料噴射の継続を許容するのは、図3に示すように、筒
内圧は圧縮行程に入ったからといって急激には高まら
ず、圧縮行程初期(少なくとも筒内圧が燃圧Pfよりも
小さい時,筒内圧>燃圧Pf)は、筒内圧は低く燃料噴
射弁から噴出すべき燃料の逆流は生じないことが実験結
果からわかった。しかも、エンジン回転数Neが小さい
ほど燃料の逆流が生じない期間(クランク角対応)が長
いこともわかった。
【0036】そこで、本実施形態では、図4に示すよう
なマップを用いて、エンジン回転数Ne(rpm)に応
じて185Bからの燃料噴射継続許容時間(噴射終了デ
ィレー時間)Tを設定するようしている。ここでは、エ
ンジン回転数NeがNe1以下ならディレー時間はT
1に、Ne1よりも大きくNe2以下ならディレー時間は
2に、Ne2よりも大きくNe3以下ならディレー時間
はT3に、Ne3よりも大きいとディレー時間はT4に設
定されるようになっている(N1<N2<N3,T1>T2
>T3>T4)。
【0037】なお、燃料噴射の継続を許容する制限は、
本来時間ではなくクランク角対応の期間として与えるべ
きである。時間として設定する場合、時間をクランク角
対応の期間に対応させて設定することが必要になる。つ
まり、一定のクランク角対応の期間だけ燃料噴射の継続
を許容使用とする場合、エンジン回転数Neに応じて、
エンジン回転数Neが大きいほど燃料噴射継続許容時間
を短く、逆に、エンジン回転数Neが小さいほど燃料噴
射継続許容時間を長く、設定することが必要になる。図
4に示すマップは、このような点を考慮した上で、エン
ジン回転数Neが小さいほど燃料噴射継続許容期間(ク
ランク角対応の期間)が長くなるように設定されている
のである。
【0038】本発明の一実施形態としての内燃機関の燃
料噴射制御装置は、上述のように構成されているので、
例えば図5に示すように、低燃圧時の制御が行なわれ
る。つまり、まず、低燃圧モードが成立しているか否か
を判定する(ステップa1)。つまり、水温Twが予め設
定された所定値Tw0以下で、且つ、エンジン回転数N
eが予め設定された所定値Ne0以下である場合には、
低燃圧モードが成立しているとして、ステップa2へ進
み、低燃圧時の制御を行なう。
【0039】ステップa2では、まず、マップ(図4参
照)を用いて燃料噴射継続許容時間(噴射ディレー時
間)Tを設定する。そして、ステップa3へ進み、クラ
ンク角信号が185Bを過ぎても燃料噴射中であるか否
かを判定する。燃料噴射中であれば、ステップa4へ進
み、ステップa2で設定された噴射ディレー時間Tを過
ぎても燃料噴射中であるか否かを判定する。噴射ディレ
ー時間Tを過ぎたか否かは、クランク角信号が185B
に達した時点でタイマを起動して、このタイマ値が設定
された噴射ディレー時間Tに達したか否かで判定し得
る。
【0040】噴射ディレー時間Tを過ぎても燃料噴射中
であれば、ステップa5へ進み、燃料噴射を停止する。
このようにして、低燃圧モード時には、図4に示すよう
なマップを用いて、圧縮行程初期の噴射許容期間内に限
定して燃料噴射弁11からの燃料噴射の継続を許容する
ので、低燃圧時に、燃料噴射弁からの燃料の逆流を回避
しながら燃料供給量不足を抑制することができる。
【0041】すなわち、燃料噴射量(燃料供給量)が不
十分になることが極力回避され、エンジンの吹け上がり
が悪くなってフィーリングの悪化を招いたり、極低温時
(例えば0℃以下)に、始動不良を招くおそれを回避或
いは低減することができる。特に、排気量が大きいエン
ジンの場合、極低温時に限らず、筒内エアによるフリク
ションの影響も増大するので、上記のようなエンジンの
吹け上がりの悪化や始動不良を招くおそれが高まるが、
これらを回避或いは低減できるようになり効果的であ
る。
【0042】なお、本実施形態では、低温始動時には、
排気行程末期から燃料噴射を開始しており、このように
燃料噴射の開始時期を早めている点からも燃料供給量不
足を抑制することができ、エンジンの吹け上がりの悪化
や始動不良を招くおそれを回避するのに、一層効果的で
ある。また、本実施形態の場合、噴射許容期間をクラン
ク角センサで検出されたクランク角信号出力から所定時
間として設定しているので、クランク角センサが検出角
度の粗いものであっても噴射許容期間を適切に設定する
ことができる利点もある。
【0043】さらに、本実施形態の場合、エンジン回転
数に応じて上記の所定時間を設定しているので、内燃機
関の状態に応じて、燃料噴射弁からの燃料の逆流を回避
しながら供給燃料量の不足を確実に抑制することができ
る。上記の所定時間を設定は、エンジン回転数のみなら
ず、例えばエンジン冷却水の水温、或いはエンジン回転
数及び冷却水の水温に応じて行なっても良い。
【0044】なお、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装
置は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施すること
ができる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、燃圧の低
い運転時に、燃料噴射弁からの燃料の逆流を回避しなが
ら燃料供給量不足を抑制することができるようになる。
請求項2記載の本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置に
よれば、クランク角センサが検出角度の粗いものであっ
ても噴射許容期間を適切に設定することができ、コスト
低減を図ることができる利点もある。
【0046】請求項3記載の本発明の内燃機関の燃料噴
射制御装置によれば、内燃機関の状態に応じて、燃料噴
射弁からの燃料の逆流を回避しながら供給燃料量の不足
を確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の燃料供
給系を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の燃料噴
射制御を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の燃料噴
射制御を説明する筒内圧特性図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の燃料噴
射制御に用いるマップを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる内燃機関の燃料噴
射制御を示すフローチャートである。
【図6】従来の内燃機関の燃料噴射制御を示すタイムチ
ャートである。
【図7】従来の内燃機関の燃料噴射制御を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
30a 噴射行程選択手段(燃料噴射モード設定手段) 30b 噴射量設定手段 30c 燃料噴射継続手段 41 内燃機関状態検出手段としてのクランク角センサ 42 内燃機関状態検出手段としてのエンジン回転速度
センサ 43 内燃機関状態検出手段としてのスロットルポジシ
ョンセンサ 44 内燃機関状態検出手段としてのエアフローセンサ 45 内燃機関状態検出手段としての水温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野上 宏哉 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA13 BA15 CA01 DA00 EA07 EA11 EB00 EB11 FA00 FA10 FA20 FA38 3G301 HA01 HA04 HA15 JA00 KA02 LB04 MA12 MA19 MA22 NA08 NC02 ND01 NE22 NE23 PA01Z PA11Z PB08Z PE03Z PE04Z PE08Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒内に直接燃料を噴射可能な燃料噴射
    弁をそなえた内燃機関の燃料噴射制御装置において、 該内燃機関の状態を検出する内燃機関状態検出手段と、 上記内燃機関状態検出手段の出力に応じて吸気行程を主
    体として燃料噴射を行なう吸気行程噴射と圧縮行程を主
    体として燃料噴射を行なう圧縮行程噴射とを選択する噴
    射行程選択手段と、 上記内燃機関状態検出手段の出力に応じて燃料の噴射量
    を設定する噴射量設定手段と、 上記燃料噴射弁から噴射される燃料の圧力が低い状態で
    上記噴射行程選択手段により上記吸気行程噴射が選択さ
    れたときに、吸気行程内では上記噴射量設定手段により
    設定された噴射量だけの燃料を噴射不可能な場合には、
    圧縮行程初期の噴射許容期間内に限定して上記燃料噴射
    弁からの燃料噴射の継続を許容する燃料噴射継続手段と
    をそなえたことを特徴とする、内燃機関の燃料噴射制御
    装置。
  2. 【請求項2】 上記の噴射許容期間はクランク角センサ
    で検出されたクランク角信号出力から所定時間として設
    定されることを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の
    燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 上記の噴射許容期間は上記内燃機関状態
    検出手段の出力に応じて設定されることを特徴とする、
    請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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