JP3856263B2 - 筒内燃料噴射式エンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランク軸が縦方向に配設されたエンジンにおいて、高圧燃料を筒内に噴射する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
2サイクルエンジンにおいては、掃気ポートと排気ポートが同時に連通するタイミングがあるためHC等の未燃ガスが排気されやすく、また、低速、低負荷で残留ガスが多いため失火を起こし未燃ガスが排気されやすい。そこで、排気ポートが閉じた後、高圧燃料を筒内に直接噴射することにより燃料を霧化して燃焼を改善させると共に、低速、低負荷では新気を多く供給するようにして失火を防ぐことにより未燃ガスの排出を低減する方式が知られている。前述した高圧燃料を筒内に直接噴射しようとする場合、燃料供給系に高圧燃料ポンプを設けることが必要になる。従来、4サイクルエンジンにおいては、動弁機構のカムシャフトの回転を利用して高圧燃料ポンプを駆動させている。
【0003】
また、高圧燃料を筒内に噴射するエンジンにおいては、高圧燃料ポンプ、ポンプ駆動ユニット、高圧圧力調整弁、燃料噴射弁、燃料供給レールの内、少なくと複数の部品が連結された高圧燃料噴射ユニットをエンジンに搭載している。この場合、部品の固定箇所がエンジンの複数の部材(例えばシリンダボディとシリンダヘッド)にまたがる場合には、複数の部品が連結された高圧燃料噴射ユニット側の集積公差やエンジン側の集積公差を吸収する必要が生じる。従来、自動車では、集積公差吸収のために若干の変形に耐える金属パイプ配管を、高圧燃料配管の一部に使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2サイクルエンジンにおいては、4サイクルエンジンのように動弁機構のカムシャフトがなく、既存の部品を利用していかに高圧燃料ポンプを駆動させるかが課題となっている。また、自動車用の高圧燃料ポンプを採用するようにした場合、高圧燃料ポンプは、水平方向に配設されたクランク軸或はカムシャフトにより駆動され、そのため高圧燃料ポンプは、プランジャ軸が水平方向に配設されることを前提として、エア抜き、潤滑および駆動機構が設計されているので、これを船外機のようにクランク軸或はカムシャフトが縦方向に配置されたエンジンに適用する場合には、特別の対策、工夫が必要である。
【0005】
さらに、上記の金属パイプ配管を使用すると、組立時、高圧燃料噴射ユニット全体の剛性が確保できないため、組み付け性が悪かったり、フレキシブル配管や金属パイプ配管に過度のストレスが加わり耐久性が低下するという問題を有している。特に、振動の大きい船外機においては、この問題を解決することが重要な課題となっている。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであって、高圧燃料噴射ユニットを一体化してその剛性を高めるとともに、ユニットのエンジンへの組み付けに際して集積公差を吸収可能にして組立性を向上させることができる筒内燃料噴射式エンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、クランク軸(10)を縦方向に配設し、複数の気筒(7a〜7f)をVバンクをなすように2列に配設した船外機(1)用の筒内燃料噴射式V型エンジン(2)であって、シリンダボディ(7)に固定されたポンプ駆動ユニット(40)、高圧燃料ポンプ(32)及び高圧圧力調整弁(35)と、シリンダヘッド(8)に固定され、前記高圧燃料ポンプ(32)及び高圧圧力調整弁(35)に連結された燃料供給レール(33)と、前記燃料供給レール(33)は、各列のシリンダヘッド(8)に固定された垂直レール(33b)と、該垂直レール(33b)の上端に接続された水平レール(33a)とからなり、前記燃料供給レール(33)に固定されると共にシリンダヘッド(8)の軸穴(81)に挿入される燃料噴射弁(13)とを備え、前記高圧燃料ポンプ(32)又は高圧圧力調整弁(35)と燃料供給レール(33)の水平レール(33a)がコネクタ(70)で接続され、該コネクタ(70)の接続部はOリング(69)でシールされ、前記高圧燃料ポンプ(32)をポンプ駆動ユニット(40)に取り付けるボルト(61)とボルト穴との間に遊びを設け、前記燃料噴射弁(13)とシリンダヘッド軸穴(81)間に遊びを設けたことを特徴とし、請求項2記載の発明は、請求項1において、前記燃料噴射弁(13)のシリンダヘッド軸穴(81)の先端に弾性金属シール材(80)を配設したことを特徴とし、請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、前記燃料供給レール(33)をシリンダヘッド(8)に固定するボルト(66)位置を燃料噴射弁(13)に近接させたことを特徴とし、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記シリンダボディ(7)に、シリンダボディ(7)からVバンクの間に延びる取付用ステー(53)を固定し、該取付用ステー(53)及びシリンダボディ(7)にポンプ駆動ユニット(40)をボルト(54、55、56)により固定したことを特徴とし、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記高圧燃料ポンプ(32)には、燃料出口管(60a)、燃料入口管(60b)及びオーバーフロー管(60c)を一体化した燃料給排ユニット(60)が連結されていることを特徴とし、請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記エンジン(2)が2サイクルエンジンであり、前記ポンプ駆動ユニット(40)はクランク軸(10)により駆動されることを特徴とし、請求項7記載の発明は、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記エンジン(2)が4サイクルエンジンであり、前記ポンプ駆動ユニット(40)はクランク軸(10)により駆動されることを特徴とする。なお、上記構成に付加した番号は、本発明の理解を容易にするために図面と対比させるもので、これにより本発明が何ら限定されるものではない。
以上
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の筒内燃料噴射式エンジンの1実施形態を示す船外機の模式図であり、図(A)はエンジンの平面図、図(B)は図(A)のB−B線に沿う縦断面図、図(C)は船外機の側面図、図(D)は燃料供給系の構成図である。
【0009】
図1において、1は船外機であり、クランク軸10が縦置状態で搭載されるエンジン2と、エンジン2の下端面に接続されエンジン2を支持するガイドエキゾースト部3と、ガイドエキゾースト部3の下端面に接続されるアッパケース4、ロアケース5及びプロペラ6からなる。上記エンジン2は、筒内噴射式V型6気筒2サイクルエンジンであり、6つの気筒7a〜7fが平面視でVバンクをなすように横置き状態で且つ縦方向に2列に配設されたシリンダボディ7に、シリンダヘッド8が連結、固定されている。
【0010】
上記気筒7a〜7f内には、ピストン11が摺動自在に嵌合配置され、各ピストン11はクランク軸10に連結されている。シリンダヘッド8には、磁力で開閉作動されるソレノイド開閉式の燃料噴射弁13及び点火プラグ14が挿入配置されている。気筒7a〜7fは、それぞれ掃気ポート(図示せず)によりクランク室12に連通され、また、気筒7a〜7fには排気ポート15が接続されている。図1(B)の左バンクの排気ポート15は左集合排気通路16に、右バンクの排気ポート15は右集合排気通路17に合流されている。エンジン2のクランク室12には、吸気マニホールドから分岐する吸気通路19が接続されており、該吸気通路19のクランク室12への接続部には、逆流防止用のリード弁20が配設され、また、リード弁20の上流側には、エンジン内にオイルを供給するためのオイルポンプ21と、吸気量を調節するためのスロットル弁22が配設されている。
【0011】
図1(D)に示すように、船体側に設置されている燃料タンク23内の燃料は、手動式の第1の低圧燃料ポンプ25によりフィルタ26を経て船外機側の第2の低圧燃料ポンプ27に送られる。この第2の低圧燃料ポンプ27は、エンジン2のクランク室12のパルス圧により駆動されるダイヤフラム式ポンプであり、燃料を気液分離装置であるベーパーセパレータタンク29に送る。ベーパーセパレータタンク29内には、電動モータにより駆動される燃料予圧ポンプ30が配設されており、燃料を加圧し予圧配管31を経て高圧燃料ポンプ32に送る。高圧燃料ポンプ32の吐出側は、各気筒7a〜7fに沿って縦方向に配設された燃料供給レール33に接続されるとともに、高圧圧力調整弁35および燃料冷却器36、戻り配管37を介してベーパーセパレータタンク29に接続されている。また、予圧配管31とベーパーセパレータタンク29間には予圧圧力調整弁39が設けられている。
【0012】
高圧燃料ポンプ32は、ポンプ駆動ユニット40により駆動される。このポンプ駆動ユニット40はベルト41を介してクランク軸10に連結されている。ベーパーセパレータタンク29内の燃料は、燃料予圧ポンプ30により例えば3〜10kg/cm2程度に予圧され、加圧された燃料は、高圧燃料ポンプ32により50〜100kg/cm2程度若しくはそれ以上に加圧され、加圧された高圧燃料は、圧力調整弁35にて設定圧を越える余剰燃料がベーパーセパレータタンク29に戻され、必要な高圧燃料分のみを燃料供給レール33に供給し、各気筒7a〜7fに装着した燃料噴射弁13に供給するようにしている。
【0013】
ECU(電子制御装置)42には、エンジン2の駆動状態、船外機1や船の状態を示す各種センサからの検出信号が入力される。例えば、クランク軸10の回転角(回転数)を検出するエンジン回転数センサ43、吸気通路19内の温度を検出する吸気温センサ44、スロットル弁22の開度を検出するスロットル開度センサ45、最上段の気筒7d内の空燃比を検出するに空燃比センサ46、高圧燃料配管内の圧力を検出する燃料圧力センサ47、エンジンの冷却水温度を検出する冷却水温センサ48等が設けられている。ECU42は、これら各センサの検出信号を制御マップに基づき演算処理し、制御信号を燃料噴射弁13、点火プラグ14、オイルポンプ21、予圧燃料ポンプ30に伝送する。
【0014】
図2は、図1のエンジン2の平面図である。なお、図1と同一の構成には同一番号を付けて説明を省略する。クランク軸10には駆動プーリ50が設けられ、また、ポンプ駆動ユニット40の回動軸51には被駆動プーリ52が設けられ、駆動プーリ50と被駆動プーリ52にはベルト41が張設されている。これによりクランク軸10の回転がベルト41を介して回動軸51に伝達され、高圧燃料ポンプ32を駆動するようにしている。
【0015】
シリンダボディ7には取付用ステー53が固定され、ポンプ駆動ユニット40は、取付用ステー53及びシリンダボディ7に3本のボルト54、55、56により取り付けられている。また、燃料供給レール33は、水平レール33aと水平レール33aの両側に接続された垂直レール33bを有し、垂直レール33bに燃料噴射弁13が装着されている。また、高圧燃料ポンプ32は燃料給排ユニット60を有し、燃料出口管60aが燃料供給レール33の水平レール33aに接続されている。なお、図中、1aはエンジン2を覆うカウリング、57はスタータモータ、58はテンションプーリ、59はサイレンサである。
【0016】
図3は、図2のY方向から見た一部断面図である。図3には、図2で説明したように、ポンプ駆動ユニット40が取付用ステー53を介してボルト54により取り付けられている状態が示されている。ポンプ駆動ユニット40の回転軸51にはカム40aが固定され、カム40aが高圧燃料ポンプ32のプランジャ32aを押圧することにより高圧燃料を発生するように構成されている。
【0017】
高圧燃料ポンプ32は4本のボルト61によりポンプ駆動ユニット40に取り付けられている。このボルト結合は、ポンプ駆動ユニット40側のボルト穴をボルト61の径より若干大きくして遊びを設け、高圧燃料ポンプ32とポンプ駆動ユニット40の取付時において両者の間に若干の遊動を可能にしている。
【0018】
エンジン2は複数の気筒7a〜7fをVバンクをなすように2列に配設しており、燃料供給レール33は、各列のシリンダヘッド8に固定された垂直レール33bと、垂直レール33bの上端に接続された水平レール33aとからなり、水平レール33aと垂直レール33bは、ボルト62により連結されている。水平レール33a及び垂直レール33bの内部には燃料通路63が形成され、両者の接続部にはOリング64でシールされたコネクタ65が配設されている。2本の垂直レール33bは、それぞれボルト66によりシリンダヘッド8に固定され、また、燃料噴射弁13はボルト67により垂直レール33bに固定されている。このボルト67の位置は燃料噴射弁13に近接させるようにしている。
【0019】
燃料給排ユニット60は、燃料出口管60a、燃料入口管60b、オーバーフロー管60cを一体化したハウジングを構成しており、燃料出口管60aは、Oリング69でシールされたコネクタ70により水平レール33aの燃料通路63に接続されている。なお、オーバーフロー管60cはベーパーセパレータタンク29に接続されている。また、高圧圧力調整弁35は、ボルト68(図4)によりポンプ駆動ユニット40に固定され、Oリング71でシールされたコネクタ72により水平レール33aの燃料通路63に接続されている。
【0020】
図4は、図3のX方向から見た一部断面図、図5(A)は図4のA−A線に沿って矢印方向に見た断面図、図5(B)は図4のB−B線に沿って矢印方向に見た断面図である。図4には、前述した取付用ステー53によるポンプ駆動ユニット40の取付構造と、燃料供給レール33及び燃料噴射弁13の取付構造の詳細が示されている。取付用ステー53は、シリンダボディ7に形成された2つのボス73にボルト74により固定されている。ポンプ駆動ユニット40は、取付用ステー53にボルト54、55により取り付けられ、さらに、ボルト56によりシリンダボディ7のボス82(図6)に固定され、ポンプ駆動ユニット40及び高圧燃料ポンプ32はシリンダボディ7に3点支持で固定されることになる。このように取付用ステー53を用いることにより、ポンプ駆動ユニット40及び高圧燃料ポンプ32をシリンダボディ7のVバンク間にオーバーハングするように装着することが可能となる。
【0021】
燃料供給レール33の垂直レール33bは、ボルト66によりシリンダヘッド8に形成されたボス75に固定され、また、燃料噴射弁13に形成されたフランジ13aと垂直レール33b間には馬蹄形のスペーサ76が配設され、このスペーサ76と垂直レール33bをボルト67により固定することにより、燃料噴射弁13を垂直レール33bに固定している。燃料噴射弁13の燃料通路63側にはOリング78が配設され、また、シリンダヘッド8の軸穴81の燃焼室79側には、皿バネからなる弾性金属シール材80が配設されている。シリンダヘッド8の軸穴81は、燃料噴射弁13の外径より若干大きくされ、燃料噴射弁13の取付時において両者の間に若干の遊動を可能にしている。
【0022】
図6は、図2〜図5の分解組立斜視図を示し、ポンプ駆動ユニット40、高圧燃料ポンプ32、高圧圧力調整弁35、燃料供給レール33及び燃料噴射弁13は、本発明に係わる高圧燃料噴射ユニット90を示している。この高圧燃料噴射ユニット90のエンジン2への取付方法を図2〜図6を参照しつつ説明する。
【0023】
先ず、シリンダボディ7にボルト74により取付用ステー53を固定しておく。次に、燃料供給レール33の水平レール33aと垂直レール33bを連結し、垂直レール33bに燃料噴射弁13を装着し、さらに、ポンプ駆動ユニット40、高圧燃料ポンプ32、34及び高圧圧力調整弁35を装着し、燃料給排ユニット60の燃料出口管60aと高圧圧力調整弁35をそれぞれコネクタ70、72により水平レール33aに接続する。このようにして高圧燃料噴射ユニット90を組み立てた後、燃料噴射弁13をシリンダヘッド8の軸穴81に挿入し、垂直レール33bをボルト67によりシリンダヘッド8に仮止めした後、ポンプ駆動ユニット40をシリンダボディ7及び取付用ステー53上に載せてボルト54、55、56によりシリンダボディ7に仮止めする。
【0024】
そして、ポンプ駆動ユニット40と高圧燃料ポンプ32、34のボルト61とボルト穴間の遊びと、燃料噴射弁13とシリンダヘッド8の軸穴81間の遊びにより、高圧燃料噴射ユニットの各部材の公差を調整しながらボルト61、67を本締めする。このときボルト67の本締めによりノズル13bの外周に配設された弾性金属シール材80が押圧収縮され、これにより燃料噴射弁13を燃焼圧力に対抗させると共に燃焼ガスが軸穴81から漏洩するのを防止している。
【0025】
図7は、本発明の他の実施形態を示し、4サイクルエンジンに適用した船外機の平面図である。本実施形態においても、ポンプ駆動ユニット40がエンジン2の中央部に配置され、ポンプ駆動ユニット40の両側に高圧燃料ポンプ32、34が配置されている。図中、7はシリンダボディ、8はシリンダヘッド、10はクランク軸、13は燃料噴射弁、19は吸気管、29はベーパーセパレータタンク、33は燃料供給レール、98は吸気弁、99はカムシャフトである。
【0026】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、船外機に適用した例について説明しているが、船体側にエンジンを設置するマリン用エンジンや、あるいは芝刈り機等の移動式エンジンや定置式エンジンにも適用可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1、2記載の発明によれば、高圧燃料噴射ユニットを一体化してその剛性を高めるとともに、ユニットのエンジンへの組み付けに際して集積公差を吸収可能にして組立性を向上させることができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、高圧燃料ポンプ及び高圧圧力調整弁と燃料供給レールの接続を簡単に行うことができるとともに、従来のフレキシブル配管や金属パイプ配管の強度的問題を解消することができ、特に振動の大きい船外機等では有効であり、
請求項4記載の発明によれば、複数の気筒をVバンクをなすように2列に配設したエンジンに簡単な構成で燃料を供給することができ、
請求項5記載の発明によれば、燃料噴射弁を燃焼圧力に対抗させるとともに燃焼ガスが軸穴から漏洩するのを防止することができ、
請求項6記載の発明によれば、燃料供給レールをシリンダヘッドに強固に固定することができ、
請求項7記載の発明によれば、重量物である高圧燃料ポンプ、ポンプ駆動ユニット及び高圧圧力調整弁を、エンジンVバンクの間にコンパクトに納めることができるとともに、重量バランスを最適にすることができる。
【0029】
請求項8記載の発明によれば、配管構成を簡略化するとともにコストを低減させることができ、
請求項9記載の発明によれば、カムシャフトのない2サイクルエンジンに有効に適用させることができる。
【0030】
請求項10記載の発明によれば、4サイクルエンジンにも有効に適用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒内燃料噴射式エンジンの1実施形態を示す船外機の模式図であり、図(A)はエンジンの平面図、図(B)は図(A)のB−B線に沿う縦断面図、図(C)は船外機の側面図、図(D)は燃料供給系の構成図である。
【図2】図1のエンジンの平面図である。
【図3】図2のY方向から見た一部断面図である。
【図4】図3のX方向から見た一部断面図である。
【図5】図5(A)は図4のA−A線に沿って矢印方向に見た断面図、図5(B)は図4のB−B線に沿って矢印方向に見た断面図である。
【図6】図2〜図4の分解組立斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示し、4サイクルエンジンに適用した船外機の平面図である。
【符号の説明】
7…シリンダボディ
8…シリンダヘッド
10…クランク軸
13…燃料噴射弁
32…高圧燃料ポンプ
40…ポンプ駆動ユニット
35…高圧圧力調整弁
33…燃料供給レール
54、55、56、61、66、67、74…ボルト
60…燃料給排ユニット
80…弾性金属シール材
81…シリンダヘッド軸穴
Claims (7)
- クランク軸(10)を縦方向に配設し、複数の気筒(7a〜7f)をVバンクをなすように2列に配設した船外機(1)用の筒内燃料噴射式V型エンジン(2)であって、シリンダボディ(7)に固定されたポンプ駆動ユニット(40)、高圧燃料ポンプ(32)及び高圧圧力調整弁(35)と、シリンダヘッド(8)に固定され、前記高圧燃料ポンプ(32)及び高圧圧力調整弁(35)に連結された燃料供給レール(33)と、前記燃料供給レール(33)は、各列のシリンダヘッド(8)に固定された垂直レール(33b)と、該垂直レール(33b)の上端に接続された水平レール(33a)とからなり、前記燃料供給レール(33)に固定されると共にシリンダヘッド(8)の軸穴(81)に挿入される燃料噴射弁(13)とを備え、前記高圧燃料ポンプ(32)又は高圧圧力調整弁(35)と燃料供給レール(33)の水平レール(33a)がコネクタ(70)で接続され、該コネクタ(70)の接続部はOリング(69)でシールされ、前記高圧燃料ポンプ(32)をポンプ駆動ユニット(40)に取り付けるボルト(61)とボルト穴との間に遊びを設け、前記燃料噴射弁(13)とシリンダヘッド軸穴(81)間に遊びを設けたことを特徴とする筒内燃料噴射式エンジン。
- 前記燃料噴射弁(13)のシリンダヘッド軸穴(81)の先端に弾性金属シール材(80)を配設したことを特徴とする請求項1に記載の筒内燃料噴射式エンジン。
- 前記燃料供給レール(33)をシリンダヘッド(8)に固定するボルト(66)位置を燃料噴射弁(13)に近接させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の筒内燃料噴射式エンジン。
- 前記シリンダボディ(7)に、シリンダボディ(7)からVバンクの間に延びる取付用ステー(53)を固定し、該取付用ステー(53)及びシリンダボディ(7)にポンプ駆動ユニット(40)をボルト(54、55、56)により固定したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の筒内燃料噴射式エンジン。
- 前記高圧燃料ポンプ(32)には、燃料出口管(60a)、燃料入口管(60b)及びオーバーフロー管(60c)を一体化した燃料給排ユニット(60)が連結されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の筒内燃料噴射式エンジン。
- 前記エンジン(2)が2サイクルエンジンであり、前記ポンプ駆動ユニット(40)はクランク軸(10)により駆動されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の筒内燃料噴射式エンジン。
- 前記エンジン(2)が4サイクルエンジンであり、前記ポンプ駆動ユニット(40)はクランク軸(10)により駆動されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の筒内燃料噴射式エンジン。
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