JP3564450B2 - 窯業系成形体の省エネルギー製造方法及び成形体 - Google Patents

窯業系成形体の省エネルギー製造方法及び成形体 Download PDF

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    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築内装材、建築外装材、瓦、縁石、舗装板等として採用され、不燃性にして実用的な機械的強度及び寸法安定性を有する窯業系成形体およびその省エネルギー製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、窯業系成形体は不燃性であり、しかも腐食や虫害の恐れがなく、耐久性に優れていることから、建築内装材、建築外装材、瓦等として多く採用されている。この窯業系成形体の製造は、珪酸質原料、石灰質原料、補強繊維、セメント、スラグおよび石膏等を主原料とし、水を添加、混合して、成形後、水熱養生または常圧養生を行い、機械的強度および寸法安定性を発現していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、建築用仕上げ材の場合、表面硬度や曲げ強度等の強度発現、および温湿度の環境変化に対する寸法安定性を有する物性を付与するには、セメントを混入し水和硬化させる方法が多く採用されている。前記の製造法において、常圧養生では熱エネルギー的には有利であるが、数日間の養生期間が必要であり、広大な敷地面積を必要とする問題点がある。また、水熱養生では、珪酸カルシウムをマトリックスとする場合、160〜180℃の温度条件下で、数時間から十数時間をかけて処理することにより製造され、熱エネルギーを多量に消費し、また、高圧力に耐える設備費を要し、また運転費も高価となる。
【0004】
さらに、板状成形体を水熱養生する場合、大型バッチ式オートクレーブを用いるため、その反応手段が昇温と降温とを繰り返す操作であることから、温度条件が高いほどエネルギーロスが高いという問題点があった。これらの問題点は、瓦、縁石、舗装板の場合についても同様である。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、また、窯業系成形体の新規な硬化反応を見出したものであるとともに、従来、製造されている窯業系成形体に較べると、省エネルギー製造法を示すものである。
【0006】
本発明の水熱養生の場合、養生の条件が従来のものよりはるかに低温、且つ、短時間に不燃性にして実用的な機械的強度と寸法安定性を有する窯業系成形体およびその効率的な製造方法を提供することにある。
また、常圧下、水蒸気雰囲気中で養生させるだけで、不燃性を有する窯業系成形体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、珪酸質原料、石灰質原料、補強繊維を入れた混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて混合原料を混練した混合原料を加圧して原料成形体とし、前乾燥、養生、後乾燥の各工程を経ることを特徴とする窯業系成形体の製造方法を要旨としている。図1に示したフローに従い、珪酸質原料、石灰質原料と補強繊維を混合した混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて混練した混合原料ゲルを加圧成形し、得られた原料成形体を低温で前乾燥し、得られた半硬化体を養生した後、後乾燥して窯業系成形体を製造している。
【0008】
上記の混合原料は、水酸化ナトリウムを、珪酸質原料と石灰質原料との混合物固形分100重量部に対し、固形分4重量部以下含有するものである。また、補強繊維を総原料混合物固形分100重量部に対し、固形分5重量部含有するものである。
【0009】
原料の混合は、珪酸質原料、石灰質原料、補強繊維、水、および水酸化ナトリウムを、撹拌することによって原料ゲルとする。この原料ゲルの水分率は、次工程の成形方法にもよるが、25〜60%が好ましい。
【0010】
上記の混合原料ゲルを加圧して原料成形体とし、この原料成形体を60℃以下、6時間以内の条件で、前乾燥処理を行い半硬化体とした後、110℃以下の加圧水熱条件下、2時間以内養生することを特徴としている。
また、前記、半硬化体を大気圧100℃以下の水蒸気雰囲気中、6時間以内の条件で養生させることを特徴としている。
本発明で採用した水酸化ナトリウムは珪酸質原料と石灰質原料との反応を促進する効果があり、低温短時間で養生反応を実現している。また、養生後、乾燥した成形体は、実用的な機械的強度と寸法安定性を有している。
【0011】
また、本発明は、上記のいずれかの製造方法により製造した窯業系成形体を要旨としている。
【0012】
【発明の実施形態】
本発明における珪酸質原料とは、珪酸(SiO2)が含まれている原料を言う。例えば珪石、珪砂、珪藻土、白土等の鉱物微粉末、フライアッシュ、シリカヒューム等のダストを用いることができる。
石灰質原料としては、例えば、生石灰、生石灰の乾式消化で得られる粉末状の消石灰や多量の水で生石灰を湿式消化して得られるスラリー状の消石灰(石灰乳)等を使用することができる。
【0013】
本発明では、養生温度の低温化を実現したことから、従来法では用いることができなかった高温域において熱分解する有機系繊維を採用することができる。
有機系補強繊維としては、セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維等を採用することができる。無機系補強繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維を採用することができる。不燃性を高めることを考慮すると無機系補強繊維の採用が好ましい。
【0014】
また、本発明ではバインダーとして、水ガラス系バインダー及び高分子系バインダーとしてスチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、スチレンアクリル共重合体等を適宜添加してもよい。また、混和材として、セメント、石膏等の常温硬化材や、木片、ガラス廃材のビーズを適宜添加してもよい。本発明では養生工程での温度条件が低温化されることから、従来、熱分解されるため、使用が制限されていた各種有機系物質を幅広く採用できることも特徴である。
【0015】
ここで、珪酸質原料と石灰質原料との混合物に水酸化ナトリウムを添加したことにより、養生工程での硬化が促進し、機械的強度が向上するとともに、乾燥工程における変形がなく、寸法安定性の優れた高強度成形体が得られる。また、コスト面から考えて、水酸化ナトリウム添加量は4重量部以下が望ましい。
【0016】
前乾燥処理の温度条件や乾燥時間は、原料成形体の原料組成及び原料成形体の水分率により変動する。すなわち、過度の前乾燥は、原料成形体養生時において必要な水の移動を減少させることから、養生工程における硬化進行を遅らせることになる。また、前乾燥が不十分であると、半硬化が不十分のため、養生後の成形体強度が発現しない。さらに、半硬化した成形体の表面と内部との乾燥度合いが極端に異なると、反りが発生するので、高温、短時間の前乾燥は適さない。
【0017】
前乾燥処理により得られた半硬化体は次の養生工程で硬化が促進する。養生は水熱条件下では、110℃以下、2時間以内の条件で硬化する。これは従来の養生法に比べ著しく低温化、短時間化が実現できた。この条件より高温で長時間養生することにより、さらに物性を向上させることも可能であるが、実用的強度は前記の条件で十分実現されている。前記の半硬化体を大気圧、100℃以下の水蒸気雰囲気中、6時間以内で養生させることによって、実用的機械強度および寸法安定性を有する窯業系成形体が得ることができる。
【0018】
本発明の成形方法としては、脱水成形、押出成形を用いる。窯業系成形体の成形方法としては、抄造成形もあるが、多量の水を用い、スラリーをろ過するため、水酸化ナトリウムの定着を考慮すると、不適切である。脱水成形においても水を加えすぎてスラリーにすると、抄造成形同様に水酸化ナトリウムの定着低下の恐れがある。したがって、混合原料は、ゲル状等の流動性を帯びた混練物を作り、脱水成形、押出成形を行うことが好ましい。
【0019】
また、押出成形は各原料の比重差による不均一が少ない成形方法であるので、平板はもとより、回り縁、見切り縁、窓枠等建築部材といった意匠性に富む建築部材の成形が可能である。特に、意匠性に富む凹凸模様を施す場合、押出成形が有効である。押出成形の場合、増粘剤として、セルロース系誘電体、例えばメチルセルロース等を使用すればよい。このように糖鎖を基本とする有機化合物の添加は、強度発現に寄与することからも有効である。
【0020】
本発明窯業系成形体の製造方法の好ましい態様は、珪酸質原料と石灰質原料及び補強繊維を混合した混合物に、珪酸質原料と石灰質原料との混合固形分100重量部に対して、固形分4重量部以下の水酸化ナトリウム水溶液を加えて混練する。この混合原料を加圧して原料成形体とし、この原料成形体を60℃以下、6時間以内前乾燥処理を行い、半硬化体をとした後、110℃以下の水熱条件下で2時間以内の養生後させることを特徴とする窯業系成形体の製造法である。また、前記、半硬化体を大気圧100℃以下の水蒸気雰囲気中で、6時間以内の養生後させることを特徴とする。本発明で採用した水酸化ナトリウムは珪酸質原料と石灰質原料との反応を促進する効果があり、低温短時間で養生反応を実現している。また、養生工程を経て乾燥した成形体は、実用的な機械的強度と寸法安定性を有している。
【0021】
以下、本発明に係る窯業系成形体の製造方法について説明する。
<第1実施形態>
まず、珪酸質原料、石灰質原料、補強繊維を所定の割合で撹拌混合して粉体原料とする。この際、補強繊維の種類にもよるが、繊維の分散を確認してから次工程へ進む。
上記粉体原料に、所定の水酸化ナトリウムおよび水を添加し、水分率を25〜60%と調整した後、撹拌を行い、ゲル状の混練物を得る。ここで、水酸化ナトリウムは、珪酸質原料と石灰質原料との混合物固形分100重量部に対して、固形分4重量部以下とする。前記原料ゲルを型枠に投入し、加圧して脱水成形し、原料成形体を得る。この原料成形体を60℃以下で、6時間以内、乾燥を行って(前乾燥)半硬化体とする。これを110℃以下の水熱条件下で、2時間以内の養生した後、乾燥して窯業系成形体を得る。
【0022】
上述のような第1実施形態によれば、次の効果がある。
(1)従来の水熱養生法に比べ、温度の低温化、時間の短縮化を可能としたことから、省エネルギーを実現し、エネルギーコストを低減させることができる。
(2)養生温度の低温化により、熱分解の恐れがなく、添加できる有機物の種類が幅広くなる。
(3)養生サイクルが短縮されることから、水熱反応器であるオートクレーブの基数が少なくても大量生産が可能となる。
(4)養生温度の低温化により、オートクレーブの耐圧性能を下げることができ、壁面の肉厚低減により、設備費を安価にすることができる。
【0023】
<第2実施形態>
前記第1実施形態で得られた半硬化体を100℃以下の水蒸気雰囲気中で、6時間以内の養生後、乾燥して窯業系成形体を得る。本窯業系成形体は、第1実施形態で製造した窯業系成形体の機械的強度には劣るものの、実用的機械強度および寸法安定性を有している。
上述のような第2実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)、(2)と同様の効果が得られる他、次のような効果も得られる。
(5)オートクレーブが不要であるため、設備費の削減、圧力容器の管理作業が不要となる。
(6)常圧養生であるため、開放系連続製造が可能となり、生産性が向上できる。
【0024】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前記第1実施形態では、水熱処理養生条件が110℃以下、2時間以内であるが、従来の水熱養生条件より省エネルギーである110℃、3時間でもよい。
また、原料成形体製造に脱水成形を用いていたが、これに限らず、押出成形等のその他の成形法により成形することも可能である。
【0025】
【作用】
本発明は、セメントを混入し水和硬化させる方法、水熱養生を用いる方法、板状成形体を水熱養生する場合、その他瓦、縁石、舗装板の場合における上記従来法の問題点を解決するためになされたものであり、また、窯業系成形体の新規な硬化反応を見出したものであるとともに、従来、製造されている窯業系成形体に較べると、省エネルギー製造法を示すものである。
【0026】
本発明の水熱養生の場合、養生の条件が従来のものよりはるかに低温で、しかも短時間にて、不燃性の実用的な機械的強度と寸法安定性を有する窯業系成形体およびその効率的な製造方法を提供するものである。
また、常圧下、水蒸気雰囲気中で養生させるだけで、不燃性を有する窯業系成形体の製造方法を提供することにある。常圧下、水蒸気雰囲気中で製造した窯業系成形体は、前記の水熱養生で製造した成形体の機械的強度には劣るものの、実用的機械強度および寸法安定性を有する窯業系成形体である。さらに常圧下での養生であるため、水熱養生が密閉系バッチ生産を行うのに対し、開放系連続生産が可能で生産性を向上させることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本願発明をより具体的に説明する。本願発明はこれらの実施例並びに比較例によって何ら限定される物ではない。
【0028】
表1には、実施例および比較例で使用した窯業系成形体の原料配合割合、前乾燥および養生条件を示している。
なお、珪酸質原料としては、本発明を理解するために水熱条件下での反応に主に用いられる結晶質珪酸の珪石粉末を用いた。この珪石粉末はSiO2含有量97.1%である。他の原料としては、消石灰はCaO含有量72.6%を採用し、混和材は、パーライト(真珠岩JIS SO.15−0.6)を採用した。繊維にはARG(耐アルカリ性ガラス繊維)を採用した。
原料撹拌に用いたモルタルミキサーの撹拌条件は50rpmとした。
【0029】
【表1】
Figure 0003564450
【0030】
実施例1
珪石71.1重量部、消石灰12.6重量部、混和材8.0重量部、繊維5.0重量部をモルタルミキサーによって、10分間撹拌した。次に水酸化ナトリウム3.3重量部を添加し、さらに水分率が40%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間撹拌を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを250mm×250mmの型枠に投入し、0.5MPaで加圧して厚さ12mmの原料成形体を得た。
さらに、原料成形体は、乾燥機にて60℃の温度下、6時間乾燥させて、半硬化体を得た。
得られた半硬化体をオートクレーブにて、110℃の温度下、2時間水熱養生した後、120℃で12時間乾燥させて窯業系成形体を得た。
得られた窯業系成形体の外観には異常がなかった。
【0031】
実施例2
前記実施例1で得られた半硬化体をオートクレーブにて、開放状態とし、100℃の温度下、6時間蒸気養生した後、120℃で12時間乾燥させて窯業系成形体を得た。
得られた窯業系成形体の外観には異常がなかった。
【0032】
実施例3
前記実施例1で得られた原料成形体を乾燥機にて、30℃の温度下、3時間乾燥させて、半硬化体を得た。
得られた半硬化体を実施例2と同様の方法で、蒸気養生、乾燥を行い、窯業系成形体を得た。
得られた窯業系成形体の外観には異常がなかった。
【0033】
実施例4
珪石73.6重量部、消石灰13.0重量部、混和材8.0重量部、繊維5.0重量部をモルタルミキサーによって、10分間撹拌した。次に水酸化ナトリウム0.4重量部を添加し、さらに水分率が40%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間撹拌を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを、前記実施例1と同様の方法で原料成形体を得た。この原料成形体を実施例3と同様の方法で、前乾燥にて半硬化体を得た後、蒸気養生を行い、乾燥して、窯業系成形体を得た。
得られた窯業系成形体の外観には異常がなかった。
【0034】
比較例1
石74.0重量部、消石灰13.0重量部、混和材8.0重量部、繊維5.0重量部をモルタルミキサーによって、10分間撹拌した。次に水分率が40%になるように水を添加し、モルタルミキサーによって、5分間撹拌した。
得られた原料ゲルを実施例1と同様に加圧成形を行い原料成形体を得た後、前乾燥は行わずに、実施例1と同様の方法で水熱養生を行った。得られた養生成形体は、硬化されていなかった。
【0035】
比較例2
前記実施例1で得られた原料成形体を比較例1と同様の方法で、前乾燥を行わず、水熱養生を行った。得られた成形体は硬化していなかった。
【0036】
比較例3
珪石70.4重量部、消石灰12.4重量部、混和材8.0重量部、繊維5.0重量部をモルタルミキサーによって、10分間撹拌した。次に水酸化ナトリウム4.2重量部を添加し、さらに水分率が40%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間撹拌を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを、前記実施例1と同様の方法で原料成形体を得た。この原料成形体を実施例1と同様の方法で、前乾燥にて半硬化体を得た後、水熱養生を行い、乾燥して、窯業系成形体を得た。
得られた窯業系成形体の外観には異常がなかった。
【0037】
比較例4
通常のセメント系窯業成形体の配合例として、珪石45.0重量部、混和材20.0重量部、セメント30.0重量部、繊維5.0重量部をモルタルミキサーによって、10分間撹拌した。次に水分率が40%になるように水を添加し、モルタルミキサーによって、5分間撹拌した。
得られた原料ゲルを実施例1と同様に加圧成形を行い原料成形体を得た後、160℃の温度下、10時間養生した後、120℃で12時間乾燥させて窯業系成形体を得た。
得られた窯業系成形体の外観には異常がなかった。
【0038】
上記各実施例1〜4および比較例3、4で得られた窯業系成形体について、かさ比重、曲げ強度、ブリネル硬度、吸水率、吸水長さ変化率を測定した。得られた物性値より比強度を算出した。また、切断加工性を評価した。
【0039】
【表2】
Figure 0003564450
【0040】
前記かさ比重、吸水率、および吸水長さ変化率の測定は、JIS A5430に準拠した方法により測定した。
前記曲げ強度の測定は、JIS A1408に準拠した方法により測定した。
前記比強度は、曲げ強度/(かさ比重)2により算出した。
前記ブリネル硬度の測定は、JIS Z2243に準拠した方法により測定した。
切断加工性の評価は、鋸切断による直線性を目視観察するとともに切断面の硬化度合いを触感により評価した。
【0041】
表2に示されるように、実施例1〜4で得られた窯業系成形体はいずれも実用するにあたって十分な強度を有していることがわかる。また、吸水長さ変化率も低く、吸水に対する十分な寸法安定性を有していることが確認された。
前乾燥の条件において、30℃×3時間より、60℃×6時間の方が成形体諸物性を向上させており、半硬化の工程が重要なことがわかる。
さらに、蒸気養生より水熱養生の方が、強度発現されている。しかしながら、開放系の蒸気養生でも実用的な成形体が得られることが確認された。
【0042】
比較例3と実施例1では、前乾燥と養生条件を同一にしているが、比較例3では水酸化ナトリウムの添加量を増やしている。比較例3と実施例1との物性が同等であることから、水酸化ナトリウムの量も適量を越えると、コスト的に不利であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、窯業系成形体を水熱処理養生する場合は、従来製造法よりはるかに低温で、しかも短時間にて、不燃性にして実用的な機械的強度と寸法安定性を発現できる。また、常圧下、水蒸気雰囲気中での養生においても、前記の水熱養生で製造した成形体の機械的強度には劣るものの、実用的機械強度及び寸法安定性を有する窯業系成形体である。したがって、省エネルギー化をもたらし、地球環境保全にも寄与するとともに、コスト削減を可能とする。また、常圧下、水蒸気養生では、設備費、運転費を削減できるとともに、連続製造が可能なことから、生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窯業系成形体の製造のフローチャートである。

Claims (4)

  1. 珪酸質原料、石灰質原料、補強繊維を入れた混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて混合原料を混練し、得られたゲル状の混練物である混合原料を加圧成形して原料成形体とし、上記原料成形体を60℃以下で6時間以内前乾燥処理を行い半硬化体とする前乾燥工程110℃以下の水熱条件下で2時間養生して半硬化体の硬化を促進し機械的強度を向上する養生工程乾燥して変形がなく寸法安定性の優れた高強度成形体を得る後乾燥工程の各工程を順次経ることを特徴とする窯業系成形体の製造方法。
  2. 珪酸質原料、石灰質原料、補強繊維を入れた混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて混合原料を混練し、得られたゲル状の混練物である混合原料を加圧成形して原料成形体とし、上記原料成形体を60℃以下で6時間以内前乾燥処理を行い半硬化体とする前乾燥工程、大気圧下100℃以下の水蒸気雰囲気中で6時間以内養生して半硬化体の硬化を促進し機械的強度を向上する養生工程、乾燥して変形がなく寸法安定性の優れた高強度成形体を得る後乾燥工程の各工程を順次経ることを特徴とする窯業系成形体の製造方法。
  3. 上記混合原料は、珪酸質原料と石灰質原料との混合物固形分100重量部に対して、固形分4重量部の水酸化ナトリウムを混合する請求項1または2の窯業系成形体の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかの方法により製造した窯業系成形体
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