JP2005272235A - カルシウムサルホアルミネート系組成物および硬化体の製造方法 - Google Patents

カルシウムサルホアルミネート系組成物および硬化体の製造方法 Download PDF

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Yoshiaki Sakamoto
好明 坂本
Kenta Masuda
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Abstract

【課題】 初期および硬化体の強度発現性に優れたカルシウムサルホアルミネート系組成物を提供するとともに、寸法安定性に優れた硬化体の製造方法を提供する。
【解決手段】 カルシウムサルホアルミネート、石灰質原料および珪酸質原料を含むカルシウムサルホアルミネート系組成物であって、カルシウムサルホアルミネートを5〜12質量%含有し、かつSO3/Al23のモル比が0.8〜1.5であるカルシウムサルホアルミネート系組成物を提供する。また、当該カルシウムサルホアルミネート系組成物、繊維、添加剤および水を混練して得られるスラリーを成形後、該成形体をオートクレーブ養生する硬化体の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、初期および硬化体の強度発現性に優れたカルシウムサルホアルミネート系組成物、並びに、寸法安定性に優れた硬化体の製造方法に関する。
セメント製品の中でも建築分野で広く普及しているセメント系建材は、大量消費型の製品であり、高い生産性と低コストが望まれている。また、セメント系建材は、生産性やコスト以外に、耐久性、耐火性などの安全面での機能も重要視されている。このため、寸法安定性や不燃性に優れた珪酸カルシウム化合物を主要成分としたセメント系建材が主流となりつつある。
当該セメント系建材は、スラリーを型枠に流し込み、脱型後、蒸気養生またはオートクレーブ養生が行われているが、これらの方法では、初期の強度発現が不十分な場合があり、この場合には脱型時に型崩れや型枠にスラリーが付着して良品が得られないこと、また、蒸気養生やオートクレーブ養生中に硬化体が亀裂や爆裂する等の問題が生じやすかった。セメント系建材の製造に用いられているセメントは普通セメントや早強セメント等の硬化が遅いものであるから、この対応策として、必要とする初期の強度を得るためには養生時間を長くすることが必要であった。しかし、これでは、セメント系建材に要求される高い生産性と低コストを実現するのは困難であった。
他方で、初期の強度発現を改善するために、水和速度の速いカルシウムサルホアルミネート(3CaO・3Al23・CaSO4;以下、「CSA」という。)を含有する硬化体とその製造方法が提案されている(特許文献1および2参照)。しかし、当該製造方法に係る硬化体は、強度発現性に優れるものの、長年にわたり使用される屋外用建材に要求される高度の寸法安定性の点では、まだ不十分であった。
特開昭62−100490号公報 特開昭61−227959号公報
以上のことから、本発明は、初期および硬化体の強度発現性に優れたカルシウムサルホアルミネート系組成物(以下、「CSA系組成物」という。)を提供するとともに、寸法安定性に優れた硬化体の製造方法を提供することを目的とする。
かかる実情に鑑みて、本発明者らは鋭意研究を行った結果、CSA、石灰質原料および珪酸質原料を含むCSA系組成物であって、CSAを5〜12質量%含有し、かつSO3/Al23のモル比が0.8〜1.5であるCSA系組成物は、初期および硬化体の強度発現性に優れること、また、特定の製造方法により製造したCSA系組成物を含む硬化体は、寸法安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。
本発明のCSA系組成物は初期および硬化体の強度発現性に優れ、また、これと繊維および添加剤を使用して得られる硬化体は、寸法安定性が格段に優れる。これにより、製造時の養生時間が短縮できて生産性が向上するとともに、吸水・乾燥による反りや変形が生じないため、板状セメント系建材等の用途に好適である。
本発明のCSA系組成物は、CSA、石灰質原料および珪酸質原料を含む。
ここで、CSAは、常法により製造したCSA含有クリンカ、または、その粉砕品が使用できる。CSA単独では硬化が速い場合は、CSA含有クリンカの粉砕品を、所定量の早強セメントまたは普通セメント等のセメントで希釈・混合して、スラリーの硬化速度(強度発現性)を調整することができる。また、所定量のCSA含有クリンカと所定量のセメントクリンカとを混合して粉砕すると、一度に両クリンカの粉砕ができて効率的である。
また、石灰質原料はCaOを含むものであり、例えば、セメント、消石灰、生石灰等から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
また、珪酸質原料はシリカを含むものであり、例えば、珪石、珪砂およびフライアッシュ等から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
本発明に係るCSA系組成物中のCSAの含有量は、初期の強度発現性および硬化体の強度の観点から、5〜12質量%が好ましい。当該含有量が5質量%未満の場合では、初期の強度が小さくて脱型できない場合があり、当該含有量が12質量%を超えると、初期強度は十分であるが、硬化体の強度が低下する傾向がある。
本発明のCSA系組成物のSO3/Al23のモル比は0.8〜1.5が好ましい。当該モル比が0.8未満の場合では、同様に、初期の強度が小さく、当該モル比が1.5を超えると、初期強度は十分であるが、硬化体の強度が低下する傾向にある。CSA系組成物のSO3/Al23のモル比の調整は、SO3源として石膏等を添加することにより可能である。この場合に使用可能な石膏は、無水石膏、半水石膏、二水石膏のいずれでもよい。
繊維は、有機繊維、無機繊維およびパルプ繊維等から選ばれる1種または2種以上を使用できる。有機繊維としては、例えばアクリル繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維等が挙げられ、無機繊維としては、ガラス繊維、カーボン繊維等が挙げられ、パルプ繊維としては、バージンパルプ、古紙パルプ等が挙げられる。これらのパルプ繊維は、湿式粉砕、乾式粉砕等の粉砕処理を施したものが使用できる。
添加剤は、減水剤、スラリー流動化剤、スラリー粘性調整剤、発泡剤および起泡剤等から選ばれる1種または2種以上が使用でき、当該添加剤は、スラリーやその硬化体の要求特性に応じて配合することができる。
本発明のCSA系組成物を含む硬化体の製造方法としては、まず、所定量のCSA系組成物、繊維、水および添加剤を混練して、スラリーを調整する。その後、当該スラリーを型枠に流し込んで成形するか、または、プレスにより成形する等の方法を用いることができる。成形して得られた未硬化の成形体の養生方法は、常温養生、湿潤養生または加温養生等の公知の養生方法を用いることができる。
次に、養生して得られた成形体は、オートクレーブ養生により水熱処理を行う。高温高圧の水蒸気雰囲気下で養生することにより、セメントの水和によって生成した水酸化カルシウムおよび石灰質原料中のカルシウムと珪酸質原料中のシリカを反応させて、珪酸カルシウム水和物を生成させ、硬化体の強度を高めることができる。オートクレーブ養生の際の温度は、Ca成分とSi成分が反応可能な温度であればよく、例えば120〜180℃が好ましく、目的とする珪酸カルシウム水和物や、それが要求される物性によって適宜選択すればよい。オートクレーブ養生により、曲げ強度が増加するとともに、寸法安定性が増大する。
このようにして、本発明により得られる硬化体は、セメント系建材、特に板状セメント系建材として好適である。セメント系建材としては、パルプセメント板、繊維補強セメント板、窯業系サイディング材または軽量気泡コンクリート等が挙げられ、外装材、内装材、屋根材、天井材等に使用することができる。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[使用材料]
実施例及び比較例において、使用した材料を以下に示す。
1.CSA原末:電気炉を用いて常法により製造したクリンカであって、CSA、2CaO・SiO2および4CaO・Al23・Fe23をそれぞれ60質量%、30質量%および5質量%含むクリンカを粉砕し、ブレーン比表面積を3800cm2/gに粒度調整した試製品。
2.早強セメント;市販品(太平洋セメント社製)
3.石膏;無水石膏(太平洋マテリアル社製)
4.珪石:粉末珪石(秩父鉱業社製)
5.消石灰:工業用消石灰(吉澤石灰工業社製)
6.パルプ繊維(針葉樹):クロフトン(伊藤忠商事社製)を湿式粉砕したもの。
7.起泡剤:エマールD−3−D(花王社製)
8.増粘剤:ハイメトローズhi90SH−4000(信越化学社製)
9.減水剤:コアフローCP−300(太平洋セメント社製)
10.水:水道水
[評価方法]
1.脱型性
表1に示すCSA系組成物100重量部に対して、パルプ繊維1重量部、増粘剤0.2重量部、減水剤1重量部、水50重量部、および、硬化体の比重が0.6になるように予め決定した量の起泡剤をプレフォーミングした泡を添加・混練してスラリーを調整した。このスラリーを長さ24cm、幅35cm、厚さ3.5cmの型枠に流し込み、60℃で30分養生して成形体を作製した。成形体の脱型状況を目視により観察し、脱型良好だったものを「○」、成形体の破損、割れや型崩れ等が生じたものを「×」として判定した。その結果を表2に示す。なお、成形体とはオートクレーブ養生前のものをいい、硬化体とはオートクレーブ養生後のものをいう。
2.曲げ強度試験
上記1において作製した成形体を180℃で8時間オートクレーブ養生し、得られた硬化体を60℃で3日間乾燥した後、幅5cm、長さ22cmに切断し、スパン20cm、載加速度2mm/minの条件で曲げ強度試験を行った。その結果を表2に示す。
3.吸水による長さ変化率試験
上記1において作製した成形体を180℃で8時間オートクレーブ養生し、得られた硬化体を60℃で3日間乾燥した後、JIS A 5430に準じて測定を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2005272235
Figure 2005272235
表2から分かるように、CSAの含有量が5〜12質量%のCSA系組成物を含む硬化体(実施例1〜3)は、脱型性が良好で曲げ強度が大きく、また、オートクレーブ養生していない場合よりも長さ変化率は小さく、寸法安定性が優れている。他方、CSAの含有量が3質量%のCSA系組成物を含む硬化体(比較例1)は脱型できず、曲げ強度および長さ変化率は測定不能であった。また、CSAの含有量が15質量%のCSA系組成物を含む硬化体(比較例2)は脱型できたものの、曲げ強度は実施例と比べ低いものであった。
また、SO3/Al23のモル比が0.8〜1.5であるCSA系組成物を含む硬化体(実施例4〜6)は、同様に、脱型性が良好で曲げ強度が大きく、また、オートクレーブ養生していない場合よりも長さ変化率は小さく、寸法安定性が優れている。他方、SO3/Al23のモル比が0.5のCSA系組成物を含む硬化体(比較例3)は脱型できず、曲げ強度は測定不能であった。また、SO3/Al23のモル比が1.7のCSA系組成物を含む硬化体(比較例4)は脱型できたものの、曲げ強度は実施例と比べ低いものであった。

Claims (2)

  1. カルシウムサルホアルミネート、石灰質原料および珪酸質原料を含むカルシウムサルホアルミネート系組成物であって、カルシウムサルホアルミネートを5〜12質量%含有し、かつSO3/Al23のモル比が0.8〜1.5であることを特徴とするカルシウムサルホアルミネート系組成物。
  2. 請求項1のカルシウムサルホアルミネート系組成物、繊維、添加剤および水を混練して得られるスラリーを成形後、該成形体をオートクレーブ養生することを特徴とする硬化体の製造方法。
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