JP2009155133A - 窯業系建材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】窯業系建材の基本的性能として要求されている強度を効率的に得ることができる窯業系建材の製造方法を提供する。
【解決手段】セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有し400℃以上の温度で熱処理されたシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有し400℃以上の温度で熱処理されたシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、窯業系建材の製造方法に関するものである。
窯業系建材には、基本的な性能の一つとして強度が要求される。すなわち、施工時に持ち運びによる破損や踏み割れなどを起こさず、そして施工後の外的要因(風圧やボールが投げ付けられるなど)にも耐え得る強度を有するものが要求される。また、光、熱、雨などによる長期的な劣化、吸水乾燥の繰り返しによる負荷、凍結融解などにも耐え得るような、あらゆる種類の強度が窯業系建材には要求される。
窯業系建材の製造において、いわゆる普通セメントを常温にて養生した場合、ハンドリング強度、すなわち製造ラインで扱える最低強度を得るのに長時間を要し、工業製品として成り立たない。また、湿熱養生を施した場合、硬化速度は向上するが、それでもなお長時間を要するため所要の生産性を得ることが困難である。そのため、窯業系建材の製造においてはオートクレーブ養生の手法が一般に用いられている(特許文献1、2参照)。
オートクレーブ養生では、通常180℃付近で8〜10気圧程度の圧力が加えられる。このような高温高圧とすることで、セメントのカルシウム成分とシリカ供給体のシリカ成分との反応が促進され、短時間で最終強度に近いセメント強度を得ることができる。窯業系建材の場合、セメントと共に配合されるシリカ供給体としては、安価で入手も容易な珪石粉やフライアッシュなどが用いられる場合が多い。
特開2003−335568号公報
特開2002−029819号公報
しかしながら、このように窯業系建材の基本的性能として要求されている強度をさらに効率的に得ることができる手法が望まれていた。そのためには、オートクレーブ処理時においてセメントと反応するシリカ供給体の検討が一つの鍵になると考えられる。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、窯業系建材の基本的性能として要求されている強度を効率的に得ることができる窯業系建材の製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の窯業系建材の製造方法は、セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有し400℃以上の温度で熱処理されたシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする。
第2に、本発明の窯業系建材の製造方法は、セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有し水熱処理されたシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする。
第3に、本発明の窯業系建材の製造方法は、セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有するシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、成形前のセメント混合物または成形後のセメント硬化体に、上記第2の方法におけるシリカ供給体の水熱処理に用いた回収水を含有させる工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする。
第4に、本発明の窯業系建材の製造方法は、セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有しpH12以上のアルカリ水溶液で浸漬処理されたシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする。
第5に、本発明の窯業系建材の製造方法は、セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有するシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、成形前のセメント混合物または成形後のセメント硬化体に、上記第4の方法におけるシリカ供給体の浸漬処理後のアルカリ水溶液を含有させる工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする。
第6に、本発明の窯業系建材の製造方法は、セメントと、窯業系建材の廃材であるシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする。
上記第1の発明によれば、シリカ供給体として400℃以上の温度で熱処理したものを用いることにより、オートクレーブ養生時にセメントのカルシウム成分と効率良く反応して窯業系建材の強度を高めることができる。
上記第2の発明によれば、シリカ供給体として水熱処理したものを用いることにより、オートクレーブ養生時にセメントのカルシウム成分と効率良く反応して窯業系建材の強度を高めることができる。
上記第3の発明によれば、シリカ供給体の水熱処理に用いた回収水を原料として用いており、この回収水はシリカ供給体の水熱処理時に溶出した反応性の高いシリカ成分を含有している。このシリカ成分を含有する回収水を、成形前のセメント混合物または成形後のセメント硬化体に含有させることで、オートクレーブ養生時にセメントのカルシウム成分と効率良く反応して窯業系建材の強度を高めることができる。
上記第4の発明によれば、シリカ供給体としてpH12以上のアルカリ水溶液で浸漬処理したものを用いることにより、オートクレーブ養生時にセメントのカルシウム成分と効率良く反応して窯業系建材の強度を高めることができる。
上記第5の発明によれば、シリカ供給体の浸漬処理後のアルカリ水溶液を原料として用いており、このアルカリ水溶液はシリカ供給体の浸漬処理時に溶出した反応性の高いシリカ成分を含有している。このシリカ成分を含有する水溶液を、成形前のセメント混合物または成形後のセメント硬化体に含有させることで、オートクレーブ養生時にセメントのカルシウム成分と効率良く反応して窯業系建材の強度を高めることができる。
上記第6の発明によれば、シリカ供給体として窯業系建材の廃材を用いることにより、オートクレーブ養生時にセメントのカルシウム成分と効率良く反応して窯業系建材の強度を高めることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において原料として用いられるセメントの具体例としては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどが挙げられる。
普通ポルトランドセメントなどの汎用されているセメントは、エーライトが主体であるものが多いが、これに限らず、エーライトよりもビーライトを多く含有するようなビーライトリッチセメントを用いるようにしてもよい。
本発明において原料として用いられるシリカ供給体の具体例としては、フライアッシュ、珪石、シリカヒューム、スラグ、珪藻土、硝子粉、窯業系建材の廃材、コンクリート廃材、石綿などが挙げられる。シリカ供給体は、シリカ成分以外の成分を含有していてもよく、シリカ成分は結晶性、非結晶性のいずれであってもよい。
本発明では、シリカ供給体として、以下に示す第1〜第6の特定のものが用いられる。
第1に、シリカ供給体を400℃以上、好ましくは600℃の温度で熱処理したものが用いられる。シリカ供給体を400℃以上の温度で熱処理することにより、シリカ成分が保持していた有機成分などの不純物や結晶水が飛散除去され、シリカ供給体の比表面積を増加させることができる。その結果として、シリカ供給体の比表面積を増加させることができ、これによりシリカ供給体の表面活性度が向上する。また、不純物が除去されるので、セメント硬化体のオートクレーブ養生時においてシリカ供給体のシリカ成分とセメントのカルシウム成分とをより近接させることができる。
したがって、セメント硬化体のオートクレーブ養生時にシリカ供給体のシリカ成分がセメントのカルシウム成分と効率良く反応し、繊密なトバモライトを多く生成して窯業系建材の強度を高めることができる。
また、シリカ供給体を600℃以上の温度で熱処理したものを用いることにより、セメント硬化体にオートクレーブ養生を施すことで窯業系建材の強度をさらに高めることができる。これは、600℃以上の温度での熱処理によりシリカ結晶構造がα型からβ型に変換し反応性が向上するためと考えられる。
シリカ供給体の熱処理温度は、性能面では特に上限はなく、溶融する温度に加熱してから冷却したものであってもよい。
熱処理のためにシリカ供給体を加熱する方法の具体例としては、電気炉による加熱、キルンなどの直火による加熱、高周波やマイクロ波による水分またはその他の物質からの誘導加熱などが挙げられる。
第2に、シリカ供給体として、水熱処理したものが用いられる。水熱処理とは、温度、湿度、圧力を同時に与える処理であり、典型的には媒体として水が用いられるが、水に極性が近いアルコール類などを媒体として用いてもよい。また、酸やアルカリを触媒として用いてもよい。
水熱処理は、温度と湿度(水)と圧力を与えて処理するものであり、一般的なオートクレーブによる処理が挙げられるが、水などの媒体が亜臨界状態または超臨界状態となる高温高圧下にて行うことが好ましい。媒体として水を用いる場合、亜臨界状態には、水の温度および圧力が水の臨界点(臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPa)以下であって、かつ、温度が140℃以上で圧力が飽和蒸気圧(140℃では0.36MPa)を超える状態が含まれる。
水が高温高圧の亜臨界状態または超臨界状態に達すると、シリカ供給体の加水分解を大幅に促進し、さらに極性も溶剤と同程度まで近づくために、シリカ供給体が含有しているシリカ成分の一部や、有機成分などの不純物が加水分解や溶解により溶出する。
その結果として、シリカ供給体の比表面積を増加させることができ、これによりシリカ供給体の表面活性度が向上する。また、不純物が除去されるので、セメント硬化体のオートクレーブ養生時においてシリカ供給体のシリカ成分とセメントのカルシウム成分とをより近接させることができる。さらに、シリカ成分の一部が溶出して結晶構造が緩むことにより反応性が向上する。
したがって、セメント硬化体のオートクレーブ養生時にシリカ供給体のシリカ成分がセメントのカルシウム成分と効率良く反応し、繊密なトバモライトを多く生成して窯業系建材の強度を高めることができる。
第3に、上記第2のシリカ供給体の水熱処理に用いた回収水に溶出したものが用いられる。上記したように、シリカ供給体の水熱処理時には、高温高圧下にてシリカ成分の一部が加水分解や溶解により水中に溶出する。溶出したシリカ成分は不溶固体成分に比べて反応性に富み、この水熱処理に用いた水を回収した回収水を、成形前のセメント混合物または成形後のセメント硬化体に配合することで、セメント硬化体のオートクレーブ養生時にシリカ供給体のシリカ成分がセメントのカルシウム成分と効率良く反応し、繊密なトバモライトを多く生成して窯業系建材の強度を高めることができる。
上記の回収水は、成形前におけるスラリー状などのセメント混合物に添加してもよく、あるいは成形後のセメント硬化体に塗布、浸透させることで添加するようにしてもよい。
第4に、シリカ供給体をpH12以上、好ましくはpH12〜14のアルカリ水溶液で浸漬処理したものが用いられる。シリカ供給体をpH12以上のアルカリ水溶液で浸漬処理することにより、シリカ供給体が含有しているシリカ成分の一部や、有機成分などの不純物が加水分解や溶解により溶出する。
その結果として、シリカ供給体の比表面積を増加させることができ、これによりシリカ供給体の表面活性度が向上する。また、不純物が除去されるので、セメント硬化体のオートクレーブ養生時においてシリカ供給体のシリカ成分とセメントのカルシウム成分とをより近接させることができる。さらに、シリカ成分の一部が溶出して結晶構造が緩むことにより反応性が向上する。
したがって、セメント硬化体のオートクレーブ養生時にシリカ供給体のシリカ成分がセメントのカルシウム成分と効率良く反応し、繊密なトバモライトを多く生成して窯業系建材の強度を高めることができる。
シリカは耐アルカリ性が弱く、pH12以上の浸漬処理により上記の効果が顕著に発現する。
第5に、上記第4のシリカ供給体の浸漬処理後のアルカリ水溶液に溶出したものが用いられる。上記したように、シリカ供給体のアルカリ水溶液への浸漬処理時には、シリカ成分の一部が加水分解や溶解により水中に溶出する。溶出したシリカ成分は不溶固体成分に比べて反応性に富み、これを含有する水溶液を、成形前のセメント混合物または成形後のセメント硬化体に配合することで、セメント硬化体のオートクレーブ養生時にシリカ供給体のシリカ成分がセメントのカルシウム成分と効率良く反応し、繊密なトバモライトを多く生成して窯業系建材の強度を高めることができる。
上記のアルカリ水溶液は、成形前のスラリー状などのセメント混合物に添加してもよく、あるいは成形後のセメント硬化体に塗布、浸透させることで添加するようにしてもよい。
第6に、シリカ供給体として窯業系建材の廃材を使用する。窯業系建材の廃材の具体例としては、新築現場の端材、生産工場の端材、使用済みの建築解体後の廃材などを挙げることができ、瓦や外装材など各種の窯業系建材を用いることができる。
窯業系建材は、オートクレーブ養生を考慮してシリカ成分が多く配合されているものが多い。また、製造時において亜臨界状態や超臨界状態のレベルではないが水熱反応(オートクレーブ養生)の工程を経ているものが多いため、セメントとの反応性において上記第2の水熱処理を施したものと同様の効果が得られる。
また、窯業系建材は既に熱処理が行われている場合も多い。さらに、使用済みのものは長期に渡り風雨や紫外線劣化などの影響を受けており、一部のシリカ成分が可溶化している。これらの作用により、シリカ供給体の比表面積が増加し、シリカ供給体の表面活性度が向上する。したがって、セメント硬化体のオートクレーブ養生時にシリカ供給体のシリカ成分がセメントのカルシウム成分と効率良く反応し、繊密なトバモライトを多く生成して強度を高めることができる。
以上のシリカ供給体を用いて窯業系建材を製造する際には、先ず、上記のセメントと、上記のシリカ供給体と、水とを含有する成形用のセメント混合物を調製する。このセメント混合物には、その他の構成材料、たとえば珪石、フライアッシュ、ミクロシリカワラストナイト、マイカ、バーミキュライト、パルプ、化学繊維、金属繊維、軽量化骨材、石膏などのフィラー材を配合することができる。また、増粘剤、凝集剤、分散剤、硬化促進剤、遅延剤などの添加剤を配合することができる。
セメント混合物は、セメント、シリカ供給体、および他の構成成分を配合し水と混合した液状または粘性の高いスラリー状などに調製することができる。なお、水以外の配合成分同士の配合順序、水とこれらの配合成分との混合順序は特に限定されるものではなく場合に応じて適切に変更すればよい。
次いで、得られたセメント混合物を成形する。成形法の具体例としては、押出法、抄造法、注型法などを挙げることができ、これらはプレスなどと組み合わせてもよい。
押出法では、予め混合、混練したセメント混合物をスクリューなどで金型より押し出し、ロールやプレスで模様付けをする。
抄造法は、水中に普通ポルトランドセメント、シリカ供給体、パルプなどの必要成分を分散させたセメント混合物を紙抄きと同じようにフェルトなどで抄き上げて製造するものであり、プレスやロールで模様付けをする。
注型法では、セメント混合物を、模様付けした金型に流し込み硬化促進剤を利用して硬化させる。一般に注型法や押出法は厚物を対象とし奥深い柄付けが可能であるのに対し、抄造法は薄物で生産性優れること、すなわち生産速度が速いことに特徴を有している。
成形により得られたセメント硬化体は、典型的には一旦湿熱養生が施され、ある程度の強度が確保されてからオートクレーブ養生が施される。湿熱養生は、たとえば60〜100℃の温度で10〜30時間の間行われる。
オートクレーブ養生では、セメント硬化体に温度と圧力を同時に加えてセメントの反応を一気に進行させることで、短時間で最終強度に近いところまでの強度発現が得られる。オートクレーブ養生は、たとえば160〜200℃、6〜15kg/cm2、2時間〜24時間の条件で行うことができる。オートクレーブ養生により、セメントのカルシウム成分とシリカ供給体のシリカ成分が反応して多くのトバモライトが生成し、強度が増加する。
窯業系建材は、強度、防音、耐火、断熱性などに優れていることから、外装や屋根などの外廻りに多く使用されており、本発明を適用可能な窯業系建材の具体例としては、繊維強化セメント板、押出セメント板、パルプセメント板、窯業系サイディング、住宅屋根用化粧スレートなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、下記において「%」は特に言及しない限り質量%を表す。
次の実施例1〜19、実施例9’〜15’、および比較例1〜7の方法に従って窯業系建材を作製し、その曲げ強度を評価した。
<比較例1>
市販されているJIS合格品の普通ポルトランドセメントを用いて、抄造法にて外装材を作製した。各原料は事前にXRF(蛍光X線分析)にて組成分析を行っておき、シリカ供給体としては珪石粉を使用しC/S=1になるように配合した。また、原料として解繊パルプを10%配合した。
<比較例1>
市販されているJIS合格品の普通ポルトランドセメントを用いて、抄造法にて外装材を作製した。各原料は事前にXRF(蛍光X線分析)にて組成分析を行っておき、シリカ供給体としては珪石粉を使用しC/S=1になるように配合した。また、原料として解繊パルプを10%配合した。
これらの各原料をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した後、10リッターの上水に対してスラリー濃度が約8%になるように調整して分散混合し、セメント混合物を得た。
250mm角の枠の底面に金網を配設し、その金網に1号濾紙を敷いたところに、セメント混合物を入れた。さらに凝集剤としてアニオン系のポリアクリルアミド(分子量1000万〜2000万)を添加し一定速度で攪拌した後、一定の力で底面より減圧脱水を行った。さらにプレス(約30kgf/cm2)をした後、得られたセメント硬化体を80℃、90%RH、15時間の条件で湿熱養生した。その後、180℃、10気圧、4時間の条件でオ一トクレーブ養生を施すことにより、250×250×12mmの抄造板を得た。
<比較例2>
比較例1において、シリカ供給体として電気炉にて350℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例1>
比較例1において、シリカ供給体として電気炉にて410℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例2>
比較例1において、シリカ供給体として電気炉にて620℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例3>
比較例1において、シリカ供給体として電気炉にて720℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<比較例3>
市販されているJIS合格品の普通ポルトランドセメントを用いて、押出法にて外装材を作製した。各原料は事前にXRF(蛍光X線分析)にて組成分析を行っておき、シリカ供給体としては珪石粉を使用しC/S=1になるように配合した。また、原料として珪石粉6%、解繊パルプ66%、流動化剤(メチルセルロース)0.5%、軽量骨材0.2%、水50%、カルボン酸系の分散剤0.2%を配合し、これらをアイリッヒミキサーにて5分間混練し、セメント混合物を得た。
<比較例2>
比較例1において、シリカ供給体として電気炉にて350℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例1>
比較例1において、シリカ供給体として電気炉にて410℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例2>
比較例1において、シリカ供給体として電気炉にて620℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例3>
比較例1において、シリカ供給体として電気炉にて720℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<比較例3>
市販されているJIS合格品の普通ポルトランドセメントを用いて、押出法にて外装材を作製した。各原料は事前にXRF(蛍光X線分析)にて組成分析を行っておき、シリカ供給体としては珪石粉を使用しC/S=1になるように配合した。また、原料として珪石粉6%、解繊パルプ66%、流動化剤(メチルセルロース)0.5%、軽量骨材0.2%、水50%、カルボン酸系の分散剤0.2%を配合し、これらをアイリッヒミキサーにて5分間混練し、セメント混合物を得た。
このセメント混合物を押出機にて押出成形し、押出成形により得られたセメント硬化体を80℃、90%RH、5時間の条件で湿熱養生した。その後、180℃、10気圧、4時間の条件でオートクレーブ養生を施すことにより押出板を得た。
<実施例4>
比較例3において、シリカ供給体として電気炉にて620℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例3と同様にして押出板を得た。
<比較例4>
カルシウム/シリカのモル比、および焼成温度を調整してクリンカを作製し、普通ポルトランドセメントと同じレベルまで粉砕することにより、エーライトに対してビーライトが1.8倍のビーライトリッチなセメントを得た。
<実施例4>
比較例3において、シリカ供給体として電気炉にて620℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例3と同様にして押出板を得た。
<比較例4>
カルシウム/シリカのモル比、および焼成温度を調整してクリンカを作製し、普通ポルトランドセメントと同じレベルまで粉砕することにより、エーライトに対してビーライトが1.8倍のビーライトリッチなセメントを得た。
このセメントを用いて、抄造法にて外装材を作製した。各原料は事前にXRF(蛍光X線分析)にて組成分析を行っておき、シリカ供給体としては珪石粉を使用しC/S=1になるように配合した。また、原料として解繊パルプを10%配合した。
これらの各原料をヘンシェルミキサーにて攪拌混合した後、10リッターの上水に対してスラリー濃度が約8%になるように調整して分散混合し、セメント混合物を得た。
250mm角の枠の底面に金網を配設し、その金網に1号濾紙を敷いたところに、セメント混合物を入れた。さらに凝集剤としてアニオン系のポリアクリルアミド(分子量1000万〜2000万)を添加し一定速度で攪拌した後、一定の力で底面より減圧脱水を行った。さらにプレス(約30kgf/cm2)をした後、得られたセメント硬化体を80℃、90%RH、15時間の条件で湿熱養生した。その後、180℃、10気圧、4時間の条件でオ一トクレーブ養生を施すことにより、250×250×12mmの抄造板を得た。
<実施例5>
比較例4において、シリカ供給体として電気炉にて410℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例4と同様にして抄造板を得た。
<比較例5>
比較例4において、シリカ供給体としてフライアッシュ(未処理)を用いた。それ以外は比較例4と同様にして抄造板を得た。
<実施例6>
比較例5において、シリカ供給体として、電気炉にて500℃で1時間加熱した同量のフライアッシュを用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<比較例6>
比較例4において、シリカ供給体として抄造法にて作製した外装材(工場端材)の廃材を粉砕したもの(未処理)を用いた。それ以外は比較例4と同様にして抄造板を得た。
<実施例7>
比較例6において、シリカ供給体として、電気炉にて500℃で1時間加熱した同量の抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例6と同様にして抄造板を得た。
<実施例8>
比較例4において、シリカ供給体として石綿のクリソタイルであって電気炉にて720℃で1時間加熱したものを用いた。それ以外は比較例4と同様にして抄造板を得た。
<実施例9>
比較例1において、シリカ供給体として、珪石粉20重量部に対し水13.5重量部の割合にて混合したスラリーを密閉容器内で180℃、1MPa、4時間の条件で水熱処理し、濾過、乾燥処理した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例10>
比較例1において、シリカ供給体として、珪石粉20重量部に対し水13.5重量部の割合にて混合したスラリーを密閉容器内で230℃、2.8MPa、1時間の条件で水熱処理し、濾過、乾燥処理した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例11>
比較例5において、シリカ供給体として、フライアッシュ20重量部に対し水13.5重量部の割合にて混合したスラリーを密閉容器内で230℃、2.8MPa、1時間の条件で水熱処理した同量のフライアッシュを用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<実施例12>
比較例6において、シリカ供給体として、抄造外装材廃材20重量部に対し水13.5重量部の割合にて混合したスラリーを密閉容器内で230℃、2.8MPa、1時間の条件で水熱処理した同量の抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例6と同様にして抄造板を得た。
<比較例7>
比較例1において、シリカ供給体として、pH11に調整したアルカリ水溶液に24時間浸漬し乾燥した同量の珪石を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例13>
比較例1において、シリカ供給体として、pH12に調整したアルカリ水溶液に24時間浸漬し乾燥した同量の珪石を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例14>
比較例5において、シリカ供給体として、pH12に調整したアルカリ水溶液に24時間浸漬し乾燥した同量のフライアッシュを用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<実施例15>
比較例6において、シリカ供給体として、pH12に調整したアルカリ水溶液に24時間浸漬し乾燥した同量の抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例6と同様にして抄造板を得た。
<実施例16>
比較例1において、シリカ供給体として、オートクレーブで処理した抄造瓦廃材を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例17>
比較例1において、シリカ供給体として、オートクレーブで処理した抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例18>
比較例5において、シリカ供給体として、オートクレーブで処理した抄造瓦廃材を用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<実施例19>
比較例5において、シリカ供給体として、オートクレーブで処理した抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<実施例9’〜12’>
実施例9〜12で各シリカ供給体の水熱処理に用いた回収水を用いて窯業系建材を作製した。すなわち、シリカ供給体として未処理のものを用いて比較例1と同様の方法で成形してセメント硬化体を得た後、湿熱養生を施し、次いで、このセメント硬化体に上記の水熱処理に用いた回収水を霧吹きで均一に塗布し、24時間放置することにより浸透させた。その後の工程は比較例1と同様にして行い、抄造板を得た。
<実施例13’〜15’>
実施例13〜15で各シリカ供給体を浸漬処理したアルカリ水溶液を用いて窯業系建材を作製した。すなわち、シリカ供給体として未処理のものを用いて比較例1と同様の方法で成形してセメント硬化体を得た後、湿熱養生を施し、次いで、このセメント硬化体に上記の浸漬処理後のアルカリ水溶液を霧吹きで均一に塗布し、24時間放置することにより浸透させた。その後の工程は比較例1と同様にして行い、抄造板を得た。
[曲げ強度試験]
上記の実施例1〜19、実施例9’〜15’、および比較例1〜7において作製した窯業系建材を、160×40mmサイズにランニングソーなどを用いて正確に切断し、曲げ強度試験用サンプルを得た。なお、各実施例および比較例において、蒸気養生後とオートクレーブ養生後のそれぞれの曲げ強度試験用サンプルを用意した。
<実施例5>
比較例4において、シリカ供給体として電気炉にて410℃で1時間加熱した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例4と同様にして抄造板を得た。
<比較例5>
比較例4において、シリカ供給体としてフライアッシュ(未処理)を用いた。それ以外は比較例4と同様にして抄造板を得た。
<実施例6>
比較例5において、シリカ供給体として、電気炉にて500℃で1時間加熱した同量のフライアッシュを用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<比較例6>
比較例4において、シリカ供給体として抄造法にて作製した外装材(工場端材)の廃材を粉砕したもの(未処理)を用いた。それ以外は比較例4と同様にして抄造板を得た。
<実施例7>
比較例6において、シリカ供給体として、電気炉にて500℃で1時間加熱した同量の抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例6と同様にして抄造板を得た。
<実施例8>
比較例4において、シリカ供給体として石綿のクリソタイルであって電気炉にて720℃で1時間加熱したものを用いた。それ以外は比較例4と同様にして抄造板を得た。
<実施例9>
比較例1において、シリカ供給体として、珪石粉20重量部に対し水13.5重量部の割合にて混合したスラリーを密閉容器内で180℃、1MPa、4時間の条件で水熱処理し、濾過、乾燥処理した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例10>
比較例1において、シリカ供給体として、珪石粉20重量部に対し水13.5重量部の割合にて混合したスラリーを密閉容器内で230℃、2.8MPa、1時間の条件で水熱処理し、濾過、乾燥処理した同量の珪石粉を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例11>
比較例5において、シリカ供給体として、フライアッシュ20重量部に対し水13.5重量部の割合にて混合したスラリーを密閉容器内で230℃、2.8MPa、1時間の条件で水熱処理した同量のフライアッシュを用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<実施例12>
比較例6において、シリカ供給体として、抄造外装材廃材20重量部に対し水13.5重量部の割合にて混合したスラリーを密閉容器内で230℃、2.8MPa、1時間の条件で水熱処理した同量の抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例6と同様にして抄造板を得た。
<比較例7>
比較例1において、シリカ供給体として、pH11に調整したアルカリ水溶液に24時間浸漬し乾燥した同量の珪石を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例13>
比較例1において、シリカ供給体として、pH12に調整したアルカリ水溶液に24時間浸漬し乾燥した同量の珪石を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例14>
比較例5において、シリカ供給体として、pH12に調整したアルカリ水溶液に24時間浸漬し乾燥した同量のフライアッシュを用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<実施例15>
比較例6において、シリカ供給体として、pH12に調整したアルカリ水溶液に24時間浸漬し乾燥した同量の抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例6と同様にして抄造板を得た。
<実施例16>
比較例1において、シリカ供給体として、オートクレーブで処理した抄造瓦廃材を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例17>
比較例1において、シリカ供給体として、オートクレーブで処理した抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例1と同様にして抄造板を得た。
<実施例18>
比較例5において、シリカ供給体として、オートクレーブで処理した抄造瓦廃材を用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<実施例19>
比較例5において、シリカ供給体として、オートクレーブで処理した抄造外装材廃材を用いた。それ以外は比較例5と同様にして抄造板を得た。
<実施例9’〜12’>
実施例9〜12で各シリカ供給体の水熱処理に用いた回収水を用いて窯業系建材を作製した。すなわち、シリカ供給体として未処理のものを用いて比較例1と同様の方法で成形してセメント硬化体を得た後、湿熱養生を施し、次いで、このセメント硬化体に上記の水熱処理に用いた回収水を霧吹きで均一に塗布し、24時間放置することにより浸透させた。その後の工程は比較例1と同様にして行い、抄造板を得た。
<実施例13’〜15’>
実施例13〜15で各シリカ供給体を浸漬処理したアルカリ水溶液を用いて窯業系建材を作製した。すなわち、シリカ供給体として未処理のものを用いて比較例1と同様の方法で成形してセメント硬化体を得た後、湿熱養生を施し、次いで、このセメント硬化体に上記の浸漬処理後のアルカリ水溶液を霧吹きで均一に塗布し、24時間放置することにより浸透させた。その後の工程は比較例1と同様にして行い、抄造板を得た。
[曲げ強度試験]
上記の実施例1〜19、実施例9’〜15’、および比較例1〜7において作製した窯業系建材を、160×40mmサイズにランニングソーなどを用いて正確に切断し、曲げ強度試験用サンプルを得た。なお、各実施例および比較例において、蒸気養生後とオートクレーブ養生後のそれぞれの曲げ強度試験用サンプルを用意した。
曲げ強度試験用サンプルについて、以下の条件にて3点曲げ強度を測定した。
試験条件:スパン100mm
サンプルサイズ(縦×横×厚み):160×40×12mm
試験速度:2mm/min
曲げ強度:k=3×s×m/(2×h×w^2)
k:曲げ強度(MPa)
m:曲げ破壊荷重(N)
s:スパン(mm)
h:幅(横寸法)(mm)
w:厚み(mm)
各実施例における曲げ強度は、比較例を基準とした3点曲げ強度の相対評価に基づき評価した。その結果を表1〜表5に示す。
試験条件:スパン100mm
サンプルサイズ(縦×横×厚み):160×40×12mm
試験速度:2mm/min
曲げ強度:k=3×s×m/(2×h×w^2)
k:曲げ強度(MPa)
m:曲げ破壊荷重(N)
s:スパン(mm)
h:幅(横寸法)(mm)
w:厚み(mm)
各実施例における曲げ強度は、比較例を基準とした3点曲げ強度の相対評価に基づき評価した。その結果を表1〜表5に示す。
表1および表2より、シリカ供給体を400℃以上の温度で熱処理したものを用いた実施例1〜8では、オートクレーブ養生後の強度が増加した。シリカ供給体の種類に依らず、珪石、フライアッシュ、抄造外装材廃材で強度増加が確認された。またセメントの種類においても、エーライト成分がリッチな普通ポルトランドセメント、およびビーライト成分がリッチなセメントのいずれにおいても強度増加が確認された。また、実施例3にも示されるように、加熱方法はマイクロ波加熱でも電気炉加熱でも強度増加傾向に大差はなく、強度増加傾向は加熱温度のみに支配されるものであった。また、成形方法として抄造法の他に押出法(実施例4、比較例3)でも同じように強度増加が確認された。
表3より、シリカ供給体を水熱処理したものを用いた実施例9〜12では、オートクレーブ養生後の強度が増加した。その強度の増加は、温度および圧力が高い方が顕著であった。シリカ供給体の種類に依らず、珪石、フライアッシュ、抄造外装材廃材で強度増加が確認された。またセメントの種類においても、エーライト成分がリッチな普通ポルトランドセメント、およびビーライト成分がリッチなセメントのいずれにおいても強度増加が確認された。
表4より、シリカ供給体をpH12以上のアルカリ水溶液で浸漬処理したものを用いた実施例13〜15では、オートクレーブ養生後の強度が増加した。これに対して、比較例7に示されるように、pH11程度では浸漬処理の効果は現れず、pH12以上でないとオートクレーブ養生後の強度増加は見られなかった。シリカ供給体の種類に依らず、珪石、フライアッシュ、抄造外装材廃材で強度増加が確認された。またセメントの種類においても、エーライト成分がリッチな普通ポルトランドセメント、およびビーライト成分がリッチなセメントのいずれにおいても強度増加が確認された。
表5より、シリカ供給体として窯業系建材廃材を用いた実施例16〜19では、抄造瓦廃材、押出外装材廃材のいずれにおいてもオートクレーブ養生後の強度が増加した。また、エーライト成分がリッチな普通ポルトランドセメント、およびビーライト成分がリッチなセメントのいずれにおいても強度増加が確認された。
実施例9〜12で各シリカ供給体として水熱処理に用いた回収水をセメント硬化体に含有させた実施例9’〜12’では、表1には示していないが基準となる比較例1に比べて5%以上の強度増加が確認された。このことから、シリカ供給体を亜臨界などの条件にて水熱処理した液には強度増加の効果があることが確認できた。
実施例13〜15で各シリカ供給体を浸漬処理したアルカリ水溶液をセメント硬化体に含有させた実施例13’〜15’では、表1には示していないが基準となる比較例1に比べて5%以上の強度増加が確認された。このことから、シリカ供給体を浸漬処理した後のアルカリ水溶液には強度増加の効果があることが確認できた。
Claims (6)
- セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有し400℃以上の温度で熱処理されたシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする窯業系建材の製造方法。
- セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有し水熱処理されたシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする窯業系建材の製造方法。
- セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有するシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、成形前のセメント混合物または成形後のセメント硬化体に、請求項2に記載の方法におけるシリカ供給体の水熱処理に用いた回収水を含有させる工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする窯業系建材の製造方法。
- セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有しpH12以上のアルカリ水溶液で浸漬処理されたシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする窯業系建材の製造方法。
- セメントと、セメントのカルシウム成分と反応するシリカ成分を含有するシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、成形前のセメント混合物または成形後のセメント硬化体に、請求項4に記載の方法におけるシリカ供給体の浸漬処理後のアルカリ水溶液を含有させる工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする窯業系建材の製造方法。
- セメントと、窯業系建材の廃材であるシリカ供給体と、水とを含有するセメント混合物を成形してセメント硬化体を得る工程と、セメント硬化体をオートクレーブ養生する工程とを含むことを特徴とする窯業系建材の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2007332522A JP2009155133A (ja) | 2007-12-25 | 2007-12-25 | 窯業系建材の製造方法 |
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JP2007332522A JP2009155133A (ja) | 2007-12-25 | 2007-12-25 | 窯業系建材の製造方法 |
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JP2019178525A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | ケイミュー株式会社 | 平板屋根材 |
-
2007
- 2007-12-25 JP JP2007332522A patent/JP2009155133A/ja active Pending
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JP2019178525A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | ケイミュー株式会社 | 平板屋根材 |
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