JP2006117478A - 石炭灰の固化方法及び固化体 - Google Patents
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Abstract
【課題】石炭灰硬化体の養生工程を常圧水蒸気養生または迅速なマイクロ波―水熱養生といった製法を用い、反応温度及び反応時間を大幅に低減できる省エネルギー製造法を提供するものである。また、機械的強度および寸法安定性を発現する硬化体を提供すること。
【解決手段】
石炭灰、石灰質原料、補強繊維、水、および珪酸質原料と石灰質原料との混合物固形分100重量部に対して、固形分8重量部以下の水酸化ナトリウムを含有する混合原料を成形した後、所定温度で前乾燥し、常圧水蒸気養生またはマイクロ波―水熱養生による固化させ、後乾燥する石炭灰硬化体及びその省エネルギー製造方法。また、前乾燥及び後乾燥にマイクロ波乾燥を用いることにより、反応温度及び反応・乾燥時間を大幅に低減するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】
石炭灰、石灰質原料、補強繊維、水、および珪酸質原料と石灰質原料との混合物固形分100重量部に対して、固形分8重量部以下の水酸化ナトリウムを含有する混合原料を成形した後、所定温度で前乾燥し、常圧水蒸気養生またはマイクロ波―水熱養生による固化させ、後乾燥する石炭灰硬化体及びその省エネルギー製造方法。また、前乾燥及び後乾燥にマイクロ波乾燥を用いることにより、反応温度及び反応・乾燥時間を大幅に低減するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、石炭灰を主成分とする建築内装材、建築外装材、瓦、縁石、舗装板、路盤材として採用され、不燃性にして実用的な機械的強度及び寸法安定性を有する石炭灰硬化体およびその省エネルギー製造方法に関するものである。
石炭灰は火力発電所や工場の高炉から大量に産出されている。一部分が再利用のほか、半数以上廃棄物として埋め立て処分されている。近年、その埋立地の確保が困難になっている。また、廃棄物のリサイクル・再資源化の観点から石炭灰の有効利用が重要な課題として注目される。そこで、産業廃棄物を再利用する試みが行うようになっている。カルシウム含有物などを添加することで建設用パネル、人工軽量骨材、路盤材、粋石などとしての利用が提案されている(特許文献1〜5)。また、特許文献6に示されたように、多孔質ろ過助剤の原料としての利用が提案されている。
特開平9−255402号公報
特開平8−198655号公報
特開平8−198648号公報
特開平8−1126号公報
特開平7−291702号公報
特開平3−16176号公報
しかし、石炭灰は高炉などから排出した石炭の高温焼却灰であり、シリカ質が存在するものの、遊離のシリカ成分でなく、ケイ酸アルミ化合物として存在している。このため、低温での硬化が困難である。従来の技術では、材料の強度を発現するため、石炭灰に対する品質の管理、アルミ質含量、粒径などの調整が必要となり、製造工程が複雑になり、生産コストが高くなる。しかも120℃以下の水熱養生では、材料の機会強度が発現できない。また、建築用材料の場合、表面硬度や曲げ強度等の強度発現、および温湿度の環境変化に対する寸法安定性を有する物性を付与するには、数十%セメントを混入し水和硬化させる方法が多く採用されているが、セメント自身が高いエネルギー消費物であるほか、セメントの混合により石炭灰の混合比率が低くなる。一方、高強度を発現するため、120〜180℃の温度条件下で、数時間から十数時間の高温高圧水熱養生処理することにより製造され、熱エネルギーを多量に消費し、また、高圧力に耐える設備費を要し、また運転費も高価となる。
さらに、板状成形体を水熱養生する場合、大型バッチ式オートクレーブを用いるため、その反応手段が昇温と降温とを繰り返す操作であることから、温度条件が高いほどエネルギーロスが高いという問題点があった。これらの問題点は、瓦、縁石、舗装板の場合についても同様である。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。すなわち、これまでに開発した省エネルギー製造法(特許文献7〜9)及びマイクロ波を用いた迅速製造法(特許文献10〜12)を発展させ、鋭意研究した結果、石炭灰硬成形体の新規な硬化反応を見出したものである。さらに、本発明の水蒸気養生の場合、従来の硬化方法に較べると、反応が迅速で反応温度が低く、反応の圧力は大気圧であることから省エネルギー製造法である。また、マイクロ波―水熱養生の場合、養生時間が1時間以内なので従来法に比べて更に時間短縮ができる。
特開2001−031415公報
特開2002−114561公報
特開2003−146730公報
特開2003−252690公報
特開2004−051412公報
特開2004−051413公報
本発明は開放系水蒸気雰囲気中で養生させるだけで、また、短時間でマイクロ波照射によって、低温、且つ、短時間に不燃性にして実用的な機械的強度と寸法安定性を有する石炭灰成形体およびその効率的な製造方法を提供することにある。
本発明は、図1に示したフローに従い、石炭灰、石灰質原料と補強繊維を所定配合で均一に混合した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて混練した混合原料を成形する。この原料成形体を低温で前乾燥し、得られた半硬化体を水蒸気養生、また、マイクロ波―水熱養生した後、後乾燥することを特徴とする石炭灰硬化体の製造方法を要旨としている。
上記の混合原料は、水酸化ナトリウムを、珪酸質原料と石灰質原料との混合物固形分100重量部に対し、固形分8重量部以下含有するものであり、また、補強繊維を総原料混合物固形分100重量部に対し、固形分5重量部以下、好ましくは3重量部以下含有するものである。
原料の混合は、石炭灰、石灰質原料、補強繊維、水、および水酸化ナトリウムを、攪拌することによって原料ゲルとする。この原料ゲルの水分率は、次工程の成形方法にもよるが、25〜60重量%が好ましい。
上記の混合原料ゲルを加圧して原料成形体とし、この原料成形体を60℃以下、6時間以内の条件で、含水率が10〜20重量%、好ましくは10〜15重量%の範囲内になるよう前乾燥処理を行い半硬化体とした後、大気圧100℃以下の水蒸気雰囲気中、6時間以内の条件で養生させることを特徴としている。また、前記、半硬化体を140℃以下の圧水熱条件下、1時間以内マイクロ波―水熱養生することを特徴としている。
前乾燥及び後乾燥法として通常の乾燥機が用いられるが、マイクロ波乾燥法を利用することにより迅速乾燥が達成できる。前乾燥にマイクロ波を利用する場合、固化体の温度を60℃以下の一定温度に制御しながら2時間以内マイクロ波照射して所定水分量まで乾燥する。また、後乾燥にマイクロ波を用いる場合、マイクロ波水蒸気養生後、水蒸気の導入をやめ、30分以内、60〜100℃の一定温度に制御しながらマイクロ波を照射した後、開放し、自然冷却することによって達成される。前乾燥及び後乾燥において、マイクロ波照射とともに固化体の温度と同等以下の空気を送風することにより、さらに短時間に乾燥される。
また、本発明は、上記のいずれかの製造方法により製造した石炭灰硬化体を要旨としている。
産業廃棄物である石炭灰を有用な建設材料として再利用する方法を見出した。本発明によれば、石炭灰の混合比率が高く、しかも水硬化物であるセメントなどを使用しないで不燃性にして実用的な機械的強度と寸法安定性を発現できる。硬化方法として、水蒸気養生する場合は、100℃以下、6時間以内の処理であるので、従来製造法より低温、短時間で、しかも開放系での処理が可能となり、設備費、運転費を削減できるとともに連続製造が可能なことから、生産性を向上することができる。また、マイクロ波−水熱養生の場合、1時間以内の処理なので、更に時間短縮が可能となる。したがって、本発明では省エネルギー化をもたらし、地球環境保全にも寄与するとともに、生産コストの削減を可能とする。
本発明における石炭灰とは、火力発電所や各種工場の高炉から産出されるフライアッシュやクリンカアッシュを含んだ石炭灰などを指している。石灰質原料としては、例えば、生石灰、生石灰の乾式消化で得られる粉末状の消石灰や多量の水で生石灰を湿式消化して得られるスラリー状の消石灰(石灰乳)等を使用することができる。
本発明では、養生温度の低温化を実現したことから、従来法では用いることができなかった高温域において熱分解する有機系繊維を採用することができる。
有機系補強繊維としては、セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維等を採用することができる。無機系補強繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維を採用することができる。建材としての場合、不燃性を高めることを考慮すると無機系補強繊維の採用が好ましい。
有機系補強繊維としては、セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維等を採用することができる。無機系補強繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維を採用することができる。建材としての場合、不燃性を高めることを考慮すると無機系補強繊維の採用が好ましい。
また、本発明ではバインダーとして、水ガラス系バインダー及び高分子系バインダーとしてスチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、スチレンアクリル共重合体等を適宜添加してもよい。また、混和材として、セメント、石膏等の常温硬化材や、木片、ガラス廃材のビーズを適宜添加してもよい。本発明では養生工程での温度条件が低温化されることから、従来、熱分解されるため、使用が制限されていた各種有機系物質を幅広く採用できることも特徴である。
ここで、石炭灰と石灰質原料との混合物に水酸化ナトリウムを添加したことにより、養生工程での硬化が促進し、機械的強度が向上するとともに、乾燥工程における変形がなく、寸法安定性の優れた高強度成形体が得られる。また、コスト面から考えて、水酸化ナトリウム添加量は8重量部以下が望ましい。
前乾燥処理の温度条件や乾燥時間は、原料成形体の原料組成及び原料成形体の水分率により変動する。すなわち、過度の前乾燥は、原料成形体養生時においてケイ酸カルシウム水和反応に必要な水の移動を減少させることから、養生工程における硬化進行を遅らせることになる。また、前乾燥が不十分であると、養生後の成形体強度が発現しない。これは水和反応に必要な水分よりも多量の遊離水が存在すると、この水が粒子間を隔てて、ケイ酸カルシウム水和物生成反応の進展を阻害すると推察する。水酸化ナトリウムを添加する場合、前乾燥処理において半固化体の含水率を10〜20重量%、好ましくは10〜15重量%にする。さらに、半固化した成形体の表面と内部との乾燥度合いが極端に異なると反りや割れが発生する。通常の加熱乾燥法では高温、短時間の前乾燥は適さないが、マイクロ波乾燥法では内部から乾燥するので反りや割れが発生しにくく、効果的である。しかし、マイクロ波出力が高いと内部温度が高くなりすぎることがあり、内部温度を60℃以下に制御しながら低出力で送風乾燥と組み合わせることが望ましく、特に、パルス照射が効果的である。
前乾燥処理により得られた半固化体は次の養生工程(水蒸気養生又はマイクロ波水熱養生)で固化が促進し、実用的機械強度および寸法安定性を有する石炭灰成形体が得られる。水蒸気養生法では大気圧下、水蒸気雰囲気中100℃以下条件で6時間以内養生し固化する。マイクロ波水蒸気養生法では大気圧下、水蒸気雰囲気中140℃以下の条件で1時間以内、マイクロ波照射して固化する。特にパルス照射の方が効果的である。これは従来の製造法と比べ著しく低温化、省エネルギー化されている。100℃より高温で養生する場合、さらに短時間化することも可能である。マイクロ波のパルス照射では局所的な急速加熱と冷却が交互に起こり、所定温度以上の温度で反応が進行していると考えられ、より短時間に反応が進行するものと推察される。
本発明の成形方法としては、脱水成形、押出成形を用いる。成形方法としては、抄造成形もあるが、多量の水を用い、スラリーをろ過するため、水酸化ナトリウムの定着を考慮すると、不適切である。脱水成形においても水を加えすぎてスラリーにすると、抄造成形同様に水酸化ナトリウムの定着低下の恐れがある。したがって、混合原料は、ゲル状等の流動性を帯びた混練物を作り、脱水成形、押出成形を行うことが好ましい。
また、押出成形は各原料の比重差による不均一が少ない成形方法であるので、平板はもとより、回り縁、見切り縁、窓枠等建築部材といった意匠性に富む建築部材の成形が可能である。特に、意匠性に富む凹凸模様を施す場合、押出成形が有効である。押出成形の場合、増粘剤として、セルロース系誘電体、例えばメチルセルロース等を使用すればよい。このように糖鎖を基本とする有機化合物の添加は、強度発現に寄与することからも有効である。
本発明石炭灰成形体の製造方法の好ましい態様は、石炭灰と石灰質原料及び補強繊維を混合した混合物に、石炭灰と石灰質原料との混合固形分100重量部に対して、固形分8重量部以下の水酸化ナトリウム水溶液を加えて混練する。この混合原料を成形し、この原料成形体を60℃以下、6時間以内前乾燥処理を行い、含水率10〜20wt%好ましくは10〜15wt%の半硬化体をとした。次いで、大気圧100℃以下の水蒸気雰囲気中、6時間以内の条件で養生させることを特徴としている。また、前記、半硬化体を140℃以下の圧水熱条件下、1時間以内マイクロ波―水熱養生することを特徴としている。本発明で採用した水酸化ナトリウムは石炭灰と石灰質原料との反応を促進する効果があり、低温短時間で養生反応を実現している。また、養生工程を経て乾燥した成形体は、実用的な機械的強度と寸法安定性を有している。なお、この前乾燥及び後乾燥にマイクロ波乾燥法を利用することにより迅速乾燥が可能である。すなわち、前乾燥工程において60℃以下の温度で低出力のマイクロ波を照射して2時間以内で乾燥させる。また、養生後、乾燥空気を送給しながら100℃以下の温度でマイクロ波を照射すると30分以内に乾燥する。
以下、本発明に係る窯業系成形体の製造方法について説明する。
<第1実施形態>
まず、石炭灰、石灰質原料、補強繊維を所定の割合で攪拌混合して粉体原料とする。この際、補強繊維の種類にもよるが、繊維の分散を確認してから次工程へ進む。
上記粉体原料に、所定の水酸化ナトリウムおよび水を添加し、水分率を25〜60wt%と調整した後、攪拌を行い、ゲル状の混練物を得る。ここで、水酸化ナトリウムは、珪酸質原料と石灰質原料との混合物固形分100重量部に対して、固形分8重量部以下とする。前記原料ゲルを型枠に投入し、成形して原料成形体を得る。この原料成形体を60℃以下で、6時間以内、含水率10〜20wt%好ましくは10〜15wt%に乾燥を行って(前乾燥)半硬化体とする。これを100℃以下の水蒸気雰囲気中で6時間以内の養生した後、60から100℃の所定温度で1時間以内後乾燥して、石炭灰硬化体を得る。
<第1実施形態>
まず、石炭灰、石灰質原料、補強繊維を所定の割合で攪拌混合して粉体原料とする。この際、補強繊維の種類にもよるが、繊維の分散を確認してから次工程へ進む。
上記粉体原料に、所定の水酸化ナトリウムおよび水を添加し、水分率を25〜60wt%と調整した後、攪拌を行い、ゲル状の混練物を得る。ここで、水酸化ナトリウムは、珪酸質原料と石灰質原料との混合物固形分100重量部に対して、固形分8重量部以下とする。前記原料ゲルを型枠に投入し、成形して原料成形体を得る。この原料成形体を60℃以下で、6時間以内、含水率10〜20wt%好ましくは10〜15wt%に乾燥を行って(前乾燥)半硬化体とする。これを100℃以下の水蒸気雰囲気中で6時間以内の養生した後、60から100℃の所定温度で1時間以内後乾燥して、石炭灰硬化体を得る。
<第2実施形態>
前記第1実施形態で得られた半固化体を水蒸気雰囲気中140℃以下、1時間以内のマイクロ波を照射した後、乾燥して石炭灰硬化体を得る。マイクロ波照射方法としては連続照射も可能であるが、パルス照射法の方が有効的である。
前記第1実施形態で得られた半固化体を水蒸気雰囲気中140℃以下、1時間以内のマイクロ波を照射した後、乾燥して石炭灰硬化体を得る。マイクロ波照射方法としては連続照射も可能であるが、パルス照射法の方が有効的である。
<第3実施形態>
前記第1実施形態において得られた原料成形体を60℃以下の空気を送風し、マイクロ波を照射して、成形体内部の温度を60℃に制御しながら2時間以内乾燥(前乾燥)する。また、前記第1実施形態及び第2実施形態で得られた石炭灰成形体を100℃以下の温度で加熱空気あるいは乾燥空気を送風し、30分以内マイクロ波照射して乾燥(後乾燥)する。なお、前乾燥および後乾燥工程におけるマイクロ波照射法として温度制御下で連続照射あるいはパルス照射法のいずれも用いることができる。
前記第1実施形態において得られた原料成形体を60℃以下の空気を送風し、マイクロ波を照射して、成形体内部の温度を60℃に制御しながら2時間以内乾燥(前乾燥)する。また、前記第1実施形態及び第2実施形態で得られた石炭灰成形体を100℃以下の温度で加熱空気あるいは乾燥空気を送風し、30分以内マイクロ波照射して乾燥(後乾燥)する。なお、前乾燥および後乾燥工程におけるマイクロ波照射法として温度制御下で連続照射あるいはパルス照射法のいずれも用いることができる。
本発明による石炭灰硬化体の製造法では、次の効果がある。
(1)従来の水熱養生法に比べ、乾燥時間の短縮、養生温度の低温化、加熱時間の大幅短縮が可能であることから著しい省エネルギー化、低コスト化が実現できる。
(2)養生温度の低温化により、熱分解の恐れがなく、添加できる有機物の種類が幅広くなる。
(3)養生サイクルが短縮されることから、生産効率が良く大量生産が可能となる。
(4)100℃以下の水蒸気養生の場合、オートクレーブ等の耐圧容器が不要であるため、設備費の削減、圧力容器の管理作業が不要となる。また、開放系での養生であるため、開放系連続製造が可能となり、生産性が向上できる
(5)マイクロ波照射法を用いた場合、反応速度が著しく大きくなり、生産時間が大幅に短縮でき、製造装置の小型化が可能となる。
(6)前乾燥及び後乾燥にマイクロ波照射と空気の送風乾燥を組み合わせることにより、反り及び割れなく、迅速に乾燥できる。
(1)従来の水熱養生法に比べ、乾燥時間の短縮、養生温度の低温化、加熱時間の大幅短縮が可能であることから著しい省エネルギー化、低コスト化が実現できる。
(2)養生温度の低温化により、熱分解の恐れがなく、添加できる有機物の種類が幅広くなる。
(3)養生サイクルが短縮されることから、生産効率が良く大量生産が可能となる。
(4)100℃以下の水蒸気養生の場合、オートクレーブ等の耐圧容器が不要であるため、設備費の削減、圧力容器の管理作業が不要となる。また、開放系での養生であるため、開放系連続製造が可能となり、生産性が向上できる
(5)マイクロ波照射法を用いた場合、反応速度が著しく大きくなり、生産時間が大幅に短縮でき、製造装置の小型化が可能となる。
(6)前乾燥及び後乾燥にマイクロ波照射と空気の送風乾燥を組み合わせることにより、反り及び割れなく、迅速に乾燥できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、前記第1実施形態では、水蒸気養生条件が100℃以下、6時間以内であるが、従来の水熱養生条件より省エネルギーである100℃、6時間以上でもよい。マイクロ波―水熱養生条件が140℃以下、1時間以内であるが、140℃以上、1時間以上でもよい。また、マイクロ波照射方式についても本願発明に記したものに限定されるものではない。
また、原料成形体製造に脱水成形を用いていたが、これに限らず、押出成形等のその他の成形法により成形することも可能である。
また、原料成形体製造に脱水成形を用いていたが、これに限らず、押出成形等のその他の成形法により成形することも可能である。
石炭灰は高炉などから排出した石炭の高温焼却灰であり、シリカ質が存在するものの、遊離のシリカ成分でなく、ケイ酸アルミ化合物として存在していることがX線回折の結果(図2)から分った。このため、低温での硬化が困難である。石炭灰に対する品質の管理、アルミ質含量、粒径などの調整が必要となり、製造工程が複雑になり、生産コストが高くなる。しかも120℃以下の水熱養生では、材料の機会強度が発現できない。また、建築用材料の場合、表面硬度や曲げ強度等の強度発現、および温湿度の環境変化に対する寸法安定性を有する物性を付与するには、数十%セメントを混入し水和硬化させる方法が多く採用されているが、セメント自身が高いエネルギー消費物であるほか、セメントの混合により石炭灰の混合比率が低くなる。一方、高強度を発現するため、120〜180℃の温度条件下で、数時間から十数時間の高温高圧水熱養生処理することにより製造され、熱エネルギーを多量に消費し、また、高圧力に耐える設備費を要し、また運転費も高価となる。本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、石炭灰硬化体の新規な製造方法を見出したものである。従来の製造法に較べ、著しく低温で短時間に製造できる著しい省エネルギー製造方法を示すものである。
本発明の水蒸気養生は、低温、低圧(大気圧)条件で、実用的機械強度と寸法安定性を有する石炭灰硬化体およびその効率的な製造方法を提供するものである。大気圧下での操作であるため、従来の高温焼成などが密閉系生産を行うのに対し、開放系連続生産が可能で生産性を向上させることができる。
また、短時間マイクロ波照射して養生することにより、実用的機械強度および寸法安定性を有する石炭灰硬化体の製造方法を提供することにある。
また、短時間マイクロ波照射して養生することにより、実用的機械強度および寸法安定性を有する石炭灰硬化体の製造方法を提供することにある。
(実施例)
以下、実施例及び比較例を挙げて、本願発明をより具体的に説明する。本願発明はこれらの実施例並びに比較例によって何ら限定される物ではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本願発明をより具体的に説明する。本願発明はこれらの実施例並びに比較例によって何ら限定される物ではない。
本発明を理解するために水熱条件下での反応に主に用いられる石炭灰は通常の火力発電所より排出したものであり、主な成分はシリカ質:64.2、酸化アルミ質:19.5、酸化鉄分:3.5である。他の原料としては、石灰質原料は水酸化カルシウムを採用し、補強繊維にはARG(耐アルカリ性ガラス繊維)を採用した。
また、原料攪拌に用いたモルタルミキサーの攪拌条件は50〜100rpmとした。
また、原料攪拌に用いたモルタルミキサーの攪拌条件は50〜100rpmとした。
重量比で石炭灰:水酸化カルシウムは60:40〜90:10の混合原料を91.5重量部、ARG0.5重量部をモルタルミキサーによって、10分間攪拌した。次に水酸化ナトリウム8重量部を含有した水溶液添加し、さらに水分率が30wt%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間攪拌を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と原料の混合比との関係を図3に示す。この結果から、主原料である石炭灰と水酸化カルシウムの混合比率が60:40〜90:10の範囲では、いずれの場合においても、建材として充分な機械強度を有するが、比率が70:30前後では最大の強度を示していることが分った。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と原料の混合比との関係を図3に示す。この結果から、主原料である石炭灰と水酸化カルシウムの混合比率が60:40〜90:10の範囲では、いずれの場合においても、建材として充分な機械強度を有するが、比率が70:30前後では最大の強度を示していることが分った。
重量比で石炭灰:水酸化カルシウムは70:30の混合原料に、総固形物に対して0.5wt%のARGを添加してモルタルミキサーによって、10分間攪拌した。次に総固形物に対して2〜8wt%の水酸化ナトリウムを含有した水溶液添加し、さらに水分率が30wt%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間攪拌を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度とNaOHの添加量との関係を図4に示す。この結果から、得られた石炭灰硬化体が充分な機械強度を有するには、NaOHの添加量が4wt%以上、好ましくは6wt%以上であることが分った。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度とNaOHの添加量との関係を図4に示す。この結果から、得られた石炭灰硬化体が充分な機械強度を有するには、NaOHの添加量が4wt%以上、好ましくは6wt%以上であることが分った。
重量比で石炭灰:水酸化カルシウムは70:30の混合原料を91.5重量部、ARG0.5重量部をモルタルミキサーによって、10分間攪拌した。次に水酸化ナトリウム8重量部を含有した水溶液添加し、さらに水分率が30wt%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間攪拌を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、4〜8時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と養生時間との関係を図5に示す。この結果から100℃の場合、4時間以上の養生であれば、建材として充分な機械強度を有するものが得られることが分った。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、4〜8時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と養生時間との関係を図5に示す。この結果から100℃の場合、4時間以上の養生であれば、建材として充分な機械強度を有するものが得られることが分った。
前記実施例3で得られた原料成形体を50℃、0〜8時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。この石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と前乾燥時間との関係を図6に示す。この結果から、前乾燥を行わない場合、養生しても得られた成形体の強度が発現できない。また、50℃で3時間以上の前乾燥であれば、養生工程を経て建材として充分な機械強度を有するものが得られた。すなわち、養生前の半固化体の最適な含水率は10〜15wt%であることが分った。
前記実施例3で得られた半固化体ブロック8個(約100g)をマイクロ波反応容器に設置し、水蒸気雰囲気中で、100〜150℃の定温で1時間マイクロ波照射した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。
得られた石炭灰硬化体の外観には異常がなく、材料の圧縮強度とマイクロ波−水熱養生温度との関係を図7に示す。結果から、1時間マイクロ波照射の場合、処理温度が100℃以上であれば、建材として実用な機械強度を有する石炭灰硬化体が得られる。120℃の処理以上であれば、石炭灰硬化体の強度はさらに大きくなる。
得られた石炭灰硬化体の外観には異常がなく、材料の圧縮強度とマイクロ波−水熱養生温度との関係を図7に示す。結果から、1時間マイクロ波照射の場合、処理温度が100℃以上であれば、建材として実用な機械強度を有する石炭灰硬化体が得られる。120℃の処理以上であれば、石炭灰硬化体の強度はさらに大きくなる。
前記実施例2で得られた半固化体ブロック8個(約100g)をマイクロ波反応容器に設置し、水蒸気雰囲気中で、それぞれ100℃と120℃の定温にして、10〜120分時間マイクロ波照射して水熱養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。
得られた石炭灰硬化体の外観には異常がなく、材料の圧縮強度とマイクロ波照射時間との関係を図8に示す。結果から、100℃養生処理の場合、30分以上のマイクロ波照射であれば、また、120℃処理の場合、10分間以上のマイクロ波照射であれば、得られた石炭灰硬化体は実用的な強度を有することが分った。
得られた石炭灰硬化体の外観には異常がなく、材料の圧縮強度とマイクロ波照射時間との関係を図8に示す。結果から、100℃養生処理の場合、30分以上のマイクロ波照射であれば、また、120℃処理の場合、10分間以上のマイクロ波照射であれば、得られた石炭灰硬化体は実用的な強度を有することが分った。
水硬性組成物であるセメントを利用して石炭灰硬化物の生成について検討する。セメントは一般のポルトランドセメントを採用する。重量比で石炭灰:セメントは70:30、50:50、30:70それぞれの混合原料をモルタルミキサーによって、10分間混合した。水分率が24〜30wt%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間混練を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と原料の混合比との関係を図9に示す。この結果から、石炭灰の混合比率が高くなるにつれ、得られた硬化体の強度が低くなる。実用的な機械強度を有するには、石炭灰の好ましい混合比率が50wt%以下であることが分った。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と原料の混合比との関係を図9に示す。この結果から、石炭灰の混合比率が高くなるにつれ、得られた硬化体の強度が低くなる。実用的な機械強度を有するには、石炭灰の好ましい混合比率が50wt%以下であることが分った。
ケイ石と石炭灰を混合して石炭灰硬化物の生成について検討する。ケイ石はSiO2含有量97.1%、平均粒径5μmの結晶質ケイ石粉末を採用する。重量比でケイ石:石炭灰は1:2、1:1、2:1の混合物、また、比較のためにケイ石のみをそれぞれ65.5重量部、水酸化カルシウムを28重量部、ARG0.5重量部からなる混合原料をモルタルミキサーによって、10分間混合した。次に水酸化ナトリウム6重量部を含有した水溶液添加し、さらに水分率が28wt%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間混練を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と原料の混合比との関係を図10に示す。この結果から、ケイ石と石炭灰の混合比が1:2の場合、得られた硬化体の強度が若干低くなるが、いずれの場合においても、実用的な機械強度を有する。また、ケイ石のみの結果と比べると、ケイ石に50wt%前後の石炭灰を混合しても得られた材料の強度が降下していないことが分った
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度と原料の混合比との関係を図10に示す。この結果から、ケイ石と石炭灰の混合比が1:2の場合、得られた硬化体の強度が若干低くなるが、いずれの場合においても、実用的な機械強度を有する。また、ケイ石のみの結果と比べると、ケイ石に50wt%前後の石炭灰を混合しても得られた材料の強度が降下していないことが分った
重量比で石炭灰:水酸化カルシウムは70:30の混合原料に、総固形物に対して0〜1wt%のARGを添加してモルタルミキサーによって、10分間攪拌した。次に総固形物に対して8wt%の水酸化ナトリウムを含有した水溶液添加し、さらに水分率が30wt%になるように水を添加した後、モルタルミキサーによって、5分間攪拌を行い、原料ゲルを得た。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度とARGの添加量との関係を図11に示す。この結果から、ARGの添加量が0.5wt%前後は最適であることが分った。
得られた原料ゲルを15mm×15mm×30mmの型枠に詰め、原料成形体を得た。さらに、原料成形体を50℃、5時間乾燥させて、半固化体を得た。得られた半固化体を水蒸気雰囲気中で、温度を100℃、6時間養生した後、100℃、1時間乾燥させて石炭灰硬化体を得た。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度とARGの添加量との関係を図11に示す。この結果から、ARGの添加量が0.5wt%前後は最適であることが分った。
前記実施例2と同様の方法で石炭灰硬化体を得た。しかし、補強繊維ARGの変わりに、パルプを用いた。これらの石炭灰硬化体の外観には異常がなく、その圧縮強度とNaOHの添加量との関係を図12に示す。前記実施例2の結果と比較して、同条件におけるパルプを添加した硬化体は、ARGを添加した硬化体より材料の強度が劣っている。
上記各実施例1、5、6および比較例1、2、4で得られた硬化体について、かさ比重、圧縮強度、吸水率、吸水長さ変化率を測定した。得られた物性値をまとめて表1に示す。
前記かさ比重、吸水率、および吸水長さ変化率の測定は、JIS A5430に準拠した方法により測定した。また、前記圧縮強度の測定は、JIS R2616に準拠した方法により測定した。
表1に示されるように、実施例及び比較例で得られた石炭灰硬化体はいずれも実用するにあたって十分な強度を有していることがわかる。また、吸水長さ変化率も低く、吸水に対する十分な寸法安定性を有していることが確認された。
石炭灰はセメント、透水性平板やゼオライトなど様々な分野への応用が検討され、実用化されてきたが、大量に発生するために、完全な再利用はされていない。本発明では石炭灰を主成分とする高強度固化体を提供するものであり、高強度・断熱債など建材のみならず、人工岩礁として藻場の形成、サンゴの定着床等幅広い応用が考えられる。また、100℃以下の大気圧中で製造が可能であり、マイクロ波を利用する場合は従来の製造時間の1/10から1/100程度となり、装置の小型化がはかれ、著しい省エネルギー効果が期待できるものと期待される。本発明の製造プロセスは装置を一新する必要がなく、マイクロ波の導入工夫することにより、従来の装置を用いて実現することも可能である。すなわち、従来の装置にマイクロ波を導入し、反応条件を精密に制御することにより、効率よく製造できることから、製品ならびにそのプロセスは幅広く活用できるものと考えている。
Claims (4)
- 珪酸質原料の石炭灰と石灰質原料及び補強繊維との混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えた混合原料を混練した後、成形して半固化体として、マイクロ波照射下に、水分調整のための前乾燥、硬化のための水蒸気養生、後乾燥の各工程を経ることを特徴とする高強度固化体の製造方法。
- 珪酸質原料である石炭灰と石灰質原料とを重量比40:60〜90:10で混合し、その混合物100重量部に対して、固形分4〜8重量部の水酸化ナトリウム水溶液を混合し、水分含量25〜35重量%のスラリーとして成形し、前乾燥工程において含水率10〜15重量%とすることを特徴とする請求項1の固化体の製造方法。
- 前乾燥工程では、半固化体の内部温度を60℃以下に制御しながら、通常の乾燥機を用いて、もしくは60℃以下の温風を送風ながらマイクロ波を照射して、所定水分量まで乾燥する。水蒸気養生工程では、水蒸気雰囲気下で、通常の電気炉で加熱して養生するか、もしくはマイクロ波照射で加熱して養生を行う。この工程において、必要に応じて水蒸気を導入する。次いで後乾燥工程では、100℃以下の条件下で、通常の乾燥機を用いて乾燥を行うか、もしくは100℃以下の熱風を送風しながらマイクロ波乾燥することを特徴とする請求項1、2の固化体の製造方法。
- 請求項1、2、3記載の製造方法により製造した固化体。
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